(1)全体回路
図1は演奏方法を実施する装置、演奏のためのコンピュータプログラムを記憶して実行する装置、演奏装置、自動演奏装置、楽音発生装置または電子楽器の全体回路を示す。キーボード11の各キーは、楽音の発音及び消音を操作/指示するもので、キースキャン回路12によってスキャンされ、キーオン、キーオフを示すデータが検出され、コントローラ2によってプログラム/データ記憶部4に書き込まれる。そして、それまでプログラム/データ記憶部4に記憶されていた各キーのオン、オフの状態を示すデータと比較され、各キーのオンイベント、オフイベントの判別が、コントローラ2によって行われる。
このキーボード11は、ローアキーボード、アッパーキーボード、ペダルキーボード等から成っており、それぞれにつき異なる/同じ音色の楽音、つまり楽音波形または/及びエンベロープ波形の異なる/同じ楽音が発音される。そして、アッパーキーボードについては、1つのキーオンで2音色の楽音を同時に鳴らすことも可能である。なお、キーボード11は、場合によって、電子弦楽器、電子吹奏(管)楽器、電子打楽器(パッド等)、コンピュータのキーボード等で代用される。
パネルスイッチ群13の各スイッチは、パネルスキャン回路14によって、スキャンされる。このスキャンにより、各スイッチのオン、オフを示すデータが検出され、コントローラ2によってプログラム/データ記憶部4に書き込まれる。そして、それまでプログラム/データ記憶部4に記憶されていた各スイッチのオン、オフの状態を示すデータと比較され、各スイッチのオンイベント、オフイベントの判別が、コントローラ2によって行われる。
このパネルスイッチ群13及び上記キーボード11の各キー(鍵)のスキャンは、所定時間ごと、例えば、0.001秒ごと乃至0.5秒ごとに実行される。この各スイッチ/各キーが、所定の時間差以内、例えば1秒以下乃至0.01秒以下で押されたときには、「同時操作」と判断される。または、ある1つのスイッチ/キーが押されたまま、別のスイッチ/キーが押されて、上記スキャン時に、「1」のスイッチオンデータ/キーオンデータが同時に検出されると、「同時操作」として検出される。
上記パネルスイッチ群13には各種スイッチが設けられ、この各種スイッチは音色タブレット、エフェクトスイッチ、リズムスイッチ、ペダル、ホイール、レバー、コントローラ、ジョイスティック、ダイヤル、ハンドル、タッチスイッチ等であって楽器用のものである。このペダルはダンパペダル、サスティンペダル、ミュートペダル、ソフトペダル等である。
発音される楽音は上記キーボード11による手動演奏の楽音または演奏情報MPから再生された自動演奏の楽音である。この手動演奏または自動演奏の各楽音はミディインターフェース15からも送られてくる。
ミディインターフェース15は、外部接続された電子楽器との間で楽音データの送受を行うためのインターフェイスである。この楽音データはMIDI(ミュージカルインスツルメントデジタルインタフェース)規格のもので、この楽音データに基づいた発音も行われる。
上記キーボード11またはミディインターフェース15には、自動演奏装置も含まれる。これらキーボード11、パネルスイッチ群13及びミディインターフェース15から発生された演奏情報MP(楽音発生情報)は、楽音を発生させるための情報である。ミディインターフェース15を通じて、他の機器から演奏情報MPが送られてきたり、プログラム/データ記憶部4内の演奏情報MPが他の機器へ送られたりする。
上記キーボード11の手動演奏情報は自動演奏情報(演奏情報MP)としてプログラム/データ記憶部4に書き込まれ記憶される。この手動演奏は、リアルタイムまたはワンステップの両方を含む。リアルタイム演奏では、キーボード11を操作した状態がそのままのタイミングで入力記録され、ワンステップ演奏では、1音1音ごとに音高または/及び音長が入力記録される。
上記演奏情報(楽音発生情報)MPは、音楽的ファクタ(因子)情報であり、音色情報、音高(音域)情報(音高決定因子)、発音時間情報(音長)、タッチ情報、演奏分野情報、エフェクト情報、リズム情報、音像(ステレオ)情報、クオンタイズ情報、変調情報、テンポ情報、ラウドネス(音量)情報、エンベロープ情報等である。これら演奏情報(楽音発生情報)MPは、上記各種スイッチより入力されるほか、上記演奏情報MPに合体され、上記インターフェイスで送受される演奏情報MPに合体される。
上記音高情報はキーナンバデータKNとして取り込まれる。このキーナンバデータKNはオクターブデータ(音域データ)と音名データとからなる。上記音色情報は、鍵盤楽器(ピアノ等)、管楽器(フルート等)、弦楽器(バイオリン等)、打楽器(ドラム等)の楽器(発音媒体/発音手段)の種類等に対応しており、トーンナンバデータTNとして取り込まれる。上記エンベロープ情報は、上述のエンベロープスピードES、エンベロープレベルEL、エンベロープタイムET、エンベロープフェーズEFなどである。
このような音楽的ファクタ情報は、コントローラ2へ送られ、後述の各種信号、データ、パラメータの切り換えが行われ、楽音の内容が決定される。上記演奏情報(楽音発生情報)MP及び楽音発生情報はコントローラ2で処理され、各種データが楽音信号発生部5へ送られ、楽音波形信号が発生される。コントローラ2はCPU、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、ROM及びRAMなどからなっている。
プログラム/データ記憶部4(内部記憶媒体/手段)または情報記憶部7には、演奏情報MPが記憶されている。この演奏情報MPに基づいて自動演奏が行われる。この演奏情報MPの中には発音開始タイミング情報とエンベロープ種類情報とが記憶されている。このエンベロープ種類情報に基づいて発音開始タイミング情報が変更制御される。
プログラム/データ記憶部4(内部記憶媒体/手段)はROMまたは書き込み可能なRAM、フラッシュメモリまたはEEPROM等の記憶装置からなり、光ディスクまたは磁気ディスク等の情報記憶部7(外部記憶媒体/手段)に記憶されるコンピュータのプログラムが書き写され記憶される(インストール/転送される)。またプログラム/データ記憶部4には外部の電子楽器またはコンピュータから上記ミディインターフェース15または送受信装置を介して送信されるプログラムも記憶される(インストール/転送される)。このプログラムの記憶媒体は通信媒体も含む。
このプログラムは、コントローラ(CPU)2が各種処理を行うための後述する各フローチャートに応じた楽音発生のためのプログラムである。このプログラム/データ記憶部4には、上述した音楽的ファクタ情報、上述した各種データ及びその他の各種データも記憶される。この各種データには時分割処理に必要なデータや時分割チャンネルへの割当のためデータ等も含まれる。
楽音信号発生部5では、各楽音ごとに楽音波形信号が繰り返し発生されサウンドシステム6から発音出力される。上記音高情報に応じて、この繰り返し発生される楽音波形信号の発生速度は変化される。また上記音色情報などの音楽的ファクタ情報に応じて、この繰り返し発生される楽音波形信号の波形形状は切り換えられる。この楽音信号発生部5は時分割処理によって複数の楽音信号が同時に生成されポリフォニックに発音される。
タイミング発生部3からは、楽音生成装置の全回路の同期を取るためのタイミングコントロール信号が各回路に出力される。このタイミングコントロール信号は、各周期のクロック信号のほか、これらのクロック信号を論理積または論理和した信号、時分割処理のチャンネル分割時間の周期を持つチャンネルクロック信号CHφ、この整数倍または整数分の1の周波数のクロック信号、チャンネルナンバデータCHNo、タイムカウントデータ(発音時間情報)などを含む。上記スキャン処理もこのクロック信号に基づいて所定周期ごとに実行される。
(2)演奏情報MP
図2は上記プログラム/データ記憶部4または情報記憶部7に記憶されている上記演奏情報MPの内容を示す。上記音楽的ファクタ情報のうち、音高(音域)情報(音高決定因子)(キーナンバデータKN)、発音時間情報(音長)(ゲートタイムデータGT、ステップタイムデータST)、タッチ情報(タッチデータTC)などによって、楽音発生情報が構成される。この楽音発生情報は、楽音そのものを発生させるのに必要な情報である。
また、音色情報(トーンナンバデータTN)、演奏分野情報(パートナンバデータPN)、エフェクト情報(エフェクトデータEF)、リズム情報、音像(ステレオ)情報、クオンタイズ情報、変調情報、テンポ情報(テンポデータTP、ビートデータBE)、ラウドネス(音量)情報、エンベロープ情報などによって、楽音制御情報が構成される。この楽音制御情報は、上記楽音発生情報によって発生された楽音の内容を制御するのに必要な情報である。
上記楽音発生情報に応じた音高及び音長で楽音が発音/消音され、上記楽音制御情報に応じて楽音の内容が制御される。この演奏情報MPは、読み出されて表示装置に表示情報として送られ楽譜として表示され、または楽音信号発生部5へ送られて再生されて発音される。この図2の演奏情報MPはメロディパートであるが、この他に伴奏パート、コードパート、ベースパート、バッキングパート、アルペジオパート、リズムパート等の他のパートのデータも同様の形式で記憶されている。
この演奏情報MPは、ディレクトリデータDRおよび再生条件データRCを含み、このデータDR、RCの後には複数曲の演奏情報MPが記憶されている。ディレクトリデータDRには、各曲の先頭アドレス及び末尾アドレス等からなっている。
メロディパートの演奏情報MPは、音符データ群と、この音符データ群の間に挿入されるバーマークデータBM、リターンマークデータRT等からなっている。音符データは、キーナンバデータKN、ゲートタイムデータGT、タッチデータTC、ステップタイムデータST等よりなっている。
キーナンバデータKNは、上述したように当該楽音(当該音符)の音高、つまり楽音情報を表し、上記キーボード11の各キーのナンバに対応している。ゲートタイムデータGTは、キーオンからキーオフまでの音長時間を示す。このゲートタイムデータGTは、曲の先頭または小節の先頭すなわちバーマークデータBMから当該楽音(当該音符)の消音またはコマンド実行までの時間を示してもよい。このゲートタイムデータGTは楽音の消音タイミングを示す。
ステップタイムデータSTは、曲の先頭または小節の先頭すなわちバーマークデータBMから当該楽音(当該音符)の発音開始またはコマンド実行までの時間を示す。このステップタイムデータSTは、発音タイミングつまり楽音の発生タイミングを示す。このステップタイムデータSTは、直前の楽音の消音タイミングまたは発音タイミングからの時間を示してもよい。
タッチデータTCは、キーオン/オフ(発音操作)の速さまたは強さ、つまり楽音の強さを示す。このタッチデータTCに応じて、楽音の音量または/及び周波数成分等の音色の制御が行われる。上記バーマークデータBMは、各小節の区切りを示し、次述するビートデータBEをしばしば含む。上記リターンマークデータRTは、曲の先頭へ戻ることを示す。
また、演奏情報MPの先頭には、演奏条件データPCが記憶されている。この演奏条件データPCは、ソングネームデータSN、テンポデータTP、ビートデータBE、トーンナンバデータTN等からなっている。ソングネームデータSNは演奏情報MPの曲名等の識別名を示す。テンポデータTP、ビートデータBEはこの演奏情報MPによる自動演奏のテンポ、拍子(何分の何拍子)を示す。テンポデータTPは、1拍当たりのクロック信号φのカウント数を示す。拍子(ビート)は、演奏データMPの1小節当たりの拍数(ビート数)を示す。通常の演奏では1分間に4分音符60乃至180ぐらいのテンポデータTP及びビートデータBEが設定される。
上記トーンナンバデータTNは、演奏情報MPによる自動演奏の音色を示す。このトーンナンバデータTNは、1つの曲の演奏情報MPの途中または末尾に記憶され、この場合には曲の途中または末尾で音色が変化する。また、1つの曲の演奏情報MPは、複数トラックに分けて記憶され、かつ各トラック毎の演奏情報MPの先頭・途中・末尾にトーンナンバデータTNが記憶されていても良く、この場合には、各トラック毎に音色が異なる。
上記エフェクトデータEFは、音楽的効果の情報を示し、ビブラート、グライド、グリッサンド、グロウル、ポルタメント、トレモロ、トリル、レガート、スラー、コーラス、リバーブ、エコーなどの楽音周波数(音高)に関する音楽的効果と、残響に関する音楽的効果などがある。
なお、ベースパートの演奏情報MPの場合には、図2中のキーナンバデータKNの代わりに、ベース音の音高に応じたキーナンバデータKNが記憶されている。また、コードパートの演奏情報MPの場合には、図2中のキーナンバデータKNの代わりに、コードタイプデータCT、コードルートデータCR及びコードデータCPが記憶される。
(3)パネルスイッチ群13
図3は上記パネルスイッチ群13を示す。このパネルスイッチ群13には、リワインド(REW)キー21、プレイ(PLAY)キー22、フォワード(FF)キー23、レコード(REC)キー24、ストップ(STOP)キー25及びリセット(RESET)キー26が設けられている。高速移動用の
リワインドキー21は演奏情報MPの指定アドレスの高速移動用にキーであって、このリワインドキー21によって、記憶された演奏情報MPのアドレス指定位置が、通常の演奏テンポより高速でまたは1小節ずつの高速で前に戻される。この時プレイキー22が同時にまたは予め押されていると、高速で逆再生が行われる。
フォワードキー23は演奏情報MPの指定アドレスの高速移動用にキーであって、このフォワードキー21によって、記憶された演奏情報MPのアドレス指定位置が、通常の演奏テンポより高速でまたは1小節ずつの高速で先に進められる。この時プレイキー22が同時にまたは予め押されていると、高速で再生が行われる。
プレイキー22によって、自動演奏の開始つまり演奏情報MPの読み出しが開始され、場合によって読み出し再生モード(「モード」は「状態」を含む。以下同じ)とされる。レコードキー24によって、演奏情報MPの書き込み及び記憶が開始され、書き込み記録モードとされる。
この演奏情報MPの書き込みはリアルタイムで書き込まれたり、またはワンステップずつ書き込まれたりする。ストップキー25によって、演奏情報MPの再生が停止されたり、または演奏情報MPの書き込みが停止されて、場合によって読み出し再生モードとされる。
リセットキー26は演奏情報MPの指定アドレスの高速移動と瞬時移動とを切り換えるキーであって、このリセットキー26によって、記憶された演奏情報MPの読み出し再生において、当該演奏情報MPの読み出し再生の停止が指示される。なお、後述する図9及び図10の別実施例では、リセットキー26単独で瞬時移動の機能も果たす。
このリセットキー26と上記リワインドキー21とが「同時操作」されたとき、つまり同時にまたは所定の時間差以内で連続操作されたときには、演奏情報MPの指定アドレスが瞬時に先頭にされ、当該先頭のトーンナンバデータTNやエフェクトデータEFなどの楽音制御情報が読み出され、当該先頭から演奏情報MPが再生可能とされる。
このリセットキー26と上記フォワードキー23とが「同時操作」されたとき、つまり同時にまたは所定の時間差以内で連続操作されたときには、演奏情報MPの指定アドレスが瞬時に末尾にされ、当該末尾のトーンナンバデータTNやエフェクトデータEFなどの楽音制御情報が読み出され、当該末尾から演奏情報MPが記録可能とされる。
なお、別実施例では、リセットキー26によって、記憶された演奏情報MPの読み出し再生のとき、当該演奏情報MPの読み出し再生の停止が指示され、演奏情報MPの指定アドレスが先頭にされ、当該先頭から演奏情報MPが再生可能とされる。
また、上記別実施例では、リセットキー26によって、記憶された演奏情報MPの書き込み記録のとき、当該書き込み記録の停止が指示され、記憶された演奏情報MPの指定アドレスが先頭にされ、当該先頭から演奏情報MPが再生される。この演奏情報MPの先頭は、演奏情報MPが複数の曲からなるときは、再生または記録されていた曲の先頭となる。
上記別実施例では、上記リセットキー26とともにフォワードキー23が「同時操作」されたとき、つまり同時にまたは所定の時間差以内で連続操作されたとき、上記演奏情報MPの書き込み記録のとき、当該演奏情報MPの書き込みが停止され、上記記憶された演奏情報MPの先頭からの読み出し及び再生の開始が行われず、演奏情報MPの指定アドレスが当該書き込まれた演奏情報MPの末尾とされ、当該演奏情報MPの末尾へ続けて演奏情報MPが書き込み可能とされる。
上記別実施例では、上記リセットキー26とともにフォワードキー23が「同時操作」されたとき、つまり同時にまたは所定の時間差以内で連続操作されたとき、上記演奏情報MPの読み出し再生のとき、当該演奏情報MPの読み出しが停止され、上記記憶された演奏情報MPの先頭からの読み出し及び再生の開始が行われず、演奏情報MPの指定アドレスが当該読み出されていた演奏情報MPの末尾とされる。なお、この場合、モードが読み出し再生から書き込み記録に切り換えられて、当該演奏情報MPの末尾へ続けて演奏情報MPが書き込み可能とされてもよい。
このパネルスイッチ群1には、他に図示しないがロードキー、セーブキー、パワーキー等も設けられている。ロードキーによって、フレキシブルディスク等の外部の情報記憶部7の演奏情報MPが、RAM等の内部のプログラム/データ記憶部4へロードされる。セーブキーによって、内部のプログラム/データ記憶部4RAM6の演奏情報MPが、外部の情報記憶部7へセーブされる。このほか、パネルスイッチ群1には、テンポ設定のためのキー群、選曲のためのキー群等も設けられている。
(4)レジスタ群30(4)
図4は、プログラム/データ記憶部4内または情報記憶部7内のRAM内のレジスタ群30を示す。このレジスタ群30内には、スイッチキーレジスタ31、モードフラグレジスタ32、演奏情報アドレスレジスタ33、先頭アドレスレジスタ34、末尾アドレスレジスタ35、トーンナンバレジスタ36、エフェクトレジスタ37、テンポレジスタ38、ビートレジスタ39、演奏タイムカウンタ40、演奏テンポカウンタ41、演奏ビートカウンタ42などが設けられている。
スイッチキーレジスタ31は、上記パネルスイッチ群13の各スイッチ及びキーボード11の各キーのオン「1」/オフ「0」データが上述のスキャンによって書き込まれ記憶される。
モードフラグレジスタ32には、上述の書き込み記録の状態/モード、読み出し再生の状態/モードなどの各モード/状態が記憶される。このモードデータは1ビットデータであって、書き込み記録モード(「1」)と読み出し再生モード(「0」)は択一的であっていずれかが選択される。しかし、上記別実施例では、モードデータは2ビットデータであって、書き込み記録モードの設定(「1」)と解除(「0」)、読み出し再生モードの設定(「1」)と解除(「0」)とが選択される。
演奏情報アドレスレジスタ33は、プログラム/データ記憶部4内の演奏情報MPの書き込みまたは読み出しの指定アドレスが記憶される。このアドレスは、演奏情報MPの拍ごと及び小節ごとにも対応するように区切られており、上記タイミング発生部3からのクロック信号または上記タイムカウントデータ(発音時間情報)に基づいて、所定周期ごとにインクリメントされる。上記演奏情報アドレスレジスタ33は、後述する演奏タイムカウンタ40、演奏テンポカウンタ41、演奏ビートカウンタ42に別れている。
上記先頭アドレスレジスタ34には、プログラム/データ記憶部4内の演奏情報MPが書き込まれる曲または読み出される曲の先頭アドレスデータが記憶される。上記末尾アドレスレジスタ35には、プログラム/データ記憶部4内の演奏情報MPが書き込まれた曲または読み出される曲の末尾アドレスデータが記憶される。
この先頭アドレスデータは、書き込み可能な空きエリアの先頭アドレスとして記憶されており、演奏の書き込み記録モードが指定されると、この記憶されていた先頭アドレスデータが読み出され、先頭アドレスレジスタ34及び末尾アドレスレジスタ35に書き込まれる。
新たな曲の演奏情報MPの書き込みの最中では、当該先頭アドレスは更新されず、この書き込まれていく演奏情報MPの書き込みアドレスが上記末尾アドレスデータとされ更新されていく。書き込みが完了すると、この書き込みが完了した曲の演奏情報MPの先頭アドレスデータと末尾アドレスデータとは、曲ごとに当該曲に対応して上記ディレクトリデータDRとして記憶される。
新たな曲の演奏情報MPの書き込みが完了する度に、この書き込まれた演奏情報MPの末尾+1が新たな先頭アドレスとされる。また、特定の曲の演奏情報MPの再生が指定されたときには、上記ディレクトリデータDRに基づいて、当該曲の先頭アドレスデータが先頭アドレスレジスタ33にストアされ、当該曲の末尾アドレスデータが末尾アドレスレジスタ35にストアされる。
上記トーンナンバレジスタ36には、上記演奏情報MPから読み出されたトーンナンバデータTNがストアされたり、パネルスイッチ群13で設定/入力されたトーンナンバデータTNがストアされる。
上記エフェクトレジスタ37には、上記演奏情報MPから読み出されたエフェクトデータEFがストアされたり、パネルスイッチ群13で設定/入力されたエフェクトデータEFがストアされる。
これらレジスタ36、37にストアされた、トーンナンバデータTN及びエフェクトデータEFは、上記楽音信号発生部5内のアサインメントメモリ(図示せず)に送られ、このトーンナンバデータTNに応じた音色で、エフェクトデータEFに応じた音楽的効果の付加された楽音が発生出力され、楽音の内容が制御される。
なお、上記演奏情報MP内のキーナンバデータKN、タッチデータTC、ステップタイムデータST、ゲートタイムデータGTなども、上記楽音信号発生部5内のアサインメントメモリに送られ、これらのデータに応じた楽音が発生出力され、楽音そのものが発生される。
テンポレジスタ38及びビートレジスタ39には、上記演奏情報MP内のテンポデータTP及びビートデータBEがストアされる。演奏タイムカウンタ40は、上記タイミング発生部3からのクロック信号φによってインクリメント(+1)され、タイムカウントデータTMのカウントが行われる。このタイムカウントデータTMが1拍分のカウントデータに一致するとクリアされる。
上記テンポデータTPは、1拍(1ビート)当たりの上記クロック信号φのカウント値を示し、このテンポデータTPが小さいほどより速く1拍に到達し、テンポは速くなり、このテンポデータTPが大きいほどより遅く1拍に到達し、テンポは遅くなる。ビートデータBEは1小節当たりの拍数(ビート数)を示す。テンポデータTPは、1拍当たりのクロック信号φのカウント数を示す。拍子(ビート)は、演奏データMPの1小節当たりの拍数(ビート数)を示す。
なおここでいう「1拍」は、実際の楽典における1拍の数分の1拍乃至数十分の1拍に設定されているが、ここでは便宜上これを「1拍」とする。したがって、例えば、4拍子であれば、1小節当たりの拍数は「4」ではなく、「4×(数倍乃至数十倍)」となる。
演奏テンポカウンタ41は、上記演奏タイムカウンタ40のタイムカウントデータTMが上記1拍のテンポデータTPに一致すると、インクリメント(+1)され、ビートデータBEに一致するとクリアされて、自動演奏の現在の拍数を示す。演奏ビートカウンタ42は、この演奏テンポカウンタ41のカウント値が上記ビートデータBEに一致すると、インクリメント(+1)され、自動演奏が終了するとクリアされ、自動演奏の現在の小節数を示す。
これら演奏テンポカウンタ41及び演奏ビートカウンタ42によって、上記演奏情報MPの読み出しアドレスが決定される。そして、上記演奏情報アドレスレジスタ33は、これら演奏タイムカウンタ40、演奏テンポカウンタ41、演奏ビートカウンタ42から構成される。
上記テンポデータTPは、通常の演奏では1分間に4分音符60乃至180ぐらいで設定され、演奏情報MP内のテンポデータTPも1分間に4分音符60乃至180ぐらいに応じた値を持つ。1分間に4分音符180以上、240以上、300以上、360以上、420以上、480以上、540以上、600以上等の高速移動/高速演奏では、このテンポデータTPも、これに応じた値に変更される。また、1小節ごとのインクリメントの高速移動/高速演奏では、上記演奏ビートカウンタ42が1つずつインクリメント(+1)される。
(5)処理全体
図5はコントローラ(CPU)2によって実行される処理全体のフローチャートを示す。この処理全体は本楽音生成装置の電源オンによって開始され、電源オフまで繰り返し実行される。まず、プログラム/データ記憶部4の初期化など種々のイニシャライズ処理が行われ(ステップ01)、上記キーボード11での手動演奏のキーオン操作に基づき、発音処理が行われる(ステップ03)。
このステップ03の発音処理は、演奏情報MPの読み出し再生モードにおいて、プログラム/データ記憶部4からの自動演奏のキーオン情報が読み出されるときにも実行される。また、このステップ03の発音処理は、演奏情報MPの書き込み記録モードにおいて、プログラム/データ記憶部4に自動演奏のキーオン情報が書き込まれるときにも実行される。
この発音処理では、空きチャンネルがサーチされ、サーチされた空きチャンネルにオンイベントに係る楽音が割り当てられる。この楽音の内容は、上記キーボード11及びパネルスイッチ群13からの演奏情報MP(楽音発生情報)、楽音発生情報の音楽的ファクタに基づく。
この場合、サーチされた空きチャンネルのアサインメントメモリのエリアに「1」のオン/オフデータ、キーナンバデータ(周波数ナンバデータ)KN、エンベロープデータ、トーンナンバデータTN、タッチデータTCも書き込まれる。このアサインメントメモリに書き込まれたデータは、楽音信号発生部5へ送られ、対応する楽音波形データが読み出されるとともに、対応するエンベロープ波形データが発生され、サウンドシステム6で発音出力される。
次いで、上記キーボード11/パネルスイッチ群13での手動演奏のキーオフ操作に基づき、消音(減衰)処理が行われる(ステップ05)。この消音(減衰)処理では、オフイベント(キーオフイベント、消音イベント)に係る楽音が割り当てられているチャンネルがサーチされ、アサインメントメモリ内のオン/オフデータが「0」にされ、当該楽音が減衰され消音される。この場合、アサインメントメモリ内の「0」のオン/オフデータが楽音信号発生部5へ送られ、キーオフイベントに係る楽音のエンベロープフェーズがリリースとなり、エンベロープレベルが次第に「0」になる。
このステップ05の消音処理は、演奏情報MPの読み出し再生モードにおいて、プログラム/データ記憶部4からの自動演奏のキーオフ情報が読み出されるときにも実行される。また、このステップ05の消音処理は、演奏情報MPの書き込み記録モードにおいて、プログラム/データ記憶部4に自動演奏のキーオフ情報が書き込まれるときにも実行される。
さらに、上記パネルスイッチ群13の各種スイッチの操作があれば、このスイッチに対応する音楽的ファクタ情報が取り込まれ、プログラム/データ記憶部4に記憶され、音楽的ファクタ情報が変更される(ステップ06)。この後、その他の処理が実行され(ステップ07)、上記ステップ02からこのステップ07までの処理が繰り返される。
このステップ06の各種スイッチ処理では、上記リワインド(REW)キー21、プレイ(PLAY)キー22、フォワード(FF)キー23、レコード(REC)キー24、ストップ(STOP)キー25及びリセット(RESET)キー26の操作に応じた処理も実行される。
例えば、上記スイッチキーレジスタ31、モードフラグレジスタ32、演奏情報アドレスレジスタ32などの記憶データの書き換えが実行される。この演奏情報アドレスレジスタ32は、演奏情報MPの書き込み記録/読み出し再生においても、所定周期毎のインタラプト処理でもインクリメントされる。
(6)各種スイッチ処理(ステップ06)
図6は上記ステップ06の各種スイッチ処理のフローチャートを示す。スイッチキーレジスタ31の記憶内容に基づいて、プレイキー22が押されたことが判別されると(ステップ11)、モードフラグレジスタ32の記録モードがクリアされて再生モードがセットされる(ステップ12)。
次いで、プログラム/データ記憶部4に記憶された演奏情報MPが読み出されて再生される(ステップ13)。このステップ13の演奏情報MPの再生処理は、実際には上記ステップ03及び05の発音処理及び消音処理で実行され、上述したとおりである。
また、スイッチキーレジスタ31の記憶内容に基づいて、レコードキー24が押されたことが判別されると(ステップ15)、モードフラグレジスタ32の記録モードがセットされて再生モードがクリアされる(ステップ16)。
ついで、キーボード11から入力されたキーオン情報及びキーオフ情報に応じた演奏情報MPがプログラム/データ記憶部4に書き込まれる(ステップ17)。このステップ17の演奏情報MPの記録処理は、実際には上記ステップ03及び05の発音処理及び消音処理で実行され、上述した通りである。
さらに、スイッチキーレジスタ31の記憶内容に基づいて、高速移動用のフォワードキー23が押されたことが判別されると(ステップ21)、演奏情報アドレスレジスタ32の現在のアドレスデータが1小節分インクリメントされる(ステップ22)。フォワードキー23が押し続けられるとこのインクリメントは繰り返される。
このインクリメントは1小節分ずつ行われるから、通常の演奏テンポより高速でアドレス指定位置が高速で移動される。このインクリメントは、再生モードだけで行われるが、記録モードでも実行されてもよく、記録モードでも再生モードでも実行されてもよい。
また、スイッチキーレジスタ31の記憶内容に基づいて、高速移動用のリワインドキー21が押されたことが判別されると(ステップ23)、演奏情報アドレスレジスタ32の現在のアドレスデータが1小節分デクリメントされる(ステップ24)。リワインドキー21が押し続けられるとこのデクリメントは繰り返される。
このデクリメントは1小節分ずつ行われるから、通常の演奏テンポより高速でアドレス指定位置が高速で移動される。このデクリメントは、再生モードだけで行われるが、記録モードでも実行されてもよく、記録モードでも再生モードでも実行されてもよい。
さらに、スイッチキーレジスタ31の記憶内容に基づいて、ストップキー25が押されたことが判別されると(ステップ25)、後述するストップ処理が実行される(ステップ26)。また、スイッチキーレジスタ31の記憶内容に基づいて、リセットキー26が押されたことが判別されると(ステップ28)、後述するリセット処理が実行される(ステップ29)。
(7)リセット処理(ステップ29)
図7は、上記ステップ29のリセット処理のフローチャートを示す。スイッチキーレジスタ31の記憶内容に基づいて、上記切り換え用のリセットキー26とともに、高速移動用のフォワードキー23が同時に押されており(ステップ62)、モードフラグレジスタ32に再生モードがセットされていれば(ステップ61)、演奏情報アドレスレジスタ32の現在のアドレスデータが瞬時に末尾アドレスレジスタ35の末尾アドレスデータとされ(ステップ63)、演奏情報MPの末尾のトーンナンバデータTNがトーンナンバレジスタ36にストアされ、同じく末尾のエフェクトデータEFがエフェクトレジスタ37にストアされる(ステップ64)。
これにより、再生モードのとき切り換え用のリセットキー26と高速移動用のフォワードキー23とが同時に押されていれば、つまりフォワードキー23の操作にリセットキー26の操作が付加されれば、演奏情報MPの指定アドレスが当該記録中の演奏情報MPの末尾に瞬時に移動され、演奏情報MPの先頭にリセットされてしまうことがない。
この瞬時に移動されるとは、現在アドレスから末尾アドレスまでの途中のアドレスは指定されず、一足飛びに現在アドレスから末尾アドレスまでアドレスの指定位置を移動させることをいい、上記ステップ22または後述のステップ74の高速インクリメント処理よりは格段に速い移動を指す。
また、このとき演奏情報MPの末尾の楽音制御情報(音色、音楽的効果)に応じた演奏状態が設定される。ここでレコードキー24を操作すれば、上記楽音制御情報に応じた演奏状態で演奏情報MPの末尾に演奏情報MPを追加して書き込むことを直ちにできる。
さらに、スイッチキーレジスタ31の記憶内容に基づいて、上記切り換え用のリセットキー26とともに、高速移動用のリワインドキー21が同時に押されており(ステップ66)、モードフラグレジスタ32に再生モードがセットされていれば(ステップ61)、演奏情報アドレスレジスタ32の現在のアドレスデータが瞬時に先頭アドレスレジスタ34の先頭アドレスデータとされ(ステップ67)、演奏情報MPの先頭のトーンナンバデータTNがトーンナンバレジスタ36にストアされ、同じく先頭のエフェクトデータEFがエフェクトレジスタ37にストアされる(ステップ68)。
これにより、再生モードのとき切り換え用のリセットキー26と高速移動用のリワインドキー21とが同時に押されていれば、つまりリワインドキー21の操作にリセットキー26の操作が付加されれば、演奏情報MPの指定アドレスが当該再生中の演奏情報MPの先頭に末尾に移動され、演奏情報MPの末尾にリセットされてしまうことがない。
この瞬時に移動されるとは、現在アドレスから先頭アドレスまでの途中のアドレスは指定されず、一足飛びに現在アドレスから先頭アドレスまでアドレスの指定位置を移動させることをいい、上記ステップ24または後述のステップ84の高速デクリメント処理よりは格段に速い移動を指す。
また、このとき演奏情報MPの先頭の楽音制御情報(音色、音楽的効果)に応じた演奏状態が設定される。ここでプレイキー22を操作すれば、上記楽音制御情報に応じた演奏状態で演奏情報MPを先頭から再生することを直ちにできる。なお、これらステップ62〜64及びステップ66〜68の処理は、記録モードでも実行されてもよい。この場合、上記ステップ61の処理は省略される。
さらに、スイッチキーレジスタ31の記憶内容に基づいて、上記リセットキー26が押されず、フォワードキー23のみが押されており(ステップ71)、モードフラグレジスタ32に再生モードがセットされていて(ステップ72)、演奏情報アドレスレジスタ32の現在のアドレスデータが末尾アドレスレジスタ35の末尾アドレスデータより小さければ(ステップ73)、演奏情報アドレスレジスタ32の現在のアドレスデータが高速でインクリメントされる(ステップ74)。フォワードキー23が押し続けられるとこのインクリメントは繰り返される。
このインクリメントは例えば1分間に4分音符180以上、240以上、300以上、360以上、420以上、480以上、540以上、600以上というようにハイテンポで行われ、これに応じたテンポデータTP及びビートデータBEが設定されるから、通常の演奏テンポより高速でアドレス指定位置が高速で移動される。このインクリメントは、再生モードだけで行われるが、記録モードでも実行されてもよく、記録モードでも再生モードでも実行されてもよい。
この時、プレイキー22が押されていれば(ステップ75)、上記高速でインクリメントされる演奏情報アドレスレジスタ32のアドレスデータに応じた演奏情報MPが順次読み出されて、楽音信号発生部5のアサインメントメモリに((図示せず)書き込まれていく。これにより、通常の演奏テンポより速く高速で演奏情報MPが読み出されて再生されていく。
なお、このフォワードキー23の操作に基づくステップ72〜76の処理は、上記図6の各種スイッチ処理のステップ22の代わりに実行されてもよい。また、ステップ75及び76の処理は省略されて、高速再生は行われなくてもよい。これによりフォワードキー23の処理を分散させずに一括できる。
またさらに、スイッチキーレジスタ31の記憶内容に基づいて、上記リセットキー26が押されず、リワインドキー21のみが押されており(ステップ81)、モードフラグレジスタ32に再生モードがセットされていて(ステップ82)、演奏情報アドレスレジスタ32の現在のアドレスデータが先頭アドレスレジスタ34の先頭アドレスデータより大きければ(ステップ83)、演奏情報アドレスレジスタ32の現在のアドレスデータが高速でデクリメントされる(ステップ84)。リワインドキー21が押し続けられるとこのデクリメントは繰り返される。
このデクリメントは例えば1分間に4分音符180以上、240以上、300以上、360以上、420以上、480以上、540以上、600以上というようにハイテンポで行われ、これに応じたテンポデータTP及びビートデータBEが設定されるから、通常の演奏テンポより高速でアドレス指定位置が高速で移動される。このデクリメントは、再生モードだけで行われるが、記録モードでも実行されてもよく、記録モードでも再生モードでも実行されてもよい。
この時、プレイキー22が押されていれば(ステップ85)、上記高速でデクリメントされる演奏情報アドレスレジスタ32のアドレスデータに応じた演奏情報MPが順次読み出されて、楽音信号発生部5のアサインメントメモリに書き込まれていく。これにより、通常の演奏テンポより速く高速で演奏情報MPが読み出されて再生されていく。
なお、このリワインドキー21の操作に基づくステップ82〜86の処理は、上記図6の各種スイッチ処理のステップ24の代わりに実行されてもよい。これによりリワインドキー21の処理を分散させずに一括できる。また、ステップ85及び86の処理は省略されて、高速再生は行われなくてもよい。さらに、ステップ61〜86の処理はリセットキー26の操作によらず、ストップキー25の操作によって開始されてもよい。
(8)ストップ処理(ステップ26)
図8は、上記ステップ26のストップ処理のフローチャートを示す。スイッチキーレジスタ31の記憶内容に基づいて、上記ストップキー25が押されていると(ステップ25)、演奏情報アドレスレジスタ32のインクリメントが停止される(ステップ92)。
ここで、モードフラグレジスタ32に記録モードがセットされていると(ステップ93)、モードフラグレジスタ32の記録モードがクリアされて再生モードがセットされる(ステップ94)。なお、このステップ93及び94の記録モードのクリア処理は省略されてもよい。これにより、ストップキー25が操作されると、再生/記録が停止されるのみで、再生モード/記録モードの切換は行われなくなる。
(9)リセット処理(ステップ29)
図9及び図10は上記別実施例のフローチャートを示す。図9は上記ステップ29のリセット処理の別実施例のフローチャートを示す。スイッチキーレジスタ31の記憶内容に基づいて、上記瞬時移動用のリセットキー26とともに、高速移動用のフォワードキー23が同時に押されており(ステップ31)、モードフラグレジスタ32に記録モードがセットされていれば(ステップ32)、演奏情報アドレスレジスタ32の現在のアドレスデータが瞬時に末尾アドレスレジスタ35の末尾アドレスデータとされる(ステップ33)。
これにより、記録モードにおいて、瞬時移動用のリセットキー26が押されても、同時に高速移動用のフォワードキー23が押されていれば、演奏情報MPの指定アドレスが当該記録中の演奏情報MPの末尾のままとされ、演奏情報MPの先頭にリセットされてしまうことがない。また、同時に、記録モードが維持され、いま書き込んだ演奏情報MPの末尾に演奏情報MPを追加して書き込むことを直ちにできる。
ついで、キーボード11から入力されたキーオン情報及びキーオフ情報に応じた演奏情報MPがプログラム/データ記憶部4に書き込まれる(ステップ39)。このステップ39の演奏情報MPの記録処理は、実際には上記ステップ03及び05の発音処理及び消音処理で実行され、上述した通りである。
したがって、当該演奏情報MPの書き込み記録はリセットキー26の操作によって一時的に停止の指示がなされるが、演奏情報MPの書き込み記録のモード/状態は継続される。また、このステップ39の記憶処理は省略されてもよい。さらに、上記ステップ33の後に記録モードがクリアされて再生モードがセットされてもよい。
また、上記瞬時移動用のリセットキー26とともに、高速移動用のフォワードキー23が同時に押されており(ステップ31)、モードフラグレジスタ32の再生モードがセットされていれば(ステップ36)、演奏情報アドレスレジスタ32の現在のアドレスデータが瞬時に末尾アドレスレジスタ34の末尾アドレスデータとされる(ステップ37)。ついで、モードフラグレジスタ32の再生モードがクリアされて記録モードがセットされる(ステップ38)。
これにより、再生モードにおいて、瞬時移動用のリセットキー26が押されても、同時に高速移動用のフォワードキー23が押されていれば、演奏情報MPの指定アドレスが当該再生中の演奏情報MPの末尾とされ、演奏情報MPの先頭にリセットされてしまうことがない。また、同時に、再生モードが記録モードに切り換えられ、いま聞いた演奏情報MPの末尾に演奏情報MPを追加して書き込むことを直ちにできる。
このように、読み出し再生モード/状態において、上記リセットキー26及びフォワードキー23の操作によって読み出し再生の停止も指示され、この指示によって、上記記憶された演奏情報MPの先頭からの読み出し及び再生の開始が行われず、当該読み出し再生モード/状態が解除されて書き込み記録モード/状態が設定され、当該記憶された演奏情報MPの末尾への書き込みが可能となる。
ついで、キーボード11から入力されたキーオン情報及びキーオフ情報に応じた演奏情報MPがプログラム/データ記憶部4に書き込まれる(ステップ39)。このステップ39の演奏情報MPの記録処理は、実際には上記ステップ03及び05の発音処理及び消音処理で実行され、上述した通りである。したがって、当該演奏情報MPの読み出し再生はリセットキー26の操作によって一時的に停止の指示がなされるが、演奏情報MPの読み出し再生のモード/状態は継続される。なお、これらステップ38のモード切替処理または39の記録処理は省略されてもよい。
また、上記ステップ32、36、38、39の処理は省略されて、ステップ33とステップ37とが合体されてもよい。これにより、フォワードキー23が操作されたとき、演奏情報アドレスデータが末尾アドレスデータとされる処理のみが行われる。さらに、ステップ39の記録処理の前に上記ステップ64の楽音制御情報セット処理が実行されてもよい。
さらに、スイッチキーレジスタ31の記憶内容に基づいて、上記瞬時移動用のリセットキー26とともに、高速移動用のフォワードキー23が同時に押されておらず(ステップ31)、モードフラグレジスタ32に記録モードがセットされていれば(ステップ40)、演奏情報アドレスレジスタ32の現在のアドレスデータが瞬時に先頭アドレスレジスタ33の先頭アドレスデータとされる(ステップ41)。
ついで、モードフラグレジスタ32の記録モードがクリアされて再生モードがセットされ(ステップ42)、プログラム/データ記憶部4に記憶された演奏情報MPが読み出されて再生される(ステップ43)。このステップ43の演奏情報MPの再生処理は、実際には上記ステップ03及び05の発音処理及び消音処理で実行され、上述したとおりである。したがって、当該演奏情報MPの書き込み記録はリセットキー26の操作によって一時的に停止の指示がなされるが、演奏情報MPの書き込み記録のモード/状態は継続される。
これにより、記録モードにおいて、瞬時移動用のリセットキー26だけが押されると、演奏情報MPの指定アドレスが当該記録中の演奏情報MPの先頭とされ、記録モードが再生モードに切り換えられ、いま記録した演奏情報MPを先頭から直ちに聞くことができる。なお、これらステップ42のモード切替処理または43の再生処理は省略されてもよい。
また、スイッチキーレジスタ31の記憶内容に基づいて、上記瞬時移動用のリセットキー26とともに、高速移動用のフォワードキー23が同時に押されておらず(ステップ31)、モードフラグレジスタ32の再生モードがセットされていれば(ステップ46)、演奏情報アドレスレジスタ32の現在のアドレスデータが瞬時に先頭アドレスレジスタ33の先頭アドレスデータとされる(ステップ47)。
ついで、プログラム/データ記憶部4に記憶された演奏情報MPが読み出されて再生される(ステップ43)。このステップ43の演奏情報MPの再生処理は、実際には上記ステップ03及び05の発音処理及び消音処理で実行され、上述したとおりである。したがって、当該演奏情報MPの読み出し再生はリセットキー26の操作によって一時的に停止の指示がなされるが、演奏情報MPの読み出し再生のモード/状態は継続される。
これにより、再生モードにおいて、リセットキー26だけが押されると、演奏情報MPの指定アドレスが当該再生中の演奏情報MPの先頭とされ、再生モードが維持されて、今聞いた演奏情報MPを再度先頭から聞き直すことができる。なお、上記ステップ43の再生処理は省略されてもよい。さらに、上記ステップ47の後に再生モードがクリアされて記録モードがセットされてもよい。
また、上記ステップ40、46、42、43の処理は省略されて、ステップ41とステップ47とが合体されてもよい。これにより、リセットキー26またはリワインドキー21が操作されたとき、演奏情報アドレスデータが先頭アドレスデータとされる処理のみが行われる。さらに、ステップ43の再生処理の前に上記ステップ68の楽音制御情報セット処理が実行されてもよい。
このように、上記読み出し再生モード/状態において、上記リセットキー26の操作によって読み出し再生の停止も指示され、この指示によって、上記記憶された演奏情報MPが先頭から読み出されて再生が開始されることになる。なお、上記ステップ31とステップ40との間にリワインドキー21の操作の判別処理が実行されてもよい。この判別でイエスならステップ40に進み、ノーならリターンされる。
(10)ストップ処理(ステップ26)
図10は、上記ステップ26のストップ処理の別実施例のフローチャートを示す。スイッチキーレジスタ31の記憶内容に基づいて、上記ストップキー25が押されていると(ステップ25)、モードフラグレジスタ32の記録モードがセットされているとき(ステップ51)、演奏情報アドレスレジスタ32のインクリメントが停止され(ステップ52)、モードフラグレジスタ32の記録モードがクリアされ、記録処理が停止される(ステップ53)。
また、スイッチキーレジスタ31の記憶内容に基づいて、上記ストップキー25が押されていると(ステップ27)、モードフラグレジスタ32の記録モードがセットされているとき(ステップ55)、演奏情報アドレスレジスタ32のインクリメントが停止され(ステップ56)、モードフラグレジスタ32の再生モードがクリアされ、再生処理が停止される(ステップ57)。
なお、ステップ52及び56の処理は合体されて、ステップ25とステップ51との間で実行されてもよい。この場合、ステップ55及び57の再生モードクリア処理が省略されてもよいし、またはステップ52及び53の記録モードクリア処理が省略されてもよい。また、ステップ57または53のモード切替処理は省略されてもよい。
(11)他の実施の形態
本発明は、上記実施例に限定されず、種々変更可能である。例えば、図7及び図9の処理を行うのは、リセットキー26、フォワードキー23またはリワインドキー21に基づかず、ストップキー25やその他のキーの操作に基づいて実行されてもよい。
また、上記瞬時移動のためのリセットキー26の操作は、所定のキー操作、例えばモード切り換えキーの操作で代用されてもよい。この場合、図7のステップ28の処理では、当該モード切り換えキーの操作が判別される。
さらに、フォワードキー23が2回以上連続して操作されたとき、ステップ74または22の演奏情報MPの指定アドレスの高速移動、リワインドキー21が2回以上連続して操作されたとき、ステップ84または24の演奏情報MPの指定アドレスの高速移動が実行されてもよい。
この場合、ステップ71及び21のフォワードキー23操作の判別の後、フラグが立っていなければフラグが立てられ、またステップ81及び23のリワインドキー21の操作の判別の後、フラグが立っていなければフラグが立てられ、上記ステップ28では、リセットキー26の操作の判別の代わりに、当該フラグが立っているかどうかが判別される。
また、図7のステップ63、64、67、68の瞬時移動処理、図9のステップ32乃至39の瞬時移動処理は、リセットキー26以外のキー例えばストップキー21と、フォワードキー23またはリワインドキー21との「同時操作」または「連続操作」によって実行されても良いし、さらには、リセットキー26、フォワードキー23及びリワインドキー21以外のキーの「同時操作」または「連続操作」によって実行されても良い。これにより、他のキーでも曲の先頭または末尾への瞬時移動が可能となる。この場合、図7のステップ28、62、66及び図9のステップ28、31、40、46では、これらのキー操作が判別される。
さらに、図7のステップ63、64、67、68の瞬時移動処理、図9のステップ32乃至39の瞬時移動処理は、他の単一の独立したキー操作によって実行されても良い。これにより、「同時操作」または「連続操作」によらなくても、曲の先頭または末尾への瞬時移動が可能となる。
この場合、図7及び図9のステップ28の処理は省略され、ステップ62、66及び図9のステップ31、40、46では、この単独独立キーの操作が判別される。そして、図7の図7のステップ74、84の高速移動処理、図6のステップ22または24の高速移動処理が、複数のキーの「同時操作」または「連続操作」若しくは当該単独独立キーと他のキーとの「同時操作」または「連続操作」によって実行される。
また、図7のステップ74、84の高速移動処理、図6のステップ22または24の高速移動処理は、フォワードキー23またはリワインドキー21以外のキーの操作によって実行されても良いし、さらには、フォワードキー23及びリワインドキー21と他のキーとの「同時操作」または「連続操作」によって実行されても良い。これにより、他のキーでも曲の先頭または末尾への高速移動が可能となる。
さらに、演奏情報MPの曲の先頭または末尾に瞬時に移動するのは、上述の複数のキーの「同時操作」または「連続操作」だけでなく、専用の操作キーを独立に設けて、実行されるようにしてもよい。この場合、図7及び図9のステップ28の処理は省略され、ステップ62、66及び図9のステップ31、40、46では、この単独独立キーの操作が判別される。
また、「同時操作」は、2つ以上のキーが上述のようにほぼ同時に操作されたとき以外に、2つ以上のキーが所定の時間差以内で連続操作されたときに行われてもよい。「連続操作」とは2つ以上のキーが所定の短い時間以内で連続的に操作されることをいう。
この場合、所定の時間差ごとにパネルスイッチ群13のスキャン処理が実行され、前回のスキャン処理でオンと判別されたキーと今回のスキャン処理でオンと判別されたキーとが「同時操作」として判断される。この場合、2つ以上のキー、例えばリセットキー26とフォワードキー23とのいずれが先に押されても、「同時操作」として判断される。
さらに、書き込まれた演奏情報MPの末尾を指定するのに必要な操作子の数はリセットキー26とフォワードキー23の2つであり、書き込まれた演奏情報MPの先頭を指定するのに必要な操作子の数はリセットキー26の1つであり、前者より後者の方が少ない。なお、図7の例では両者の操作キーの数は同じである。
また、図9のステップ40〜47の処理はリセットキー26以外のキーで実行されたり、リセットキー26及びプレイキー22の「同時操作」または「連続操作」によって実行されても良い。これにより、他のキーでも曲の先頭への瞬時移動が可能となる。
さらに、上記図7のステップ62及び66でいずれもノーで、リセットキー26のみが操作されたとき、図9のステップ40乃至47の一部または全部の処理が実行されても良い。これにより、リセットキー26の操作だけで、曲の先頭への瞬時移動等ができる。さらにまた、図7のステップ61、72、82の再生モード判別処理は省略できる。これにより、記録モードでも、曲の先頭または末尾に高速移動または瞬時移動できる。
(12)他の発明の効果
[1]書き込まれた演奏情報を記憶する手段と、 この書き込まれた演奏情報から楽音発生情報及び楽音制御情報を読み出す手段と、 この読み出された楽音発生情報及び楽音制御情報に基づいて、当該楽音発生情報に応じた音高及び音長で当該楽音制御情報に応じた制御がされた楽音を出力する手段と、 上記演奏情報のアドレス指定位置を通常の演奏テンポより高速で移動させるとともに、上記演奏情報のアドレス指定位置を先頭または末尾に瞬時に移動させ、これら高速移動と瞬時移動とを、所定の操作で切り換える移動手段とを備えたことを特徴とする演奏装置。
これにより、アドレスが演奏情報のどの位置を指定していても、演奏曲の先頭ばかりでなく、演奏曲の末尾にも瞬時に移動できる。また、移動手段を高速移動と瞬時移動との両方の手段としても兼用できる。しかも、この高速移動と瞬時移動とは同時に処理できない機能であり、このような両立しない機能を1つに手段で兼用できる。この結果、これら先頭及び末尾の情報を再生/再現できるばかりでなく、これら先頭または末尾で演奏情報を追加記録できるようにもなる。さらに、離れたアドレスに記憶されている等の別々の複数の曲をつないで連結して読み出し再生する場合、瞬時に次の曲に移動することができる。
[2]上記移動手段における上記切り換え操作は、当該移動手段の操作に対して別の操作手段の操作を付加するものである、または当該別の操作手段の操作に対して上記移動手段の操作を付加するものである請求項1記載の演奏装置。これにより、1つの移動手段によって、両立できない複数の処理を行わせることができ、より少ない操作子でより多くの処理を実行させることができる。
[3]上記移動手段における上記切り換え操作は、上記移動手段に加えて別の操作手段がほぼ同時に操作されたとき、または上記移動手段と当該別の操作手段とが所定の時間差以内で連続操作されたときに行われる請求項1または2記載の演奏装置。これにより、1つの移動手段によって、両立できない複数の処理を行わせることができ、より少ない操作子でより多くの処理を実行させることができる。
[4]上記移動手段における上記切り換え操作は、上記移動手段に続いて別の操作手段が操作されたとき、または上記移動手段の操作に続いて当該別の操作手段が連続操作されたときに行われる請求項1または2記載の演奏装置。これにより、1つの移動手段によって、両立できない複数の処理を行わせることができ、より少ない操作子でより多くの処理を実行させることができる。
[5]上記移動手段における上記切り換え操作は、上記移動手段の操作の前に行われる所定の操作例えばモード切り換え操作である、または当該移動手段が複数回連続して操作されることである請求項1または2記載の演奏装置。これにより、1つの移動手段によって、両立できない複数の処理を行わせることができ、より少ない操作子でより多くの処理を実行させることができる。
[6]上記演奏情報のアドレス指定位置が瞬時に先頭または末尾に移動されたとき、この先頭または末尾における上記楽音制御情報を取り込んで、当該楽音制御情報に応じた制御がされた楽音を発生可能とする請求項1、2、3、4または5記載の演奏装置。これにより、末尾または先頭の楽音制御情報に応じた演奏状態で、演奏情報の追加書き込みまたは読み出し再生を直ちにできる。
[7]上記楽音制御情報は、楽音の音色情報、音楽的効果情報であり、上記楽音発生情報は楽音の音高、音長、発生タイミングまたは消音タイミング、タッチ情報である請求項1、2、3、4、5または6記載の演奏装置。これにより、末尾または先頭の音色情報または音楽的効果情報に応じた演奏状態で、演奏情報の追加書き込みまたは読み出し再生を直ちにできる。
[8]書き込まれた演奏情報を記憶する手段につき、 この書き込まれた演奏情報から楽音発生情報及び楽音制御情報を読み出しさせ、 この読み出された楽音発生情報及び楽音制御情報に基づいて、当該楽音発生情報に応じた音高及び符長で当該楽音制御情報に応じた制御がされた楽音を出力させ、 上記演奏情報のアドレス指定位置を通常の演奏テンポより高速で移動させるとともに、上記演奏情報のアドレス指定位置を先頭または末尾に瞬時に移動させ、これら高速移動と瞬時移動とを、所定の操作で切り換えさせることを特徴とする演奏方法。
[9]書き込まれた演奏情報を記憶する手段につき、 この書き込まれた演奏情報から楽音発生情報及び楽音制御情報を読み出しさせる処理と、 この読み出された楽音発生情報及び楽音制御情報に基づいて、当該楽音発生情報に応じた音高及び符長で当該楽音制御情報に応じた制御がされた楽音を出力させる処理と、 上記演奏情報のアドレス指定位置を通常の演奏テンポより高速で移動させるとともに、上記演奏情報のアドレス指定位置を先頭または末尾に瞬時に移動させ、これら高速移動と瞬時移動とを、所定の操作で切り換えさせる処理とをコンピュータに実行させること特徴とする演奏のためのコンピュータプログラム。
[11]書き込まれた演奏情報を記憶する手段と、 この書き込まれた演奏情報から楽音発生情報及び楽音制御情報を読み出す手段と、 この読み出された楽音発生情報及び楽音制御情報に基づいて、当該楽音発生情報に応じた音高及び音長で当該楽音制御情報に応じた制御がされた楽音を出力する手段と、 上記演奏情報のアドレス指定位置を通常の演奏テンポより高速で移動させる第1の移動手段と、上記演奏情報のアドレス指定位置を末尾または先頭に瞬時に移動させる第2の移動手段とを備えたことを特徴とする演奏装置。
これにより、アドレスが演奏情報のどの位置を指定していても、演奏曲の先頭ばかりでなく、演奏曲の末尾にも瞬時に移動できる。また、移動手段を高速移動と瞬時移動との両方の手段としても兼用できる。しかも、この高速移動と瞬時移動とは同時に処理できない機能であり、このような両立しない機能を1つに手段で兼用できる。この結果、これら先頭及び末尾の情報を再生/再現できるばかりでなく、これら先頭または末尾で演奏情報を追加記録できるようにもなる。さらに、離れたアドレスに記憶されている等の別々の複数の曲をつないで連結して読み出し再生する場合、瞬時に次の曲に移動することができる。
[12]上記演奏情報のアドレス指定位置が瞬時に先頭または末尾に移動されたとき、この先頭または末尾における上記楽音制御情報を取り込んで、当該楽音制御情報に応じた制御がされた楽音を発生可能とする請求項11記載の演奏装置。これにより、末尾または先頭の楽音制御情報に応じた演奏状態で、演奏情報の追加書き込みまたは読み出し再生を直ちにできる。
[13]上記楽音制御情報は、楽音の音色情報、音楽的効果情報であり、上記楽音発生情報は楽音の音高、音長、発生タイミングまたは消音タイミング、タッチ情報である請求項11または12記載の演奏装置。これにより、末尾または先頭の音色情報または音楽的効果情報に応じた演奏状態で、演奏情報の追加書き込みまたは読み出し再生を直ちにできる。
[21]書き込まれた演奏情報を記憶する手段と、 この書き込まれた演奏情報から楽音発生情報及び楽音制御情報を読み出す手段と、 この読み出された楽音発生情報及び楽音制御情報に基づいて、当該楽音発生情報に応じた音高及び音長で当該楽音制御情報に応じた制御がされた楽音を出力する手段と、 上記演奏情報のアドレス指定位置を通常の演奏テンポより高速で移動させる高速移動手段と、 この高速移動手段の操作に対して、所定の操作を付加することにより、上記演奏情報のアドレス指定位置を瞬時に先頭または末尾に移動させる瞬時移動手段とを備えたことを特徴とする演奏装置。
これにより、アドレスが演奏情報のどの位置を指定していても、演奏曲の先頭ばかりでなく、演奏曲の末尾にも瞬時に移動できる。また、高速移動手段を瞬時移動手段としても兼用できる。しかも、この高速移動と瞬時移動とは同時に処理できない機能であり、このような両立しない機能を1つに手段で兼用できる。この結果、これら先頭及び末尾の情報を再生/再現できるばかりでなく、これら先頭または末尾で演奏情報を追加記録できるようにもなる。さらに、離れたアドレスに記憶されている等の別々の複数の曲をつないで連結して読み出し再生する場合、瞬時に次の曲に移動することができる。
[22]上記瞬時移動手段によって上記演奏情報のアドレス指定位置が瞬時に先頭または末尾に移動されたとき、この先頭または末尾における上記楽音制御情報を取り込んで、当該楽音制御情報に応じた制御がされた楽音を発生可能とする請求項21記載の演奏装置。これにより、末尾または先頭の楽音制御情報に応じた演奏状態で、演奏情報の追加書き込みまたは読み出し再生を直ちにできる。
[23]上記楽音制御情報は、楽音の音色情報、音楽的効果情報であり、上記楽音発生情報は楽音の音高、音長、発生タイミングまたは消音タイミング、タッチ情報である請求項21または22記載の演奏装置。これにより、末尾または先頭の音色情報または音楽的効果情報に応じた演奏状態で、演奏情報の追加書き込みまたは読み出し再生を直ちにできる。
[24]上記演奏情報のアドレス指定位置を瞬時に先頭または末尾に移動させることは、高速移動手段に加えて別の手段または停止を指示する停止指示手段がほぼ同時に操作されたとき、または高速移動手段と当該別の手段または当該停止指示手段とが所定の時間差以内で連続操作されたときに行われる請求項21、22または23記載の演奏装置。これにより、別の手段または停止指示手段だけを操作したときには、さらに別の処理を行わせることができ、より少ない操作子でより多くの処理を実行させることができる。
[25]上記演奏情報のアドレス指定位置を瞬時に先頭または末尾に移動させることは、高速移動手段に続いて別の手段または停止を指示する停止指示手段が操作されたとき、または高速移動手段の操作に続いて当該別の手段または当該停止指示手段が連続操作されたときに行われる請求項21、22、23または24記載の演奏装置。これにより、別の手段または停止指示手段だけを操作したときには、さらに別の処理を行わせることができ、より少ない操作子でより多くの処理を実行させることができる。
[26]書き込まれた演奏情報を記憶する手段につき、 この書き込まれた演奏情報から楽音発生情報及び楽音制御情報を読み出しさせ、 この読み出された楽音発生情報及び楽音制御情報に基づいて、当該楽音発生情報に応じた音高及び符長で当該楽音制御情報に応じた制御がされた楽音を出力させ、 上記演奏情報のアドレス指定位置を通常の演奏テンポより高速で移動させる高速移動手段につき、 この高速移動手段の操作に対して、所定の操作を付加することにより、上記演奏情報のアドレス指定位置を瞬時に先頭または末尾に移動させること特徴とする演奏方法。
[27]書き込まれた演奏情報を記憶する手段につき、 この書き込まれた演奏情報から楽音発生情報及び楽音制御情報を読み出しさせる処理と、 この読み出された楽音発生情報及び楽音制御情報に基づいて、当該楽音発生情報に応じた音高及び符長で当該楽音制御情報に応じた制御がされた楽音を出力させる処理と、 上記演奏情報のアドレス指定位置を通常の演奏テンポより高速で移動させる高速移動手段につき、 この高速移動手段の操作に対して、所定の操作を付加することにより、上記演奏情報のアドレス指定位置を瞬時に先頭または末尾に移動させる処理とをコンピュータに実行させること特徴とする演奏のためのコンピュータプログラム。
[31]書き込まれた演奏情報を記憶する手段と、 この書き込みの状態において、第1の操作子の操作によって書き込みの停止が指示されると、当該書き込み状態を解除して読み出し状態を設定し、上記記憶された演奏情報を先頭から読み出して再生を開始する手段と、 上記書き込みの状態において、第2の操作子の操作によって書き込みの停止が指示されると、上記記憶された演奏情報の先頭からの読み出し及び再生の開始を行わず、当該書き込み状態を維持して、当該記憶された演奏情報の末尾への書き込みを可能とする手段とを備えたことを特徴とする演奏装置。
これにより、演奏情報の書き込みを停止させたとき、今書き込んだ演奏情報を先頭から再生させて聞くことができる。また、このとき、この再生を取りやめて、書き込んだ演奏情報の末尾に演奏情報を追加して書き込むこともできる。さらに、離れたアドレスに記憶されている等の別々の複数の曲をつないで連結して読み出し再生する場合、瞬時に次の曲に移動することができる。
[32]上記記憶された演奏情報の末尾への書き込みを可能とすることは、第2の操作子に加えて第1の操作子がほぼ同時に操作されたとき、または第2の操作子と第1の操作子とが所定の時間差以内で連続操作されたときに行われる請求項31記載の演奏装置。これにより、第2の操作子だけを操作したときには、さらに別の処理を行わせることができ、より少ない操作子でより多くの処理を実行させることができる。
[33]上記記憶された演奏情報の末尾への書き込みを可能とすることは、第2の操作子の操作に続いて第1の操作子が連続操作されたとき、または第1の操作子の操作に続いて第2の操作子が連続操作されたときに行われる請求項31または32記載の演奏装置。これにより、第2の操作子だけを操作したときには、さらに別の処理を行わせることができ、より少ない操作子でより多くの処理を実行させることができる。
[34]書き込まれた演奏情報の末尾を指定するのに必要な操作子の数より、書き込まれた演奏情報の先頭を指定するのに必要な操作子の数の方が少ない請求項31、32または33記載の演奏装置。演奏情報の先頭を指定する方が、演奏情報の末尾を指定するより、操作が容易となる。
[35]上記読み出し状態において、上記第1の操作子の操作によって読み出しの停止も指示され、この指示によって、上記記憶された演奏情報が先頭から読み出されて再生が開始され、 上記読み出し状態において、上記第2の操作子の操作によって読み出しの停止も指示され、この指示によって、上記記憶された演奏情報の先頭からの読み出し及び再生の開始が行われず、当該読み出し状態が解除されて書き込み状態が設定され、当該記憶された演奏情報の末尾への書き込みが可能とされる請求項31、32、33または34記載の演奏装置。
これにより、書き込み状態だけでなく、読み出し状態でも、演奏情報の先頭の指定と末尾の指定とを選択することができる。また、曲を聴いている途中で、即座に曲の末尾に飛んで演奏情報の末尾に演奏情報を追加して書き込みすることができる。さらに、第1の操作子と第2の操作子とを、書き込み状態だけでなく、読み出し状態でも活用できる。
[36]上記演奏情報が読み出され再生されているときまたは上記演奏情報が書き込まれているとき、上記第2の操作子が単独で操作されたとき、上記演奏情報の読み出し指定位置または書き込み指定位置が末尾に向かって少しずつ移動する請求項31、32、33、34または35記載の演奏装置。これにより、第2の操作子だけを操作したときには、さらに別の処理を行わせることができ、より少ない操作子でより多くの処理を実行させることができる。
[37]上記演奏情報が読み出され再生されているときまたは上記演奏情報が書き込まれているとき、上記第1の操作子が単独で操作されたとき、上記演奏情報の読み出し指定位置または書き込み指定位置が先頭にまで移動する請求項31、32、33、34、35または36記載の演奏装置。これにより、第1の操作子だけを操作したときには、さらに別の処理を行わせることができ、より少ない操作子でより多くの処理を実行させることができる。
[38]書き込まれた演奏情報を記憶する手段につき、 この書き込みにおいて、第1の操作子の操作によって書き込みの停止が指示されると、当該書き込み状態を解除して読み出し状態を設定し、上記記憶された演奏情報を先頭から読み出して再生を開始させ、 上記書き込みにおいて、第2の操作子の操作によって書き込みの停止が指示されると、上記記憶された演奏情報の先頭からの読み出し及び再生の開始を行わず、当該書き込み状態を維持して、当該記憶された演奏情報の末尾への書き込みを可能とさせることを特徴とする演奏方法。
[39]書き込まれた演奏情報を記憶する手段につき、 この書き込みにおいて、第1の操作子の操作によって書き込みの停止が指示されると、当該書き込み状態を解除して読み出し状態を設定し、上記記憶された演奏情報を先頭から読み出して再生を開始させる処理と、 上記書き込みにおいて、第2の操作子の操作によって書き込みの停止が指示されると、上記記憶された演奏情報の先頭からの読み出し及び再生の開始を行わず、当該書き込み状態を維持して、当該記憶された演奏情報の末尾への書き込みを可能とさせる処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする演奏のためのコンピュータプログラム。
本発明の目的は、このような演奏装置において、アドレスが演奏情報のどの位置を指定していても、演奏曲の先頭ばかりでなく、演奏曲の末尾にも瞬時に移動でき、これら先頭及び末尾の情報を再生/再現できるばかりでなく、これら先頭または末尾で演奏情報を追加記録できることにある。
上記目的を達成するために、本発明は、演奏情報のアドレス指定位置を通常の演奏テンポより高速で移動させるとともに、演奏情報のアドレス指定位置を先頭または末尾に瞬時に移動させ、これら高速移動と瞬時移動とを、所定の操作で切り換えるようにした。
アドレスが演奏情報のどの位置を指定していても、演奏曲の先頭ばかりでなく、演奏曲の末尾にも瞬時に移動できる。また、移動手段を高速移動手段としても瞬時移動手段としても兼用できる。しかも、この高速移動と瞬時移動とは同時に処理できない機能であり、このような両立しない機能を1つに手段で兼用できる。この結果、これら先頭及び末尾の情報を再生/再現できるばかりでなく、これら先頭または末尾で演奏情報を追加記録できる。さらに、離れたアドレスに記憶されている等の別々の複数の曲をつないで連結して読み出し再生する場合、瞬時に次の曲に移動することができる。