JP3510835B2 - コンクリート構造物の劣化測定装置。 - Google Patents

コンクリート構造物の劣化測定装置。

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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート構造
物を破壊することなしに、コンクリート構造物の内部組
織の劣化度合を測定する技術分野に属する。 【0002】 【従来の技術】鉄筋コンクリート構造物の劣化について
は、鉄筋の腐食、アルカリ骨材反応、凍害等により、
セメントの軟質化、即ちコンクリート内部組織破壊によ
る耐圧力低下、亀裂、即ち、鉄筋の腐食発錆によるコ
ンクリートのひび割れ、鉄筋とコンクリートとの遊離
等の現象を生じ、ひび割れ等が目視できる程度に顕在化
する以前に、その劣化の程度を知ることが望ましい。従
来、コンクリート構造物の内部組織の劣化度合を測定す
るには、コンクリート構造物の所定箇所からサンプルを
採取し、圧縮試験等を行い、さらに粉末にして組成を分
析して石灰変質度合の程度を検出する劣化測定方法が、
確実に劣化の程度を知る手段として一般的に知られお
り、また、特開平8-29413号公報に開示されているよう
に、コンクリート構造物に細い検査孔を複数本削孔し、
ファイバースコープ等を挿入してひび割れの進展等を検
査する方法が知られているが、いずれも、サンプルを採
取する必要があったり、検査孔を削孔しなければならな
い。そこで、コンクリート構造物の内部組織の劣化度合
を非破壊で検出する方法が求められ、従来、コンクリー
ト構造物の外観から目視によってその色合い等で劣化の
おおよその程度を知ることができるが、客観的評価が得
られにくく、非破壊で客観的評価が得られるようにする
ため、種々のコンクリート構造物の劣化度合検出方法が
提案されている。 【0003】例えば、コンクリート構造物の表面に変位
計や歪みゲージを設置し、鉄筋の腐食に伴って発生する
変形を経時的に計測して劣化の程度を判断する方法が知
られている。また、特開平8-15126号公報に提案されて
いるように、コンクリート構造物の各面を超音波でスキ
ャンニングし、得られた距離測定値と予め設定された健
全部の基準値とを比較し劣化の度合を検出している。ま
た、特開平11-30510号公報に提案されているように、コ
ンクリート構造物の表面の凸凹を距離センサーの直線上
の走査により測定し、測定された凸凹量から劣化状態を
検出している。さらに、特開平5-108796号公報に開示さ
れているように、コンクリート構造物の表面温度分布を
赤外線センサーによって検出し、コンクリート構造物の
健全状態の温度分布と比較して、特異な温度分布を検出
した場合に、劣化部分として判定・評価していた。ま
た、現在、比較的評価が確立されたコンクリート構造物
の劣化の測定方法として、自然電位を測定して劣化度合
を分析する自然電位測定方法が知られている。上記の従
来のコンクリート構造物の非破壊での劣化度合の検査・
測定方法において、例えば、歪みゲージ等で経時的に形
状変化を計る方法においては表面から浅い部位での劣化
は比較的正確に検出できるが、内部組織の特に深層部位
での劣化度合は必ずしも正確に測定・検出できず、ま
た、赤外線センサーによる表面温度分布を計る方法にお
いては、表面から浅い部位での劣化は比較的正確に検出
できるが、内部組織の特に深層部位での劣化度合は必ず
しも正確に測定・検出できないという問題点の外に、温
度管理が困難でああり、更に、自然電位測定方法は、主
に鉄筋の劣化度合を検出するには最適であるが、コンク
リート自体の劣化やひび割れを検出するのには適さな
い。 【0004】そこで、本発明者らは、特願平11-193942
号として非破壊でコンクリート構造物内部の深層部位で
劣化度合の程度を適格に測定・検出することのできるコ
ンクリート構造物の劣化測定手段を提案している。そし
て、上記の発明はコンクリート構造物を加振する手段と
してインパクトハンマーを使用し、測定対象のコンクリ
ート構造物をインパクトハンマーで叩いて加振するもの
であり、加振による共振周波数をコンクリート構造物に
固着した加速度ピックアップで検出するものである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た特願平11-193942号の発明においては、いずれもコン
クリート構造物を加振する手段としてインパクトハンマ
ーを使用し、測定対象のコンクリート構造物をインパク
トハンマーで叩いて加振するものであるから、通常人手
により、コンクリート面を叩かなければならず、煩わし
く多くの労力も必要であるという問題点があり、また、
叩き方も一定ではないという問題点があった。さらに、
加振による共振周波数を検出するのに際しても、いちい
ち加速度ピックアップをコンクリート構造物に固着しな
ければならず、多くの労力も必要であるという問題点が
あり、固着の仕方によってデータがばらつくという問題
点があった。本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
もので、その課題は、コンクリート構造物を加振して共
振周波数を測定する鉄筋コンクリート構造物の劣化測定
装置において、測定装置の扱いを簡便して、加振手段と
検出手段とを人手がほとんど必要でなく自動化しうる構
成にし、かつ、得られるデーターのばらつきを少なくす
るようなコンクリート構造物の劣化測定装置を提供する
ことにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、ほぼ同じ厚さの部分を有するコンクリ
ート構造物に対して、予め測定対象のコンクリート構造
物の健全部を加振して健全部での振動の基本モードの横
波の基準共振周波数を検出し、他の測定部を加振して前
記基準共振周波数の付近で振動の測定部共振周波数のピ
ークを検出し、該ピークでの測定部共振周波数から振動
の位相速度値を算出し、算出した位相速度値が2.25k
m/sより小さい場合は遊離石灰部が多いと判定し、位相
速度値が2.28km/sより大きい場合には健全部である
と判定する鉄筋コンクリート構造物の劣化測定装置にお
いて、コンクリート構造物を種々の周波数を含んだホワ
イトノイズである打撃類似音のパルス波を加振しうる音
響手段を設け、該音響手段を測定対象コンクリート面か
ら距離センサーによって所定の距離を保つように移動す
る移動手段を設け、該音響手段からコンクリート構造物
内部に伝播された音を検出する音検出手段を前記音響手
段の近傍に設けたことを特徴とする鉄筋コンクリート構
造物の劣化測定装置である。 【0007】 【発明の実施の形態】ここで、本発明のコンクリート構
造物の内部組織の劣化度合測定装置を説明するが、ま
ず、本発明で採用するコンクリート構造物の内部組織の
劣化度合の測定方法の原理を説明する。本発明者らは、
一般に、物体の強度を表す物理量の1つにヤング率Eが
あり、このヤング率Eが大きいほど、物体の圧縮強度も
大きいことに着目して、非破壊状態で、鉄筋コンクリー
ト構造物の内部の圧縮強度を測定することを、特願平11
-193942号で提案したように鋭意研究した。上記ヤング
率Eを測定する方法には物体の共振周波数(共振振動数)
を測定することによってその物体のヤング率Eを測定す
る方法があり、この測定方法は、コンクリート構造物の
ような有限の大きさの弾性体が、多数の固有振動モード
を有しており、これらのモード振動数は、そのコンクリ
ート構造物の材質・形状および寸法によって定まる数値
である。そして、弾性体であるコンクリート構造物を叩
くと、有限の大きさ、例えば厚さや寸法によって、コン
クリート構造物の固有振動モードが励起され、その固有
振動数で振動(共振現象)するが、どのモードが励起され
るかは、叩く位置や叩き方によって決まる。例えば、橋
の床板コンクリート構造物の固有振動モードも多数存在
するが、上述したように、一般に叩く位置によって励起
するモードは異なる。本発明者らは、床板コンクリート
構造物において、床板コンクリートの厚さがほぼ一定で
ある場合に、叩く位置に依らずに励起されるモードが幾
つか存在することを見出した。 【0008】それらは、床板の厚さ方向の横波と縦波の
振動モードであり、それらの振動の基本モードの振動数
は次式(1)〜(4)で与えられる。 (1)横波の共振周波数 fs=vs/2h (2)横波の伝搬速度 vs=√1/2(1+σ)・E/ρ (3)縦波の共振周波数 fp=vp/2h (4)縦波の伝搬速度 vp=√(1-σ)/(1+σ)(1−2σ)・E/ρ ここで、h:床板の厚さ、σ:ポアソン比、ρ:密度、
である。 ただし、実際には上記の横波と縦波とは、複合波となっ
て厳密には区別できないので、本発明及び実施例では厳
密には横波は「横波的」、縦波は「縦波的」であるが、
本明細書では単に「横波」、「縦波」と定義する。 【0009】そして、鉄筋コンクリート構造物の劣化
は、上述したように、セメントの軟質化、亀裂、
鉄筋の遊離等の現象を生じるが、本発明者らは、鉄筋コ
ンクリート構造物の劣化と上述した共振周波数との関係
が、h:床板の厚さ、σ:ポアソン比、ρ:密度に関連
し、同じ厚さを有するコンクリート構造物においては、
セメントの軟質化の現象に対して、上記のいずれの共
振周波数も低い方に移動し、かつ、スペクトルのピーク
が鈍ることを見出した。また、亀裂、鉄筋の遊離等
の現象に対しては、スペクトルが複雑になったり、共振
周波数(共振振動数)のピークが明瞭ではなくなることを
も見出した。 【0010】本実施例では、上記の知見に基づき、図1
に示すような計測システムを組み立てて使用したが、以
下にそのシステムを図に沿って説明する。上記の原理を
確認するための測定対象の鉄筋コンクリート構造物は、
図2に示すような、厚さh=0.23m で1m四方の床板の
鉄筋コンクリートの健全な床板モデルである。まず、鉄
筋コンクリート構造物10は図1において、鉄筋コンクリ
ートの床板モデル、または、測定対象の鉄筋コンクリー
トに振動を付与するための加振手段としてはスピーカー
11が用いられるが、鉄筋コンクリート構造物10の測定面
から1m程度離れた位置を保って平行に移動する移動手
段たる移動台車12に、音響手段であるスピーカー11が設
けられている。なお、本実施例では鉄筋コンクリート構
造物と測定面との距離を50cm程度としたが、検出感度は
短いほうが良く、時間的には長い方が有利であるがノイ
ズが混入しやすく、好ましくは数十センチから数メート
ルの範囲が実用的である。また、移動台車12は測定面と
の距離を検出して位置制御するための距離センサー13が
測定面側に設けられている。このスピーカー11から発音
される音響は、本実施例ではインパクトハンマーで鉄筋
コンクリート構造物10を叩いた際に発生する打撃音と類
似した加振振動数スペクトルとした。この加振振動数ス
ペクトルを有した打撃類似音は波形信号発生装置14で作
られ、波形信号発生装置14から出力信号がスピーカー11
から打撃類似音として発音する。したがって、この打撃
類似音は種々の周波数を含んだ、いわゆるホワイト・ノ
イズのように一様で、かつ、短時間の短いパルス音であ
る。 【0011】スピーカー11から発射された打撃類似音A
は、まず、鉄筋コンクリート構造物10に到達し、一部は
反射するが一部はコンクリート内部に伝播Bし、コンク
リート構造物10の裏面で反射し、さらに一部は外部に伝
播Cして音検出手段たるマイクロホン16に到達する。本
実施例に使用するスピーカー11は指向性のあるものが好
ましく、スピーカー11と測定コンクリート10との距離X
はあまり離れると共振周波数のピークの鋭さがなくなる
ので50cm程度がよい(好ましくは数十cm〜数mの範囲)。
そして、音響パルスは繰り返して断続的に発生させてお
り、移動台車12で移動しながら自動的に測定することが
でき、先行技術に比較して作業効率が格段に向上する。
また、スピーカー11とマイクロホン16とを一体化したの
で、スピーカー11が打撃類似音を発音している間はマイ
クロホン16での打撃類似音を直接検出しないように、反
射音がマイクロホン16に達したときのみ、マイクロホン
16の伝導をオンにして、それ以外の時間帯はオフにして
おく必要がある。そのため、音響パルスは短時間の短い
巾にする必要があるが、本実施例では、スピーカー11と
マイクロホン16とが一体で距離Xを50cmしているのから
往復距離が1mとなり、音速が常温では342m/sec(18
℃)であるのでパルス巾は、1/342sec以下、および、パ
ルス間隔はそれ以上とすれば干渉することがない。上記
の作用をより高めるために、マイクロホン16は指向性の
高いものが良いが、必要に応じて、図2(a)に示すよう
に、指向性を高めるために集音器161を設けて指向性を
高めてもよく、また、図2(b)に示すようにスピーカー1
1のコーン111自体が集音形状をしているのを利用してマ
イクロホン16をコーン111の底部に設けてもよく、スピ
ーカー11自体をその都度切り替えてマイクロホンとして
使用してもよく、これらの場合は装置がよりコンパクト
になる。本実施例では波形信号発生装置14からの打撃類
似音の音響パルスをスピーカー11に出力すると同時に、
同じ音響パルスの振動信号をFTT分析器15(fast four
ier transform)のFFTアナライザ部(図示せず)の第1
チャンネル151に入力している。一方、鉄筋コンクリー
ト構造物10の内部を伝播し通過して外に放出された打撃
類似音は、スピーカー11の近傍に取り付けられたマイク
ロホン16で収音される。マイクロホン16で検出された振
動信号17は増幅器18により増幅され、FTT分析器15の
FFTアナライザ(図示せず)の第2チャンネル152に入
力されている。 【0012】上記のFFTアナライザ部は、入力される
スピーカー11の振動信号151とマイクロホン16で検出さ
れた振動信号152(17)をそれぞれA/D変換し、コンピ
ュータによる演算処理によりフーリェ変換して振動波形
を振動数スペクトルに分析するようになっている。とこ
ろで、振動数スペクトルに分析において、インパクトハ
ンマーの打撃類似音の音響パルスは振動数スペクトルが
平坦ではないため、打撃類似音の振動数スペクトルと検
出した振動数スペクトルとの比をとって規格化し、振動
数応答として測定するようになっている。このようにし
てマイクロホン16で収音され電気信号に変換され、増幅
器18により増幅されてFTT分析器15のFFTアナライ
ザー(図示せず)の第2チャンネル152に入力された振動
数を分析した周波数応答関数(周波数スペクトル)をディ
スプレー画面に表示させるようになっている。また、必
要に応じて振動数スペクトルの出力をピーク読み取り装
置19に入力しパソコン20を介して、必要なデータを抽出
してプリンター21からプリントアウトすればよく、ま
た、分析した振動数スペクトルデーターをフロッピーデ
ィスク(FD)などの記録媒体に記録する。FTT分析器15
の形状演算装置は、入力装置、演算処理装置、記憶装
置、出力装置等からなるマイクロコンピューターを用い
て構成されている。記憶装置には、前述の原理に基づい
て設定された共振条件式、関連演算式、演算処理プログ
ラム等、形状測定の演算処理に必要な事項が予め格納さ
れ、打撃類似音は波形信号発生装置14とマイクロホン16
とからの出力から周波数スペクトルを算出し、即ち周波
数応答関数のグラフをFTT分析器15のディスプレイ又
はプリンター21などの出力装置を介して出力するように
なっている。 【0013】ここでの測定対象の鉄筋コンクリート構造
物10は、図3に示す、厚さh=0.23m で1m四方の床板
の鉄筋コンクリートの健全な床板モデル101であり、こ
の床板モデル101を上記の測定システムを用いて計測し
た結果が図4に示されるグラフである。そして、上述し
たように、床板コンクリート構造物において、スピーカ
ー11の位置を平行に移動しても変化がない励起されるモ
ードが幾つか存在し、床板の厚さ方向の横波と縦波の振
動モードの基本モードの振動数は上記(1)〜(4)で与えら
れる。図3のグラフにおいて、横軸は共振周波数で縦軸
は振動強度関数であるが、振動強度関数は、前述したよ
うに、打撃類似音は波形信号発生装置14の振動信号(第
1チャンネル151入力信号)の振動数スペクトルとマイク
ロホン16の振動信号(第2チャンネル152入力信号)の振
動数スペクトルとの比をとって規格化し、振動数応答と
して測定したFTT分析器15で規格された値で無次元の
値である。この場合、振動数応答のピークの周波数を検
出できればよく、本件発明において特に振動強度そのも
のの値は必要としない。したがって、スピーカー11の音
量は振動数応答のピークの周波数を検出できる程度の音
量に設定すればよい。測定結果は、床板モデル101が有
限長の1m四方の正方形で厚さh:0.23mの四角柱である
ので、図4のグラフにおいて多数の振動数のピークが出
現するが、上述した計算式から得られるコンクリート構
造物の横波と縦波の振動モードの基本モードの振動数
も、以下の数値で比較的鋭いピークで現れている。な
お、後述するように、実際の測定部分となる厚さh:0.23
mの広い面積の壁等の健全部においては、比較的単純な
スペクトルでピークの数も少ない。 【0014】(1)横波の共振周波数:fs=5.3kHz 上記の振動数に対する横波の伝搬速度:vs=2.4km/s (2)縦波の共振周波数:fp=8.3kHz 上記の振動数に対する縦波の伝搬速度:vp=3.8km/s 【0015】上記の事実に基づいて、実際の鉄筋コンク
リート構造物の共振周波数のスペクトルを測定した。実
際には、東北自動車道豊沢川橋の厚さがほぼ 0.23m程度
の床板コンクリート壁の部分を測定した。そして、厚さ
h:0.23mの床板のコンクリート構造物の健全部では横波
と縦波の振動モードの基本モードの振動数が、fs=5.3
kHz、fp=8.3kHzの近傍で現れるはずであることから、
この付近の共振周波数の周波数スペクトルを分析し、ま
た、そのピーク周波数値から位相速度値を算出し、更
に、そのコンクリート構造物の部位のサンプルを採取
し、ひび割れ状態と遊離石灰状態の実際の状態を分析し
両者を比較した。 【0016】[参考例] 次に、本発明の劣化測定装置を用いて、共振周波数を測
定して鉄筋コンクリート構造物の劣化を測定する参考例
を説明する。測定対象の厚さ h:0.23mの床板コンクリー
ト構造物を打撃類似音で、そのコンクリート構造物の共
振周波数を測定し分析した結果、実際の健全部のコンク
リート構造物は、5kHz付近で横波的の共振周波数のピ
ークが明瞭に出現するが、8kHz付近に出現するはずの
縦波的の共振周波数のピークは不明瞭であることが判明
した。それは、高い周波数の8kHzでは外乱ノイズが混
入しやすく、また、現状では測定器の感度の低いものし
か得られないことに原因があるものと考えられる。ま
た、ひび割れ部については、スペクトルが複雑になり、
共振周波数のピークも明瞭でないことが判明した。当然
のことながら、本発明の構成ではないが、将来的には高
い周波数の8kHzでも、対象コンクリート構造物や測定
器よっては共振周波数のピークが明瞭に判断できる場合
は、高い周波数の8kHzの縦波的振動を用いて測定すれ
ば良い。 【0017】次に、実際のコンクリート構造物を測定し
た具体的な結果を、図5に示して説明する。図5のスペ
クトルを有するコンクリート構造物は健全部であって、
スペクトルは比較的単純であり、5kHz付近で横波の共
振周波数のピークが明瞭に出現し、縦軸で表される振動
強度関数も大きい。なお、スペクトル図における縦軸の
振動強度関数は、振動強度に関する値であるが、測定値
の感度等の条件を一定にしたときの、FTT分析器15の
出力であって各周波数での振動強度に関する値である
が、FTT分析器15で規格された値であって無次元であ
る。これに対して、図6のスペクトルを有するコンクリ
ート構造物は劣化部であって、スペクトルは比較的複雑
であり、5kHz付近で横波の共振周波数のピークはなだ
らかであり、かつ、振動強度関数も低くなっている。更
に、コンクリート構造物のひび割れ部は、共振周波数ス
ペクトルは複雑であり、5kHz付近で横波の共振周波数
のピークは明瞭でない。特に、この、ひび割れ部の検出
は、共振周波数スペクトルにおいて深く鋭い谷部が出現
し、他の公知の劣化測定手段では得られない明瞭な検出
手段であることも特徴の1つである。 【0018】これらの事実から、本発明の参考例のコン
クリート構造物の劣化度合測定装置は、測定対象の鉄筋
コンクリート構造物を加振し、共振周波数スペクトルを
測定し、鉄筋コンクリート構造物の内部組織の劣化度合
を以下の基準で判定して、健全部であるか否を調べる。 (1)共振周波数スペクトルに複雑な凸凹で深く鋭い谷部
があり、厚さによる固有の横波の共振周波数のピークが
不明瞭である場合→ひび割れ部が有りと判定。 (2)共振周波数スペクトルの厚さによる固有の横波の共
振周波数のピークが、なだらかで振動強度関数も低い場
合→遊離石灰部が有りと判定。 (3)上記の(1)(2)に該当せず、かつ、共振周波数スペク
トルの厚さによる固有の波の共振周波数のピークが明
瞭で振動強度関数も高い場合→健全部であると判定。 【0019】上記(1)(2)(3)の状態は健全部の平均共振
周波数スペクトルを作成して基準共振周波数スペクトル
とし、測定部位の測定共振周波数スペクトルとを重ね合
わせて、その、ずれ度合の程度を目視して判定するか、
ずれ度合を定量的に算出すれば、鉄筋コンクリート構造
物の内部組織の劣化度合を測定することができる。 【0020】そして、上記の具体的測定装置の構成は、
既に公知のFTT分析器15を用い、その形状演算装置
は、入力装置、演算処理装置、記憶装置、出力装置等か
らなるマイクロコンピューターを用いて構成し、この記
憶装置には、基準共振周波数スペクトルを記憶し、この
基準共振周波数スペクトルを呼び出し、上述した手順で
測定した測定共振周波数スペクトルとを重ね合わせてデ
ィスプレイに表示し、基準共振周波数スペクトルよりも
測定共振周波数スペクトルが下位値に外れた領域を赤色
に、上位値に外れた領域を緑色で表示し、上記の(1)(2)
(3)の判定基準で劣化度合をオペレーターが画面から目
視して判定するか、ずれ度合を定量的に算出して鉄筋コ
ンクリート構造の内部の劣化度合を判定する。この際の
装置の構成は公知の上記の測定方法に適するピーク分析
ソフト等の画面分析ソフトを適宜選択すればよい。ま
た、必要に応じて、比較スペクトルをプリンタなどの出
力装置を介して紙出力しておけば、単なる鉄筋コンクリ
ート構造物の外観目視の判定と違って、客観的な鉄筋コ
ンクリート構造物の劣化度合のデータとして利用でき
る。 【0021】なお、上記の参考例において、厚さ0.23m
のコンクリートの壁状・路面・天井の鉄筋コンクリート
構造物を対象としたが、勿論、0.23m以外の厚さがほぼ
一定のコンクリート、例えば厚さ1mのコンクリートの壁
状・路面・天井の構造物に対しても、上記と同様の手順
で健全部の平均共振周波数スペクトルを作成して基準共
振周波数スペクトルとし、測定部位の測定共振周波数ス
ペクトルとを重ね合わせて、上記(1)(2)(3)の判定基準
でずれ度合を目視して判定するか、ずれ度合を定量的に
算出すれば、鉄筋コンクリート構造物の内部組織の劣化
度合を測定することができる。また、同じ幾何学的形状
及び寸法の箇所が多数個存在するコンクリート構造物に
おいても、同じ厚さhが存在すれば、スペクトルが複雑
になるが、同じ厚さhに対する厚さ方向の横波と縦波の
振動モードの基準共振周波数が存在するのであるから、
測定対象は床板に限定されることはなく、同じ幾何学的
形状及び寸法のコンクリート構造物、例えば、立方体や
多面体のコンクリート構造物に適用されることは勿論で
ある。 【0022】[実施例] 次に、本発明の劣化測定装置を用いて、共振周波数を測
定して鉄筋コンクリート構造物の劣化を測定する実施例
を説明する。現在、比較的評価が確立された自然電位測
定方法の自然電位と本発明による5kHz付近で横波の共
振周波数のピークでの横波の位相速度との関係を分析し
たが、その結果を図8のグラフと図9の[表−1]に示し
て説明する。 【0023】上記の図9の[表−1]について説明する。
まず、前記(1)で説明したように、共振周波数スペクト
ルが複雑な凸凹で深く鋭い谷部があり、横波の共振周波
数のピークが不明瞭である場合は、測定するまでもなく
一目でひび割れ部が有りと判定できるので、比較対象か
らは除外したが、測定対象コンクリートXの圧縮強度も
σc=238と極めて脆く、劣化の程度も明らかに劣るもの
であった。また、健全部か遊離石灰部かの判定は、その
部位のコンクリートのサンプルを採取し、圧縮試験等を
行い、さらに粉末にして組成を分析して石灰変質度合を
検出した。 【0024】前記の自然電位測定方法において、鉄筋コ
ンクリート構造物の鋼材腐食の可能性は自然電位mVの値
が、 (1) -200mV<E の場合は、90%以上の確率で
腐食なし (2) -350mV<E≦-200mV の場合は、腐食の度合は不確
定 (3) E≦-350mV の場合は、90%以上の確率で
腐食あり と判定される。そして、同じ測定対象の鉄筋コンクリー
ト構造物に対する自然電位測定方法における自然電位
と、5kHz付近で横波の共振周波数のピークでの横波の
位相速度を(1)横波の共振周波数fs=vs/2hの式から
逆算してvsを求めた位相速度値とを比較すると、図8
のグラフに示されるように相関関係がみられ、信頼性が
ある。 即ち、図8のグラフにおいて、健全部は自然電
位が左側寄りで、かつ、上方に位置することが判る。 【0025】上記の図9の[表−1]の測定結果から、5
kHz付近で横波の共振周波数のピークでの横波の位相速
度の値vs(km/s)が 1.(1) 2.25>vs(km/s) の場合は、遊離石灰が多
く、遊離石灰部 (Y1〜Y6:コンクリートの圧縮強度 σc=270(kg・f/cm
2)) (2) 2.25≧vs(km/s)>2.28 の場合は、遊離石灰部
の度合は不確定 (3) vs(km/s)≧2.28 の場合は、遊離石灰部はほと
んどなく、健全部 (Z1〜Z4:コンクリートの圧縮強度 σc=288(kg・f/cm
2)) であると判定できる。上記の判定を、自然電位測定方法
の結果と比較して、より確定的な判定基準とするには、
データY6,Z1が自然電位測定方法においては、(2)-350mV
<E≦-200mVの領域となり、腐食の度合は不確定の範囲
となり、この範囲も遊離石灰部の度合は不確定とすれ
ば、下記2.のようになり、より適格になる。 【0026】2.(1) 2.23>vs(km/s)(Y1〜Y5)の場合
は、遊離石灰が多く遊離石灰部 (2) 2.23≧vs(km/s)>2.44 (Y6,Z1)の場合は、遊離石
灰部の度合は不確定 (3)vs(km/s)≧2.44(Z2〜Z4)の場合は、遊離石灰部は
ほとんどなく健全部 【0027】第2使用例の共振周波数測定装置は、上述
したように、測定対象のコンクリート構造物を加振し、
そのコンクリート構造物の共振周波数を測定し、厚さが
h:0.23mの場合に5kHz付近で横波の共振周波数のピーク
が明瞭に出現するが、この5kHz付近で横波の共振周波
数のピークでの横波の位相速度値を算出し、この位相速
度の値vs(km/s)が(1)2.25>vs(km/s) 、より確実に
は、2.23>vs(km/s) の場合は、遊離石灰が多く遊離石
灰部と判定し、(2)2.25≧vs(km/s)>2.28 、より確実
には、2.23≧vs(km/s)>2.44 の場合は、遊離石灰部の
度合は不確定と判定し、(3)vs(km/s)≧2.28 、より確
実には vs(km/s)≧2.44 の場合は、遊離石灰部はほと
んどなく健全部と判定する。ただし、第2の使用例の共
振周波数測定方法は、 (1)横波の共振周波数 fs=vs/2h (2)縦波の共振周波数 fp=vp/2h であることを基本にしているものであり、測定対象のコ
ンクリート構造物の厚さがh:0.23mから変われば、当然
上記の(1)横波の共振周波数fs=vs/2h (2)縦波の
共振周波数fp=vp/2hも変わり、横波の共振周波数
のピークも5kHz付近から移動することになるが、その
都度、その厚さでの健全部の横波の基準共振周波数値お
よび横波の基準位相速度値を設定して、上記と同じ手順
で内部組織の劣化度合を測定し判定すれば良い。 【0028】そして、上記の具体的測定装置の構成は、
使用例1と同様に、FTT分析器15を用い、その形状演
算装置は、入力装置、演算処理装置、記憶装置、出力装
置等からなるマイクロコンピュータを用いて構成し、測
定対象のコンクリート構造物の厚さがh:0.23mの床板の
場合は、5kHz付近で横波の共振周波数のピークを検出
し、その共振周波数のピークでの横波の位相速度vsの
値を検出して、そのvs(km/s)値を上記1.又は2.の
数値と比較して、(1)遊離石灰が多く遊離石灰部である
と、(2)遊離石灰部の度合は不確定部であると、(3)遊離
石灰部はほとんどなく健全部であるとを種別して表示
し、この際の装置の構成は公知の上記の測定方法に適す
る画面分析ソフトを適宜選択すればよい。また、必要に
応じて、プリンタなどの出力装置を介して紙出力してお
けば、単なる鉄筋コンクリート構造物の外観目視の判定
と違って、客観的な鉄筋コンクリート構造物の劣化度合
のデータとして利用できる。 【0029】なお、上記の実施例において、厚さ0.23m
のコンクリートの壁状・路面・天井の構造物を対象とし
たが、勿論、0.23m以外の厚さがほぼ一定の鉄筋コンク
リート構造物の壁状・路面・天井に対しても、上記と同
様の手順で健全部の平均共振周波数スペクトルを作成し
て基準共振周波数スペクトルとし、そこでの位相速度を
算出して健全部での位相速度と比較すれば、定量的に鉄
筋コンクリート構造物の内部組織の劣化度合を測定する
ことができる。また、同じ幾何学的形状及び寸法の箇所
が多数個存在するコンクリート構造物、例えば立方体や
多面体においても、同じ厚さhが存在すれば、スペクト
ルが複雑になるが、同じ厚さhに対する厚さ方向の横波
と縦波の振動モードで基準共振周波数が存在するのであ
るから、測定対象は床板に限定されることはなく、同じ
幾何学的形状及び寸法のコンクリート構造物に適用され
ることは勿論である。 【0030】なお、本発明の特徴を損なうものでなけれ
ば、上記の両実施例に限定されるものでないことは勿論
であり、例えば、音響手段の音響パルスは、打撃類似音
と同じにしたが、広範囲の周波数を連続的に満遍なく含
む音であればよい。また、上述したように、測定対象を
床板としたが、同じ厚さ寸法を有する幾何学的形状のコ
ンクリート構造物としてもよいことは勿論であり、厚さ
についても23cm以外の他の厚さのコンクリート構造物を
測定対象として測定できることは勿論であり、横波ある
いは横波的な比較的低い共振周波数(5kHz)を測定の対
象としたが、当然のことながら、縦波あるいは縦波的の
比較的高い共振周波数(8kHz)でも、対象コンクリート
構造物や測定器よっては共振周波数のピークが明瞭に判
断できる場合は、高い周波数の音響パルスにして測定す
れば良い。また、本実施例では打撃類似音は短いパルス
音としたが、連続音としてFFT分析器で発射音の信号
波形分を削除する処理をして、コンクリート構造物内部
に伝播された音を分析するようにしてもよい。または、
スピカー11とマイクロホン16の指向性を極度に高して、
スピカー11からの打撃類似音が直接マイクロホン16に伝
播しないようにすれば、スピカー11から打撃類似音をパ
ルスではなく連続音にすることができる。 【0031】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
コンクリート構造物を加振して共振周波数を測定して鉄
筋コンクリート構造物の劣化を測定する装置において、
音響手段は種々の周波数を含んだホワイトノイズである
打撃類似音のパルス波を加振しうるものであるから、的
確に鉄筋コンクリート構造物の共振周波数スペクトルの
ピークを検出でき、かつ共振周波数の横波を測定対象と
することで外乱ノイズが混入しずらく、コンクリート構
造物を加振しうる音響手段を測定対象コンクリート面か
ら所定の距離を保って設け、該音響手段からコンクリー
ト構造物内部に伝播された音を検出する音検出手段を測
定対象コンクリート面から所定の距離を保って設けた鉄
筋コンクリート構造物の劣化測定装置であるから、人手
によってインパクトハンマーでコンクリート構造物を叩
いて加振するものと比較して、格段に作業効率を向上さ
せることができるという効果が得られ、また、人手では
コンクリート面叩き方も一定ではなくデーターもばらつ
いたが、一定の同じ条件で加振できるという効果が得ら
れ、さらに、音響手段や音検出手段がコンクリート構造
物と離れているから取り扱いが簡便となるという効果も
得られる。また、音響手段の近傍に配置された音検出手
段を設けたから、測定器をコンパクトにすることができ
るという効果が得られ、また、移動手段は測定対象コン
クリート面から一定の距離を保って移動するから常に同
じ条件で加振でき、自動的に広範囲のコンクリート構造
物の劣化を測定できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の1実施例のコンクリート構造物の劣化
測定方法に使用する測定装置のシステムの概略を説明す
る説明図 【図2】図2(a)は本発明の音響手段と音検出手段の別
の実施例であり、図2(b)は更に別の実施例である。 【図3】鉄筋コンクリート構造物の床板モデルの斜視図 【図4】床板モデルの共振周波数のスペクトル図 【図5】測定対象物の鉄筋コンクリート構造物の健全部
の共振周波数のスペクトル図 【図6】測定対象物の鉄筋コンクリート構造物の遊離石
灰部の共振周波数のスペクトル図 【図7】自然電位測定方法における自然電位と、5kHz
付近で横波の共振周波数のピークでの横波の位相速度の
関係をグラフした図、 【図8】自然電位測定方法における自然電位と、5kHz
付近で横波の共振周波数のピークでの横波の位相速度の
関係を、[表−1]として示した図である。 【符号の説明】 10…測定対象鉄筋コンクリート構造物 101…鉄筋コンクリートの床板モデル 11…スピーカー 111…コーン 12…移動台車 13…距離センサー 14…打撃類似音の波形信号発生装置 15…FTT分析器 151…FFTアナライザー部の第1チャンネル 152…同第2チャンネル 16…マイクロホン 161…集音器 17…振動検出信号 18…増幅器 19…ピーク読み取り装置 20…パソコン 21…プリンター
フロントページの続き (72)発明者 松村 吉康 宮城県仙台市太白区長町5丁目9番地10 −1003 (56)参考文献 特開2001−21336(JP,A) 特開 平6−118068(JP,A) 特開 平5−340926(JP,A) 特開 平5−203485(JP,A) 特開 平6−148147(JP,A) 特開 昭64−65407(JP,A) 実開 平7−34367(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 29/00 - 29/28 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】ほぼ同じ厚さの部分を有するコンクリート
    構造物に対して、予め測定対象のコンクリート構造物の
    健全部を加振して健全部での振動の基本モードの横波の
    基準共振周波数を検出し、他の測定部を加振して前記基
    準共振周波数の付近で振動の測定部共振周波数のピーク
    を検出し、該ピークでの測定部共振周波数から振動の位
    相速度値を算出し、算出した位相速度値が2.25km/s
    より小さい場合は遊離石灰部が多いと判定し、位相速度
    値が2.28km/sより大きい場合には健全部であると判
    定する鉄筋コンクリート構造物の劣化測定装置におい
    て、 コンクリート構造物を種々の周波数を含んだホワイトノ
    イズである打撃類似音のパルス波を加振しうる音響手段
    を設け、該音響手段を測定対象コンクリート面から距離
    センサーによって所定の距離を保つように移動する移動
    手段を設け、該音響手段からコンクリート構造物内部に
    伝播された音を検出する音検出手段を前記音響手段の近
    傍に設けたことを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の
    劣化測定装置。
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