JP3978828B2 - 織機における開口制御方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、織機における開口制御方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
1枚の綜絖枠と1つの専用の駆動モータとを1対1で連結し、複数枚の綜絖枠を専用モータで別々に駆動する開口装置では開口パターンの自由設定という利点がある。特開平9−170134号公報の開示技術では、予め設定された開口運動の構成要素を選択し、この選択した構成要素からなる開口曲線に基づいて前記駆動モータの作動を制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
最上位位置及び最下位位置の一方から他方へ綜絖枠を移動する過程は、織機の1回転の期間内で完結するようにしてある。前記駆動モータの作動は織機の回転に同期しており、織機の回転速度が上がれば駆動モータの回転速度変化も大きくなる。駆動モータの回転速度変化が大きくなるにつれて駆動モータにおける負荷が増大する。駆動モータにおける負荷の増大は消費動力の増大に繋がる。しかし、織機の1回転の期間内で最上位位置及び最下位位置の一方から他方へ綜絖枠を移動させるという移動制限がある限り、織機の回転速度を下げなければ前記負荷を低減することはできない。
【0004】
本発明は、織機の回転速度を落とすことなく前記駆動モータにおける負荷を低減して消費動力を低減することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そのために請求項1の発明では、綜絖枠がクロス位置よりも最上位位置及び最下位位置の一方の側で少なくとも織機2回転にわたって連続して位置した後に他方の側へ移動する第1の移動状態、あるいは綜絖枠がクロス位置よりも最上位位置及び最下位位置の一方の側から他方の側へ移動して前記他方の側で少なくとも織機2回転にわたって連続して位置する第2の移動状態の際には、前記綜絖枠が最上位位置及び最下位位置の一方から他方へ移動するための移動パターンの期間を織機1回転の期間よりも長くし、前記第1の移動状態又は第2の移動状態において最上位位置及び最下位位置の一方から他方へ綜絖枠を移動する際には前記移動パターンに基づいて前記開口駆動モータの作動を制御するようにした。
【0006】
前記第1の移動状態又は第2の移動状態において綜絖枠が最上位位置及び最下位位置の一方から他方へ移動するのに要する期間は、織機1回転の期間よりも長い。織機1回転の期間よりも長い期間で綜絖枠を移動する際の開口駆動モータにおける回転速度変化は、織機1回転の期間で綜絖枠を移動する際の開口駆動モータにおける回転速度変化よりも小さくなる。従って、織機の回転速度を落とすことなく開口駆動モータにおける負荷を低減して消費動力を低減することができる。
【0007】
請求項2の発明では、織機1回転の期間における移動パターン要素を2つ組み合わせたものの少なくとも一部を前記移動パターンとした。
このような組み合わせにより得られる移動パターンにおける移動期間は、織機1回転の期間よりも長い。
【0008】
請求項3の発明では、複数の移動パターン要素を設定する移動パターン要素設定手段と、織機1回転の期間よりも長い移動パターンを作るための複数の移動パターン要素を設定する移動パターン要素設定手段と、予め設定された開口パターンに基づき、前記設定された複数の移動パターン要素を組み合わせて最上位位置及び最下位位置の一方から他方へ綜絖枠を移動するように前記開口駆動モータの作動を制御する制御手段とを備えた開口制御装置を構成した。
【0009】
制御手段は、最上位位置及び最下位位置の一方から他方へ綜絖枠を移動するための移動パターンを前記設定された複数の移動パターン要素を組み合わせて作る。
【0010】
請求項4の発明では、前記移動パターン要素設定手段は、最上位位置及び最下位位置の一方を起点とする第1の移動パターン要素と、最上位位置及び最下位位置の他方を起点とする第2の移動パターン要素と、最上位位置及び最下位位置の前記一方を終点とする第3の移動パターン要素と、最上位位置及び最下位位置の前記他方を終点とする第4の移動パターン要素と、最上位位置及び最下位位置の前記一方を中間経由点とする第5の移動パターン要素と、最上位位置及び最下位位置の前記他方を中間経由点とする第6の移動パターン要素とを設定するようにした。
【0011】
第1の移動パターン要素と第4の移動パターン要素との組み合わせにより得られる移動パターンは、最上位位置及び最下位位置の前記一方から前記他方へ綜絖枠を移動させる。第1の移動パターン要素と第6の移動パターン要素との組み合わせにより得られる移動パターンは、最上位位置及び最下位位置の前記一方から前記他方へ綜絖枠を移動させる。第2の移動パターン要素と第3の移動パターン要素との組み合わせにより得られる移動パターンは、最上位位置及び最下位位置の前記他方から前記一方へ綜絖枠を移動させる。第2の移動パターン要素と第5の移動パターン要素との組み合わせにより得られる移動パターンは、最上位位置及び最下位位置の前記他方から前記一方へ綜絖枠を移動させる。
【0012】
請求項5の発明では、前記移動パターン要素設定手段は、前記第1の移動パターン要素を第1の基本移動パターン要素として設定すると共に、前記第5の移動パターン要素を第2の基本移動パターン要素として設定し、前記制御手段は、前記第2の移動パターン要素、前記第3の移動パターン要素、前記第4の移動パターン要素を前記第1の基本移動パターン要素から対称的に生成すると共に、前記第6の移動パターン要素を前記第5の基本移動パターン要素から対称的に生成するようにした。
【0013】
少ない基本移動パターン要素から他の移動パターン要素を対称的に生成する構成は、移動パターン要素の設定作業を容易にする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した第1の実施の形態を図1〜図4基づいて説明する。図1に示すように、綜絖枠11の下方にはスイングレバー12,13が回動可能に支持されている。スイングレバー12の揺動は伝達ロッド14を介してスイングレバー13に伝達され、両スイングレバー12,13が同期揺動する。スイングレバー12,13にはリンク15,16が連結されており、リンク15,16の上端には綜絖枠11が連結されている。スイングレバー12,13の揺動はリンク15,16を介して綜絖枠11の上下動に変換される。
【0015】
スイングレバー12の側方には支軸17が配設されており、支軸17には被動ギヤ18が回動可能に支持されている。被動ギヤ18の側面には偏心軸181が一体形成されており、偏心軸181には連結輪19が嵌合連結されている。被動ギヤ18の回動は偏心軸181と連結輪19との嵌合連結を介して連結輪19の往復運動に変換され、連結輪19の往復運動がスイングレバー12に伝達される。
【0016】
被動ギヤ18の側方には開口駆動モータ20が配設されており、開口駆動モータ20の駆動ギヤ201が被動ギヤ18に噛合されている。開口駆動モータ20はサーボモータ型の変速駆動モータである。開口駆動モータ20の回転は、偏心軸181及び連結輪19からなる運動変換手段を介して連結輪19の往復運動に変換される。開口駆動モータ20は開口制御装置C1の制御を受ける。
【0017】
織機を回転する織機駆動モータMoは織機制御コンピュータCoの制御を受ける。織機制御コンピュータCoには開口パターン記憶装置21が信号接続されている。開口パターン記憶装置21には開口パターン情報が入力装置22によって入力されている。開口パターン記憶装置21は開口パターン情報を織機制御コンピュータCoに送る。織機制御コンピュータCoは、開口パターン記憶装置21から得た開口パターン情報を開口制御装置C1に送信する。開口制御装置C1は織機制御コンピュータCoから得られた開口パターン情報に基づいて開口駆動モータ20の作動を制御する。
【0018】
開口制御装置C1は、カムパターン要素記憶部23と選択回路24と制御回路25と駆動回路26とからなる。カムパターン要素記憶部23は、図3(a),図3(b)に直線D1,D2で示す静止パターン要素D1,D2、及び図3(c)〜図3(h)に曲線E1,E2,F1,F2,G1,G2で示す移動パターン要素E1,E2,F1,F2,G1,G2を記憶する。図3(a)〜図3(h)のグラフにおける横軸θは織機回転角度を表し、縦軸Hは綜絖枠11の高さ位置を表す。高さ位置H1は最上位位置を表し、高さ位置H2は最下位位置を表す。高さ位置Hoは、経糸を閉口位置に配置する綜絖枠11の高さ位置、即ちクロス位置を表す。カムパターン要素である静止パターン要素D1,D2及び移動パターン要素E1,E2,F1,F2,G1,G2は、いずれも織機回転角度θ=θoから次の織機回転角度θ=θoまでの織機1回転の期間にわたる。
【0019】
選択回路24は、織機回転角度検出用のロータリエンコーダ27から織機回転角度情報を得ている。選択回路24は、織機回転角度θ=θ1毎に織機制御コンピュータCoから次回の開口パターン情報を得る。選択回路24は、織機制御コンピュータCoから得られる開口パターン情報に基づいてカムパターン要素記憶部23から開口パターンに対応するカムパターン要素を読み出して制御回路25に出力する。
【0020】
図4は、開口パターン記憶装置21に記憶された開口パターンの一部を表す。指標E1は、図3(c)の最上位位置H1を起点とする第1の移動パターン要素E1を表し、指標E2は、図3(d)の最下位位置H2を起点とする第2の移動パターン要素E2を表す。指標F1は、図3(e)の最上位位置H1を終点とする第3の移動パターン要素F1を表し、指標F2は、図3(f)の最下位位置H2を終点とする第4の移動パターン要素F2を表す。指標G1は、図3(g)の最上位位置H1を中間経由点とする第5の移動パターン要素G1を表し、指標G2は、図3(h)の最下位位置H2を中間経由点とする第6の移動パターン要素G2を表す。指標D1は、図3(a)の最上位位置H1における静止パターン要素D1を表し、指標D2は、図3(b)の最下位位置H2における静止パターン要素D2を表す。
【0021】
制御回路25は、織機回転角度検出用のロータリエンコーダ27から織機回転角度情報を得ている。制御回路25は、選択回路24から得られるカムパターン要素及び織機回転角度情報に基づいて制御指令を駆動回路26に出力する。駆動回路26は、制御回路25から得られる制御指令及び開口駆動モータ20に組み込まれたロータリエンコーダ202から得られる回転角度情報に基づいて開口駆動モータ20の作動をフィードバック制御する。
【0022】
図2の曲線Pは、開口パターンに対応した綜絖枠11の運動曲線を表す。図2のグラフにおける横軸θは織機回転角度を表し、縦軸Hは綜絖枠11の高さ位置を表す。高さ位置H1は最上位位置を表し、高さ位置H2は最下位位置を表す。高さ位置Hoは、経糸を閉口位置に配置する綜絖枠11の高さ位置、即ちクロス位置を表す。織機回転角度θ=0°は筬打ちタイミングを表し、織機回転角度θ=θoは綜絖枠11がクロス位置に移動する場合においてクロス位置に到達するときのタイミングを表す。開口制御装置C1は、開口パターン情報及びカムパターン要素D1,D2,E1,E2,F1,F2,G1,G2に基づいて図2の曲線Pをもたらすように開口駆動モータ20の作動を制御する。
【0023】
第1の実施の形態では以下の効果が得られる。
(1-1)図2の曲線Pのうちの例えば移動部分P1は、綜絖枠11がクロス位置Hoよりも最上位位置H1の側で織機2回転にわたって連続して位置した後に最下位位置H2の側へ移動する移動状態を表す。図2の曲線Pのうちの例えば移動部分P2は、綜絖枠11がクロス位置Hoよりも最下位位置H2の側で織機2回転にわたって連続して位置した後に最上位位置H1の側へ移動する移動状態を表す。このような移動状態の際には、綜絖枠11が最上位位置H1及び最下位位置H2の一方から他方へ移動するための移動パターンの移動期間が織機1回転の期間(織機回転角度で360°)よりも長くなっている。移動部分P1での移動期間、即ち最上点Bから最下点Cまで移動するのに要する織機回転角度は540°であり、移動部分P2での移動期間、即ち最下点Aから最上点Bまで移動するのに要する織機回転角度は720°である。織機1回転の期間よりも長い移動期間で綜絖枠11を移動する際の開口駆動モータ20における回転速度変化は、織機1回転の期間で綜絖枠11を移動する際の開口駆動モータ20における回転速度変化よりも小さくなる。従って、織機の回転速度を落とすことなく開口駆動モータ20における負荷を低減して消費動力を低減することができる。
(1-2)図2の曲線Pのうちの例えば移動部分P3は、織機1回転の期間における移動パターン要素E1,G2の2つを組み合わせたものの一部である。このような組み合わせにより得られる移動パターンにおける移動期間は、織機1回転の期間よりも長い。従って、織機の回転速度を落とすことなく開口駆動モータ20における負荷を低減して消費動力を低減することができる。
(1-3)選択回路24及び制御回路25から構成される制御手段は、移動パターン要素設定手段となるカムパターン要素記憶部23において記憶された複数の移動パターン要素を組み合わせて最上位位置及び最下位位置の一方から他方へ綜絖枠11を移動する移動パターンを作る。複数の移動パターン要素を組み合わせて移動パターンを作ることにより任意の開口パターンを得ることができる。
(1-4)クロス位置Hoを境にして移動パターン要素E1,E2,F1,F2,G1,G2を設定するやり方は、移動パターン要素の数を少なくすることに寄与する。
【0024】
次に、図5〜図7の第2の実施の形態を説明する。装置構成は第1の実施の形態と同じである。
この実施の形態では、カムパターン要素記憶部23は、図7(a),図7(b)に直線D3,D4で示す静止パターン要素D3,D4、及び図7(c)〜図7(p)に曲線E3,E4,F3,F4,G3,G4,J3,J4,K3,K4,L3,L4,M3,M4で示す移動パターン要素E3,E4,F3,F4,G3,G4,J3,J4,K3,K4,L3,L4,M3,M4を記憶する。カムパターン要素である静止パターン要素D3,D4及び移動パターン要素E3,E4,F3,F4,G3,G4,J3,J4,K3,K4,L3,L4,M3,M4は、いずれも織機回転角度θ=θeから次の織機回転角度θ=θeまでの織機1回転の期間にわたる。
【0025】
図6は、開口パターン記憶装置21に記憶された開口パターンの一部を表す。指標D4は、図7(b)の最下位位置H2における静止パターン要素D4を表し、指標F4は、図7(f)の移動パターン要素F4を表す。指標K3は、図7(k)の移動パターン要素K3表し、指標E3は、図7(c)の移動パターン要素E3を表す。指標M4は、図7(p)の移動パターン要素M4を表し、指標J3は、図7(i)の移動パターン要素J3を表す。指標D3は、図7(a)の最上位位置H1における静止パターン要素D3を表し、指標F3は、図7(e)の移動パターン要素F3を表す。指標K4は、図7(l)の移動パターン要素K4を表し、指標E4は、図7(d)の移動パターン要素E4を表す。指標M3は、図7(o)の移動パターン要素M3を表し、指標J4は、図7(j)の移動パターン要素J3を表す。
【0026】
図5の曲線Qは、開口パターンに対応した綜絖枠11の運動曲線を表す。選択回路24は、筬打ちタイミングを表す織機回転角度θ=0°でカムパターン要素記憶部23から次回のカムパターン要素を読み出す。開口制御装置C1は、開口パターン情報及びカムパターン要素D3,D4,E3,E4,F3,F4,G3,G4,J3,J4,K3,K4,L3,L4,M3,M4に基づいて図5の曲線Qをもたらすように開口駆動モータ20の作動を制御する。
【0027】
この実施の形態では、曲線Qのうちの例えば移動部分Q1は、織機1回転の期間における3つの移動パターン要素F4,K3,E3を組み合わせたものの一部である。又、曲線Qのうちの例えば移動部分Q2は、織機1回転の期間における2つの移動パターン要素E3,M4を組み合わせたものの一部である。このような組み合わせによって得られる移動パターンにおける移動期間は、織機1回転の期間よりも長い。従って、織機の回転速度を落とすことなく開口駆動モータ20における負荷を低減して消費動力を低減することができる。
【0028】
次に、図8の第3の実施の形態を説明する。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が付してある。
この実施の形態の開口制御装置C2におけるカムパターン要素記憶部23は、図3(a)に示す静止パターン要素D1を基本静止パターン要素として記憶すると共に、図3(c),(g)に示す移動パターン要素E1,G1を基本移動パターン要素として記憶する。開口パターンが基本静止パターン要素D1あるいは基本移動パターン要素E1,G1に対応する場合には、開口制御装置C2における選択生成回路28は、基本静止パターン要素D1あるいは基本移動パターン要素E1,G1を制御回路25に出力する。開口パターンが図3(b)の静止パターン要素D2あるいは図3(d),(e),(f),(g),(h)の移動パターン要素E2,F1,F2,G2に対応する場合には、開口制御装置C2における選択生成回路28は、基本静止パターン要素D1あるいは基本移動パターン要素E1,G1から静止パターン要素D2あるいは移動パターン要素E2,F1,F2,G2を生成して制御回路25に出力する。静止パターン要素D2は図3の横軸θに関して基本静止パターン要素D1と反転対称である。移動パターン要素E2は図3の横軸θに関して基本移動パターン要素E1と反転対称であり、移動パターン要素F1は縦軸Hに関して基本移動パターン要素E1と反転対称である。移動パターン要素F2は軸θに関して移動パターン要素F1と反転対称である。移動パターン要素G2は軸θに関して基本移動パターン要素G1と反転対称である。
【0029】
即ち、選択生成回路28及び制御回路25からなる制御手段は、基本静止パターン要素D1及び基本移動パターンE1,G1から静止パターン要素D2及び移動パターン要素E2,F1,F2,G2を対称的に生成する。少ない基本移動パターン要素E1,G1から他の移動パターン要素E2,F1,F2,G2を対称的に生成する構成は、移動パターン要素の設定作業を容易にする。
【0030】
本発明では以下の実施の形態も可能である。
(1)図3の静止パターン要素D1及び移動パターン要素E1,F1,G1から他の静止パターン要素D2及び移動パターン要素E2,F2,G2を対称的に生成すること。
(2)図6の静止パターン要素D3及び移動パターン要素E3,F3,G3,J3,K3,L3,M3から他の静止パターン要素D4及び移動パターン要素E4,F4,G4,J4,K4,L4,M4を対称的に生成すること。
(3)織機制御コンピュータCoから開口制御装置C1へ開口パターン情報を織機1回転毎に送信するのではなく、所定数の移動パターン要素の組み合わせからなる移動パターンを適宜時期に一括して送信するようにしてもよい。
(4)第1の実施の形態において、綜絖枠11の移動はθoから開始されているが、移動期間が織機回転角度360°よりも大きい状態を保った上で、θoよりも所定角度遅らせた時期に移動を開始するように移動パターン要素を設定してもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、綜絖枠が最上位位置及び最下位位置の一方から他方へ移動するための移動パターンの期間を織機1回転の期間よりも長くしたので、織機の回転速度を落とすことなく開口駆動モータにおける負荷を低減して消費動力を低減し得るという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示し、制御ブロック図を組み込んだ正面図。
【図2】綜絖枠の運動曲線を示すグラフ。
【図3】(a)〜(h)はカムパターン要素を示すグラフ。
【図4】開口パターンを示すダイヤフラム。
【図5】第2の実施の形態における綜絖枠の運動曲線を示すグラフ。
【図6】開口パターンを示すダイヤフラム。
【図7】(a)〜(p)はカムパターン要素を示すグラフ。
【図8】第3の実施の形態を示し、制御ブロック図を組み込んだ正面図。
【符号の説明】
11…綜絖枠、20…開口駆動モータ、21…開口パターン記憶装置、23…移動パターン要素設定手段となるカムパターン要素記憶部、24…制御手段を構成する選択回路、25…制御手段を構成する制御回路、28…制御手段を構成する選択生成回路。
Claims (5)
- 織機駆動モータから独立した開口駆動モータによって綜絖枠を駆動する開口装置を備えた織機において、
綜絖枠がクロス位置よりも最上位位置及び最下位位置の一方の側で少なくとも織機2回転にわたって連続して位置した後に他方の側へ移動する第1の移動状態、あるいは綜絖枠がクロス位置よりも最上位位置及び最下位位置の一方の側から他方の側へ移動して前記他方の側で少なくとも織機2回転にわたって連続して位置する第2の移動状態の際には、前記綜絖枠が最上位位置及び最下位位置の一方から他方へ移動するための移動パターンの期間を織機1回転の期間よりも長くし、前記第1の移動状態又は第2の移動状態において最上位位置及び最下位位置の一方から他方へ綜絖枠を移動する際には前記移動パターンに基づいて前記開口駆動モータの作動を制御する織機における開口制御方法。 - 前記移動パターンは、織機1回転の期間における移動パターン要素を少なくとも2つ組み合わせたものの一部である請求項1に記載の織機における開口制御方法。
- 織機駆動モータから独立した開口駆動モータによって綜絖枠を駆動する開口装置を備えた織機において、
織機1回転の期間よりも長い移動パターンを作るための複数の移動パターン要素を設定する移動パターン要素設定手段と、
予め設定された開口パターンに基づき、前記設定された複数の移動パターン要素を組み合わせて最上位位置及び最下位位置の一方から他方へ綜絖枠を移動するように前記開口駆動モータの作動を制御する制御手段とを備えた織機における開口制御装置。 - 前記移動パターン要素設定手段は、最上位位置及び最下位位置の一方を起点とする第1の移動パターン要素と、最上位位置及び最下位位置の他方を起点とする第2の移動パターン要素と、最上位位置及び最下位位置の前記一方を終点とする第3の移動パターン要素と、最上位位置及び最下位位置の前記他方を終点とする第4の移動パターン要素と、最上位位置及び最下位位置の前記一方を中間経由点とする第5の移動パターン要素と、最上位位置及び最下位位置の前記他方を中間経由点とする第6の移動パターン要素とを設定する請求項3に記載の織機における開口制御装置。
- 前記移動パターン要素設定手段は、前記第1の移動パターン要素を第1の基本移動パターン要素として設定すると共に、前記第5の移動パターン要素を第2の基本移動パターン要素として設定し、前記制御手段は、前記第2の移動パターン要素、前記第3の移動パターン要素、前記第4の移動パターン要素を前記第1の基本移動パターン要素から対称的に生成すると共に、前記第6の移動パターン要素を前記第5の基本移動パターン要素から対称的に生成する請求項4に記載の織機における開口制御装置。
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- 1997-10-16 JP JP28401297A patent/JP3978828B2/ja not_active Expired - Lifetime
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