JP3981972B2 - ミシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は針板の下方で糸を捕捉して、その糸を切断刃で切断するミシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のミシンでは、針板の下方で糸捕捉体が糸輪の中に往動されて、糸輪が糸捕捉体によって分けられ、更に、その糸捕捉体が復動の途中で糸を捕捉し、その糸が糸捕捉体によって切断刃にまで移動され、糸が切断刃によって切断される(例えば、本出願人による特許2871201号)。このようなミシンでは、図42に示すように、移動刃510(糸捕捉体に相当)及び固定刃520は、いずれも水平方向に伸展した板状の部材であった。そして、糸は固定刃520を境に分けられ、ベッド部内における布側の糸端の糸量や針側(或いはボビン側)の糸端の糸量は、針穴、固定刃520の固定位置、下糸のボビンの位置、水平釜の剣先の回転軌跡等によって決まっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ベッド部内における布側の糸端の糸量が長い場合には、ベッド部内でその布側の糸端部が絡むおそれがあり、それを防止するために、切断後の布側の糸端の糸量を短くなるように、固定刃が往動方向に前進した位置に固定されると、針側(或いはボビン側)の糸端の糸量も短くなり、糸切り後の次の縫製開始時の糸量が不足してしまう。従って、布側及び針側(或いはボビン側)の両方の糸端の糸量を適切にすることはできないという問題点があった。
【0004】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、糸切り後の糸端の糸量を適切にしたミシンを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、請求項1記載のミシンは、縫い針の通過を許容する針穴を形成された針板と、前記針板の下方で往復動され、その往復方向に伸長して、略鉤状を成す第1の糸捕捉部及び第2の糸捕捉部を有する糸捕捉体と、前記糸捕捉体の第1の糸捕捉部及び前記第2の糸捕捉部の間に少なくとも復動時に位置して、前記第1の糸捕捉部及び前記第2の糸捕捉部に捕捉された糸を切断する切断刃とを備えている。
【0006】
そして、前記往復方向において前記第1の糸捕捉部が前記第2の糸捕捉部よりも往動側に位置すると共に、前記往復方向に直交する方向において前記第1の糸捕捉部が前記第2の糸捕捉部よりも針穴寄りに間隔をあけて位置し、前記糸捕捉体が復動するときには、前記第1の糸捕捉部と前記第2の糸捕捉部とがその間で捕捉された糸を前記切断刃に交差するように移動して、前記第1の糸捕捉部が前記第2の糸捕捉部よりも後に前記切断刃による切断位置を通過するように配置されおり、且つ前記第1の糸捕捉部の往動方向の先端部に上下方向の幅が狭くなるように下がった段部が形成され、前記段部よりも往動側の端部の少なくとも一部の下辺は、前記第1の糸捕捉部の鉤状に形成された部分よりも往動側に位置する部分における最下位置であるように形成されている糸捕捉体を備える。
【0007】
請求項2記載のミシンは、前記糸捕捉体は前記第1の糸捕捉部と前記第2の糸捕捉部とを連続して繋ぐ中間部を有し、前記第1の糸捕捉部と前記第2の糸捕捉部と前記中間部とは一体形成されている。
【0008】
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。尚、図1における作業者側を前とし、ミシン10に向き合う作業者に基づき左右を決めて以下説明する。
【0011】
図1に示すように、ミシン10は、水平面を有するベッド部12と、ベッド部12の右部から上方へ伸長する脚柱部14と、脚柱部14からベッド部12と対向するように左方(水平方向)へ伸長するアーム部16とを有する。これらベッド部12、脚柱部14、アーム部16は樹脂製のフレーム18(前面側のフロントフレーム20、後方側のリアフレーム22)によって構成される。このフレーム18の内部には、補強用のリブ20a,22aが多数設けられている。このような樹脂製のフレーム18については、本出願人の特願2001―295564号がある。
【0012】
ベッド部12の内部には、左右方向に伸長する金属製の下軸24が樹脂製のリアフレーム22に支持され、その下軸24の左端部には、金属製部品を少なくとも一部に有する送り歯25を前後方向に移動する送り歯機構26a、水平釜の剣先27を垂直線を中心として水平面でボビンBの周囲で回転する糸輪捕捉機構(水平釜機構)26b、上糸TU及び下糸TDを切断するための糸切り機構26c等の下部機構26が樹脂製のリアフレーム22に支持され、糸輪捕捉機構26bの上方にあたる樹脂製のフレーム18(或いは下部機構26)には針板28が支持されている。この針板28には、上下動する針Nの通過を許容する針穴29が形成されている。ベッド部12と脚柱部14との連続部分には、下軸24、送り歯機構26a、糸輪捕捉機構26b、後述のアーム部16に備えられた機構の駆動源としてミシンモータ30が備えられている。
【0013】
送り歯25は、その前側に上から見て略長方形の開口を有する貫通部を形成され、その貫通部の周囲には、上方に突出する歯部25aが形成されている。更に、送り歯25の貫通部の前側にあたる下面の前端には、左右方向に伸展する垂直面で断面を形成すると、前から見てその断面が略三角形である断面切り欠け部25bが上方に凹んで形成され、その上方への凹みは後方へ行くほど徐々に多くなっている。その切り欠け部25bでは、斜めの2つの斜面があり、その切り欠け部25bの左側にあたる部分には、下方に突出する歯柱25cが形成されている。
【0014】
脚柱部14とアーム部16の連続部分には、LCD付き透明タッチパネル32が備えられ、縫製する模様を選択する操作、縫製開始時や縫製完了時に糸切りを自動的に行わせる設定をする操作を作業者ができるようにミシン10は構成されている。このLCD付き透明タッチパネル32の左側のアーム部16の前面には、ミシンモータ30の回転速度を設定するためのスライド操作部材34が設けられ、波線で示すように右側に位置させると、高速にミシンモータ30が回転する。
【0015】
アーム部16の内部には、左右方向に伸長する金属製の主軸36が樹脂製のリアフレーム22に支持されている。この主軸36の角度や回転速度を検出可能なように、主軸36に固定されたシャッターやスリット円盤によって適宜遮られるフォトカプラや信号発生器等からなる状態検出器37が設けられている。
【0016】
その主軸36の左端部には、少なくとも一部が金属製である針棒駆動機構、押え足昇降機構、針棒NBに対して所望の位相で天秤Pを上下する天秤駆動機構、糸通し機構等の上部機構38が樹脂製のリアフレーム22に支持されている。この針棒駆動機構38aは針Nを上下動させる機構に加えて、左右方向に揺動させる機構も含み、ミシンモータ30とは別の独立した動力源としてのステッピングモータ39を有し、そのステッピングモータ39は上糸TUの糸調子器Hを所定の糸切りのためにタイミングで開放する場合にも用いられる。
【0017】
アーム部16の左端の前部には、上糸供給源としての糸カセット40を装着するための上下方向に伸長する後方へへこんだ装着部Sが設けられている。このように糸カセット40を着脱可能にしたミシン10としては、本出願人の特願2000―398266号がある。
【0018】
その糸カセット40の屈曲部116の下方のアーム部16の前面には、ミシンモータ30をスタート・ストップするためのSS操作ボタン42、布送り方向を反転させる返し縫い操作ボタン44(或いは、止め縫いを行うための止め縫い操作ボタン)、針Nの停止位置を上下で切り替える針位置切替操作ボタン46、作業者の所望の任意の時期に上糸TU及び下糸TDを切断するための糸切り操作ボタン48が設けられている。
【0019】
アーム部16の左側面には、針Nに上糸TUを挿通させるための糸通し操作レバー50が設けられ、アーム部16の下方には、押え足52を上下するための押え足操作レバー54が設けられている。更に、アーム部16の下面において左右に別れた2つの位置には、それぞれ開口部が形成されており、その開口部には、照明装置56,58がそれぞれ配置されている。
【0020】
上記糸切り機構26cの構成は、図2〜図7に示すように構成されており、その各部品は、図8〜図17に示すようなものであり、以下に説明する。
【0021】
まず、図8及び図9に示すように、種々の部品を取り付けるための金属製の板である糸切りベース上部板60及び糸切りベース下部板62があり、それらには多数の取付のための貫通穴や雌ねじが形成されている。それら糸切りベース上部板60及び糸切りベース下部板62の間には、図6に示すように、2本の金属製の円柱形状の間隔維持部材63が上下両方向からネジで取り付けられ、糸切りベース上部板60及び糸切りベース下部板62が上下方向に離れて平行に位置している。即ち、図2等に示すように、糸切りベース上部板60及び糸切りベース下部板62との間に、後述のように種々の部品を取り付けるため空間が確保されている。
【0022】
糸切りベース上部板60からは下方に突出する原点検出用ピン64が固定され、この原点検出用ピン64の側面を覆うように、図6に示すように、弾性体としての硬質ゴム65が取り付けられる。糸切りベース下部板62からは上方に突出する他の部品を支持するための円柱形状の金属製の2本の支持ピン66,68が固定されている。
【0023】
また、糸切りベース下部板62には、下方に突出する回転軸ピン74及び当接ピン76が糸切りベース下部板62に対して固定されており、その回転軸ピン74及び当接ピン76は同一形状の金属製の円柱である。尚、回転軸ピン74や当接ピン76は別部材のピンではなく、糸切りベース下部板62を下方へ押し出したエンボス部でも良い。この回転軸ピン74の突出する下方が糸輪捕捉機構26bの水平な金属製のベース板(図略)の左前部に形成された円形の開口を有する凹みに挿入されると、糸切り機構26cがその回転軸ピン74を回転中心として回動可能になる。
【0024】
そして、当接ピン76が糸輪捕捉機構26bのベース板の左側の後方の端部に当たるまで、糸切り機構26cがその回転軸ピン74を回転中心として回動されると、糸切りベース下部板62に形成されたネジ穴78(雌ネジ)の開口部が、下方から見ると、糸輪捕捉機構26bのベース板に形成されたネジ通過穴と重るため、糸切りベース下部板62と糸輪捕捉機構26bのベース板とのネジ締めが可能となって、糸切り機構26cと糸輪捕捉機構26bとがネジで下方から締結される。
【0025】
この糸輪捕捉機構26bの後部は垂直な平坦部が形成されており、その平坦部の下端部は、リアフレーム22のネジ穴の開口部に沿うように形成されている。従って、その平坦部をリアフレーム22のネジ穴の近傍に位置させ、そのネジ穴にネジを締め付ければ、そのネジ頭とリアフレーム22との間で平坦部が挟まれる。このように、糸切り機構26cは糸輪捕捉機構26bに取り付けられ、この糸輪捕捉機構26bを介してリアフレーム22に取り付けられる。即ち、これら糸輪捕捉機構26b、糸切り機構26cは、予めモジュール(特定の機能を果たすための複数の部品の集合体)としてモジュール単位に別々に完成され、別々の機能のモジュールどうしが組み付けられている。
【0026】
糸切りベース上部板60には、左右方向に伸長した貫通長穴80が形成され、この貫通長穴80が形成された部分の上方には、図10に示すような略板形状の樹脂製のガイド部材82が、図5に示すように、糸切りベース上部板60に対して移動不可能にはめられている。このガイド部材82にも、上下方向に貫通している左右方向に伸長するガイド長穴84が形成されて、このガイド長穴84が上方から見て先の貫通長穴80の内側に重なっている。即ち、左右方向に伸長する上下方向に貫通した部分が形成されている。
【0027】
また、ガイド部材82のガイド長穴84の右端の前方には、略平行四辺形状板の切断刃86を左右方向に伸長して垂直に挿入するための刃取付溝88が下方に凹んで形成されており、その刃取付溝88を形成するように下方に突出する刃カバー90が設けられ、切断刃86の下部の前後面及び右側を覆っている。この切断刃86の刃部は右側端部である。
【0028】
尚、刃取付溝88は刃カバー90よりも左方に長く形成されており、刃取付溝88に取り付けられた切断刃86の左下の角が刃カバー90の設けられていない刃取付溝88の下方において、どの程度深く切断刃86が下方へ押し込まれたかを切断刃86の取付の作業者が視認できるように、その刃取付溝88の左端の下方付近のガイド部材82は形成されている。また、この切断刃86の鋭角な角部はガイド部材82に接しておらず、下方の鈍角の角部では、下辺が刃取付溝88の底に接している。切断刃86の角の先端はどこも接していない。従って、この切断刃86の取付部分は、安定性が向上している。
【0029】
ガイド部材82の上方には、図11に示すように、左右方向に伸長する金属製の糸捕捉体92が配置され、その糸捕捉体92の左側の後方の部分には、下方に突出する2本の円柱形状の金属製の被ガイド部94,96が設けられ、その被ガイド部94,96は2本ともにガイド長穴84の前後方向の幅よりわずかに短い直径をなし、ガイド長穴84に挿入されて、ガイド長穴84の内周面に摺動可能に接している。このように、針板28の下方で糸捕捉体92が左右方向において摺動可能にガイド部材82に支持されている(図3参照)。尚、左側の被ガイド部94は、ガイド部材82よりも下方に突出して、糸切りベース上部板60及び糸切りベース下部板62の間の空間にまで達している。
【0030】
糸捕捉体92は、略鉤状を成す第1の糸捕捉部100及び第2の糸捕捉部102を有し、往復方向としての左右方向において第1の糸捕捉部100が第2の糸捕捉部102よりも往動側(右側)に位置すると共に、左右方向に直交する前後方向において第1の糸捕捉部100が第2の糸捕捉部102よりも針穴29寄り(後方)に間隔をあけて位置する。更に、その第1の糸捕捉部100及び第2の糸捕捉部102は垂直面であり、互いに平行に位置している。
【0031】
即ち、第1の糸捕捉部100の往復経路は、上記切断刃86からわずかに離れた後方で左右伸長し、第2の糸捕捉部102の往復経路は上記切断刃86からわずかに離れた前方で左右方向に伸長し、図24に示す待機位置にある第1の糸捕捉部100及び第2の糸捕捉部102は、図2及び図7に示すように切断刃86の刃部よりも左側に位置している。その第1の糸捕捉部100及び第2の糸捕捉部102が切断刃86と平行になるように、糸捕捉体92はガイド部材82に支持されている。
【0032】
また、糸捕捉体92は、第1の糸捕捉部100と第2の糸捕捉部102とが、連続して一体に形成されて、それらが一体に往復動するように、第1の糸捕捉部100と第2の糸捕捉部102に対して直交して伸展する中間部104がそれらと一体に板材を折り曲げて形成されている。
【0033】
更に、第1の糸捕捉部100の往動方向の先端部には、下がった段部106が形成されており、その部分の上下方向の幅が四分の一になっている。その段部106よりも更に往動側となる右端部108の少なくとも一部の下辺は、第1の糸捕捉部100の鉤状に形成された部分の下辺を往動側としての右側に延長して形成され、第1の糸捕捉部100の鉤状に形成された部分よりも往動方向側としての右側に位置する部分における最下位置である。尚、第1の糸捕捉部100及び第2の糸捕捉部102の往動側の最右端部108は右上がりの傾斜が設けられており、下糸TDを往動時に乗り越えやすいように、糸捕捉体92は構成されている。
【0034】
ガイド部材82の上方でガイド長穴84の前側には、図3等に示すように、後方に伸長した羽毛110を有する図3に示す切断糸保持部材112が配置されて、更に、この切断糸保持部材112の左側に位置するガイド部材82の上方には、図13に示す金属製の薄板114が配置されており、これら切断糸保持体112及び薄板114がガイド長穴84の手前にネジによって共に固定されている。薄板114の後方には、右下がりに傾斜するように屈曲された屈曲部116が形成され、図3に示すように、その屈曲部116の金属の弾性力により下方に上記糸捕捉体92を押すように、薄板114の屈曲部116は糸捕捉体92の上方に配置されている。
【0035】
ミシンモータ30とは別の独立した動力源としての糸切り用の図14に示すようなステッピングモータ118が、糸切りベース下部板62に下面に、図4に示すように、ネジで着脱可能に固定されている。図5に示すように、そのステッピングモータ118の上方に伸長するモータ軸120及びそのモータ軸120に固定された金属製の固定ギヤ122は、糸切りベース上部板60及び糸切りベース下部板62との間に位置する。
【0036】
糸切りベース上部板60及び糸切りベース下部板62との間で、その固定ギヤ122には、図15及び図16に示すような樹脂製の上部伝達ギヤ124の下部ギヤ部126、樹脂製の下部伝達ギヤ128のギヤ部130が図5に示すように噛み合っている。図6に示すように、これら上部伝達ギヤ124及び下部伝達ギヤ128は糸切りベース下部板62に設けられた上方に突出する後側の支持ピン68によって回転可能に支持されている。
【0037】
この上部伝達ギヤ124には、上下方向に貫通した連結穴131がその上部伝達ギヤ124の円の中心から半径方向にずれた位置に形成されている。そして、上部伝達ギヤ124の中央部分と下部伝達ギヤ128の中央部分の間には水平方向に伸展したわずかな空間があり、そこには、上方から見て略「C」の文字状の連結部材(図略)が配置される。その連結部材の成す「C」の文字の一端には、上方に伸長するピンが設けられ、先の連結穴131に差し込まれ、「C」の文字の他端には、下方に伸長するピンが設けられている。そして、下部伝達ギヤ128の上面に、同様に、その中心から半径方向にずれた位置に形成された貫通した連結穴132が形成されており、そこに連結部材の他端のピンが差し込まれている。従って、糸切り用のステッピングモータ118の回転に基づいて上部伝達ギヤ124と下部伝達ギヤ128とが一体に回転する。尚、この連結部材は、半径方向に撓むことができる弾性体で構成されており、バックラッシュを防止する。
【0038】
糸切りベース上部板60及び糸切りベース下部板62との間で、この上部伝達ギヤ124の上部伝達ギヤ部134は、図17に示す樹脂製の糸切りレバー136の扇部材138の後側の扇ギヤ部140に図6に示すように噛み合っている。そして、この扇部材138の上方には、前後方向に伸長する押圧部材142がネジで固着され、図6に示すように、扇部材138の前側の円筒部144には、糸切りベース下部板62から上方に突出する前側の支持ピン66が挿入されている。
【0039】
従って、上部伝達ギヤ124の回転に基づき扇部材138と押圧部材142とが一体に揺動する。この押圧部材142の後端部には、糸捕捉体92の左側の被ガイド部94の直径よりもわずかに広い左右方向の幅を有し、上下方向に貫通した水平方向に伸長した押圧長穴146が形成されており、図7に示すように、その押圧長穴146には、糸捕捉体92の左側の被ガイド部94の下方部が挿通されている。
【0040】
このように糸切り機構26cは図2〜図7に示すように構成されており、ステッピングモータ118が上方から見て時計回り回転すると、この押圧長穴146の左側部147の垂直な内壁面がその糸捕捉体92の左側の被ガイド部94の下方部を右方へ押し(往動)、一方、ステッピングモータ118が上方から見て反時計回り回転すると、この押圧長穴146の右側部148の垂直な内壁面がその糸捕捉体92の左側の被ガイド部94の下方部を左向へ押すように(復動)、糸切りレバー136等は構成されている。
【0041】
ミシン10は、図18に示すような電気的構成を有しており、CPU150がROMに記憶された図19に示すようなフローチャートの制御プログラムや制御データに従って、制御中にRAM154を用いてミシンモータ30や糸切り用のステッピングモータ118等を制御する。その制御プログラムによれば、糸切り時には、主軸36の各角度では、図20や図21に示すように、天秤P、針棒NB、送り歯25、糸切り機構26cが動作し、糸捕捉体92、上糸TU、下糸TD、剣先27は、図24〜図33に示すような位置関係にある。
【0042】
以下、上述した構成のミシン10の糸切り動作制御について説明する。
【0043】
この制御プログラムは、図19に示すように、糸捕捉体92の往復開始のタイミングになったことを、主軸36の角度(位相)が125度であることを示す専用シャッター部分(状態検出器37の一部)に基づき検出すると(S10)、左方の待機位置から糸捕捉体92を距離L1だけ往動させる行程と(S20)、その往動の完了に引き続き、復動の一部のために糸切り用のステッピングモータ118を往動時とは逆回転方向の距離L2だけ駆動制御する行程と(S30:糸捕捉体92は復動経路の途中まで往動するが、そこで一旦停止する。)、糸捕捉体92が一旦停止している間もミシンモータ30を回転制御すると共に、水平釜の剣先27が上糸TUを糸捕捉体92に至るまでに右方に移動したタイミング(主軸が次の40度になって止まる直前に、糸切りを完了するよう)になったことを主軸36のスピードシャッター(1周80スリット:状態検出器37の一部)のスリット信号数の累積(主軸5度から6スリット分の信号:主軸回転27度分)に基づき検出すると(S40)、糸捕捉体92の復動を再開し、糸切り位置を通過させ糸捕捉体92を元の待機位置まで戻すために距離L3だけ復動する行程(S50)を含んでいる。
【0044】
上述の図19に示すフローチャートは、糸切り用のステッピングモータ118についての制御を抜粋したものであり、その他の機構例えば、ミシンモータ30などは公知の割り込み処理によって、これとは別のプログラムで制御される。
【0045】
尚、糸捕捉体92が停止している待機期間、期間T3〜T5(上記S40相当)についても、糸切り用パスルモータ118は停止のための励磁をCPU150によって行われる。
【0046】
上述の動作時の糸捕捉体92の位置については、糸切り用のステッピングモータ118のモータ軸120の回転位置や糸捕捉体92の位置を何らかのセンサーで実際に検出しなくとも、ステッピングモータ118の一般的な特性として、モータ軸120の回数に基づく糸捕捉体92の位置(移動距離)に必要な駆動パルス数は逆算できるので、糸切り用のステッピングモータ118はいわゆるオープン制御される。例えば、往動開始時から途中停止時までの間、糸捕捉体92の位置は実際に何らかの検出器によって検出されることなく、その往動距離及び途中までの復動距離に基づく予めデータによって決められている数の駆動パルスが糸切りパスルモータ118に一連に供給される。
【0047】
尚、糸切り用のステッピングモータ118の回転開始時には、徐々に駆動パルスを増加して行くスローアップ制御が、その回転停止時には、徐々に駆動パルスを減少していくスルーダウン制御が行われる。従って、単位時間あたりの駆動速度を縦軸に、時間経過を横軸にしてその関係をグラフで示すと、図22のようになる。そのグラフは移動距離に正比例した高さの台形として表され、往復動で距離等しいので、それぞれの台形の面積a1,a2,a3は、a1=a2+a3という関係になる。
【0048】
オープン制御であるため、ミシン10の電源投入直後に、扇ギヤ部140の左端面の平坦な垂直面が原点検出用ピン64の側面の硬質ゴム65に十分に押しつけられように、糸切り用のステッピングモータ118は制御されて、その原点が自動的に合わせられる。図23に示すように、この原点検出処理(S100)の後に、模様選択等の通常の縫製作業の処理(S200)が可能となる。
【0049】
上述の制御プログラムによれば、糸切り用ステッピングモータ118を往動制御の開始時期T0と一旦停止後の復動制御の開始時期T5(速度に関わるパルスの累積開始時期)とが、主軸36からの信号に起因して決められている。そして、ミシンモータ30が外部負荷によって全く少しも回転振れを起こさないようなものであれば、そのモータは大変高価であったり、大きなものであったり、複雑な制御や構造であるのでる家庭用ミシンには不向きなものと考えられる。
【0050】
従って、上述の制御プログラムによれば、往動開始後T0から一旦停止後の復動開始T5の間に、ミシンモータ30が外部負荷によって多少回転振れを起こし(制御通りに全く正確な回転速度でなくても)、上記2つの時期T0,T5で主軸36の角度に基づくように糸切り用のステッピングモータ118とミシンモータ30とが同期をとるように制御されるので、その2つの時期では少なくとも、針N、水平釜の剣先27、送り歯25、糸捕捉体92が常に糸切りにとって良好な所定の位置関係になる。
【0051】
尚、ステッピングモータ118の駆動データは、一定の負荷を想定して、糸捕捉体92が水平釜の剣先27の回転運動に対して糸を捕捉することができる所定の一定の関係になるように決められたものである。また、主軸を40度で停止させる理由は、天秤Pを糸掛け容易な位置に停止させるためであり、この40度は目標値であって、実際には、多少ずれた位置で停止する。具体的には、ミシンの状況によってブレーキが効き始めて停止するまでに主軸回転で5〜10度分が通常のミシンモータ30には必要であり、極めて応答性能が高い高性能なモータを使用しない限りは、水平釜の剣先27が回転しているうちに、糸切りが完了することになる。
【0052】
また、上述の制御の説明は、針上停止状態からミシンモータ30を始動させて糸を切ることを想定したものであるが、縫製中状態からミシンモータ30を止めることなく、縫製状態から引き続く期間中(縫製終了時)に糸を切ることも可能である。この縫製状態から引き続く期間中に糸を切る場合では、ミシンモータ30が設定された縫製速度(例えば、縫製速度が200rpmに設定)から所定の低速度(88rpm)まで減速され、更に減速(70prm)するように制御され、主軸36が125度になったら、ミシンモータ30が回転したままの状態で、上述と全く同様に、糸切り用のステッピングモータ118が上記2つの主軸36の角度(125度、次の40度)に基づき制御され、糸切りが行われる。
【0053】
この縫製状態から引き続く期間中も、ミシンモータ30は外的負荷によって制御通りの回転速度(70rpm)に必ずしもならず、数rpm程度速度は振れており、制御通りの全く正確な回転速度になっていなくても、糸切りができる。即ち、糸切り時のミシンモータ30(水平釜の剣先27)の回転速度が変速中でも、糸捕捉体92が上糸TUを捕捉できる位置に達しているように、水平釜の剣先27の回転軌跡等を考慮して、ステッピングモータ118の駆動データは作成されている。
【0054】
上述のように縫製状態から引き続く期間中に糸を切るためには、作業者は予めLCD付き透明タッチパネル32の糸切り自動設定ボタンと機能している部分を操作して、自動糸切り有りに設定する。そのように自動糸切り有りに設定しておいて、縫製中にSS操作ボタンを終了のために作業者が押すだけで、縫製終了時のそのときに、作業者が糸切り操作ボタンを押さなくても、自動的に上述の糸切りが行われる。従って、作業者は縫製に集中できるのである。
【0055】
更に、針下停止状態から糸切りを開始する場合、糸切り開始前の水平釜の剣先27は、図34に示すような位置にあるが、ミシン10が針下停止状態にある時に、作業者が糸切り操作ボタン48を手で押して、糸切り指令が発生すると、その針下停止状態から糸捕捉体92の往動及び復動の一部が開始されるように、ステッピングモータ118が制御される。このとき、停止していたミシンモータ30が70rpmで回転するように制御されるが、針下停止状態から糸切り完了までの間(主軸36の回転角度は275度)も、同様にミシンモータ30が外部負荷によって多少回転振れが生じる。
【0056】
このミシンが針下停止状態にある時の糸切りプログラムやデータは、縫製状態から引き続く期間中に糸を切るものとは別のものである。即ち、ミシンの状態に応じた複数のプログラムやデータが内部の記憶装置に記憶されている。
【0057】
上述の針上停止状態から糸切りをする場合も、減速中に糸切りをする場合も、針下停止状態から糸切りをする場合も、糸切りのための一定速度域をミシンモータ30が形成することなく、糸切りは行われる。
【0058】
尚、糸捕捉体92の往復動のうち、往動して距離L2だけ復動させる理由は、下糸TDが糸捕捉体92の予定外なところ(例えば、最右先端部)に引っ掛かることを防止するためである。また、糸捕捉体92の復動の途中で糸捕捉体92を一旦停止させることで(T3〜T5)、主軸36(水平釜の剣先27等)との回転が再び同期される。もし、糸捕捉体92の復動開始をあまりにも早くして糸を切断すると、天秤Pによる糸の引き上げのため、針Nから上糸が抜けてしまうのおそれがあるからである。
【0059】
次に、糸切り時の糸捕捉体92や糸の状態を説明する。
【0060】
糸捕捉体92は、左方の待機位置で待機していて(図24)、上述の往動開始タイミングになると右方に往動して(T0)、下糸TDを乗り越え(図25)、距離L1だけ移動して、更に右方の折り返し位置まで下糸TDの上方を横切る(図26:T1)。このとき、針Nは下糸TDの右側において針板28の下方にまで達しているが、上糸TUは水平釜の剣先27に捕捉されていない。往動に引き続き、糸捕捉体92は、往動とは反対方向の左方に距離L2だけ復動し、下糸TDが第2の糸捕捉部102に捕捉された後に(T2)、糸捕捉体92は水平釜の中央付近の上方で停止する(図27、図35:T3)。この距離L2の復動の途中で、上糸TUは水平釜の剣先27に捕捉されるが、この距離L2の復動が完了しても、第2の糸捕捉部102にまではまだ達していない。そして、水平釜の剣先27が上方から見て反時計回りに更に回転すると、上糸TUの水平釜の上方に位置する部分が水平釜の剣先27によって右方に移動されて、上糸TUも第2の糸捕捉部102に捕捉される(図28,図36:T4)。
【0061】
糸切り中に継続して回転しているミシンモータ30の停止直前に、糸捕捉体92が左方へ再び復動しはじめると、第2の糸捕捉部102によってのみ上糸TU及び下糸TDを左方に移動する(T5)。このとき、右端部108は糸捕捉体92の右側の最下辺であるので、針側の上糸が糸捕捉体92の下方に入り込み予期していない状態に上糸TUがなることが防止されている。
【0062】
そして、糸捕捉体92が少し左方へ移動すると、上糸TUが第2の糸捕捉部102の前面に巻き付くように位置し、その巻き付いた部分よりも針側の上糸TUは第1の糸捕捉部100の段部106のすぐ右側で、且つ、右端部108の上方に位置している(図29,図37)。潜り込み防止の部分(右端部108)を第2の糸保持部102に設けても、その上部となる段部106が低く形成されているので、糸捕捉体92の前面に巻き付いた針側の上糸TUの針穴29への向かう上方に至る経路が確保されている。
【0063】
また、糸捕捉体92によって捕捉される部分と針穴29との間に位置する中間の上糸TU及び下糸TDは、送り歯25の貫通部を後方から前方にかけて前下がりに斜めに通過している。更に、糸捕捉体92によって捕捉される部分と針穴29との間に位置する中間で、その糸捕捉体92よりも布側の上糸TU及び下糸TDが、送り歯25の下面の前端の切り欠け部25bに沿って当初より位置している。糸切り当初は、その切り欠け部25bの左側の歯柱25cの前面(送り歯25の前面)には、糸捕捉体92よりも布側の上糸TU及び下糸TD、並びに、針側の上糸TDは巻き付いていない(図41参照)。
【0064】
復動再開後、糸捕捉体92による左方への移動に伴って、その捕捉された部分と針穴29との間の中間の上糸TU及び下糸TDが歯柱25cの左側面から前側面にわたって接触し、捕捉された部分と針穴29との間の上糸TU及び下糸TDによる上から見た状態の線がその接触部分で屈曲される。
【0065】
即ち、捕捉された部分と歯柱25cに接触する部分との間の上糸TU及び下糸TDによる上方から見た状態の線が、歯柱25cに接触する部分と針穴29との間の上糸TU及び下糸TDによる上方から見た状態の線よりも、左右方向に近づき、第1の糸捕捉部100の鉤部の開放部からその奥側(右側)に至り、第2の糸捕捉部102にも上糸TU及び下糸TDが捕捉される(図30、図38:T6)。
【0066】
このため、第1の糸捕捉部100及び第2の糸捕捉部102がその間の上糸TU及び下糸TDを左方から見て水平に張った状態で左方へ移動し、続いて、第1の糸捕捉部100及び第2の糸捕捉部102の間の水平な上糸TU及び下糸TDが垂直な切断刃86に交差するように接触して、第1の糸捕捉部100及び第2の糸捕捉部102の間で、上方から見ると「V」の文字を90度反時計回りに回したように上糸TU及び下糸TDが屈曲され、その糸捕捉体92の近傍では、上方から見ると「W」の文字を90度時計回りに回したような状態に上糸TU及び下糸TDがなり(図31、図39、図40)、上糸TU及び下糸TDが緊張して切断刃86によって切断される(図32:T7)。
【0067】
この糸捕捉体92の距離L3の復動時においては、第1の糸捕捉部100及び第2の糸捕捉部102の間に切断刃86は位置し、第1の糸捕捉部100が第2の糸捕捉部102よりも後に切断刃86による切断位置を左方へ通過して、糸捕捉体92は再び待機位置に戻る(T8)。
【0068】
切断された針側の上糸TU及び下糸TD(ボビン側)は、弾性のある羽毛110によって保持される。また、図40に示すように、第1の糸捕捉部100が第2の糸捕捉部102よりも右方に位置した状態で切断が行われるので、第1の糸保持部100と第2の糸保持部102とが前後に離れた隙間における切断された糸端の長さについては、布側の長さd2が針側の長さd1よりも長くなる。従って、切断された糸端の一方の針側の糸を長く、他方の布側の糸を短くという、両方の糸端の長さを同時に良好なものとすることができる。
【0069】
尚、上述の図24等は、針Nが最も左方に寄っている左基線での状態を示すものであるが、上記制御プログラムによれば、針Nが左右方向の振り範囲のどこにあっても、上糸TU及び下糸TDを確実に切断することができる。即ち、針Nの左右方向の位置に応じた複数の制御プログラムは必要ないのである。しかしながら、制御プログラムを交換する変更するには、ROM152を別の制御プログラムを記憶したものと物理的に交換することが必要である。
【0070】
上述の実施の形態においては、垂直な2枚の糸捕捉部100,102を設けたが、適宜、傾斜しているが互いに平行である2枚の糸捕捉部を設けるようにしたり、垂直方向から互いに逆に傾斜した2枚の糸捕捉部を設けるようにしても良い。上述の実施の形態においては、垂直な2枚の糸捕捉部100,102と平行な切断刃86を設けたが、糸捕捉体92の往復動に支障がないのであれば、傾斜させても良い。
【0071】
上述の実施の形態においては、2枚の糸捕捉部100,102を中間部104で連続させているので十分な剛性がある糸捕捉体92を簡単にでき、その位置あわせもする必要がない。別々の部材の糸捕捉部を溶接やネジ等によって接合しても良い。
【0072】
上述の実施の形態においては、2枚の糸捕捉部100,102には刃部が設けられていないが、必要に応じて刃部を鉤状に形成された部分の左端部に設けても良い。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、請求項1記載のミシンでは、第1の糸捕捉部が第2の糸捕捉部よりも後に切断刃による切断位置を通過して、第1の糸捕捉部と第2の糸捕捉部とによって捕捉された糸がその間に位置する切断刃に交差するように移動して切断されるので、切断された糸の一方を長く、他方を短くという良好なものとすることができる。また、糸捕捉体の往動方向の先端部が低くなっているので、糸の針穴寄りの位置での糸の経路が確保され、良好に糸切りを行える。また、段部よりも往動側にその最下部があるので、糸捕捉体の下方への不用意な潜り込みが防止され、良好に糸切り行える。
【0074】
請求項2記載のミシンでは、第1の糸捕捉部と第2の糸捕捉部とを連続して繋ぐ中間部を有し、前記第1の糸捕捉部と前記第2の糸捕捉部と前記中間部とは一体形成されているので、剛性のある糸捕捉体を簡単に作製できる。
【0075】
【0076】
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るミシンの全体図であり、(a)はミシンの上面図であり、(b)は作業者側から見た前面図である。
【図2】本実施の形態に係る糸切り機構の前面図である。
【図3】本実施の形態に係る糸切り機構の上面図である。
【図4】本実施の形態に係る糸切り機構の下面図である。
【図5】本実施の形態に係る糸切り機構の右側面図である。
【図6】本実施の形態に係る糸切り機構の左側面図である。
【図7】本実施の形態に係る糸切り機構の後面図である。
【図8】本実施の形態に係る糸切りベース上部板の図である。
【図9】本実施の形態に係る糸切りベース下部板の図である。
【図10】本実施の形態に係るガイド部材の図である。
【図11】本実施の形態に係る糸捕捉体の図である。
【図12】本実施の形態に係る切断糸保持部材の図である。
【図13】本実施の形態に係る薄板の図である。
【図14】本実施の形態に係る糸切り用のステッピングモータの図である。
【図15】本実施の形態に係る上部伝達ギヤの図である。
【図16】本実施の形態に係る下部伝達ギヤの図である。
【図17】本実施の形態に係る糸切りレバーの図である。
【図18】本実施の形態に係るミシンの電気的な構成を示すブロック図である。
【図19】本実施の形態に係る糸切り制御のフローチャートである。
【図20】本実施の形態に係るミシンのタイミングチャートである。
【図21】本実施の形態に係る待機位置からの糸捕捉体の位置と時間経過との関係を示す概略図である。
【図22】本実施の形態に係る糸捕捉体のための駆動速度と時間経過との関係を示す概略図である。
【図23】本実施の形態に係るミシンの電源投入直後の制御のフローチャートである。
【図24】本実施の形態に係る糸捕捉体が待機位置にある糸切り機構を上方から見た図である。
【図25】本実施の形態に係る糸捕捉体が下糸を乗り越えるときの糸切り機構を上方から見た図である。
【図26】本実施の形態に係る糸捕捉体が往復動の折り返し位置にある糸切り機構を上方から見た図である。
【図27】本実施の形態に係る糸捕捉体が復動の途中で停止している糸切り機構を上方から見た図である。
【図28】本実施の形態に係る糸捕捉体が上糸を捕捉したときの糸切り機構を上方から見た図である。
【図29】本実施の形態に係る糸捕捉体の前面に上糸が巻き付いたときの糸切り機構を上方から見た図である。
【図30】本実施の形態に係る糸捕捉体の第1の糸捕捉部が糸を捕捉したときの糸切り機構を上方から見た図である。
【図31】本実施の形態に係る糸を切断する直前の糸切り機構を上方から見た図である。
【図32】本実施の形態に係る糸捕捉体が糸切断後に待機位置に戻った糸切り機構を上方から見た図である。
【図33】上記図30に送り歯を合わせて表した図である。
【図34】本実施の形態に係るミシンが針下停止上程であるときの水平釜の剣先を示す図である。
【図35】上記図27の本実施の形態に係る糸捕捉体の拡大図である。
【図36】上記図28の本実施の形態に係る糸捕捉体の拡大図である。
【図37】上記図29の本実施の形態に係る糸捕捉体の拡大図である。
【図38】上記図30の本実施の形態に係る糸捕捉体の拡大図である。
【図39】上記図31の本実施の形態に係る糸捕捉体の拡大図である。
【図40】上記図31の本実施の形態に係る糸捕捉体の上方からの拡大図である。
【図41】本実施の形態に係る送り歯の拡大図であり、(a)は左斜め前方からの斜視図であり、(b)は(a)のA−A断面でについて、糸が通っている状態を示す図である。
【図42】従来の糸切り機構の図である。
【符号の説明】
10 ミシン
86 切断刃
92 糸捕捉体
100第1の糸捕捉部
102第2の糸捕捉部
118糸切り用のステッピングモータ
TU 上糸
TD 下糸
Claims (2)
- 縫い針の通過を許容する針穴を形成された針板と、前記針板の下方で往復動され、その往復方向に伸長して、略鉤状を成す第1の糸捕捉部及び第2の糸捕捉部を有する糸捕捉体と、前記糸捕捉体の第1の糸捕捉部及び前記第2の糸捕捉部の間に少なくとも復動時に位置して、前記第1の糸捕捉部及び前記第2の糸捕捉部に捕捉された糸を切断する切断刃とを備えるミシンであって、
前記往復方向において前記第1の糸捕捉部が前記第2の糸捕捉部よりも往動側に位置すると共に、前記往復方向に直交する方向において前記第1の糸捕捉部が前記第2の糸捕捉部よりも針穴寄りに間隔をあけて位置し、前記糸捕捉体が復動するときには、前記第1の糸捕捉部と前記第2の糸捕捉部とがその間で捕捉された糸を前記切断刃に交差するように移動して、前記第1の糸捕捉部が前記第2の糸捕捉部よりも後に前記切断刃による切断位置を通過するように配置されており、且つ前記第1の糸捕捉部の往動方向の先端部に上下方向の幅が狭くなるように下がった段部が形成され、前記段部よりも往動側の端部の少なくとも一部の下辺は、前記第1の糸捕捉部の鉤状に形成された部分よりも往動側に位置する部分における最下位置であるように形成されている糸捕捉体を備えることを特徴とするミシン。 - 前記糸捕捉体は、前記第1の糸捕捉部と前記第2の糸捕捉部とを連続して繋ぐ中間部を有し、前記第1の糸捕捉部と前記第2の糸捕捉部と前記中間部とは一体形成されていることを特徴とする請求項1記載のミシン。
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