JP3984366B2 - 成分分析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコンウェハやガラス基板などの試料の表面の所定の位置や領域の成分を分析する成分分析装置および方法、この成分分析装置を利用して試料の表面の異物の成分を分析する異物分析システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体装置の製造工程などにおいては、シリコンウェハの表面に微細な配線パターンなどを形成する。しかし、形成した配線パターンなどに異物が存在したり、表面に異物が付着していると、これが半導体装置の動作不良の原因となる。そこで、半導体装置の製造工程などにおいては、その表面状態を検査して分析し、半導体装置の歩留りを向上させることが肝要である。
【0003】
現在、SEM(Scanning Electron Microscope)の高倍率化やX線分析装置の高精度化により、肉眼では確認できないサブミクロンレベルの微細な試料も簡単に検査して分析することができる。その反面、試料の検査したい部分をSEMなどの視野に正確に配置して適正な条件で分析することは煩雑な作業となっている。
【0004】
例えば、最近ではシリコンウェハの直径が200(mm)から300(mm)に拡大する傾向にあるが、このようなシリコンウェハの全面から1(μm)程度の直径の異物や異物を探索して適正な条件で分析することは非常に困難である。現状では試料の検査する位置を装置の視野に配置することや分析条件の設定などを、専門の作業者が手動で実行している。
【0005】
また、前述のような分析装置により試料から獲得される測定結果は、一般的にエネルギスペクトルとして出力されるので、そのスペクトルでのピークのエネルギ値と元素ごとに固有のエネルギ値とが比較されることで、試料の表面に存在する元素が解析される。このように測定結果を解析して結果を判断するため、現状では分析技術を有する専門の作業者を必要としており、測定結果を解析して結果が判定されるまでに時間が必要で作業も煩雑である。
【0006】
上述のような課題を解決するため、測定結果の解析の手間を改善する各種の手法が検討されており、例えば、コンピュータなどの自動装置の演算処理により、分析装置の測定結果からスペクトルのピーク値を検出させ、このピーク値とデータベースに事前に登録されている元素ごとのピーク値とを比較させ、試料の表面の元素を解析させることが提案されている。
【0007】
ここで、上述のような成分分析装置の一従来例を図4および図5を参照して以下に説明する。なお、図4は成分分析装置の全体構造を示す模式的な斜視図、図5は測定結果を示す特性図である。
【0008】
まず、この成分分析装置1が表面を検査する試料2は、例えば、シリコンウェハからなり、ここで一従来例として例示する成分分析装置1は、図4に示すように、上述のような試料2を保持する試料保持手段として試料保持ステージ3を具備している。
【0009】
この試料保持ステージ3は、相対移動手段であるステージ移動機構4によりX方向とY方向とに移動自在に支持されている。なお、ここで云うX方向およびY方向とは、双方とも水平でありながら相互には直交する方向であり、例えば、X方向が前後方向でY方向が左右方向である。
【0010】
上述のような試料保持ステージ3に保持された試料2の表面の一点に、ビーム照射手段である電子銃5が真上から垂直に対向しているとともに、各種のエネルギ検出手段である反射電子検出器6と二次電子検出器7とX線検出器8とが各々所定の傾斜角度で対向している。
【0011】
電子銃5は、試料保持ステージ3に保持された試料2の表面の一点にエネルギビームとして電子ビームを出射し、反射電子検出器6は、試料2の表面での発生エネルギとして反射電子を検出する。同様に試料2の表面での発生エネルギとして、二次電子検出器7は二次電子を検出し、X線検出器8は特性X線を検出する。
【0012】
なお、このX線検出器8は、実際には半導体検出部やマルチチャネルの波高分析器を具備している(図示せず)。半導体検出部は、高純度シリコンなどを利用して形成されており、特性X線のエネルギに対応して電子/正孔対を内部で発生し、特性X線をエネルギに比例した波高の電流パルスに変換する。
【0013】
波高分析器は、電流パルスを特性X線のエネルギごとにチャネルに振り分けて計数し、これをエネルギスペクトルとしてデータ出力する。このようなX線検出器8は他の検出器6,7とともにコンピュータシステム(図示せず)に接続されており、このコンピュータシステムは、各種検出器6〜8の検出結果を作業者に所定形態でデータ出力する。
【0014】
なお、電子銃5は、電子ビームの出射方向を微調整するビーム偏向機構(図示せず)も具備しており、このビーム偏向機構とステージ移動機構4とにより試料2の電子ビームが照射される位置が二次元的に走査される。また、上述した成分分析装置1の各部は、実際には一個の真空容器(図示せず)の内部に配置されている。
【0015】
上述のような構造の成分分析装置1の成分分析方法を以下に順次説明する。まず、試料保持ステージ3により保持された試料2の表面に電子銃5により電子ビームが照射されるので、この電子ビームの照射により試料2の表面で発生する各種エネルギが各種検出器6〜8により個々に検出される。
【0016】
つまり、反射電子検出器6により反射電子が検出され、二次電子検出器7により二次電子が検出され、X線検出器8により特性X線が検出される。例えば、これらの検出結果はコンピュータシステムにデータ出力されるので、このコンピュータシステムでは、反射電子や二次電子による画像生成や特性X線による成分分析が実行される。
【0017】
なお、一般的には最初に試料2の表面の全域が電子ビームにより走査されて反射電子や二次電子が検出され、これらで画像が生成されて試料2の表面に付着している異物の位置が検出されるので、このように検出された位置に電子ビームが再度照射されて特性X線により異物の成分が分析される。
【0018】
この特性X線による成分分析では、前述のようにX線検出器8は特性X線をエネルギに比例した波高の電流パルスに変換し、この電流パルスを特性X線のエネルギに対応して振り分けるので、このコンピュータシステムは、図5に示すように、特性X線の検出数をエネルギごとのグラフとして表示出力する。
【0019】
これは一般的にエネルギスペクトルと呼称されており、顕著なピークを特定できる場合には、そのX線を放出する元素が試料2の検査する位置に多量に存在することになる。従って、元素ごとにX線のエネルギをデータベースに登録しておき、エネルギスペクトルからピークのエネルギ値を特定して整合する元素を検索すれば、これで試料2の検査する位置の成分元素を判定することができる。
【0020】
なお、上述のような状態で試料2に電子ビームが照射される位置が試料保持ステージ3や電子銃5の機能により二次元的に走査されるので、各種の検出器6〜8により各種エネルギが検出される試料2の位置も二次元的に走査され、成分分析が試料2の表面の各所で実行される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような成分分析装置1では、試料2の表面の組成を分析するようなことができる。特に、現在ではユーザの作業の負担を軽減するとともに速度を向上させるため、上述した特性X線のエネルギスペクトルからピーク値を検出することや、この検出したピーク値から元素を特定することなどを、コンピュータシステムで自動的に実行することが実用化されている。
【0022】
しかし、現在存在が認定されている元素は109個もあるため、自動的な動作で元素を正確に同定することは実際には困難である。例えば、Au(金)の主要な特性X線としては、エネルギ値が“2.14,9.7,11.44,11.59(keV)”の四本があり、Nb(ニオブ)の主要な特性X線としては、エネルギ値が“2.17,2.26,16.58,18.60(keV)”の四本がある。この場合、特性X線のピーク値の検出に“30(eV)”の誤差が存在すると、Auの“2.14(keV)”とNbの“2.17(keV)”とのエネルギ値を正確に判定できないことになる。
【0023】
このような場合、上述のように一つの元素が複数の特性X線を放出しているので、複数の特性X線のピーク値を総合的に分析すれば良好な精度で元素を同定することは可能である。しかし、このように複数の検出データを総合的に分析することは、処理が煩雑で作業の速度も低下することになる。
【0024】
また、従来の成分分析装置1では、一般的に試料2の検査する領域のサイズが小さいほど検出信号のS/Nが低下し、元素を同定する精度も低下する。同様に、作業の時間を短縮して速度を向上させるほど、検出信号のS/Nが低下して元素を同定する精度も低下する。
【0025】
換言すると、従来の成分分析装置1による成分分析方法では、試料2の成分を自動的に分析することは可能であるが、試料2の小さい領域の元素を良好な精度で自動的に迅速に同定することが困難である。このため、従来は必要により専門知識を有するユーザが作業を補助しており、上述の成分分析装置1では、例えば、製造過程の半導体装置を試料2として迅速に検査することや、無人の機械で自動的な抜き取り検査を実行するようなことができない。
【0026】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、小さい試料の元素を良好な精度で自動的に迅速に同定することができる成分分析装置および方法を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明の成分分析装置は、試料を保持する試料保持手段と、前記試料保持手段により保持された試料の表面に存在する分析対象の異物へエネルギビームを照射するビーム照射手段と、前記ビーム照射手段のビーム照射により前記異物から生ずるX線の発生エネルギを検出するエネルギ検出手段と、前記エネルギ検出手段の検出データにより前記異物の成分を分析する成分分析手段と、を備える成分分析装置において、
前記試料の表面の前記異物の中心位置を含む領域情報が事前に取得され、該領域情報を格納するデータ記憶手段と、前記データ記憶手段に格納されている該領域情報に基づく領域に対して、エネルギビームが照射されるように前記試料を移動させる移動手段と、前記異物の中心位置に対して前記エネルギ検出手段の方向に変位した位置にエネルギビームが照射されるように前記移動手段の動作を制御する動作制御手段と、を有することを特徴とする。
【0028】
従って、本発明の成分分析装置による成分分析方法では、試料保持手段により保持された試料の表面にビーム照射手段によりエネルギビームが照射され、このビーム照射による試料の発生エネルギがエネルギ検出手段により検出され、この検出データから成分分析手段により試料の成分が分析される。ただし、このように成分を分析する試料の表面の位置がデータ記憶手段に事前にデータ設定されており、このデータ設定されている位置にエネルギビームが照射されるように移動手段により試料保持手段が移動されるので、試料の表面の特定の位置の成分が分析される。そして、上述の移動手段の動作を動作制御手段が制御することにより、データ記憶手段にデータ設定されている位置よりエネルギ検出手段の方向に変位した位置にビーム照射手段のエネルギビームが照射されるので、これで試料の表面の所望の位置の発生エネルギがエネルギ検出手段により良好に検出される。
【0029】
このことを以下に説明する。まず、上述のような成分分析装置による成分分析方法は、試料の表面に付着した微細な異物の成分の分析に利用されることが一般的である。しかし、図6に示すように、エネルギビームを試料の表面の異物の付着した位置の中心に正確に照射した場合より、エネルギ検出手段の方向に変位した位置に出射した場合の方が、発生エネルギの検出強度が増加することが確認されている。これはエネルギ検出手段で検出される発生エネルギが、試料の表面で凸部となる異物に遮蔽されるためと想定される。このため、上述のようにエネルギビームの照射位置を検査したい位置よりエネルギ検出手段の方向に変位した位置とすると、結果的に発生エネルギの検出強度が上昇して分析精度が向上する。
【0032】
上述のような成分分析装置において、前記成分分析手段の分析結果を更新自在にデータ保存する結果記憶手段と、該結果記憶手段にデータ保存された分析結果の出力要求が外部入力される要求入力手段と、該要求入力手段に外部入力された出力要求に対応した分析結果を前記結果記憶手段から読み出して外部出力する結果出力手段と、も具備していることも可能である。
【0033】
この場合、成分分析手段の分析結果が結果記憶手段により更新自在にデータ保存されるので、このような状態で分析結果の出力要求が要求入力手段に外部入力されると、その出力要求に対応した分析結果が結果出力手段により結果記憶手段から読み出されて外部出力される。このため、複数の試料の検査や一個の試料の複数の位置の検査などを自動的に実行した場合でも、その分析結果を自動的に蓄積させて所望により閲覧することができる。
【0034】
上述のような成分分析装置において、前記データ記憶手段は、複数の位置や領域がデータ設定されており、前記動作制御手段は、前記データ記憶手段にデータ設定されている複数の位置や領域に前記ビーム照射手段のエネルギビームが順番に照射されるように前記移動手段の動作を制御することも可能である。
【0035】
この場合、データ記憶手段にデータ設定されている複数の位置や領域にエネルギビームが順番に照射されるように移動手段の動作を動作制御手段が制御するので、所望により事前にデータ設定した試料の表面の複数の位置や領域が自動的に検査される。
【0036】
上述のような成分分析装置において、前記データ記憶手段は、特定の物質での前記エネルギ検出手段の検出データに相当する多数の成分データも事前に登録されており、前記成分分析手段は、前記データ記憶手段に登録されている多数の成分データを前記エネルギ検出手段の検出データで検索して試料の成分を分析することも可能である。
【0037】
この場合、特定の物質に対応した多数の成分データがデータ記憶手段に事前に登録されており、このように登録されている多数の成分データが成分分析手段によりエネルギ検出手段の検出データで検索されて試料の成分が分析されるので、試料の検査する位置の成分が事前に登録されている対数の物質の一つとして特定される。
【0038】
上述のような成分分析装置において、前記データ記憶手段は、特定の物質での前記エネルギ検出手段の検出データに相当する多数の成分データも事前に登録されており、前記成分分析手段は、前記データ記憶手段に登録されている多数の成分データを前記エネルギ検出手段の検出データで検索して試料の成分を分析し、前記移動手段は、前記データ記憶手段にデータ設定されている領域のエネルギビームによる走査を前記エネルギ検出手段に近接した位置から開始し、前記動作制御手段は、前記成分分析手段の分析結果として前記エネルギ検出手段の検出データに整合する成分データが前記データ記憶手段から検索された時点で前記各種手段の動作を終了させることも可能である。
【0039】
この場合、特定の物質でのエネルギ検出手段の検出データに相当する多数の成分データもデータ記憶手段に事前に登録されており、データ記憶手段にデータ設定されている領域のエネルギビームによる走査が移動手段によりエネルギ検出手段に近接した位置から開始され、このエネルギ検出手段の検出データでデータ記憶手段に登録されている多数の成分データが成分分析手段により検索されることで試料の成分が分析される。ただし、この分析結果としてエネルギ検出手段の検出データに整合する成分データがデータ記憶手段から検索された時点で、動作制御手段により各種手段の動作が終了されるので、分析が完了しているのに作業が継続されることがない。
【0040】
なお、本発明で動作制御手段が動作を終了させる各種手段は、試料の分析を実行するときに稼働する各種手段の一部や全部を許容し、例えば、ビーム照射手段、エネルギ検出手段、成分分析手段、データ記憶手段、移動手段、動作制御手段自身、等を許容する。
【0041】
上述のような成分分析装置において、前記データ記憶手段は、試料の分析しない部分での前記エネルギ検出手段の検出データに相当するバックグラウンドの成分データも事前に登録されており、前記成分分析手段は、前記データ記憶手段に登録されているバックグラウンドの成分データを前記エネルギ検出手段の検出データから排除することも可能である。
【0042】
この場合、試料の分析しない部分に対応したバックグラウンドの成分データもデータ記憶手段に事前に登録されており、このように登録されているバックグラウンドの成分データが成分分析手段によりエネルギ検出手段の検出データから排除されるので、分析結果からバックグラウンドのノイズ成分が排除されて分析精度が向上する。例えば、成分を分析する対象が試料の表面に付着した異物の場合、その位置にエネルギビームを照射しても異物の発生エネルギと試料の発生エネルギとが同時に検出される。そこで、試料の発生エネルギの検出結果をバックグラウンドの成分データとして登録しておき、これを検出結果から排除すれば異物の発生エネルギのみを抽出することができる。
【0043】
上述のような成分分析装置において、前記成分分析手段の分析結果として前記エネルギ検出手段の検出データに整合する成分データが前記データ記憶手段から検索されないと所定の報知出力を実行する結果報知手段も具備していることも可能である。
【0044】
この場合、成分分析手段の分析結果としてエネルギ検出手段の検出データに整合する成分データがデータ記憶手段から検索されないと、結果報知手段により所定の報知出力が実行されるので、これで登録されている物質が検出されなかったことが作業者に報知される。
【0045】
なお、本発明で云う所定の報知出力とは、所定状態の発生をユーザに認識させる装置の動作を意味しており、例えば、画像データやガイダンステキストのディスプレイによる表示出力、ガイダンステキストのスピーカによる音声出力、パイロットランプの点灯や点滅、ブザーの発音、等を許容する。
【0046】
上述のような成分分析装置において、前記データ記憶手段に登録されている成分データの一部に報知の必要を示す識別子が付与されており、前記成分分析手段により検索された成分データに識別子が付与されていると所定の報知出力を実行する結果報知手段も具備していることも可能である。
【0047】
この場合、成分分析手段によりデータ記憶手段から検索された成分データに識別子が付与されていると、結果報知手段により所定の報知出力が実行されるので、例えば、特に注意が必要な物質の成分データに識別子を付与しておけば、それが試料の表面に存在する場合に、これがユーザに報知される。
【0048】
なお、前述のように報知出力としてテキストデータを表示出力する場合、その内容により予想される事態を報知することも可能である。例えば、成分を分析する対象が試料の表面に付着した異物の場合、エネルギビームが適正な位置に照射されないと異物の発生エネルギでなく試料の発生エネルギが検出される。また、エネルギビームを照射する位置が適正でも、異物の成分が試料と同一であると分析結果を試料と判別することができない。
【0049】
そこで、分析結果として試料と同一の成分データが検索された場合には“異物の成分が試料と同一であるか、異物の成分が同定不能であるか、エネルギビームの照射位置が適正でない”ことをテキストデータとして報知出力するようなことが可能である。
【0050】
上述のような成分分析装置において、前記データ記憶手段は、特定の物質として元素に対応した成分データが登録されており、前記成分分析手段は、試料の元素の組成を分析することも可能である。この場合、データ記憶手段に登録されている成分データが元素に対応しているので、成分分析手段により試料の表面の元素の組成が分析される。
【0051】
上述のような成分分析装置において、前記ビーム照射手段は、エネルギビームとして電子ビームを出射する電子銃を具備しており、前記エネルギ検出手段は、発生エネルギとして特性X線を検出するX線検出器を具備しており、前記成分分析手段は、前記エネルギ検出手段により検出された特性X線のエネルギスペクトルを解析して試料の元素を組成分析することも可能である。
【0052】
この場合、ビーム照射手段が具備している電子銃によりエネルギビームとして電子ビームが出射され、エネルギ検出手段が具備しているX線検出器により発生エネルギとして特性X線が検出される。この検出された特性X線のエネルギスペクトルが成分分析手段により解析されて試料表面の元素が組成分析されるので、この元素の組成分析は電子ビームが照射されたときに試料から発生する特性X線のエネルギスペクトルに基づいて実行される。
【0053】
上述のような成分分析装置において、前記ビーム照射手段は、エネルギビームとして電子ビームを出射する電子銃を具備しており、前記エネルギ検出手段は、発生エネルギとして発生電子を検出する電子検出器を具備しており、前記成分分析手段は、前記エネルギ検出手段により検出された発生電子のエネルギに対応して試料の元素を組成分析することも可能である。
【0054】
この場合、ビーム照射手段が具備している電子銃によりエネルギビームとして電子ビームが出射され、エネルギ検出手段が具備している電子検出器により発生エネルギとして発生電子が検出される。この検出された発生電子のエネルギに対応して成分分析手段により試料表面の元素が組成分析されるので、この元素の組成分析は電子ビームが照射されたときに試料から発生する発生電子のエネルギに基づいて実行される。なお、本発明で云う発生電子とは、電子ビームの照射により試料の表面で発生する電子を意味しており、例えば、オージェ電子や反射電子を許容する。
【0055】
上述のような成分分析装置において、前記ビーム照射手段は、エネルギビームとしてイオンビームを出射するイオン銃を具備しており、前記エネルギ検出手段は、発生エネルギとして二次イオンを検出する二次イオン検出器を具備しており、前記成分分析手段は、前記イオン検出手段により検出された二次イオンの飛行時間に対応して試料を成分分析することも可能である。
【0056】
この場合、ビーム照射手段が具備しているイオン銃によりエネルギビームとしてイオンビームが出射され、エネルギ検出手段が具備している二次イオン検出器により発生エネルギとして二次イオンが検出される。この検出された二次イオンの飛行時間に対応して成分分析手段により試料が成分分析されるので、この成分分析はイオンビームが照射されたときに試料から発生する二次イオンの飛行時間に基づいて実行される。
【0057】
上述のような成分分析装置において、前記ビーム照射手段は、エネルギビームとしてレーザビームを出射するレーザ出射器を具備しており、前記エネルギ検出手段は、発生エネルギとしてイオンを検出するイオン検出器を具備しており、前記成分分析手段は、前記イオン検出手段により検出されたイオンの飛行時間に対応して試料を成分分析することも可能である。
【0058】
この場合、ビーム照射手段が具備しているレーザ出射器によりエネルギビームとしてレーザビームが出射され、エネルギ検出手段が具備しているイオン検出器により発生エネルギとしてイオンが検出される。この検出されたイオンの飛行時間に対応して成分分析手段により試料が成分分析されるので、この成分分析はレーザビームが照射されたときに試料から発生するイオンの飛行時間に基づいて実行される。
【0059】
上述のような成分分析装置において、前記成分分析手段の分析結果から画像データを生成して表示出力する画像表示手段も具備していることも可能である。この場合、成分分析手段の分析結果から画像表示手段により画像データが生成されて表示出力されるので、試料の表面の分析結果が表示画像としてユーザに提供される。
【0060】
上述のような成分分析装置において、前記画像表示手段は、前記成分分析手段の分析結果を試料に対応してマッピングした画像データとして表示出力する具備していることも可能である。この場合、成分分析手段の分析結果が画像表示手段により試料の表面に対応してマッピングされた画像データとして表示出力されるので、試料の分析結果が表面位置に対応した表示画像としてユーザに提供される。
【0061】
上述のような成分分析装置において、前記動作制御手段は、前記試料保持手段による保持の誤差の距離に対応して前記ビーム照射手段のエネルギビームが照射される試料の表面の範囲が拡大されるように前記移動手段を動作制御することも可能である。
【0062】
この場合、動作制御手段が移動手段を動作制御することにより、ビーム照射手段のエネルギビームが照射される試料の表面の範囲が、試料保持手段による保持の誤差の距離に対応して拡大される。このため、試料保持手段が試料を保持する位置に所定の距離の誤差が存在しても、この距離に対応した範囲までエネルギビームが照射されるので、試料の検査したい位置にエネルギビームが照射される。
【0063】
上述のような成分分析装置において、試料から異物の存在する位置や領域を検出する位置検出手段と、該位置検出手段により検出された位置や領域を前記データ記憶手段にデータ設定するデータ設定手段と、も具備していることも可能である。
【0064】
この場合、試料の表面から異物の存在する位置が位置検出手段により検出され、この検出結果からデータ設定手段により位置データが生成されてデータ記憶手段に更新自在に登録されるので、試料の表面の異物の存在する位置が検査する領域や位置として自動的に登録される。このように登録された位置や領域に対応して試料の表面の成分が分析されるので、これで試料の表面に付着した異物の成分が分析される。
【0065】
上述のような成分分析装置において、前記位置検出手段は、試料にレーザビームを照射するレーザ出射器と、試料で反射されたレーザビームを検出するレーザ検出器と、を具備していることも可能である。この場合、レーザ出射器により試料の表面にレーザビームが照射され、試料の表面で反射されたレーザビームがレーザ検出器により検出されるので、これで位置検出手段により試料の表面から異物の存在する位置が検出される。
【0066】
上述のような成分分析装置において、前記位置検出手段は、試料に電子ビームを出射する電子銃と、試料の発生電子を検出する電子検出器と、を具備している。この場合、電子銃により試料の表面に電子ビームが照射され、試料の表面で発生した発生電子が電子検出器により検出されるので、これで位置検出手段により試料の表面から異物の存在する位置が検出される。
【0067】
なお、前述のように試料の表面の成分を特性X線で検出する場合、試料の表面にエネルギビームとして電子銃から電子ビームを照射する。つまり、このような場合には、試料の表面から異物の存在する位置を検出するための電子銃と、その異物の成分を検出するための電子銃とを、共用することができる。
【0068】
上述のような成分分析装置において、外部からデータ入力される試料の表面の位置や領域を前記データ記憶手段にデータ設定するデータ設定手段も具備していることも可能である。この場合、外部からデータ入力される試料の表面の位置や領域がデータ設定手段によりデータ記憶手段にデータ設定されるので、例えば、試料から異物の存在する位置や領域を検出してデータ出力する別体の装置を、成分分析装置のデータ設定手段に接続しておけば、試料の異物の位置や領域が自動的にデータ設定される。
【0069】
本発明の異物分析システムは、本発明の成分分析装置と、試料から異物の存在する位置や領域を検出して前記成分分析装置のデータ設定手段にデータ入力する位置検出装置と、を具備している。従って、本発明の異物分析システムによる異物分析方法では、試料から異物の存在する位置や領域が位置検出装置により検出され、この位置や領域が成分分析装置のデータ設定手段によりデータ記憶手段にデータ設定される。成分分析装置はデータ設定された位置や領域に対応して試料の表面の成分を分析するので、これで試料の表面に付着した異物の成分が分析される。
【0070】
なお、本発明で云う各種手段は、その機能を実現するように形成されていれば良く、例えば、専用のハードウェア、適正な機能がプログラムにより付与されたコンピュータ、適正なプログラムによりコンピュータの内部に実現された機能、これらの組み合わせ、等を許容する。
【0071】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の第一の形態を図1および図2を参照して以下に説明する。ただし、本実施の形態において前述した一従来例と同一の部分は、同一の名称を使用して詳細な説明は省略する。なお、図1は本実施の形態の成分分析装置を示す模式的な斜視図、図2は分析結果が試料の表面に対応してマッピングされた画像データを示す模式図である。
【0072】
本実施の形態の成分分析装置11は、図1に示すように、検査装置本体100とコンピュータシステム200とを具備しており、これらの各部が適宜接続されている。検査装置本体100は、一従来例として前述した成分分析装置1と同様に、シリコンウェハからなる試料12を保持する試料保持手段として試料保持ステージ13を具備しており、この試料保持ステージ13は、移動手段であるステージ移動機構14によりXY方向に移動自在に支持されている。
【0073】
上述のような試料保持ステージ13に保持された試料12の表面の一点に、ビーム照射手段である電子銃15が真上から垂直に対向しているとともに、各種のエネルギ検出手段である反射電子検出器16と二次電子検出器17とX線検出器18とが各々所定の傾斜角度で対向している。
【0074】
なお、電子銃15および二種類の電子検出器16,17は、ここでは位置検出手段も兼用しており、詳細には後述するが、二次電子や反射電子の検出結果から画像を生成することにより、試料12の表面から異物が存在する位置を検出する。
【0075】
X線検出器18は、半導体検出部19やマルチチャネルの波高分析器20を具備しており、このようなX線検出器18が他の検出器16,17とともにコンピュータシステム200の制御処理ユニット21に接続されている。この制御処理ユニット21は、コンピュータシステム200の主体であり、外部記憶装置22とデータ入力デバイス23とデータ出力デバイス24とが接続されている。
【0076】
外部記憶装置22は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)やFDD(Floppy Disc Drive)からなり、データ記憶手段や結果記憶手段に相当する各種の記憶エリアが事前に設定されており、外部入力される各種データを外部出力できる状態で更新自在に保存する。
【0077】
データ入力デバイス23は、例えば、キーボードやFDDからなり、ユーザによる操作コマンドなどの各種データの外部入力を受け付ける。データ出力デバイス24は、例えば、ディスプレイやFDDからなり、各種検出器16〜18の検出データなどの各種データをユーザに外部出力する。
【0078】
制御処理ユニット21は、いわゆるパーソナルコンピュータからなり、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)やI/F(Interface)等のハードウェアを物理的に具備している(図示せず)。
【0079】
制御処理ユニット21のRAMやROM等の情報記憶媒体にソフトウェアとして格納されている制御プログラムや外部記憶装置22に登録されている各種データをCPUが読み取って対応する動作を実行することにより、コンピュータシステム200には各種手段として各種機能が論理的に実現されている。
【0080】
本実施の形態の表面検査装置11のコンピュータシステム200には、データ記憶手段であるデータ記憶機能、動作制御手段である動作制御機能、成分分析手段である成分分析機能、結果記憶手段である結果記憶機能、要求入力手段である要求入力機能、結果出力手段である結果出力機能、結果報知手段である結果報知機能、データ設定手段であるデータ設定機能、画像表示手段である画像表示機能、等の各種機能が各種手段として論理的に実現されている。
【0081】
データ記憶機能は、前述のように外部記憶装置22に設定された所定の記憶エリアに相当し、各種データが更新自在に事前に設定されている。例えば、外部記憶装置22には、成分データのデータベースが事前に構築されており、このデータベースには、特定の物質での各種検出器16〜18の検出データに相当する多数の成分データが事前に登録されている。
【0082】
この多数の成分データは、試料12の表面に存在することが予想される特定の元素に対応して登録されており、ここでは報知の必要を示す識別子も二値フラグの一方などとしてオンオフ自在に個々に付与されている。さらに、試料12の分析しない部分での検出データに相当するバックグラウンドの成分データとして、試料12の材料であるシリコンの成分データも登録されており、この成分データには、バックグラウンドであることを示す専用の識別子が付与されている。
【0083】
さらに、外部記憶装置22には、結果記憶機能に相当する記憶エリアも設定されており、そこで各種検出器16〜18の検出データを更新自在に一時記憶する。さらに、外部記憶装置22には、試料12の表面の分析する位置が、例えば、ステージ移動機構14の座標データなどで事前にデータ設定されている。
【0084】
動作制御機能は、制御処理ユニット21が事前に実装されている制御プログラムに対応して所定のデータ処理を実行することにより、検査装置本体100の各部の動作を統合制御する。より詳細には、試料12の検査する位置の設定データを外部記憶装置22から読み出し、これに対応してステージ移動機構14を動作制御して試料12の検査する位置を電子銃15が電子ビームを照射する位置に移動させる。
【0085】
このような状態で電子銃15を動作制御して電子ビームを試料12の表面に照射させ、これに対応した試料12の発生エネルギである反射電子を反射電子検出器16に検出させ、二次電子を二次電子検出器17に検出させ、特性X線をX線検出器18に検出させる。
【0086】
なお、本実施の形態の表面検査装置11でも、やはり最初に試料12の表面の全域が電子銃15の電子ビームで走査されて各電子検出器16,17で反射電子と二次電子とが検出され、この検出結果からコンピュータシステム200が試料12の表面に対応した画像が生成されて異物の位置が検出される。
【0087】
このように検出された位置は制御処理ユニット21により外部記憶装置22にデータ設定され、この設定データに対応して制御処理ユニット21がステージ移動機構14を動作制御することで、試料12の異物の位置に電子銃15の電子ビームが照射されてX線検出器18により特性X線が検出される。
【0088】
ただし、このように外部記憶装置22にデータ設定されている試料12の位置に電子銃15の電子ビームが照射されてX線検出器18により特性X線が検出されるとき、制御処理ユニット21の動作制御機能は、データ設定されている位置よりX線検出器18の方向に変位した試料12の位置に電子ビームが照射されるようにステージ移動機構14や電子銃15のビーム偏向機構を動作制御する。
【0089】
なお、実際には一個の試料12の表面から複数の位置が検出されることもあるため、このような場合には、動作制御機能は所定のアルゴリズムにより複数の位置に順番を設定し、この順番で試料12の複数の位置に電子ビームが照射されるようにステージ移動機構14や電子銃15のビーム偏向機構を動作制御する。
【0090】
成分分析機能も、制御処理ユニット21が事前に実装されている制御プログラムに対応して所定のデータ処理を実行することにより、外部記憶装置22に登録されている多数の成分データをX線検出器18の検出データで検索し、試料12の表面の元素の組成を分析する。
【0091】
より詳細には、X線検出器18が試料12の発生エネルギである特性X線を検出してエネルギスペクトルをデータ出力すると、制御処理ユニット21の成分分析機能は、検出された特性X線のエネルギスペクトルからピークを検出して数値処理する。
【0092】
そして、この数値を外部記憶装置22の多数の成分データの各々に固有の数値と比較して試料12表面の元素を組成分析し、この分析結果を検査した位置や試料12の識別番号などの各種データとともに外部記憶装置22に一時記憶させる。
【0093】
以下同様に、制御処理ユニット21が事前に実装されている制御プログラムに対応して所定のデータ処理を実行することにより、要求入力機能は、データ入力デバイス23のキーボードの手動操作による入力データなどとして、外部記憶装置22にデータ保存された分析結果の出力要求の外部入力を制御処理ユニット21で受け付ける。
【0094】
結果出力機能は、上述のように外部入力された出力要求に対応した分析結果を制御処理ユニット21により外部記憶装置22から読み出し、例えば、画像表示機能により外部出力する。この画像表示機能は、上述のように外部記憶装置22から読み出された分析結果を制御処理ユニット21で演算処理し、分析結果を試料12の表面に対応してマッピングさせた画像データを生成してデータ出力デバイス24のディスプレイにより表示出力する。
【0095】
また、結果報知機能は、上述のような分析結果として検出データに整合する成分データが外部記憶装置22から検索されないとき、例えば、これを前述の画像表示機能に専用のアイコンなどとして分析結果の画像データに組み込ませてデータ出力デバイス24のディスプレイに表示出力させる。
【0096】
また、前述のように外部記憶装置22に登録されている多数の成分データには、報知の必要を示す識別子が二値フラグの一方などとしてオンオフ自在に付与されているので、結果報知機能は、成分分析機能により検索された成分データに報知の識別子がオン状態で付与されていると、例えば、これも前述の画像表示機能に専用のアイコンなどとして分析結果の画像データに組み込ませてデータ出力デバイス24のディスプレイに表示出力させる。
【0097】
さらに、前述のように外部記憶装置22には試料12の材料に対応したバックグラウンドの成分データも専用の識別子とともに登録されているので、結果報知機能は、成分分析機能により検索された成分データにバックグラウンドの識別子が付与されていると、例えば、これも前述の画像表示機能に専用のアイコンなどとして分析結果の画像データに組み込ませてデータ出力デバイス24のディスプレイに表示出力させる。
【0098】
上述のような制御処理ユニット21の各種機能は、必要により外部記憶装置22やデータ出力デバイス24等のハードウェアを利用して実現されるが、その主体はRAM等の情報記憶媒体に格納されたソフトウェアに対応して、ハードウェアからなるコンピュータであるCPUが動作することにより実現されている。
【0099】
このようなソフトウェアは、例えば、ステージ移動機構14を動作制御して電子銃15の電子ビームに試料12の表面の全域を走査させること、このビーム照射で発生する反射電子や二次電子を各電子検出器16,17に検出させること、この検出結果から試料12の表面の異物の位置を特定して外部記憶装置22にデータ設定すること、ステージ移動機構14を動作制御して外部記憶装置22にデータ設定されている試料12の位置よりX線検出器19の方向に変位した位置に電子銃15の電子ビームを照射させること、このビーム照射で発生する特性X線をX線検出器18に検出させること、この検出データを外部記憶装置22に登録されている成分データと比較して異物の成分を分析すること、この分析結果を外部記憶装置22にデータ保存させること、出力要求の外部入力に対応して外部記憶装置22から分析結果を読み出すこと、読み出した分析結果をマッピングして試料12の表面に対応した画像データを生成すること、この画像データをデータ出力デバイス24のディスプレイに表示出力させること、上述の分析結果として検出データに整合する成分データが外部記憶装置22から検索されないときにデータ出力デバイス24等で所定の報知出力を実行すること、上述の分析結果として外部記憶装置22から検索された成分データに識別子が付与されているときにデータ出力デバイス24等で所定の報知出力を実行すること、等の処理動作を制御処理ユニット21のCPUに実行させるための制御プログラムとしてRAM等の情報記憶媒体に格納されている。
【0100】
上述のような構成において、本実施の形態の成分分析装置11による成分分析方法を以下に順次説明する。まず、本実施の形態の成分分析装置11も、基本的には従来の成分分析装置1と同様に、ステージ移動機構14で走査移動させる試料12の表面に電子銃15により電子ビームを照射して各種の発生エネルギを各種検出器16〜18により個々に検出することにより、試料12の表面の組成などを解析して異物などの不良を検出する。
【0101】
ただし、本実施の形態の成分分析装置11は、例えば、試料12を使用して集積回路を形成する製造ライン(図示せず)の一部として設置されており、この製造ラインには、製造過程の試料12を成分分析装置11の試料保持ステージ13に自動的に供給する試料供給機構(図示せず)が設けられている。
【0102】
このように試料12が試料保持ステージ13に供給されて保持されると、コンピュータシステム200の制御処理ユニット21により検査装置本体100のステージ移動機構14が動作制御され、試料12の表面の全域が電子銃15の電子ビームで走査される。
【0103】
これで発生する反射電子と二次電子とが各電子検出器16,17により検出され、この検出結果から制御処理ユニット21により試料12の表面に対応した画像が生成され、この画像から試料12の表面の異物が存在する位置が検出されて外部記憶装置22にデータ設定される。
【0104】
つぎに、この外部記憶装置22の設定データに対応して制御処理ユニット21によりステージ移動機構14が動作制御され、試料12の異物の位置に電子銃15の電子ビームが照射されるので、これで発生する特性X線がX線検出器18により検出される。
【0105】
ただし、このように特性X線を検出するために試料12の表面に電子ビームを照射するときは、制御処理ユニット21がステージ移動機構14などを動作制御することにより、データ設定されている位置よりX線検出器18の方向に変位した位置に電子銃15の電子ビームが照射される。なお、一個の試料12の表面から複数の位置が検出された場合には、前述のように試料12の複数の位置に順番に電子ビームが照射される。
【0106】
このように試料12の表面に電子ビームが照射されて発生する特性X線が検出されると、制御処理ユニット21は、そのエネルギスペクトルからピークを検出して数値処理し、この数値を外部記憶装置22の多数の成分データの各々に固有の数値と比較して試料12表面の元素を組成分析する。
【0107】
この分析結果は検査した位置や試料12の識別番号などの各種データとともに外部記憶装置22に一時記憶されるので、上述のようにして一個の試料12での作業が完了すると、前述の試料供給機構により試料12が自動的に交換されて同様な作業が繰り返される。
【0108】
本実施の形態の成分分析装置11は、上述のように多数の試料12の表面を順次検査して異物の成分の分析結果を蓄積するので、作業者が所望の時間にコンピュータシステム200を手動操作することで所望の分析結果を閲覧することができる。
【0109】
その場合、作業者がデータ入力デバイス23のキーボードにより所望の分析結果の出力要求を制御処理ユニット21に入力操作すると、この制御処理ユニット21が出力要求に対応した分析結果を外部記憶装置22から読み出す。このように読み出された分析結果は制御処理ユニット21の演算処理により試料12の表面に対応してマッピングさせた画像データに変換され、この画像データがデータ出力デバイス24のディスプレイにより表示出力される。
【0110】
このため、図2に示すように、作業者は画像データにより試料12の表面に付着している異物の成分を分布状態とともに一目で確認することができるので、例えば、製造ラインで試料12に異物が付着する原因を究明して対策するようなことを良好に実行できる。
【0111】
しかも、分析結果として検出データに整合する成分データが検索されなかった場合、画像データの対応する位置に不明を示す専用のアイコンが表示されるので、作業者は成分が不明の異物が発生している可能性も確認できる。同様に、分析結果としてバックグラウンドの成分データが検査された場合、これも不明を示す専用のアイコンなどとして画像データの対応する位置に表示される。
【0112】
さらに、作業者が所望により外部記憶装置22に登録されている成分データの一部に報知の必要を示す識別子を付与しておくと、その成分データが分析結果として検査された場合、画像データの対応する位置に不明を示す専用のアイコンが表示されるので、作業者は特別に注意が必要な成分の異物が発生したことも確認できる。
【0113】
なお、上述のように不明な元素や要注意の元素を通常の元素とともに画像データで表示出力する場合には、例えば、不明な元素や要注意の元素を特定の発色や形状のアイコンなどで通常の元素とは容易に識別できる状態に表示出力することが好ましい。
【0114】
本実施の形態の成分分析装置11による成分分析方法では、上述のように従来と同様に試料12の表面の異物の位置に電子ビームを照射して特性X線から成分を分析するが、検出されている異物の位置よりX線検出器18の方向に変位した位置に電子ビームを照射する。
【0115】
このため、図6に示すように、特性X線を良好な効率で発生させることができ、その検出の感度を向上させることができる。従って、試料12の表面の異物を多数の元素の一つと正確に同定することが可能であり、電子ビームを照射する位置の面積を縮小して作業の速度を向上させることもできる。
【0116】
このため、本実施の形態の成分分析装置11は、例えば、製造過程の半導体装置を試料2として迅速に検査することや、無人の機械で自動的な抜き取り検査を実行するようなことが可能であり、作業者によるリアルタイムの操作を不要とすることができる。
【0117】
しかも、本実施の形態の成分分析装置11では、X線検出器18の検出データと比較されて試料12の分析結果となる元素の成分データが外部記憶装置22に事前に登録されているので、試料12の表面をユーザが所望により登録した元素として組成分析することができる。
【0118】
また、本実施の形態ではX線検出器18で特性X線を検出して試料12を表面検査することを例示したが、本実施の形態の成分分析装置11はX線検出器18の他にも反射電子検出器16や二次電子検出器17を具備しているので、反射電子や二次電子を検出して試料12を表面検査することも可能である。
【0119】
なお、本発明は上記形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では試料12の表面の検査する部分を一点の位置として設定することを例示したが、これを所定サイズの領域として設定することも可能である。
【0120】
この場合、その領域が電子ビームで走査されるので、異物の位置が明確でなくとも分析を実行することができる。そして、このように一定の領域を電子ビームで走査して特性X線を検出する場合でも、設定されている領域の位置よりX線検出器18の方向に変位した位置に電子ビームを照射すれば、やはり特性X線の検出感度を向上させることができる。
【0121】
さらに、このように試料12の所定の領域を電子ビームで走査する場合、この走査をX線検出器18に近接した位置から開始させ、分析結果として成分データが検索できた時点で各部の動作を終了させることが好適である。この場合、分析を迅速に実行することができ、分析が完了した時点で作業を終了することができるので、例えば、多数の試料の分析を順番に実行するような場合に、その全体の作業速度を向上させることができる。
【0122】
また、上記形態では一個の成分分析装置11が試料12の異物の位置の検出と成分の分析との両方を実行することを例示したが、別体の位置検出装置(図示せず)により検出されてデータ入力される試料12の位置を成分分析装置11が検査するようなことも可能である。
【0123】
その場合、試料12を試料保持ステージ13が保持する位置の誤差が問題となるため、この誤差の距離に対応してステージ移動機構14により試料保持ステージ13を移動させ、試料12の電子ビームが照射される範囲を拡大することが好適である。
【0124】
また、上記形態では試料12としてシリコンウェハを想定し、そのバックグラウンドの成分データとしてシリコンの成分データを登録しておくことを例示したが、実際には各種の試料を利用することができるので、バックグラウンドの成分データも各種に設定することが好適である。
【0125】
さらに、上記形態ではX線検出器18の検出データで外部記憶装置22から成分データを直接に検索することを例示したが、例えば、X線検出器18の検出データからバックグラウンドの成分データを排除することにより、分析結果からノイズ成分を排除して分析精度を向上させることも可能である。
【0126】
また、上記形態では試料12の表面に照射されるエネルギビームを走査させるため、ステージ移動機構14が試料保持ステージ13を移動させることを例示したが、試料保持ステージ13を固定したまま電子銃15や各種検出器16〜18を並進させたり偏向させることも可能である。
【0127】
さらに、上記形態ではRAM等にソフトウェアとして格納されている制御プログラムに従ってCPUが動作することにより、コンピュータシステム200の各種機能として各種手段が論理的に実現されることを例示した。しかし、このような各種手段の各々を固有のハードウェアとして形成することも可能であり、一部をソフトウェアとしてRAM等に格納するとともに一部をハードウェアとして形成することも可能である。
【0128】
また、上記形態では分析結果を画像データとしてデータ出力デバイス24のディスプレイで表示出力することを例示したが、このような画像データをプリンタ装置で印刷出力することや、FDDでFDにデータ設定するようなことも可能である。
【0129】
さらに、上記形態では分析結果として検索されない元素や識別子が付与された元素を通常の分析結果の元素とともに画像データに組み込むことを例示したが、例えば、これを画像データに組み込むことなくガイダンステキストの表示出力などでユーザに別個に報知することも可能である。
【0130】
特に、緊急に製造ラインを停止させて対策する必要があるような元素が存在する場合、その元素の成分データに報知の必要を示す識別子を付与しておき、この成分データが検出されたときにブザーの発音やランプの点滅などで警報の報知出力を即座に実行することが好ましい。
【0131】
さらに、上記形態では試料12を表面検査するためにエネルギ照射手段である電子銃15に電子ビームを出射させてエネルギ検出手段であるX線検出器18に特性X線を検出させることを例示したが、上述のようなエネルギ照射手段およびエネルギ検出手段としては各種デバイスが利用可能である。
【0132】
例えば、エネルギ検出手段として電子検出器(図示せず)を設け、電子ビームの照射に対する試料12の発生エネルギとして発生電子であるオージェ電子を検出することも可能である。その場合、二次電子検出器17としてマルチチャネルの波高分析器を内包してエネルギ分解能を有するものを使用し、オージェ電子の検出とともにエネルギの測定や電子エネルギのスペクトル解析を前述の成分分析装置11と同様に実行することが好ましい。
【0133】
また、エネルギ照射手段としてイオン銃(図示せず)を設けるとともにエネルギ検出手段として二次イオン検出器43を設け、エネルギビームであるイオンビームの照射による試料12の発生エネルギである二次イオンを検出することも可能である。この場合、二次イオンの飛行時間からマススペクトル測定を実行し、このマススペクトルの測定結果の解析を前述の成分分析装置11と同様に実行することにより、試料12の成分分析や組成分析を実行することができる。
【0134】
さらに、エネルギ照射手段としてパルス型のレーザ出射器を設けるとともにエネルギ検出手段としてイオン検出器を設け(図示せず)、レーザビームの照射に対する試料12の発生エネルギとしてイオンを検出することも可能である。この場合、イオンの飛行時間からマススペクトル測定を実行し、このマススペクトルの測定結果の解析を前述の成分分析装置11と同様に実行することにより、試料12をレーザマイクロプローブ質量分析することができ、例えば、元素を内包する分子や構造の情報を獲得することができる。
【0135】
また、上記形態では最初に試料12の表面の全域を電子ビームで走査して反射電子や二次電子を検出し、この検出結果から制御処理ユニット21の処理動作で試料12の表面の異物の位置を検出して外部記憶装置22に登録することを例示した。
【0136】
しかし、試料12の構造などから検査すべき位置が事前に判明しているような場合には、その位置をユーザがデータ入力デバイス23の手動操作により外部記憶装置22に登録することも可能である。この場合、ユーザの作業は煩雑であるが、異物の位置を検出する動作が不要となるので、作業の所用時間を短縮することができる。
【0137】
また、図3に一変形例として例示する成分分析装置31のように、位置検出手段としてレーザ出射器32とレーザ検出器33とを設け、外部記憶装置22にソフトウェアによりデータ設定手段としてデータ設定機能を実現することも可能である。
【0138】
この成分分析装置31では、電子ビームによる試料12の表面検査の準備動作として、レーザビームによる試料12の表面検査が実行される。この場合、レーザ出射器31が試料12の表面にレーザビームを照射し、この試料12の表面で反射されたレーザビームをレーザ検出器32が検出する。
【0139】
このような状態で制御処理ユニット21がステージ移動機構14を高速に走査移動させ、レーザ検出器32の検出結果により試料12の表面から異物の存在する位置が判明すると、これをデータ設定機能により位置データに変換して外部記憶装置22に登録する。
【0140】
なお、上述のような成分分析装置31において、例えば、事前に概略的な検査する領域を手動操作で外部記憶装置22に登録しておき、その検査する領域での詳細な検査する位置を上述のレーザ走査で自動的に検出させて登録させるようなことも可能である。
【0141】
また、上述のようなレーザ出射器32とレーザ検出器33とを具備した一個の位置検出装置を設け、この位置検出装置により検出される異物の位置が成分分析装置11にデータ入力されるようにして異物分析システム(図示せず)を構築するようなことも可能である。
【0142】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0143】
本発明の一の成分分析装置による成分分析方法では、成分を分析する試料の表面の位置がデータ記憶手段に事前にデータ設定されており、このデータ設定されている位置にエネルギビームが照射されるように移動手段により試料保持手段が移動されるとき、この移動手段の動作を動作制御手段が制御し、データ記憶手段にデータ設定されている位置よりエネルギ検出手段の方向に変位した位置にビーム照射手段のエネルギビームが照射されることにより、試料の表面の所望の位置から発生エネルギを良好な効率で発生させることができるので、エネルギ検出手段の検出感度を向上させて成分分析の精度を改善することができ、例えば、成分分析装置の動作を自動化するようなことが可能となる。
【0144】
本発明の他の成分分析装置による成分分析方法では、成分を分析する試料の表面の領域がデータ記憶手段に事前にデータ設定されており、このデータ設定されている領域がエネルギビームで走査されるように移動手段により試料保持手段が移動されるとき、この移動手段の動作を動作制御手段が制御し、データ記憶手段にデータ設定されている領域よりエネルギ検出手段の方向に変位した位置にビーム照射手段のエネルギビームが照射されることにより、試料の表面の所望の領域から発生エネルギを良好な効率で発生させることができるので、エネルギ検出手段の検出感度を向上させて成分分析の精度を改善することができ、例えば、成分分析装置の動作を自動化するようなことが可能となる。
【0145】
また、上述のような成分分析装置において、成分分析手段の分析結果を結果記憶手段により更新自在にデータ保存し、この分析結果の出力要求が要求入力手段に外部入力されると、その出力要求に対応した分析結果を結果出力手段により結果記憶手段から読み出して外部出力することにより、
分析結果を自動的に蓄積させて所望により閲覧することができるので、例えば、成分分析装置の動作を自動化して複数の試料の検査や一個の試料の複数の位置の検査などを実行させることが可能である。
【0146】
また、データ記憶手段にデータ設定されている複数の位置や領域にエネルギビームが順番に照射されるように移動手段の動作を動作制御手段が制御することにより、所望により事前にデータ設定した試料の表面の複数の位置や領域を自動的に検査することができるので、成分分析装置の動作を自動化するようなことが可能である。
【0147】
また、特定の物質に対応した多数の成分データをデータ記憶手段に事前に登録しておき、このように登録されている多数の成分データを成分分析手段がエネルギ検出手段の検出データで検索して試料の成分を分析することにより、
試料の検査する位置の成分が事前に登録されている対数の物質の一つとして特定されるので、存在が予想される異物を良好な精度が検出するようなことができる。
【0148】
また、特定の物質でのエネルギ検出手段の検出データに相当する多数の成分データもデータ記憶手段に事前に登録しておき、データ記憶手段にデータ設定されている領域のエネルギビームによる走査を移動手段によりエネルギ検出手段に近接した位置から開始させ、このエネルギ検出手段の検出データでデータ記憶手段に登録されている多数の成分データを成分分析手段により検索して試料の成分を分析し、この分析結果としてエネルギ検出手段の検出データに整合する成分データがデータ記憶手段から検索された時点で、動作制御手段により各種手段の動作を終了することにより、試料の表面の所定の領域の分析を迅速に完了することができ、この分析が完了した時点で作業を終了することができるので、例えば、多数の試料の分析を順番に実行するような場合に、その全体の作業速度を向上させることができる。
【0149】
また、試料の分析しない部分に対応したバックグラウンドの成分データもデータ記憶手段に事前に登録しておき、このように登録されているバックグラウンドの成分データを成分分析手段がエネルギ検出手段の検出データから排除することにより、
分析結果からバックグラウンドのノイズ成分を排除して分析精度を向上させることができる。
【0150】
また、成分分析手段の分析結果としてエネルギ検出手段の検出データに整合する成分データがデータ記憶手段から検索されないと、結果報知手段により所定の報知出力が実行されることにより、
登録されている物質が検出されなかったことを作業者に報知することができる。
【0151】
また、成分分析手段によりデータ記憶手段から検索された成分データに識別子が付与されていると、結果報知手段により所定の報知出力が実行されることにより、
例えば、特に注意が必要な物質の成分データに識別子を付与しておけば、それが試料の表面に存在する場合に、これをユーザに報知することができる。
【0152】
また、データ記憶手段に登録されている成分データを元素に対応させ、成分分析手段により試料の表面の元素の組成を分析することにより、
試料の表面の物質の分析結果として元素の組成を検出することができる。
【0153】
また、ビーム照射手段が具備している電子銃によりエネルギビームとして電子ビームが出射され、エネルギ検出手段が具備しているX線検出器により発生エネルギとして特性X線が検出され、この検出された特性X線のエネルギスペクトルが成分分析手段により解析されて試料表面の元素が組成分析されることにより、電子ビームが照射されたときに試料から発生する特性X線のエネルギスペクトルに基づいて異物などの元素の組成を分析することができる。
【0154】
また、ビーム照射手段が具備している電子銃によりエネルギビームとして電子ビームが出射され、エネルギ検出手段が具備している電子検出器により発生エネルギとして発生電子が検出され、この検出された発生電子のエネルギに対応して成分分析手段により試料表面の元素が組成分析されることにより、
電子ビームが照射されたときに試料から発生する発生電子のエネルギに基づいて異物などの元素の組成を分析することができる。
【0155】
また、ビーム照射手段が具備しているイオン銃によりエネルギビームとしてイオンビームが出射され、エネルギ検出手段が具備している二次イオン検出器により発生エネルギとして二次イオンが検出され、この検出された二次イオンの飛行時間に対応して成分分析手段により試料が成分分析されることにより、
イオンビームが照射されたときに試料から発生する二次イオンの飛行時間に基づいて異物などの成分を分析することができる。
【0156】
また、ビーム照射手段が具備しているレーザ出射器によりエネルギビームとしてレーザビームが出射され、エネルギ検出手段が具備しているイオン検出器により発生エネルギとしてイオンが検出され、この検出されたイオンの飛行時間に対応して成分分析手段により試料が成分分析されることにより、
レーザビームが照射されたときに試料から発生するイオンの飛行時間に基づいて異物などの成分を分析することができる。
【0157】
また、成分分析手段の分析結果から画像表示手段により画像データが生成されて表示出力されることにより、
試料の表面の分析結果を表示画像としてユーザに提供することができる。
【0158】
また、成分分析手段の分析結果が画像表示手段により試料の表面に対応してマッピングされた画像データとして表示出力されることにより、
試料の分析結果を表面位置に対応した表示画像としてユーザに提供することができるので、試料の表面の異物の分布状態などを一目で確認させることができる。
【0159】
また、動作制御手段が移動手段を動作制御してビーム照射手段のエネルギビームが照射される試料の表面の範囲を試料保持手段による保持の誤差の距離に対応して拡大することにより、試料保持手段が試料を保持する位置に所定の距離の誤差が存在しても、試料の検査したい位置にエネルギビームを確実に照射させることができる。
【0160】
また、試料の表面から異物の存在する位置を位置検出手段により検出し、この検出結果からデータ設定手段が位置データを生成してデータ記憶手段に更新自在に登録することにより、
試料の表面の異物の存在する位置を検査する領域や位置として自動的に登録することができるので、試料の表面に付着した異物を検出して成分を分析することができる。
【0161】
また、レーザ出射器により試料の表面にレーザビームを照射し、試料の表面で反射されたレーザビームをレーザ検出器で検出することにより、
試料の表面から異物の存在する位置を検出することができる。
【0162】
また、電子銃により試料の表面に電子ビームを照射し、試料の表面で発生した発生電子を電子検出器が検出することにより、
試料の表面から異物の存在する位置を検出することができ、例えば、試料の表面から異物の存在する位置を検出するための電子銃と、その異物の成分を検出するための電子銃とを、共用して構造を簡略化するようなことも可能である。
【0163】
また、外部からデータ入力される試料の表面の位置や領域がデータ設定手段によりデータ記憶手段にデータ設定されることにより、
例えば、試料から異物の存在する位置や領域を検出してデータ出力する別体の装置を、成分分析装置のデータ設定手段に接続しておけば、試料の異物の位置や領域を自動的にデータ設定することができるので、試料の表面の異物の成分を分析することができる。
【0164】
本発明の異物分析システムによる異物分析方法では、試料から異物の存在する位置や領域が位置検出装置により検出され、この位置や領域が成分分析装置のデータ設定手段によりデータ記憶手段にデータ設定され、この成分分析装置がデータ設定された位置や領域に対応して試料の表面の成分を分析することにより、
試料の表面に付着した異物の位置を検出して成分を分析することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の成分分析装置を示す模式的な斜視図である。
【図2】分析結果の画像データを示す模式図である。
【図3】一変形例の成分分析装置を示す模式的な斜視図である。
【図4】一従来例の成分分析装置を示す模式的な斜視図である。
【図5】成分分析装置による測定結果を示す特性図である。
【図6】電子ビームの照射位置と特性X線の検出出力との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
11,31 成分分析装置
12 試料
13 試料保持手段である試料保持ステージ
14 相対移動手段であるステージ移動機構
15 ビーム照射手段である電子銃
16 位置検出手段の一部でありエネルギ検出手段でもある反射電子検出器
17 位置検出手段の一部でありエネルギ検出手段でもある二次電子検出器
18 エネルギ検出手段であるX線検出器
21 各種手段として機能する制御処理ユニット
22 データ記憶手段および結果記憶手段に相当する外部記憶装置
32 位置検出手段の一部であるレーザ出射器
33 位置検出手段の一部であるレーザ検出器
Claims (1)
- 試料を保持する試料保持手段と、
前記試料保持手段により保持された試料の表面に存在する分析対象の異物へエネルギビームを照射するビーム照射手段と、
前記ビーム照射手段のビーム照射により前記異物から生ずるX線の発生エネルギを検出するエネルギ検出手段と、
前記エネルギ検出手段の検出データにより前記異物の成分を分析する成分分析手段と、
を備える成分分析装置において、
前記試料の表面の前記異物の中心位置を含む領域情報が事前に取得され、該領域情報を格納するデータ記憶手段と、
前記データ記憶手段に格納されている該領域情報に基づく領域に対して、エネルギビームが照射されるように前記試料を移動させる移動手段と、
前記異物の中心位置に対して前記エネルギ検出手段の方向に変位した位置にエネルギビームが照射されるように前記移動手段の動作を制御する動作制御手段と、
を有することを特徴とする成分分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16337198A JP3984366B2 (ja) | 1998-06-11 | 1998-06-11 | 成分分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16337198A JP3984366B2 (ja) | 1998-06-11 | 1998-06-11 | 成分分析装置 |
Publications (2)
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---|---|
JPH11352081A JPH11352081A (ja) | 1999-12-24 |
JP3984366B2 true JP3984366B2 (ja) | 2007-10-03 |
Family
ID=15772618
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16337198A Expired - Lifetime JP3984366B2 (ja) | 1998-06-11 | 1998-06-11 | 成分分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3984366B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001196429A (ja) * | 2000-01-06 | 2001-07-19 | Mitsubishi Electric Corp | 歩留まり管理システムおよびその対象物とされた装置 |
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-
1998
- 1998-06-11 JP JP16337198A patent/JP3984366B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11352081A (ja) | 1999-12-24 |
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