JP3788280B2 - 携帯通信端末 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機などの携帯通信端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯電話やPHSなどの携帯通信端末において、予め機器にプリセットされた楽曲ファイルやユーザが作成した楽曲ファイルあるいは配信センタなどのサーバから取得した楽曲ファイル(SMF(Standard MIDI File)、SMAF(Synthetic music Mobile Application Format)、MFiなどのシーケンスデータファイル)に基づき、音源を駆動して着信メロディを発生することが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の携帯通信端末において楽曲ファイルに基づき着信メロディなどを再生する場合には、最新のヒットチャートなどから選曲される場合が多く、楽曲の人気に偏りが生じやすい。従って、個性がなく、携帯通信端末所有者がたくさん集まっている場所では自分への着信であるかどうかを識別できない場合がある。
そこで、自分だけのオリジナルの着信メロディを作成することが考えられるが、自作の楽曲データ以外の既存の楽曲データに対してはデータの変更をすることができず、自作する場合には一音ずつ入力していくことが必要であった。また、高度なものを作ることは一般に困難である。
ところで、楽曲の再生に使用されている音色を変更することにより曲の雰囲気は大きく変わる。同じシーケンスデータであっても、例えば、メロディの音色が変われば、曲の印象が変化する。しかしながら、従来では、自作の楽曲データ以外の楽曲データについては、使用する音色を変更することができなかった。
【0004】
そこで本発明は、既存の着信メロディの楽曲データの再生に使用する音色データを任意に変更して再生することができる携帯通信端末を提供することを目的としている。
また、新たな音色データを使用する新たな楽曲ファイルを作成することができる携帯通信端末を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の携帯通信端末は、制御部と、記憶部と、通信部と、表示部と、操作部と、楽曲再生部とを有する携帯通信端末であって、前記記憶部は、少なくとも、楽曲の再生に使用する音色の音色データとその楽曲のシーケンスデータとを含む楽曲ファイルと、他の音色データとを記憶しているものであって、前記各音色データは楽音波形を指示する波形パラメータを含んでおり、前記楽曲再生部は、前記楽曲ファイルに基づいて楽音を生成するものであって、前記楽曲ファイルを再生するときにその楽曲ファイルに含まれている音色データが書き込まれる音色データ記憶部を具備し、前記記憶部から順次読み出されるその楽曲のシーケンスデータに応じて前記音色データ記憶部に書き込まれた音色データを読み出すことによりその音色の楽音を発生するものであり、前記制御部は、前記記憶部に記憶されている他の音色データを前記音色データ記憶部に書き込み、前記楽曲再生部に、前記楽曲ファイルを前記他の音色データを使用して再生させる再生制御機能と、前記楽曲ファイルに含まれている音色データを前記他の音色データに変更した新たな楽曲ファイルを作成して前記記憶部に記憶する楽曲ファイル作成機能とを有するものである。
また、前記楽曲ファイルは、その楽曲の再生に使用する音色の音色データの他に差替え用音色データを持つものであり、前記制御部の再生制御機能は、前記差替え用音色データを前記他の音色データとして前記音色データ記憶部に書き込み、前記楽曲再生部に前記楽曲ファイルを前記差替え用音色データを使用して再生させるものであり、前記制御部の楽曲ファイル作成機能は、前記楽曲ファイルに含まれている音色データを前記差替え用音色データに変更した新たな楽曲ファイルを作成して前記記憶部に記憶するものである。
さらに、前記制御部は、前記楽曲ファイルに含まれている音色データを前記差替え用音色データに変更した新たな楽曲ファイルを作成して前記記憶部に記憶する場合、該新たな楽曲ファイルを、元の楽曲ファイルにおけるその楽曲の再生に使用する音色の音色データを差替え用音色データとして持つ楽曲ファイルとするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の携帯通信端末と該携帯通信端末が接続することのできるサーバ装置を有する通信システム全体の概略構成を示すブロック図である。
この図において、1は本発明の携帯通信端末(移動局)、2は基地局、3は前記複数の基地局を管理するとともに公衆網やインターネットなど他網とのゲートウエイとなる交換局、4は前記交換局3に直接あるいはインターネットなどを介して接続されて設けられた配信サーバ、5は前記配信サーバ4に接続され、前記携帯通信端末1に配信する各種楽曲ファイルや各種音色データなどを格納しているデータベースである。
【0007】
図2は、前記データベース5に格納されているデータを示す図である。
図2において、(1)は最も基本的な楽曲ファイル(基本型)、(2)は前記楽曲ファイル(基本型)に差替え用音色データが付加された付録音色データ付き楽曲ファイル、(3)はSMFファイルである。また、(4)は単独の音色データ(単品)、(5)は複数の音色データが含まれている音色ライブラリデータである。
【0008】
(1)楽曲ファイル(基本型)は、例えば、SMAF形式の楽曲ファイルであり、図示するように、ヘッダ部、音色データ部およびシーケンスデータ部を含んでいる。ヘッダ部にはこの楽曲の曲名、この楽曲ファイルに含まれるトラック数やこの楽曲の再生時のタイムベースなどの情報が含まれている。また、アーティスト名、コメント情報、楽器名、歌詞情報なども含ませることができ、この楽曲ファイルをカラオケ演奏などに使用することができるようになされている。
音色データ部には、この楽曲の再生に使用する音色の音色データと、各パートに割り当てる音色を指定する音色割当て情報が含まれている。音色データは、各音色ごとに特有のものであり、波形パラメータとその他のデータとからなっている。波形パラメータは、楽音波形を指示するものであり、FM音源の場合にはFM演算のアルゴリズムを指示するパラメータ、WT音源の場合には音色波形データ、該音色波形データのスタートアドレス、ループスタートアドレス、エンドアドレスなどである。また、その他のデータとしては、アタックレート、ディケイレート、サスティンレベル、リリースレートなどを指定するエンベロープパラメータ、ビブラートやトレモロの深さや速さを指定する変調パラメータ、リバーブ、コーラス、バリエーションなどのエフェクトを指定するエフェクトパラメータおよびこの音色がステレオ音色であるかモノラル音色であるかを示す識別子などが含まれている。
シーケンスデータ部には、各イベント間の時間間隔を表わす時間情報(デュレーションデータ)とイベント情報の組がイベントの発生順に含まれている。
なお、シーケンスデータ部の後などにこの楽曲ファイルのデータの正当性をチェックするためのチェックサムあるいはCRC(cyclic redundancy check)符号などを付加してもよい。
【0009】
(2)付録音色データ付き楽曲ファイルは、図示するように、前記楽曲ファイル(基本型)にこの楽曲の再生時に音色データ部に格納されている音色と差し替えて使用することのできる音色データを含む付録音色データ部を付加したものである。後述するように、ユーザは、前記音色データ部に格納されている音色を付録音色データ部に格納されている音色に差し替えて当該楽曲データを再生することができる。
【0010】
(3)SMFファイルは、ヘッダ部とシーケンスデータ部とからなっている。このヘッダ部とシーケンスデータ部に含まれているデータは、上述した場合と同様である。SMFファイルを再生するときには、携帯通信端末に予めプリセットされている音色データを用いて楽曲の再生を行うこととなる。
【0011】
(4)音色データ(単品)は、ヘッダ部と音色データ部とからなり、ヘッダ部にはその音色データの名称および音色データを特定する番号などの情報が含まれており、音色データ部には1種類の前述した音色データが含まれている。
(5)音色ライブラリは、複数の前記音色データを含むデータであり、ヘッダ部にはこの音色ライブラリに含まれている複数の音色データの名称や番号などの情報が含まれており、音色データ部には、図示するように、複数種類の音色データが含まれている。
このように、本発明においては、データベース5に音色データ(単品)や音色ライブラリを格納しており、配信サーバ4を介して音色データのみを各ユーザがダウンロードすることができるようになされている。これにより、ユーザが既存の楽曲ファイルの再生時に差し替える音色データの選択肢を拡げることができる。
【0012】
図3は、本発明の携帯通信端末1の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
この図において、11はこの装置全体の制御を行う中央処理装置(システムCPU)、12は各種通信制御プログラムや楽曲再生のためのプログラムなどの制御プログラムおよびプリセットされている楽曲ファイル、音色データおよび各種定数データなどが格納されているシステムROM、13はワークエリアとして使用されるとともに前記配信サーバ4からダウンロードしたりユーザが作成した楽曲ファイル、音色データなど各種のデータを記憶するシステムRAM、14は液晶表示装置(LCD)などからなる表示部、15は複数の操作ボタンなどを有する操作部、16は変復調部などからなりアンテナ17に接続される通信部である。ここで、前記システムRAM13における楽曲ファイル記憶領域および音色データ記憶領域は、フラッシュメモリを使用したり、バッテリバックアップをすることなどにより不揮発性とされているのが望ましい。
【0013】
また、18は、送話マイク19、マイク20および受話スピーカ21に接続され、通話のための音声信号の符号化および復号を行うとともにマイク19、20から入力された音声信号をサンプリングして取り込む機能を有する音声処理部(音声CODEC)、22は、音源を有し、前記システムRAM13などに記憶された楽曲ファイルに基づいて楽曲を再生する楽曲再生部、23は着信通知などに用いられるスピーカ、24はヘッドホン、25はパーソナルコンピュータや他の携帯通信端末などの外部機器との間で通信ケーブルなどを介して各種データを授受するための外部インターフェース回路、26は前記各構成要素間のデータ転送を行うためのバスである。
【0014】
図4は、前記音声処理部18の内部構成の一例を示す図である。この図において、31は前記送話マイク19からの入力音声を所定周波数のサンプリングクロックによりサンプリングしてデジタルデータに変換するA/D変換器、32は前記マイク20から入力される音声を所定周波数のサンプリングクロックでサンプリングしてデジタルデータに変換するA/D変換器、33、34、35はバッファ、36は前記A/D変換器31からの音声データを例えばCELP、VSELP、ADPCM方式などシステムにより定められた音声符号化方式で符号化し前記通信部16に出力する音声符号化部である。
また、37は前記通信部16により復調されベースバンド信号とされた音声データを復号する音声復号部、38は音声復号部37からの復号された音声データをアナログ信号に変換するD/A変換器、39、40はバッファ、41は前記バッファ39を介して供給される前記D/A変換器38の出力音声信号と前記バッファ40を介して入力される前記楽曲再生部22からの楽曲信号を重み付けして加算し、受話スピーカ21に出力する加算器である。
【0015】
通話時においては、前記送話マイク19から入力された送話音声は、A/D変換器31でサンプリングされてデジタルデータに変換され、バッファ33を介して音声符号化部36で所定の符号化方式(例えば、CELP方式)で符号化され、前記通信部16に出力される。また、前記通信部16からの受信データは音声復号部37に入力され、ここで復号された後、D/A変換器38でアナログ信号に変換されて、バッファ39および加算器41を介して受話スピーカ21から出力される。このとき、前記加算器41における重みは、例えば、バッファ39側が1、バッファ40側が0とされている。なお、保留音を再生するときには、前記加算器41の重みは、バッファ39側、バッファ40側ともに0.5とされ、着信メロディをステレオで再生するときには、バッファ39側が0、バッファ40側が1とされる。
【0016】
また、本発明の携帯通信端末1においては、マイク19、20からの入力音声をサンプリングして取り込み、取り込んだ音声に基づいて新たな音色データを作成することができるようになされている。このときには、例えばステレオの左チャンネル(L−ch)に対応する前記送話マイク19から入力された音声信号については、前記A/D変換器31で所定のサンプリング周期でサンプリングし、デジタルデータに変換する。また、同時に、右チャンネル(R−ch)に対応する前記マイク20からの入力信号は、A/D変換器32でサンプリングし、デジタルデータに変換する。A/D変換器31および32からの各デジタルデータは、それぞれ対応するバッファ34あるいは35を介して前記システムRAM13の所定の領域にステレオの音声波形データのR−ch、L−chのデータとして記憶される。なお、このときの前記A/D変換器31および前記A/D変換器32のサンプリングクロックの周波数は、前記通話時におけるサンプリング周波数と異なる周波数としてもよい。
【0017】
そして、このようにして取り込まれた音声波形データを音色データとして保存するときには、該サンプリングした音声波形データのエンベロープやピッチの変動を前記表示部14に表示し、該表示されている音声波形データのうちの音色データとして使用する部分を切り出す切出し処理、長く発音する場合におけるループの開始および終了位置であるループスタートポイントおよびエンドポイントの設定処理、および、所望のエンベロープを付与する処理などを行う。このような処理が終了した音声波形データに識別番号を付けて音色データとして前記システムRAM13中の音色データ記憶領域に記憶する。なお、前述のようにステレオでサンプリングした場合には、音色データ中にステレオ/モノラルのいずれの音色であるかを示す識別子を含ませておく。
【0018】
図5は、前記楽曲再生部22の内部構成の一例を示すブロック図である。この楽曲再生部22を用いて前述した各種楽曲ファイルを再生し、着信メロディや保留音とすることができる。また、非通話時などに楽曲ファイルを再生して楽曲の鑑賞をすることもできる。
図5において、51は前記バス26に接続されたインターフェース部、52は複数チャンネルの楽音を生成することのできるFM方式の音源(ポリフォニックFM音源)、53は複数チャンネルの楽音を生成することのできる波形メモリ方式の音源(ポリフォニックWT音源)、54はこの携帯通信端末に予め設定されているプリセット音色の音色データを記憶している音色ROM、55は音色データを記憶することのできる音色RAMである。ここで、前記WT音源53としては、PCM方式あるいはADPCM方式のいずれであってもよい。また、前記音色ROM54には、プリセット音色の音色データとして、例えば、GM128音色の音色データとドラムセットの音色データが格納されている。前記FM音源52およびWT音源53は、音色ROM54あるいは音色RAM55に格納されている音色データに基づき、複数の発音チャンネルで指定された音色の楽音波形データを生成する。
【0019】
56は前記FM音源52あるいは前記WT音源53により生成された楽音波形データのうちのLチャンネルの楽音波形データをミキシングするLチャンネルミキサであり、このLチャンネルミキサ56の出力はD/A変換器57でアナログ信号に変換された後、ヘッドホン24にLチャンネルの出力として供給されるとともに、前記音声処理部18に入力され、前記加算器41に供給され、前述のように受話スピーカ21から放音されることとなる。
58は、前記FM音源52あるいは前記WT音源53により生成された楽音波形データのうちのRチャンネルの楽音波形データをミキシングするRチャンネルミキサであり、このRチャンネルミキサ58の出力は、D/A変換器59でアナログ信号に変換された後、前記ヘッドホン24にRチャンネルの出力として供給されるとともに、スピーカ23から放音されることとなる。
【0020】
このように構成された本発明の携帯通信端末は、前述した楽曲ファイル(基本型)あるいは前記付録音色付き楽曲ファイルをその音色データ部に格納されている音色を使用して再生することができる。また、SMFファイルをそのシーケンスデータにより指定されたプリセット音色を使用して再生することができる。さらに、前記楽曲ファイル(基本型)あるいは前記付録音色付き楽曲ファイルを再生するときに、その音色データを、前記システムRAM13の音色データ記憶領域に記憶されている音色データあるいは前記付録音色付き楽曲ファイルの付録音色データ部に格納されている音色データから任意に選択した音色データに差し替えてその楽曲を再生することができる。ここで、前記システムRAM13の音色データ記憶領域には、前記サーバ4からダウンロードした音色データ(単品)あるいは音色ライブラリに含まれる音色データ、前記付録音色付き楽曲ファイルの付録音色データ部に格納されている音色データ、前記音声処理部18を用いて取り込んだ音声データをもとに作成した音色データ、もしくは、前記外部インターフェース回路25を介して他の携帯通信端末やパーソナルコンピュータなどから取り込んだ音色データなどが記憶されている。
【0021】
図6は、前記WT音源53内部の機能ブロック構成を示すとともに、楽曲再生動作を説明するための図である。なお、楽曲の再生に使用される音色に対応してFM音源52あるいはWT音源53の両方あるいはいずれか一方が使用されて楽音が生成されるのであるが、ここでは、使用する音色が全て前記WT音源53の音色であるものとして説明する。
また、本実施の形態では、前記システムCPU11のソフトウェアによるシーケンサ機能部がシーケンサとして動作し、演奏すべき楽曲ファイルに含まれるシーケンスデータを解釈して、前記FM音源52あるいは前記WT音源53にシーケンスデータにより規定されたタイミングで音源制御データを供給するようにしている。すなわち、前記システムCPU11のシーケンサ機能部は、パートと音色との対応関係を記憶する音色テーブルと音源内の各発音チャンネルの使用状況を記憶したボイスアサインテーブルとを用いてシーケンスデータに含まれている前記イベント情報に対応する音源制御データを生成し、該生成した音源制御データを前記時間情報により指定されたタイミングで、その音色に対応するFM音源52あるいはWT音源53内の各部に送出するように動作する。
なお、本実施の形態のようにシステムCPU1のシーケンサ機能部によりシーケンサ機能を実現する以外に、楽曲再生部22がシーケンサ機能を有するようにしてもよいし、システムCPU11と楽曲再生部22が協調してシーケンサ機能を実現するようにしてもよい。
【0022】
まず、前記楽曲データ(基本型)の再生について説明する。
前述のように、楽曲データ(基本型)の音色データ部には音色データとパートに割り当てる音色を指定する音色割当て情報が含まれており、システムCPU11は、まず、この音色データをWT音源53のメモリインターフェース回路63を介して前記音色RAM55に書き込む。複数の音色の音色データが含まれているときには、前記音色RAM55に該複数の音色データを書き込む。また、前記音色割当て情報に基づいて、前記音色テーブルにパートとそれに対応する音色データの音色RAM55中のアドレスをセットする。
そして、再生すべきものとして選択された楽曲ファイルのシーケンスデータを前記システムRAM13から順次読み出し、前述のようにそのイベント情報に対応する音源制御データを作成して、その時間情報により規定されたタイミングでFM音源52あるいはWT音源53に供給する。なお、読み出したイベントがプログラムチェンジメッセージのときには、前記音色テーブルを書き換える。
【0023】
例えば、読み出したイベントがノートオンメッセージである場合には、前記ボイスアサインテーブルを参照して該メッセージに含まれるパートに対して前記WT音源53の発音チャンネルを割り当て、前記音色テーブルを参照して音色RAM55から対応する音色データを読み出し、その音色波形データのスタートアドレスを前記アドレス発生器62に、エンドアドレスとループスタートアドレスを前記位相発生器61に、エンベロープデータをエンベロープ発生器64に、エフェクトデータを図示しないエフェクタに、それぞれ設定する(楽音発生の前準備)。そして、メモリインターフェース回路63を介してアドレス発生器62から出力される読み出しアドレスで音色RAM55から音色波形データを読み出す。この読み出しアドレスは、位相発生器61の出力により、ノートオンメッセージに含まれているノートナンバから変換された位相増分値(Fナンバ)により更新され、前記エンドアドレスに達した後は、前記ループスタートアドレスを初期値として設定するように制御される。
これにより、ノートナンバに対応した音高の楽音波形サンプルを読み出すことができ、読み出された楽音波形サンプルデータは、乗算器65においてエンベロープ発生器64からのエンベロープデータと乗算され、必要に応じて図示しないエフェクタでエフェクトを付与され、チャンネルボリュームなどを制御されて、前記図3に示すL−chミキサ46あるいはR−chミキサ48に入力される。
【0024】
なお、前記SMF形式の楽曲ファイルを再生するときには、そのシーケンスデータ中に含まれているプログラムチェンジメッセージにより指定された音色データ(プリセット音色データ)を用いて楽音が再生される。
【0025】
次に、前記楽曲ファイルをその音色データ部に格納されている音色ではなく、他の音色に差し替えて再生する処理について図7のフローチャートを参照して説明する。この処理は、前記システムCPU11の新規楽曲ファイル作成処理機能部により実行され、差し替えた音色を使用するように変更された新規な楽曲ファイルが作成される。
まず最初に、変更の対象となる楽曲ファイルを選択する(ステップS1)。前述のように、前記楽曲ファイルのヘッダ部にはその楽曲の曲名が記憶されており、前記システムRAM13あるいは前記システムROM12中に記憶されている楽曲ファイルの曲名を読み出して前記表示部14に表示し、ユーザの選択を待つ。
変更すべき楽曲の選択が終了したら、ステップS2に進み、音色変更を行うパートの選択処理を行う。選択された楽曲ファイルの音色データ部に含まれている前記音色割当て情報、あるいは、シーケンスデータ中に含まれているプログラムチェンジメッセージなどからこの楽曲に含まれているパートとそのパートに割り当てられている音色の情報(音色番号あるいは音色名)を表示するパート選択画面を図示するように前記表示部14に表示し、ユーザに音色変更したいパートを選択させる。
【0026】
前記操作部15のボタン操作によりいずれかのパートが選択されたら、ステップS3に進み、該選択されたパートのみ再生する。すなわち、前記CPU11の新規楽曲ファイル作成機能部は、前記FM音源52あるいはWT音源53から出力される複数チャンネルの楽音信号のうち前記ステップS3で選択されなかったパートに対応するチャンネルの楽音についてミュートする制御信号を前記L−chミキサ56および前記R−chミキサ58に出力し、前記シーケンサ機能部を動作させる。これにより、前述のようにして選択された楽曲ファイルの再生が行われるが、選択されなかったパートの楽音はミュートされて各ミキサ56、58から出力されず、選択されたパートの楽音のみが前記スピーカ21、23から放音される。
ユーザはこの再生音を聴き、再生されたパートが音色変更したいパートであるときは、所定のボタンを操作するなどして、音色変更したいパートを決定する(ステップS4)。再生されたパートが希望のパートではなかったときは、前記ステップS2に戻る。
【0027】
前記ステップS4で音色変更するパートが決定されたときは、ステップS5に進み、差し替える音色を選択する。すなわち、図示するように、前記表示部14に前記システムRAM13中の音色データ記憶領域に記憶されている音色データをその音色名とともに表示する音色選択画面を表示し、ユーザの選択を待つ。ユーザが音色を選択し、試聴を指示する操作ボタンを操作すると、ステップS6に進み、音色差替え処理を行う。この音色差替え処理は、前記ステップS2で選択されたパートの音色を前記ステップS5で選択された音色に差し替えて再生するための処理であり、前記ステップS5で選択された音色の音色データを前記システムRAM13から読み出して、前記音色メモリ55に書き込むとともに、前記音色テーブルの前記ステップS2で選択されたパートの記憶領域に音色メモリ55のアドレスを記憶する。
【0028】
次に、ステップS7に進み、差し替えた音色を使用してその楽曲ファイルを再生し、差し替えた結果を試聴する。これは、前記楽曲ファイルの再生処理と同様に行われる。これにより、ユーザは、前記ステップS3で選択したパートを前記ステップS5で選択した音色に差し替えた楽曲を試聴することができる。なお、このとき、前記ステップS3と同様に音色変更の対象として選択されたパート以外のパートについてはミュートして再生すれば、当該パートのみの再生を行うこともできる。
この試聴の結果、その差替え音色でよい場合には、ユーザは決定を示す操作ボタンを操作する(ステップS8)。また、他の音色を試してみたいときは、前記ステップS5からやりなおすこととなる。
ユーザは、他に音色変更したいパートがないときには、処理の終了を指示する操作ボタンを指示し(ステップS9)、ステップS10に進む。他のパートについても音色変更したいときは、前記ステップS2に戻る。
【0029】
ステップS10では、前記楽曲ファイルを上述のようにして選択された音色データを用いるように変更した新たな楽曲ファイルを作成し、それを前記システムRAM13中の楽曲ファイル記憶領域に保存する処理を行う。すなわち、前記楽曲ファイルの音色データ部を、前記ステップS5において選択した音色データに置き換え、音色割当て情報をその音色データ番号を使用するように編集して、新たな音色データ部を作成し、そのシーケンスデータ部と結合して新たな楽曲ファイルを作成し、それを前記システムRAM13中の楽曲ファイル領域に記憶する。なお、このとき、前述のようにCRC符号やチェックサム等が付加されているときには、その再計算も行う。
このようにして、差替えた音色を使用する新規な楽曲ファイルを作成し、保存することができる。この新規楽曲ファイルは、結果的に前記楽曲ファイル(基本型)と同様の形式を有するファイルとなる。また、前記付録音色データ付き楽曲ファイルに付加されている付録音色データを差替え音色として使用した場合などには、もとの楽曲ファイルに付加されていた使用されなくなった音色データを付録音色データ部に移動して新たな付録音色データ付き楽曲ファイルを作成することもできる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の携帯通信端末によれば、既存の着信メロディデータの音色を変更して再生することが可能となり、着信メロディのバリエーションを大幅に増大することができる。また、高品位かつ個性的な着信メロディを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の携帯通信端末と該携帯通信端末が接続することのできるサーバ装置を有する通信システム全体の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】 サーバから配信される各種データについて説明するための図である。
【図3】 本発明の携帯通信端末の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図4】 図3に示した携帯通信端末における音声処理部の構成例を示すブロック図である。
【図5】 図3に示した携帯通信端末における楽曲再生部の構成例を示すブロック図である。
【図6】 楽曲ファイルの再生の様子を説明するための図である。
【図7】 音色を差替えた新たな楽曲ファイルの作成処理の流れを説明するための図である。
【符号の説明】
1 携帯通信端末、2 基地局、3 交換局、4 配信サーバ、5 データベース、11 システムCPU、12 システムROM、13 システムRAM、18 音声処理部、22 楽曲再生部、52 FM音源、53 波形メモリ音源(WT音源)、54 音色ROM、55 音色RAM、61 位相発生器、62アドレス発生器、63 メモリインターフェース回路、64 エンベロープ発生器、65 乗算器
Claims (3)
- 制御部と、記憶部と、通信部と、表示部と、操作部と、楽曲再生部とを有する携帯通信端末であって、
前記記憶部は、少なくとも、楽曲の再生に使用する音色の音色データとその楽曲のシーケンスデータとを含む楽曲ファイルと、他の音色データとを記憶しているものであって、前記各音色データは楽音波形を指示する波形パラメータを含んでおり、
前記楽曲再生部は、前記楽曲ファイルに基づいて楽音を生成するものであって、前記楽曲ファイルを再生するときにその楽曲ファイルに含まれている音色データが書き込まれる音色データ記憶部を具備し、前記記憶部から順次読み出されるその楽曲のシーケンスデータに応じて前記音色データ記憶部に書き込まれた音色データを読み出すことによりその音色の楽音を発生するものであり、
前記制御部は、前記記憶部に記憶されている他の音色データを前記音色データ記憶部に書き込み、前記楽曲再生部に、前記楽曲ファイルを前記他の音色データを使用して再生させる再生制御機能と、前記楽曲ファイルに含まれている音色データを前記他の音色データに変更した新たな楽曲ファイルを作成して前記記憶部に記憶する楽曲ファイル作成機能とを有するものである
ことを特徴とする携帯通信端末。 - 前記楽曲ファイルは、その楽曲の再生に使用する音色の音色データの他に差替え用音色データを持つものであり、
前記制御部の再生制御機能は、前記差替え用音色データを前記他の音色データとして前記音色データ記憶部に書き込み、前記楽曲再生部に前記楽曲ファイルを前記差替え用音色データを使用して再生させるものであり、
前記制御部の楽曲ファイル作成機能は、前記楽曲ファイルに含まれている音色データを前記差替え用音色データに変更した新たな楽曲ファイルを作成して前記記憶部に記憶するものである
ことを特徴とする請求項1記載の携帯通信端末。 - 前記制御部は、前記楽曲ファイルに含まれている音色データを前記差替え用音色データに変更した新たな楽曲ファイルを作成して前記記憶部に記憶する場合、該新たな楽曲ファイルを、元の楽曲ファイルにおけるその楽曲の再生に使用する音色の音色データを差替え用音色データとして持つ楽曲ファイルとすることを特徴とする請求項2記載の携帯通信端末。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001207390A JP3788280B2 (ja) | 2001-07-09 | 2001-07-09 | 携帯通信端末 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001207390A JP3788280B2 (ja) | 2001-07-09 | 2001-07-09 | 携帯通信端末 |
Publications (2)
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