JP4674623B2 - 音源システム及び楽曲ファイル作成ツール - Google Patents
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SMFは演奏情報の保存やデータ交換を行うためのデータフォーマットであり、GM(General MIDI)規格に従ってSMFファイルを作成すれば、GM規格に従った音源であれば、その音色マップに従い、音源の持つ楽器音色により、それなりに再生することができる。
また、SMAFは、携帯端末などにおいてマルチメディアコンテンツを表現するためのデータフォーマット仕様である(非特許文献1参照)。
さらに、特許文献1には、音色データ付きの楽曲ファイル(SMAFファイル)が記載されている。ここで、音色データ(音色パラメータ)とは、FM音源の場合にはFM演算のアルゴリズムを指示するパラメータであり、波形メモリ(WT)音源の場合には音色波形データなどである。
また、上記特許文献1に記載されている音色データ付きの楽曲ファイル(SMAFファイル)を、音色データに対応していない音源が再生する場合には、該ファイルに付加されている音色データを無視して、自らが保持している音色データを用いて再生することとなる。すなわち、SMF形式のファイルと同様に、プログラムチェンジメッセージに含まれているプログラムチェンジ番号(音色番号)に従って、その番号に対応する自らが保持している音色で再生することとなる。
現在、このような音色データに対応していない音源を持つ携帯端末と、音色データに対応している音源を持つ携帯端末が存在する。
この図に示す例では、コンテンツは、プログラムチェンジ番号#1に特定のピアノの音色、プログラムチェンジ番号#25に特定のギターの音色が付加されているSMAFファイルである。このSMAFファイルを、SMAF非対応の音源システムで再生すると、該音源システムでは付加されている音色を処理することができず、プログラムチェンジ番号のみに基づいて自らが例えばROMに保持している一般ピアノの音色及び一般ギターの音色を用いて再生することとなる。
そして、それを聞くユーザは、それでもピアノの音はピアノの音で再生されているため、本来のピアノの音ではないことに気が付かず、この楽曲ファイルはこの程度のものなのだと勘違いしてしまい、楽曲ファイルの価値が落ちてしまうという問題がある。
また、本発明の楽曲シーケンスデータに基づいて新たな楽曲ファイルを作成することができる楽曲ファイル作成ツールは、リズム楽器を含む音色種類にそれぞれ割り当てられる複数のチャンネルを有する楽曲シーケンスデータを入力する入力手段と、該入力された楽曲シーケンスデータに含まれるチャンネル番号を番号が重なることがないようにランダムに再配置する手段と、該再配置後されたチャンネル番号と音色種類との対応関係を示すチャンネル属性情報を作成する手段と、前記チャンネル番号が再配置された楽曲シーケンスデータと前記チャンネル属性情報とを含む楽曲ファイルを出力する手段とを有するものである。
したがって、本発明の楽曲シーケンスデータを交換するためのデータ交換フォーマットによれば、制作者が意図した楽曲の再生を保証することができ、楽曲ファイル(コンテンツ)の価値を守ることができる。
また、本発明の音源システムによれば、本発明の楽曲シーケンスデータを交換するためのデータ交換フォーマットを有する楽曲ファイルを、制作者が意図した音色で再生することができる。
さらに、本発明の楽曲ファイル作成ツールによれば、楽曲シーケンスデータから本発明のデータ交換フォーマットを有する楽曲ファイルを作成することができる。
この楽曲ファイルは、SMAFファイルと同様にチャンク構造とされており、1はこの楽曲ファイルのファイルチャンクである。ファイルチャンク1はヘッダ部とボディ部とを有する。ヘッダ部にはファイルを識別するためのファイルID(チャンクID)と後続するボディ部の長さを示すチャンクサイズが含まれている。
ボディ部はチャンク列であり、図示するように、コンテンツインフォ・チャンク(Contents Info Chunk)2、オプショナルデータ・チャンク(Optional Data Chunk)3及びスコアトラック・チャンク(Score Track Chunk)4が含まれている。
コンテンツインフォ・チャンク2には、コンテンツのタイプやコピーステータス等の各種管理用情報が格納されていおり、オプショナルデータ・チャンク3には、ジャンル名、曲名、アーティスト名、作詞/作曲者名等が格納されている。
スコアトラック・チャンク4は、音源を再生するための各種データを格納するチャンクであり、実演奏データ(シーケンスデータ)を格納するシーケンスデータ・チャンク(Sequence Data Chunk)5、音色データやエフェクト設定などを格納するセットアップデータ・チャンク(Setup Data Chunk)6、及び、後述するスクランブル情報を格納するスクランブル・チャンク(Scramble Chunk)7が含まれている。
このようにこの楽曲ファイルはSMAFファイルを変形したものであり、スクランブル・チャンク7が含まれている点で通常のSMAFファイルと相違している。なお、スクランブル・チャンク7は、必ずしもこのスコアトラック・チャンク4内に含まれている必要はなく、他の場所に配置されていてもよい。また、SMAFファイルには、PCMオーディオトラック・チャンクやグラフィックトランク・チャンクなどが含まれていることがあるが、ここでは省略している。
本発明の楽曲ファイルにおいては、このシーケンスデータ・チャンク5に含まれているシーケンスデータ中の特定のイベントが後述するようにスクランブル処理されている点が従来のSMAFファイルと相違している。
この図において、11は楽曲ファイル作成ツール(オーサリングツール)、12はオーサリングツール11に入力されるSMFファイルなどの既存のサウンドファイル、13は各種コマンドなどを入力するための操作部、14はSMFファイルやSMAFファイルを再生する音源システム、15はスピーカ、16はオーサリングツール11から出力される本発明の楽曲ファイル(SMAFファイル)である。
オーサリングツール11は、SMFファイル(.mid)や従来のSMAFファイル(.mmf)などの既存のサウンドファイル(楽曲シーケンスデータ)12を入力とし、その特定のイベントにスクランブル処理を施して本発明の楽曲ファイル(SMAFファイル)16として出力する処理を行うものであり、例えば、コンピュータプログラムにより実現される。
なお、どのイベントをスクランブル処理の対象とするか、また、どのようなアルゴリズムのスクランブル処理を施すかについては、種々の場合を考えることができるが、この例では、プログラムチェンジメッセージに含まれるプログラムチェンジ番号を番号が重なることがないようにランダムに再配置するスクランブル処理を施すようにしている。
このような処理の後、ファイル出力指示があったときには(S4がYES)、そのサウンドファイルを前述したSMAFファイルに変換する(S5)。このとき、指定された音色データとプログラムチェンジ番号との対応付けを行い、前記セットアップデータ・チャンクのデータを作成する(S6)。
そして、スクランブルモードであるか否かを判定し(S7)、スクランブルモードでないときは、そのSMAFファイルを出力して処理を終了する。
一方、スクランブルモードであるときは、前記シーケンスデータ・チャンクに含まれているプログラムチェンジイベント中のプログラムチェンジ番号をランダムに再配置する(S9)。このとき、前記セットアップデータ・チャンクに含まれている音色データについてもプログラムチェンジ番号の再配置を行い、再配置前のプログラムチェンジ番号に対応していた音色データが再配置後のプログラムチェンジ番号に対応付けられているようにする。
そして、該再配置のアルゴリズムに用いる情報などのように再配置されたプログラムチェンジ番号を元に戻すために用いる情報(スクランブル情報)を作成し、スクランブル・チャンクとして付加する(S10)。このようにして、特定のイベントのデータがスクランブル処理された楽曲ファイル16が出力され、処理を終了する(S11)。
また、SMAFは音色データを定義しないで作成することもできるようにして、音色データの有無によって、音色データが含まれているときにのみ自動的に上記スクランブルをかけるようにしてもよい。
この図において、(a)は再配置前のコンテンツ、(b)は再配置後のコンテンツとスクランブル情報を示している。
この図において、(a)再配置前には、プログラムチェンジ番号#1には特定のピアノの音色が対応し、#25には特定のギターの音色が、#66には特定のサックスの音色が、それぞれ対応していたのを、前記スクランブル処理によりプログラムチェンジ番号をランダムに再配置して、(b)に示すように、プログラムチェンジ番号#103に前記特定のピアノの音色、#74に前記特定のギターの音色、#39に前記特定のサックスの音色を対応付けている。
そして、前記再配置する処理のアルゴリズムに用いた情報などの、再配置されたプログラムチェンジ番号を元に戻すために必要なスクランブル情報は、前記スクランブル・チャンクとして、コンテンツ中に別途格納しておく。
なお、後述するように、この楽曲ファイルを再生するときに、前記スクランブル情報は必要とされないが、このスクランブル情報を用いることにより、再配置されたプログラムチェンジ番号を元に戻すことが可能となり、スクランブル後のコンテンツを編集する作業などを容易に行うことが可能となる。
この図において、21はこの音源システムの制御を行うCPU、22は制御プログラムやプリセット音色データなどの各種データが格納されているROM、23はワークエリアとして使用されるとともに、再生するSMAFファイルなどの楽曲ファイルやその他のデータを記憶するRAM、24は音源、25は該音源24に接続されたスピーカ、26は前記構成要素21〜24を接続するバスである。
図示するように、音源24は、前記バス26に接続されたインターフェース回路27、該インターフェース回路27に接続されたFIFO(先入れ先出し)バッファ28、該FIFOバッファ28に接続されたシーケンサ29、前記インターフェース回路27に接続された音色RAM30、前記シーケンサ29と音色RAM30に接続された音源部31、及び、音源部31から出力されるデジタルサウンド信号をアナログ信号に変換するD/A変換器(DAC)32を有している。
続いて、前記CPU21は、当該SMAFファイル中のシーケンスデータ(デュレーションとイベント)を順次、音源24に送信し、該シーケンスデータは、前記インターフェース回路27及びFIFOバッファ28を介して、シーケンサ29に送られる。
シーケンサ29は、受け取ったシーケンスデータを順次解釈して音源制御パラメータを音源部31に設定する。このとき、シーケンサ29は、プログラムチェンジイベントに従って、プログラムチェンジ番号を音色RAM30に供給することにより、音色RAM30から対応する音色データが音源部31に設定される。音色データには、すでに対応するプログラムチェンジ(Pch)番号が対応付けられているので、正しい音色データが選択されることとなる。
音源部31は、設定された音色のパラメータと音源制御パラメータにより楽音信号を発生し、該楽音信号はDAC32を介してスピーカ25から放音されることとなる。
さらに、前記音源24の実装方法は、ソフトウェア方式でも専用ハードウェアでもよい。音源方式(FM方式/PCM方式)も問わないが、SMFやSMAFなどの既存楽曲フォーマットも再生できることが望ましい。
この図に示すように、前記図4と同様の(a)スクランブルコンテンツを前記図5に示した(b)SMAF対応の音源システムで再生する場合には、前述のように、スクランブルコンテンツ中に含まれている音色データは音色RAMに格納される。そして、前記音色データと関連付けられたプログラムチェンジを受信すると、前記音色RAMに格納された対応する音色データを音源部にロードし、ノートイベントを受信すると、ロードされた音色でノートを発音する。図示した例では、Pch#103は特定ピアノ音色、Pch#74は特定ギター音色、Pch#39は特定サックス音色となり、(a)と同じ音色で再生される。
これにより、制作者が意図した通りの楽曲の再生を行うことができる。
このように、プログラムチェンジ番号が本来制作者が指定して作成した音色マップの音色と異なるため、制作者が意図しない音色で再生されることとなる。したがって、ユーザが、その楽曲そのものの価値を低く評価するような勘違いをすることを防止することができる。
次に、本発明の一実施の形態について説明する。
通常、MIDIのチャンネルは16チャンネルであり、GM規格ではチャンネル10がリズム演奏用として決められている。この実施の形態は、コンテンツ中のチャンネル番号をスクランブル処理の対象とするものである。
図7は、本発明のこの実施の形態について説明するための図であり、(a)はこの実施の形態におけるチャンネル番号のスクランブル処理の一例を示し、(b)は該スクランブル処理を行った後のチャンネル属性情報(どのチャンネル番号が、ノーマル楽器のチャンネルであるか、ドラムなどのリズム楽器のチャンネルであるかを示す情報)を示す。
図7の(a)に示す例では、チャンネル1にピアノ、チャンネル2にギター、チャンネル3にサックス、・・・、チャンネル10にリズム楽器、・・というように割り当てられていたものを、チャンネル番号をランダムに再配置するスクランブル処理により、チャンネル3がピアノ、チャンネル10がギター、チャンネル1がサックス、・・・、チャンネル2がリズム楽器、・・というように割り当てを変更している。
この実施の形態のデータ交換フォーマットの楽曲ファイルを作成するオーサリングツールは、コンテンツ中のチャンネル番号を1〜16の間でランダムに再配置を行う。この再配置を行う再配置手段は、チャンネル番号が重ならないような再配置アルゴリズムを用いる。そして、再配置された後の前述したチャンネル属性情報を前記シーケンスデータ以外のエリアに別途格納する。また、前記再配置のアルゴリズムに用いた情報などのスクランブル情報も、前記スクランブル・チャンクなどの所定のエリアに格納する。
この場合には、チャンネル属性が本来制作者が指定して作成した属性と異なるため、制作者が意図しない音色で再生されることとなる。
なお、前記スクランブル情報は、前記第1の実施の形態の場合と同様に、再生には必要とされないが、これを用いてスクランブルを解除することにより、スクランブル後のコンテンツを編集する作業などを容易に行うことができる。
そして、この例の音源システムは、前記スクランブル情報を用いてノート番号のスクランブルを解除する手段を有している。したがって、前記スクランブル情報に基づいて、ノート番号を元のノート番号に戻してから再生することができる。
一方、このデータ交換フォーマットを有する楽曲ファイルが一般の音源システムに入力されたときは、該楽曲ファイルに含まれている前記スクランブル情報は無視され、ノートイベントが受信されるとスクランブルのかかったノート番号で再生されることとなる。したがって、ノート番号が本来制作者が意図して作ったキー(音程)と異なるため、制作者が意図しない音程で再生されることとなる。
この例においては、前記図1の(b)に示したシーケンスデータに含まれている1又は複数のイベントに対してスクランブル処理を施すものであり、イベントに対して、例えば、バイト単位で、所定のデータとの論理演算を行ったり、あるいは、単にビット反転を行ったりする。なお、イベントだけではなく、タイミング情報(デュレーション)についても、スクランブルをかけるようにしてもよい。そして、該スクランブルがかけられたシーケンスデータと、そのスクランブルのアルゴリズムに用いた情報などのスクランブルを解除するためのスクランブル情報を、シーケンスデータ以外の所定のエリア、例えば、前記スクランブル・チャンクなどに別途格納するようにしている。
そして、この例の音源システムは、前記スクランブル情報を用いて、前記シーケンスデータにかけられたスクランブルを解除することができるようになされている。
一方、このようなデータ交換フォーマットを有する楽曲ファイルが一般の音源システムに入力されたときは、前記スクランブル情報は無視されるためスクランブルのかかったイベントを解釈することができず、エラーとなる。
このように、制作者が意図した楽曲の再生を行うことができる。
Claims (2)
- リズム楽器を含む音色種類にそれぞれ割り当てられる複数のチャンネルを有する楽曲シーケンスデータを含む楽曲ファイルを再生することができる音源システムであって、
前記楽曲シーケンスデータは、元となる楽曲シーケンスデータに含まれているチャンネル番号を番号が重なることがないようにランダムに再配置するスクランブル処理が施された楽曲シーケンスデータであり、
前記楽曲ファイルは、前記楽曲シーケンスデータとともに、前記ランダムに再配置されたチャンネル番号と音色種類との対応関係を示すチャンネル属性情報を含み、
楽曲ファイルが入力されたときに、前記チャンネル属性情報を用いて再生すべき音色種類を設定する手段と、
該設定された音色種類に応じて前記楽曲シーケンスデータを再生することで、前記スクランブル処理が施された楽曲シーケンスデータをスクランブル処理が施される前の状態と同じ状態で再生する手段と
を有することを特徴とする音源システム。 - 楽曲シーケンスデータに基づいて新たな楽曲ファイルを作成することができる楽曲ファイル作成ツールであって、
リズム楽器を含む音色種類にそれぞれ割り当てられる複数のチャンネルを有する楽曲シーケンスデータを入力する入力手段と、
該入力された楽曲シーケンスデータに含まれるチャンネル番号を番号が重なることがないようにランダムに再配置する手段と、
該再配置後されたチャンネル番号と音色種類との対応関係を示すチャンネル属性情報を作成する手段と、
前記チャンネル番号が再配置された楽曲シーケンスデータと前記チャンネル属性情報とを含む楽曲ファイルを出力する手段と
を有することを特徴とする楽曲ファイル作成ツール。
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