JP3982665B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技制御装置と排出制御装置とが別途構成され、遊技制御装置から送信された遊技価値情報としての賞球数情報に基づいて排出制御装置が遊技者に遊技価値を供給する遊技機(例えば、パチンコ遊技機)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のパチンコ遊技機は、遊技盤面における遊技の進行を制御する遊技制御装置から送信された賞球数情報(遊技価値情報)に基づいて、別途構成(基板が別に構成されているという意味)された排出制御装置が排出装置(例えば、排出ユニット)を駆動制御することで、遊技者に遊技価値(例えば、賞球排出としての遊技球)を供給していた。すなわち、遊技盤面に形成される遊技領域に遊技球を発射し、この発射球が遊技領域内に設けられた各種入賞口に入賞したことを条件として、遊技者に遊技価値の供給をすべく、排出制御装置に賞球数情報(例えば、7個賞球、13個賞球というデータ)を送信して、排出制御装置により遊技者に遊技価値としての所定数の遊技球を供給している。
【0003】
詳しくは、遊技性を高めるために、遊技領域に設けられた入賞口によって賞球数を異ならせ(例えば、始動入賞口への入賞に対しては7個賞球、他の入賞口への入賞に対しては13個賞球)、これら入賞口に入賞した入賞数を記憶する(例えば、賞球数が2種類の場合は、一方を記憶し、他方は記憶しないことによって、両者を区別する)。そして、入賞した遊技球(入賞球)は、この入賞球を1個宛検出するセーフユニットに集合させられ、セーフユニット内に設けられた停留機構により入賞球は一時的に停留されて、この状態における入賞球がセーフセンサによって1個宛検出される。
そして、遊技制御装置ではセーフセンサからの入賞球信号に基づいて、入賞球記憶を確認し、入賞球記憶が有る場合は、対応する賞球数情報(例えば、7個)を排出制御装置に送信し、また、入賞記憶が無い場合は、設定された賞球数情報(例えば、13個)を送信する。次いで、排出制御装置は、送信された賞球数情報に基づいて遊技球を遊技者に供給(例えば、排出ユニットを駆動することで供給)するとともに、セーフユニットの停留機構を駆動させて当該賞球排出に関わった入賞球は遊技機外に排出して、入賞球に基づく賞球排出処理が終了する。この際、遊技制御装置においては、排出制御装置に送信した入賞球記憶を減算するタイミングは、排出制御装置への送信が終了した時、賞球排出処理が開始された時、あるいは、賞球排出処理が終了した時となっている。
【0004】
また、賞球排出を高速にするために、上記したセーフユニットを設けることなく、すなわち、セーフユニットで1個宛検出したことに基づいて遊技制御装置から排出制御装置へ賞球数情報を送信する方法に代わって、例えば遊技盤面に設けられた各入賞口毎にセンサを設け、これらセンサに遊技球が入賞したことに基づいて、排出制御装置に順次賞球数情報を送信するとともに、入賞した遊技球を上記のごとく一時停留しておくことなく遊技機外に排出する制御を行い、一方、排出制御装置は送信された賞球数情報を順次記憶していき、この記憶していった賞球数情報に基づいて排出制御装置により排出ユニットを駆動して賞球を排出するパチンコ遊技機の提案がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来のパチンコ遊技機にあっては、以下のような問題点があった。
(イ)しかしながら、上記したパチンコ遊技機は、遊技機に供給される電源(遊技機の外部(例えば、島設備)からAC24Vで供給される)が遮断(停電)した際には、遊技制御装置あるいは排出制御装置に記憶された賞球数情報(例えば、7個、13個という賞球データ)が消去されてしまっていた。このとき、上記したセーフユニットが設けられたパチンコ遊技機の場合には、入賞した遊技球はセーフユニットの停留装置より上流に停留されているので、その遊技球(入賞球)に基づき賞球は行えるものの、賞球数記憶が消去された結果、停留されている入賞球は全て、特定の賞球数(例えば、全て13個賞球になってしまう等)に代わってしまい、遊技者あるいは遊技店に損害を与えてしまうという問題点があった。全て13個賞球になってしまった場合には、遊技店が損害を被る。
(ロ)一方、セーフユニットを設けないタイプの上記した提案されているパチンコ遊技機によれば、入賞口に入賞した入賞球は、一時停留されることなく遊技機外に排出されてしまうので、排出制御装置が順次記憶した賞球数情報が消去されてしまうと遊技者に損害を与えてしまい、遊技店との間でトラブルが発生してしまう。
ところで、このようにセーフユニットを設けずに賞球排出を高速にするという要求は、近時望まれているところでもある。
【0006】
(ハ)このような問題を解決するために、例えば記憶された賞球数情報を保持する機能を設けることが考えられるが、安易に記憶を保持する機能を設けると悪意の第三者が排出制御装置を遊技機から取り外して、賞球数記憶に賞球数を書き込み、この賞球数情報が書き込まれた排出制御装置を再び遊技機に取り付けて不正な遊技価値が取得されるという可能性がある。特に、このような不正は確実に無くす必要がある。
【0007】
(ニ)さらに、記憶された賞球数情報を保持する機能を設ける場合には、賞球数情報の
記憶処理に関して以下のような新たな問題が発生することが予想される。
すなわち、高速な賞球排出を行うために遊技制御装置から送信される賞球情報を順次、バックアップ機能を備えた記憶装置(例えば、RAM)に記憶するとともに、この記憶装置に記憶した賞球情報に基づいて遊技価値としての賞球排出を行うパチンコ遊技機の開発を試みた場合は、この遊技機は賞球数情報の保持機能がある点で優れたものであるが、未だ市場には投入されていない。
しかしながら、このような遊技機を市場に投入するにあたっては、遊技制御装置から送信される賞球数情報の信頼性の高い処理や、遊技制御装置(遊技盤)に対して汎用性のある排出制御装置を備えるというハイレベルな構成が必要になる。
【0008】
ここで、排出制御装置に汎用性を必要とする背景を説明すると、パチンコ遊技機は「遊技盤」(いわゆるベニア)、「遊技盤+遊技機本体」が商品として個別に販売され、これらは何れの形態でも市場に流通している。ところで、排出制御装置等の遊技球を処理する基本装置は遊技機本体に設けられており、直接に遊技性にかかわっていない。したがって、パチンコ遊技機の遊技性を変えるためには、同じ遊技機製造メーカのものであれば、遊技盤(遊技制御装置が付随している)のみを取り替えればよく、遊技機本体はそのまま使えるから、コスト的にも安くて済む。そのため、遊技店において新たな別の遊技性のあるパチンコ遊技機を求める場合、遊技盤のみを購入して遊技機本体に取り付けることが多い。このような理由から、遊技機本体に設けられている排出制御装置に対して汎用性が要求されている。
しかしながら、各種遊技盤は遊技性が異なるので、賞球数も異なる場合がほとんどであり、いろいろな賞球数に対応可能であり(汎用性があり)、かつ信頼性のある賞球数情報の記憶処理が可能なハイレベルな構成を有する遊技機となると、未だ実現していなかった。
【0009】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、第1の目的は、高速な賞球排出処理を実現しつつ、賞球数情報を保持できる機能を設けるとともに、この保持機能による不正を行えなくすることができ、第2の目的は、信頼性のある賞球数情報の記憶処理が行え、かつ排出制御装置に対して汎用性のある遊技機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、請求項1記載の発明による遊技機は、前面枠に対して着脱可能に遊技盤を設け、
複数の入賞口を前記遊技盤に設けて各入賞口毎に入賞センサを配置し、
前記複数の入賞口には、それぞれ賞球数情報が予め遊技価値情報として設定されており、前記賞球数情報に対応する遊技価値情報は入賞口の種類に応じて異なる複数のものであり、
前記入賞センサにより遊技球の入賞が検出されると、入賞口に対して予め設定された遊技価値情報を排出制御装置に送信するとともに、前記遊技盤に取り付けられた遊技制御装置と、
前記排出制御装置に送信された遊技価値情報に基づいて遊技者に遊技球を所要数排出するとともに、前記前面枠側に配置された排出装置と、
を備えた遊技機であって、
前記排出制御装置は、
情報を記憶可能な記憶手段と、
前記遊技制御装置から送信される遊技価値情報を前記記憶手段の予め確保された遊技価値情報記憶領域に記憶させる情報記憶処理手段と、
を備え、
前記排出制御装置の外部には、前記記憶手段の記憶内容が保持されるべく記憶手段に対してバックアップ電源を供給可能なバックアップ電源を設け、
前記遊技価値情報記憶領域には、遊技価値データ累積記憶要素が形成され、
前記情報記憶処理手段は、
送信された遊技価値情報を前記記憶手段の遊技価値情報記憶領域に形成される遊技価値データ累積記憶要素に累積加算し、前記遊技制御装置から送信される遊技価値情報のうちの最大遊技価値情報を単位として累積加算記憶から減算する構成とし、
前記排出装置は、前記遊技制御装置から送信される遊技価値情報のうちの最大遊技価値情報を単位として賞球排出し、
前記排出制御装置は、
前記遊技制御装置から送信される遊技価値情報を判断し、所定時間内に前記遊技価値データ累積記憶要素が最大遊技価値情報になった場合は、送信された遊技価値情報のうちの最大遊技価値情報を、前記遊技価値データ累積記憶要素から減算して排出メモリに書き込み、排出メモリに書き込んだ最大遊技価値情報を単位として賞球排出し、
所定時間内に前記遊技価値データ累積記憶要素が最大遊技価値情報にならない場合は、最大遊技価値情報未満の遊技価値情報を、前記遊技価値データ累積記憶要素から減算して排出メモリに書き込み、排出メモリに書き込んだ遊技価値情報を単位として賞球排出するように前記排出装置を制御することを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態をパチンコ遊技機に適用した例として図面を参照して説明する。
【0014】
A.遊技機の正面構成
図1は遊技機の正面図である。図1において、1はいわゆるCR機と称される遊技機であり、遊技機1にはカード式球貸機(以下、単に球貸機という)2が併設されている。球貸機2にはカードリーダーが内蔵され、球貸機2の前面パネル3にはプリペイドカードが挿入されるカード挿入口4が形成されているとともに、前面パネル3(開閉可能な構造)を施錠する鍵装置5が設けられている。
【0015】
遊技機1は額縁状前面枠11と、ガラスを支持する樹脂製のガラス枠12と、遊技領域の形成された遊技盤13と、前面表示パネル14と、前面表示パネル14の下方の前面操作パネル15とを有している。額縁状前面枠11は木製の機枠16(図2参照)に対して上部蝶番17および下部蝶番18によって開閉可能に支持され、ガラス枠12は額縁状前面枠11に開閉可能に支持されている。なお、ガラス枠12は鍵装置19によって開閉可能に施錠されている。
【0016】
前面表示パネル14には賞球を受ける上皿21が形成されるとともに、遊技球を購入するときに操作する球貸釦22、プリペイドカードの残高を表示するカード度数表示器(カード残高表示器)23、プリペイドカードを排出するときに操作するカード排出釦(返却釦)24、および上皿21の球を後述の下皿32に移すために両者を接続する通路を開閉するための開閉レバー25が設けられている。なお、上皿21の内部には遊技音等を出力するスピーカが設けられているが、図示略している。
前面操作パネル15には、灰皿31および下皿32が形成されるとともに、下皿32に貯留された球を外部下方に抜くための球抜きレバー33が設けられている。また、前面操作パネル15の右端部側には発射装置の発射操作ノブ34が設けられている。
【0017】
上皿21は上面が開放して遊技球を貯留可能な球貯留部が形成されるとともに、前面表示パネル14の前面側から前方に突出し、かつ上皿21の下側部分が前面表示パネル14の下端近傍まで延在する膨出形状に形成されている。また、下皿32は上面が開放して遊技球を貯留可能な球貯留部が形成されるとともに、上皿21と比較的接近した位置において遊技機1の前面側から前方に突出した膨出形状に形成されるとともに、下皿32の両側に側壁部材35a、35bが配置されている。そして、膨出形状に形成した上皿21の下側部分において前面表示パネル14の当接する当該上皿21の当接箇所の近傍から上皿21の前端部にかけて上皿21の中央底部を左右対象に削り取るように斜昇する斜昇壁面36が形成され、この斜昇壁面を形成することにより、下皿32の上方空間を大きく確保して、遊技者が遊技盤13に目を向けたままで下皿32の遊技球を掻き出すことが容易で、かつ遊技機1後部の見学者に対して下皿32に貯留された出球をアピールすることが可能になっている。
【0018】
次に、遊技盤13における遊技領域はパチンコ球を用いて遊技を行うものであれば、例えばいわゆる「第1種」に属するものあるいは図柄表示装置を備えた「第3種」に属するもの、あるいは他の機種等であっても、任意の構成をとり得るが、一例として本実施の形態では「第1種」に属するタイプのものを用いている。
遊技盤13にはアウト球流入口41、レール42、特別図柄表示装置43、普通電動役物タイプの始動入賞口44、変動入賞装置45(大入賞口)、普図始動ゲート46、47、複数の一般入賞口48〜50、特図始動記憶表示器51、普通図柄表示装置52、普図始動記憶表示器53、サイドランプ54、55、風車と呼ばれる打球方向変換部材(図示略)、多数の障害釘(図示略)が設けられている。
【0019】
ここで、遊技盤13に設けられた複数の全ての入賞口、すなわち始動入賞口44(内部に特図始動センサ172が配置)、変動入賞装置45(大入賞口:内部に後述のカウントセンサ173が配置)および一般入賞口48〜50(内部後述の入賞センサ175a〜175bが配置)については、各入賞口毎に入賞センサ(例えば、近接センサ:ただし図1では略)が配置されており、これらの入賞口に入賞すると、賞球数情報(遊技価値情報に相当)が遊技制御装置107(後述の図2参照)から排出制御装置106(後述の図2参照)に送信されるようになっている。
一方、遊技機1の額縁状前面枠11の上部には大当り時に点灯(点滅状態も含む)する大当り表示器56が設けられているとともに、大当り表示器56の側方には島設備から球を補給したときに点灯するとともにエラー発生の場合に点滅する補給ランプ57、賞球排出時および球貸し時に点灯する賞球ランプ58、および賞球メモリLED59が設けられている。賞球メモリLED59は、賞球データメモリ(後述の排出制御装置のRAM230に形成)に賞球データがある場合に、遊技者あるいは遊技店の係員に未払いの賞球があることを報知する機能を有する。
【0020】
B.遊技機の裏機構
次に、図2は遊技機1の裏機構を示す図である。図2において、遊技機1における裏機構の主要な部品としては、貯留タンク(上タンク)101、誘導路102、ターミナル基盤(外部端子基盤)103、半端センサユニット104、排出ユニット105、排出制御装置106、遊技制御装置107、役物中継基盤108、発射ユニット109、カードユニット接続基板110、電源供給ユニット111、裏機構盤の基枠体112(裏メカベース)、音制御装置113、発射制御装置115、表示制御装置116、および装飾制御装置117がある。
【0021】
ここで、本実施の形態では前述したように遊技盤13に配置された複数の全ての入賞口、すなわち、始動入賞口44、変動入賞装置45(大入賞口)、一般入賞口48〜50に入賞センサ172、173、175a〜175c(図4参照)が設けられており、これらの入賞センサ172、173、175a〜175cにより検出された球は従来のような停留機構(いわゆるセーフユニット)により賞球排出のために一時停留されることなく、遊技機外へ排出される。なお、全入賞口に入賞センサを設ける場合に限らず、例えば同一賞球数の入賞口より入賞した球は樋により集合させ、その樋にてまとめて入賞センサで検出するようにしてもよい。
遊技制御装置107、役物中継基盤108、および音制御装置113は、この場合遊技盤13の裏側に取り付けられており、また表示制御装置116は、センター役物(特別図柄表示装置43)の後部に配設されている。各制御ユニットの取り付け位置は、図2の態様に当然限られず、例えば遊技制御装置107が基枠体112に取り付けられる場合も有り得る。
【0022】
基枠体112は、合成樹脂製の一体成型品から形成され、遊技機1の前面枠11の裏側に固定された金属フレーム121に取り付けられている。そして、この基枠体112の上に各種の部品、例えば貯留タンク101、誘導路102、ターミナル基盤103、半端センサユニット104、排出ユニット105、排出制御装置106、発射ユニット109、カードユニット接続基板110、電源供給ユニット111、発射制御装置115、装飾制御装置117などが取り付けられており(例えば、ワンタッチの保持部材によって固定される)、これらの各種部品と基枠体112とを総称する概念として裏機構盤114と称している。
【0023】
金属フレーム121は矩形状をなし、遊技盤13を着脱可能に収納固定する遊技盤収納部122が形成されている。遊技盤収納部122には図示略している複数の遊技盤固定器具が配置され、それらの複数の遊技盤固定器具によって遊技盤13を固定するようになっている。
貯留タンク101は排出される前の球を予め貯留しておくもので、この貯留タンク101の球数の不足は補給センサ(図示略)によって検出され、不足のときは島設備から球が補給される。貯留タンク101内の球は誘導路102により誘導され、排出ユニット105によって排出される。
【0024】
排出ユニット105は所定の球排出指令信号(排出制御装置106からの信号)に基づいて貯留タンク101より案内される遊技球を遊技者側へ所要数排出(ここでの排出には、賞球排出および球貸し排出が含まれる)する機能を有し、球排出機構を備えた排出装置を構成する。なお、排出ユニット105は2条の球排出通路(図示略)を有しており、一方の球排出通路が賞球用の排出を行い、他方の球排出通路が球貸し用の排出を行うようになっている。すなわち、2条の球排出通路を用途によって使い分ける構成になっている。賞球用の排出は、遊技において発生した遊技価値を遊技者に供給することに相当する。
【0025】
誘導路102に賞球排出および球貸し排出のための球が有るかどうかは、半端センサユニット104によってそれぞれ検出される。ターミナル基盤103はAC電源の入力や遊技店のホールコンピュータ(管理装置:図示略)との間における信号の授受などについての中継を行うもので、リレー部およびコネクタ部(ホールコンピュータとの接続を行う)に区分されており、両者はケーブルにて接続されている。
排出制御装置106は基枠体112に取付けられ、球の排出に必要な各種電気部品(例えば、排出ユニット105の電気的駆動源)の制御を行うもので、所定のケース内にこの制御機能を実現する制御基板が収納されて構成されている。
【0026】
遊技制御装置107は、役物遊技に必要な各種制御を行うもので、所定のケース内にこの制御機能を実現する制御基板が収納されて構成されている。
役物中継基盤108は遊技盤13に配置されている役物、サイドランプ51、52、変動入賞装置45等と遊技制御装置107との間におけるケーブルの接続中継を行うものである。
発射ユニット109は、遊技機1の前面下部に設けられた発射操作ノブ34の操作に応じて、球を発射するための機構である。カードユニット接続基板110は球貸機2から延出するケーブル123を遊技機1に接続するためのもので、ケーブル123の端部にあるコネクタを受ける装着部材(例えば、メス型のコネクタ)を備えている。
【0027】
遊技盤13の裏面側には、入賞球が流下可能な空間が形成されて入賞球を集合させる入賞球集合部材141が設けられており、この入賞球集合部材141は、例えば透明の樹脂製(PC樹脂等)で、遊技盤13の各入賞口毎に入ったセーフ球(入賞球)で特図始動センサ172、カウントセンサ173、入賞センサ175a〜175c(図4参照)を通過した球を導く機能を有している。そして、この入賞球集合部材141によって導かれたセーフ球は下方の入賞球集合棚142によって集められ、次いで、入賞球流下樋143を通って球排出口144から遊技機1の外部に排出されるようになっている。因みに、従来は入賞球流下樋143にセーフユニットが配置される構成であったが、本実施の形態ではセーフユニットが設けられていないため、セーフ球は入賞球流下樋143を単に通過するのみである。入賞球集合棚142は基枠体112に形成され、合成樹脂部材により成形されている。また、入賞球集合樋143も同様に基枠体112に形成され、合成樹脂部材により成形されている。
【0028】
遊技盤13の裏面側にはアウト球流下樋(図示省略)が設けられており、このアウト球流下樋は、遊技領域下部のアウト口41に流入した球(アウト球)を流下させて、球排出口144から遊技機1の外部に排出する(すなわち、アウト球を遊技機1の裏面側へ流下案内する)ようになっている。なお、球排出口144は、前述したように入賞球流下樋143を通過してきた入賞球11も同様に外部に排出する。
電源供給ユニット111は排出制御装置106、遊技制御装置107、音制御装置113等の各制御装置に電源を供給するもので、詳細は図3で後述する。
音制御装置113は、遊技機1の前面等に配設されたスピーカ(図示略)より、遊技状態に応じて各種効果音を適宜出力する制御を行うものであり、所定のケース内にこの制御機能を実現する制御基板が収納されて構成されている。音制御装置113は、遊技制御装置107の制御基板とケーブル接続されて、遊技状態を示す信号などの授受が行われるようになっている。
【0029】
発射制御装置115は、球の発射に必要な各種電気部品(例えば、発射ユニット109の電気的駆動源)の制御を行うもので、所定のケース内にこの制御機能を実現する制御基板が収納されて構成されている。
表示制御装置116は、遊技制御装置107から出力される指令などに従ってセンター役物を制御して、センター役物の前面の表示部(すなわち、特別図柄表示装置43の表示部)に所定の画像を表示させるもので、所定のケース内にこの制御機能を実現する制御基板が収納されて構成されている。
装飾制御装置117は、遊技機1の前面等に配設された装飾用ランプ類の作動(点灯又は消灯)を制御するもので、やはり、所定のケース内にこの制御機能を実現する制御基板が収納されて構成されている。
【0030】
C.電源供給系統
図3は遊技機1における電源供給系統を示す図である。図3において、遊技機1には外部からAC24Vが供給されるようになっており、外部電源であるAC24Vはターミナル基盤103を介して間接的に電源供給ユニット111に分配される。電源供給ユニット111はAC24Vを直流に変換し、各種のDC電圧を生成して各制御装置に供給する。具体的には、ソレノイド駆動用のDC30V、ランプ類駆動用のDC24V、センサ駆動用およびバックライト駆動用のDC12Vを駆動用電源として生成するとともに、各制御装置を動作させるための制御装置用電源としてDC12Vを生成する。そして、DC30VおよびDC12Vを発射制御装置115に、DC24VおよびDC12Vを排出制御装置106に、DC32V、DC24VおよびDC12Vを遊技制御装置107に、DC12Vを音制御装置113に、DC30V、DC24VおよびDC12Vを装飾制御装置117に、DC12Vを表示制御装置116に供給する。したがって、遊技制御装置107および排出制御装置106は、これら装置内で使用するための電源を別途構成された電源供給ユニット111(電源装置を構成)から供給される構成となっているとともに、電源供給ユニット111は遊技機1外部から電源(AC24V)の供給を受けて、所要の電源を生成して排出制御装置106に供給する構成である。
【0031】
発射制御装置115は発射操作ノブ34の回動量に応じて発射ユニット109(発射装置)制御し、回動量に対応した強さで遊技球を発射させる制御を行う。なお、発射制御装置115には排出制御装置106から発射イネーブル信号が入力されるようになっており、発射イネーブル信号は排出制御装置106側で何らかの異常が生じた場合に、発射ユニット109の発射動作を停止したり、あるいは異常が解消された場合に発射動作を可能にする信号である。
【0032】
排出制御装置106は遊技制御装置107から送信された賞球データ(遊技価値情報)に基づくとともに、排出センサからの検出信号に基づいて排出ソレノイドへの通電を制御し、所定数の遊技球を排出させる制御を行う。また、排出制御装置106は球貸機2(いわゆるCRサンドユニット)との間で信号の授受を行いながら、球貸しに伴う制御を行う。
ここで、球貸機2と排出制御装置106との間で行われる球貸し制御手順について説明する。便宜上、信号の授受は正論理で説明する。
球貸機2は、排出制御装置106(すなわち、パチンコ遊技機1)から出力されるPRDY信号がHiの状態であれば、排出制御装置106が球の排出制御が行える状態と判断する。球貸機2は、排出制御装置106が球の排出制御を行える状態であれば、球貸釦22の操作を受け付け、球貸釦22からの入力があれば、排出制御装置106にこれから球貸要求(BRQ信号)が行われる旨を連絡するBRDY信号をHiにする。排出制御装置106は、BRDY信号がHiになると、球貸しのための球の排出制御を行う準備を行い、球貸要求信号であるBRQ信号の監視を行う。
【0033】
球貸機2は、BRDY信号をHiにしてから所定時間経過後に、BRQ信号をHiにし、排出制御装置106はこのBRQ信号のHiを受けると、球貸機2にBRQ信号を受信したことを球貸機2に連絡するEXS信号をHiにするとともに、所定単位(例えば、BRQ信号1パルスで25個)の球の排出を行い、この排出が終了すると、出力しているEXS信号をLoにしてBRQ信号に基づく球の排出が終了したことを球貸機2に連絡し、いまだBRDY信号がHiを継続していれば再びBRQ信号の監視を行い、BRDY信号がLoになった場合は球貸し排出制御処理を終了する。一方、球貸機2はBRQ信号をHiにした後、出力されたEXS信号のHiを確認すると、BRQ信号をLoにして、EXS信号の監視を行う。このEXS信号のLoを確認すると、続けて球貸要求を行う場合は、上記同様にBRQ信号をHiにし、また、球貸要求を行わない場合はBRDY信号をLoにする。
【0034】
遊技制御装置107は遊技の総括的制御を行う制御装置であり、そのうち遊技球の賞球制御に関する部分では、遊技盤13の各入賞口44、45、48〜50毎に設けられた入賞センサ172、173、175a〜175cにより遊技球の入賞が検出されると、予め設定された賞球数を排出制御装置106へ送信する。表示制御装置116は遊技制御装置107から送信された表示データに基づき、特別図柄表示装置43の画像表示を制御するとともに、特別図柄表示装置43に対して電源を供給している。装飾制御装置117は遊技制御装置107から送信された装飾データに基づき、サイドランプ等の発光を制御するとともに、この発光装飾部材に電源を供給している。音制御装置113は遊技制御装置107から送信された音データに基づき効果音を生成する等、効果音に関する制御を行う。
【0035】
D.制御系統
図4は遊技機1における制御系統を示す図である。図4において、遊技制御装置107はパチンコ遊技等に必要な役物制御を行うワンチップマイコンからなる遊技用演算処理装置(遊技用マイクロコンピュータ)160と、水晶の発振周波数を分周して所定のクロックを得るクロック生成回路(CLK)161と、各種センサ信号を受け入れる入力インターフェース162と、出力インターフェース163とを含んで構成される。遊技用演算処理装置160はCPU、ROM、RAMを内蔵しており、いわゆるアミューズチップ用のICとして製造されている。
【0036】
入力インターフェース162には、変動入賞装置45に入った球のうちいわゆる継続入賞(V入賞)した球を検出する継続センサ(スイッチ)171、特図始動入賞口(普通電動役物タイプの始動入賞口)44への入賞を検出する特図始動センサ172、変動入賞装置45に入った全ての球を検出するカウントセンサ173、普図始動ゲート46、47を球が通過したことを検出する普図始動ゲートセンサ174、遊技盤13の一般入賞口48〜50に入賞した球を検出する入賞センサ175a〜175cからの信号が入力される。なお、遊技盤13の一般入賞口がn個ある場合には、入賞センサはn個配置される。
出力インターフェース163からは、表示制御装置116、装飾制御装置117、音制御装置113、発射制御装置115、普通図柄表示装置52、普通変動入賞装置(すなわち、始動入賞口44の普通電動役物)を駆動する普通電動役物ソレノイド181、変動入賞装置45である大入賞口を開閉駆動する大入賞口ソレノイド182に信号が出力される。
【0037】
次に、排出制御装置106はCPU201、ROM202、RAM203、所定のクロックを得るクロック生成回路(CLK)204、入力用インターフェース205、出力用インターフェース206、ロジック電源回路207、停電検出回路208、逆流防止用のダイオード209を含んで構成される。なお、各素子間はアドレスバス、データバス、電源線等で接続されている。CPU201は遊技球の排出(賞球排出および貸球排出を含む)に必要な処理を行い、ROM202は排出制御に必要なプログラム等を格納している。
【0038】
RAM203はワークエリアとして使用されるもので、情報を記憶可能な記憶手段としての機能を有し、CPU201とは別個の単独素子として構成されている。RAM203は賞球数情報(遊技価値情報に相当:例えば、5個賞球、7個賞球、13個賞球)を格納する賞球データメモリエリア(遊技価値情報記憶領域)、各種データを格納する各種データメモリエリア、その他のワークメモリエリア等を有している。
ここで、RAM203の賞球データメモリエリアには、図5に示すように、第1累積記憶メモリ〜第5累積記憶メモリが予め確保されて5個形成されており、これらのメモリは第1遊技価値累積記憶要素〜第5遊技価値累積記憶要素をそれぞれ構成している。第1累積記憶メモリ〜第5累積記憶メモリは何れも1バイトの大きさを有し、各累積記憶メモリは255個まで賞球数情報の記憶が可能であるとともに、賞球数情報の記憶に際しては累積記憶メモリを1バイト単位に区切って記憶処理を行う。ただし、1つの累積記憶メモリが一杯になった場合には、次の累積記憶メモリを使用する。
【0039】
例えば、賞球数を最大の15個賞球として計算すると、15個×17=255であるから、17個賞球数分を記憶することができるが、大当り時等のように入賞球が大量に発生する場合には、累積記憶メモリが1バイトのみでは足りなくなるので、その際には次の累積記憶メモリを使用して賞球数情報の累積記憶を行うようになっている。本実施の形態では、セーフユニットを設けていないので、賞球が連続的に発生する可能性があるから、それに対応可能にしている。ただし、本実施の形態では、入賞に伴う賞球数を5個賞球、7個賞球、13個賞球としている。
【0040】
このように、累積記憶メモリを1バイト毎に区切って賞球数情報の累積記憶を行うのは、以下の理由による。
例えば、累積記憶メモリを予め2バイト単位で連続して賞球数情報の累積記憶を行う構成にすると、「65535」個(256×256の計算)の累積記憶が可能であり、15個賞球であれば、4369個(15個賞球が4369個あるという意味)の賞球を記憶できる。しかしながら、この方法であると、上位に1バイト、下位に1バイトとして数を記憶するので、例えばノイズ等で(遊技機は金属球が循環しているいわゆる島設備に配置されているため、常に金属球の循環によるノイズ発生の影響を受け得る環境の中に配置される)、上位バイトの最上位ビットに「1」がセットされてしまうと、通常ありえない極めて大きな賞球数記憶になってしまい、遊技店に多大な損害が発生するおそれがある。
これに対して本実施の形態では、累積記憶メモリを1バイトに区切って複数確保し、1つの累積記憶メモリが一杯になったら次の累積記憶メモリを使用する構成とすることで、ノイズ等の影響を受け当該累積記憶メモリ内のビットが影響を受けても、極めて大きな賞球を行うことがないようにしている。累積記憶メモリを1バイトに区切って複数確保し、1つの累積記憶メモリが一杯になったら次の累積記憶メモリを使用する構成は、遊技価値データ累積記憶要素が所定の累積価値記憶量に達した際に、新たな遊技価値データ累積記憶要素に切り替えて累積加算記憶を行うことに相当する。
【0041】
また、累積記憶メモリが一杯になった際には、新たな累積記憶メモリの使用に切り替えるとともに、この切り替えられた累積記憶メモリから先に消費して賞球排出処理を行うようになっており、賞球データメモリを有効に使用可能な構成になっている。切り替えられた累積記憶メモリから先に消費して賞球排出処理を行う構成は、新たな遊技価値データ累積記憶要素への累積加算記憶に切り替わった際には、当該切り替わった遊技価値データ累積記憶要素の累積加算記憶を優先して消費させて遊技者への遊技価値の供給を行うことに相当する。
すなわち、古い累積記憶メモリを優先して使用すると、新たな累積記憶メモリにデータがある状態で、古い累積記憶メモリを消費することになるので、メモリ使用の効率が悪く、新たな賞球数情報を加算する処理が煩雑になるからである。本実施の形態では、図5に示すように、累積記憶メモリとして1バイトの累積記憶メモリを5個確保し、これにより、15個賞球で85回分の記憶が可能な構成となる。
【0042】
これは、賞球数が15個賞球であると15個×17=255であるから、1バイトの累積記憶メモリが1個で17個賞球数分を記憶することができ、1バイトの累積記憶メモリを5個用意すると、17個賞球数分×5=85回分の記憶が可能だからである。なお、大当り時の15個賞球が多く発生する場合を考慮しても、1バイトの累積記憶メモリを3個用意して17個賞球数分×3=51回分の記憶が可能な構成でも間に合うと考えられるが、本実施の形態では、余裕をみて5個を用意している。したがって、賞球データメモリエリアは5バイト(1バイト×5個)の容量を有している。好ましくは、3バイト分の連続した領域を賞球データメモリエリアとして確保するのがよい。
【0043】
CPU201は遊技制御装置107から送信された賞球数情報を、RAM203の下位の累積記憶メモリから順次累積記憶させていく処理を行い、下位の累積記憶メモリが一杯になると、上位の累積記憶メモリに切り替えて処理を行うとともに、賞球排出時には5個単位(設定単位価値に相当)での排出を繰り返して賞球排出を行うように累積記憶を5個ずつ減算消化し、そのとき、最新の累積記憶メモリから消化していく処理を行い、累積記憶メモリから読み出した(消化する)5個(賞球排出数)というデータに基づいて排出制御装置106は賞球の排出処理(したがって、5個単位を繰り返した賞球排出で、最後は5個未満でも排出する)を行う。
【0044】
例えば、排出制御装置106に接続される遊技制御装置107(遊技盤13)における設定された賞球数が5個(例えば、始動入賞の遊技価値)、7個(例えば、一般入賞の遊技価値)、および13個(例えば、変動入賞装置(大入賞口)45の遊技価値)という構成である場合、RAM203に予め確保された賞球データメモリの下位の第1累積記憶メモリから順次使用することとし、遊技制御装置107から送信される賞球数情報を第1累積記憶メモリに累積加算していく。具体的には、始動入賞がある度に遊技制御装置107から排出制御装置106のRAM203の第1累積記憶メモリに5個賞球という賞球数情報を順次加算記憶し(例えば、5個賞球が送られると現在の累積加算メモリが26とすると、26+5=31として記憶)、次いで、7個入賞があると、同じく第1累積記憶メモリに7個賞球という賞球数情報を累積記憶(例えば、7個賞球が送られると現在の累積加算メモリが31であると、31+7=38として記憶)する。以下同様に、遊技制御装置107から5個賞球、7個賞球、あるいは13個賞球という各賞球数情報が送信されてくる度に、順次累積記憶していき、第1累積記憶メモリが一杯になると、上位の第2累積記憶メモリに移行していく。
【0045】
賞球排出は最新の累積記憶メモリから5個単位での排出を繰り返して賞球排出を行うように累積記憶を5個ずつ減算していく。すなわち、排出制御装置106のCPU201は5個単位での賞球の排出処理を行う(例えば、後述の賞球排出の方の第1排出ソレノイド233を駆動(オン)して排出ユニット105から遊技球を排出させる)。これにより、排出ユニット105から5個単位の賞球が排出される。例えば、上記例では最新の第2累積記憶メモリの方から累積記憶を5個ずつ減算していき、第2累積記憶メモリの累積記憶が無くなると、第1累積記憶メモリに移り、同様に累積記憶を5個ずつ減算していき、排出ユニット105から5個単位の賞球を排出する。このようにして、賞球の累積記憶と、5個単位での賞球排出を繰り返していく。賞球排出の場合、累積記憶が5個未満のときは、5個未満の単位で球を排出する。
【0046】
RAM203に対して賞球数情報(遊技価値情報)を累積記憶メモリに累積加算して記憶させる処理は、CPU201によって行われ、CPU201の該当プログラムは情報記憶処理手段の機能を実現する。また、RAM203の累積記憶メモリにおける累積加算記憶に基づいて設定単位価値(5個)毎の遊技球(遊技価値)の累積加算記憶を消費して遊技者に賞球としての遊技球(遊技価値)を供給する処理は、CPU201によって行われ、CPU201の該当プログラムは遊技価値供給処理手段の機能を実現する。
なお、排出処理に係わった設定単位価値分(5個)の情報の消去は、例えば賞球排出が終了した時、あるいは賞球排出が開始される時に実行される。
【0047】
ロジック電源回路207には電源供給ユニット111(電源装置を構成)からDC12Vが供給されており、ロジック電源回路207はDC12VをDC5Vに変換して上記CPU201、ROM202、RAM203等の各素子の動作に必要な電源を供給する。RAM203には不可逆手段として機能するダイオード209を介してロジック電源回路207からDC5Vが供給される。また、電源供給ユニット111からのDC5Vは配線211a、211bを通して電源供給ユニット111の内部に配置されたコンデンサ(スーパキャパシタ)212にも供給されるようになっている。コンデンサ212は単に電源供給ユニット111の基板上に配置されているだけで(あるいは基板上でなく別体でもよい)、電源の供給は排出制御装置106側のロジック電源回路207から受けている。配線211a、211bの途中にはオス/メスタイプのコネクタ(図示略)が設けられており、コネクタにより配線211a、211bは電源供給ユニット111側と排出制御装置106側とに分離可能である。
【0048】
RAM203とコンデンサ212の接続状態を詳しく説明すると、RAM203の電源端子は排出制御装置106内で生成されたロジック電圧をダイオード209を介して受けるように接続され、この電源端子は更に電源供給ユニット111に配置したコンデンサ212のプラスの電位に接続されている。一方、コンデンサ212は排出制御装置106のロジック電源回路207が生成したロジック電圧であるDC5Vの供給を受けて充電状態に維持されるとともに、コンデンサ212のグランドレベルは配線211bを介して排出制御装置106のグランドに導通するようになっている。したがって、排出制御装置106内で生成されたロジック電源は、RAM203の電源端子にダイオード209を介して供給されてRAM203の作動を可能にするとともに、コンデンサ212も充電するようになっている。なお、ダイオード209を介してコンデンサ212を充電しているので、停電時はRAM203のみをバックアップする構成になっており、他の回路にはコンデンサ212の電圧は供給されない。コンデンサ212はRAM203(記憶手段)の記憶内容が保持されるべくRAM203(記憶手段)に対してバックアップ電源を供給可能なバックアップ電源手段を構成し、このコンデンサ212(バックアップ電源手段)は排出制御装置106の外部(本実施の形態では電源供給ユニット111)に設けた構成になっている。
【0049】
また、本実施の形態ではバックアップ電源手段としてのコンデンサ212は、遊技機1外部からの間接的な電源供給が断たれることにより電源供給ユニット111(電源装置)から排出制御装置106への電源供給が断たれた場合に、RAM203(記憶手段)の記憶内容が保持されるようにRAM203(記憶手段)に対してバックアップ電源を供給する素子となっており、かつバックアップ電源手段は電源供給ユニット111(電源装置)に設けられている構成となっている。なお、バックアップ電源手段はコンデンサに限らず、例えば電池でもよい。
停電検出回路208は電源供給ユニット111からロジック電源回路207への電源供給が断たれたことを検出(例えば、DC12Vが所定の電圧まで低下したとき停電として検出)するもので、停電になると、CPU201に強制的に割り込みがかかってCPU201の動作を停止させる。
【0050】
排出制御装置106の入力用インターフェース205には遊技機1にある遊技球を外部に抜き取る球抜き通路の切り替え状態を検出する球抜きセンサ221、賞球排出用の第1排出センサ222、球貸し用の第2排出センサ223、半端センサユニット104における賞球用通路内の半端センサ224、下皿32の満杯状態(球の過剰貯留)を検出するオーバフローセンサ225、RAM203の内容をクリアするリセットスイッチ(SW)226からの信号が入力されている。
【0051】
また、出力用インターフェース206からは賞球メモリLED59、7セグメント表示器231、遊技機1にある遊技球を外部に抜き取る球抜き通路を切り替えるための球抜きソレノイド232、賞球排出用の第1排出ソレノイド233、球貸し用の第2排出ソレノイド234に制御信号が出力される。
賞球メモリLED59は図1に示したように、遊技機1の上部に配置され、RAM230に形成されている賞球データメモリに賞球数情報の加算記憶(5個、7個、13個の何れかの加算記憶)がある場合に、点灯して遊技者あるいは遊技店の係員に未払いの賞球があることを報知する。
7セグメント表示器231はRAM203の賞球データメモリに記憶されている現在の総賞球数情報の記憶数を表示する7セグメントタイプのLED表示器である。これは、現在の総賞球数情報の記憶数を表示することで、未排出分の総賞球数がいくつあるかを判断可能にして、遊技者と遊技店との間のトラブル発生を回避できるようにしている。
【0052】
次に、作用を説明する。
「排出制御処理」
図6は排出制御装置106により行われる排出制御処理のプログラムを示すフローチャートである。
排出制御装置106は、まずステップS1で電源投入であるか否かを判別し、電源投入のときはステップS2に進んで賞球データメモリエリア(遊技価値情報格納領域)の第1累積記憶メモリ〜第5累積記憶メモリにデータ(賞球数情報の累積加算記憶)が有るか否かを判別し、累積加算記憶がなければステップS3で初期化処理を行い、ステップS6に移行する。初期化処理では、RAM203のワークエリアデータのクリア、各種初期設定等を行う。
一方、ステップS2で第1累積記憶メモリ〜第5累積記憶メモリにデータがある場合(例えば、電源投入(例えば、停電復帰)時に未払いの賞球が累積記憶されている場合)には、ステップS4に進んで記憶表示処理を行う。記憶表示処理では、残っている賞球数情報の累積記憶を排出制御装置106に設けられた7セグメント表示器231で表示したり、遊技機1前面に設けられている賞球メモリLED59を点灯して残賞球があることを報知したりする。7セグメント表示器231に賞球数情報が表示されることにより、未排出分の総賞球数がいくつあるかを遊技店員へ報知したり、トラブル時に遊技店員による遊技者への確認を行うことができる。また、賞球メモリLED59が点灯することにより、残賞球があることを遊技者および遊技店員へ報知することができる。
【0053】
次いで、ステップS5で残賞球数排出処理を行う。残賞球数排出処理では、まず排出開始条件が成立しているか否かを判断する。これは、遊技球の排出を行える準備ができているかどうかを判断するもので、半端センサ224に球があり、下皿32がオーバーフローではなく(オーバフローセンサ225がオフ)、賞球排出用の第1排出センサ222に球があると、排出開始条件が成立する。排出開始条件が成立していなければ、このステップに待機し、排出開始条件が成立したら、第1累積記憶メモリ〜第5累積記憶メモリのうちからデータ(賞球数情報の累積加算記憶)がある最新の累積記憶メモリを選択し、選択した累積記憶メモリの累積加算記憶から5個単位(設定単位価値)を減算(消化)する。これは、5個単位で残賞球を排出を行うためである。
【0054】
次いで、賞球排出に移り、5個単位というデータに従って排出ユニット105(第1排出ソレノイド233、第1排出センサ222、アクチュエータ等を含むユニット)を駆動制御して賞球排出を行う。これにより、排出ユニット105が駆動されて5個の賞球が排出される。今回の5個単位の賞球排出が終わると、ステップS5からステップS2に戻ってループを繰り返す。
ステップS2〜ステップS5のループを繰り返すことにより、上記同様に最新の累積記憶メモリの累積加算記憶から5個単位ずつ減算(消化)していき、これに従って排出ユニット105が駆動されて5個の賞球が排出されていく。
そして、例えば最新の累積記憶メモリの方から累積記憶を5個ずつ減算していき、最新の累積記憶メモリの累積記憶が無くなると、次の(その次に最新の)累積記憶メモリに移り、同様に累積記憶を5個ずつ減算していき、排出ユニット105から5個単位の賞球を排出する。このようにして、ステップS2〜ステップS5のループを繰り返すことで、賞球の累積加算記憶に対して5個単位での賞球排出が繰り返され、累積記憶が5個未満になると、5個未満の単位で残賞球を排出する。残賞球がなくなると、ステップS2からステップS3に分岐する。
【0055】
ステップS1で電源投入時でなければ、通常時における排出処理を行う。まず、ステップS6に進み、排出開始条件確認処理を行う。これは、遊技球を排出できる状態か否かを監視し、排出できる状態のときに排出条件成立フラグをセットするものである。次いで、ステップS7で貸球排出処理を行う。これは、球貸機2からの球貸し指令情報等に基づいて排出制御装置106が貸し球の排出を行うものである。すなわち、プリペイドカードに基づく球貸しを遊技者にすべく、球貸機2と間でやり取りされる球貸制御情報に基づく貸し球排出制御を行う。なお、貸し球排出制御は、賞球排出制御に優先して行われる。次いで、ステップS8で通常時(電源投入時以外)の賞球排出処理(詳細はサブルーチンで後述)を行う。ステップS8を経ると、ステップS1に戻ってループを繰り返す。
【0056】
「通常時の賞球排出処理」
次に、図7を参照して通常時の賞球排出処理(ステップS10)のサブルーチンを説明する。
このサブルーチンでは、まずステップS11でデータ格納処理を行う。これは、遊技制御装置107から受信した賞球数情報を賞球受信メモリ(RAM203の各種データメモリのエリアに形成される)に格納したりする処理で、詳細はサブルーチンで後述する。賞球受信メモリは、遊技制御装置107から受信した賞球数情報を一時的に書き込んでおくためのメモリである。次いで、ステップS12で排出メモリ(RAM203の各種データメモリのエリアに形成される)にデータがあるか否かを判別する。排出メモリは、排出する5個単位分の賞球数情報を最新の累積記憶メモリから減算したとき、減算した5個単位分の賞球数情報を今回の賞球排出分として書き込むためのメモリである。つまり、排出する分の賞球数情報を一時的に書き込んでおくためのメモリである。
ステップS12で排出メモリにデータがなければ、NOに分岐して今回のルーチンを終了し、メインルーチンにリターンする。
【0057】
ステップS12で排出メモリにデータがあれば、ステップS13に進んで排出開始条件成立フラグ(このフラグのセット/リセットはステップS6で行われる)があるか否かを判別し、排出開始条件成立フラグがセットされていなければ、遊技球の排出準備が整っていないので、このままメインルーチンにリターンする。一方、排出開始条件成立フラグがセットされていると、ステップS14に進んで通常時の排出処理を行う。排出処理では、排出メモリに設定(書き込み)された賞球数データ(排出する単位分(5個)の賞球数)を排出する処理を行う。これにより、5個単位というデータに従って排出ユニット105が駆動制御されて5個の賞球排出が行われる。今回のルーチンの5個単位の賞球排出が終わると、ステップS14からメインルーチンにリターンする。
そして、このサブルーチンを含むメインルーチンを繰り返すことにより、排出開始条件が成立している状態で、5個単位で賞球排出が行われる。なお、排出メモリのデータが5個未満になると、5個未満の単位で賞球排出が行われる。
【0058】
「データ格納処理」
図8は賞球排出処理におけるデータ格納処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
このサブルーチンが開始されると、ステップS21で賞球受信メモリにデータがあるか否かを判別する。データとは、後述の図9に示す割り込み処理で賞球受信メモリに加算記憶される情報であり、遊技制御装置107から送信された賞球数情報である。賞球受信メモリにデータが無ければ、入賞がないと判断して賞球排出処理にリターンし、データがあればステップS22に進んで賞球数情報格納処理を行う。これは、図5に示す賞球データメモリの累積記憶メモリの状態を判断し、使用する累積記憶メモリを選択(最新のものを選択)し、賞球受信メモリのデータを該当する(選択した)累積記憶メモリに加算する(累積加算する)とともに、排出する単位分(5個賞球排出分)の賞球数情報を累積記憶メモリから減算するとともに、排出メモリに今回排出する単位情報(5個排出分)を書き込む処理を行うものである。排出メモリに書き込まれた単位情報に従って前述したように、賞球数データ(排出する単位分(5個)の賞球数)が排出されることになる。これにより、単位分の賞球の排出が終了し、続くステップS23では賞球受信メモリのデータをクリアし、賞球排出処理にリターンする。
【0059】
「排出処理の変形例」
次に、排出処理の変形例について説明する。
賞球数情報格納処理では、排出する単位分(例えば、5個賞球排出分)の賞球数情報を累積記憶メモリから減算して排出メモリに書き込むようにしており、排出メモリに書き込んだ(設定した)データが賞球排出の単位となる。この賞球排出の単位を変更することにより、賞球排出数を容易に変更可能である。
そこで、排出処理の変更例として、例えば予め設定された5個賞球排出分を使用するのではなく、遊技制御装置107から送信される賞球数情報を判断し、送られてくる賞球数のうちの最大の賞球数を「排出する単位」として設定する構成にする。その処理は、ステップS22で行う。例えば、5個賞球、7個賞球、13個賞球の3つの賞球数情報がある場合、設定単位価値として遊技制御装置107から送信される遊技価値情報のうちの最大遊技価値情報である13個賞球を累積記憶メモリから減算して排出メモリに書き込み、排出メモリに書き込んだ13個賞球を賞球排出の単位とする。したがって、この場合には13個単位で賞球の払い出しが行われる。例えば、5個賞球、7個賞球が13個賞球に連続して混在する場合には、13個以上の累積賞球数になって賞球排出が行われる。なお、所定時間内に累積記憶メモリが13個以上にならない場合は、13個賞球未満の端数の賞球排出が行われる。
このようにすると、例えば大当り時のように最大遊技価値情報である13個賞球が連続して発生するような場合に、より一層高速な賞球排出処理を実現することができる。また、遊技価値(賞球数)の大きいものを基準(設定単位価値)として賞球排出が行われるので、遊技者が所有している遊技価値数(遊技球数)が少ない場合に有効であり、遊技者へのサービスを高めることができる。例えば、13個賞球は変動入賞装置(大入賞口)の遊技価値であることが多いので、大当りに突入したときに球が少なくなっているような遊技者に有効である。
さらに、遊技価値(賞球数)の大きいものを基準(設定単位価値)として賞球排出が行われるので、大当り終了とほぼ同時程度のタイミングで大当りに伴う賞球排出も終了させることができ、遊技者が速やかに大当り終了後の動作(例えば、獲得した遊技球をいわゆるドル箱に入れてジェットカウンタにてカウントしたり、景品交換したり等)に移ることができる。さらに、遊技価値(賞球数)の大きいものを基準(設定単位価値)として賞球排出が行われるので、賞球を排出する機構としての排出ユニット105の作動回数が減少し、結果的に排出ユニット105の機械的な摩耗、消耗が減って耐久性を向上させることができる。
【0060】
ここで、図8に示すデータ格納処理を割り込み処理ではなく排出制御装置107のメインルーチンで行う構成としているのは、本実施の形態のように入賞センサ172、173、175a〜175cを各入賞口に設け、これらの入賞口への入賞球の検出に基づいて当該入賞に関わる賞球数情報を排出制御装置106に送るので、すなわち、従来のような一時停留機構(いわゆるセーフユニット)により賞球排出のために、一時停留されることなく、入賞球は遊技機1外へ排出されるため、遊技制御装置107から順次(排出完了する前に)賞球数情報が排出制御装置106に送られる可能性があるので、例えば割り込み処理にして割り込み時間を長くしたとすると(割り込み中は次の割り込みが禁止される)、この処理中に新たな割り込み(賞球数情報の受信)を受けないので、賞球数情報を取りこぼす危険性があるためであり、そのためにデータ格納処理をメインルーチンで実行している。
【0061】
一方、遊技制御装置107から送信された賞球数情報を受信してRAM203の賞球受信メモリに加算する処理は、後述の図9に示すように割り込み処理で行っている。その場合、賞球数情報を受信する割り込み処理は短い時間で終了するように(順次送られてくる賞球数情報のを取りこぼしがないように)構成されている。なお、図8に示すようなデータ格納処理をメインルーチンではなく、後述する図9における賞球数情報受信処理内で行うようにしてもよい。
【0062】
「賞球数情報受信処理」
図9は割り込みで行われる賞球数情報受信処理を示すフローチャートである。遊技制御装置107から賞球数情報の送信があると、CPU201に割り込み(マスカブル割り込み:プログラムで割り込みの許可/禁止ができる)が発生して図9に示す賞球数情報受信処理が実行される。賞球数情報受信処理では、ステップS31で遊技制御装置107から送信された賞球数情報をRAM203に形成されている賞球受信メモリに加算する処理を行い、本ルーチンから復帰する。これにより、例えば遊技制御装置107から送信された賞球数情報が5個賞球の場合には、賞球受信メモリに5個賞球を加算し、また、送信されてきた賞球数情報が7個賞球の場合には、賞球受信メモリにさらに7個賞球を加算するいうように、賞球数情報が送信されてくる度に加算していくことになる。この賞球受信メモリに加算されたデータは、前述した図8に示すステップS22の賞球数情報格納処理の実行により、賞球データメモリの累積記憶メモリに累積加算されることになる。
【0063】
ここで、ステップS41の処理において賞球数情報を賞球受信メモリに加算する構成としているのは、図8に示すステップS22の賞球数情報格納処理を実行する前に、遊技制御装置107からの賞球数情報が複数回排出制御装置106に送られる可能性があるから、ステップS41の処理では次々に賞球受信メモリに加算しておくものである(いわゆるバッファ的な構成)。本実施の形態では、入賞球を一時停留(いわゆるセーフユニット)せずに、通過させて入賞球を処理する通過型の構成であり、賞球数情報格納処理の実行が完遂される前に、複数の入賞球の検出信号が発生しても対応可能にしておくためである。
【0064】
「停電処理」
図10は排出制御装置106により行われる停電処理のプログラムを示すフローチャートである。
停電処理は、ノンマスカブル(ソフト的にマスクがかけられない)の割り込み処理として処理され、停電検出回路208により電源供給ユニット111から供給される電圧が降下したとき、例えばDC12Vの電圧が所定の電位まで降下したことが検出されたときにCPU201に強制的に割り込み(NMI:ノンマスカブルインタラプト)がかけられた時に、ステップS41においてCPU停止処理を行うもので、ステップS41の処理が行われるとCPU201を停止して停電に備える。これは、停電の場合にCPU201が不安定になり、RAM203に不定な値が書き込まれないように、CPU201が正常に動作できる電圧時(完全にダウンする前に)にCPU201を停止させてRAM203に記憶されている内容を担保するためである。
【0065】
このように本実施の形態では、セーフユニットを設けず遊技盤13の各入賞口44、45、48〜50に入賞センサ172、173、175a〜175cを設けて、これらの入賞センサ172、173、175a〜175cで入賞球を検出した段階で、遊技制御装置107から順次排出制御装置106に賞球数情報(遊技価値情報)を送信して、この送信に係わった入賞球は、1個宛停留されることなく(セーフユニットがないので)、遊技機1外へ排出される。また、RAM203には1バイトに区切った第1累積記憶メモリ〜第5累積記憶メモリを予め確保しておき、遊技制御装置107から送信された賞球数情報を、RAM203の賞球受信メモリを介して下位の累積記憶メモリに順次加算記憶する処理を行い、下位の累積記憶メモリが一杯になったら上位の累積記憶メモリを使用して同様に賞球数情報を加算記憶していくとともに、賞球排出時には設定された5個単位での排出を繰り返して賞球排出を行うように累積記憶を5個ずつ減算消化し、そのとき、最新の累積記憶メモリから消化していき、累積記憶メモリから読み出した(消化する)5個(賞球排出数)というデータに基づいて排出制御装置106により排出ユニット105を駆動して賞球の排出を行う(5個単位を繰り返して賞球排出する)。この場合、遊技制御装置107および排出制御装置106は、これら装置内で使用するための電源を別途構成された電源供給ユニット111(電源装置)から供給される構成とし、排出制御装置106には遊技制御装置107から送信された賞球数情報(遊技価値情報)を予め確保された第1累積記憶メモリ〜第5累積記憶メモリ(遊技価値情報記憶領域)に記憶させるRAM203(記憶手段)を有し、RAM203の記憶内容が保持されるべくRAM203に対してバックアップ電源を供給可能なコンデンサ212(バックアップ電源手段)を、排出制御装置106の外部である電源供給ユニット111に設けているので、以下の効果を得ることができる。
【0066】
▲1▼セーフユニットを設けずに高速な賞球排出処理を実現しつつ、RAM203に賞球数を記憶している状態で遊技機1の電源が遮断されても、賞球数情報が一切消去されることなく保持することができ、例えば大当たり中の大量の賞球数記憶といった場合であっても、すべての賞球を確実に払い出しすることができる。したがって、遊技者に損害を与えることがなくなり不平不満を未然に防げ、よって遊技店と遊技者とのトラブルを防ぐことが可能となる。
▲2▼排出制御装置106とは別個に設けられたコンデンサ212(バックアップ電源手段)がRAM203のバックアップに関与するので、排出制御装置106単体では記憶(例えば、賞球数情報)を保持することができなく、よって排出制御装置106を取り外して賞球数情報を書き込むことによる不正行為を有効に防止することができる。
【0067】
すなわち、排出制御装置106のRAM203に不正にデータを書き込むようなときには、排出制御装置106を遊技機1から取り外さなければならず、このときに、電源供給ユニット111のコンデンサ212と排出制御装置106との間の配線221a、211bのコネクタを抜かなければならない。そうすると、RAM203がバックアップされなくなり、仮に不正にRAM203に書き込んだとしても書き込み値は保持されないので、不正を防止することが可能になる。このように、排出制御装置106は遊技機1に取り付けられている状態ではバックアップ機能が担保され、言い換えればバックアップ機能付きの排出制御装置106として機能し、遊技機1から取り外すとバックアップ機能が削除された排出制御装置106として機能する。したがって、排出制御装置106を小型化したり、取り外しの容易なものとしても、不正行為の対象になることを防止することができる。
▲3▼電源供給ユニット111(電源装置)に排出制御装置106の記憶内容(すなわち、RAM203の記憶内容)をバックアップするバックアップ電源手段を設けたので、通常のRAM203を使用して記憶内容をバックアップすることができ、例えばEEPROMのような特別な電子部品を用いる必要がない。したがって、コスト低減が可能であり、またEEPROMのように書き込み限度数を気にする必要がないという効果がある。
【0068】
▲4▼電源供給ユニット111(電源装置)を排出制御装置106の外部に設け、そのうえ、排出制御装置106のRAM203をバックアップさせる機能を電源供給ユニット111(電源装置)に設けたので、排出制御装置106の回路を小型化することができる。したがって、遊技機1の裏面空間のスペースを大きくとらずに済み、遊技機1裏面をすっきりとした視認性の良いものとすることができるとともに、不正の抑止も可能になる。
▲5▼排出制御装置106における賞球排出処理では、バックアップ機能を前提にRAM203の第1累積記憶メモリ〜第5累積記憶メモリ(遊技価値情報記憶領域)を効率良く使用して信頼性の高い賞球数情報(遊技価値情報)の記憶が行われる。したがって、信頼性のある賞球数情報の記憶処理が可能なハイレベルな構成を有する遊技機を提供することができる。
【0069】
▲6▼RAM203の使用容量を抑制することができる。例えば、RAM203の賞球データメモリエリアに遊技制御装置107から送信されてきた賞球数情報を逐次順次書き込みしていく構成(言い換えれば、送信されてくる賞球数情報毎にメモリに記憶していく構成であり、本実施の形態のように加算記憶しない構成)であれば、受信した賞球数情報が遊技中に最大だけ増えても対処可能なように予め多くの容量(例えば、5バイトを超える容量)を確保しておく必要がある。例えば、遊技制御装置107より賞球数情報として7個データが送信されたときは、この7個データを賞球データメモリエリアの1バイトに記憶し、また、13個データが送信されたら、さらに賞球データメモリエリアの1バイトを使用して13個データを記憶し、次の賞球データもさらにメモリを追加使用して記憶するというようになる。これだと、順次メモリの使用容量が多くなってしまい不都合が発生する可能性がある。一方、予め大きなメモリ容量のRAMを使用すると、排出制御装置106が高価になってしまう。
これに対して本実施の形態では、第1累積記憶メモリ〜第5累積記憶メモリ(遊技価値情報記憶領域)として5バイトだけの容量を確保しておけばよいから、RAM203の使用容量を抑えることができるとともに、排出制御装置106の高コスト化を抑えることができる。
【0070】
▲7▼遊技盤が交換されても不都合がなく、各種遊技盤(遊技制御装置)にかかわらず汎用性を担保することができる。すなわち、各種遊技盤の遊技性が異なり、賞球数も異なる場合であっても、RAM203に予め確保してある第1累積記憶メモリ〜第5累積記憶メモリ(遊技価値情報記憶領域)に対して賞球数情報を加算記憶していき、賞球排出時には5個単位での排出を繰り返して賞球排出を行うように累積記憶を5個ずつ減算消化していく処理を行えばよいから、遊技盤が変更になってもその賞球数に容易に対応することができ、いかなる遊技盤にも対処可能である。したがって、遊技盤(遊技制御装置)に対して汎用性のある排出制御装置を備えるというハイレベルな構成要求に応えることができる。
【0071】
▲8▼累積記憶メモリを1バイトに区切って複数確保し、1つの累積記憶メモリが一杯になったら次の累積記憶メモリを使用する構成とすることにより、ノイズ等の影響を受け当該累積記憶メモリ内のビットが影響を受けても、極めて大きな賞球を行うことがなく、遊技店に多大な損害が発生するおそれがないという効果がある。
▲9▼累積記憶メモリが一杯になった際には、新たな累積記憶メモリの使用に切り替え、この切り替えられた累積記憶メモリから先に消費して賞球排出処理を行う構成とすることにより、メモリ使用の効率を高め、新たな賞球数情報の記憶処理(つまり加算記憶する処理)も簡単で済ませることができる。
【0072】
本発明の実施の形態は、上記のような実施の形態に限らず、以下に述べるような各種の変形実施が可能である。
(a)本発明は実施の形態のような例のパチンコ遊技機に限らず、他の遊技機であってもよいこともいうまでもない。例えば、他の機種タイプのパチンコ機、アレンジボール機、雀球遊技機、スロットマシン等にも適用することができる。
また、本発明はパチンコ遊技機でなく、例えば映像式ゲーム機のようなものにも適用できる。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
セーフユニットを設けずに高速な賞球排出処理を実現しつつ、記憶手段に遊技価値情報を記憶している状態で遊技機の電源が遮断されても、遊技価値情報が一切消去されることなく保持することができ、例えば特別遊技状態(例えば、大当たり)中の大量の賞球数記憶といった場合であっても、すべての賞球を確実に払い出しすることができる。したがって、遊技者に損害を与えることがなくなり不平不満を未然に防げ、よって遊技店と遊技者とのトラブルを防ぐことが可能となる。
また、排出制御装置とは別個に設けられたバックアップ電源手段が記憶手段のバックアップに関与するので、排出制御装置単体では記憶(例えば、遊技価値情報)を保持することができなく、よって排出制御装置を取り外して遊技価値情報を書き込むことによる不正行為を有効に防止することができる。
すなわち、排出制御装置の記憶手段に不正にデータを書き込むようなときには、排出制御装置を遊技機から取り外さなければならず、このときに、バックアップ電源手段と排出制御装置との間の配線のコネクタを抜かなければならない。そうすると、記憶手段がバックアップされなくなり、仮に不正に記憶手段に書き込んだとしても書き込み値は保持されないので、不正を防止することが可能になる。このように、排出制御装置は遊技機に取り付けられている状態ではバックアップ機能が担保され、言い換えればバックアップ機能付きの排出制御装置として機能し、遊技機から取り外すとバックアップ機能が削除された排出制御装置として機能する。したがって、排出制御装置を小型化したり、取り外しの容易なものとしても、不正行為の対象になることを防止することができる。
大当り時のように最大遊技価値(例えば、13個賞球)が連続して発生するような場合に、より一層高速な賞球排出処理を実現することができる。
また、遊技制御装置から送信される遊技価値情報を判断し、所定時間内に遊技価値データ累積記憶要素が最大遊技価値情報になった場合は、送信された遊技価値情報のうちの最大遊技価値情報を単位として賞球排出が行われるので、遊技者が所有している遊技価値数(遊技球数)が少ない場合に有効であり、遊技者へのサービスを高めることができる。例えば、13個賞球は変動入賞装置(大入賞口)の遊技価値であることが多いので、大当りに突入したときに球が少なくなっているような遊技者に有効である。
さらに、所定時間内に遊技価値データ累積記憶要素が最大遊技価値情報になった場合は、送信された遊技価値情報のうちの最大遊技価値情報を単位として賞球排出が行われるので、大当り終了とほぼ同時程度のタイミングで大当りに伴う賞球排出も終了させることができ、遊技者が速やかに大当り終了後の動作(例えば、獲得した遊技球をいわゆるドル箱に入れてジェットカウンタにてカウントしたり、景品交換したり等)に移ることができる。
また、上記のように送信された遊技価値情報のうちの最大遊技価値情報を単位として賞球排出が行われるので、賞球を排出する機構としての排出ユニットの作動回数が減少し、結果的に排出ユニットの機械的な摩耗、消耗が減って耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である遊技機の正面図である。
【図2】遊技機の裏面図である。
【図3】遊技機の電源供給系統を示す図である。
【図4】遊技機の制御系統を示す図である。
【図5】RAMの賞球データメモリを説明する図である。
【図6】排出制御装置のプログラムを示すフローチャートである。
【図7】賞球排出処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図8】データ格納処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図9】賞球数情報受信処理のプログラムを示すフローチャートである。
【図10】停電処理のプログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 遊技機
106 排出制御装置
107 遊技制御装置
111 電源供給ユニット(電源装置)
201 CPU(情報記憶処理手段)
203 RAM(記憶手段)
212 コンデンサ(バックアップ電源手段)
Claims (1)
- 前面枠に対して着脱可能に遊技盤を設け、
複数の入賞口を前記遊技盤に設けて各入賞口毎に入賞センサを配置し、
前記複数の入賞口には、それぞれ賞球数情報が予め遊技価値情報として設定されており、前記賞球数情報に対応する遊技価値情報は入賞口の種類に応じて異なる複数のものであり、
前記入賞センサにより遊技球の入賞が検出されると、入賞口に対して予め設定された遊技価値情報を排出制御装置に送信するとともに、前記遊技盤に取り付けられた遊技制御装置と、
前記排出制御装置に送信された遊技価値情報に基づいて遊技者に遊技球を所要数排出するとともに、前記前面枠側に配置された排出装置と、
を備えた遊技機であって、
前記排出制御装置は、
情報を記憶可能な記憶手段と、
前記遊技制御装置から送信される遊技価値情報を前記記憶手段の予め確保された遊技価値情報記憶領域に記憶させる情報記憶処理手段と、
を備え、
前記排出制御装置の外部には、前記記憶手段の記憶内容が保持されるべく記憶手段に対してバックアップ電源を供給可能なバックアップ電源を設け、
前記遊技価値情報記憶領域には、遊技価値データ累積記憶要素が形成され、
前記情報記憶処理手段は、
送信された遊技価値情報を前記記憶手段の遊技価値情報記憶領域に形成される遊技価値データ累積記憶要素に累積加算し、前記遊技制御装置から送信される遊技価値情報のうちの最大遊技価値情報を単位として累積加算記憶から減算する構成とし、
前記排出装置は、前記遊技制御装置から送信される遊技価値情報のうちの最大遊技価値情報を単位として賞球排出し、
前記排出制御装置は、
前記遊技制御装置から送信される遊技価値情報を判断し、所定時間内に前記遊技価値データ累積記憶要素が最大遊技価値情報になった場合は、送信された遊技価値情報のうちの最大遊技価値情報を、前記遊技価値データ累積記憶要素から減算して排出メモリに書き込み、排出メモリに書き込んだ最大遊技価値情報を単位として賞球排出し、
所定時間内に前記遊技価値データ累積記憶要素が最大遊技価値情報にならない場合は、最大遊技価値情報未満の遊技価値情報を、前記遊技価値データ累積記憶要素から減算して排出メモリに書き込み、排出メモリに書き込んだ遊技価値情報を単位として賞球排出するように前記排出装置を制御することを特徴とする遊技機。
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