JP3979753B2 - 車両用エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用エアバッグ装置のエアバッグ本体に関し、特にそのエアバッグ本体の圧力気体導入開口にその補強のために縫製添設される補強布の縫製のほころびを防止し得る圧力気体導入開口構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、自動車などの車両には、緊急時の安全手段として、図9に示すような助手席エアバッグ装置1が備えられている。このエアバッグ装置1は、インストルメントパネル2の内部に収容されたハウジング3に備えられ、車両が所定値以上の衝撃力を受けたときに圧力気体を噴出するインフレータ4と、平常時には折り畳まれた状態でハウジング3に収納されインフレータ4から噴出される圧力気体が後述の圧力気体導入開口から導入されることによって膨張するエアバッグ本体5とから構成されている。
【0003】
そして、インフレータ4から圧力気体が噴出されると、図9で符号に5aを付け実線で示したように、エアバッグ本体5a(5)はインストルメントパネル2の上部から車室内乗員側6へ膨出し、定位置に着座している乗員の頭部などを受け止める。このように、エアバッグ本体5a(5)が乗員の前部に膨出することにより、インストルメントパネル2などの硬質の部材などに直接頭部や胴部などが衝突することを避けることができ、乗員を保護することができる。
【0004】
なお、図9中、符号7は車両のフロントウインドウガラス、8はエアバッグ本体5a(5)の内圧を調整するためのベントホールである。
【0005】
また、このエアバッグ本体5をハウジング3に固定する構成としては種々提案されているが、例えば、ハウジング3をインフレータ4の収納部分とエアバッグ本体5の収納部分とに分離して、それぞれインフレータ収納容器およびエアバッグ本体収納容器とし、インフレータ収納容器は車種によらず共通化させ、エアバッグ本体収納容器を車種に応じて変えるようにしたエアバッグ装置(図1参照)では、エアバッグ本体5は、インフレータ収納容器に溶接等で適宜連結されたエアバッグ本体収納容器に対して、リテーナおよびそれに突設されたボルトを介して、エアバッグ本体5の圧力気体導入開口がインフレータ収納容器の圧力気体噴出方向に対向するように気密に固定されている。
【0006】
図10、図11は、上記のようなエアバッグ装置に使用するエアバッグ本体5の圧力気体導入開口9の部分の拡大平面図である。
【0007】
上記のエアバッグ本体5は2枚の基布の外周を袋状に縫製したもので、その一方の基布5(インストルメントパネル2)側に、図に示すように、ほぼ長方形状の圧力気体導入開口9が穿設されている。
【0008】
また、この圧力気体導入開口9の周囲には、圧力気体導入開口9と同形の開口を有するほぼ長方形の枠状をした補強布10が内面側と外面側とにそれぞれ2枚ずつ重ねて配設されている。この補強布10は圧力気体導入開口9の周辺の取付強度確保、並びに、気密性および耐熱性の向上を図るものであって、この補強布10の内周部分において圧力気体導入開口9に沿って、補強布10とエアバッグ本体5とが5枚重ねで縫製(縫製線11)されている。同様に、補強布10の外周部分において縫製線11と平行に、補強布10とエアバッグ本体5とが5枚重ねで縫製(縫製線12)されている。
【0009】
更に、その内外周の縫製線11,12の間における圧力気体導入開口9の4個所のコーナー部13近傍には、それぞれエアバッグ本体5および補強布10を貫通するボルト孔15が形成され、また内外周の縫製線11,12の間における圧力気体導入開口9の上下2辺の長辺部14には、それぞれエアバッグ本体5および補強布10を貫通する2つずつ計4つのボルト孔15が形成されている。
【0010】
そして、エアバッグ本体5内にその圧力気体導入開口9からリテーナ16を入れ、そのリテーナ16から突設されたボルト17を上記ボルト孔15に挿通させてエアバッグ本体5外に突出させ、そのリテーナおよびそれに突設されたボルト17を介して、エアバッグ本体5をエアバッグ本体収納容器に対して、エアバッグ本体5の圧力気体導入開口がインフレータ収納容器の圧力気体噴出方向に対向するように気密に固定する。
【0011】
なお、ボルト17による締付力は、エアバッグ本体5が完全に動かなくなる程の強固なものではなく、圧力気体導入開口9から圧力気体が漏れない程度の強さとされている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の車両用エアバッグ装置におけるエアバッグ本体5では、その圧力気体導入開口9がほぼ長方形状をしているため、図10〜図12に示すように、エアバッグ本体5が乗員側に膨出の際に、そのエアバッグ本体5の膨出力に対抗するために、圧力気体導入開口9のコーナー部13には、圧力気体導入開口9の上下2辺の長辺部14と左右2辺の短辺部(符号省略)に作用する力18がそれぞれ合成されそれらと比べて大きな力19が作用することとなり、そのため、エアバッグ本体5のコーナー部13における布地が外周側の縫製線12の部分で破れてほころびが生じるおそれがある。
【0013】
例えば、図13に示すように、圧力気体導入開口9の長辺部14に対し織目を直交させてエアバッグ本体5を配置する、いわゆる基布がノンバイアスタイプでは、符号20で示すようなカギ型のほころびが生じ、図14に示すように、圧力気体導入開口9の長辺部14に対し織目を斜交させてエアバッグ本体5を配置する、いわゆる基布がバイアスタイプでは、符号21で示すような織目に沿った斜めのほころびが生じる傾向にある。
【0014】
このようなほころびが生じると圧力気体がそこから漏れるおそれがあるため、一般的には、上記縫製線の本数を多くする等の構造としているが、縫製作業が煩雑になりコスト高となる。
【0015】
そこで、本発明の目的は、上記の問題点を解消し、エアバッグ本体膨出の際に、圧力気体導入開口のコーナー部周辺にほころびが生じるのを防止することのできる車両用エアバッグ装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、発明では、エアバッグ本体収納容器内に折り畳んだ状態で収納され、インフレータから噴出された圧力気体がほぼ長方形状の圧力気体導入開口から導入されることによって膨張するエアバッグ本体を備え、該エアバッグ本体の前記圧力気体導入開口の周囲にほぼ長方形の枠状をした補強布が配設されると共に、該補強布の内外周部分がそれぞれ内外周の縫製線で前記エアバッグ本体に縫製され、該内外周の縫製線の間における前記圧力気体導入開口のコーナー部近傍に前記エアバッグ本体および前記補強布を貫通するコーナー側ボルト孔が形成されると共に、前記内外周の縫製線の間における前記圧力気体導入開口の辺部位置に前記エアバッグ本体および前記補強布を貫通する辺側ボルト孔が形成され、前記エアバッグ本体内側の前記圧力気体導入開口の周囲にほぼ長方形の枠状をしたリテーナが当接配置され、前記リテーナと前記エアバッグ本体収納容器とが前記コーナー側ボルト孔および前記辺側ボルト孔に挿通されるボルトで連結されることにより、前記エアバッグ本体が前記圧力気体導入開口の周囲において前記リテーナと前記エアバッグ本体収納容器とで挟持され、更に、前記圧力気体導入開口のコーナー部近傍に前記縫製線によるほころびを防止するほころび防止手段が施されていることを特徴としている。
【0017】
このように構成された発明によれば、ほころび防止手段により、エアバッグ本体膨出の際に、圧力気体導入開口のコーナー部近傍にほころびが生じるのを防止でき、これにより縫製線の本数を多くしなくとも圧力気体の漏れを確実に防止できる。
【0018】
そして、請求項1に記載された発明では、上記に加え、前記ほころび防止手段は、前記補強布および前記エアバッグ本体の双方に対して穿設され前記ボルトの径とほぼ同じ孔径を有する前記辺側ボルト孔と、前記補強布および前記エアバッグ本体の双方に対して穿設され前記ボルトの径よりも大きい孔径を有する前記コーナー側ボルト孔とによって構成されることを特徴としている。
【0019】
このように構成された請求項にかかる発明によれば、エアバッグ本体膨出の際に、膨出力はまず辺側ボルト孔に作用し、その後、エアバッグ本体が伸びてコーナー側ボルト孔の口寸法を使い切ったところでようやくコーナー側ボルト孔に膨出力が作用することとなる。これによって、コーナー部についてはエアバッグ本体膨出のエネルギーをエアバッグ本体の伸びに吸収させることができるようになると共に、辺側ボルト孔とコーナー側ボルト孔に作用する力をほぼ均等化させることができるようになる。よって、エアバッグ本体膨出の際に、圧力気体導入開口のコーナー部近傍にほころびが生じるのが防止される。
【0020】
また、ボルトの径が全て同じ場合は、前記補強布および前記エアバッグ本体の双方に対し前記コーナー側ボルト孔を前記辺側ボルト孔よりも大きく形成する、即ちコーナー側ボルト孔の口寸法を大径に変えるのみなので、例えば、縫製線を変更したり、補強布の形状を変更したりすることなどに比べて、構成が容易であり、コストアップや工程の変更を伴うことなく実現することができる。
【0021】
請求項に記載された発明では、上記に加え、前記ほころび防止手段は、前記圧力気体導入開口の辺方向に対して織目を斜交させて配置された前記補強布と、前記補強布および前記エアバッグ本体の双方に対して穿設され前記ボルトの径とほぼ同じ孔径を有する前記辺側ボルト孔と、前記補強布に対して穿設され前記ボルトの径とほぼ同じ孔径を有し且つ前記エアバッグ本体に対して穿設され前記ボルトの径よりも大きい孔径を有する前記コーナー側ボルト孔とによって構成されることを特徴としている。
【0022】
このように構成された請求項にかかる発明によれば、前記圧力気体導入開口に対し前記補強布の織目を斜交させて配置させたことにより、エアバッグ本体膨出の際に、圧力気体導入開口のコーナー部に作用する力の方向に対して補強布が伸び易くなるので、コーナー部についてはエアバッグ本体膨出のエネルギーを補強布の伸びに吸収させることができる。
【0023】
また、前記エアバッグ本体の前記コーナー側ボルト孔を前記辺側ボルト孔よりも大きく形成したことにより、エアバッグ本体膨出の際に、膨出力はまず辺側ボルト孔に作用し、その後、エアバッグ本体および補強布が伸びてコーナー側ボルト孔の口寸法を使い切ったところでようやくコーナー側ボルト孔に膨出力が作用することとなる。
【0024】
これによって、エアバッグ本体の膨出のエネルギーをエアバッグ本体および補強布の伸びに吸収させることができるようになると共に、辺側ボルト孔とコーナー側ボルト孔に作用する力をほぼ均等化させることができるようになる。よって、エアバッグ本体膨出の際に、圧力気体導入開口のコーナー部近傍にほころびが生じるのが防止される。
【0029】
【発明の実施の形態1】
以下、本発明の具体的な実施の形態1について、図示例と共に説明する。
【0030】
図1〜図4は、この発明の実施の形態1を示すものである。
【0031】
まず、構成を説明すると、図1に示すように、エアバッグ装置25は、自動車のフロントウインドウガラス26の下方に位置する助手席側のインストルメントパネル27の上面に形成された開口28の下方に設置されたエアバッグモジュール29を備えている。このエアバッグモジュール29は、ステアリングサポートメンバなどの図示しない車体側メンバへボルトなどによって締結固定されている。また、インストルメントパネル27の開口28にはこの開口28を閉成するリッド体30が取り付けられている。なお、上記インストルメントパネル27は、芯材のみによって形成されたハードパネルとなっている。
【0032】
リッド体30は、インストルメントパネル27の開口28を覆って閉成するリッド31と、リッド31縁部の裏面32から下方へ突設された係止爪33と、この係止爪33の内側でリッド31の裏面32から下方へ突設された脚部34とを備えている。係止爪33は開口28の周縁部に形成された係止部35に係止している。脚部34の中間部には長孔状のフック係止孔36が設けられ、フック係止孔36には後述のリッド取付フック37を押えつける薄肉片38が形成されている。このフック係止孔36に対し、後述するエアバッグ本体収納容器39に固定された前記リッド取付フック37を挿入・係止することにより、リッド体30は、エアバッグモジュール29と連結されている。なお、リッド体30とエアバッグ本体収納容器39とが連結されないようにしたものもある。
【0033】
リッド31の裏面32には、例えば、平面視ほぼH形状をした開裂溝40(全体的な図示省略)が形成されている。そして、後述するエアバッグ本体41が膨張した時の押圧力によってこの開裂溝40が開裂し、脚部34の根本のヒンジ部42を中心として矢印イ,ロで示すように互いに離反する方向へ観音開きすることにより、エアバッグ膨出開口が形成される。
【0034】
エアバッグモジュール29は、圧力気体を噴出する筒状のインフレータ43を収容し且つ側方から見てほぼ逆Ω字状をしたインフレータ収納容器44と、エアバッグ本体41を折り畳んだ状態で収納させるエアバッグ本体収納容器39と、インフレータ43から噴出された圧力気体の噴出量や噴出方向を制御するディフューザ45とを備えている。このディフューザ45は、エアバッグ本体収納容器39の底部に形成されている。なお、符号46はエアバッグ本体41の折り崩れを防止するためのラッピングベルトである。
【0035】
インフレータ収納容器44の上部に形成されたフランジ47にエアバッグ本体収納容器39の底部に形成された取付部48が重ね合わせられて溶接等の手段により連結されている。また、エアバッグ本体収納容器39の底部にはエアバッグ本体41の圧力気体導入開口50部分が、圧力気体導入開口50とほぼ同形状の開口を有する枠状をしたリテーナ51を介してボルト49およびナット(符号省略)により固定されている。即ち、リテーナ51とエアバッグ本体41の圧力気体導入開口50とエアバッグ本体収納容器39とインフレータ43収納容器との間をボルト49およびナットで挟着させるようにしている。なお、このボルト49は、リテーナ51に取付けられたスタッドボルトとなっている。
【0036】
次に、エアバッグ本体41の圧力気体導入開口50の周辺構造(即ち圧力気体導入開口構造)について説明する。
エアバッグ本体41の圧力気体導入開口50は、図2に示すように、インフレータの長軸形状に合わせてほぼ長方形状をしている。この圧力気体導入開口9の周囲には、図3、図4に示すように、全体的に長方形で且つ圧力気体導入開口9とほぼ同形状の開口を有する枠状の補強布52が内面側と外面側とにそれぞれ2枚ずつ配設されている。そして、この補強布52の内周部分に沿い、補強布52とエアバッグ本体とが5枚重ねで縫製(縫製線53)されている。同様に、補強布52の外周部分に沿い、補強布52とエアバッグ本体とが5枚重ねで縫製(縫製線54)されている。
【0037】
そして、内外周の縫製線53,54の間で且つ圧力気体導入開口50の4個所のコーナー部55近傍にそれぞれコーナー側ボルト孔56が形成されると共に圧力気体導入開口50の長辺部57中間位置にそれぞれ2個所ずつ辺側ボルト孔58が形成されており、このボルト孔56,58にリテーナ51から突設された全て同径の複数のボルト49を挿通させるようにしている。
【0038】
更に、この実施の形態1では、圧力気体導入開口50のコーナー部55近傍にほころび防止手段59を施している。
【0039】
このほころび防止手段59は、補強布52およびエアバッグ本体41の双方に対し辺側ボルト孔58よりも大きく形成されたコーナー側ボルト孔56によって構成されている。より具体的には、辺側ボルト孔58は、ボルト49に対し僅少な間隙60を有する大きさとするが、コーナー側ボルト孔56は、ボルト49に対し過大な間隙61を有する大きさとする。この間隙61は、エアバッグ本体41の膨出の際に、圧力気体導入開口50のコーナー部55に作用する力aの方向に対して最も大きくなるようにする。
【0040】
次に、この実施の形態1の作用について説明する。
【0041】
エアバッグ本体41の圧力気体導入開口50がほぼ長方形状をしているため、エアバッグ本体41の膨出の際に、圧力気体導入開口50のコーナー部55には、圧力気体導入開口50の長辺部57と短辺部(符号省略)に作用する力が合成されてそれらと比べて大きな力aが作用することとなる。このように、圧力気体導入開口50のコーナー部55に大きな力aが作用すると、そのコーナー部55における外周側の縫製線54によるほころびを生じ、圧力気体の漏れが発生するおそれがあるが、圧力気体導入開口50のコーナー部55近傍にほころび防止手段59を施すことにより、エアバッグ本体41膨出の際に、圧力気体導入開口50のコーナー部55近傍にほころびが生じることが防止される。
【0042】
この際、補強布52およびエアバッグ本体41の双方に対しコーナー側ボルト孔56を辺側ボルト孔58よりも大きく形成したことにより、エアバッグ本体41膨出の際に、膨出力はまず辺側ボルト孔58に作用し、その後、エアバッグ本体41が伸びてコーナー側ボルト孔56の口寸法を使い切ったところでようやくコーナー側ボルト孔56に膨出力が作用することとなる。これによって、コーナー部55についてはエアバッグ本体41膨出のエネルギーをエアバッグ本体41の伸びに吸収させることができるようになると共に、辺側ボルト孔58とコーナー側ボルト孔56に作用する力をほぼ均等化させることができるようになる。よって、エアバッグ本体41膨出の際に、圧力気体導入開口50のコーナー部55近傍にほころびが生じるのが防止される。
【0043】
また、コーナー側ボルト孔56の口寸法を変えるのみなので、例えば、縫製線53,54を変更したり、補強布52の形状を変更したりすることなどに比べて、構成が容易であり、コストアップや工程の変更を伴うことなく実現することができる。
【0044】
【発明の実施の形態2】
図5、図6は、この発明の実施の形態2を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一ないし均等な部分については、同一の符号を付して説明する。
【0045】
まず、構成を説明すると、この実施の形態2のものでは、ほころび防止手段59として、補強布52を圧力気体導入開口50に対し織目62を斜交させて配置させている。
【0046】
また、エアバッグ本体41のコーナー側ボルト孔63を辺側ボルト孔58よりも大きく形成している。
【0047】
なお、補強布52のコーナー側ボルト孔64は、図6では辺側ボルト孔58と同じとしているが、辺側ボルト孔58よりも大きく形成しても良い。
【0048】
次に、この実施の形態2の作用について説明する。
【0049】
圧力気体導入開口50に対し補強布52の織目62を斜交させて配置させたことにより、エアバッグ本体41膨出の際に、圧力気体導入開口50のコーナー部55に作用する力の方向に対して補強布52が伸び易くなるので、コーナー部55についてはエアバッグ本体41膨出のエネルギーを補強布52の伸びに吸収させることができる。
【0050】
また、少なくともエアバッグ本体41のコーナー側ボルト孔56を辺側ボルト孔58よりも大きく形成したことにより、エアバッグ本体41膨出の際に、膨出力はまず辺側ボルト孔58に作用し、その後、エアバッグ本体41および補強布52が伸びてコーナー側ボルト孔56の口寸法を使い切ったところでようやくコーナー側ボルト孔56に膨出力が作用することとなる。
【0051】
以上により、エアバッグ本体41膨出のエネルギーをエアバッグ本体41および補強布52の伸びに吸収させることができるようになると共に、辺側ボルト孔58とコーナー側ボルト孔56に作用する力をほぼ均等化させることができるようになる。よって、エアバッグ本体41膨出の際に、圧力気体導入開口50のコーナー部55近傍にほころびが生じるのが防止される。
【0052】
上記以外の部分については、前記実施の形態1と同様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ることができる。
【0053】
【発明の実施の形態3】
図7は、この発明の実施の形態3を示すものである。なお、前記実施の形態1および2と同一ないし均等な部分については、同一の符号を付して説明する。
【0054】
まず、構成を説明すると、この実施の形態3のものでは、ほころび防止手段59として、少なくとも外周側の縫製線54における前記コーナー部55近傍に対して部分的にほぼZ字状の多重縫製部65を施すようにしている。
【0055】
次に、この実施の形態3の作用について説明する。
【0056】
少なくとも外周側の縫製線54におけるコーナー部55近傍に対して部分的に多重縫製部65を形成することにより、余分な縫製部位をなくしつつ効果的にコーナー部55近傍の強度を上げることができる。よって、エアバッグ本体41膨出の際に、圧力気体導入開口50のコーナー部55近傍にほころびが生じるのが防止される。
【0057】
また、多重縫製部65は、内外周側の縫製線53,54を含めて一筆書きに縫って形成されているので、製造工程での作業性を損なうことがない。
【0058】
更に、例えば、図8に示すように、外周側の縫製線54を全周にわたって多重縫製66とした場合には、縫いによる吊れが発生し易いため、製品の寸法精度に悪影響を及ぼすが、この実施の形態3のように部分的な補強とすれば、補強部位以外は通常縫製となるので吊れの影響はほとんどない。また、多重縫製66の場合、吊れと縫製糸によるゴワゴワ感が生じるためエアバッグ本体の折り畳みに悪影響を及ぼすが、この実施の形態3のように部分的な補強とすれば、折り畳みに影響はない。
【0059】
上記以外の部分については、前記実施の形態1および2と同様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明してきたように、発明によれば、圧力気体導入開口のコーナー部近傍にほころび防止手段を施すことにより、エアバッグ本体膨出の際に、圧力気体導入開口のコーナー部近傍にほころびが生じるのが防止される。
【0061】
請求項の発明によれば、補強布および前記エアバッグ本体の双方に対し前記コーナー側ボルト孔を前記辺側ボルト孔よりも大きく形成したことにより、エアバッグ本体膨出の際に、膨出力はまず辺側ボルト孔に作用し、その後、エアバッグ本体が伸びてコーナー側ボルト孔の口寸法を使い切ったところでようやくコーナー側ボルト孔に膨出力が作用することとなる。これによって、コーナー部についてはエアバッグ本体膨出のエネルギーをエアバッグ本体の伸びに吸収させることができるようになると共に、辺側ボルト孔とコーナー側ボルト孔に作用する力をほぼ均等化させることができるようになる。よって、エアバッグ本体膨出の際に、圧力気体導入開口のコーナー部近傍にほころびが生じるのが防止される。
【0062】
また、コーナー側ボルト孔の口寸法を変えるのみなので、例えば、縫製線を変更したり、補強布の形状を変更したりすることなどに比べて、構成が容易であり、コストアップや工程の変更を伴うことなく実現することができる。
【0063】
請求項の発明によれば、圧力気体導入開口に対し前記補強布の織目を斜交させて配置させたことにより、エアバッグ本体膨出の際に、圧力気体導入開口のコーナー部に作用する力の方向に対して補強布が伸び易くなるので、コーナー部についてはエアバッグ本体膨出のエネルギーを補強布の伸びに吸収させることができる。
【0064】
また、前記エアバッグ本体の前記コーナー側ボルト孔を前記辺側ボルト孔よりも大きく形成したことにより、エアバッグ本体膨出の際に、膨出力はまず辺側ボルト孔に作用し、その後、エアバッグ本体および補強布が伸びてコーナー側ボルト孔の口寸法を使い切ったところでようやくコーナー側ボルト孔に膨出力が作用することとなる。
【0065】
これによって、エアバッグ本体の膨出のエネルギーをエアバッグ本体および補強布の伸びに吸収させることができるようになると共に、辺側ボルト孔とコーナー側ボルト孔に作用する力をほぼ均等化させることができるようになる。よって、エアバッグ本体膨出の際に、圧力気体導入開口のコーナー部近傍にほころびが生じるのが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の全体的な側方断面図である。
【図2】図1の圧力気体導入開口部分の平面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2の圧力気体導入開口部分の平面図である。
【図6】図5のC−C断面図である。
【図7】本発明の実施の形態3の圧力気体導入開口部分の平面図である。
【図8】外周側の縫製線54を全周にわたって多重縫製66とした場合の圧力気体導入開口部分の平面図である。
【図9】従来例の全体的な側方断面図である。
【図10】エアバッグ本体の圧力気体導入開口部分の平面図である。
【図11】図10のD−D断面図である。
【図12】図11を裏面側から見た斜視図である。
【図13】ノンバイアスタイプの圧力気体導入開口部分のほころびを示す拡大図である。
【図14】バイアスタイプの圧力気体導入開口部分のほころびを示す拡大図である。
【符号の説明】
39 エアバッグ本体収納容器
41 エアバッグ本体
43 インフレータ
44 インフレータ収納容器
49 ボルト
50 圧力気体導入開口
51 リテーナ
52 補強布
53 縫製線
54 縫製線
55 コーナー部
56 コーナー側ボルト孔
57 長辺部
58 辺側ボルト孔
59 ほころび防止手段
62 織目
65 多重縫製部

Claims (2)

  1. エアバッグ本体収納容器内に折り畳んだ状態で収納され、インフレータから噴出された圧力気体がほぼ長方形状の圧力気体導入開口から導入されることによって膨張するエアバッグ本体を備え、
    該エアバッグ本体の前記圧力気体導入開口の周囲にほぼ長方形の枠状をした補強布が配設されると共に、該補強布の内外周部分がそれぞれ内外周の縫製線で前記エアバッグ本体に縫製され、
    該内外周の縫製線の間における前記圧力気体導入開口のコーナー部近傍に前記エアバッグ本体および前記補強布を貫通するコーナー側ボルト孔が形成されると共に、前記内外周の縫製線の間における前記圧力気体導入開口の辺部位置に前記エアバッグ本体および前記補強布を貫通する辺側ボルト孔が形成され、
    前記エアバッグ本体内側の前記圧力気体導入開口の周囲にほぼ長方形の枠状をしたリテーナが当接配置され、
    前記リテーナと前記エアバッグ本体収納容器とが前記コーナー側ボルト孔および前記辺側ボルト孔に挿通されるボルトで連結されることにより、前記エアバッグ本体が前記圧力気体導入開口の周囲において前記リテーナと前記エアバッグ本体収納容器とで挟持され、
    更に、前記圧力気体導入開口のコーナー部近傍に前記縫製線によるほころびを防止するほころび防止手段が施され
    該ほころび防止手段は、前記補強布および前記エアバッグ本体の双方に対して穿設され前記ボルトの径とほぼ同じ孔径を有する前記辺側ボルト孔と、前記補強布および前記エアバッグ本体の双方に対して穿設され前記ボルトの径よりも大きい孔径を有する前記コーナー側ボルト孔とによって構成されることを特徴とする車両用エアバッグ装置。
  2. エアバッグ本体収納容器内に折り畳んだ状態で収納され、インフレータから噴出された圧力気体がほぼ長方形状の圧力気体導入開口から導入されることによって膨張するエアバッグ本体を備え、
    該エアバッグ本体の前記圧力気体導入開口の周囲にほぼ長方形の枠状をした補強布が配設されると共に、該補強布の内外周部分がそれぞれ内外周の縫製線で前記エアバッグ本体に縫製され、
    該内外周の縫製線の間における前記圧力気体導入開口のコーナー部近傍に前記エアバッグ本体および前記補強布を貫通するコーナー側ボルト孔が形成されると共に、前記内外周の縫製線の間における前記圧力気体導入開口の辺部位置に前記エアバッグ本体および前記補強布を貫通する辺側ボルト孔が形成され、
    前記エアバッグ本体内側の前記圧力気体導入開口の周囲にほぼ長方形の枠状をしたリテーナが当接配置され、
    前記リテーナと前記エアバッグ本体収納容器とが前記コーナー側ボルト孔および前記辺側ボルト孔に挿通されるボルトで連結されることにより、前記エアバッグ本体が前記圧力気体導入開口の周囲において前記リテーナと前記エアバッグ本体収納容器とで挟持され、
    更に、前記圧力気体導入開口のコーナー部近傍に前記縫製線によるほころびを防止するほころび防止手段が施され、
    ほころび防止手段は、前記圧力気体導入開口の辺方向に対して織目を斜交させて配置された前記補強布と、前記補強布および前記エアバッグ本体の双方に対して穿設され前記ボルトの径とほぼ同じ孔径を有する前記辺側ボルト孔と、前記補強布に対して穿設され前記ボルトの径とほぼ同じ孔径を有し且つ前記エアバッグ本体に対して穿設され前記ボルトの径よりも大きい孔径を有する前記コーナー側ボルト孔とによって構成されることを特徴とする車両用エアバッグ装置。
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