JP3984186B2 - ロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、システムキッチン等に装備されるロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開2003−9970号公報には、引き戸棚本体から引出し可能にアウターレールとインナーレールから成るスライドレール機構で支持される引出し式収納庫と、前記引出し式収納庫の上面の一端にヒンジ連結された踏み板と、前記引出し式収納庫を引出した状態に保持する前記スライドレール機構に設置されるロック機構と、前記ロック機構を解除するロック解除機構とを有し、前記ロック解除機構は、アウターレールとインナーレールとの間に設置され、アウターレール前端から僅かに突出する揺動レバーの回動により行われるようにしたロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−9970号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来例のロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫においては、引き戸棚本体から完全に引出されロック状態にある引出し式収納庫をロック状態を解除し押し入れる場合、アウターレール前端から僅かに突出している揺動レバーを指先で押し上げて引出し式収納庫を押し込むため、指先を挟む危険があり、前屈みの不自然な姿勢で足により押し込む必要があった。
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決する、ロック解除の際、指先を挟む恐れがなく、引出しの上方から両手を延ばし、且つ不自然な姿勢を取ることなくロックを解除して引出し式収納庫を引き戸棚本体に押し入れることができるロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本第1発明は、ロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫において、引き戸棚本体から引出し可能にスライドレールで支持され、下面にキャスターを取付けた引出し式収納庫と、前記引出し式収納庫の上面の一端に開閉自在に連結される踏み板と、前記引出し式収納庫を引出した状態に保持する前記スライドレールに設置されるロック機構と、前記ロック機構を解除するロック解除機構とを有し、前記ロック解除機構は、前記スライドレールの先端に備えたロック解除バーを前記引出し式収納庫の上方に引上げることでロック状態を解除することを特徴とする。
【0007】
本第2発明は、本第1発明のロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫において、前記ロック解除バーは、手掛け部と作用部とをほぼL字形に配置し、前記手掛け部は前記引出し式収納庫の前面パネル近傍の側面パネル上部に設けることを特徴とする。
【0008】
本第3発明は、本第1又は第2発明のロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫において、前記ロック解除バーの手掛け部の先端に指を掛け止めする曲線状指掛け部を形成することを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明は引き戸棚本体から引出し可能にスライドレールで支持され、下面にキャスターを取付けた引出し式収納庫と、前記引出し式収納庫の上面の一端に開閉自在に連結される踏み板と、前記引出し式収納庫を引出した状態に保持する前記スライドレールに設置されるロック機構を備える構成により、システムキッチン等に装備され、高い棚部に収納された食器等を取り出す場合、引出しが容易で、安定した踏み台として機能し、更に、踏み板を開閉することにより収納庫としても機能するので、使い勝手のよい引出し式収納庫を提供できる。
また、ロック解除機構は、前記スライドレールの先端に備えたロック解除バーを前記引出し式収納庫の上方に引上げることでロック状態を解除する構成とすることにより、ロック解除の際、指先を挟む恐れがなく、引出しの上方から両手を延ばし、且つ不自然な姿勢を取ることなくロックを解除して引出し式収納庫を引き戸棚本体に押し入れることが可能となる。
また、ロック解除バーは、手掛け部と作用部とをほぼL字形に配置し、前記手掛け部は前記引出し式収納庫の前面パネル近傍の側面パネル上部に設ける構成により、シンプルな構成のロック解除機構を提供でき、ロック解除の際、指先を挟む恐れがなく、引出しの上方から両手を延ばし、且つ不自然な姿勢を取ることなくロックを解除して引出し式収納庫を引き戸棚本体に押し入れることが可能となる。
さらに、ロック解除バーの手掛け部の先端に曲線状の指掛け部を形成する構成により、ロック解除の際、指先がロック解除バーに確実に且つ容易に掛かり指先を挟む恐れがなく、引出しの上方から両手を延ばし、且つ不自然な姿勢を取ることなくロックを解除して引出し式収納庫を引き戸棚本体に押し入れることが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図により説明する。図1は、本発明のロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫をシステムキッチンの収納棚に組み込んだ一実施形態の概略図、図2はその一部側面図、図3は一部正面図、図4は、スライドレールの一実施形態を示す図、図5〜図7は、ロック解除機構の実施形態を示す図、図8及び図9は、ロック機構の一実施形態を示す図である。
【0011】
図1〜図3に示されるように、システムキッチンの収納棚2の下部の引き戸棚本体3から引出し可能にスライドレール4で支持され、下面にキャスター5を取付けたロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫1は、その上面の一端に踏み板6が開閉自在にヒンジ連結される。尚、開閉自在にする機構は、ヒンジに限らずダンパー等、これに代替するものであれば良い。
収納棚2の高い位置に収納された食器を取り出すような場合、ロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫1を引き戸棚本体3から完全に引出し、ロック機構によりその状態を保持し、踏み板6を踏み台として利用する。
【0012】
ロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫1は、前面パネル7と側壁パネル8、9と後面パネル10と底面パネル11とを有し、底面パネル11に複数のキャスター5が取付けられ、後面パネル10に踏み板6がヒンジ連結される。
踏み板6の手前を上方に押し上げて開くと、内側が収納庫になっている。
【0013】
図4に示されるように、ロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫1を支持するスライドレール4は、引き戸棚本体3に固定される固定レール12と、固定レール12に引出し可能に取付けられる中間レール13と、中間レール13に引出し可能に取付けられ、側壁パネル8、9に固定される支持レール14とにより構成される。
固定レール12と中間レール13との間には第1ロック機構15が設置され、中間レール13が固定レール12から完全に引出されると、第1ロック機構15が働き、中間レール13と固定レール12とをロックする。
中間レール13と支持レール14との間には、第2ロック機構16が設置され、支持レール14が中間レール13から完全に引出されると、第のロック機構16が働き、支持レール14と中間レール13とをロックする。
【0014】
図5(a)(b)(c)に示されるように、第1ロック機構15は、中間レール13の後端に支持軸17により回動自在に取付けられるロック金具18を備え、固定レール12の前端には傾斜面とストッパーを有する案内突起19が形成される。中間レール13が固定レール12から引出されると、ロック金具18が案内突起19の傾斜面に当接して時計方向に回転し、中間レール13が固定レール12から完全に引出されると、ロック金具18が案内突起19のストッパーと当接してロックされる。
【0015】
図6(a)(b)(c)に示されるように、第2ロック機構16は、支持レール14の後端に固定される弾性を有する金属板等からなるロック用プレート20と、中間レール13の前端に形成される係合突起21を有し、ロック用プレート20には、係合開口22を形成する。支持レール14が中間レール13から引出されると、支持レール14に固定したロック用プレート20の係合開口22が中間レール13の係合突起21と係合しロックされる。
【0016】
ロック解除機構23は、支持レール14にスライド自在に取付けられ、スプリング(図示せず)により支持レール14の前面パネル7側に付勢されたロック解除プレート24を有する。ロック解除プレート24の後端は支持レール14の端部から若干突出している。
【0017】
図7に示されるように、側面パネル8、9の前面パネル7の近傍にL字形のロック解除バー25をピン26により回動自在に軸支する。ロック解除バー25は、手掛け部27と作用部28とがほぼL字形に配置され、作用部29は、支持レール14の端部から若干突出するロック解除プレート24と当接するように位置させる。尚、手掛け部と作用部がL字形に配置するとは、図8に示す関係に構成されていることを意味し、ロック解除バーの形状をL字形に限定するものではない。手掛け部27を上方に持ち上げると、作用部28がロック解除プレート24の端部を押し、ロック解除プレート24の他端がロックプレート20の係合開口22と係合突起21の係合を解除し、支持レール14と中間レール13との第2ロック機構16を解除する。第2ロック機構16が解除された支持レール14を押し込み方向に移動させると、図5(c)に示されるように、支持レール14の端部により中間レール13と固定レール12との第1ロック機構15を解除する。
【0018】
図8、図9は、ロック解除バー25の他の実施形態を示すものである。図8は手掛け部27の先端を曲線状に下向きに曲げた指掛け部29を形成し、ロック解除作業を容易にしたものであり、図9は、手掛け部27と作用部28の内側を斜面として、ロック解除作業を容易としたものである。
【0019】
本発明のロック解除機構23は、側面パネル8,9の前面パネル7の近傍の上部に配置され、ロック解除バー25の手掛け部27を上方に持ち上げるだけで簡単にロックが解除されるので、使い勝手のよいロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫とすることができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明は引き戸棚本体から引出し可能にスライドレールで支持され、下面にキャスターを取付けた引出し式収納庫と、前記引出し式収納庫の上面の一端に開閉自在に連結される踏み板と、前記引出し式収納庫を引出した状態に保持する前記スライドレールに設置されるロック機構を備える構成により、システムキッチン等に装備され、高い棚部に収納された食器等を取り出す場合、引出しが容易で、安定した踏み台として機能し、更に、踏み板を開閉することにより収納庫としても機能するので、使い勝手のよい引出し式収納庫を提供できる。
また、ロック解除機構は、前記スライドレールの先端に備えたロック解除バーを前記引出し式収納庫の上方に引上げることでロック状態を解除する構成とすることにより、ロック解除の際、指先を挟む恐れがなく、引出しの上方から両手を延ばし、且つ不自然な姿勢を取ることなくロックを解除して引出し式収納庫を引き戸棚本体に押し入れることが可能となる。
また、ロック解除バーは、手掛け部と作用部とをほぼL字形に配置し、前記手掛け部は前記引出し式収納庫の前面パネル近傍の側面パネル上部に設ける構成により、シンプルな構成のロック解除機構を提供でき、ロック解除の際、指先を挟む恐れがなく、引出しの上方から両手を延ばし、且つ不自然な姿勢を取ることなくロックを解除して引出し式収納庫を引き戸棚本体に押し入れることが可能となる。
さらに、ロック解除バーの手掛け部の先端に曲線状の指掛け部を形成する構成により、ロック解除の際、指先がロック解除バーに確実に且つ容易に掛かり指先を挟む恐れがなく、引出しの上方から両手を延ばし、且つ不自然な姿勢を取ることなくロックを解除して引出し式収納庫を引き戸棚本体に押し入れることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫をシステムキッチンの収納棚に組み込んだ一実施形態の概略図。
【図2】 本発明のロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫の一部側面図。
【図3】 本発明のロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫の一部正面図。
【図4】 本発明のスライドレールの一実施形態を示す図。
【図5】 (a)(b)(c)本発明の第1ロック機構の一実施形態を示す図。
【図6】 (a)(b)(c)本発明の第2ロック機構の一実施形態を示す図。
【図7】 本発明のロック解除バーの一実施形態を示す図。
【図8】 本発明のロック解除バーの一実施形態を示す図。
【図9】 本発明のロック解除バーの一実施形態を示す図。
【符号の説明】
1:ロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫
2:収納棚
3:引き戸棚本体
4:スライドレール
5:キャスター
6:踏み板
7:前面パネル
8、9:側面パネル
10:後面パネル
11:底面パネル
12:固定レール
13:中間レール
14:支持レール
15:第1ロック機構
16:第2ロック機構
17:支持軸
18:ロック金具
19:案内突起
20:ロック用プレート
21:係合突起
22:係合開口
23:ロック解除機構
24:ロック解除プレート
25:ロック解除バー
26:ピン
27:手掛け部
28:作用部
29:指掛け部

Claims (3)

  1. 引き戸棚本体から引出し可能にスライドレールで支持され、下面にキャスターを取付けた引出し式収納庫と、前記引出し式収納庫の上面の一端に開閉自在に連結される踏み板と、前記引出し式収納庫を引出した状態に保持する前記スライドレールに設置されるロック機構と、前記ロック機構を解除するロック解除機構とを有し、前記ロック解除機構は、前記スライドレールの先端に備えたロック解除バーを前記引出し式収納庫の上方に引上げることでロック状態を解除することを特徴とするロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫。
  2. 前記ロック解除バーは、手掛け部と作用部とをほぼL字形に配置し、前記手掛け部は前記引出し式収納庫の前面パネル近傍の側面パネル上部に設けることを特徴とする請求項1に記載のロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫。
  3. 前記ロック解除バーの手掛け部先端に指を掛け止めする曲線状指掛け部を形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のロック解除機能付き踏み台兼用引出し式収納庫。
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