JP3760714B2 - 楽音制御パラメータ生成方法、楽音制御パラメータ生成装置および記録媒体 - Google Patents

楽音制御パラメータ生成方法、楽音制御パラメータ生成装置および記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物理モデル音源アルゴリズム応用機器、特に擦弦楽器音の合成処理あるいは電子擦弦楽器に用いて好適な楽音制御パラメータ生成方法、楽音制御パラメータ生成装置および記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
物理モデル音源に代表されるような音源は、原理的に自然楽器と同等の情報量を持った制御信号を与えてこそ、その表現力を活かすことができる。しかし、個々の音色毎に自然楽器を模した特殊な操作子を用いることは不経済であり、演奏操作にも熟練を要する。そこで、電子楽器の操作子として最も普及している鍵盤、ペダル、ホイール操作子等を用いて様々な自然楽器をシミュレートすることが望ましい。
【0003】
そのため、特許第2508324号公報においては、鍵盤から得られる操作情報に基づいて擦弦楽器(バイオリン等)をシミュレートする技術が開示されている。また、擦弦楽器は弓の動きによって楽音が変化するという特色があるため、上記公報に加えて、ホイール操作子等を用いて弓の動きをシミュレートする技術も知られている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明にあっては、下記構成を具備することを特徴とする。なお、括弧内は例示である。
請求項1記載の楽音制御パラメータ生成方法にあっては、複数種類の演奏操作子(鍵盤,ペダル,ホイール)と、第1の奏法(通常奏法)または第2の奏法(ピッチカート奏法)の何れかを選択する切替手段とを備えた楽音制御パラメータ生成装置に適用される楽音制御パラメータ生成方法であって、前記切替手段による奏法の切替に応じて、該切り替えられた奏法に対応する時変動信号(弓圧/弓速エンベロープ)を発生させる過程(12,14)と、前記複数種類の演奏操作子に対する演奏操作に応じた演奏情報を入力する過程と、前記複数種類の演奏操作子のうち所定の演奏操作子(ペダル,ホイール)からの演奏情報に基づいて前記時変動信号を修飾するための修飾信号(ペダル操作量,ホイール操作量)を発生する過程と、前記切替手段にて前記第1の奏法(通常奏法)が選択された場合は前記時変動信号(弓圧/弓速エンベロープ)を前記修飾信号に基づいて変更して(弓圧エンベロープ×ペダル操作量,弓速エンベロープ×ホイール速度)楽音制御パラメータとして出力し、前記切替手段にて前記第2の奏法(ピッチカート奏法)が選択された場合は、前記修飾信号による影響を与えないようにしつつ、前記時変動信号(弓圧/弓速エンベロープ)を前記楽音制御パラメータとして出力する過程とを有することを特徴とする。
また、請求項2記載の楽音制御パラメータ生成装置にあっては、複数種類の演奏操作子(鍵盤,ペダル,ホイール)と、第1の奏法(通常奏法)または第2の奏法(ピッチカート奏法)の何れかを選択する切替手段とを備えた楽音制御パラメータ生成装置であって前記切替手段による奏法の切替に応じて、該切り替えられた奏法に対応する時変動信号(弓圧/弓速エンベロープ)を発生させる時変動信号発生手段(12,14)と、前記複数種類の演奏操作子に対する演奏操作に応じた演奏情報を入力する演奏情報入力手段と、前記複数種類の演奏操作子のうち所定の演奏操作子(ペダル,ホイール)からの演奏情報に基づいて前記時変動信号を修飾するための修飾信号(ペダル操作量,ホイール操作量)を発生する修飾信号発生手段と、前記切替手段にて前記第1の奏法(通常奏法)が選択された場合は前記時変動信号(弓圧/弓速エンベロープ)を前記修飾信号に基づいて変更して(弓圧エンベロープ×ペダル操作量,弓速エンベロープ×ホイール速度)楽音制御パラメータとして出力し、前記切替手段にて前記第2の奏法(ピッチカート奏法)が選択された場合は、前記修飾信号による影響を与えないようにしつつ、前記時変動信号(弓圧/弓速エンベロープ)を前記楽音制御パラメータとして出力する楽音制御パラメータ出力手段とを有することを特徴とする。
また、請求項3記載の記録媒体にあっては、複数種類の演奏操作子(鍵盤,ペダル,ホイール)と、第1の奏法(通常奏法)または第2の奏法(ピッチカート奏法)の何れかを選択する切替手段と、処理装置(コンピュータ)とを備えた楽音制御パラメータ生成装置に適用されるプログラムを記録した記録媒体であって、前記切替手段による奏法の切替に応じて、該切り替えられた奏法に対応する時変動信号(弓圧/弓速エンベロープ)を発生させる過程(12,14)と、前記複数種類の演奏操作子に対する演奏操作に応じた演奏情報を入力する過程と、前記複数種類の演奏操作子のうち所定の演奏操作子(ペダル,ホイール)からの演奏情報に基づいて前記時変動信号を修飾するための修飾信号(ペダル操作量,ホイール操作量)を発生する過程と、前記切替手段にて前記第1の奏法(通常奏法)が選択された場合は前記時変動信号(弓圧/弓速エンベロープ)を前記修飾信号に基づいて変更して(弓圧エンベロープ×ペダル操作量,弓速エンベロープ×ホイール速度)楽音制御パラメータとして出力し、前記切替手段にて前記第2の奏法(ピッチカート奏法)が選択された場合は、前記修飾信号による影響を与えないようにしつつ、前記時変動信号(弓圧/弓速エンベロープ)を前記楽音制御パラメータとして出力する過程と前記処理装置に実行させるプログラムを記録したことを特徴とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明にあっては、下記構成を具備することを特徴とする。なお、括弧内は例示である。
請求項1記載の構成にあっては、適宜入力される演奏情報に対して楽音波形を生成するために、時変動信号(エンベロープ波形)を用いて楽音制御パラメータ(弓圧信号FA,弓速信号VA)を生成する楽音制御パラメータ生成方法であって、前記時変動信号として第1の奏法に対応する第1の時変動信号を出力する過程と、奏法の変更指令を受信すると、前記時変動信号を前記第1の時変動信号から第2の奏法に対応する第2の時変動信号に変更する変更過程と、前記時変動信号として前記第2の時変動信号を出力する過程と、を有することを特徴とする。
さらに、請求項2記載の構成にあっては、請求項1記載の楽音制御パラメータ生成方法において、前記第1および第2の時変動信号を予めメモリ(エンベロープメモリ14)に記憶する過程を有し、前記第1の時変動信号を出力する過程および前記第2の時変動信号を出力する過程においては、前記メモリから対応する時変動信号が読み出されることを特徴とする。
さらに、請求項3記載の構成にあっては、請求項1記載の楽音制御パラメータ生成方法において、前記変更過程においては、前記第1および第2の時変動信号を補間して得た補間出力値を前記楽音制御パラメータを生成するための時変動信号として用いることを特徴とする。
さらに、請求項4記載の構成にあっては、請求項3記載の楽音制御パラメータ生成方法において、前記変更過程内において、前記第1および第2の時変動信号の補間比率(パラメータX)を変化させることを特徴とする。
さらに、請求項5記載の構成にあっては、請求項1記載の楽音制御パラメータ生成方法において、前記第1の時変動信号を出力中に前記変更指令を受信すると、前記変更過程においては前記第1の時変動信号または前記楽音制御パラメータが所定の条件を満たした後に前記第2の時変動信号を出力することを特徴とする。
また、請求項6記載の構成にあっては、請求項1乃至5の何れかに記載の方法を実行することを特徴とする。
また、請求項7記載の構成にあっては、請求項1乃至5の何れかに記載の方法を実行するプログラムを記録したことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
1.第1実施形態
次に、本発明の第1実施形態の電子擦弦楽器の構成を図1を参照し説明する。図において2は鍵盤であり、ユーザの演奏操作に伴って、鍵操作情報(キーオン、キーオフ、キーコード、イニシャルタッチ、アフタタッチ等)を出力する。4は切換スイッチであり、複数の発音条件の中から何れかを選択するものである。ここで、「発音条件」には、擦弦楽器に対する「通常奏法」および「ピッチカート奏法」が含まれる。
【0007】
6はホイール操作子であり、ピッチ、振幅など所定の楽音要素あるいは演奏者が任意に指定した楽音パラメータを演奏者の操作により変動制御するための操作子である。8はペダルであり、各種エフェクタのオンオフや操作量を設定する。また、本実施形態において擦弦楽器の通常奏法が行われる場合、ホイール操作子6の操作速度は弓速制御用、ペダル8の操作量は弓圧制御用のパラメータとして用いられる。
【0008】
10は弓圧エンベロープ制御部であり、擦弦楽器をシミュレートするために弓圧信号FAを出力する。弓圧エンベロープ制御部10の内部において14はエンベロープメモリであり、切換スイッチ4において選択可能な各発音条件に対応して、複数のエンベロープ波形ENV1, ENV2, ……,ENVn を記憶する。12はアドレス制御部であり、エンベロープ波形ENV1, ENV2, ……,ENVn の中から2つの波形を読み出す。ここで読み出される2つの波形とは、切換スイッチ4において最後に選択された発音条件およびその直前に選択されていた発音条件に各々対応する波形である。
【0009】
16は切換スイッチであり、切換スイッチ4に連動して、エンベロープメモリ14から読み出されている2系統のエンベロープ波形のうち最後に選択された側に切り換えられる。18は振幅設定・修飾部であり、アフタタッチ、イニシャルタッチの値等に応じて、切換スイッチ16を介して供給されたエンベロープ波形に振幅を付与するとともに、必要に応じて修飾を施す。
【0010】
また、通常奏法が選択されている場合、振幅設定・修飾部18においてはペダル8の操作量がエンベロープ波形に乗算され、ペダル操作に応じてエンベロープ波形の振幅が変化する。
また、20は弓速エンベロープ制御部であり、上記弓圧エンベロープ制御部10と同様に構成され弓速信号VAを出力する。但し、弓速エンベロープ制御部20内において振幅設定・修飾部18に対応する部分においては、ホイール操作子6の操作速度がエンベロープ波形に乗算される。
【0011】
30は周知の楽音合成部であり、本実施形態においては擦弦楽器モデルの物理モデル音源によって構成されている。楽音合成部30は、鍵操作情報、弓圧信号FA、弓速信号VA、ホイール操作子6およびペダル8の操作量に基づいて楽音波形を合成する。その際、楽音波形の音高は鍵操作情報中のキーコードによって決定される。合成された楽音波形は、サウンドシステム40を介して発音される。
【0012】
上記構成において、ユーザが切換スイッチ4で「通常奏法」を選択して鍵盤2、ホイール操作子6、ペダル8を操作すると、切換スイッチ16においては通常奏法に対応するエンベロープ波形が選択され、楽音合成部30においては通常奏法に基づく楽音波形が合成される。ここで、切換スイッチ4で「ピッチカート」を選択すると、切換スイッチ16においてピッチカートに対応するエンベロープ波形が選択され、楽音合成部30においてはピッチカート奏法に基づく楽音波形が合成される。なお、ピッチカートが選択されている場合には、ホイール操作子6およびペダル8の操作状態はエンベロープ波形の振幅に影響しない。
【0013】
ここで、切換スイッチ4において選択可能な発音条件を「通常奏法」および「ピッチカート」の2種類に限定すれば、切換スイッチ4をワンタッチのトグルスイッチ等によって構成することができるから、ユーザは迅速かつ簡易に奏法を切り換えることができ、多彩な擦弦楽器音を発生させることができる。
【0014】
2.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態の電子擦弦楽器の構成を図2を参照し説明する。なお、図において図1の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。図において17はクロスフェード制御部であり、図1における切換スイッチ16に代えて設けられている。
【0015】
クロスフェード制御部17は、切換スイッチ4が操作されると、所定時間を費やしてエンベロープ波形をクロスフェードする。その詳細を図4を参照し説明する。図において時刻t0に鍵盤2においてキーオンが発生し、そのエンベロープ波形が再生中である時刻t1に切換スイッチ4が操作された状況を想定している。同図(a)はキーオン発生時に選択されていたエンベロープ波形であり、同図(b)は切換スイッチ4によって新たに選択されたエンベロープ波形である。
【0016】
また、同図(c)はクロスフェード制御部17から出力されるエンベロープ波形である。なお、時刻t0〜t1の期間において実際に同図(b)の波形が読み出されているとは限らないが、同図においては参考のために波形全体を表示している。同図(a)の波形レベルをA,同図(b)の波形レベルをBとしたとき、クロスフェード結果の波形レベルCは下式(1)によって表現される。
C=A(1−X)+BX ……(1)
【0017】
但し、式(1)において、現在時刻をtとして、
t<t1 のとき X=0、
t1≦t≦t2 のとき X=(t−t1)/(t2−t1)、 ……(2)
t>t2 のとき X=1
である。
【0018】
本実施形態においては、エンベロープ波形の遷移が徐々に行われるため、エンベロープ波形を急に切り換えた場合に楽音合成部30が不安定になる場合や、楽音波形に違和感が生ずる場合に用いて好適である。
【0019】
3.第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態の電子擦弦楽器の構成を図3を参照し説明する。なお、図において図1の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。図において15はレベル検出部であり、エンベロープメモリ14から読み出される2系統のエンベロープ波形のレベルを監視し、両レベルが共に所定値未満になったか否かを検出する。ここで「所定値」とは、「0」であると看做しても差し支えない程度の低いレベルである。
【0020】
レベル検出部15は、切換スイッチ4の操作を検出すると、両エンベロープ波形のレベルが共に所定値未満であれば、この切換操作に基づいて直ちに切換スイッチ16の切換を行う。一方、何れかのエンベロープ波形レベルが該所定値以上であれば、両波形レベルが共に該所定値未満になるまで待機し、しかる後に切換スイッチ16の切換を行う。
【0021】
次に、本実施形態の動作を図5を参照し説明する。図において時刻t10に鍵盤2においてキーオンが発生し、そのエンベロープ波形が再生中である時刻t11に切換スイッチ4が操作され、しかる後の時刻t13において再びキーオンが発生した状況を想定している。同図(a)はキーオン発生時に選択されていたエンベロープ波形であり、同図(b)は切換スイッチ4によって新たに選択されたエンベロープ波形である。また、同図(c)は切換スイッチ16によって選択されたエンベロープ波形である。
【0022】
同図においては時刻t11に切換スイッチ4が操作されたが、この時点では同図(a),(b)のエンベロープ波形は共に高いレベルであるため、切換スイッチ16は切り換えられない。その後、両エンベロープ波形のレベルが充分に下がった時刻t12において切換スイッチ16は同図(b)側の波形に切り換えられることになる。これにより、時刻t13において再びキーオンが発生すると、同図(b)側のエンベロープ波形が切換スイッチ16を介して出力されることになる。
【0023】
本実施形態によれば、奏法等の発音条件が一回の押鍵操作を単位として切り換えられるから、押鍵途中(発音途中)に発音条件を変更すべきでない場合に用いて好適である。また、本実施形態によれば、奏法等の発音条件を切り換える際に、実際の切換タイミングの前に切換スイッチ4を操作することができる。これによって、先の奏法から次の奏法に移るまで(図5の例では時刻t12〜t13まで)の間隔が短い場合においても、事前に余裕をもって切換スイッチ4を操作することができる。
【0024】
4.変形例
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上記各実施形態はハードウエアによって電子擦弦楽器を実現した例を示したが、各構成要素を各種コンピュータ上で動作するソフトウエアによって構成してもよい。その場合、このソフトウエアをCD−ROM、フロッピーディスク等の記録媒体に格納して頒布し、あるいは伝送路を通じて頒布することもできる。
【0025】
(2)上記各実施形態においては、鍵盤2からのキーコードによって音高指定を行ったが、他の操作子を用いて音高を指定してもよい。また、アドレス制御部12がエンベロープ波形を読み出すトリガとして鍵盤2からのキーオンを用いたが、これについても鍵盤2以外の操作子を用いてもよい。また、発音条件毎(エンベロープ波形毎)に制御元の操作子を選択/指定するようにしてもよく、操作子毎に制御対象とするエンベロープ波形を選択/指定するようにしてもよい。また、操作子は鍵盤のみとし、その操作情報とエンベロープ波形とによって全てのパラメータを生成するようにしてもよい。
【0026】
(3)上記各実施形態においては、エンベロープ波形を予めエンベロープメモリ14に記憶し、これを読み出すことによってエンベロープ波形を発生させたが、エンベロープメモリ14にはパラメータのみを記憶させ、その後段にエンベロープジェネレータを設けることによって該パラメータに基づいてエンベロープ波形を発生させるようにしてもよい。その際、エンベロープジェネレータはエンベロープ波形毎に設けてもよく、各エンベロープ波形に対して共通のエンベロープジェネレータを用いてもよい。
【0027】
エンベロープジェネレータを用いる場合、発音条件に応じた切換/クロスフェード制御は、エンベロープジェネレータの前段で行ってもよく(パラメータの切換/クロスフェード制御)、エンベロープジェネレータの後段で行ってもよい(エンベロープ波形の切換/クロスフェード制御)。
【0028】
(4)上記各実施形態においては、擦弦楽器を想定した物理モデル音源に対して本発明を適用した例を示したが、モデルの対象は擦弦楽器に限られるものではなく、撥弦楽器や管楽器等でもよい。また、楽音合成部30は物理モデル音源に限定されるものではなく、FM音源、波形メモリ読出し方式音源等に対するパラメータの生成/供給に使用してもよい。
【0029】
(5)上記各実施形態においては、時変動信号としてエンベロープ波形を用いた例を示したが、本発明を他の時変動信号に適用してもよい。例えば、楽音にゆらぎや変調を施すためのゆらぎ信号発生器や低周波信号発生器を設け、これらの制御や、これらによる楽音制御パラメータの生成に本発明を適用することができる。
【0030】
(6)上記各実施形態においては、切換スイッチ4を用いて奏法等の発音条件を切り換えたが、鍵盤2等の演奏操作子の操作によって切り換えても良い。また、MIDI、USB等の外部信号インターフェースを設け、各種ネットワークから供給された信号に基づいて切り換えてもよい。また、鍵盤2から供給される鍵操作情報等の演奏操作情報も、同様に外部から受信した信号を用いてもよい。さらに、本発明を適用して得られた楽音制御パラメータを、各種インターフェースを介して外部出力するようにしてもよい。
【0031】
鍵盤2を用いて奏法等を切り換える具体例として、一部の鍵を奏法切換用に割り当てることが考えられる。擦弦楽器は音域が比較的狭いため、鍵盤2の中で音高指定のために使用されない鍵が発生する場合が多い。例えば88鍵ピアノの音域は、一般的にA-1〜C7であるのに対して、ダブルベースの最低音はE0,バイオリンの最高音はG6である。ゆえに、A-1〜D0#,G6#〜C7は、通常の態様では擦弦楽器の演奏には使用されない。このような場合、音高指定のために使用されない鍵の操作情報を奏法等の発音条件の切換に使用するとよい。
【0032】
さらに、ホイール操作子6あるいはペダル8の操作量が所定のしきい値を超えているか否かに基づいて通常奏法かピッチカートかを切り換えてもよい。ホイール操作子6に代えてスライダ操作子やリボン操作子等を用いた場合も同様である。また、ペダル8の踏み板の両側面に足で操作するスイッチを設けてそのオンオフ状態によってピッチカートと通常奏法を切り換えてもよい。
【0033】
(7)また、鍵盤2の鍵域を複数に分割し、例えば右鍵盤を通常奏法、左鍵盤をピッチカートに割り当ててもよい。なお、鍵域毎に異なる音色を割り当てる技術は周知であるが、本変形例はこの周知技術とは全く異なるものである。すなわち、本変形例における鍵盤2の押鍵操作は、上記各実施形態において鍵盤2の押鍵および切換スイッチ4の操作を同一タイミングで実行することと同様である。従って、右鍵盤である鍵を押鍵中に同一音高の左鍵盤の鍵を押鍵すると、エンベロープ波形の切換(第1実施形態の変形)、またはエンベロープ波形のクロスフェード(第2実施形態の変形)が発生することになる。
【0034】
(8)図4において時刻t1〜t2の期間は既定のパラメータであってもよく、アタックレート(同図(a),(b)の波形レベルの最高値)等、他のパラメータに応じて設定してもよい。また、式(2)においてはパラメータXを直線状に変化させたが、放物線状、双曲線状に変化させてもよい。
【0035】
(9)上記各実施形態においては、弓圧エンベロープ制御部10および弓速エンベロープ制御部20の各々に個別のエンベロープメモリを設けたが、共通のエンベロープメモリを設け、弓圧エンベロープ制御部10および弓速エンベロープ制御部20がそれぞれ必要なエンベロープ波形を読み出すようにしてもよい。また、ピッチカート演奏時における弓圧および弓速エンベロープ波形は共に三角形状にすると好適であるため、両エンベロープ波形として共通の波形を適用してもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、奏法等に応じて楽音制御パラメータとして時変動信号を変更するとともに、該楽音制御パラメータに対して修飾信号の影響を及ぼすか否かを自動的に設定することができるから、奏法等様々な発音条件に応じて多彩な楽音制御パラメータを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の電子擦弦楽器のブロック図である。
【図2】 本発明の第2実施形態の電子擦弦楽器のブロック図である。
【図3】 本発明の第3実施形態の電子擦弦楽器のブロック図である。
【図4】 第2実施形態の波形図である。
【図5】 第3実施形態の波形図である。
【符号の説明】
2……鍵盤、4……切換スイッチ、6……ホイール操作子、8……ペダル、10……弓圧エンベロープ制御部、12……アドレス制御部、14……エンベロープメモリ、15……レベル検出部、16……切換スイッチ、17……クロスフェード制御部、18……振幅設定・修飾部、20……弓速エンベロープ制御部、30……楽音合成部、40……サウンドシステム。

Claims (3)

  1. 複数種類の演奏操作子と、第1の奏法または第2の奏法の何れかを選択する切替手段とを備えた楽音制御パラメータ生成装置に適用される楽音制御パラメータ生成方法であって、
    前記切替手段による奏法の切替に応じて、該切り替えられた奏法に対応する時変動信号を発生させる過程と、
    前記複数種類の演奏操作子に対する演奏操作に応じた演奏情報を入力する過程と、
    前記複数種類の演奏操作子のうち所定の演奏操作子からの演奏情報に基づいて前記時変動信号を修飾するための修飾信号を発生する過程と、
    前記切替手段にて前記第1の奏法が選択された場合は前記時変動信号を前記修飾信号に基づいて変更して楽音制御パラメータとして出力し、前記切替手段にて前記第2の奏法が選択された場合は、前記修飾信号による影響を与えないようにしつつ、前記時変動信号を前記楽音制御パラメータとして出力する過程と
    を有することを特徴とする楽音制御パラメータ生成方法。
  2. 複数種類の演奏操作子と、第1の奏法または第2の奏法の何れかを選択する切替手段とを備えた楽音制御パラメータ生成装置であって
    前記切替手段による奏法の切替に応じて、該切り替えられた奏法に対応する時変動信号を発生させる時変動信号発生手段と、
    前記複数種類の演奏操作子に対する演奏操作に応じた演奏情報を入力する演奏情報入力手段と、
    前記複数種類の演奏操作子のうち所定の演奏操作子からの演奏情報に基づいて前記時変動信号を修飾するための修飾信号を発生する修飾信号発生手段と、
    前記切替手段にて前記第1の奏法が選択された場合は前記時変動信号を前記修飾信号に基づいて変更して楽音制御パラメータとして出力し、前記切替手段にて前記第2の奏法が選択された場合は、前記修飾信号による影響を与えないようにしつつ、前記時変動信号を前記楽音制御パラメータとして出力する楽音制御パラメータ出力手段と
    を有することを特徴とする楽音制御パラメータ生成装置。
  3. 複数種類の演奏操作子と、第1の奏法または第2の奏法の何れかを選択する切替手段と、処理装置とを備えた楽音制御パラメータ生成装置に適用されるプログラムを記録した記録媒体であって、
    前記切替手段による奏法の切替に応じて、該切り替えられた奏法に対応する時変動信号を発生させる過程と、
    前記複数種類の演奏操作子に対する演奏操作に応じた演奏情報を入力する過程と、
    前記複数種類の演奏操作子のうち所定の演奏操作子からの演奏情報に基づいて前記時変動信号を修飾するための修飾信号を発生する過程と、
    前記切替手段にて前記第1の奏法が選択された場合は前記時変動信号を前記修飾信号に基づいて変更して楽音制御パラメータとして出力し、前記切替手段にて前記第2の奏法が選択された場合は、前記修飾信号による影響を与えないようにしつつ、前記時変動信号を前記楽音制御パラメータとして出力する過程と
    前記処理装置に実行させるプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
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