JP3982167B2 - 接点かしめ方法及びその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、接点かしめ方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、リレー等の接触片に設ける接点はかしめにより固定している。例えば、特公平7―101578号公報では、接点をダイの凹部に位置決めし、台材に形成した接点取付穴の周囲を、ウレタンゴムの弾性力が作用する台材押え具によって押えた状態で、かしめパンチによりかしめ固定するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、現在の加工技術では、接点の高さ寸法にばらつきが発生することは避けられない。
【0004】
このため、前記かしめ方法により接点をかしめると、例えば、接点高さが凹部の深さよりも小さい場合、かしめ状態が不十分となる一方、大きい場合、接点高さが目標値よりも大きくなる。また、かしめる際に接点に対して基材が変形することもある。
【0005】
このようにして接点をかしめ固定したものをリレー等に採用すれば、接点間距離や接触圧等の動作特性に直接悪影響を及ぼすことになり好ましくない。
【0006】
そこで、本発明は、変形等の不具合を生じさせることなく、所望の接点高さを確実に得ることのできる接点かしめ方法及びその装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、接点から突出するかしめ部を基材に穿設した取付孔に挿通し、前記接点をダイに形成した凹部に配設し、前記取付孔の周囲を押えパンチによりダイとの間に挟持した状態で、かしめパンチにより前記かしめ部を基材にかしめ固定する接点かしめ方法において、
前記ダイの凹部を接点高さの目標値とする一方、かしめ前の接点高さを前記目標値よりも大きい値とし、前記押えパンチの押え領域を前記凹部の開口内側とし、当該押え領域で前記接点が塑性変形してダイの上面と略面一となるまで押えた状態で、前記かしめパンチによりかしめ部をかしめて基材に固定するものである。
【0008】
これにより、接点の高さ寸法がばらついても、その下限値が必ず目標値よりも大きくなるように設定しておけば、押えパンチにより確実に接点を目標値となる所望の高さにすることができる。また、押えパンチによる押え動作では、接点が塑性変形して基材には殆ど影響を及ぼさず、従ってそり等の変形を生じさせることはない。
【0009】
前記凹部の開口内径寸法は、かしめ前の接点の外径寸法よりも大きいと、塑性変形した接点による基材への影響を確実に排除することができる点で好ましい。
【0010】
また、本発明は、前記課題を解決するための手段として、接点から突出するかしめ部を基材に穿設した取付孔に挿通した状態で、前記接点を保持する凹部を備えたダイと、前記取付孔の周囲をダイとの間に挟持する押えパンチと、前記かしめ部を基材にかしめるかしめパンチとを備えた接点かしめ装置において、
前記ダイの凹部を接点高さの目標値とし、かしめ前の接点高さを前記目標値よりも大きい値とし、前記押えパンチの押え領域を前記凹部の開口内側とし、当該押え領域で前記接点が塑性変形してダイの上面と略面一となるような押え力を付与した状態で、前記かしめパンチによりかしめ部をかしめて基材に固定可能としたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。
図1は、本実施形態に係る接点かしめ装置を示す。この接点かしめ装置は、ダイ1、押えパンチ2、かしめパンチ3を備える。
【0012】
ダイ1は、略円柱状で、上面中央部に略半球状の凹部4が形成されている。この凹部4は、深さ寸法Hが接点高さの目標値に設定され、開口内径寸法Dがかしめ前の接点6の外径寸法dよりも若干大きくなるように形成されている。ここでは、凹部4は、かしめ前の接点6の外径寸法dに対する凹部4の開口内径寸法Dの比(d/D)が0.95〜0.97となるように設計されている。
【0013】
押えパンチ2は円筒状で、その内径寸法は前記接点6の外径寸法dよりも若干小さく形成されている(例えば、図3に示すように、接点6の平面図に於ける占有面積の約10%の範囲を押えることができるように形成されている。)。
【0014】
かしめパンチ3は、押えパンチ2の内周に上下動自在に配設され、後述するように接点6のかしめ部9を基材にかしめ固定する。
【0015】
前記構成の接点かしめ装置には、図2に示すように、予め別工程で形成したストリップ(基材)5と接点6とを供給する。ストリップ5は、先端に取付孔7を穿設された舌片8を並設した状態とする。舌片8は、接点かしめ後、ストリップ5から切り離されて可動接触片又は固定接触片となる。また、接点6を、表面が略半球状で、裏面の平坦部中央からかしめ部9が突出する形状とする。この場合、加工技術上、接点6の高さ及び外径寸法にばらつきが生じることは避けられない。そこで、接点6の高さ寸法の下限値を凹部4の深さ寸法よりも大きくする。これにより、ダイ1の凹部4に接点6を配設した状態で、必ず接点6がダイ1の上面から突出する。また、接点6の外径寸法の上限値が凹部4の内径寸法よりも小さくする。これにより、接点6の体積のばらつきを吸収して、接点6の最上面を確実に凹部4の内面に当接させることが可能となる。
【0016】
次に、接点かしめ装置による接点かしめ方法について説明する。
まず、接点6から突出するかしめ部9を前記舌片8の取付孔7に挿通し、前記接点6をダイ1に形成した凹部4に配設する。そして、図4に示すように、前記取付孔7の周囲を押えパンチ2によりダイ1との間に挟持する。押えパンチ2の内縁は凹部4の開口内側に位置し、押え領域Aで舌片8を介して接点6を押さえ付ける。このとき、押えパンチ2による押え力を、舌片8を殆ど塑性変形させることなく、接点6の降伏荷重を超える値とすることにより、接点6をダイ1の上面と略面一となる位置まで塑性変形させる。これにより、確実に接点高さを目標値とすることが可能となる。
【0017】
続いて、図5に示すように、かしめパンチ3を駆動し、接点6のかしめ部9をかしめて舌片8に固定する。かしめ時、塑性変形した接点6は、前記凹部4内を満たして舌片8の下面に密着し、かしめ部9は舌片8の上面に密着する。このとき、凹部4内の接点6の塑性変形により舌片8に力が作用するが、舌片8は押えパンチ2によって強固に押えられているため、この部分で変形することはない(取付孔7の内縁部が若干塑性変形するが、接点高さに悪影響を及ぼすものではない。)。また、接点6を、取付孔7を介して舌片8の上下面に密着させることができるので、かしめによる固定状態が非常に良好となる。
【0018】
最後に、接点6をかしめ固定された舌片8は、ストリップ5から切り離すことにより、可動接触片又は固定接触片を得る。
【0019】
このようにして得られた可動接触片又は固定接触片では、接点高さが均一で、接触片が塑性変形することもないので、リレーやスイッチの接点開閉機構に採用した場合、所望の動作特性を得ることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、かしめ前の接点高さを凹部の深さよりも大きくなるように設定し、押えパンチにより接点を塑性変形させるようにしたので、接点高さを確実に目標値にすることができると共に、基材の変形を阻止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る接点かしめ装置の分解断面図である。
【図2】 図1の装置で接点をかしめるストリップの斜視図である。
【図3】 図1の押えパンチにより接点を押える範囲を示す平面図である。
【図4】 図1の装置で押えパンチにより舌片を押えた状態を示す断面図である。
【図5】 図4の状態からさらにかしめパンチにより接点のかしめ部を舌片にかしめた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1…ダイ 2…押えパンチ
3…かしめパンチ 4…凹部
5…ストリップ 6…接点
7…取付孔 8…舌片(基材)
9…かしめ部
Claims (3)
- 接点から突出するかしめ部を基材に穿設した取付孔に挿通し、前記接点をダイに形成した凹部に配設し、前記取付孔の周囲を押えパンチによりダイとの間に挟持した状態で、かしめパンチにより前記かしめ部を基材にかしめ固定する接点かしめ方法において、
前記ダイの凹部を接点高さの目標値とする一方、かしめ前の接点高さを前記目標値よりも大きい値とし、前記押えパンチの押え領域を前記凹部の開口内側とし、当該押え領域で前記接点が塑性変形してダイの上面と略面一となるまで押えた状態で、前記かしめパンチによりかしめ部をかしめて基材に固定することを特徴とする接点かしめ方法。 - 前記凹部の開口内径寸法は、かしめ前の接点の外径寸法よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の接点かしめ方法。
- 接点から突出するかしめ部を基材に穿設した取付孔に挿通した状態で、前記接点を保持する凹部を備えたダイと、前記取付孔の周囲をダイとの間に挟持する押えパンチと、前記かしめ部を基材にかしめるかしめパンチとを備えた接点かしめ装置において、
前記ダイの凹部を接点高さの目標値とし、かしめ前の接点高さを前記目標値よりも大きい値とし、前記押えパンチの押え領域を前記凹部の開口内側とし、当該押え領域で前記接点が塑性変形してダイの上面と略面一となるような押え力を付与した状態で、前記かしめパンチによりかしめ部をかしめて基材に固定可能としたことを特徴とする接点かしめ装置。
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JP2000332774A JP3982167B2 (ja) | 2000-10-31 | 2000-10-31 | 接点かしめ方法及びその装置 |
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KR100454204B1 (ko) * | 2002-06-24 | 2004-10-26 | (주)에이피씨 | 적층구조를 갖는 접속단자의 제작 방법 |
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