JP3982792B2 - コンクリートの健全度評価方法及びその装置 - Google Patents

コンクリートの健全度評価方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート内部に亀裂、空洞、剥離等の欠陥があるかなど、コンクリート外部からのコンクリートの健全度の評価に用いられるコンクリートの健全度評価方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のコンクリートの健全度評価方法としては、例えば特開平2000−131290号公報に記載されているものがある。
【0003】
このコンクリートの健全度評価方法は、コンクリート表面を打撃して打音の発生をさせる打音発生段階と、発生した打音の採取をする打音採取段階と、採取した打音に基づいてコンクリートの健全度の評価をする健全度評価段階とを含むコンクリートの健全度評価方法において、採取した打音の強さの最大値を抽出し、抽出した最大値をあらかじめ設定した基準値と比較することにより、コンクリートの健全度の評価をするというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなコンクリートの健全度評価方法では、コンクリート自体より圧倒的に硬い骨材や鉄筋などがコンクリート表面近くにある場合において該コンクリート表面を打撃すると、硬い骨材や鉄筋などの影響により、瞬間的に非常に大きな打音が発生してしまう場合がある。
【0005】
そのような場合には、瞬間的に発生した非常に大きな打音を最大値として抽出してしまい、コンクリート内部の状態自体により発生する打音の評価がなされないこととなるので、評価の中に正確さに欠けるものが不可避的に混在することとなり、評価に対する信頼性が低下してしまう問題がある。
【0006】
そこで、本発明の課題は、評価に対する信頼性が十分に高まるように、コンクリート内部の状態自体により発生する打音の評価が可能となるようなコンクリートの健全度評価方法及びその装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、第一発明に係るコンクリートの健全度評価方法は、コンクリート表面を所定の打撃力にて打撃して打音の発生をさせる打音発生段階と、発生した打音の採取をする打音採取段階と、採取した打音に基づいてコンクリートの健全度の評価をする健全度評価段階と、を含むコンクリートの健全度評価方法において、前記健全度評価段階は、打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち、コンクリートの健全部と不健全部の打音の強さが経時的に異なる応答の軌跡を描き、健全部と不健全部とを明確に区別することができる、比較的初期の段階にみられる時間的な範囲における打音の強さの平均値を求め、求めた平均値とあらかじめ設定した基準値との比較により、コンクリート内部の状態自体により発生する打音の評価をするものであることを特徴としている。
【0008】
一方、第二発明に係るコンクリートの健全度評価方法は、コンクリート表面を打撃して打音の発生をさせる打音発生段階と、発生した打音の採取をする打音採取段階と、採取した打音に基づいてコンクリートの健全度の評価をする健全度評価段階と、を含むコンクリートの健全度評価方法において、前記健全度評価段階には、打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち初期の段階における打音の減衰率を求め、求めた減衰率とあらかじめ設定した基準値との比較により、コンクリートの健全度の評価をする段階を含むことを特徴としている。
【0009】
これらの発明に係るコンクリートの健全度評価方法によれば、コンクリート表面近くにある硬い骨材や鉄筋など、コンクリート表面の状態の影響を受けないように、打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち初期の段階における打音の強さの平均値又は打音の減衰率を用いてコンクリートの健全度の評価をすることとしたので、コンクリート内部の状態自体により発生する打音の評価が可能となる。
【0010】
したがって、評価の中に正確さに欠けるものが混在するということがなくなり、ひいては評価に対する信頼性を十分に高めることが可能となる。
【0011】
これらのような技術的手段において、複数の周波数帯域からなる打音についての評価の正確さを担保しようとする観点からすれば、前記健全度評価段階には、複数の周波数帯域毎に前記打音の強さの平均値を求め、求めた平均値と該複数の周波数帯域毎にあらかじめ設定した基準値との比較により、コンクリート内部の状態自体により発生する打音の評価をする段階を含むことが好ましい。なお、「打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち初期の段階」とは、打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち、打音の強さが経時的に異なる応答の軌跡を描くためにコンクリートの健全部と不健全部とを明確に区別することができるような比較的初期の段階にみられる時間的な範囲をいう。
【0012】
他方、これらのような方法の発明を具現化するコンクリートの健全度評価装置は、コンクリート表面を打撃して打音の発生をさせる打音発生手段と、発生した打音の採取をする打音採取手段と、採取した打音に基づいて該コンクリートの健全度の評価をする健全度評価手段と、を含むコンクリートの健全度評価装置であって、前記健全度評価手段は、打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち初期の段階における打音の強さの平均値を求め、求めた平均値又は減衰率とあらかじめ設定した基準値との比較により、コンクリート内部の状態自体により発生する打音の評価をするものであることを特徴としている。
【0013】
このような技術的手段において、外部からの騒音の採取をしないようにするとともに打撃点近傍での打音の採取を可能として、評価の正確さを担保しようとする観点からすれば、内部に少なくとも前記打音発生手段及び前記打音採取手段を組み込み、底部をコンクリート表面に当接させた状態で外部からの騒音を透過させないように密閉する該底部に開口が開設された密閉箱、を含むことが好ましい。
【0014】
この場合において、打撃により発生した打音のうちコンクリート内部の状態自体との関係が比較的弱いものを排除して、さらに評価の正確さを担保しようとする観点からすれば、前記密閉箱は、発生した打音のうち直接空気中を伝搬するものが前記打音採取手段により採取されないように、内部を前記打音発生手段が組み込まれる領域と前記打音採取手段が組み込まれる領域とに仕切る間仕切り壁を含むことが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
◎実施の形態1
図1は本発明が適用された実施の形態1に係るコンクリートの健全度評価装置の全体構成を示す図(図1(a)は断面図及び斜視図、図1(b)は図1(a)におけるA方向矢視図)、図2は本発明が適用された実施の形態1に係るコンクリートの健全度評価方法を示すブロック図、図3は該コンクリートの健全度評価方法に基づく評価の具体例を示すグラフである。
なお、以下の説明は、複合的な周波数を特徴とする打音についてのものであるが、複合的ではない周波数を特徴とする打音についても妥当性を有するものである。
【0017】
この実施の形態1において、コンクリートの健全度評価装置は、図1に示すように、打音発生手段1と、打音採取手段2と、健全度評価手段たるノート型コンピュータ3と、密閉箱4とから構成されている。以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0018】
(1)打音発生手段1
打音発生手段1は、コンクリート表面Cを打撃して打音の発生をさせる役割を果たすものである。
【0019】
具体的には、この打音発生手段1は、同図に示すように、コンクリート表面Cを打撃して打音の発生をさせるハンマ11と、所定のタイミングで自動的にハンマ11に打撃動作をさせるノート型コンピュータ3と、ノート型コンピュータ3からハンマ11まで打撃動作のタイミングデータを伝送するタイミングデータ伝送ケーブル12とからなっている。このようなハンマ11としては、例えば油圧ハンマ11のほか、インパルスハンマやエアー圧力ハンマなどが考えられるが、低ノイズによる打撃が得られる略球形状を呈するハンマヘッドを有していることが好ましいといえる。なお、油圧ハンマを用い、インパルスハンマやエアー圧力ハンマを用いない場合には、電気的信号ノイズ、空気波動、ハンマのリバウンド、リバウンド防止マグネット作動音等が解析打音の邪魔となる不具合がない
【0020】
具体的には、この打音採取手段2は、同図に示すように、ハンマ11の打撃により発生した打音を電気信号としての打音データに変換するマイクロフォン21と、マイクロフォン21で変換された打音データを増幅する増幅器22と、増幅器22で増幅された打音データを受信するノート型コンピュータ3と、マイクロフォン21から増幅器22まで打音データを伝送する打音データ伝送ケーブル23と、増幅器22からノート型コンピュータ3まで打音データを伝送する増幅データ伝送ケーブル24とからなっている。
【0021】
マイクロフォン21としては、打音の採取が可能なものであれば、小型コンデンサマイクなど公知のものを用いても差し支えないが、確実な打音の採取という観点からすれば、ハンマ11の打撃点側に指向性を有する指向性マイクロフォン21を用いることが好ましいといえる。
【0022】
なお、このような打音採取手段2において、マイクロフォン21が密閉箱4の内部に位置していれば、他の構成部分、例えば増幅器22などは、別体として構成されるかどうかを問わない。また、別体として構成される場合には、他の構成部分は、健全度評価手段に組み込まれる構成としても差し支えない。さらに、この実施の形態1では、マイクロフォン21とは別体として増幅器22、ノート型コンピュータ3をそれぞれ独立に設けており、これらの間では有線たる伝送ケーブルで打音データを伝送しているが、無線で打音データを伝送しても勿論差し支えない。
【0023】
(3)ノート型コンピュータ3
ノート型コンピュータ3は、採取した打音に基づいて該コンクリートの健全度の評価をする役割を果たすものである。
【0024】
具体的には、このノート型コンピュータ3は、打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち初期の段階、すなわち、コンクリートの健全部と不健全部の打音の強さが経時的に異なる応答の軌跡を描き、健全部と不健全部とを明確に区別することができる、比較的初期の段階にみられる時間的な範囲における打音の強さの平均値を求め、求めた平均値とあらかじめ設定した基準値との比較により、コンクリート内部の状態自体により発生する打音の評価をする役割を果たすものである。
【0025】
この実施の形態1におけるノート型コンピュータ3は、図示しないが、入力手段と、出力手段と、CPUと、RAMと、第一のファイルとを備えるものとして構成されている。
【0026】
ここで、第一のファイルには、打音採取手段2で採取した打音データに基づいてコンクリートの健全度の評価をする健全度評価段階を実行するための評価実行プログラムと、評価実行プログラムを実行するのに必要となるコンクリートの健全部に係る基準値があらかじめ格納されている。
【0027】
この基準値には、複数の周波数帯域データ及びこれらに対応付けて記憶されている打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち、前記初期の段階における打音の強さの平均値からなるものであり、いわば周波数帯域を考慮に入れた基準値と、単に打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち、前記初期の段階における打音の強さの平均値からなるものであり、いわば周波数帯域を考慮に入れない基準値とがある。
【0028】
(4)密閉箱4密閉箱4は、同図に示すように、内部に打音発生手段1及び打音採取手段2を組み込み、底部をコンクリート表面Cに当接させた状態で外部からの騒音を透過させないように密閉する底部に開口が開設されたものである。具体的には、この密閉箱4においては、同図に示すように、一方では、打音発生手段1のうちのハンマ11が頂4aに固着されており、他方では、打音採取手段2のうちのマイクロフォン21が側壁4bに固着されている。また、底部であるコンクリート表面Cとの接触部には、ゴムや樹脂などで作られた弾性材41が配設されており、底部がコンクリート表面Cに当接した状態において騒音を透過させないようにするための密閉効果が十分に得られるようになっている。このような弾性材41は、ハンマ11の打撃による衝撃反力を緩衝するような作用も奏する。なお、この実施の形態1において、このような弾性材41は、不可欠の構成要素ではなく、そもそも外部からの騒音が殆どない状況など、個別の状況いかんによっては、これを配設しなくても差し支えない。それゆえ、例えば、密閉箱4を移動可能な支持装置に取り付けて移動しながら連続測定を行うような場合には、コンクリート表面Cと密閉箱4の底部とは若干離れた状態とすることもできる。さらに、不正確な評価の原因となる反射音を可及的に少なくして、評価の正確さを担保しようとする観点から、この密閉箱4の内側面には、グラスウールなどで作られた吸音材42が配設されている。また、万全を期すためには、ハンマ11のうち密閉箱4の内部側に突出した部分の周囲にも配設することが好ましいといえる。
【0029】
このような密閉箱4により、外部からの騒音の採取をしないようにするとともに打撃点近傍での打音の採取が可能となり、ひいては評価の正確さを担保することが可能となっている。
なお、このような同一の密閉箱4に打音発生手段1及び打音採取手段2を組み込んだ装置によれば、小型化及び軽量化を図ることが可能となり、これに伴い実施者の設置作業の負担軽減を図ることが可能となり、労力、時間、コストの効率的な活用が実現する。
【0030】
次に、図1〜図3を用いて、この実施の形態1に係るコンクリートの健全度評価方法について説明する。このコンクリートの健全度評価方法は、内部に打音発生手段1及び打音採取手段2が組み込まれた密閉箱4の底部をコンクリート表面Cに当接させた状態で行われるものであり、打音発生段階と、打音採取段階と、健全度評価段階とから構成されている。以下、各段階に分けて詳細に説明する。
【0031】
(1)打音発生段階
打音発生段階は、コンクリート表面Cを打撃して打音の発生をさせる段階である。
【0032】
すなわち、ノート型コンピュータ3が、タイミングデータ伝送ケーブル12を介して、所定のタイミングで自動的にハンマ11に打撃動作をさせる合図を発信すると、ハンマ11はコンクリート表面Cを打撃する(図1参照)。
【0033】
すると、この打撃により、直接的に空気中を伝搬する打音と、コンクリート内部を伝搬する打音と、コンクリート内部を通過した後間接的に空気中を伝搬する打音とを含む打音が重畳的に発生する。
【0034】
(2)打音採取段階
打音採取段階は、打音発生段階により発生した打音の採取をする段階である。
【0035】
すなわち、コンクリート表面Cへのハンマ11の打撃により打音が発生すると、マイクロフォン21が発生した打音を電気信号としての打音データに変換する(図1参照)。
【0036】
すると、増幅器22が、打音データ伝送ケーブル23を介して、変換された打音データを受信しこれを増幅する(図1参照)。
【0037】
続いて、ノート型コンピュータ3のCPUが、増幅データ伝送ケーブル24を介して、増幅された打音データを受信する(図1参照)。
【0038】
(3)健全度評価段階
健全度評価段階は、採取した打音に基づいてコンクリートの健全度の評価をする段階である。
【0039】
打音データが受信された後、CPUは、評価実行プログラムを第一のファイルからRAMに読み出して実行する。
【0040】
すなわち、CPUは、受信した打音データを複数の周波数帯域に分けて、各周波数帯域毎に、ゲートを通じて取り入れた打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち、前記初期の段階における打音の強さである音圧レベルの平均値を求める(図2参照)。
【0041】
そして、求めた平均値を各周波数帯域毎にあらかじめ設定した(周波数帯域を考慮に入れた)基準値と比較することにより、コンクリートの健全度の総合的な評価を行う(図2参照)。
【0042】
ここで、「打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち初期の段階」とは、打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち、打音の強さが経時的に異なる応答の軌跡を描くためにコンクリートの健全部と不健全部とを明確に区別することができるような比較的初期の段階にみられる時間的な範囲をいう(図3参照)。この実施の形態1では、このような初期の段階として、図3に示すように、0.015sec〜0.05secの時間的な範囲を採用する。
【0043】
なお、健全度評価段階は、打撃により発生する打音が複合的ではない周波数を特徴とする場合には、受信した打音データを複数の周波数帯域に分けることなく、打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち、前記初期の段階において打音の強さである音圧レベルの平均値を求め、求めた平均値とあらかじめ設定した(周波数帯域を考慮に入れない)基準値との比較により、コンクリート内部の状態自体により発生する打音の評価をすることとなる。
【0044】
以上説明したように、この実施の形態1に係るコンクリートの健全度評価方法によれば、コンクリート表面C近くにある硬い骨材や鉄筋など、コンクリート表面Cの状態の影響を受けないように、打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち、前記初期の段階における打音の強さの平均値を用いてコンクリートの健全度の評価をすることとしたので、コンクリート内部の状態自体により発生する打音の評価が可能となった。
【0045】
特に、複数の周波数帯域毎に前記打音の強さの平均値を求め、求めた平均値を該複数の周波数帯域毎にあらかじめ設定した基準値と比較することにより、コンクリートの健全度の評価をすることとしたので、複合的な周波数を特徴とする打音についての評価の正確さを担保することが可能となる。
【0046】
◎実施の形態2
図1は本発明が適用された実施の形態2に係るコンクリートの健全度評価装置の全体構成を示す図(図1(a)は断面図及び斜視図、図1(b)は図1(a)におけるA方向矢視図)、図4は本発明が適用された実施の形態2に係るコンクリートの健全度評価方法を示すブロック図、図5はコンクリートの健全度評価方法に基づく評価の具体例を示すグラフである。なお、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
【0047】
この実施の形態2に係るコンクリートの健全度評価装置は、図1に示すように、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、第一のファイルを含むノート型コンピュータ3ではなく、第二のファイルを含むノート型コンピュータ3を有している。
【0048】
ここで、実施の形態2における第二のファイルは、打音採取手段2で採取した打音データに基づいてコンクリートの健全度の評価をする健全度評価段階を実行するための評価実行プログラムと、評価実行プログラムを実行するのに必要となるコンクリートの健全部に係る基準値があらかじめ格納されている点で、実施の形態1における第一のファイルと共通している。
【0049】
しかし、第二のファイルの基準値には、複数の周波数帯域データ及びこれらに対応付けて記憶されている打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち初期の段階における打音の減衰率からなるものであり、いわば周波数帯域を考慮に入れた基準値と、単に打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち初期の段階における打音の減衰率からなるものであり、いわば周波数帯域を考慮に入れない基準値とがある点で、第一のファイルの基準値と大きく異なっている。
【0050】
それゆえ、このようなコンクリートの健全度評価装置を用いて行うコンクリートの健全度評価方法においては、健全度評価段階が、打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち初期の段階における打音の減衰率を求め、求めた減衰率をあらかじめ設定した基準値と比較することにより、コンクリートの健全度の評価をする段階となっており、実施の形態1における健全度評価段階と略同様の作用効果を奏するものとなっている(図4及び図5参照)。
なお、減衰率は、ある時間の中における打音の強さである音圧レベルを直接回帰することにより求められる。
【0051】
したがって、この実施の形態2に係るコンクリートの健全度評価方法によっても、コンクリート表面C近くにある硬い骨材や鉄筋など、コンクリート表面Cの状態の影響を受けないように、打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち初期の段階における打音の減衰率を用いてコンクリートの健全度の評価をすることとしたので、実施の形態1と略同様の効果が得られることとなった。
【0052】
◎実施の形態3
図6は本発明が適用された実施の形態3に係るコンクリートの健全度評価装置の全体構成を示す図(図6(a)は断面図及び斜視図、図6(b)は図6(a)におけるB方向矢視図)である。なお、実施の形態1と同様な構成要素については実施の形態1と同様な符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
【0053】
この実施の形態3に係るコンクリートの健全度評価装置は、同図に示すように、実施の形態1と略同様であるが、実施の形態1と異なり、密閉箱4が、発生した打音のうち直接空気中を伝搬するものが打音採取手段2により採取されないように、内部を打音発生手段1が組み込まれる領域と打音採取手段2が組み込まれる領域とに仕切る間仕切り壁51を有している。
なお、間仕切り壁51は、密閉箱4に対して着脱自在に設けられており、評価対象となるコンクリートの種類、状態や打音の周波数の性状などに応じて、コンクリートの健全度の評価を、間仕切り壁51を取り付けてするか、それとも間仕切り壁51を取り付けないでするかの選択が可能となっている。
【0054】
したがって、このようなコンクリートの健全度評価装置を用いて行うコンクリートの健全度評価方法によれば、打撃により発生した打音のうちコンクリート内部の状態自体との関係が比較的弱いものを排除することが可能となり、実施の形態1に係るコンクリートの健全度評価方法よりもさらに評価の正確さを担保することが可能となった。
【0055】
【発明の効果】
本発明に係るコンクリートの健全度評価方法及びその装置によれば、評価に対する信頼性が十分に高まるように、コンクリート内部の状態自体により発生する打音の評価が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された実施の形態1又は実施の形態2に係るコンクリートの健全度評価装置の全体構成を示す図(図1(a)は断面図及び斜視図、図1(b)は図1(a)におけるA方向矢視図)である。
【図2】本発明が適用された実施の形態1に係るコンクリートの健全度評価方法を示すブロック図である。
【図3】本発明が適用された実施の形態1に係るコンクリートの健全度評価方法に基づく評価の具体例を示すグラフである。
【図4】本発明が適用された実施の形態2に係るコンクリートの健全度評価方法を示すブロック図である。
【図5】本発明が適用された実施の形態2に係るコンクリートの健全度評価方法に基づく評価の具体例を示すグラフである。
【図6】本発明が適用された実施の形態3に係るコンクリートの健全度評価装置の全体構成を示す図(図6(a)は断面図及び斜視図、図6(b)は図6(a)におけるB方向矢視図)である。
【符号の説明】
1…打音発生手段
2…打音採取手段
3…ノート型コンピュータ(健全度評価手段)
4…密閉箱
4a…頂版
4b…側壁
11…ハンマ
12…タイミングデータ伝送ケーブル
21…マイクロフォン
22…増幅器
23…打音データ伝送ケーブル
24…増幅データ伝送ケーブル
41…弾性材
42…吸音材
51…間仕切り壁
C…コンクリート表面

Claims (5)

  1. コンクリート表面を所定の打撃力にて打撃して打音の発生をさせる打音発生段階と、
    発生した打音の採取をする打音採取段階と、
    採取した打音に基づいてコンクリートの健全度の評価をする健全度評価段階と、を含むコンクリートの健全度評価方法において、
    前記健全度評価段階は、打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち、コンクリートの健全部と不健全部の打音の強さが経時的に異なる応答の軌跡を描き、健全部と不健全部とを明確に区別することができる、比較的初期の段階にみられる時間的な範囲における打音の強さの平均値を求め、求めた平均値とあらかじめ設定した基準値との比較により、コンクリート内部の状態自体により発生する打音の評価をするものであることを特徴とする、
    コンクリートの健全度評価方法。
  2. 前記健全度評価段階は、複数の周波数帯域毎に前記打音の強さの平均値を求め、求めた平均値と該複数の周波数帯域毎にあらかじめ設定した基準値との比較により、コンクリート内部の状態自体により発生する打音の評価をするものであることを特徴とする、請求項1に記載のコンクリートの健全度評価方法。
  3. コンクリート表面を打撃して打音の発生をさせる打音発生手段と、
    発生した打音の採取をする打音採取手段と、
    採取した打音に基づいて該コンクリートの健全度の評価をする健全度評価手段と、を含むコンクリートの健全度評価装置であって、
    前記健全度評価手段は、打音の発生から減衰に至る過渡的現象のうち、コンクリートの健全部と不健全部の打音の強さが経時的に異なる応答の軌跡を描き、健全部と不健全部とを明確に区別することができる、比較的初期の段階にみられる時間的な範囲における打音の強さの平均値を求め、求めた平均値とあらかじめ設定した基準値との比較により、コンクリート内部の状態自体により発生する打音の評価をするものであることを特徴とする、
    コンクリートの健全度評価装置。
  4. 内部に少なくとも前記打音発生手段及び前記打音採取手段を組み込み、底部をコンクリート表面に当接させた状態で外部からの騒音を透過させないように密閉する該底部に開口が開設された密閉箱、を含むことを特徴とする、請求項3に記載のコンクリートの健全度評価装置。
  5. 前記密閉箱は、発生した打音のうち直接空気中を伝搬するものが前記打音採取手段により採取されないように、内部を前記打音発生手段が組み込まれる領域と前記打音採取手段が組み込まれる領域とに仕切る間仕切り壁を含むことを特徴とする、請求項4に記載のコンクリートの健全度評価装置。
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