JP3984085B2 - 除雪機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行接地面に対する姿勢を制御可能なオーガを備えた除雪機に関する。
【0002】
【従来の技術】
除雪機は、動力源としてエンジン又は電動機あるいはその両方を備え、駆動電源としてバッテリが車体に搭載される。車体は、タイヤ又はクローラ等の走行駆動部に支持される。車体前部に雪を掻き集めて除雪するためのオーガが備わる。走行駆動部は接地して走行し接地面(走行面)の雪をオーガで掻き集めこれをその後方のインペラによりシュータ介して投雪する。車体後方には操向操作等のためのハンドルが連結される。
【0003】
オーガは、不使用時にこれを走行面から引き上げるため、及び走行面の状態や雪の深さ等に応じて走行面に対し接近離間するように、シリンダ等のチルト機構によりあるいは作業者がハンドルを介して上下方向に押圧操作することによりチルト中心軸廻りに揺動する。
【0004】
このようなチルト動作により車体前部のオーガを昇降させる除雪機は公知である(例えば特開2001-271317号公報)。
【0005】
また、車体前部のオーガを車体に対しローリング可能に取付け、走行方向の左右の傾斜に追従するようにローリング制御可能とした除雪機も公知である(例えば特開平10-219643号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、オーガを車体に対しチルト動作及び/又はローリング動作するように揺動可能とした従来の除雪機においては、オーガのチルト角度やローリング角度等のオーガの姿勢を表示する機能を備えていなかった。したがって、除雪作業者が、オーガのチルトやローリングの姿勢を勘に頼って調整しなければならず、慣れないとこのような姿勢の調整操作が難しく十分な除雪ができない場合があった。
【0007】
本発明は、上記従来技術を考慮したものであって、作業者の勘に頼らずオーガの姿勢を認識して調整が容易にできる除雪機の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明では、接地する走行駆動部に支持された車体と、前記走行駆動部より前方側の車体に設けた除雪用のオーガと、前記走行駆動部より後方側の車体に連結された操作用のハンドルと、前記車体に搭載されたオーガ駆動装置とを備えた除雪機において、前記オーガのチルト角及びローリング角を検出する姿勢検出手段と、該姿勢検出手段により検出したオーガの姿勢を表わすための姿勢報知手段とを備え、前記姿勢報知手段は、上下方向のチルト表示部と、左右方向のローリング表示部とからなる姿勢表示部によって構成されていることを特徴とする除雪機を提供する。
【0009】
この構成によれば、姿勢検出手段によりオーガのチルト角及びローリング角を検出し、この検出したチルト角及びローリング角が、姿勢報知手段により例えばLED等のランプ表示で表わして作業者に示される。これにより作業者はオーガの姿勢を認識することができ、これに基づいてチルト操作やローリング操作を行ってオーガを接地面に対し適正な位置に調整操作することができる。
【0010】
好ましい構成例では、前記走行駆動部は少なくとも前後2点で接地し、前記車体は、走行駆動部が取り付けられた第1車体と、この第1車体に対し揺動可能に支持された第2車体からなり、前記オーガは前記第2車体に取付けられ、前記第1車体と第2車体との間の相対的なチルト角を可変とするチルト機構を備えたことを特徴としている。
【0011】
この構成によれば、相互に揺動可能な第1車体と第2車体を備え、第1車体側に走行駆動部を設け、第2車体側にオーガを設け、走行駆動部は走行接地面に対し一定の姿勢となるように前後2点以上で接地する構成とし、チルト機構により第1車体と第2車体をチルト中心軸廻りに揺動させてチルト動作させることにより、オーガを走行接地面に対し適正なチルト角に調整できる。
【0012】
さらに好ましい構成例では、前記オーガと前記車体との間の相対的なローリング角を可変とするローリング機構を備えたことを特徴としている。
【0013】
この構成によれば、車体前部に設けたオーガのローリング機構によりオーガをローリング動作させ、そのローリング角を検出してこれを表示し、この検出表示により作業者はオーガのローリング姿勢を確認しこれに基づいてローリング角度を調整できる。
【0014】
さらに好ましい構成例では、前記ハンドル又はその近傍に前記姿勢報知手段を設けたことを特徴としている。
【0015】
この構成によれば、チルト角やローリング角を表示する姿勢報知手段がハンドル近くに備わるため、作業者はハンドルにより走行操作しながらオーガ姿勢を確認しチルト角やローリング角を調整でき、操作性が高まる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明が適用される除雪機の基本構成説明図である。
(A)の除雪機は、走行駆動部としてホイル(タイヤ)41を備え、このホイル41に車体42が支持される。車体42の前方にオーガ43が備わり、その後部にシュート44が備わる。車体42の後部にハンドル45が連結される。車体42にエンジン81が搭載され、さらにバッテリ(不図示)が搭載される。この例では、ホイル41の車軸46がチルト中心軸になり、この車軸(チルト中心軸)46廻りにオーガ43が揺動動作して接地面(雪を含む走行面)47に対し接近離間する(矢印Y)。なお、矢印Yの両端の一点鎖線は、チルト動作したときの車体42に対する接地面47の相対位置を示す。
【0017】
エンジン81は、その出力軸82が動力伝達系(例えばプーリとベルト)83を介して駆動軸84に連結される。駆動軸84にインペラ85が装着される。駆動軸84の前端部に回転連結機構(例えばウォーム歯車)86を介してオーガ軸87が連結される。
【0018】
この基本構成において、オーガ43は、車体42に対しローリング動作可能となるように車体42の前部に取付けてもよい。この場合、オーガ43を車体42に対しローリングさせるための油圧ローリングシリンダあるいはワイヤ式のローリング機構(不図示)を設けてもよい。このようなローリングによりオーガ軸87は車軸46に対し平行位置からねじれの位置に揺動する。これにより、走行面が進行方向に向って左右方向に傾斜している場合にホイル41より前にあるオーガ43が先に路面に追従して左右方向に傾斜し走行面の雪を残さず十分に除雪できる。また、車体側に備わるシュート44の放雪角度を路面の傾斜に対応して一定にあるいは必要な方向の角度に調整することもできる。
【0019】
このエンジン81はホイル41の走行駆動源であってもよい。走行駆動源としてエンジン81とは別に電動機を備えていてもよい。
【0020】
走行駆動部であるホイル41は、接地面47に対し前後方向に1点で接地しているが、補助ホイルを設けて2点で接地するようにしてもよい。
【0021】
(B)の除雪機は、走行駆動部としてクローラ48を備え、これを保持するクローラフレーム48aに車体42が連結軸49を介して支持される。車体42とクローラフレーム48aとの間にチルトシリンダ50が介装される。この場合、連結軸49がチルト中心軸となり、オーガ43はクローラフレーム48aに対しこの連結軸(チルト中心軸)49廻りに揺動動作して接地面47に対し接近離間する。その他は(A)と同様である。
【0022】
このようにクローラを走行駆動部とした場合、その接地点は、前後方向に多点あるいは面状(2点以上の集合)となる。この例においても、オーガ43のローリング機構を備えていてもよい。
【0023】
(C)の除雪機は、クローラ48の一方の車軸(この例では前側の車軸)51を介して車体42がクローラフレーム48aに連結される。この例の場合には、前側の車軸51がチルト中心軸となり、オーガ43はクローラフレーム48aに対し、この車軸(チルト中心軸)51廻りに揺動動作して接地面47に対し接近離間する。その他は(B)と同様である。
【0024】
この例においても、(B)と同様に、走行駆動部であるクローラ48の接地点は、前後方向に多点あるいは面状(2点以上の集合)となる。また、この例においても、オーガ43のローリング機構を備えていてもよい。
【0025】
以上のような各種構成の除雪機において、除雪作業時には車体42のチルト動作及びローリング動作によりオーガ43を接地面47側に移動させてオーガ43により接地面47上の雪を掻き集め、これをインペラ85で跳ね上げ、シュート44を通して放出する。
【0026】
図2〜図4は本発明に係る除雪機の参考となる技術を示す図で、図2は参考となる除雪機の内部構成を示す側面図、図3は正面から見た内部構成図、図4は平面図である。この参考例は、前述の図1(C)に示したクローラ駆動形式の除雪機である。
【0027】
除雪機1は、車体2の左右の下部にクローラフレーム3を有し、このクローラフレーム3にクローラ96が備わる。クローラ96は、駆動輪となる前輪97及び従動輪となる後輪98間にトラック99を架け渡して装着したものである。
【0028】
車体2の上部にエンジン6が搭載され、その上側の車体2に燃料タンク7が配設される。エンジン6の下部の車体2にこのエンジン6で駆動される油圧変速機200が取付けられる。油圧変速機200は、ギヤケース9a内の減速ギヤ9を介して前輪97の車軸4aに連結され、前輪97を回転駆動する。106はバッテリである。なお、油圧変速機200の替わりに電動機を用いてもよい。
【0029】
車体2の前部にはインペラ10及びその前側にオーガ11が、それぞれインペラハウジング12及びオーガハウジング13に覆われて配設される。オーガ11はオーガ軸14廻りに回転する。オーガ軸14は、ウォームギヤ15を介して、インペラ10が装着された駆動軸16により回転駆動される。この駆動軸16の後端部にプーリ17が装着される。駆動軸16に装着されたプーリ17は、図3に示すように、ベルト18を介して、エンジン6の出力軸103に装着された駆動側プーリ104に連結される。駆動側プーリ104とエンジンとの間のエンジン出力軸103上には電磁式のオーガクラッチ19が設けられている。図3の105はマフラーである。
【0030】
オーガハウジング13の背面側下部に、板金をスキー状に曲げ加工したスキッド22が備わる。このスキッド22は、オーガ11の接地面上の高さを一定とし除雪深さを安定させるためのものである。このスキッド22はモータにより伸縮可能な構造(オーガ11の下部から走行面に対し突出及び引込み可能な構造)としてもよい。
【0031】
インペラハウジング12の上部にシュート23が備わる。シュート23は、オーガ11で掻き集められインペラ10で跳ね上げられた雪を放出するためのガイドである。シュート23の上端部の放出口であるデフレクタ24は、この例では2ヵ所のヒンジ25を中心に折れ曲って放出角度を調整可能である。このデフレクタ24は、ハンドル部分の操作部に連結されたシュートワイヤ32を引張ることにより、背面のスプリング26に抗してヒンジ25廻りに前方に回動して折れ曲る。このシュート23は、シュート回転モータ27により垂直軸C廻りに回転し、デフレクタ24の向きを変えて投雪方向を変えることができる。27aはカバーである。
【0032】
車体2の後部にハンドル29が連結される。左右のハンドル29間に操作ボックス30が備わり各種操作レバ−等が装着される。
【0033】
34は走行変速レバーであり、油圧変速機200を介してクローラ96の前輪97の回転速度を制御する。35はシュートレバーであり、前述のデフレクタ24の角度調整のためのシュートワイヤ32に連結され、これを引張ってデフレクタ24の角度を変える。
【0034】
72はシュート回転モータを駆動するシュート回転スイッチである。このシュート回転スイッチ72は、操作ボックス30に設けられ、この操作ボックス30にはスキッド操作スイッチ300も設けられる。このスキッド操作スイッチは、スキッド22が電動モータにより伸縮式の場合にそのモータを駆動操作するものである。なお、シュート回転スイッチ36とスキッド操作スイッチの位置は逆でもよい。
【0035】
不図示のオーガクラッチレバーで、オーガクラッチすなわち電磁クラッチ19をON/OFFしてオーガ11に対しエンジン6の回転を接続又は切断する。
【0036】
車体2の後部側に、長さを変更調整可能な連結部材となるチルトシリンダ50が備わり、オーガ11の走行面からの高さ(地上高)を調整可能とするためのものである。なお、連結部材50として油圧シリンダを用いるものを配置してもよい。油圧シリンダのピストンロッドの伸縮により、前輪97の車軸4aをチルト中心軸として車体2をチルト動作させ、オーガ11を走行面に対し上下動作させる。図では、チルト動作による車体2に対するクローラフレーム3の相対的な揺動動作を破線で示す。後輪98の車軸4bは図示したように前輪97の車軸4aを中心に回動する。102はチルト操作レバーである。このチルト操作レバー102の操作により、通常はロックされているチルトシリンダ50のロックが解除され、レバー操作の間チルトシリンダ50を動作させてハンドル29の高さを変えるとともに、車体2を車軸4a廻りにチルト動作させる。レバー102を離せばチルトシリンダ50が再びロックされ、ハンドル29がその位置で保持される。
【0037】
この参考例では、チルト動作によるクローラフレーム3(請求項2でいう第1車体)に対する車体2(請求項2でいう第2車体)のチルト角度を検出するためのチルト角検出手段が備わる。このチルト角検出手段は、車体2側に固定した外管201とこの外管201内を挿通するワイヤ202からなる。ワイヤ202の一方の端部(検出部側)はクローラフレーム3に固定され、他方の端部(表示部側)は後述の図6に示す操作ボックス30に設けた表示パネルの指針に固定される。
【0038】
図5は、このチルト検出手段の検出部側の詳細図である。
クローラフレーム3の後端部にブラケット203か固定される。このブラケット203にチルトシリンダ50のロッド50aの端部が固定される。外管201は、取付け片205を介して、車体側に固定されているチルトシリンダ50に固定される。ワイヤ202の端部はブラケット204を介してクローラフレーム3に固定される。
【0039】
このような構成により、ロッド50aを伸ばした状態から縮めた状態(チルトシリンダを50’、ロッドを50a’で示す)に移動すると、クローラフレーム3が車体2に対し、図2の車軸4a廻りに反時計方向に回動して3’で示す位置に移動する。なお、実際には車体2が下向き(図2で時計方向)に回動してハンドル29のグリップ部29a(図2)が下がる。このようなチルト動作により、ワイヤ202が伸縮動作してクローラフレーム3と車体2との間のチルト角度が検出される。
【0040】
なお、外管201をチルトシリンダ50より内側(前側)又はチルトシリンダ内に固定し、ワイヤ202をロッド50aより内側(前側)に配設し、又はロッド50aを中空としてワイヤ202を中空ロッド50a内を挿通させてもよい。これにより、形状がコンパクトになり外観が向上する。
【0041】
図6は、操作ボックス30の平面図である。
34Aは、操作ボックス30に設けられる走行変速レバー34(図2)の操作範囲を規制する操作溝である。35Aは、同じく操作ボックス30に設けられるシュートレバー35(図2)の操作範囲を規制する操作溝である。操作ボックス30の端部付近にチルト角による姿勢表示部208が設けられ、その溝208a内に指針207が移動可能に配設される。前述の図5のワイヤ202の端部が、この指針207に取付けられ、チルト角に応じたワイヤの伸縮動作により指針207が溝208a内を移動する。この溝208aに沿って、目盛又は指標206が設けられる。図の例では、指標206に、オーガのチルト角度が水平状態かそれより上の位置か下の位置かが指針207に対応して分るように示されている。
【0042】
次に、本発明に係る除雪機の一実施の形態を図7〜図9によって詳細に説明する。図7は、チルト検出手段の一例を示す除雪機の側面図である。この実施形態のチルト検出手段は、電気的なチルト角センサ209により、車体2とクローラフレーム3との間の相対角度を検出する。その他の除雪機1の構成は前述の図2の例と同様である。
【0043】
図8は、図7のチルト検出手段の詳細図である。
チルト角センサ209は例えばロータリーボリュウム等の回転式可変抵抗器その他の回転角度に応じた電気信号を取り出す電気的センサである。このチルト角センサ209の回転軸にレバー211が設けられる。このレバー211の端部211aが、クローラフレーム3に設けた長孔210内に係入する。チルト動作により車体2とクローラフレーム3との間の相対角度が変化すると、レバー211が回動してチルト角センサ209がその抵抗変化を検出し、これに応じた電気信号が得られる。
【0044】
図9は、図8の実施形態の操作ボックス30の平面図である。
この例は、オーガのチルト手段とともにローリング手段を備え、図8の電気的なチルト角センサ209とともに同様な電気的センサからなるローリング角センサを備えた除雪機の例である。この実施の形態においては、前記チルト角センサ209とローリング角センサとによって、本発明でいう姿勢検出手段が構成されている。
【0045】
姿勢表示部212は、十字にクロスするチルト表示部213とローリング表示部214からなる。各表示部213,214は、それぞれ7個のLED215を中央の1個を共通にして並べて配置したものである。チルト角及びローリング角に応じてLED215が点灯し、検出されたチルト角及びローリング角を表示する。チルト表示部213及びローリング表示部214に沿ってそれぞれチルト角の目盛又は指標216及びローリング角の目盛又は指標217が設けられる。これにより、前述の図6の例と同様に、オーガのチルト角度が水平状態かそれより上の位置か下の位置か及びローリング角度が水平状態かそれより右に傾いているか左に傾いているかがLED215の点灯位置に対応して分る。この実施の形態においては、チルト表示部213及びローリング表示部214を有する姿勢表示部212によって、本発明でいう姿勢報知手段が構成されている。
【0046】
図10は、本発明の実施形態に係る除雪機の制御回路図である。
この実施形態は、前述の図1の(B)又は(C)に示したクローラ駆動式の除雪機であって、モータによる伸縮式スキッド機構を備えた実施形態に係るものである。
【0047】
この実施形態では、オーガをチルト動作させるための油圧チルトシリンダ及びこれを駆動するチルトモータを備え、さらにオーガをローリング動作させるための油圧ローリングシリンダ及びこれを駆動するローリングモータを備える。またこれらとともに、チルト角及びローリング角を検出するためのチルト角センサ及びローリング角センサを備える。シュートは、図2に示したように、モータ27(シュート回転モータ)により回転可能で投雪の向きを変更可能である。さらにこの実施形態では、シュートが上下方向に伸縮可能でその高さを調整するシュートハイトモータを備えている。この実施の形態においては、前記チルト角センサとローリング角センサとによって、本発明でいう姿勢検出手段が構成されている。
【0048】
ハンドル部分の操作ボックス30に備わるメインスイッチ61をONにすることによりヒューズ57を介してバッテリ33からの電源が各部に供給される。油圧チルトシリンダ58にはこれに油圧を供給するチルトモータ59が備わり、チルトモータリレー60を介して十字スイッチ62により駆動される。十字スイッチ62は、ハンドル29に備わる操作レバー36の先端部に一体的に取付けられており、この操作レバーの前後方向の操作により作動し、油圧チルトシリンダ58を駆動してオーガを上下方向にチルト動作させる。
【0049】
油圧チルトシリンダ58の駆動によるオーガのチルト角度は、チルト角度センサ63により検出される。検出されたチルト角度は、表示パネル64にLEDにより表示される。
【0050】
なお、油圧チルトシリンダ58の取付け位置は、前記した油圧シリンダと同様例えば図1に示すチルトシリンダ50の位置でもよい。油圧チルトシリンダ58はチルトシリンダ50と同様オーガ11の走行面からの高さを調整可能とするものである。
【0051】
オーガのローリング角度は、油圧ローリングシリンダ65により調整可能である。この油圧ローリングシリンダ65にはこれに油圧を供給するローリングモータ66が備わり、ローリングモータリレー67を介して十字スイッチ62により駆動される。十字スイッチ62は、操作レバーの左右方向の操作によっても作動し、この場合は、油圧ローリングシリンダ65を駆動してオーガハウジング13を図2のA方向からみて時計方向あるいは反時計方向に回動(ローリング)させる。オーガハウジング13にはオーガ軸14が回転自在に支持されるので、このローリングにより除雪面を図2のA方向からみて時計方向あるいは反時計方向に傾斜させることができる。
【0052】
オーガのローリング角度は、ローリング角度センサ68により検出される。検出されたローリング角度は、表示パネル64にLEDにより表示される。
【0053】
表示パネル64は、チルト表示部64aとローリング表示部64bとを有し、それぞれこの例では5段階で上下方向のチルト角度及び左右方向のローリング角度を表示する。表示方法は、例えばチルト角度の場合、水平な状態を中央のLEDで表示し、チルトアップ状態およびチルトダウン状態をそれぞれ角度に応じて上側及び下側のLEDで表示する。同様に、ローリング角度の場合は、水平な状態を中央のLEDで表示し、ローリングして左右に傾いた状態をそれぞれ角度に応じて左側及び右側のLEDで表示する。この実施の形態においては、チルト表示部64aとローリング表示部64bとを有する表示パネル64によって、本発明でいう姿勢報知手段が構成されている。
【0054】
このようにオーガのチルト角度及びローリング角度を検出して水平状態の表示及び傾いたときの表示を行うことにより、走行中常にオーガの姿勢を把握して運転することができ、これに基づいて適正な運転操作ができる。
【0055】
シュートを伸縮させるシュートハイトモータ69は、シュートハイトスイッチ70の動作によりシュートハイトモータリレー71を介して駆動される。
【0056】
シュートの投雪方向を変えるシュート回転モータ27は、シュート回転スイッチ72の動作により駆動される。
【0057】
スキッド伸縮用のスキッドモータは、操作ボックス30に設けたスキッド操作スイッチ300の操作によりこのスキッド操作スイッチ300に一体的に設けられるスキッドスイッチ73が動作してスキッドモータリレー74を介して駆動される。
【0058】
なお、本発明は、チルトモータ又はローリングモータのいずれか一方のみを備えた構成や両方のモータのいずれもないもの及び/又はシュートハイトモータやスキッドモータが備わらない構成の除雪機に対しても適用可能である。また、オーガの駆動は電動機によって行うことも可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、姿勢検出手段によりオーガのチルト角及びローリング角を検出し、この検出したチルト角及びローリング角が、姿勢報知手段により例えばLED等のランプ表示で表わして作業者に示される。これにより作業者はオーガの姿勢を認識することができ、これに基づいてチルト操作やローリング操作を行ってオーガを接地面に対し適正な位置に調整操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用される除雪機の基本構成図。
【図2】 本発明の実施形態に係る除雪機の側面図。
【図3】 図2の実施形態の正面からみた構成図。
【図4】 図2の実施形態の平面図。
【図5】 図2の実施形態の要部詳細図。
【図6】 図2の実施形態の操作ボックスの平面図。
【図7】 本発明の別の実施形態に係る除雪機の側面図。
【図8】 図7の実施形態の要部詳細図。
【図9】 図7の実施形態の操作ボックスの平面図。
【図10】 本発明に係る除雪機の制御回路図。
【符号の説明】
1:除雪機、2:車体、3:クローラフレーム、4a,4b:車軸、
6:エンジン、7:燃料タンク、
9:減速ギヤ、9a:ギヤケース、10:インペラ、11:オーガ、
12:インペラハウジング、13:オーガハウジング、14:オーガ軸、
15:ウォームギヤ、16:駆動軸、17:プーリ、18:ベルト、
19:オーガクラッチ、22:スキッド、23:シュート、24:デフレクタ、
25:ヒンジ、26:スプリング、27:シュート回転モータ、
29:ハンドル、30:操作ボックス、32:シュートワイヤ、
34:走行変速レバー、35:シュートレバー、36:操作レバー、
42:車体、43:オーガ、
44:シュート、45:ハンドル、46:車軸、47:接地面、
48:クローラ、48a:クローラフレーム、49:連結軸、
50:チルトシリンダ、51:車軸、72:シュート回転スイッチ、
81:エンジン、82:出力軸、83:動力伝達系、84:駆動軸、
85:インペラ、86:回転連結機構、87:オーガ軸、96:クローラ、
97:前輪、98:後輪、99:トラック、102:チルト操作レバー、
103:エンジン出力軸、104:駆動側プーリ、105:マフラー、
106:バッテリ、200:油圧変速機、201:外管、202:ワイヤ、
203:ブラケット、204:取付け片、205:取付け片、206:指標、
207:指針、208:姿勢表示部、208a:溝、209:チルト角センサ、
210:長孔、211:レバー、211a:レバーの端部、
212:姿勢表示部、213:チルト表示部、214:ローリング表示部、
215:LED、216:チルト角の指標、217:ローリング角の指標。
Claims (4)
- 接地する走行駆動部に支持された車体と、
前記走行駆動部より前方側の車体に設けた除雪用のオーガと、
前記走行駆動部より後方側の車体に連結された操作用のハンドルと、
前記車体に搭載されたオーガ駆動装置とを備えた除雪機において、
前記オーガのチルト角及びローリング角を検出する姿勢検出手段と、
該姿勢検出手段により検出したオーガの姿勢を表わすための姿勢報知手段とを備え、
前記姿勢報知手段は、上下方向のチルト表示部と、左右方向のローリング表示部とからなる姿勢表示部によって構成されていることを特徴とする除雪機。 - 前記走行駆動部は少なくとも前後2点で接地し、
前記車体は、走行駆動部が取り付けられた第1車体と、この第1車体に対し揺動可能に支持された第2車体からなり、
前記オーガは前記第2車体に取付けられ、
前記第1車体と第2車体との間の相対的なチルト角を可変とするチルト機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載の除雪機。 - 前記オーガと前記車体との間の相対的なローリング角を可変とするローリング機構を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の除雪機。
- 前記ハンドル又はその近傍に前記姿勢報知手段を設けたことを特徴とする請求項1、2または3に記載の除雪機。
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