JP5568866B2 - 楽音信号生成装置 - Google Patents

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この発明は、単音発音パートの楽音信号を生成する、電子楽器等の楽音信号生成装置に関する。
従来から、キーボード、電子オルガン、シンセサイザを始めとする電子鍵盤楽器において、複数の鍵が同時に押鍵された場合でも、最高音や最終押鍵等の基準で選んだ1つの鍵と対応する音のみを発音させる、単音発音を行えるようにすることが知られている。
そして、この単音発音は、例えばMIDI(Musical Instruments Digital Interface:登録商標)規格の演奏データを用いる場合、ノートオンイベントやノートオフイベントの検出に応じて鍵の押鍵状態やその履歴を記憶しておき、押鍵状態が変化する度に、その時点での押鍵状態に基づき上記の基準に従って発音させる音を選択することにより実現できる。例えば、最高音を基準に選択する場合、ある鍵が押鍵された後、離鍵される前により高音の鍵が押鍵された場合に、離鍵前でも発音中の音を停止させ、新たに押鍵された鍵に係る音の発音に移行する等である。
このような単音発音については、例えば特許文献1に記載されている。
また、同じく電子鍵盤楽器において、検出した押鍵操作がレガート奏法に係るものか否かを判定し、レガート奏法の場合に、レガート用の音色の楽音を発生させたり、アタックを弱くしたりといったレガート制御を行うことも知られている。
この場合のレガート奏法の判定基準としては、例えば、ノートオン中の楽音がある状態で次音のノートオンが検出されたことや、これに加えて、ノートオン中の楽音のノートオン発生時点と次音のノートオン発生時点との時間差が所定の閾値以上であることが挙げられる。
このようなレガート制御については、例えば特許文献2及び3に記載されている。
特許第3498968号公報 特許第2792368号公報 特許第3791796号公報
ところで、特許文献2及び3に記載のものを始め、従来のレガート制御では、後の押鍵の発音内容についてはレガート奏法特有のなめらかなスラーを表現するための制御を行っているものの、これだけでは必ずしも十分になめらかなスラーを表現できていなかった。
そして、このような問題は、電子鍵盤楽器だけでなく、演奏や再生に基づいて供給される演奏データに基づいて楽音信号を生成する楽音信号生成装置全般について存在するものである。
この発明は、このような問題を解決し、楽音信号生成装置において、レガート奏法の演奏またはその演奏を示す演奏データに応じて、なめらかなスラーをより適切に表現できるようにすることを目的とする。特に、単音音色を用いた発音を行う場合に好適な手法を提供することを目的とする。
この発明は、上記の目的を達成するため、単音発音パートの楽音信号を生成する楽音信号生成装置において、楽音信号を生成する複数の発音チャンネルを備えた音源部と、上記単音発音パートの発音開始を指示する発音開始命令の検出時、その発音開始命令が検出時点で最高音の押鍵に係る発音開始命令である場合に、上記複数の発音チャンネルのうち必要数にその発音を割り当て、上記音源部に対して、その割り当てた発音チャンネルにおいて上記発音開始命令に応じた楽音信号の生成を開始するよう指示する第1発音制御部と、上記単音発音パートの発音開始を指示する発音開始命令の検出時、その発音開始命令に応じた楽音信号の生成開始の有無に関わらず、検出した発音開始命令及びその検出時刻を記憶する記憶手段と、上記発音開始命令の検出時、その発音開始命令が検出時点で最高音の押鍵に係る発音開始命令である場合に、上記単音発音パートの以前の発音開始命令に応じた楽音信号の生成を上記音源部のいずれかの発音チャンネルで実行中であるか否か判断し、実行中であれば、上記以前の発音開始命令の検出と今回の発音開始命令の検出とのタイミング差を所定の閾値と比較し、そのタイミング差がその閾値以上であれば、上記音源部に対し、上記以前の発音開始命令に応じた楽音信号を生成中の発音チャンネルの第1の減衰速度での減衰開始を指示し、上記タイミング差が上記閾値未満であれば、上記音源部に対し、上記以前の発音開始命令に応じた楽音信号を生成中の発音チャンネルの第1の減衰速度より速い第2の減衰速度での急速減衰開始を指示する前音減衰制御部と、上記単音発音パートの楽音の減衰開始を指示する減衰開始命令の検出時、その減衰開始命令が検出時点で最高音の押鍵に係る減衰開始命令である場合に、上記音源部のいずれかの発音チャンネルでその減衰開始命令と対応する楽音の楽音信号を生成中であれば、上記音源部に対して、その楽音信号を生成中の発音チャンネルの上記第1の減衰速度での減衰開始を指示し、さらに、上記検出した減衰開始命令に係る鍵の他に押鍵中の鍵があった場合には、その押鍵中の鍵の中で最高音の押鍵に係る発音開始命令を上記記憶手段から読み出し、上記複数の発音チャンネルのうち必要数にその読み出した発音開始命令に係る発音を割り当て、上記音源部に対して、その割り当てた発音チャンネルにおいて上記読み出した発音開始命令に応じた楽音信号の生成を開始するよう指示する第2発音制御部とを設けたものである。
このような楽音信号生成装置において、前記第1発音制御部に、前記前音減衰制御部が、前記以前の発音開始命令に応じた楽音信号が生成中でありかつ前記タイミング差が前記閾値以上であると判断した場合に、検出した前記発音開始命令に応じた楽音信号の振幅エンベロープの立ち上がり速度を、その他の場合より小さくするよう前記音源部の設定を行う手段を設けるとよい。
以上のようなこの発明の楽音生成装置によれば、レガート奏法の演奏またはその演奏を示す演奏データに応じて、なめらかなスラーをより適切に表現することができる。特に、この発明の楽音信号生成装置は、単音音色を用いた発音を行う場合に好適である。
この発明の楽音信号生成装置の実施形態である電子楽器のハードウェア構成を示すブロック図である。 図1に示した音源装置のCPUが単音発音パートに関するノートオンイベントを検出した場合に実行する処理のフローチャートである。 同じく単音発音パートに関するノートオフイベントを検出した場合に実行する処理のフローチャートである。 図1に示した鍵盤楽器において押鍵に応じて音源部が行う発音動作の説明図である。 図2及び図3に示した処理の変形例を示す図である。
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、図1に、この発明の楽音生成装置の実施形態である電子楽器のハードウェア構成を示す。
図1に示すように、電子楽器10は、CPU11,フラッシュメモリ12,RAM13,MIDI(Musical Instruments Digital Interface:登録商標)_I/O14,パネル表示器15,パネル操作子16,鍵盤17,音源部18を備え、これらはシステムバス20により接続されている。また、音源部18に接続されるサウンドシステム19も備えている。
そして、CPU11は、電子楽器10全体を制御する制御手段であり、フラッシュメモリ12に記憶された所要の制御プログラムを実行することにより、パネル操作子16や鍵盤17の操作検出、パネル表示器15における表示の制御、MIDI_I/O14を介した通信の制御、音源部18における楽音生成制御等の制御動作を行う。
フラッシュメモリ12は、CPU11が実行する制御プログラムや、音源部18が楽音生成に使用する音色データ、音源部18に実行させる自動演奏に使用する楽曲データ等、あまり頻繁に変更する必要のないデータを記憶する、書き換え可能な不揮発性記憶手段である。
RAM13は、CPU11のワークメモリとして使用したり、電子楽器10の動作に反映させるパラメータの値を記憶させたりする記憶手段である。
MIDI_I/O14は、MIDIシーケンサ等の外部装置との間でMIDIデータの入出力を行うためのインタフェースである。
パネル表示器15は、液晶ディスプレイ(LCD)や発光ダイオード(LED)ランプ等によって構成され、電子楽器10の動作状態や設定内容あるいはユーザへのメッセージ、ユーザからの指示を受け付けるためのグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)等を表示するための表示手段である。
パネル操作子16は、電子楽器10の操作パネル上に設けた、ボタン、ノブ、スライダ、タッチパネル等の操作子であり、パラメータの設定や、画面や動作モードの切り替え等、ユーザからの種々の指示を受け付けるためのものである。
鍵盤17は、ユーザによる演奏操作を受け付けるための演奏操作子である。
音源部18は、鍵盤17の操作に応じてCPU11が生成したり、MIDI_I/O14を介して外部装置から受信したり、楽曲の自動演奏時に楽曲データの内容に従ってCPU11が発生させたりしたMIDIイベント(楽音の生成を制御するための演奏イベントや制御データなど)に応じて、CPU11による制御に従い、複数の発音チャンネルで楽音信号である波形データを生成する楽音生成手段である。
サウンドシステム18は、スピーカとD/Aコンバータを備え、音源部17から波形データの供給を受けてその波形データに基づく発音を行う発音手段である。
以上のような構成を有する電子楽器10において、特徴的な点は、単音発音パートにおけるレガート演奏に関する動作である。そこで、以下、この点について説明する。
まず、図2に、単音発音パートに関するノートオンイベントを検出した場合にCPU11が実行する処理のフローチャートを示す。
なお、あるパートを、複数の鍵が同時に押下された場合でもそのうち1つのノートの発音しか行わない単音発音モードにするか否かは、ユーザがパネル操作子16により設定できる他、音色の選択に応じて自動的に設定したり、楽曲データによって設定したりすることもできる。
CPU11は、楽音の発音開始を指示する発音開始命令であるノートオンイベントを検出し、そのイベント中のパートの指定に基づき、検出したノートオンイベントが単音発音パートに関するものであると判断すると、図2に示す処理を開始する。
そして、まず検出したノートオンイベントとその検出時刻を、押鍵状態の記録として、RAM12に設けた所定の記憶領域に記録する(S11)。また、検出したイベントの内容を参照して、イベントにおいて指定されているノートナンバ及びベロシティの値を取得し、変数NNにノートナンバの値を、変数VELにベロシティの値を設定する(S12)。
その後、同じパートのノートオンイベントに係る楽音信号の生成を音源部18で実行中であるか否か判断する(S13)。この判断は、基本的には、新たに押鍵があった場合にその前に押鍵された鍵がまだ押鍵状態か否かを判断するためのものである。
そして、実行中でなければ、レガート演奏でない通常演奏に応じた発音を行うべく、音源部18のうち空いている発音chを必要な数だけ検索し、検出したノートオンイベントに係る発音をその発音chに割り当てる(S14)。そして、その割当先の発音chに、NN及びVELの値に対応した通常発音用音色の楽音制御パラメータを設定し(S15)、その発音chの発音開始を音源部18に指示して(S16)、処理を終了する。音源部18は、ステップS16の指示に応じて、設定された楽音制御パラメータに従った楽音信号の生成を開始する。
また、ステップS13でNOの場合、次に、生成中の楽音信号と対応するノートオンイベント(通常は前回のノートオンイベントだが、発音する鍵の選択規則によっては必ずしもそうならない場合もある)の検出からの経過時間を算出し(S17)、これが所定の閾値(一例として数十〜数百ミリ秒程度)以上であるか否か判断する(S18)。これが閾値未満であれば、前回のノートオンイベントに係る押鍵と今回のノートオンイベントに係る押鍵とは和音を演奏するための一連の押鍵であると判断し、和音に適した発音を音源部18に指示する。
すなわち、ステップS14〜S16と同様に、発音chの割り当て、楽音制御パラメータの設定及び発音開始の指示を行い(S19〜S21)、これに加えて同じパートの以前のノートオンイベントに係る楽音信号を生成中の発音chのダンプ(急速減衰)開始を音源部18に指示して(S22)、処理を終了する。
なお、このダンプは、発音させるパートが単音発音パートであり、複数の音を同時に発音させないようにする必要があるので、新たな発音を開始する際に前の音の発音を停止させるために行うものである。また、ダンプ開始の指示は、ステップS13の判断の際に楽音信号を生成中であると判定した発音chについて行えばよい。
一方、ステップS18で閾値以上の場合には、今回のノートオンイベントに係る押鍵はレガート演奏に係るものであると判断し、レガート演奏に適した発音を音源部18に指示する。
すなわち、ステップS14と同様に発音chの割り当てを行い(S23)、割り当てた発音chに、NN及びVELの値に対応したレガート発音用音色の楽音制御パラメータを設定し(S24)、その発音chの発音開始を音源部18指示する(S25)。そして、これらに加えて同じパートの以前のノートオンイベントに係る楽音信号を生成中の発音chのリリース(通常減衰)開始を音源部18に指示して(S26)、処理を終了する。このリリースの指示も、ステップS22のダンプと同様、新たな発音を開始する際に前の音の発音を停止させるために行うものである。
以上の処理において、リリースは第1の減衰速度での減衰、ダンプは第1の減衰速度より速い第2の減衰速度での減衰を示す。これらの減衰は、発音chのレジスタに減衰速度を示すパラメータを設定してから音源部18に減衰開始を指示することにより、実現できる。
また、レガート発音用音色は、一般的には、通常発音用音色よりもアタック感を抑えた音色である。そして、これらの2種の発音について波形データ自体を別々に用意してもよいが、同じ波形データを用いても、レガート発音の場合に通常発音の場合よりも楽音信号の振幅エンベロープの立ち上がり速度を遅くする等、パラメータの設定により2種の発音を実現することもできる。これらのどちらの手法を用いるか、あるいはその他の手法を用いるかは、各パートの発音に用いる音色データにより規定され、パート毎に異なっていてもよい。
次に、図3に、単音発音パートに関するノートオンイベントを検出した場合にCPU11が実行する処理のフローチャートを示す。
CPU11は、楽音の減衰開始を指示する減衰開始命令であるノートオフイベントを検出し、そのイベント中のパートの指定に基づき、検出したノートオフイベントが単音発音パートに関するものであると判断すると、図3に示す処理を開始する。
そして、まず検出したノートオフイベントと対応するノートオンの記録を削除し、鍵が離されたことを押鍵状態の記録に反映させる(S31)。また、検出したイベントの内容を参照して、イベントにおいて指定されているノートナンバの値を取得し、変数NNに設定する(S32)。
その後、ノードナンバNNの楽音信号、すなわち検出したノートオフイベントと対応するノートオンイベントに係る楽音信号、の生成を音源部18で実行中である場合(S33)、音源部18に対し、その楽音信号を生成中の発音chのリリース開始を指示する(S34)。このリリースは、図2のステップS26で指示するリリースと同じものである。
また、記録してある押鍵状態を参照し、ノートオフイベントに係る離鍵があった後でもまだ押鍵中の鍵があった場合には(S35)、その押鍵に係る発音を音源部18に指示する。
すなわち、まず押鍵中の鍵から所定の規則に従って1つの鍵を選択し、押鍵状態の情報として記憶してあるその鍵に係るノートオンイベントの内容を参照して、変数NNにそのイベントで指定されているノートナンバの値を、変数VELに同じくベロシティの値を設定する(S36)。その後、図2のステップS23〜S25の場合と同様に、発音chの割り当て、レガート発音用音色の楽音制御パラメータの設定及び発音開始の指示を行って(S37〜S39)、処理を終了する。なお、ステップS36での鍵の選択規則は、ここでは、最後に押鍵された鍵とする。
また、ステップS35でNOの場合、新たな発音を開始する必要はないため、そのまま処理を終了する。
また、ステップS33でNOとなるのは、音量の低下等により鍵が押鍵されている間に発音が停止されてしまった場合である。この場合、新たにリリースを開始する必要はなく、さらに、今回の離鍵に応じて他の音の発音を開始するのは不自然であるため、そのまま処理を終了する。
次に、図4を用いて、以上の処理を行う鍵盤楽器10において、押鍵に応じて音源部18が行う発音動作を説明する。
この図において、A〜Eは押鍵される鍵の音程を示し、バーが押鍵から離鍵までの期間を示し、そのうちハッチングを示した部分が、押鍵と対応する発音を行う期間を示す。
まず、図4(a)における鍵Cのように、他の鍵が押鍵されていない状態で押鍵があった場合には、レガート奏法ではないため、鍵盤楽器10は、押鍵時点で押鍵と対応する通常発音を開始し、離鍵時点でその発音のリリースを開始する。その後、減衰により音量が所定値以下に低下した時点で、発音chへの発音の割り当てが解除され、完全に発音が停止する。
一方、鍵A,Bのように、鍵Aの押鍵後、離鍵前に、閾値(図2のステップS18のもの)以上の間隔を空けて次の鍵Bを押鍵した場合、鍵盤楽器10はこれをレガート奏法の演奏操作と認識する。そして、鍵Bの押鍵時点で、後に押下された鍵Bを優先させ、鍵Bの押鍵と対応するレガート発音を開始する。また、この時点で鍵Aの押鍵と対応する発音は停止させる必要があるが、この停止は、鍵Cのように単独押鍵で離鍵操作があった場合と同じリリースにより行う。そして、このことにより、離鍵後の残響も再現し、なめらかに2つの音をつなげてスラーを表現することができる。
なお、鍵Bの離鍵に伴うリリースも、単独押鍵で離鍵操作があった場合と同じリリースにより行う。
また、(b)に示すように、鍵Dの押鍵後、離鍵前に、閾値未満の間隔で次の鍵Eを押鍵した場合、鍵盤楽器10はこれを和音の演奏操作と認識する。この場合でも、鍵Eの押鍵時点で、後に押下された鍵Eを優先させ、鍵Eの押鍵と対応する発音を開始することは、鍵Bの場合と同様である。しかし、前の鍵Dに係る発音の停止は、リリースよりも急速な減衰であるダンプにより行う。また、鍵Eの押鍵はレガート演奏に係るものではないので、対応する発音は通常発音である。
この例のように短期間で発音させる音を変える場合、リリースのようにある程度時間をかけて減衰を行うと、減衰期間中の発音が目立ってしまい、単音発音パートの発音としては違和感を与えてしまう。従って、ダンプを行うことにより、前音を速やかに消音し、発音状態を安定させることが好ましい。
このように、鍵盤楽器10においては、鍵の押鍵間隔に応じて前音の減衰速度を変えることにより、なめらかなスラーを適切に表現することができるようにしている。
〔変形例〕
以上で実施形態の説明を終了するが、装置の構成や具体的な処理内容等が上述の実施形態で説明したものに限られないことはもちろんである。
まず、上述した実施形態においては、単音発音パートにおいて、後に押鍵した鍵を無条件で優先させて発音を行う例について説明した。しかし、別の規則で発音させる鍵を選択するようにしてもよい。例えば、押鍵順に関わらず、各時点で、押鍵されている鍵のうち最高音の鍵について発音を行うようにしてもよい。
この場合、図2のステップS11とS12の間及び図3のステップS31とS32の間に、図5に示す処理を挿入すればよい。すなわち、検出したノートオン/オフイベントが検出時点で最高音の押鍵に係るイベントでない場合には、そのイベントによって発音状態を変化させる必要がないため、ステップS11及びS31での押鍵状態の記録のみを行って処理を終了するようにすればよい。また、この場合、図3のステップS36における「所定の規則」は、「押鍵されている鍵のうち最高音の鍵を選択する」となる。
また、上述した実施形態では、電子楽器10を例に取って説明したが、この発明が、他の楽音信号生成装置に適用可能であることはもちろんである。例えば、演奏操作子を有さず、外部から供給される演奏データに応じて楽音信号を生成する音源装置や、予め記憶されている楽曲データに基づいて楽音信号を生成するMIDIシーケンサなどについても、この発明は適用可能である。
また、音源部18が複数の単音発音パートの楽音信号を生成できるようにしてもよい。この場合、パート毎に、図2乃至図4を用いて説明した音源制御を行えばよい。
また、以上述べてきた構成及び変形例は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて適用することも可能である。
以上の説明から明らかなように、この発明の楽音信号生成装置によれば、レガート奏法の演奏またはその演奏を示す演奏データに応じて、なめらかなスラーをより適切に表現できるようにすること。
従って、この発明を適用することにより、レガート演奏を高い品質で表現可能な楽音信号生成装置を提供することができる。
10…電子楽器、11…CPU、12…フラッシュメモリ、13…RAM、14…MIDI_I/O、15…パネル表示器、16…パネル操作子、17…鍵盤、18…音源部、19…サウンドシステム、20…システムバス

Claims (2)

  1. 単音発音パートの楽音信号を生成する楽音信号生成装置であって、
    楽音信号を生成する複数の発音チャンネルを備えた音源部と、
    前記単音発音パートの発音開始を指示する発音開始命令の検出時、該発音開始命令が検出時点で最高音の押鍵に係る発音開始命令である場合に、前記複数の発音チャンネルのうち必要数に該発音を割り当て、前記音源部に対して、該割り当てた発音チャンネルにおいて前記発音開始命令に応じた楽音信号の生成を開始するよう指示する第1発音制御部と、
    前記単音発音パートの発音開始を指示する発音開始命令の検出時、該発音開始命令に応じた楽音信号の生成開始の有無に関わらず、検出した発音開始命令及びその検出時刻を記憶する記憶手段と、
    前記発音開始命令の検出時、その発音開始命令が検出時点で最高音の押鍵に係る発音開始命令である場合に、前記単音発音パートの以前の発音開始命令に応じた楽音信号の生成を前記音源部のいずれかの発音チャンネルで実行中であるか否か判断し、実行中であれば、前記以前の発音開始命令の検出と今回の発音開始命令の検出とのタイミング差を所定の閾値と比較し、該タイミング差が該閾値以上であれば、前記音源部に対し、前記以前の発音開始命令に応じた楽音信号を生成中の発音チャンネルの第1の減衰速度での減衰開始を指示し、前記タイミング差が前記閾値未満であれば、前記音源部に対し、前記以前の発音開始命令に応じた楽音信号を生成中の発音チャンネルの第1の減衰速度より速い第2の減衰速度での急速減衰開始を指示する前音減衰制御部と、
    前記単音発音パートの楽音の減衰開始を指示する減衰開始命令の検出時、その減衰開始命令が検出時点で最高音の押鍵に係る減衰開始命令である場合に、前記音源部のいずれかの発音チャンネルで該減衰開始命令と対応する楽音の楽音信号を生成中であれば、前記音源部に対して、該楽音信号を生成中の発音チャンネルの前記第1の減衰速度での減衰開始を指示し、さらに、前記検出した減衰開始命令に係る鍵の他に押鍵中の鍵があった場合には、該押鍵中の鍵の中で最高音の押鍵に係る発音開始命令を前記記憶手段から読み出し、前記複数の発音チャンネルのうち必要数に該読み出した発音開始命令に係る発音を割り当て、前記音源部に対して、該割り当てた発音チャンネルにおいて前記読み出した発音開始命令に応じた楽音信号の生成を開始するよう指示する第2発音制御部とを有することを特徴とする楽音信号生成装置。
  2. 請求項1に記載の楽音信号生成装置であって、
    前記第1発音制御部に、前記前音減衰制御部が、前記以前の発音開始命令に応じた楽音信号が生成中でありかつ前記タイミング差が前記閾値以上であると判断した場合に、検出した前記発音開始命令に応じた楽音信号の振幅エンベロープの立ち上がり速度を、その他の場合より小さくするよう前記音源部の設定を行う手段を設けたことを特徴とする楽音信号生成装置。
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