JP3983567B2 - 光情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光情報記録媒体の製造方法に関し、特に、薄膜フィルムを貼り合わる貼り合わせ工程を有する光情報記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ光を用いて情報を記録し、または再生する光情報記録媒体(以下、「光ディスク」という場合がある)としては、CD−R(Compact Disc−recordable)、CD(Compact Disc)、DVD(digital versatile disc)、DVD−R(digital versatile disc−recordable)等が既に普及しているが、近年、光ディスクに対しては、映像情報等さらに大量のデータを格納したいという要望があり、高密度化の検討が進んでいる。このような光ディスクに対する記録密度は、おおむねディスク上の光ビームのスポットサイズで決まり、このスポットサイズは、レーザ波長をλ、対物レンズの開口数をNAとすると、λ/NAに比例する。このため、光ディスクに対する記録密度を高めるためには、レーザ光の短波長化および対物レンズの高NA化が必要となる。しかし、光ディスクの傾きにより発生するコマ収差はNAの3乗に比例して大きくなるため、高NA化によってディスクの傾きに対するマージンが極めて小さくなり、わずかな傾きでビームがぼやけ、高密度化が実現できなくなる。従って、高密度化に対応した光ディスクでは、例えば、特開平11−31337号公報に開示されているように、レーザ光の透過層であるカバー層を十分薄いもの(例えば、0.1mm程度のもの)とし、高NA化に伴うディスクの傾きによるコマ収差の増加を抑制する必要がある。
【0003】
十分に薄いカバー層を形成するには、例えば、基板上に光反射層および記録層等が形成された積層体をスピンコータのターンテーブル上に載置し、前記積層体上に紫外線硬化樹脂等からなる接着剤を塗布し、該接着剤を介して前記積層体上に前記カバー層としての透明の薄膜フィルムを載置する。
その後、ターンテーブルを高速回転させて積層体と薄膜フィルムとの間の接着剤を延展してこれを薄膜化した後、ターンテーブル上から紫外線照射装置へ搬送し、紫外線を照射して薄膜化した接着剤を硬化させる。これにより、積層体上にフィルムが接着されて光ディスクが製造される。
【0004】
ところで、薄膜フィルムを積層体上に載置するには、薄膜フィルムの中央に設けられた穴を支持して搬送する搬送手段により行われるのが一般的である。しかし、当該搬送手段では、支持している部分が薄膜フィルムの中央部だけであり、また、薄膜フィルムの厚さも非常に薄いため、その自重で外周部が下方に垂れ下がってしまう。従って、この状態で搬送されたきたまま薄膜フィルムを積層体上に載置すると、薄膜フィルム外周部が中央部よりも先に積層体表面に接するため、該積層体表面にキズをつける可能性があった。特に、DVR−blue(ソニー(株)が提唱する高密度記録媒体 22.5GB/枚)のような層構成においては、積層体の最表面層が記録層であるため、該記録層にキズをつけ、エラー発生の原因となる可能性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上から、本発明は、薄膜フィルムを貼り合わせる際に記録層等の積層体表面にキズをつけないようにして、前記薄膜フィルムを前記積層体の表面に載置して貼り合わせる貼り合わせ工程を有する光情報記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下に示す本発明により解決することができる。
すなわち、本発明は、基板上に少なくとも光反射層および記録層が順次形成された積層体の前記記録層側の表面に対し、薄膜フィルムの貼り合わせ面を略平行にしながら、前記積層体の表面に前記薄膜フィルムを載置して貼り合わせる貼り合わせ工程を有し、前記薄膜フィルムの貼り合わせ面を略平行とする際に、その中心から半径方向に向かってガスを供給することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法である。
また、本発明の光情報記録媒体の製造方法においては、前記貼り合わせ工程の前に、基板上に光反射層を形成する光反射層形成工程、記録層を形成する記録層形成工程等の工程が設けられる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の光情報記録媒体の製造方法は、基板上に少なくとも光反射層および記録層が順次形成された積層体の表面に対し、薄膜フィルムの貼り合わせ面を略平行にしながら、前記積層体の表面に前記薄膜フィルムを載置して貼り合わせる貼り合わせ工程を有する。また、前記貼り合わせ工程の前には、前記基板上に前記光反射層を形成するための光反射層形成工程、前記光反射層上に前記記録層を形成する記録層形成工程、を始めとした光情報記録媒体を製造するための種々の公知の工程が設けられる。
以下、各工程について詳細に説明する。
【0008】
<貼り合わせ工程>
貼り合わせ工程は、基板上に光反射層および記録層等を形成して積層体とした後、前記記録層等の光情報記録媒体の内部を保護するために、前記積層体の記録層側の表面にカバー層としての薄膜フィルムを貼り合わせる工程である。
【0009】
前記薄膜フィルムとしては、透明な材質であれば、特に限定されないが、好ましくは、ポリカーボネート、三酢酸セルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル等の材質からなることが好ましい。なお、「透明」とは、記録光および再生光に対して、該光を透過する(透過率:90以上)ほどに透明であることを意味する。
薄膜フィルムの厚さは、0.03〜0.15mmの範囲であることが好ましく、0.05〜0.12mmの範囲であることがより好ましい。このような範囲とすることにより、薄膜フィルムを貼り合わせる工程における薄膜フィルムの取り扱いが容易となり、しかも、コマ収差を抑えることができるという利益が得られる。
【0010】
薄膜フィルムの貼り合わせは、以下に説明するようにして行う。
まず、基板とは反対側の積層体表面に接着剤を塗布する。その後、積層体表面に対し、薄膜フィルムの貼り合わせ面を略平行にしながら、前記積層体の表面に前記薄膜フィルムを載置し、スピンコート等をしながら貼り合わせる。ここで、「略平行」とは、積層体表面に対し、薄膜フィルムの貼り合わせ面が平行な状態である場合だけでなく、薄膜フィルムの貼り合わせ面がその中心から半径方向に向かって上側に反った状態をもいう。
略平行にしながら、薄膜フィルムを載置して貼り合わせることにより、薄膜フィルム外周部が中央部よりも先に積層体表面に接することを防止できるので、該積層体表面をキズつけることがない。
略平行な状態に保ちながら当該薄層フィルムの貼り合わせるには、種々の方法が考えられるが、図1、図3および図4に示すようなスピンコータを用いたスピンコート法を適用して行うことが好ましい。
【0011】
図1(a)は、当該貼り合わせ工程における薄層フィルムの貼り合わせに使用するスピンコータの一例を示す概略構成図である。当該スピンコータには、肉厚円板状のターンテーブル2が設けられている。ターンテーブル2の上面部の載置面に、積層体3が載置される。この載置面の中心部には、ターンテーブル2の軸心であるスピンドル4の一部が突出して設けられている。スピンドル4の突出部は、その外径が積層体3のセンターホールの内径よりも僅かに小径とされており、積層体3が載置面上に載置されるとそのセンターホール内へ挿入されて、積層体3をターンテーブル2と同軸的となるように位置決めする。
また、スピンドル4の突出部には、図1(b)に示すように、中心から半径方向に向かってガスを供給するガス供給孔4aが設けられている。それぞれのガス供給孔4aの間には、搬送アーム51のディスク連結部51aが連結する溝が設けられている。
ターンテーブル2にはその下面中心部に回転軸5が同軸的に連結されており、この回転軸5にはターンテーブル2を回転させるためのステッピングモータ(図示省略)が直接、またはトルク伝達機構を介して連結されている。
【0012】
一方、搬送アーム51は、図示しないディスク搬送装置と連動し上下左右に移動可能で、積層体3および薄膜フィルム61をターンテーブル2の載置面に載置したり、スピンコート後の積層体3および薄膜フィルム61を紫外線照射装置に搬送したりする。この搬送アーム51の先端部には略円筒状のディスク連結部51aが連結されており、ディスク連結部51aが積層体3等のセンターホールにその爪を引っかけて支持・搬送する。
【0013】
当該スピンコータを使用して薄膜フィルム61を貼り合わせるには、まず、図1(a)に示すように、搬送アーム51により積層体3をターンテーブル2の載置面に載置する。ターンテーブル2の載置面には、複数の円環状の吸引溝が設けられており(図示省略)、該吸引溝は、ターンテーブル2内に設けられたパイプ状の連通路を通して真空ポンプ等の真空発生装置(図示省略)に接続されている。前記真空発生装置は、ターンテーブル2上に積層体3が載置されると吸引溝内へ負圧を供給し、積層体3を載置面上に吸引固定する。
【0014】
次に、ディスペンサ6を通じて接着剤を供給する。ディスペンサ6から接着剤の供給時には、ディスペンサ6はセンターホールから所定距離だけ外周側となるように位置調整され、ターンテーブル2を低速回転(10〜100rpm)させながらディスペンサ6から接着剤を滴下する。これにより、ディスペンサ6から滴下された接着剤はセンターホールから所定距離外周側でリング状となって積層体3表面に付着する。
なお、積層体3上への接着剤の供給時に、ターンテーブル2を回転させることなく、ディスペンサ6を周方向に沿って移動させつつ接着剤を滴下してもよい。
【0015】
該接着剤としては、UV硬化樹脂、EB硬化樹脂、熱硬化樹脂等を使用することが好ましく、特に、UV硬化樹脂を使用することが好ましい。供給する接着剤の量は、最終的に形成される接着層の厚さが、0.1〜100μmの範囲、好ましくは0.5〜50μmの範囲、より好ましくは10〜30μmの範囲になるように調整する。
【0016】
接着剤としてUV硬化樹脂を使用する場合は、該UV硬化樹脂をそのまま、もしくはメチルエチルケトン、酢酸エチル等の適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、ディスペンサ6から積層体3表面に供給してもよい。また、作製される光情報記録媒体の反りを防止するため、接着層を構成するUV硬化樹脂は硬化収縮率の小さいものが好ましい。このようなUV硬化樹脂としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)社製の「SD−640」、「SD−661」、「SD−694」、「SD−318」、「SD−347」、「SD−693」、「SD−715」、「EX−8204」、「EX−8205」、「EX−8206」、;日本化成(株)製の「UVF−001」;VANTICO社製の「XD−451F−1」;Desolite社製の「650−021」;日本化薬(株)製の「カヤラッドDVD−003」「カヤラッドDVD−180」「カヤラッドDVD−230」「カヤラッドKCD−805」;スリーボンド社製の「30Y−375C−2」「30Y−435T」「30Y−266B1」;三菱レイヨン(株)製の「ダイヤビームFS−6107」;東亜合成(株)社製の「Luxtrak LCR0691」;等のUV硬化樹脂を挙げることができる。
【0017】
次に、搬送アーム51により薄膜フィルム61を積層体3上にゆっくり下降させる。このとき、ガス供給孔4aから半径方向に向かってガスを供給する。このようにガスを供給することによって、薄膜フィルム61の貼り合わせ面が、積層体3の表面と略平行となるので、既述のように、薄膜フィルム61外周部が中央部よりも先に積層体3表面に接することを防止できる。従って、積層体3の表面をキズつけることがない。
供給するガスとしては、積層体3に塗布した接着剤を変質させなければ、特に限定されないが、空気、あるいは帯電を防止する除電風等を使用することが好ましい。また、ガスの供給速度は、ガス供給孔のスリット形状や他の条件によって適宜調整することが好ましい。
【0018】
薄膜フィルム61のセンターホール内へスピンドル4の突出部を挿入し、薄膜フィルム61をターンテーブル2と同軸的になるように位置決めし、図2に示すように、薄膜フィルム61を積層体3上に載置する。これにより、薄膜フィルム61が略平行の状態で積層体3上に載置される。
【0019】
次に、ターンテーブル2を高速(3000〜10000rpm)で回転させる。これにより、積層体3および薄膜フィルム61がターンテーブル2と一体となって回転し、積層体3および薄膜フィルム61の間の接着剤が遠心力により外周側へ延展し薄膜化される。このとき、余剰の接着剤は、外周側へ飛散しターンテーブル2の周辺部に付着するが、硬化前の接着剤は十分流動性を有しており、容易に除去および回収が可能である。
【0020】
また、図1のスピンコータと同様な効果を得るため、図3に示すスピンコータを使用してもよい。当該スピンコータは、スピンドル4の突出部でなく回転軸5の周囲にガスを供給するガス供給孔31が設けられている。図1のスピンコータと同様に、ガス供給孔31から一定速度でガスを供給することにより、薄膜フィルム61の貼り合わせ面が、積層体3の表面と略平行となるので、既述のように、薄膜フィルム61外周部が中央部よりも先に積層体3表面に接することを防止でき、積層体3表面をキズつけることがない。
なお、図3に示す符号と、図1に示す符号が同一の部材は、それぞれ、同一の機能を有する部材を意味する。
【0021】
さらに、図1に示す搬送アーム51を図4(a)に示すように、薄膜フィルム61の片側面を吸引し保持できる吸引保持面51bを設けた構成としてもよい。
すなわち、図4(b)に示すように、吸引保持面51bに薄膜フィルム61を吸引保持するための吸引孔52設け、吸引孔52から負圧を加える構成としてもよい。なお、この場合、図1(b)に示すようなガス供給孔4aは任意で、必要に応じて設けることができる。また、図4に示す符号と、図1に示す符号が同一の部材は、それぞれ、同一の機能を有する部材を意味する。
【0022】
図4に示すスピンコータで、薄膜フィルム61を貼り合わせるには、吸引保持面51bにより薄膜フィルム61の片側面を吸引し保持しながら、薄膜フィルム61のセンターホール内へスピンドル4の突出部を挿入し、ターンテーブル2と同軸的になるように位置決めし、薄膜フィルム61を接着剤が塗布された積層体3上に載置すればよい。吸引保持面51bは、積層体3表面と平行になっているので、薄膜フィルム61を略平行の状態で積層体3上に載置することができる。このようにすることで、薄膜フィルム外周部が中央部よりも先に積層体表面に接することを防止できるので、該積層体表面をキズつけることがない。
また、図5に示すように、吸引保持面51bを中心から半径方向に上側へ反るような態様とすれば、薄膜フィルム61も中心から半径方向に上側へ反るため、薄膜フィルム61をさらに効率よく略平行状態で積層体3上に載置することが可能である。
【0023】
その他に、薄膜フィルム61に静電気を帯びさせて電気的引力によりこれを搬送し、略平行状態で積層体3上に載置する等の方法を適用してもよい。以上のような装置の特徴部分を適宜組合せることで、薄膜フィルム61を略平行状態で貼り合わせることができる。
【0024】
<光反射層形成工程>
光反射層形成工程は、後述する基板のプリグルーブが形成された面に光反射性物質からなる光反射層を形成する工程である。
前記基板としては、従来の光情報記録媒体の基板材料として用いられている各種の材料を任意に選択して使用することができる。
具体的には、ガラス;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン;ポリエステル;アルミニウム等の金属;等を挙げることができ、所望によりこれらを併用してもよい。
上記材料の中では、耐湿性、寸法安定性および低価格等の点から、アモルファスポリオレフィン、ポリカーボネートが好ましく、ポリカーボネートが特に好ましい。また、基板の厚さは、1.1±0.3mmとすることが好ましい。
【0025】
基板には、トラッキング用の案内溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸(プリグルーブ)が形成されている。より高い記録密度を達成するためにはCD−RやDVD−Rに比べて、より狭いトラックピッチのプリグルーブが必要となる。例えば、DVR−blueのような媒体構成として使用する場合には、プリグルーブのトラックピッチは、200〜400nmの範囲とすることを必須とし、好ましくは、250〜350nmの範囲となる。また、プリグルーブの深さ(溝深さ)は、20〜150nmの範囲とすることを必須とし、好ましくは、50〜130nmの範囲となる。
【0026】
なお、後述する光反射層が設けられる側の基板表面には、平面性の改善、接着力の向上の目的で、下塗層を形成することが好ましい。
該下塗層の材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
下塗層は、上記材料を適当な溶剤に溶解または分散して塗布液を調製した後、この塗布液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート等の塗布法により基板表面に塗布することにより形成することができる。下塗層の層厚は、一般に0.005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
【0027】
光反射層は、レーザ光に対する反射率が高い光反射性物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティングすることにより基板上に形成することができる。光反射層の層厚は、一般的には10〜300nmの範囲とし、50〜200nmの範囲とすることが好ましい。
なお、前記反射率は、70%以上であることが好ましい。
【0028】
反射率が高い光反射性物質としては、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることができる。これらの光反射性物質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せで、または合金として用いてもよい。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。特に好ましくは、Au、Ag、Alあるいはこれらの合金であり、最も好ましくは、Au、Agあるいはこれらの合金である。
【0029】
<記録層形成工程>
記録層形成工程は、前記光反射層上に記録層を形成する工程である。当該記録層は、波長600nm以下のレーザ光により情報の記録が可能で、記録物質としての色素を含有していることが好ましい。当該記録層に含有される色素としては、シアニン色素、オキソノール色素、金属錯体系色素、アゾ色素、フタロシアニン色素等が挙げられる。
【0030】
また、特開平4−74690号公報、特開平8−127174号公報、同11−53758号公報、同11−334204号公報、同11−334205号公報、同11−334206号公報、同11−334207号公報、特開2000−43423号公報、同2000−108513号公報、および同2000−158818号公報等に記載されている色素も好適に用いられる。
【0031】
記録層は、色素等の記録物質を、結合剤等と共に適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に形成された光反射層上に塗布して塗膜を形成した後、乾燥することにより形成される。塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.1〜10質量%の範囲、より好ましくは0.5〜5質量%の範囲、最も好ましくは0.5〜3質量%の範囲である。
【0032】
塗布液の溶剤としては、酢酸ブチル、乳酸エチル、セロソルブアセテート等のエステル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン等のケトン;ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロホルム等の塩素化炭化水素;ジメチルホルムアミド等のアミド;メチルシクロヘキサン等の炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンアルコール等のアルコール;2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール等のフッ素系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;等を挙げることができる。
上記溶剤は使用する記録物質の溶解性を考慮して単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、潤滑剤等各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
【0033】
結合剤を使用する場合に、該結合剤の例としては、ゼラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴム等の天然有機高分子物質;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリエチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物等の合成有機高分子;を挙げることができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤の使用量は、一般に記録物質に対して0.01倍量〜50倍量(質量比)の範囲にあり、好ましくは0.1倍量〜5倍量(質量比)の範囲にある。このようにして調製される塗布液中の記録物質の濃度は、一般に0.01〜10質量%の範囲にあり、好ましくは0.1〜5質量%の範囲にある。
【0034】
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクターロール法、スクリーン印刷法等を挙げることができる。記録層は単層でも重層でもよい。また、記録層の層厚は、一般に20〜500nmの範囲にあり、好ましくは30〜300nmの範囲にあり、より好ましくは50〜100nmの範囲にある。
【0035】
記録層には、該記録層の耐光性を向上させるために、種々の褪色防止剤を含有させることができる。
褪色防止剤としては、一般的に一重項酸素クエンチャーが用いられる。一重項酸素クエンチャーとしては、既に公知の特許明細書等の刊行物に記載のものを利用することができる。
その具体例としては、特開昭58−175693号公報、同59−81194号公報、同60−18387号公報、同60−19586号公報、同60−19587号公報、同60−35054号公報、同60−36190号公報、同60−36191号公報、同60−44554号公報、同60−44555号公報、同60−44389号公報、同60−44390号公報、同60−54892号公報、同60−47069号公報、同63−209995号公報、特開平4−25492号公報、特公平1−38680号公報、および同6−26028号公報等の各公報、ドイツ特許350399号明細書、そして日本化学会誌1992年10月号第1141頁等に記載のものを挙げることができる。
【0036】
前記一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤の使用量は、色素の量に対して、通常0.1〜50質量%の範囲であり、好ましくは、0.5〜45質量%の範囲、更に好ましくは、3〜40質量%の範囲、特に好ましくは5〜25質量%の範囲である。
【0037】
以上のように、少なくとも、光反射層形成工程、記録層形成工程、貼り合わせ工程を経た後は、積層体とカバー層としての薄膜フィルムとの間に存在する接着剤を硬化させることで光情報記録媒体とされる。
例えば、接着剤として紫外線硬化樹脂を使用した場合の接着は、紫外線の照射はパルス型の光照射器(好ましくは、UV照射器)を用いて行うのが好ましい。パルス間隔はmsec以下が好ましく、μsec以下がより好ましい。1パルスの照射光量は特に制限されないが、3kW/cm2以下が好ましく、2kW/cm2以下がより好ましい。また、照射回数は特に制限されないが、20回以下が好ましく、10回以下がより好ましい。
【0038】
以上、記録物質として色素等の有機化合物を含有する記録層を備えた光情報記録媒体の製造方法の例について説明したが、記録層は、相変化により記録を行う相変化記録層、光磁気により記録を行う光磁気記録層であってもよい。例えば、相変化記録層とする場合には、誘電体層はZnS−SiO2等から構成し、光透過層の代わりに誘電体層を設ける。また、相変化記録層には、記録物質としてSb、Te、Ag、In等のカルコゲナイド等の金属化合物を使用することができる。
【0039】
【実施例】
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】
(実施例1)
厚さ1.2mm、直径120mmのスパイラル状のグルーブ(深さ75nm、幅0.5μm、トラックピッチ1600nm)を有する射出成形ポリカーボネート樹脂(帝人社製ポリカーボネート、商品名パンライトAD5503)基板のグルーブを有する面上に、DCマグネトロンスパッタリングによりAgからなる光反射層(厚さ:80nm)を形成した(光反射層形成工程)。その後、下記化学式(1)で表わされる色素1gを2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール148g中に添加し、2時間超音波照射を行って溶解して、色素塗布液を調製した。この色素塗布波を、図1に示すスピンコータによりスピンコート法により回転数300rpmから4000rpmまで変化させながら、23℃50%RHの条件で塗布して、記録層を形成し、積層体を作製した(記録層形成工程)。
【0041】
【化1】
Figure 0003983567
・・・化学式(1)
【0042】
作製した積層体の記録層上に接着剤(大日本インキ化学工業(株)製:SD640)を、60rpmの回転数でスピンコートし、回転を止めた後、薄膜フィルムとしてポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ:62μm)を略平行にしながら載置した。その後、4400rpmの回転数で回転させて前記接着剤を記録層とPET薄膜フィルムとの間に延展させ、貼り合わせを行った(貼り合わせ工程)。
なお、PETフィルム貼り合わせは、図1に示すスピンコーターのスピンドル4の突出部に設けたガス供給孔4aから外周に向けて空気流を送り、その空気流の力でPET薄膜フィルムの外周部が下に垂れないように略平行にして行った。
【0043】
PETフィルムを貼り合わせた後、これを別のターンテーブルに移し、そのターンテーブルごとUV照射器に移動させて、UV光を照射して接着剤を硬化させ、積層体とPETフィルムとを接着し、光情報記録媒体を作製した。このとき、搬送は、内周打ち抜き穴(センターホール)に爪を引っ掛けて下の基板を支持して持ち上げ搬送した。
【0044】
(比較例1)
貼り合わせ工程において、PETフィルムを貼り合わせる時に空気流を用いることなく貼り合わせた以外は実施例1と同様にしてPETフィルム貼り合わせて光情報記録媒体を作製した。
【0045】
実施例1および比較例1のそれぞれで作製した光情報記録媒体について、PETフィルム側から目視により記録層の表面状態を観察したところ、比較例1では、キズが確認されたのに対し、実施例1ではキズが確認されず良好な表面状態であった。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、薄膜フィルムを貼り合わせる際に記録層等の積層体表面にキズをつけないようにして、前記薄膜フィルムを前記積層体の表面に載置して貼り合わせる貼り合わせ工程を有する光情報記録媒体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 貼り合わせ工程に使用するスピンコータの例を示す概略構成図であり、(a)は全体の概略を示し、(b)はスピンドルの突出部を示す図である。
【図2】 図1に示すスピンコータにより、薄膜フィルムを貼り合わせた状態を示す図である。
【図3】 貼り合わせ工程に使用するスピンコータの他の例を示す概略構成図である。
【図4】 貼り合わせ工程に使用するスピンコータの他の例を示す概略構成図であり、(a)は全体の概略を示し、(b)は搬送アームの吸引保持面の例を示す図である。
【図5】 搬送アームの吸引保持面の他の例を示す図である。
【符号の説明】
2・・・ターンテーブル
3・・・積層体
4・・・スピンドル
4a・・・ガス供給孔
5・・・回転軸
6・・・ディスペンサ
51・・・搬送アーム
61・・・薄膜フィルム

Claims (2)

  1. 基板上に少なくとも光反射層および記録層が順次形成された積層体の前記記録層側の表面に対し、薄膜フィルムの貼り合わせ面を略平行にしながら、前記積層体の表面に前記薄膜フィルムを載置して貼り合わせる貼り合わせ工程を有し、
    前記薄膜フィルムの貼り合わせ面を略平行とする際に、その中心から半径方向に向かってガスを供給することを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
  2. 前記薄膜フィルムの厚みが0.03〜0.15mmであることを特徴とする請求項1に記載の光情報記録媒体の製造方法。
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