JP2003208181A - 波形再生装置 - Google Patents

波形再生装置

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JP2003208181A JP2002004247A JP2002004247A JP2003208181A JP 2003208181 A JP2003208181 A JP 2003208181A JP 2002004247 A JP2002004247 A JP 2002004247A JP 2002004247 A JP2002004247 A JP 2002004247A JP 2003208181 A JP2003208181 A JP 2003208181A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクセスタイムが比較的遅いディスク装置を
備えた場合であっても波形再生を滞りなく行なうことが
できる波形再生装置を提供する。 【解決手段】 ハードディスク17に記憶された楽音波
形の前半部分および後半部分を表わす波形データの、波
形メモリ18への転送が間に合わないときは、その波形
メモリ18に記憶された前半部分を表わす波形データに
基づいて後半部分の波形再生が可能になるまでの間、波
形メモリ18に記憶された前半部分に対応する波形デー
タのうちの所定区間内の波形データに基づく楽音波形を
繰り返し再生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記憶された波形デ
ータを読み出して波形を再生する波形再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、楽音をサンプリングして得ら
れた波形データをROMに記憶しておき、発音開始指示
を受け付けて、そのROMに記憶された波形データを順
次読み出して楽音波形を再生する波形再生装置が知られ
ている。このような波形再生装置では、各種の音色毎
に、全ての鍵域にわたり、音の強弱などの変化に対して
も良質な楽音が得られるように多数の楽音波形を記憶し
ている。近年、楽音の益々の高音質化に伴い、波形再生
装置に記憶される波形データの記憶容量は増大する傾向
にあり、このように大容量の波形データをROMに記憶
するのでは装置がコストアップするという問題がある。
そこで、アクセスタイムは比較的遅いものの大容量の波
形データを記憶することのできるフレキシブル磁気ディ
スク装置やハードディスク装置等のディスク装置を備え
た波形再生装置が、特公平01−001800号公報、
特許第2671747号公報に提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、より多くの
楽音波形をハードディスクに記憶し、鍵盤の操作によリ
楽音の発生が指示された際、遅滞なく楽音の発生が開始
され、良質の楽音を発生することができるような波形再
生装置を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の波形再生装置は、 1)楽音波形の発生開始から所定時間までの前半部分を
高速読出可能なメモリに記憶し、その波形の後半部分を
ハードディスクなどの大容量のメモリに記憶し、前半部
を読み出した後、後半部分を読み出すように構成し、後
半部分の読み出しが間に合わない時は、前半部分に設定
した所定の区間を間に合うまで読み出すように構成し
た。このことにより、大量の波形を記憶し、押鍵などの
発音開始があった場合、すぐに発音を開始できると共
に、後半部の読み出しが間に合わない場合でも楽音が切
れるなどの不具合がなく楽音を発生することができる。 2)また、多数の楽音波形を前半部分と後半部分とに分
けてそれぞれをハードディスクに記憶し、音色選択など
によって選択された楽音の波形をRAMに転送してRA
Mから読み出した波形データにより楽音を形成するよう
にし、転送を行う際には、全ての前半部分を先に転送
し、つづいて後半部分を転送するようにした。このこと
により、大量の波形を記憶し、音色の選択が行われてす
ぐにその音色の楽音を発生させようとする場合に、早く
発音可能な状態にすることができる。 3)また、前半部分がすべて高速のメモリに記憶されて
いて、後半部分をハードディスクからそのメモリに転送
する際、押鍵信号などにより指定される音高に対応する
後半部分の波形データを優先的に転送するようにした。
このことにより、発音開始指示を受けている楽音の後半
部分が早く読み出しが可能になり、前半部分と後半部分
のつながりが自然な楽音が得られる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0006】図1は、本発明の一実施形態の波形再生装
置が組み込まれた電子楽器の回路ブロック図である。
【0007】この電子楽器100には、CPU11と、
ROM12と、RAM13と、鍵盤14と、操作パネル
15と、MIDI IN部16と、ハードディスク17
と、波形メモリ(RAM)18と、音源制御装置19
と、D/Aコンバータ20とが備えられ、バス22を介
して互いに接続されている。また、D/Aコンバータ2
0にはスピーカ21が接続されている。鍵盤14から入
力される情報としては、発音開始指示であるノートオン
情報(オンベロシディ情報を含む)、発音中の楽音の発音
終了指示であるノートオフ情報(オフベロシディ情報を
含む)がある。またMIDI IN部16から入力され
る情報としては、前記と同様、ノートオン情報、ノート
オフ情報、および音色指示であるプログラムチェンジ情
報などがある。
【0008】CPU11は、ROM12に格納されたプ
ログラムを読み出すことにより、この電子楽器100全
体を制御する。尚、本実施形態におけるCPU11の特
徴的な役割については後述する。
【0009】ROM12には、CPU11で実行される
プログラムやデータが記憶されている。
【0010】RAM13は、CPU11の作業エリアと
して用いられる。また、このRAM13には、後述する
音源制御のためのパラメータや変数が記憶される。
【0011】鍵盤14は、演奏者により鍵操作されるこ
とにより、その鍵に対応するノートオン情報およびノー
トオフ情報を出力する。
【0012】操作パネル15には、詳細は後述するが、
音色を選択するための複数の操作子が備えら、音色選択
情報であるプログラムチェンジを出力する。
【0013】ハードディスク17は、本発明にいう第1
の記憶部の一例に相当するものであり、楽音波形を表わ
す波形データのうちの、少なくともその楽音波形の後半
部分を表わす波形データを記憶する。尚、ここでは、ハ
ードディスク17には、複数の楽音波形の前半部分およ
び後半部分双方を表わす波形データが記憶される。
【0014】波形メモリ18は、本発明にいう第2の記
憶部の一例に相当するものであり、上記楽音波形を表わ
す波形データが記憶される、ハードディスク17よりも
高速読出可能な記憶部である。詳細には、この波形メモ
リ18は、複数の楽音波形の前半部分および後半部分双
方を表わす波形データの転送を受けるものである。
【0015】音源制御装置19は、本発明にいう波形再
生手段の役割を担うものであり、波形メモリ18に楽音
波形の前半部分を表わす波形データに記憶された楽音波
形の前半部分および後半部分を表わす波形データをノー
トオン情報を受け付けて再生を開始し、ノートオフ情報
を受け付けて再生を終了する。この再生時に、ハードデ
ィスク17から波形メモリ18へ、後半部分を表わす波
形データの転送が間に合わないときは、その波形メモリ
18に記憶された前半部分を表わす波形データに基づい
て後半部分の波形再生が可能になるまでの間、波形メモ
リ18に記憶された前半部分に対応する波形データのう
ちの所定区間内の波形データに基づく楽音波形を繰り返
し再生する。
【0016】さらに、詳細には、音源制御装置19は、
波形再生の基になる楽音波形が特定されるノートオン情
報を受け付けて、そのノートオン情報に対応した楽音波
形を表わす波形データに基づく楽音波形を再生するもの
である。
【0017】具体的には、音源制御装置19は、波形メ
モリ18からCPU11の指示に従ってピッチ変換、エ
ンベロープ等の制御を行ないながら、その波形メモリ1
8から波形データを読み出しD/Aコンバータ20に転
送するとともに、CPU11により、後述するスタート
アドレス、ループエンドアドレス、ループスタートアド
レス、ジャンプ元アドレス、ジャンプ先アドレスをパラ
メータとしてセットする。この音源制御装置19は、鍵
盤14やMIDI IN部16からノートオン情報を受
けると、スタートアドレスから波形再生を開始し、ルー
プエンドアドレスとループスタートアドレス間でループ
再生するとともに、再生アドレスがジャンプ元アドレス
に達した場合、ジャンプ先アドレスに移動する。
【0018】また、前述したCPU11は、MIDI
IN部16や、操作パネル15から音色選択情報を受け
ると、ハードディスク17から対応する波形の音色パラ
メータをRAM13に、波形データを波形メモリ18に
それぞれ転送するように図示しない転送専用回路(DM
A)に設定する。転送専用回路は、この設定に応じて高
速にハードディスク17の記憶内容をRAM13および
波形メモリ18に転送する。波形データの転送の詳細
は、複数の楽音波形にわたって、それら複数の楽音波形
を表わす波形データのうちの、複数の楽音波形の前半部
分を表わす波形データのみを波形メモリ18に転送した
後に、複数の楽音波形にわたって、それら複数の楽音波
形を表わす波形データのうちの、複数の楽音波形の後半
部分を表わす波形データを波形メモリ18に転送する。
このようにすることにより、鍵盤14のいずれの鍵が押
鍵された場合であっても、押鍵された鍵に対応した波形
再生を即座に行なうことができる。また、MIDI I
N部16から入力したノートオン情報に対応した波形再
生も即座に行なうことができる。
【0019】さらに詳細には、このCPU11は、音源
制御装置19によりノートオン情報が受け付けられたこ
とを受けて、そのノートオン情報に対応した楽音波形を
表わす波形データのうちの楽音波形の後半部分を表わす
波形データの、波形メモリ18への転送が未了であった
場合は、そのノートオン情報に対応した楽音波形を表わ
す波形データのうちのその楽音波形の後半部分を表わす
波形データを優先的に転送するものである。このように
することにより、鍵盤14の押鍵された鍵に対応する楽
音波形の後半部分を表わす波形データが優先的に転送さ
れるため、その鍵に対応する楽音波形の再生の後半部へ
の移行が早くなる。
【0020】D/Aコンバータ20は、音源制御装置1
9から出力されたディジタル信号をアナログ信号に変換
する。変換されたアナログ信号はスピーカ21に入力さ
れ、これによりスピーカ21から楽音が放音される。
【0021】図2は、図1に示す操作パネルを示す図で
ある。
【0022】図2に示す操作パネル15には、各音色P
IANO1,PIANO2,ORGAN,GUITA
R,BASS,STRING,DRUM1,DRUM2
に対応する各操作子15a,15b,15c,15d,
15f,15g,15hが備えられている。各操作子1
5a,15b,15c,15d,15f,15g,15
hには、各LED表示器が内蔵されている。ある操作子
を操作すると、その操作された操作子に対応する音色が
選択される。ここで、操作子15a〜15hやMIDI
IN部16から音色選択情報を受けると、詳細は後述
するが、発音が可能になるまでその操作子のLED表示
器が点滅し、発音可能になると点灯する。
【0023】図3は、図1に示すRAMの構成を示す図
である。
【0024】図3に示すRAM13のエリア13aは、
音色パラメータを記憶するエリアで、ハードディスク1
7から転送された音色パラメータが記憶され、取り得る
範囲は各音色パラメータにより定まる。また、エリア1
3bは、音色の状態を示すフラグFlagを格納するた
めのエリアであり、取り得る範囲としては0(発音不
可)と1(発音可能)の2値である。さらに、エリア1
3cは、後述する各スプリットにおける楽音波形の後半
部分(波形部Bと記述する)の状態を示すフラグSFl
agを格納するためのエリアであり、取り得る範囲とし
ては各フラグSFlag毎に0(発音不可)と1(発音
可能)の2値がある。
【0025】図4は、音色ファイルの構成を示す図であ
る。
【0026】各音色について、音色パラメータ、波形部
Aの波形データ、波形部Bの波形データの3つのデータ
により音色ファイルが構成される。それぞれのデータ
は、ハードディスクから高速に読み出しが行えるセクタ
単位である512バイトの単位のエリアに記憶されてい
る。ここで、音色パラメータは0から512×Kバイ
ト、波形部Aは512×Kから512×Lバイト、波形
部Bは512×Lから512×Mバイトの各エリアに記
憶されている(但し、K,L,Mは整数)。
【0027】図5は、波形が鍵域ごとにそれぞれ記憶さ
れる各鍵域(スプリット)を表わす。ここでは、全鍵域
をNに分割した場合を示し、各スプリット毎に波形部A
および波形部Bを記憶している。この分割数や、分割位
置は、音色により異なる。
【0028】図6は、図5に示すスプリットにおける音
色パラメータの詳細を示す図である。
【0029】図6には、スプリット1における音色パラ
メータが示されており、詳細には、そのスプリット1で
あるキーレンジにおける下限,上限のノートナンバと、
そのキーレンジ内で発音する楽音波形の前半部分である
波形部Aの番号,その波形部Aのスタートアドレス,そ
の波形部Aのループスタートアドレス,その波形部Aの
ループエンドアドレス,その波形部Aのエンドアドレス
と、そのキーレンジ内で発音する楽音波形の後半部分で
ある波形部Bの番号,その波形部Bのスタートアドレ
ス,その波形部Bのループスタートアドレス,その波形
部Bのループエンドアドレスとが示されている。尚、ス
プリット2〜Nにおける音色パラメータも、このスプリ
ット1における音色パラメータの場合と同様である。ま
た、音色パラメータ中の各アドレスは、波形部A,Bを
波形メモリ18に転送開始したアドレスからのオフセッ
ト値として規定される。
【0030】前述の図4に示す波形部Aエリアには、ス
プリット1〜Nの波形部Aが番号順に、波形部Bエリア
には、スプリット1〜Nの波形部Bが番号順にそれぞれ
記憶されている。
【0031】図7は、ある音色の波形を示すもので、波
形部Aのスタートアドレス(A―START),波形部
Aのループスタートアドレス(A―LOOP STAR
T),波形部Aのループエンドアドレス(A―LOOP
END),波形部Aのエンドアドレス(A―END)
と、波形部Bのスタートアドレス(B―START),
波形部Bのループスタートアドレス(B―LOOP S
TART),波形部Bのループエンドアドレス(B―L
OOP END)が示されている。これらのアドレスに
ついては後述する。
【0032】つぎに、本実施形態の波形再生装置の動作
説明を行う。この波形再生装置は、新たな音色が選択さ
れると、ハードディスク17に記憶されたその音色の全
パラメータをRAM13に転送し、つづいて波形データ
を波形メモリに転送するが、その際まず、全スプリット
の波形データの前半部分を転送し、さらに後半部分を転
送する。この前半部分の転送が完了した時点で、後半部
分の転送を開始すると同時に、発音可能とし、それ以降
に入力されたノートオン情報に応じ、そのノートオン情
報に対応する波形データの前半部分を読み出すことによ
リ発音を開始する。前半部分の読み出しが所定の位置ま
で進んだとき、後半部分がすでに波形メモリ18へ転送
されている場合には、前半部分の読み出しを終了後、後
半部分の読み出しを開始するが、そうでない場合、すな
わちまだ転送が行われていない場合には、前半部分の所
定区間(図7に示すA−LOOPSTARTとA−LO
OPENDの間)を読み出し再生する。この動作を図
8、図9、図11のフローチャートを用いて詳細に説明
する。
【0033】図8は、音色選択処理ルーチンのフローチ
ャートである。
【0034】このルーチンは、選択された音色のファイ
ルが、RAM13、波形メモリ18に存在しない場合に
起動される。
【0035】先ず、ステップS1において、音色の状態
を示すフラグFlag(図3参照)に0(発音不可)を
セットする。次に、ステップS2において、波形部Bの
状態を示すフラグSFlag全て(図3参照)に0(発
音不可)をセットする。さらに、ステップS3におい
て、操作パネル15の、選択された音色のLED表示器
を点滅する。
【0036】ステップS4では、ハードディスク17か
ら音色パラメータの転送を指示し、転送が終了すると続
いて、波形部Aの転送を指示する(ステップS5)。こ
こで、音色パラメータ中の各アドレスは、波形部Aを波
形メモリ18に転送開始したアドレスからのオフセット
値として規定される。波形部Aの全てのスプリットの波
形が波形部メモリに転送されると楽音の発生が可能とな
るので(ステップS6)、選択された音色に対応するL
EDを点滅から点灯状態へ移行させる(ステップS
7)。このようにして、音色パラメータエリアがRAM
13に、波形部Aが波形メモリ18に記憶される。次に
ステップS8で波形部Bの転送を行なうが、詳細を図9
のフローチャートを用いて説明する。この波形部Bの転
送は、ノートオン情報の入力により波形部Aの転送が開
始されていなければ、スプリットの番号順に行なわれる
が、まだ転送が終了していないで波形部Aの読み出しが
開始された場合は、その鍵に対応するスプリットの波形
を優先的に行なう。ステップS11において、カウンタ
の値iを0にしてステップS12に進む。ステップS1
2では、発音要求のあったスプリットの波形部Bを優先
的に転送するために、その波形部Bの転送要求があった
か否かが判定される。尚、転送要求の処理については、
後述する図11のステップS33で説明する。波形部B
の転送要求があったと判定された場合は、ステップS1
3に進む。ステップS13では、波形部Bの転送要求を
処理するために、カウンタの値iをスタックに退避し、
そのカウンタに転送要求のあった波形部Bの番号をセッ
トする。また、退避を示すPUSHFlagを1にセッ
トして、後述するステップS15に進む。一方、ステッ
プS12において、波形部Bの転送要求がなかったと判
定された場合は、ステップS14に進む。ステップS1
4では、スプリットiの波形部Bの状態をチェックす
る。即ち、発音可能か否か(フラグが1か否か)が判定
される。ここで、「フラグ」とは「転送要求のあったス
プリットの波形部Bに対応したSFlag」である。フ
ラグSFlagが1であると判定された場合は、後述す
るステップS22に進む。一方、フラグSFlagが0
であると判定された場合はステップS15に進む。ステ
ップS15では、ハードディスク(HDD)に転送開始
準備を指示し、HDDからの準備完了信号(HDDは、
転送開始アドレス(セクター)にヘッドを移動し準備が
できると準備完了信号を返す)を待つ。準備完了信号を
入力すると、ステップS16においてDMAに転送開始
を指示して、SFlagをセットする。SFlagにセ
ットされる値は1である。このように、波形部Bの転送
が開始されるとただちに波形部Bの発音が可能であるフ
ラグSFlagを1にセットする。次にステップS17
に進む。
【0037】ステップS17では、PUSHFlagが
1か否かが判定され、1であると判定された場合はステ
ップS18に進み、0であると判定された場合はステッ
プS19に進む。ステップS18では、音源制御装置の
スプリットiを発音中のボイスパラメータに波形部Bの
読み出しを開始するパラメータをセットする。図10
は、これらのパラメータを表わしたもので、波形部Aと
波形部Bが波形メモリ18の不連続な場所に記憶される
ことを示す。波形部Bが、波形メモリ18にまだ転送さ
れていなく、読み出しが行えないときは、波形部Aのル
ープスタートアドレス(A―LOOP START),波
形部Aのループエンドアドレス(A―LOOP EN
D)間でループ再生を行なっている。この状態がステッ
プS15であり、ハードディスク17から波形メモリ1
8へ後半部分の転送が開始されるとステップS18にお
いて、音源制御装置19の発音中のボイスのジャンプ元
アドレスに波形部Aのエンドアドレス(A一END)を、
ジャンプ先アドレスに波形部Bのスタートアドレス(B-
START)を、ループエンドアドレスに波形部Bのル
ープエンドアドレス(B―LOOP END)をそれぞれ
セットする。このことにより発音中のボイスはループエ
ンドが変化したため、波形部Aのエンドアドレス(A―
END)に達し、波形部Bのスタートアドレス(B−S
TART)にジャンプする。仮に、波形部Bのループエ
ンドアドレス(B―LOOP END)に達した場合で
も波形部Aのループスタートアドレス(A―LOOP
START)に戻る。つまり、A―LOOP STAR
T, A―END,B−START,B−LOOP EN
Dといった大きなループ再生を行なうので途切れなく楽
音を再生できる。さらに、発音中のボイスのループスタ
ートアドレスを波形部Bのループスタートアドレス(B
−LOOP START)にする。発音中のボイスは波
形部Bのループアドレスでループ再生を行なう。
【0038】再び図9に戻って説明を続ける。ステップ
S19では、スプリットiの波形部Bの転送が終了した
か否かが判定される。未だ終了していないと判定された
場合は、ステップS19に戻ることとなる。一方、スプ
リットiの波形部Bの転送が終了したと判定された場合
は、ステップS20に進む。
【0039】ステップS20では、PUSHFlagが
1か否かが判定される。1であると判定された場合は、
ステップS21に進み、値iをスタックから取り出しカ
ウンタにその値iをセットする。さらに、PUSHFl
agを0にリセットしてステップS12に戻る。一方、
PUSHFlagが0であると判定された場合は、ステ
ップS22に進む。ステップS22では、全ての波形部
Bの転送が終了したか否かが判定される。全ての波形部
Bの転送が未だ終了していないと判定された場合はステ
ップS23に進み、値iを1つインクリメントしてステ
ップS12に戻る。一方、全ての波形部Bの転送が終了
したと判定された場合はこのルーチンを終了する。
【0040】図11は、発音要求処理ルーチンのフロー
チャートである。
【0041】この発音要求処理ルーチンは、鍵盤14や
MIDI IN部16よりノートオン情報が入力された
時に起動される。
【0042】先ず、ステップS31において、音色の状
態を示すフラグFlag、詳細には波形部Aのフラグを
チェックする。即ち、音色パラメータエリアがRAM1
3に、また波形部Aが波形メモリ18に転送されている
状態を示す値1がフラグFlagにセットされているか
否かが判定される。フラグFlagが1にセットされて
いないと判定された場合は、発音処理は行なわれないた
めこのルーチンを終了する。一方、フラグFlagが1
にセットされていると判定された場合はステップS32
に進む。
【0043】ステップS32では、波形部Bの転送の状
態を示すフラグSFlagをチェックすることにより、
波形部Bが転送されていない場合は優先的に波形部Bの
転送を行なう要求を出すとともに波形部Aのパラメータ
で発音させるようにする。具体的には、ステップS32
において、ノートオン情報のノートナンバを含むスプリ
ットの波形部Bが転送されている状態を示す値1がフラ
グSFlagにセットされているか否かが判定される。
フラグSFlagが0にリセットされていると判定され
た場合は、ステップS33に進む。ステップS33で
は、発音させる波形部Bの転送開始要求をセットして、
後述するステップS35に進む。
【0044】一方、ステップS32において、フラグS
Flagが1にセットされていると判定された場合は、
ステップS34に進む。ステップS34では、音源制御
装置19に波形部Bのパラメータをセットする。詳細に
は、ボイスのジャンプ元アドレスに波形部Aのエンドア
ドレス(A−END)を音源制御装置19にセットす
る。また、ボイスのジャンプ先アドレスに波形部Bのス
タートアドレス(B―START)を音源制御装置19
にセットする。さらに、波形部Bのループスタートアド
レス(B―LOOP START),波形部Bのループ
エンドアドレス(B―LOOP END)を音源制御装
置19にセットする。これらのパラメータのセットによ
り、A―STARTより波形再生を開始し、A−END
に達するとB―STARTに移動し、B―LOOP E
NDに達するとB―LOOP STARTに戻り、B―
LOOP STARTとB―LOOP ENDの間でル
ープ再生を行なう。
【0045】ステップS35では、音源制御装置19に
波形部Aのパラメータをセットする。具体的には、A―
LOOP START,A―LOOP ENDを音源制
御装置19にセットする。これらのパラメータのセット
により、A―STARTより波形再生を開始し、A−L
OOP ENDに達するとA―LOOP STARTに
戻り、A―LOOP STARTとA―LOOP EN
Dの間でループ再生を行なう。
【0046】次に、ステップS36において、音源制御
装置19に発音開始命令をセットする。具体的には、波
形部Aの先頭アドレスより発音をスタートする。このよ
うにして発音要求処理を行なう。
【0047】尚、本実施形態では、図8に示すステップ
S5で全スプリット分の波形部Aの転送を行なっている
が、波形部Bの転送同様に、発音要求があったスプリッ
トの波形について優先的に行なってもよい。この場合、
波形部Aの全スプリットの転送終了前に発音可能として
もよい。
【0048】また、本実施形態では、音色パラメータ及
び波形部Aはハードディスク17に記憶する例で説明し
たが、波形部AをROMに記憶してもよい。音色パラメ
ータ及び波形部AをROM(HDDより読み出し速度が
速い)に記憶させることで、音色切り換え時に、より速
くステップS6までの処理が行なえ、つまり音色切り換
えから発音可能迄の時間が速くなる。
【0049】さらに、本実施形態では、音色パラメータ
及び波形部Aを音色選択時にのみハードディスク17か
ら転送する例を説明したが、さらに以下のような場合に
転送をしてもよい。電源投入時、全音色の音色パラメー
タ及び波形部Aを転送する。又は、電源投入時、前回電
源投入時に最後に選択していた音色に用いる音色パラメ
ータ及び波形部Aを転送する。又は、音色を選択した履
歴を記憶しておくとともに、電源投入時、前回電源投入
時に最後から所定数だけ前に選択していた音色に用いる
音色パラメータ及び波形部Aを転送する。又は、各音色
に優先的に転送するか否かの情報を持たせるとともに、
電源投入時、優先的に転送するとされた音色に用いる音
色パラメータ及び波形部Aを転送する。また、本実施形
態では、波形部Bを音色選択時にのみハードディスク1
7から転送する例を説明したが、さらに以下のような場
合に転送をしてもよい。電源投入時、前回電源投入時に
最後に選択していた音色に用いる波形部Bを転送する。
又は、音色を選択した履歴を記憶しておくとともに、電
源投入時、前回電源投入時に最後から所定数だけ前に選
択していた音色に用いる波形部Bを転送する。又は、各
音色に優先的に転送するか否かの情報を持たせるととも
に、電源投入時、優先的に転送するとされた音色に用い
る波形部Bを転送する。
【0050】さらに、本実施形態では、音色パラメータ
及び読み出す波形部を切り替えるスプリットを、全鍵域
をNに分割した各鍵域で規定していたが、ベロシティの
値の取り得る範囲を幾つかに分割し、各範囲でスプリッ
トを規定してもよい。さらに、鍵域による規定とベロシ
ティによる規定を組合わせスプリットを規定してもよ
い。
【0051】本実施形態では、音色パラメータ、波形部
A,Bをハードディスクに記憶する例で説明したが、ハ
ードディスクをランダムアクセスに向かないNAND型
フラッシュメモリやフラッシュEEPROMを用いた大
容量の記憶媒体に置き換えても良い。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
アクセスタイムが比較的遅いディスク装置を備えた場合
であっても波形再生を滞りなく行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の波形再生装置が組み込ま
れた電子楽器の回路ブロック図である。
【図2】図1に示す操作パネルを示す図である。
【図3】図1に示すRAMの構成を示す図である。
【図4】音色ファイルの構成を示す図である。
【図5】波形が鍵域ごとにそれぞれ記憶される各鍵域
(スプリット)を表わす図である。
【図6】図5に示すスプリットにおける音色パラメータ
の詳細を示す図である。
【図7】ある音色の波形を示す図である。
【図8】音色選択処理ルーチンのフローチャートであ
る。
【図9】波形部Bエリアの読込処理ルーチンのフローチ
ャートである。
【図10】波形パラメータをセットするための波形部A
および波形部Bを示す図である。
【図11】発音要求処理ルーチンのフローチャートであ
る。
【符号の説明】
11 CPU 12 ROM 13 RAM 13a,13b,13c RAM13のエリア 14 鍵盤 15 操作パネル 15a,15b,15c,15d,15e,15f,1
5g,15h 操作子 16 MIDI IN部 17 ハードディスク 18 波形メモリ 19 音源制御装置 20 D/Aコンバータ 21 スピーカ 22 バス 100 電子楽器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 楽音波形を表わす波形データのうちの少
    なくとも該楽音波形の後半部分を表わす波形データが記
    憶される第1の記憶部と、 前記波形データの前半部分を記憶し、前記第1の記憶部
    よりも高速読出可能な第2の記憶部と、 発音開始指示を受け付けて前記第2の記憶部に記憶され
    た前半を表わす波形データを順次読み出して楽音波形を
    形成し、続いて後半部分を表わす波形データを順次読み
    出して楽音を形成する際、後半部分を表わす波形データ
    の読み出しが間に合わない時は、前記前半部分を表わす
    波形データに設定された所定区間に基づいて楽音波形を
    形成するよう制御する制御手段とを備えた波形再生装
    置。
  2. 【請求項2】 複数の楽音波形を表わす波形データの前
    半部分を表わす波形データと後半部分を表わす波形デー
    タが記憶される第1の記憶部と、 前記第1の記憶部よりも高速読出可能な第2の記憶部
    と、 前記第1の記憶部から前記第2の記憶部へ波形データを
    転送するにあたって、前記複数の楽音波形にわたってす
    べての前半部分を表わす波形データを転送した後、後半
    部分を表わす波形データを転送する転送手段と、 発音開始指示を受け付けて前記前半部分を表わす波形デ
    ータを順次読み出して楽音波形を形成し、続いて対応す
    る後半部分の波形データを順次読み出して楽音を形成す
    る際、後半部分の波形データの読み出しが間に合わない
    時は、前半部分を表わす波形データに設定された所定区
    間に基づいて楽音波形を形成するよう制御する制御手段
    とを備えた波形再生装置。
  3. 【請求項3】 複数の楽音波形を表わす波形データの後
    半部分を記憶する第1の記憶部と、 前記複数の楽音波形を表わす波形データの前半部分を記
    憶し、前記第1の記憶部より高速読み出しが可能な第2
    の記憶部と、 前記第1の記憶部に記憶された波形データを前記第2の
    記憶部へ転送する手段と、 発音開始指示を受け付けて前記前半部分を表わす波形デ
    ータを順次読み出して楽音波形を形成し、続いて対応す
    る後半部分の波形データを順次読み出して楽音を形成す
    る際、後半部分の波形データの読み出しが間に合わない
    時は、前半部分を表わす波形データに設定された所定区
    間に基づいて楽音波形を形成するよう制御する制御手段
    と、 前記転送手段は、複数の楽音波形を表わす波形データの
    うち発音開始指示に対応する波形データを優先的に転送
    するものである波形再生装置。
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