JP3928725B2 - 楽音信号発生装置及びレガート処理プログラム - Google Patents

楽音信号発生装置及びレガート処理プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レガート演奏が可能な楽音信号発生装置及びレガート処理プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から実公平7−17116号公報などにおいて、レガート演奏が可能な電子楽器が知られている。レガート演奏可能な電子楽器では、演奏中に、演奏用操作子(鍵盤型楽器の鍵など)が操作されている状態で、さらに別の演奏用操作子が操作されると、例えば、前の楽音のリリース部と後の楽音のアタック部とをなくして滑らかにつなぐ制御を行う。尚、本明細書中においては、レガート演奏の用語を、ポルタメント演奏と区別するためではなく、ポルタメント演奏をも含むものとして使用する。
【0003】
【特許文献1】
実公平7−17116号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
レガート演奏において、先行楽音から後続楽音につなぐ場合、後続楽音を急激に立ち上げると、後続の操作子の操作が成されるタイミングでアタックノイズが発生し、波形や音色変化の連続性が悪くなる。
【0005】
一方、アタックノイズを避けるために、後続楽音の立ち上がりを緩やかにすると、演奏用操作子の操作とそれに対応する楽音の発音との間に時間差が生じてしまい、演奏者に違和感を与える。レガートモードで演奏用操作子が操作された場合、可能な限り素早く後続音に切り換えることが望ましい。
【0006】
本発明は、上記の問題に対して、音色の連続性がよいレガート演奏が可能な電子楽器などの楽音信号発生装置及びレガート処理プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、以下の手段によって達成される。即ち、本発明に係る第1の楽音信号発生装置は、押鍵情報により指定されたピッチの楽音波形データを発生し、該楽音波形データの振幅レベルを所定のエンベロープ波形に従って変化させ、楽音信号を出力する2つの楽音信号生成手段と、レガート開始レベル及びレガートスロープを供給するパラメータ供給手段とを備え、第1の押鍵情報に応じて第1の楽音生成手段が第1の楽音信号を出力している間に、第2の押鍵情報が与えられた場合に、その時点での前記第1の楽音信号生成手段における第1のエンベロープ波形の振幅値を目標値として、前記レガート開始レベルに応じたレベル値から、前記レガートスロープに応じた立ち上がり特性で、第2の楽音信号生成手段において第2のエンベロープ波形を立ち上げ、第2の楽音信号を出力することを特徴としている。
【0008】
また、本発明に係る第2の楽音信号発生装置は、上記の第1の楽音信号発生装置において、前記レガート開始レベル及び/又は前記レガートスロープを設定する手段をさらに備えていることを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係るレガート処理プログラムは、楽音信号発生装置に、第1の押鍵情報に応じて第1の楽音信号を出力している間に、第2の押鍵情報が与えられた場合に、その時点での前記第1の楽音信号に対する第1のエンベロープ波形の振幅値を目標値として決定する機能、及び所定のレガート開始レベルから前記目標値まで、所定の立ち上がり特性で、前記第2の押鍵情報に対応する第2の楽音信号に対する第2のエンベロープ波形を立ち上げ、前記第2の楽音信号を出力する機能を実現させることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る楽音信号発生装置の内部構成を示すブロック図である。本楽音信号発生装置は、全体を制御する中央処理装置(以下、CPUと記す)1と、メモリ2と、楽音信号発生装置の演奏モードなどを設定するためのコントロールパネル3と、演奏に使用されるキーボード4と、楽音を生成する音源部5と、音源部5から出力される楽音信号(電気信号)を音として出力するアンプ及びスピーカからなるサウンドシステム(以下、SSと記す)10と、各部の間で情報を交換する通信バス11とを備えている。音源部5は、キーボード4の鍵に対応する複数の楽音の波形データを記録した波形メモリ6と、波形メモリ6から所定のピッチで波形データを読み出す第1及び第2の波形読出部7a、7bと、所定のエンベロープ波形に従って入力信号を変化させる第1及び第2のエンベロープジェネレータ8a、8bと、加算部9とを備えている。音源部5は、このように2系統の波形生成手段を備えているので、2つの押鍵に対する楽音を並行して生成することができる。また、メモリ2は、制御プログラムを記録したROM(図示せず)と、演奏条件や演奏中の状態を記録するフラグ、レジスタとして使用されたり、データ処理用のワークエリアとして使用されるRAM(図示せず)とを備えている。
【0011】
図2は、本楽音信号発生装置の演奏方法を説明するフローチャートである。まず、図2に従って、本楽音信号発生装置の演奏の概要を説明する。
【0012】
以下において、CPU1は、演奏中に、キーボード4からの押鍵情報などの制御に必要なパラメータをメモリ2のRAMに一時記録し、各ステップの処理においてそれらを適宜更新することとする。例えば、図3に示すように、レガート処理を有効にするレガートモードフラグFLAG、レガート用パラメータであるレガート開始レベルレジスタSLEVEL、レガートスロープレジスタSLOPE、押鍵から離鍵までの音量(波形データの振幅)の時間的変化を指定するエンベロープ波形を決定するためのEGパラメータレジスタ(アタック開始レベルLas、アタック時間Ta、アタック終了レベルLae、ディケイ時間Td、サステインレベルLs、リリース時間Tr)、及び図1に示した2系統の波形生成手段に対応させて、押鍵フラグKONa、KONb、波形番号レジスタWa、Wb、ピッチレジスタFa、Fb、EGレベルレジスタLEVELa、LEVELb、EG状態レジスタSTATEa、STATEbが、RAMに確保されている。また、CPU1による各部に対する制御は、各部に装備されているレジスタに所定の値を書き込むことで行われ、各部はレジスタの値に応じた処理を行うこととする。また、特に断らない限り、CPU1が行う処理として説明する。また、演奏条件は、モノモード、即ち、同時に複数の鍵が押された場合、最後に押された鍵に対応する楽音のみを発音するモードに設定されているとして説明する。
【0013】
楽音信号発生装置の電源がオンされると、ステップS1において、メモリ2のROMから所定の制御プログラムを読出し、初期設定(メモリ2のRAMへの所定値の設定)を行い、キーボード4の操作又はコントロールパネル3の操作を受け付ける状態になる。即ち、図3に示したレガートモードフラグFLAGに“0”を設定し、レガート処理で使用するレガート開始レベルレジスタSLEVEL、レガートスロープレジスタSLOPEにそれぞれ所定の値を設定する。
【0014】
ステップS2において、コントロールパネル3が操作されたか否かを判断する。操作されていないと判断すれば、ステップS4に移行し、操作されたと判断すれば、ステップS3に移行して、コントロールパネル3の操作に対応するデータを取得し、RAMに記録する。これによって、演奏条件などが変更される。後述するレガート処理を行うレガートモードの設定(レガートモードフラグFLAGに“1”を設定)はここで行われる。
【0015】
ステップS4において、レガートモードが設定されているか否かを判断する。この判断は、RAMに記録されたレガートモードフラグFLAGが“1”か“0”の何れであるかを判断することによって行なわれる。レガートモードがオフ(FLAG=0)であれば、ステップS5において通常の発音処理が行われ、レガートモードがオン(FLAG=1)であれば、ステップS6においてレガート処理が行われる。
【0016】
ステップS5において、キーボード4が操作されると、キーボード4の機械的変化が電気信号(ディジタルデータ)に変換されて、通信バス11を介してCPU1に伝送され、CPU1は取得したデータをRAMに記録する。例えば、所定の鍵が押されると、押鍵情報(押された鍵、押鍵の強度などの情報)がCPU1に伝送され、RAMに記録される。CPU1は、取得した押鍵情報から対応する楽音の音高(ピッチ)Fn及び波形データを表す波形番号Wnを決定し、RAMのバッファFa、Wa(図3参照)に記録し、同時にその情報(ピッチFn、波形番号Wn)を音源部5の波形読出部7aのレジスタに設定する。波形読出部7aが、波形メモリ6に記録されている複数の楽音データの中から波形番号Wnに対応する波形データを、ピッチFnに応じたタイミングで読み出す。読み出された波形データは、エンベロープジェネレータ8aによって所定のエンベロープ波形に従って振幅が変更された後、加算部9で他の信号と加算されてSS10に出力され、SS10が音として出力する。通常の発音処理では、加算部9には、エンベロープジェネレータ8aからの信号のみが入力されるので、加算部9からはエンベロープジェネレータ8aの出力信号がそのまま出力される。
【0017】
ここで、エンベロープ波形は、図3に示したEGパラメータで指定され、ROMに記録されたEGパラメータを読み出して、RAMの対応するレジスタに記録し、同時にエンベロープジェネレータ8aのレジスタにもこれらの値を設定し、エンベロープジェネレータ8aがレジスタに設定されたEGパラメータに基づいてエンベロープ波形を生成する。ここでは、アタック(ATTACK)、ディケイ(DECAY)、サステイン(SUSTAIN)、リリース(RELEASE)の4つの期間から構成されるとし、上記したように次の6つのパラメータで指定する。
アタック開始レベルLas:発音を開始する振幅
アタック時間Ta:発音開始から振幅が最大になるまでの時間
アタック終了レベルLae:最大振幅
ディケイ時間Td:アタック期間の後に楽音が減衰する時間
サステインレベルLs:楽音を持続する振幅
リリース時間Tr:離鍵から消音までの時間
楽音信号発生装置の種類、キーボードの鍵、波形メモリ6に記録されている波形データなどに応じて、これらのEGパラメータが予めメモリ2に記録されている。
【0018】
ステップS6は、上記したようにレガートモードがオン(FLAG=1)に設定されている場合に実行され、後述するように、押鍵による楽音の発音中に、新たに別の鍵が押された場合、発音中の楽音から切れ目なく、滑らかに後続する楽音につなぐ処理を行う。
【0019】
最後に、ステップS7において、楽音信号発生装置の電源オフ等の終了指示があったか否かを判断し、終了指示があるまで、ステップS2〜S6の処理を繰り返す。
【0020】
次に、図4、5を用いてステップS6でのレガート処理の詳細を説明する。図4は、レガート処理を示すフローチャートであり、図5は、第1〜第3鍵が押されるタイミングチャートとエンベロープ波形とを対応させて示した図である。図5の下側のタイミングチャートでは、押鍵された状態をハイレベル、押鍵されていない状態をローレベルで表し、第1〜第3鍵が順に押される様子を示しており、図5の上側のグラフでは、第1〜第3鍵の押鍵に応じてエンベロープ波形が変更される様子を示している。
【0021】
図4のステップS10において、キーボード4の鍵が押されたか否かを繰り返し判断し、押鍵されたと判断した場合、ステップS11に移行する。
【0022】
ステップS11において、キーボード4から押鍵情報が伝送され、押された鍵に対応する波形番号Wn及びピッチFnを決定し、押鍵フラグが“0”になっている系統の波形番号レジスタ、ピッチレジスタに記録する(図3参照)。このとき、押鍵フラグKONa、KONbが何れも“0”であれば、第1系統のレジスタ、即ち波形番号レジスタWa、ピッチレジスタFaに記録する。例えば、図5において、第1鍵が押されたときには、発音中でないので、波形番号Wn及びピッチFnは波形番号レジスタWa及びピッチレジスタFaに記録され、第2鍵が押されたときには、第1鍵の押鍵に対応する楽音を発音中(押鍵フラグKONa=1)であるので、波形番号Wn及びピッチFnは第2系統(押鍵フラグKONb=0)のレジスタである波形番号レジスタWb及びピッチレジスタFbに記録される。また、第3鍵が押されたときには、第2鍵の押鍵に対応する楽音を発音中(押鍵フラグKONb=1)であるので、波形番号Wn及びピッチFnは第1系統(押鍵フラグKONa=0)のレジスタである波形番号レジスタWa及びピッチレジスタFaに記録される。後述するようにステップS15において、押鍵フラグをクリアするので、このステップS11では押鍵フラグKONa、KONbが共に“1”になっていることはなく、第1及び第2系統のレジスタが交互に使用される。
【0023】
ステップS12において、押鍵フラグKONa、KONb(図3参照)に基づき発音中か否かを判断する。即ち、押鍵フラグKONa、KONbの何れか一方が“1”であれば発音中であると判断し、ステップS13に移行し、押鍵フラグKONa、KONbの何れも“0”であれば発音中でないと判断し、ステップS17に移行する。
【0024】
ステップS13において、押鍵フラグが“1”になっている系統で読み出している波形データの波形番号が、ステップS10で検出された新たな押鍵に対応する波形番号Wnと同じであるか否かを判断する。波形番号が同じでなければステップS14に移行して、後続する楽音に対して新たなエンベロープ波形を決定する処理を行い、同じであれば、新たなエンベロープ波形を決定する処理を行わずに、ステップS18に移行する。例えば、図5において、第2鍵が押されたときには、既に第1鍵の押鍵によって発音中である楽音に対応する第1系統の波形番号レジスタWaの値と、ステップS11で設定された第2系統の波形番号レジスタWbの値(=Wn)とを比較する。
【0025】
ステップS14において、現在発音中である系統(押鍵フラグが“1”)のエンベロープジェネレータ8iから、発音中の楽音のエンベロープレベル及びエンベロープの状態(ディケイ、サステインなど)を取得し、発音中でない系統(押鍵フラグが“0”)に対応するEGレベルレジスタLEVELj及びEG状態レジスタSTATEjに設定し、同時に押鍵フラグKONjを“1”にする。ここで、i、jはa又はbであり、i≠jである。例えば、EG状態レジスタSTATEa、STATEbに各々2ビットを割り当て、アタック、ディケイ、サステイン、リリースをそれぞれ、“0”〜“3”で表す場合、図5において、第2鍵が押されたとき、第1鍵の押鍵によって第1系統の波形生成手段により発音中であるとすると、この発音中の楽音のエンベロープ波形の振幅レベル、即ち点FのレベルL0を第2系統のEGレベルレジスタLEVELbに設定し、EG状態レジスタSTATEbにディケイに対応する“1”を設定し、押鍵フラグKONbを“1”にする。
【0026】
ステップS15において、発音中の楽音を消去する指示を音源部5に送信し、対応する押鍵フラグをクリア(“0”を設定)する。これによって、音源部5の発音中の系統のエンベロープジェネレータ8i(i=a又はb)は、出力信号を所定の短時間内に速やかに“0”にする。例えば、図5に示すように、第2鍵が押されたとき、第1鍵の押鍵による発音中の楽音を線分FGに沿って減少させ、第3鍵が押されたときには、第2鍵の押鍵による発音中の楽音を線分KLに沿って減少させる。発音中の楽音のアタック期間に新たな押鍵があった場合には、発音中の楽音をアタック終了レベルLaeまで立ち上げた後、同様に速やかに“0”にする。発音中の楽音に対応する押鍵フラグがクリアされることによって、次回に上記したステップS11〜S13の処理を行う場合に、2つの押鍵フラグKONa、KONbが共に“1”になっていることはない。
【0027】
ステップS16において、ステップS14でRAMのレジスタに設定したエンベロープレベル及びエンベロープ状態、即ちEGレベルレジスタLEVELj及びEG状態レジスタSTATEjの値と、予め設定されたレガート開始レベルSLEVEL及びレガートスロープSLOPEを使用して、押鍵に対するEGパラメータ(アタック開始レベルLas、アタック時間Ta、アタック終了レベルLae、ディケイ時間Td、サステインレベルLs、リリース時間Tr)を決定し、対応するレジスタに記録し(図3参照)、且つ対応する系統のエンベロープジェネレータ8jに伝送する。具体的には、エンベロープジェネレータ8jが、新たなエンベロープ波形を、SLEVELからLEVELjまでSLOPEのレートで立ち上がり、その後はEG状態レジスタSTATEjに応じて発音中の楽音に対するエンベロープ波形に平行に変化し、発音中の楽音に対するエンベロープ波形と同じレベルになった後は、発音中の楽音に対するエンベロープ波形と同じになるように生成するように、CPU1が新たなEGパラメータを決定する。
【0028】
例えば、SLOPEを立ち上げ時間として設定する場合、図5において、第2鍵が押されたとき、この押鍵に対する新たなエンベロープ波形(図5に示した第2のエンベロープ波形)は、予め設定されたSLEVELに対応する点Hから立ち上がり始め、SLOPE時間の経過後にEGレベルレジスタLEVELbの値“L0”(発音中の楽音のエンベロープレベル)まで、即ち点Iまで立ち上がり、その後、EG状態レジスタSTATEbの値“1”(ディケイ期間を表す)によって、第1鍵の押鍵によって決定されているエンベロープ波形(図5に示した第1のエンベロープ波形)の状態を判断し、この第1のエンベロープ波形と同じレベルになるまで、第1のエンベロープ波形と平行に変化(ここでは、ディケイ期間であるので減衰)し、即ち点Jまで変化し、その後は第1のエンベロープ波形と同じ波形となる。従って、点Jの位置を決定すれば、第2鍵が押されたときからの第2のエンベロープ波形が決まる。よって、図5において、第2鍵が押されたとき、EGパラメータは次のように設定される。サステインレベルLs、リリース時間Trは既に設定されている値から変更されない。
アタック開始レベルLas=SLEVEL
アタック時間Ta=SLOPE
アタック終了レベルLae=LEVELb(=L0)
ディケイ時間Td=点Iと点Jの時間間隔
【0029】
同様に、図5において、第3鍵が押されたときには、第3鍵の情報が記録されている第1系統のレジスタを使用して、EGパラメータは次のように設定される。サステインレベルLs、リリース時間Trは既に設定されている値から変更されない。
アタック開始レベルLas=SLEVEL
アタック時間Ta=SLOPE
アタック終了レベルLae=LEVELa(サステインレベルLs)
ディケイ時間Td=0
【0030】
発音中の楽音のアタック期間に新たな押鍵があった場合には、アタック期間の終了時点で、新たな押鍵があったものとして、同様に処理する。即ち、EGパラメータは、アタック開始レベルLas=SLEVEL、アタック時間Ta=SLOPEと設定されるが、その他のEGパラメータは既に設定されている値から変更されない。また、発音中の楽音のリリース期間に新たな押鍵があった場合にも、アタック開始レベルLas=SLEVEL、アタック時間Ta=SLOPEと設定され、その他のEGパラメータは変更されない。従って、発音中の楽音のアタック期間又はリリース期間に新たな押鍵があった場合、後続楽音のエンベロープ波形は、アタック期間の設定が変更されるだけで、ディケイ期間以降の波形は発音中の楽音のEGパラメータで決定されるエンベロープ波形と同じになる。
【0031】
ステップS17では、発音中でないので、取得した波形番号Wnに対応するEGパラメータをROMから読み出して、これをエンベロープジェネレータ8aのレジスタに設定し、押鍵フラグKONaを“1”にする。これによって、エンベロープジェネレータ8aがエンベロープ波形を生成する。
【0032】
ステップS18では、“1”が設定されている押鍵フラグKONjに対応する波形番号レジスタWj及びピッチレジスタFjを読み出し、対応する波形読出部7j(j=a又はb)に対してこれらの値を伝送し、波形データの読出しを指示する。ここで、ステップS11で新たな押鍵情報から決定した波形番号Wnが、発音中の楽音の波形番号と同じである場合には、新たなエンベロープ波形の生成は行われずに、読み出しピッチのみ新しい値Fnが使用されることとなる。
【0033】
以上によって、発音中の楽音が消去され(ステップS15)、発音中でない系統の波形読出部7jが、波形メモリ6から波形番号レジスタWjで指定される波形データを、ピッチレジスタFjの値に対応するピッチで読み出し、エンベロープジェネレータ8jが、ステップS16又はS17で決定されたエンベロープ波形に従って振幅を変化させる。従って、発音中の楽音から、切れ目なく、速やかに、且つ滑らかにつなげて後続する楽音を発音することができる。
【0034】
以上では、予めレガートモードがオンの場合にレガート処理を行うことを説明したが、これに限定されない。例えば、レガートモードの設定手段を備えておらず、第1鍵の押鍵中に第2鍵が押された場合、常にレガート処理を行うようにしてもよい。また、シンセサイザーなどの発音の音色(楽器)を選択することができる場合には、レガート演奏又はポルタメント演奏が可能な音色が選択されたときにのみ、上記したレガート処理を行うようにしてもよい。
【0035】
また、上記では、ステップS16での後続楽音のエンベロープ波形の決定において、発音中の楽音のEGパラメータを使用してエンベロープ波形を決定する場合を説明したが、後続する押鍵情報から決定される波形番号に対応するEGパラメータを使用して、後続する楽音のエンベロープ波形を決定してもよい。
【0036】
また、レガートスロープSLOPEを時間で設定する場合を説明したが、これに限定されず、レガートスロープSLOPEは後続楽音の立ち上がり特性を指定するものであればよい。例えば、レガートスロープSLOPEは、後続楽音を立ち上げるスロープの傾きや角度などであってもよい。その場合、レガートスロープSLOPE及び立ち上げるべきレベル(レガート開始レベルSLEVELと立ち上げ目標レベルであるEGレベルとの差)から、後続楽音の立ち上げ時間、即ちアタック時間Taを決定すればよい。
【0037】
また、レガート開始レベルSLEVEL及びレガートスロープSLOPEは変更可能であってもよい。発音中に他の鍵が押された場合に、後続楽音を、聴感上、ノイズにならない程度のレベルから可能な限り速やかに立ち上げることが望ましく、立ち上げ方とノイズ感の関係は音色によって異なるので、レガート開始レベルSLEVEL及びレガートスロープSLOPEを変更可能にしておくことで、楽音の連続性のよいレガート音、ポルタメント音を得ることができる。
【0038】
また、メモリ2内のROMに制御プログラムが記録されている場合を説明したが、外部記録装置や通信ネットワークとのインターフェース部をさらに備え、コンピュータ用のハードディスクやCD−ROMなどの記録媒体に制御プログラムや設定データなどを記憶させておき、インターフェース部を介してこれらをRAMに読み込み、上記したレガート処理を行うようにしてもよい。また、通信ネットワークを介してサーバーコンピュータの記録装置に記録された制御プログラムや設定データなどを、インターフェース部を介してRAMにダウンロードし、上記したレガート処理を行うようにしてもよい。
【0039】
また、上記したレガート処理では少なくとも2つの波形生成手段があればよいが、波形生成手段は2つに限定されず、3つ以上の波形生成手段を備えていてもよく、鍵毎に波形生成手段を備えていてもよい。
【0040】
また、波形生成手段(楽音信号生成手段)は、時分割手法によって複数の楽音を得るようにしてもよい。また、楽音波形の発生方式については、上記した波形メモリ読み出し方式に限定されず、演奏用操作子の操作に対応した楽音を発生することができる方式であれば、どのような方式であってもよい。
【0041】
また、演奏手段としてキーボードを有する鍵盤型の楽音信号発生装置に関して説明したが、これに限定されず、金管楽器や木管楽器を模したピストンやキースイッチなどの演奏手段を有する楽音信号発生装置であってもよい。
【0042】
また、サウンドシステム10を備え、これによって発音する場合を説明したが、発音手段を備えていないMIDIコントローラなどであってもよい。
【0043】
また、本発明に係る機能を実現するための処理の順序は、図2、4に示したフローチャートに限定されず、種々の変更が可能である。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、発音中の楽音から、聴感上、切れ目なく、速やかに、且つ滑らかにつなげて後続する楽音を発音することができる。従って、音色の連続性がよいレガート演奏が可能な楽音信号発生装置を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る楽音信号発生装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る楽音信号発生装置の演奏方法を示すフローチャートである。
【図3】 本発明の実施の形態に係るレガート処理で使用するフラグ、レジスタの一例を示す図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係るレガート処理を示すフローチャートである。
【図5】 本発明の実施の形態に係る楽音信号発生装置の押鍵タイミングとエンベロープ波形とを対応させて示す図である。
【符号の説明】
1 中央処理装置(CPU)
2 メモリ
3 コントロールパネル
4 キーボード
5 音源部
6 波形メモリ
7a、7b 波形読出部
8a,8b エンベロープジェネレータ
9 加算部
10 サウンドシステム(SS)
11 通信バス

Claims (3)

  1. 押鍵情報により指定されたピッチの楽音波形データを発生し、該楽音波形データの振幅レベルを所定のエンベロープ波形に従って変化させ、楽音信号を出力する2つの楽音信号生成手段と、
    レガート開始レベル及びレガートスロープを供給するパラメータ供給手段とを備え、
    第1の押鍵情報に応じて第1の楽音生成手段が第1の楽音信号を出力している間に、第2の押鍵情報が与えられた場合に、
    その時点での前記第1の楽音信号生成手段における第1のエンベロープ波形の振幅値を目標値として、前記レガート開始レベルに応じたレベル値から、前記レガートスロープに応じた立ち上がり特性で、第2の楽音信号生成手段において第2のエンベロープ波形を立ち上げ、第2の楽音信号を出力することを特徴とする楽音信号発生装置。
  2. 前記レガート開始レベル及び/又は前記レガートスロープを設定する手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の楽音信号発生装置。
  3. 楽音信号発生装置に、
    第1の押鍵情報に応じて第1の楽音信号を出力している間に、第2の押鍵情報が与えられた場合に、
    その時点での前記第1の楽音信号に対する第1のエンベロープ波形の振幅値を目標値として決定する機能、及び
    所定のレガート開始レベルから前記目標値まで、所定の立ち上がり特性で、前記第2の押鍵情報に対応する第2の楽音信号に対する第2のエンベロープ波形を立ち上げ、前記第2の楽音信号を出力する機能を実現させることを特徴とするレガート処理プログラム。
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