JP3979645B2 - 合成樹脂製容器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、外殻を形成する外層内に、変形自在な内袋を形成する内層を剥離自在に積層形成したブロー成形合成樹脂製容器、所謂デラミ容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
外殻を形成する外層内に、変形自在な内袋を形成する内層を剥離自在に積層して構成した、一般にデラミ容器と称されるブロー成形容器が知られているが、このブロー成形容器は、相溶性の殆どない外層と内層とを共押出しで多層パリソンに押出し成形し、この多層パリソンをブロー成形して得られる。
【0003】
デラミ容器は、外層に、外層と内層との間に外気を進入させる吸気孔が形成されており、ディスペンサーポンプを組み合わせたキャップを取り付けて使用されたり、外層をスクイズ変形可能で、復元自在な可撓性を有する外殻を形成する構成とし、吸気孔に逆止弁を配し、また逆止弁を配した開口部を有するキャップを螺合させてスクイズタイプのデラミ容器として使用される。
【0004】
ブロー金型のピンチオフ部で押し潰し成形される底部の底シール部は、基本的には相溶性の殆ど無い外層部分と内層部分との積層構造となるため、外層部分に容易に底割れが発生するので、デラミ容器においては従来よりこの底部の機械的強度を確保するための研究開発がなされている。
【0005】
特許文献1にはブロー金型のピンチオフ部により偏平に押し潰されて成形される底シール部を、一対のリブ片を重合圧着してパーティングラインに沿った突条状に成形し、この突条状物に、一対のリブ片の一方から他方に食い込む食い込み部を複数設けて構成した技術についての記載がある。
【0006】
この従来技術は、底シール部を高さ幅を有する突条状とすることにより、底シール部における外層と内層との圧着面積を大きくし、また複数の食い込み部を設けることにより、外層と内層との圧着面積をさらに増大させるばかりでなく、圧着面に平行する剪断力に対する抗力を飛躍的に高め、これにより底割れの発生し難い、機械的強度の高い底シール部を得ることを可能としている。
【0007】
一方、特許文献2に記載のある合成樹脂製壜体は、底割れにより底シール部に開設されたスリットを、外層と内層との間への外気の導入口すなわち吸気孔として積極的に利用したものであり、底部の機械的強度の確保のため底部に有底円筒状のベースキャップを外嵌した構成としている。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−216238号公報
【特許文献2】
特開2002−36344号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
使用目的に応じて上記吸気孔を底シール部でなく胴部あるいは口筒部に形成する場合も多く見られ、特にスクイズタイプのデラミ容器として使用する場合にはスクイズの際外層と内層の間にある空気が外部に排出されないように吸気孔に逆止弁を配するようにするが、この際底シール部に底割れが発生するとこの割れ部分から外層と内層の間の空気が漏れてしまい、スクイズ操作がスムーズにできなくなるので底部のシールは必須条件であり、底割れを無くすか、あるいは底割れ状態となっても何らかの方法で底部を外部から密封状態とする必要がある。
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の底割れを無くす従来技術では、底シール部は大きな高さ幅と厚みとを有するので、その体積が大きなものとなり、このため冷却に長時間を要し、容器の生産効率をさらに、きわめて低いものとしてしまうという問題がある。
【0011】
また、特許文献2記載の従来技術においては、たとえば軟質材料製のオーリング等のシールのための部材を使用してベースキャップを密に底部に組み付ける必要があるが、特にスクイズタイプのデラミ容器として使用する場合には、外層をスクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有する外殻を形成する構成とする要があり、外層を比較的薄肉に成形するので、精度の高いシール部の構成が容易には実現できなという問題がある。
【0012】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、確実にかつ容易にさらに低コストに底部を外部から密封する方法を技術的課題とし、もって操作性に優れ、低コストのデラミ容器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決する本発明の内、請求項1記載の発明の手段は、
筒状パリソンからブロー成形され、外層と、この外層に剥離自在に積層され、減容変形自在な内袋を形成する内層とから形成され、有底筒形状の底部の底部底面に、ブロー割り金型のピンチオフ部により偏平に押し潰されて,パーティングラインに沿って形成された底シール部を形成し、外層に外層と内層の間に外気を導入するための吸気孔を形成した容器本体を有すること、
容器本体の底部に下方より有底筒状の底カバー体を外嵌し、さらに容器本体の胴部下端部から、底カバー体の筒状部に亘る範囲を熱収縮性の合成樹脂製の筒状体で密封状に外装すること、
にある。
【0014】
請求項1記載の上記構成により、容器本体の底部に有底筒状の底カバー体を外嵌して、さらに熱収縮性の合成樹脂製の所謂シュリンクフィルム状の筒状体を容器本体の胴部下端部から、底カバー体の筒状部に亘る範囲に外嵌して加熱することにより、筒状体でこの胴部下端部から、底カバー体の筒状部に亘る範囲を密着状に外装することができ、底カバー体と筒状体で容器本体の底部を密封状に外装することができる。
【0015】
ここで、スクイズタイプのデラミ容器を提供する目的で、ブロー成形で容器本体の外層を比較的薄肉に成形して、底カバー体を外嵌した際に多少の隙間が発生した状態であっても、筒状体は外周面の形状に沿って熱収縮するので、底カバー体と相俟って確実にかつ容易にさらに低コストに底部を外部から密封することができる。
【0016】
上記底カバー体と熱収縮した有底筒状体による底部の密封状の外装により、何らかの原因により底シール部の外層と内層が剥離して底割れ状態となっていても、外層と内層の間の空気の排出を止める作用効果が発揮さる。
【0017】
また、底部は底カバー体で外嵌、外装されているので、底シール部の機械的強度の低下を補うことができると共に、底割れ部分に水等が進入することもなく衛生的に使用することができ、また万が一底シール部において内層が破断した場合にも内容物が周辺に飛び散るのを防ぐ。
【0018】
請求項2記載の発明の手段は、請求項1記載の発明において、容器本体の底部に底カバー体をアンダーカット状に外嵌する構成とすること、にある。
【0019】
請求項2記載の上記構成により、底カバー体が容器本体にアンダーカット状に強固に外嵌するので、底部の機械的強度をより高くすることができると共に、底カバー体が容器本体に対して上下に移動することがないので、密封状態を確実に維持確保することができる。
【0020】
請求項3記載の発明の手段は、請求項1または2記載の発明において、容器本体の底部の上端部、胴部との境界近傍に段部を周設して、底カバー体の上端面が当接する構成とすること、にある。
【0021】
請求項3記載の上記構成により、段部の段差を適宜設定することにより、底カバー体の上端部外周面と容器本体の外周面を段差無く重ねることができ、この重なり部分におけるシュリンクフィルム状の筒状体による外装の密着性をより向上させることができ、延いては底部の密封状態をより確実に確保することができる。
【0022】
請求項4記載の発明の手段は、請求項1、2または3記載の発明において、胴部の外周面、下部に筒状体の上部を係止するための上部係止段部を周設する構成とすること、にある。
【0023】
請求項4記載の上記構成により、胴部の下部に周設した上部係止段部に熱収縮した状態の筒状体を密着、係止させることにより、筒状体の上下方向への移動を抑制するので、容器本体の底部の密封状態をより確実に維持確保することができる。
【0024】
請求項5記載の発明の手段は、請求項4記載の発明において、底カバー体の外周面、下部に筒状体の下部を係止するための下係止段部を周設する構成とすること、にある。
【0025】
請求項5記載の上記構成により、底カバー体の外周面、下部に周設した、下部係止段部に熱収縮した状態の筒状体を密着、係止させることにより、筒状体の上下方向への移動を抑制するので、容器本体の底部の密封状態をより確実に維持確保することができる。
【0026】
特に、前述した容器本体に周設された、上部係止段部と底カバー体に周設された下部係止段部の双方に筒状体を係止することにより、筒状体の上下方向の移動を確実に抑制することができると共に、特にアンダーカット部を設けて強固に外嵌させなくとも、容器本体と底カバー体との結合を確保、維持することができる。
【0027】
請求項6記載の発明の手段は、請求項1、2、3、4または5の発明において外層がスクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有する外殻を形成し、吸気孔にこの吸気孔からの空気の排出を止める第2逆止弁を配置する構成とすること、にある。
【0028】
請求項6記載の上記構成の容器により、内容物の逆流および外気の流入を防ぐ、逆止機能を有した逆止弁(以下第1逆止弁と記す。)を配設した開口部を有する注出キャップ体を口筒部に嵌合して、スクイズタイプの注出容器を提供することができる。
【0029】
すなわち、容器本体のスクイズにより、注出キャップ体の開口部から内容物を注出した後、スクイズを止め、押し圧を解除すると、外層が弾性回復力により元の形に復元し始め、注出キャップ体の開口部に配設した第1逆止弁の機能により、内容物の注出が止まり、内部容体への内容物の逆流および外気の流入が止められ、該内部容体は減容変形した状態を保持したままであるので、吸気孔を通して、外層と内層の間に外部空気が導入され、外層が元の形状に復元される。
【0030】
また、外層が元の形に復元した状態で容器本体の胴部をスクイズすると、第2逆止弁の機能が発揮され、外層と内層の間の空気は密封状態となるので、スクイズ操作をスムーズに達成することができる。
【0031】
ここで、たとえ底シール部において外層と内層が剥離した状態となっていても、底カバー体とシュリンクフィルム状の筒状体の密封作用により、スクイズ操作中における底シール部から外部への空気の排出(漏れ)を止めることができ、スムーズなスクイズ操作を達成することができる。
【0032】
請求項7記載の発明の手段は、請求項6の発明において、容器本体の胴部に吸気孔を形成し、この吸気孔を、容器本体を掴持した手の指による密封可能にし、指に第2逆止弁の機能を発揮せしめる構成とすること、にある。
【0033】
請求項7記載の上記構成により、容器本体を掴持した手の指(特には親指の腹部)で胴部に形成された吸気孔を塞ぐことにより、外層と内層の間の空気は密封状態となるので、スクイズ操作をスムーズに達成せせることができ、特に吸気孔に第2逆止弁を配設するための部材、加工等を必要としないので、低コストでスクイズタイプの注出容器を提供することができる。
【0034】
請求項8記載の発明の手段は、請求項6記載の発明において、容器本体の口筒部に吸気孔を形成すること、にある。
【0035】
請求項8記載の上記構成の容器は、前述したように第1逆止弁を配設した開口部を有する注出キャップ体を口筒部に嵌合して、スクイズタイプのデラミ注出容器として提供されるが、注出キャップ体の、口筒部に形成された吸気孔に対向する位置に第2逆止弁を付設することにより、第2逆止弁の機能を確実に発揮させることができると共に、吸気孔を外部から見えない位置に配置することができ、外観の良好な注出容器を提供することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1ないし図5は本発明による合成樹脂製容器の第1実施例を示すもので、容器本体1と底カバー体17と筒状体13から構成され、容器本体1は、低密度ポリエチレン製樹脂からなる外層2と、低密度ポリエチレン製樹脂との相溶性がほとんどないナイロン製樹脂からなる内層3との積層構造であり、2層を積層したパリソンをブロー成形することにより得られたものである。
【0037】
容器本体1の全体形状は円筒状の壜体であり、螺条を刻設した口筒部5、胴部6および底部7から構成され、容器本体1の高さは150mm、胴部6の径は40mmであり、後述する注出キャップ体20を口筒部5に螺合してスクイズタイプの注出容器として用いられるものである。このため外層2はスクイズ変形可能で、復元自在な可撓性を有する外殻を形成する肉厚に、内層3は減容変形自在な内袋を形成するように比較的薄肉に成形されている。
【0038】
胴部6の略中央高さに位置する外層2には外層2と内層3の間(間隙16)に外気を導入するするための吸気孔15が形成されており、また下部には、シュリンクフィルム状の筒状体13の上部を係止する、上部係止段部6aとなる周溝が形成されている。
【0039】
底部7の上端部には後述する底カバー体17の上端面が下方より当接する段部8aが周設されており、またこの段部8aの下方には底カバー体17の内周面の係止周条18aとアンダーカット状の係止部を構成する係止周溝8bが周設されている。
【0040】
また、底面は周縁部に接地部分となる環状接地部9と、中央部に環状接地部9から内方に窪んだ位置に形成された平坦部10を有する形状であり、またブロー割り金型のピンチオフ部により偏平に押し潰されて,パーティングラインPLに沿って形成された底シール部11が形成されている。
【0041】
図5(a)は底シール部11近傍の縦断面図であり、底シール部11の先端部では内層3を両側から一対の外層2でサンドイッチ状に挟み込んだ断面構造となっているが、外層2と内層3は剥離可能に積層しており、何らかの力が加わると図5(b)に示されるように外層2と内層3が剥離して、剥離部11aができてしまう。
【0042】
本第1実施例における底カバー体17は射出成形で得られた、有底円筒状の成形品であり、上部内周面には、容器本体1の係止周溝8bとアンダーカット条に係止部を構成する係止周条18aが周設されており、また外周面には筒状体13の下部を係止するための下部係止段部18bを周設している。
【0043】
筒状体13は合成樹脂製の熱収縮性フィルム、所謂シュリンクフィルムで形成されたものであり(図4参照)、容器本体1の底部7に底カバー体17をアンダーカット状に外嵌した状態で、胴部6の下部に形成された周溝6aから底カバー体17の下端に亘る範囲をこの円筒状の筒状体13を外嵌状に外装後、加熱して熱収縮させて、密着状に外装する。
【0044】
ここで、筒状体13の上端部は胴部6の周溝6aに密着状に係止し、また下部は底カバー体17の下部係止段部18bに沿って密着状態であり、これら上下の係止により筒状体13の特に上下方向の移動は抑制され、底部7の密封状態を確実に維持、確保することができる。
【0045】
なお、本第1実施例においては容器本体1と底カバー体17をアンダーカット状に外嵌しているが、たとえ係止周溝8bと係止周条18aからなるアンダーカット状の係止構造がなくとも、上記のように筒状体13を上下の係止段部6a、18bで係止することにより、容器本体1と底カバー体17の組付きを確保、維持することも可能である。
【0046】
また、底部7の上端部、胴部6との境界近傍に段部8aを周設して、底カバー体17の上端面が当接する構成とすることにより、段部8aの段差を適宜設定することにより、底カバー体17の上端部外周面と容器本体1の外周面を段差無く重ねることができ、この重なり部分におけるシュリンクフィルム状の筒状体13による外装の密着性をより向上させることができ、延いては底部7の密封状態をより確実に確保することができる。(図3参照)
【0047】
なお、一般的に容器本体1の胴部6と底部7の境界の高さ位置は一義的に定義できないが、本願発明の各実施例における説明では図1、3、6および7で図示した位置を境界高さ位置Bとしている。
【0048】
次に、図1はスクイズタイプの注出容器を示すものであり、第1実施例の容器本体1の口筒部5に注出キャップ体20の一例を螺合取り付けした状態を示す半縦断面図である。
【0049】
注出キャップ体20は、中央部に開口部23を設けた頂壁を有し、内周面に容器本体1の口筒部5と螺合するための螺条を刻設した、有頂円筒体のキャップ本体21と、このキャップ本体21の頂壁上面に、開口部23の開口縁部に起立連設した注出筒27とを有し、この注出筒27の先端の注出口22から内容物が外部に注出され、この注出口22をカバーキャップ29で蓋をしている。
【0050】
注出キャップ体20は、螺合により容器本体1の口筒部5に組付けられ、キャップ本体21の頂壁の下面に垂下設したシール筒片28と、内周面下端に付属設したシール部24とが、それぞれ容器本体1の口筒部5の内周面上端と外周面下端に密着して、容器本体1との組付きをシールする。
【0051】
注出キャップ体20は、キャップ本体21の開口部23に、第1逆止弁25を配設、常時は開口部23を閉鎖して、外部の空気の侵入を止める逆止機能と、容器本体1をスクイズして内容物を注出する際には、内層3で形成される内袋の内圧により開き、開口部23を開放する機能とを発揮する。
【0052】
容器を掴持した手の指S(特には親指)の腹で吸気孔15を塞ぎながら容器本体1の胴部6をスクイズすると、外層2と内層3の間(間隙16)にある空気は密封状態となるので内層2内の圧力が上昇して、閉状態にある第1逆止弁25を開き、内容物を注出キャップ体20の先端の注出口22より外部に注出する。
【0053】
ここで、何らかの原因により底シール部11に剥離部11aが発生した状態であっても、底カバー体17と筒状体13により、外部から底部7の密封状態が確保されているので、この部分から空気が漏れることもなくスクイズ操作をスムーズに達成することができる。
【0054】
容器本体1の胴部6に対する押圧を解除し、指Sによる吸気孔15の閉鎖を解除すると、外層2は弾性回復力により、元の形に復元し始め、外層2と内層3の間の空気が減圧され、その結果、内層3内の内圧が外気圧に戻り、第1逆止弁25が閉じ、内容物の注出が止まり、内層体3は減容変形した形状を保持しつつ、吸気孔15を通して、外層2と内層3との間に外部の空気が導入され、外層2は元の形状に復元する。この際、外層2と内層3との剥離が進行して間隙16が大きくなる。
【0055】
図6は本発明の合成樹脂製容器の第2実施例の底部7近傍を拡大して示す、要部拡大半縦断正面図である。容器本体1は第1実施例と略同一で、真空成形法で成形した有底筒状の底カバー体17を用いた例である。
【0056】
図7、図8は本願発明の合成樹脂製容器の第3実施例を示すものであるが、いずれも注出キャップ体20を口筒部5に取り付けた状態で示している。第1実施例と異なる構成は、容器本体1の全高さ範囲に亘り、パーティングラインPL上に一対の外層2と内層3を接着固定した接着帯4を有する構成、吸気孔15を口筒部5のパーティングラインPL上の外層2に軸対称に一対形成した構成、およびこの吸気孔15に係る第2逆止弁26を注出キャップ体20に配設した構成である。
【0057】
容器本体1の全高さ範囲に亘り外層2と内層3を接着固定した接着帯4を一対設けることにより、内層3の減容変形を、高さ方向の縮小を生じることがない一定の形態に規制して内容物の流動通路を確保し、注出操作のよりスムーズなスクイズタイプの注出容器を提供することができるので、使用目的に応じてこの接着帯4を設ける。
【0058】
吸気孔15を口筒部5の外層2に形成した構成では、この吸気孔15に係る第2逆止弁26を注出キャップ体20に一対配設することにより、スクイズタイプの注出容器として使用することができるが、吸気孔15が注出キャップ体20内に隠れるので、外部に露出することなく外観の良好な注出容器とすることができる。
【0059】
なお、第1実施例および第3実施例では吸気孔15をそれぞれ胴部6および口筒部5に形成した例について説明したが、容器本体1の底シール部11の外層2と内層3を剥離してスリット状の吸気孔15として利用することが可能であり、その際には、第2逆止弁は底カバー体17に付設することができる。
【0060】
また、第1、第2および第3実施例ではスクイズタイプのデラミ容器向けの容器の実施例を説明したが、本願発明の容器は、外層を定形を有する外殻を形成する構成とし、ディスペンサーポンプを組み合わせたキャップを取り付けて使用することもできる。この際には第2逆止弁は不要である。
【0061】
【発明の効果】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。請求項1記載の発明にあっては、底カバー体とシュリンクフィルム状の筒状体で容器本体の底部を確実にかつ容易にさらに低コストに外部から密封することができ、スムーズなスクイズ注出性を有したスクイズタイプのデラミ容器を提供することことができる。
【0062】
また、底部は底カバー体で外嵌、外装されているので、デラミ容器の底シール部の機械的強度を確保することができる。
【0063】
請求項2記載の発明にあっては、底カバー体が容器本体にアンダーカット状に強固に外嵌するので、底部の機械的強度をより高くすることができると共に、底カバー体が容器本体に対して上下に移動することがないので、密封状態を確実に維持確保することができる。
【0064】
請求項3記載の発明にあっては、段部の段差を適宜設定することにより、底カバー体の上端部外周面と容器本体の外周面を段差無く重ねることができ、この重なり部分におけるシュリンクフィルム状の筒状体による外装の密着性をより向上させることができ、延いては底部の密封状態をより確実に確保することができる。
【0065】
請求項4記載の発明にあっては、上部係止段部に熱収縮した状態の筒状体を密着、係止させることにより、筒状体の上下方向への移動を抑制するので、容器本体の底部の密封状態をより確実に維持確保することができる。
【0066】
請求項5記載の発明にあっては、下部係止段部に熱収縮した状態の筒状体を密着、係止させることにより、筒状体の上下方向への移動を抑制するので、容器本体の底部の密封状態をより確実に維持確保することができる。また、上下の係止段部に筒状体を係止することにより、特にアンダーカット部を設けて強固に外嵌させなくとも、容器本体と底カバー体との結合を確保、維持することができる。
【0067】
請求項6記載の発明にあっては、外層をスクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有する外殻を形成し、吸気孔に空気の排出を止める第2逆止弁を配置することにより、第1逆止弁を配設した開口部を有する注出キャップ体を口筒部に嵌合して、スムーズなスクイズ性を有する注出容器を提供することができる。
【0068】
請求項7記載の発明にあっては、胴部に吸気孔を形成し、この吸気孔を容器本体を掴持した手の指による密封可能とすることにより、指に第2逆止弁の機能を発揮せしめることができ、特に吸気孔に逆止弁を配設するための部材、加工等を必要としないので、低コストでスクイズタイプの注出容器を提供することができる。
【0069】
請求項8記載の発明にあっては、吸気孔を外部から見えない位置に配置することができ、外観の良好なスクイズタイプの注出容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成樹脂製容器の第1実施例に注出キャップ体を取り付けて示す、半縦断正面図。
【図2】図1の容器本体を示す、底面図。
【図3】図1の容器の底部近傍を拡大して示す、要部拡大縦断正面図。
【図4】図1の容器に使用する筒状体の一例を示す、斜視図。
【図5】図1の容器本体の底シール部近傍を要部拡大縦断正面図で示す、説明図。
【図6】本発明の合成樹脂製容器の第2実施例の底部近傍を拡大して示す、要部拡大半縦断正面図。
【図7】本発明の合成樹脂製容器の第3実施例に注出キャップ体を取り付けて示す、半縦断正面図。
【図8】図7の上部を拡大して示す、要部拡大半縦断面図
【符号の説明】
1 ; 容器本体
2 : 外層
3 ; 内層
4 ; 接着帯
5 ; 口筒部
6 ; 胴部
6a; 上部係止段部
7 ; 底部
8a; 段部
8b; 係止周溝
9 ; 環状接地部
10; 平坦部
11; 底シール部
11a;剥離部
13; 筒状体
15; 通気孔
16; 間隙
17; 底カバー体
18a;係止周条
18b;下部係止段部
20; 注出キャップ体
21; キャップ本体
22; 注出口
23; 開口部
24; シール部
25; 第1逆止弁
26; 第2逆止弁
27; 注出筒
28; シール筒片
29; カバーキャップ
PL; パーティングライン
S ; 指
B ; 境界高さ位置
Claims (8)
- 筒状パリソンからブロー成形され、外層(2)と、該外層(2)に剥離自在に積層され、減容変形自在な内袋を形成する内層(3)とから形成され、有底筒形状の底部(7) の底部底面に、ブロー割り金型のピンチオフ部により偏平に押し潰されて,パーティングライン(PL)に沿って形成された底シール部(11)を形成し、前記外層(2)に該外層(2)と内層(3)の間に外気を導入するための吸気孔(15)を形成した容器本体(1)を有し、前記容器本体(1)の底部(7)に下方より有底筒状の底カバー体(17)を外嵌し、さらに前記容器本体(1)の胴部(6)下端部から、前記底カバー体(17)の筒状部に亘る範囲を熱収縮性の合成樹脂製の筒状体(13)で密封状に外装したことを特徴とする合成樹脂製容器。
- 容器本体(1)の底部(7)に底カバー体(17)をアンダーカット状に外嵌する構成とした、請求項1記載の合成樹脂製容器。
- 容器本体(1)の底部(7)の上端部、胴部との境界近傍に段部(8a)を周設して、底カバー体(17)の上端面が当接する構成とした、請求項1または2記載の合成樹脂製容器。
- 胴部(6)の外周面、下部に筒状体(13)の上部を係止するための上部係止段部(6a)を周設する構成とした、請求項1、2または3記載の合成樹脂製容器。
- 底カバー体(17)の外周面、下部に筒状体(13)の下部を係止するための下部係止段部(18b)を周設する構成とした、請求項1、2、3または4記載の合成樹脂製容器。
- 外層(2)がスクイズ変形可能で復元自在な可撓性を有する外殻を形成し、吸気孔(15)に該吸気孔(15)からの空気の排出を止める第2逆止弁(26)を配置する構成とした、請求項1、2、3、4または5記載の合成樹脂製容器。
- 容器本体(1)の胴部(6)に吸気孔(15)を形成し、該吸気孔(15)を、前記容器本体(1)を掴持した手の指(S)による密封可能にし、該指(S)に第2逆止弁(26)の機能を発揮せしめる構成とした、請求項6記載の合成樹脂製容器。
- 容器本体(1)の口筒部(5)に吸気孔(15)を形成した、請求項6記載の合成樹脂製容器。
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