JP3982388B2 - 演奏情報処理方法、演奏情報処理装置およびプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型電子機器に用いて好適な演奏情報処理方法、演奏情報処理装置およびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯電話、携帯情報ツールなどの小型の電子機器には簡易な音源が内蔵されており、着信メロディ、効果音などの楽音を発生させている。
一方、異なるシーケンサ、シーケンスソフトウェア間で演奏データの互換性を取り、相互にデータを利用するための標準フォーマットとしてスタンダードMIDIフォーマット(SMF)が知られている。なお、コンテンツ(たとえば、演奏情報)は専用のオーサリングツール(編集ツール)を用いて制作される場合が一般的であり、該コンテンツに一定の制限をかけることが出来る。また、特許文献1には、新たなノートオンが入力されたとき、発音中のノートイベントの中から同一または類似の発音を検出して加工する方法が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−237879号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、小型電子機器に内蔵されている音源は最大発音数(チャンネル数)が少ない場合があり、小型電子機器内部でSMFに対してDVA(dynamic Voice Allocation)を行うと発音数を超えるようなコンテンツを再生する際には、非常な負荷がかかり、発音再生の遅れ、いわゆるもたりや、再生がとぎれるなどの問題が起こりやすくなる。ここで、DVAとは音源の最大発音数を超えた場合に、音切れが生じないように各パートの発音優先順位や主要パートの発音する音数をあらかじめ動的に確保する機能をいう。さらに、携帯電話では、楽音合成に費やすことの出来る処理負荷がCPUパワーの10%程度に制限されるなどの制約もある。また、特許文献1の方法において発音数を削減しても、音源の同時発音数を超えることがある。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、小型電子機器での負荷を軽減することが出来る演奏情報処理方法、演奏情報処理装置およびプログラムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明にあっては、下記構成を具備することを特徴とする。なお、括弧内は例示である。
請求項1記載の演奏情報処理方法にあっては、電子機器(携帯電話機、携帯情報端末)に内蔵される音源により再生される複数のイベントを有する演奏情報(SMFファイル)を変換する演奏情報処理方法において、同時に発音されるイベント数が所定の最大発音数を超える場合、所定の優先ルールと、ノートオンイベントとノートオフイベントとの時間差が小さくかつ所定値以下である場合に該ノートオンイベントと該ノートオフイベントとをトランケートイベントにする時間差ルールとに従って、前記イベントからトランケートするトランケートイベントを検出するトランケートイベント検出過程(SP130,SP140)と、同時に発音される楽音の数が前記最大発音数以下になるように、前記演奏情報を、前記時間差ルールによりトランケートイベントが検出された場合には該トランケートイベントを削除し、前記所定の優先ルールによりトランケートイベントが検出された場合には該トランケートイベントのノートオフイベントのタイミングを変更するように変換する変換過程(SP135,SP140)とを有することを特徴とする。
さらに、請求項2記載の構成にあっては、請求項1記載の演奏情報処理方法において、前記最大発音数の設定を行う最大発音数設定過程を有することを特徴とする。
さらに、請求項3記載の構成にあっては、請求項1記載の演奏情報処理方法において、複数の異なる優先方式から前記優先ルールを選択する優先ルール選択過程を含むことを特徴とする。
さらに、請求項4記載の構成にあっては、請求項1記載の演奏情報処理方法において、前記優先ルールは、前記同時に発音される楽音に係るイベント数が前記最大発音数を超える場合に、最も古いイベントをトランケートイベントとして検出するルールであり、前記変換過程は、該トランケートイベントに係る発音期間の最後部分を短縮するように前記演奏情報を修正する過程であることを特徴とする。
さらに、請求項5記載の構成にあっては、請求項4記載の演奏情報処理方法において、前記同時に発音される楽音に係るイベント数が前記最大発音数を超えた時点に、前記優先ルールによって検出されたトランケートイベントに対応したノートオフイベントを新たに挿入し、元のノートオフイベントを削除することによって最後部分を短縮することを特徴とする。
また、請求項6記載の演奏情報処理装置にあっては、請求項1ないし5の何れかに記載の演奏情報処理方法を実行することを特徴とする。
また、請求項7記載の演奏情報処理装置にあっては、放音する電子機器に前記演奏情報を出力する前に、請求項1記載の演奏情報処理方法を実行するように構成されていることを特徴とする。
また、請求項8記載のプログラムにあっては、請求項1ないし5の何れかに記載の演奏情報処理方法を処理装置に実行させることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
1. 実施形態の構成
本発明の一実施形態である演奏情報処理装置の構成を図1を参照して説明する。
10は液晶表示パネルであり、最大発音数などの条件設定を行う画面が表示される。20はI/O制御部であり、ポインティングデバイス、USBインターフェース、MIDIインターフェース、携帯電話専用ケーブルが含まれる。ここで、USBインターフェースは、携帯情報端末とのインターフェース、楽音機器とのインターフェースに使用される。30はFDD部であり、SMFファイルを交換するためのフレキシブルディスクのリード/ライトを行う。40はHDD部であり、処理前後の演奏情報を保管する。50はCPUであり、各部を制御する。60はROMであり、プログラム、パラメータが記憶されている。70はRAMであり、ワークエリア、バッファとして使用される。90はバスラインであり、各部を接続する。以上の構成要素により、本実施形態の演奏情報処理装置100が構成される。
【0007】
2. 実施形態の動作
(1)SMFファイルの構造
SMFファイルにおいては、MIDI情報内の発音開始(ノートオンイベント)、発音停止(ノートオフイベント)などの情報に発生時間情報が付加される。図2(c)にSMFの各イベントでのデータ表記を示す。先頭はDURATIONデータであり、一つ前のイベントの開始時刻から次のイベントの開始時刻までの時間を示している。次のデータの集合は、ステータス、ノートナンバ、ベロシティの各データが設定される。ここで、ステータスは、nをチャンネル番号として、ノートオンメッセージの場合は「9n」であり、ノートオフメッセージの場合は「8n」である。ノートナンバは、音高を表し、ベロシティは、音量を表す。
【0008】
(2)同時に5チャンネルの音を発音し、所定時間後、同時に消音する場合
図2(b)における長方形の長辺(横方向)は音の長さを表している。それ故、図2(b)においては、同時に5チャンネルの音を発音し、所定時間後、同時に消音する場合の入力データの内容が示されている。この場合において、SMFデータには、DURATION「0」のデータおよびノートオンイベントデータの組み合わせが、第0チャンネルから第4チャンネルまでの5種類設けられる。そして、これらの発音時間に応じた任意のDURATIONデータが設けられ、その後に第0チャンネルのノートオフイベントデータが設けられ、さらに、他のチャンネルについて、DURATION「0」のデータおよびノートオフイベントデータの組み合わせが4種類設けられる。この場合において、SMFファイルが使用される電子機器の最大発音数が4音であれば、第4チャンネルのノートオンが出来ないため、第0チャンネルのノートオンをすぐにノートオフする必要がある。この結果、第0チャンネルの音が発音されることなく、第1チャンネルから第4チャンネルの音が発音されることになる。係る場合には電子機器におけるCPUの稼働時間を少なくするために、第0チャンネルのノートオンイベントデータおよびノートオフイベントデータを予め削除しておくことが望ましい。そこで、本実施形態においては、かかるイベントの削除(トランケート処理)が行われる。
【0009】
図2(b)に示す発音状態に対しては、具体的には図3(a)のようなSMFファイルが形成される。第1番目のデータは、DURATION「0」のデータである。2番目のデータは0チャンネルのノートオンイベントデータであり、ノートナンバ「60」、ベロシティ「7F」を表している。3番目のデータは、DURATION「0」のデータである。4番目のデータは第1チャンネルのノートオンイベントデータであり、ノートナンバ「50」、ベロシティ「7F」を表している。5番目から10番目のデータについても同様であるが、11番目のデータは、DURATION「10」のデータ、12番目のデータはノートナンバ「60」、ベロシティ「7F」、第0チャンネルのノートオフイベントデータである。さらに、13番目のDURATIONデータ、第1チャンネルのノートオフデータ等が続く。
【0010】
以下、上述したトランケート処理の詳細を説明する。
まず、演奏情報処理装置100において所定の操作が行われると、HDD部40に保管された処理前のSMFファイルのデータが読み込まれ、RAM70のワークエリアにて所定の処理がなされる。そして、SMFファイルは処理後HDD部40に再度保管される。
図5のルーチンが起動すると、ステップSP100においては、図4に示される画面が液晶表示パネル10上に表示され、優先モードの確認、最大発音数「4」の確認、(最大発音数+1)個分のバッファ確保が行われる。なお、詳細は後述するが、ノートオンイベントが発生すると、該イベントが該バッファに書き込まれ、ノートオフイベントが発生すると該バッファから対応するノートオンイベントが削除される。これにより、該バッファは各タイミングにおいて、発音中の楽音を表すデータが記憶されることになる。なお、優先モードの確認については、後着優先方式、先着優先方式、ドラム優先方式の選定がポインティングデバイスの設定により行われる。そして、処理はステップSP105に進む。
【0011】
ここで、後着優先方式とは、後から転送されたデータを優先的に発音して、古いデータの発音を停止する方式をいう。具体的には、図2(a)の場合において、最大発音数が4音の場合、第4チャンネルのイベントデータが転送されたときに、第0チャンネルの発音を強制的にa点で停止する方式をいう。それに対して、先着優先方式とは、第4チャンネルのイベントを発音させない方式である。ドラム優先方式とは、ドラムの音色を指定したイベントデータが転送されることによって、他の音色のイベントをノートオフさせる方式である。発音数確認においては、適用される電子機器の同時発音数に設定される。ここで、現在の音源の最大発音数は16音、32音、64音などがあるが、説明を簡単にするために以下「4」を最大発音数として説明する。
【0012】
ステップSP105においては、SMFファイルの未だ読み込まれていないイベントデータあるいはDURATIONデータのうち先頭のデータの読み込みが行われる。したがって、初回実行時には、第1番目のSMFデータの読み込みが行われる。そして、処理はステップSP110に進む。ステップSP110においては、データの種類が判定される。具体的には、DURATIONデータであるのか、ノートオンイベントデータであるのか、ノートオフイベントデータであるのかが判定される。ここで、第1番目のデータはDURATION「0」のデータであるので、ステップSP112に進み、該DURATIONデータがワークエリアに書き込まれる。そして、処理はステップSP105に戻る。
【0013】
そして、第2番目のSMFデータの読み込みが行われる。第2番目のデータは第0チャンネルのノートオンイベントデータであるので、ステップSP110を介して、処理はステップSP116に進む。ステップSP116においては、該ノートオンイベントデータがワークエリアに書き込まれ、さらに、バッファに格納される。なお、該バッファに書き込まれたデータの順番がメモリに記憶されており、一番古く書き込まれたデータが把握される。そして、処理はステップSP120に進む。ステップSP120においては、同時に発音される発音数が最大発音数を超えているか否かが判定される。現時点では、バッファ内のノートオンイベントデータ数が「1」であり、最大発音数「4」を超えないため、「NO」と判定され、処理はステップSP145に進む。ステップSP145においてはSMFデータの転送が終了しているか否かが判定される。転送が終了していないため、「NO」と判定され、処理はステップSP105に戻る。
【0014】
同様に、第1チャンネル、第2チャンネル、第3チャンネルのDURATIONデータ、ノートオンイベントがワークエリアに書き込まれ、さらに、バッファに格納される。そして、第4チャンネルのDURATIONデータがワークエリアに書き込まれ、処理はステップSP105に戻る。
【0015】
次に、第10番目のデータは第4チャンネルのノートオンイベントデータであるので、処理はステップSP105、SP110を介して、ステップSP116に進み、該ノートオンイベントデータがワークエリアに書き込まれ、さらにバッファに書き込まれる(図3(b))。ここで、図3(b)はバッファの状態を表している。そして、ステップSP120において、同時に発音される発音数が最大発音数を超えているか否かが判定される。この時点では、バッファ内のノートオンイベントデータの数が5つであり、最大発音数「4」を超えているため、「YES」と判定され、処理はステップSP130に進む。
【0016】
ステップSP130においては、トランケートするイベントが決定される。ここで、トランケートとは、SMFデータを編集する段階で、同時発音数を最大発音数以下に抑えるためにデータを追加/削除し、不要なデータを削除し、あるいはDURATIONを変更・短縮することである。具体的には、同時に発音されるイベント数が最大発音数を超える場合、後着優先方式においては、最も古いイベントをトランケートイベントとし、先着優先方式においては、最も新しいイベントをトランケートイベントとする。また、ノートオンとノートオフとの時間がほとんど無いイベントの双方を、トランケートイベントとする。図2(b)の場合、トランケートするイベントは最も古いイベントである第0チャンネルのノートオンイベントであると決定され、処理はステップSP135に進む。
【0017】
ステップSP135においては、ステップSP130において決定したイベントデータを削除するために、ワークエリアにおいて、ノートオフデータの作成、またはDURATIONの変更処理が行われる。この場合、第4チャンネルのイベントデータが転送されたとき、後着優先方式においては、第0チャンネルの発音を短縮するためにノートオフイベントデータが挿入される。すなわち、同時に発音される楽音の数が最大発音数以下になるように処理される。具体的には、DURATION「0」のデータおよびノートナンバ「60」、ベロシティ「7F」、第0チャンネルのノートオフイベントデータがワークエリアに追加される(図3(c)参照)。ここで、図3(c)から図3(e)は、ワークエリア内のデータ構造を時系列的に示している。そして、処理はステップSP140に進む。
【0018】
ステップSP140においては、無駄なデータが削除され、データの整理が行われる。具体的には、ノートオンとノートオフとの時間差が実質的に無い場合において、これらのイベントが削除され、さらに、バッファ内の整理が行われる。すなわち、第0チャンネルのノートオンイベントデータがバッファから削除される。さらに、ワークエリア内で第0チャンネルのノートオンイベントデータおよび追加されたノートオフイベントデータおよびそれらの前に設けられている値「0」のDURATIONデータが削除される(図3(d))。そして、処理はステップSP145に進む。ステップSP145において、転送が終了していないので、「NO」と判定され、処理はステップSP105に戻る。
【0019】
以下同様に、11番目のデータはDURATION「10」のデータであるから、ステップSP112において、該DURATIONデータがワークエリアに書き込まれる(図3(d))。次に、第12番目のデータは第0チャンネルのノートオフイベントデータであるので、処理はステップSP114に進む。ステップSP114においては、ワークエリアに該ノートオフイベントデータが書き込まれ、バッファ内の対応するノートオンイベントデータが削除される。ただし、バッファ内に対応するノートオンイベントデータが無い場合は、ワークエリアへの書き込みが行われない。今回の実行時においては、バッファ内から対応する第0チャンネルのノートオンイベントデータが削除されているため、該ノートオフイベントデータがワークエリアに書き込まれない(図3(d))。そして、ステップSP145においては、SMFデータの転送が終了していないので「NO」と判定され、処理はステップSP105に戻る。
【0020】
次に、13番目のSMFデータはDURATION「0」のデータであるので、ステップSP112を介して、該DURATIONデータがワークエリアに書き込まれる(図3(d))。ここで、13番目のDURATIONデータをそのまま書き込むと、第11番目のDURATIONデータと第13番目のDURATIONデータとが隣接配置されることになる。このように複数のDURATIONデータが隣接することは、データ量を無意味に増加させることになるため、これらDURATIONデータが一のDURATIONデータにまとめられる。すなわち、第13番目のデータであるDURATIONデータの値に、ワークエリア内に記憶されている第11番目のDURATIONデータの値が加算される。そして、第13番目のデータであるDURATIONデータがワークエリアに書き込まれる。このとき、第11番目のデータであるDURATIONデータは削除される。
【0021】
さらに、14番目のSMFデータは第1チャンネルのノートオフイベントであるので、処理はステップSP114に進む。この場合、該ノートオフイベントに対応する第1チャンネルのノートオンイベントデータがバッファ内に書き込まれているので、ワークエリアに該ノートオフイベントデータが書き込まれ(図3(d))、さらに、バッファに書き込まれている第1チャンネルのノートオンイベントデータが削除される。
【0022】
以下同様に、15番目以降のデータが処理され、ワークエリア内に図3(e)の演奏情報(SMFファイル)が生成される。そして、生成されたSMFファイルが、一旦、HDD部40に保管された後、I/O制御部を介して、電子機器に入力され、あるいは、フレキシブルディスクに記憶される。
【0023】
(3) 各発音チャンネルごとに発音開始時刻が異なる場合
図2(a)においては、第0チャンネルから第4チャンネルの5チャンネルが順番に発音開始し、一定時間発音後、順番に消音していく入力データの内容が示されている。この入力データを再生する場合も電子機器の発音チャンネルは4チャンネルしか用意されていないので、5チャンネル同時に発音することは出来ない。後着優先方式を採用すれば、第4チャンネルのノートオンデータが転送されるときに、最も古い第0チャンネルのノートオフタイミングが強制的にb点よりa点に変更され、発音時間が短縮される。
【0024】
この場合に入力されるSMFファイルは、第1番目のデータとして、DURATION「0」のデータが設けられ、2番目のデータとして第0チャンネルのノートオンイベントデータが設けられる。次に、第3番目のデータとして、一定時間(すなわち、第1チャンネルの発音から第2チャンネルの発音までの時間)のDURATIONデータが送られ、第4番目のデータとして第1チャンネルのノートオンイベントが設けられる。同様に、第2チャンネル、第3チャンネル、第4チャンネルについて、所定時間のDURATIONデータ、ノートオンイベントデータが設けられる。さらに、第11番目のデータとして、一定時間(すなわち、第4チャンネルの発音から第0チャンネルの消音までの時間)のDURATIONデータが設けられ、12番目のデータとして第0チャンネルのノートオフデータが設けられる。同様に、第1チャンネル、第2チャンネル、第3チャンネル、第4チャンネルについて、所定時間のDURATIONデータ、ノートオフイベントデータが設けられる。
【0025】
演奏情報処理装置100において所定の操作が行われると、図5のルーチンが起動する。ステップSP100において後着優先モードの確認、最大発音数「4」の確認、(最大発音数+1)個のバッファの確保が行われ、処理はステップSP105に進む。
【0026】
初回実行時には、ステップSP105、SP110を介して、第1番目のSMFデータの読み込みが行われ、データの種類が判定される。第1番目のデータはDURATION「0」のデータであるので、ワークエリアに該DURATIONデータが書き込まれる。さらに、第2番目のデータは、第0チャンネルのノートオンイベントデータであるので、ステップSP116において、該ノートオンイベントデータがワークエリアに書き込まれ、さらにバッファに書き込まれる。そして、ステップSP120およびステップSP145において、「NO」と判定され、処理はステップSP105に戻る。
【0027】
同様に、第1チャンネル、第2チャンネル、第3チャンネルのノートオンイベントがワークエリアに書き込まれ、さらに、バッファに書き込まれる。さらに、DURATIONデータがワークエリアに書き込まれ、処理はステップSP105に戻る。
【0028】
次の実行時に、10番目のデータは第4チャンネルのノートオンイベントデータであるので、ステップSP116において、該ノートオンイベントデータがワークエリアに書き込まれ、さらに、バッファに書き込まれる。そして、ステップSP120において、バッファ内のノートオンイベントデータが「5」であり、最大発音数「4」を超えているので「YES」と判定される。次に、処理がステップSP130に進むと、トランケートするイベントは最も古いイベントである第0チャンネルのイベントであると決定される。
【0029】
そして、ステップSP135において、第0チャンネルについてのノートオフイベントデータの作成がワークエリア内で行われる。すなわち、該ノートオフイベントデータは、9番目のデータであるDURATIONデータ(第3チャンネルのノートオンから第4チャンネルのノートオンまでの時間T(図2(a)参照))の後に追加される。したがって、第0チャンネルにおけるノートオフタイミングが第3チャンネルにおけるノートオンから時間T後に移動される。さらに、値「0」のDURATIONデータが、第4チャンネルのノートオンイベントの前、すなわち、新しく追加された第0チャンネルのノートオフイベントデータの後に設けられる。そして、ステップSP140において、バッファ内の第0チャンネルについてのデータが削除される。そして、ステップSP145を介して、処理はステップSP105に戻る。
【0030】
次の実行時、第11番目のデータは所定時間のDURATIONデータであるので、ワークエリアに該DURATIONデータが書き込まれる。次に、12番目のデータは第0チャンネルのノートオフイベントデータであるが、バッファ内に対応するノートオンイベントデータが存在しないので、ステップSP114において、該ノートオフイベントデータはワークエリアに書き込まれない。
【0031】
次の実行時、第13番目のデータであるDURATIONデータがワークエリアに書き込まれる。この場合、第13番目のデータであるDURATIONデータの値に、ワークエリア内に記憶されている第11番目のDURATIONデータの値が加算され、加算結果であるDURATIONデータがワークエリアに書き込まれる。このとき、第11番目のデータであるDURATIONデータは削除される。
【0032】
同様に、第15番目、第17番目のDURATIONデータおよび第2チャンネル、第3チャンネルのノートオフイベントデータがワークエリアに書き込まれ、さらに、バッファ内の対応するノートオンイベントが削除される。そして、ステップSP145において、SMFデータの転送が終了しているので本ルーチンが終了する。そして、生成されたSMFファイルが、一旦HDD部40に保管された後、I/O制御部を介して、電子機器に入力され、あるいは、フレキシブルディスクに記憶される。
【0033】
3. 変形例
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような種々の変形が可能であり、全て本発明の範疇に含まれる。
(1)上記実施形態は、SMFファイルに対して処理を行ったが、メーカー専用のエクスクルーシブメッセージファイルに対して処理を行ってもよい。
(2)上記実施形態は、ROM60に格納されたプログラムによって演奏情報処理方法を実行したが、パーソナルコンピュータ上で動作するアプリケーションプログラムによっても実行することが出来る。アプリケーションプログラムあるいは演奏情報処理方法を実行して得た演奏情報をCD−ROM、フレキシブルディスク等の記憶媒体に格納して頒布し、あるいは電気通信回線を通じて頒布してもよい。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、同時に発音される楽音の数が前記最大発音数以下になるように、演奏情報を変換する変換過程を有しているので、同時に発音される楽音に係るイベント数が電子機器の最大発音数を超える演奏情報を最大発音数内に変換することが出来る。さらに、放音する電子機器に出力する前に、演奏情報を変換する構成によれば、該電子機器のCPU負荷を軽減することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態である演奏情報処理装置の構成図である。
【図2】 本発明の一実施形態である演奏情報処理方法を説明するための図およびイベント構造を説明するための図である。
【図3】 本発明の一実施形態である演奏情報処理方法の具体例を示す図である。
【図4】 操作パネル図である。
【図5】 フローチャートを示す図である。
【符号の説明】
10…液晶表示パネル、20…I/O制御部、30…FDD部、40…HDD部、50…CPU、60…ROM、70…RAM、90…バスライン、100…演奏情報処理装置、200…イベント
Claims (8)
- 電子機器に内蔵される音源により再生される複数のイベントを有する演奏情報を変換する演奏情報処理方法において、
同時に発音されるイベント数が所定の最大発音数を超える場合、所定の優先ルールと、ノートオンイベントとノートオフイベントとの時間差が小さくかつ所定値以下である場合に該ノートオンイベントと該ノートオフイベントとをトランケートイベントにする時間差ルールとに従って、前記イベントからトランケートするトランケートイベントを検出するトランケートイベント検出過程と、
同時に発音される楽音の数が前記最大発音数以下になるように、前記演奏情報を、前記時間差ルールによりトランケートイベントが検出された場合には該トランケートイベントを削除し、前記所定の優先ルールによりトランケートイベントが検出された場合には該トランケートイベントのノートオフイベントのタイミングを変更するように変換する変換過程と
を有することを特徴とする演奏情報処理方法。 - 前記最大発音数の設定を行う最大発音数設定過程を有することを特徴とする請求項1記載の演奏情報処理方法。
- 複数の異なる優先方式から前記優先ルールを選択する優先ルール選択過程を含むことを特徴とする請求項1記載の演奏情報処理方法。
- 前記優先ルールは、前記同時に発音される楽音に係るイベント数が前記最大発音数を超える場合に、最も古いイベントをトランケートイベントとして検出するルールであり、
前記変換過程は、該トランケートイベントに係る発音期間の最後部分を短縮するように前記演奏情報を修正する過程である
ことを特徴とする請求項1記載の演奏情報処理方法。 - 前記同時に発音される楽音に係るイベント数が前記最大発音数を超えた時点に、前記優先ルールによって検出されたトランケートイベントに対応したノートオフイベントを新たに挿入し、元のノートオフイベントを削除することによって最後部分を短縮することを特徴とする請求項4記載の演奏情報処理方法。
- 請求項1ないし5の何れかに記載の演奏情報処理方法を実行することを特徴とする演奏情報処理装置。
- 放音する電子機器に前記演奏情報を出力する前に、請求項1記載の演奏情報処理方法を実行するように構成されていることを特徴とする演奏情報処理装置。
- 請求項1ないし5の何れかに記載の演奏情報処理方法を処理装置に実行させることを特徴とするプログラム。
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