JP3981570B2 - 畦畔散布機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力散布装置を移動台車に搭載した畦畔散布機の構成に関し、特に、畦畔散布機の操作部との連係構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、移動台車に背負い式動力散布機を乗せて、畦畔を押して行くもの(実開平01−124258)や、送風機のエンジンの動力を利用した自走式動力散布機(特開平8−224513)などが知られている。これらの自走式動力散布機は、送風機のエンジン駆動力が減速して伝達され、後輪を駆動する構成になっている。また、後輪への駆動伝達経路にはクラッチが配置され断接できる構成になっており、薬剤タンクの下方に送風機が配設されている。また、原動機は送風機の近傍に配設されている。
また、不整地での走行に際しての移動台車の左右傾動に対する安定性を向上するため、駆動輪及び従動輪をそれぞれ一輪とし、左右略中央、且つ、前後方向に略一直線上に配設する技術が考案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の自走式動力散布機の走行部においては、駆動力をワンウェイクラッチを介して駆動輪に伝達していたので、トラックの荷台から機体を降ろしたり、圃場間の移動時の下り坂で走行するときに、散布機の自重により下る速度が歩行速度よりも速くなり、機体の速度を制御しにくいという不具合があった。
また、駆動輪及び従動輪をそれぞれ一輪とし、左右略中央、且つ、前後方向に略一直線上に配設しているので、平坦なコンクリート畦畔上では左右のバランスを崩しやすかった。
また、シャッターと走行駆動操作が別々であったため作業時には二つの操作を速やかに行なう必要があり、操作が煩雑となっていた。
そこで、本発明では、ハンドル近傍で制動操作できるブレーキ機構を配置し、移動台車の左右方向の安定性を向上し、ハンドルから手を離すことなく、畦畔の高さに合わせた高さ調節を行うことができる補助機構を配置し、更に、走行とシャッターを操作部と連動連結し、操作性を向上した畦畔散布機を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0005】
請求項1においては、駆動輪である前輪と、従動輪である後輪とを前後に有する移動台車上に、動力散布装置及び薬剤タンクを配設した自走式の畦畔散布機であって、前記移動台車は、前部フレームと後部フレームとにより構成し、該前部フレームは、水平部を有する左右二本のパイプを平面視門状に形成し、前部に載置板を架設し、後端部は上方に曲折して垂直部を形成し、前記後部フレームも平面視U字状に成形したパイプで構成し、前端部には上方へ曲折して垂直部を形成し、該前部フレームと後部フレームの夫々の垂直部を連結接合してメインフレームを構成し、該前部フレーム及び後部フレームの連結部に、上後方へ伸びるハンドルの基部を配設し、該ハンドルの後部近傍を操作部とし、該前部フレームには、駆動部、チェンケース、駆動輪である前輪を支持し、前記駆動部は前部フレームの前部に固定された載置板上に配設し、該駆動部は、モータおよびバッテリにより構成され、該駆動力をチェンケース部に配置したワンウェイクラッチを介して前輪に伝達すべく構成し、前記従動輪である後輪は、前記前部フレーム及び後部フレームの連結部の下部に支持したステーに枢支し、該後輪に、トラックの荷台から畦畔散布機を降ろしたり、圃場間の移動時の下り坂で走行する時に畦畔散布機の速度を調節するブレーキ機構を設け、該ブレーキ機構は、前記ステーの前方及び左右外側方に、平面視コ字状に形成したブラケットを回動可能に枢支し、該ブラケットの前面下部にブレーキシューを固着し、前記ハンドルに設けたブレーキレバーを操作すると、該ブラケットの前部が下方へ回動し、ブレーキシューにより後輪を押さえ制動すべく構成したものである。
【0006】
請求項2においては、請求項1記載の畦畔散布機において、前記移動台車の左右下方にそり状又はローラ状の補助機構を設け、該補助機構を操作部に設けた伸縮レバーと連動連結し、該伸縮レバーで、そり状又はローラ状の補助機構の高さ調節を可能としたものである。
【0007】
請求項3においては、請求項1記載の畦畔散布機において、前記ハンドルには走行レバーを配設し、該走行レバーにより駆動部内のモータの出力を調節し、該走行レバーと連動する連動機構を設け、該連動機構を、前記動力散布装置のシャッターの開閉操作を行う操作部と連動連結させ、走行レバーにより走行を停止した時、連動機構を介してシャッターを閉めるものである。
【0008】
請求項4においては、請求項1記載の畦畔散布機において、前記動力散布装置の散布管に屈曲部を設け、該屈曲部において散布管を回動操作可能とし、前記ハンドルに設けた方向調節レバーと連動連結し、該方向調節レバーの操作で散布管の先端の向きを変更可能としたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る畦畔散布機の側面図、図2は同じく正面図、図3はシャッターを示す側面図、図4は走行レバーとシャッターとの連動機構を示す図、図5は散布管の屈曲部を示す図、図6はブレーキ機構を示す側面図である。図7は同じく斜視図、図8は補助部材を示す側面図である。
【0010】
図1、図2より、畦畔散布機1の全体構成について説明する。
畦畔散布機1は、走行部となる移動台車16および動力散布装置17により構成され、該動力散布装置17は移動台車16の後部フレーム10上に載置されている。従って、畦畔散布機1は走行可能な移動台車16上に動力散布装置17を配設するので、該動力散布装置17を作動させ、薬剤もしくは肥料を散布しながら、移動することができる。
【0011】
前記移動台車16では、前部フレーム8と後部フレーム10とを前後中途部で連結してメインフレームを構成し、前部フレーム8及び後部フレーム10の連結部に上後方へ伸びるハンドル5・5の基部を配設し、該ハンドル5後部近傍を操作部としている。そして、前記移動台車16の下部には駆動輪である前輪9及び従動輪である後輪11が配設されて、オペレータはハンドル5・5を持って、移動台車16の押し引きおよび方向転換を行うよう構成されている。
また、移動台車16の前部には駆動部21が構成されており、該駆動部21により前輪9を駆動できる構成になっている。そして、移動台車16の両側前下部には、補助機構60・60が配設されている。補助機構60・60はハンドル5・5に配設された伸縮レバー68L ・68Rにより上下伸縮操作できる構成になっている。
【0012】
ここで、畦畔散布機1について前記移動台車16の構成から詳細に説明する。
前述の如く移動台車16は、前部フレーム8、後部フレーム10、前輪9及び後輪11から構成されている。前輪9及び後輪11は移動台車16に夫々一輪ずつ備えられており、前輪9と後輪11が移動台車16の左右略中央で前後方向略同一直線上(図2の直線X−X)に位置している。該後輪11は、前部フレーム8および後部フレーム10に固設されたステー33により支持されており、該ステー33にブレーキ機構70が枢支されている。
【0013】
前部フレーム8は、前後中途部で下斜め後方且つ側方に曲折して前高後低の二段の水平部を有する左右二本の中空状パイプの前部に載置板8aを架設して平面視門状に形成されていて、後端部は上方に曲折して垂直部8b・8bを形成している。
前部フレーム8には、駆動部21、チェンケース31、前輪9、薬剤タンク2及び供給部26が配設されている。
【0014】
前記駆動部21は前部フレーム8の前部に固定された載置板8a上であって前輪9上方に配設されており、該駆動部21により該前輪9を駆動する構成としている。該駆動部21はケーシングに内装されたモータ22(図4)およびバッテリ等により構成され、バッテリの電力によりモータ22を駆動し、該駆動力をチェンケース31に内装されるチェン、ワンウェイクラッチを介して前輪9に伝達し、前輪9を回転駆動している。前記チェンケース31は側面視において前部フレーム8を貫通しており、簡易な構造をもって該前部フレーム8上に配設された駆動部21から、前部フレーム8下方に配設された前輪9に動力を伝達することができるようにしている。前輪9は前部フレーム8の下方であって、移動台車16の左右方向中心に設けられており、該前輪9の右側に位置する前記チェンケース31および前部フレーム8の前左部に固設されたステー32により支持されて、駆動部21からチェンケース31内部のチェンを介して前輪の車軸に伝達された動力によって前輪9が回転駆動する。なお、手で押したりするときにはワンウェイクラッチにより更に速く前進させることができ、上り坂等では停止しても逆行することはない。
そして、一側のハンドル5には走行レバー5aが配設されており、該走行レバー5aで駆動部21内のモータ22の出力を調節しており、他側のハンドル5には散布管14と連動した方向調節レバー5bが配設されている。
【0015】
前部フレーム8の後部に位置する水平部上には、供給部26が配設されている。移動台車16に装備された動力散布装置17は、ファンケース4、エンジン3、薬剤タンク2及び散布管14等により構成され、前方より、薬剤タンク2、散布管14、ファンケース4、エンジン3、燃料タンク24の順に配置されるが、そのうち、前部フレーム8には薬剤タンク2及びその下部に位置する供給部26が配設されている。供給部26では、供給部26の右側に連結された導入パイプ7よりファンケース4からの送風を該供給部26へ導入し、該供給部26の上方に配設された薬剤タンク2から落下する薬剤の量を調節し、そして、供給部26の左側に連結された散布管14へ薬剤を送り出している。
【0016】
後部フレーム10は平面視U字状に成形した中空状のパイプで構成されており、その前端部には上方へ曲折して垂直部10b・10bが形成されており、前部フレーム8と後部フレーム10の夫々の垂直部8b・8b・10b・10bを接合させて前部フレーム8の後端に後部フレーム10を連結している。
後部フレーム10には動力散布装置17の構成部材であるファンケース4、エンジン3及び燃料タンク24が配設されている。
【0017】
前記ファンケース4内には図示せぬファンが内装されており、ファンケース4の後部に接続されたエンジン3により前記ファンが駆動される。そして、薬剤タンク2とファンケース4は、導入パイプ7で接続されて、ファンにより発生した風は、導入パイプ7により薬剤タンク2の下部に設けられた供給部26に導入され、薬剤タンク2より落下した薬剤とともに散布管14に送られる。これにより、薬剤タンク2内の薬剤がファンケース4内のファンよりの送気で、散布管14より圃場に散布される。散布管14の向きは左右および上下方向に回動可能であり、任意の回動位置において固定することができる。
【0018】
なお、薬剤タンク2に装填された薬剤は、該薬剤タンク2の下部に設けられた供給部26と薬剤タンク2との間に設けられたシャッター41(図3)の開閉具合を調節して供給部26内に落下する量が調節されて、ファンによって散布管14に送られる薬剤の量を制御する仕組みとしている。前部フレーム8と後部フレーム10との間に設けられたシャッター主操作レバー35及びハンドルに設けられたシャッター操作レバー34L・34Rでシャッターの開度を調節することによって、散布管14から供給される薬剤の量を調節するようにしている。
図3に示すように、シャッター41は、薬剤タンク2内部に組み込まれたシャッターケース42にシャッター枠43、シャッター押さえ44を上から組み入れ、シャッター締付金具45を、薬剤タンク2内部に形成された嵌入部より挿入して回転し、抜けないようにしてある。そして、ネジ46で締め付けることで、シャッター枠43がシャッターケース42に密着させ、取り付けている。47は、パッキンであり、確実に閉じて漏れないようにしている。
【0019】
前記シャッター41は、アーム48、リンク機構49を介して、前部フレーム8と後部フレーム10との間に設けられたシャッター主操作レバー35(図1)及びハンドル5に設けられたシャッター操作レバー34L・34R(図1)と連結している。
そして、該シャッター主操作レバー35、シャッター操作レバー34L・34Rで、シャッターの開度を調節することによって、散布管14から供給される薬剤の量を調節するようにしている。そして、シャッター主操作レバー35及びシャッター操作レバー34L・34Rは連動していて、その何れからもシャッターの開度を調節可能に構成されて、作業者がハンドル5・5を握りながらでも散布量の調節ができるようにしている。
【0020】
次に、走行レバーとシャッターとの連動機構について説明する。
図4に示すように、操作部のハンドル5に、走行レバー5aと連動する連動装置51が配設され、該連動装置51は、アーム等より構成してワイヤー53、または、リンク機構等と連結し、該ワイヤー53の他端をシャッター41開閉操作を行う操作部であるアーム48に連動連結している。
このような構成で、走行レバー5aを「停止」に操作すると、モータ22の駆動も停止して走行を停止し、かつ、連動装置51が作動し、アーム48が回動して、シャッター41が閉まる。但し、走行レバー5aを「走行」操作時は、連動装置51は作動せず、モータ22による走行のみ行うようにし、シャッター41の「開」操作は別に行なうようにしている。
【0021】
また、シャッター主操作レバー35及びシャッター操作レバー34L・34Rと連動するシャッター連動装置52が配設されており、該連動装置52は、アーム48及び駆動部21のモータ22と連動連結する構成としている。
このような構成で、シャッター主操作レバー35及びシャッター操作レバー34L・34Rを「開」に操作すると、アーム48が回動し、シャッター41が開き、かつ、連動装置52が作動し、モータ22の駆動力が前輪に伝達され、機体1が走行する。
このように、走行レバー5aと、シャッター41の開閉操作を行う操作部であるアーム48とを、また、シャッター主操作レバー35及びシャッター操作レバー34L・34Rと、モータ22とを、連動装置51・52により連動することで、走行を停止すると薬剤等の散布も停止され、無駄な散布が行なわれなくなり、また、過剰に散布されることもなくなり、作業の開始・終了時の操作が1アクションで行えるため、操作の煩わしさを減少させることができ、操作性が向上するのである。
【0022】
次に、前記散布管14について説明する。
図2に示すように、供給部26に散布管14を連結し、機体上方に延出し、屈曲部14aを介して、機体側方に向けて延設している。
前記屈曲部14aの下部に、固定部55が配設されている。該固定部55は、前部フレーム8の垂直部8bから機体側方に向けて突設しており、固定部55に散布管14を装着し、固定している。
図5に示すように、屈曲部14aの左右側部にワイヤー56・57の一端が固定され、該ワイヤー56・57は、ハンドル5に配設されている方向調節レバー5bと連結されている。
【0023】
このような構成で、方向調節レバー5bを操作することにより、屈曲部が回動し、散布管の方向を変更することができ、ハンドル5を手で握った状態で、容易に操作を行うことができる。
なお、本実施例では、散布管の前後角度を変更可能に構成したが、上下角度を同様の構成で変更することも可能である。また、ワイヤーにより、屈曲部と角度調節レバーを連動連結したが、これに限定するものではなく、リンク機構、モータを用いることもできる。
【0024】
次に、従動輪である後輪11に設けられたブレーキ機構について説明する。
図6、図7に示すように、ブレーキ機構70は、ブラケット71、ブレーキシュー73、ワイヤー72、付勢ばね76等で構成されている。
ブラケット71は、前部フレーム8および後部フレーム10に固設されているステー33・33に枢支されている。該ブラケット71は、平面視コ字状に形成され、後方に向けて開口するように配設され、ステー33・33の前方及び左右外側方に配設されている。そして、ブラケット71の側面部とステー33とを固定手段74により回動可能に固定している。
【0025】
ブラケット71の前面下部にブレーキシュー73が固着されている。一方、ブラケット71後部に孔71aが左右方向に穿設されており、該孔71aにワイヤー72の一端がピン75で固定されている。
また、ブラケット71の後下部に付勢ばね76の一端が固定されている。該ばね76の他端は、ステー33のブラケット71下方に固定されており、ブラケット71後部を下方に付勢してブレーキ解除するようにしている。
前記ワイヤー72の他端は、ハンドル5に配設されているブレーキレバー77と連動連結されている。
【0026】
このような構成で、図6(a)に示すように、ブレーキレバー77を操作すると、ワイヤー72を介してブラケット71後部が上方に、前部が下方に回動し、ブレーキシュー73が後輪11を押さえ制動する。なお、ブレーキレバー77のレバーガイドに係合部を設けて制動状態に固定できる構成(駐車ブレーキ)とすることもできる。
一方、図6(b)に示すように、ブレーキレバー77を離すと、付勢バネ76によりブラケット71後部が下方に、前部が上方に回動するので、後輪11からブレーキシュー73が離れ、ブレーキ解除となる。
【0027】
このように、後輪11にブレーキ機構70を設けたので、トラックの荷台から機体1を降ろしたり、圃場間の移動時の下り坂で走行するときに、機体1の速度を調節することができ、また、操作部となるハンドル5にブレーキレバー77を設け、ブレーキレバー77とブレーキ機構70を連動連結するので、ハンドル5から手を離さずにブレーキ操作することができ、作業がし易くなる。また、ブレーキ機構70に制動ロック装置を設けることにより駐車ブレーキとすることもできる。
なお、本実施例では、ブラケットを平面視コ字状として、左右両側のステーに回動可能に固定されているが、ブラケットを平面視L字状として、左右片側のステーに枢支することもできる。また、ブレーキ機構は、駆動輪である前輪に配設することもできる。
【0028】
次に、機体を安定させる補助部材について、図8を用いて説明する。
前記移動台車16の左右両側に補助部材60・60を設ける。該補助部材60・60の構造は、機体1の左右中心に対して略対称であるので、一側の補助部材60について詳細に説明し、他側の補助部材60については、省略する。
該補助部材60は、前部・後部フレーム8・10への取付部材66・66、高さ調整可能な伸縮機構、そり状の板またはローラ等のガイド部材65等からなっている。
伸縮機構は、前後方向に二箇所配置しており、上部を取付部材66・66に支持されており、下部にガイド部材65を支持している。
該伸縮機構は、アクチュエータ61、アクチュエータ61から延出しているロッド63、アクチュエータ61を支持する支持部材62とでなっており、該支持部材62が、前記取付部材66に固設されている。該支持部材62下側にアクチュエータ61が配設され、該アクチュエータ61下側から、ロッド63が、伸縮可能に延設されている。該ロッド63下端に、取付部材を介して前記ガイド部材65が取り付けられている。但し、アクチュエータ61を設けずに単なる筒部材で構成して、手動で長さ調節する構成とすることもできる。また、垂直方向に摺動するロッドの代わりに、リンクの上下を枢支した平行リンクに構成することもできる。
【0029】
一方、左右のハンドル5・5に伸縮レバー68L・68Rが配設されている。該伸縮伸縮レバー68L(68R)は、コントローラ67を介して、前記アクチュエータ61・61と連動連結されている。
また、左側の伸縮レバー68Lは機体左側に配置している補助部材60と、右側の伸縮レバー68Rは機体右側に配置している補助部材60と、連動連結するようにしている。
このような構成で、伸縮レバー68L・68Rを操作すると、コントローラ67を介して、アクチュエータ61に操作が伝えられ、ロッド63を伸縮させることで、ガイド部材65の高さ調節を行い、圃場の高さに合うように調節する。
【0030】
このように、機体1の左右下方にガイド部材65を有した補助機構60を設けて、該補助機構60を、ハンドル5・5に設けた伸縮レバー68L・68Rと連動連結し、該伸縮レバー68L・68Rで、補助機構60の高さ調節可能としているので、前・後輪9・11をそれぞれ一輪とし、左右略中央、且つ、前後方向に略一直線上に配設しても、安定して畦畔上を走行することができ、安定性の向上を図ることができる。
また、左側の伸縮レバー68Lは左側の補助部材60と、右側の伸縮レバー68Rは左側の補助部材60と、連動連結するようにしているので、補助部材60・60の高さを独立して調節することができ、また、片側だけの使用も可能となる。
なお、本実施例では、伸縮機構にアクチュエータを使用しているが、これに限定されるものではなく、モータや、ワイヤーを使うこともできる。
以上のように、操作部に走行レバー5a、方向調節レバー5b、ブレーキレバー77、伸縮レバー68L・68Rをまとめて配置することにより、オペレータの手の届く範囲に各レバーが配置されて、走行しながらハンドルから離れることなく、また、走行を停止することなく各操作ができるようになり、操作性を向上することができ、作業効率もアップできるのである。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に示すような効果を奏する。
【0032】
請求項1に示す如く、駆動輪である前輪と、従動輪である後輪とを前後に有する移動台車上に、動力散布装置及び薬剤タンクを配設した自走式の畦畔散布機であって、前記移動台車は、前部フレームと後部フレームとにより構成し、該前部フレームは、水平部を有する左右二本のパイプを平面視門状に形成し、前部に載置板を架設し、後端部は上方に曲折して垂直部を形成し、前記後部フレームも平面視U字状に成形したパイプで構成し、前端部には上方へ曲折して垂直部を形成し、該前部フレームと後部フレームの夫々の垂直部を連結接合してメインフレームを構成し、該前部フレーム及び後部フレームの連結部に、上後方へ伸びるハンドルの基部を配設し、該ハンドルの後部近傍を操作部とし、該前部フレームには、駆動部、チェンケース、駆動輪である前輪を支持し、前記駆動部は前部フレームの前部に固定された載置板上に配設し、該駆動部は、モータおよびバッテリにより構成され、該駆動力をチェンケース部に配置したワンウェイクラッチを介して前輪に伝達すべく構成し、前記従動輪である後輪は、前記前部フレーム及び後部フレームの連結部の下部に支持したステーに枢支し、該後輪に、トラックの荷台から畦畔散布機を降ろしたり、圃場間の移動時の下り坂で走行する時に畦畔散布機の速度を調節するブレーキ機構を設け、該ブレーキ機構は、前記ステーの前方及び左右外側方に、平面視コ字状に形成したブラケットを回動可能に枢支し、該ブラケットの前面下部にブレーキシューを固着し、前記ハンドルに設けたブレーキレバーを操作すると、該ブラケットの前部が下方へ回動し、ブレーキシューにより後輪を押さえ制動すべく構成したので、トラックの荷台から機体を降ろしたり、圃場間の移動時の下り坂で走行するときに、駆動力に関係なくワンウェイクラッチにより前進してしまうが、ブレーキ機構により制動することにより機体の速度を調節することができ、また、ハンドルから手を離さずにブレーキ操作することができ、制動が行い易くなる。
【0033】
請求項2に示す如く、前記移動台車の左右下方にそり状又はローラ状の補助機構を設け、該補助機構を操作部に設けた伸縮レバーと連動連結し、該伸縮レバーで、そり状又はローラ状の補助機構の高さ調節を可能としたので、補助機構を本機が安定して走行できる位置に高さ調節して位置させることで、駆動輪及び従動輪をそれぞれ一輪とし、左右略中央、且つ、前後方向に略一直線上に配設しても、安定して畦畔上を走行することができ、安定性の向上を図ることができる。また、ハンドルから手を離さずに、操作部材で補助機構の高さ調節を行うことができるので、作業しながらまたは走行しながら高さ調節ができて、安定走行調節を容易に行なうことができ、作業効率化を図ることができる。
【0034】
請求項3に示す如く、前記ハンドルには走行レバーを配設し、該走行レバーにより駆動部内のモータの出力を調節し、該走行レバーと連動する連動機構を設け、該連動機構を、前記動力散布装置のシャッターの開閉操作を行う操作部と連動連結させ、走行レバーにより走行を停止した時、連動機構を介してシャッターを閉めるので、走行を停止すると薬剤等の散布も停止され、無駄な散布が行われなくなり、また、作業の終了時の操作が1アクションで行えるため、操作の煩わしさを減少させ、操作性が向上するのである。
【0035】
請求項4に示す如く、前記動力散布装置の散布管に屈曲部を設け、該屈曲部において散布管を回動操作可能とし、前記ハンドルに設けた方向調節レバーと連動連結し、該方向調節レバーの操作で散布管の先端の向きを変更可能としたので、ハンドルを手で握った状態で、容易に散布管の向きの変更を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る畦畔散布機の側面図。
【図2】 同じく正面図。
【図3】 シャッターを示す側面図。
【図4】 走行レバーとシャッターとの連動機構を示す図。
【図5】 散布管の屈曲部を示す図。
【図6】 ブレーキ機構を示す側面図。
【図7】 同じく斜視図。
【図8】 補助部材を示す側面図。
【符号の説明】
1 畦畔散布機
2 薬剤タンク
5a 走行レバー
5b 方向調節レバー(操作部材)
9 前輪(駆動輪)
11 後輪(従動輪)
14 散布管
14a 屈曲部
16 移動台車
17 動力散布装置
41 シャッター
51 連動装置
60 補助機構
68L・68R 伸縮レバー(操作部材)
70 ブレーキ機構
77 ブレーキレバー(操作部材)
60 補助機構
68L・68R 伸縮レバー(操作部材)
Claims (4)
- 駆動輪である前輪と、従動輪である後輪とを前後に有する移動台車上に、動力散布装置及び薬剤タンクを配設した自走式の畦畔散布機であって、前記移動台車は、前部フレームと後部フレームとにより構成し、該前部フレームは、水平部を有する左右二本のパイプを平面視門状に形成し、前部に載置板を架設し、後端部は上方に曲折して垂直部を形成し、前記後部フレームも平面視U字状に成形したパイプで構成し、前端部には上方へ曲折して垂直部を形成し、該前部フレームと後部フレームの夫々の垂直部を連結接合してメインフレームを構成し、該前部フレーム及び後部フレームの連結部に、上後方へ伸びるハンドルの基部を配設し、該ハンドルの後部近傍を操作部とし、該前部フレームには、駆動部、チェンケース、駆動輪である前輪を支持し、前記駆動部は前部フレームの前部に固定された載置板上に配設し、該駆動部は、モータおよびバッテリにより構成され、該駆動力をチェンケース部に配置したワンウェイクラッチを介して前輪に伝達すべく構成し、前記従動輪である後輪は、前記前部フレーム及び後部フレームの連結部の下部に支持したステーに枢支し、該後輪に、トラックの荷台から畦畔散布機を降ろしたり、圃場間の移動時の下り坂で走行する時に畦畔散布機の速度を調節するブレーキ機構を設け、該ブレーキ機構は、前記ステーの前方及び左右外側方に、平面視コ字状に形成したブラケットを回動可能に枢支し、該ブラケットの前面下部にブレーキシューを固着し、前記ハンドルに設けたブレーキレバーを操作すると、該ブラケットの前部が下方へ回動し、ブレーキシューにより後輪を押さえ制動すべく構成したことを特徴とする畦畔散布機。
- 請求項1記載の畦畔散布機において、前記移動台車の左右下方にそり状又はローラ状の補助機構を設け、該補助機構を操作部に設けた伸縮レバーと連動連結し、該伸縮レバーで、そり状又はローラ状の補助機構の高さ調節を可能としたことを特徴とする畦畔散布機。
- 請求項1記載の畦畔散布機において、前記ハンドルには走行レバーを配設し、該走行レバーにより駆動部内のモータの出力を調節し、該走行レバーと連動する連動機構を設け、該連動機構を、前記動力散布装置のシャッターの開閉操作を行う操作部と連動連結させ、走行レバーにより走行を停止した時、連動機構を介してシャッターを閉めることを特徴とする畦畔散布機。
- 請求項1記載の畦畔散布機において、前記動力散布装置の散布管に屈曲部を設け、該屈曲部において散布管を回動操作可能とし、前記ハンドルに設けた方向調節レバーと連動連結し、該方向調節レバーの操作で散布管の先端の向きを変更可能としたことを特徴とする畦畔散布機。
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- 2002-03-05 JP JP2002058965A patent/JP3981570B2/ja not_active Expired - Lifetime
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