JP3978025B2 - 超臨界流体洗浄装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
【0002】
本願発明は、超臨界流体洗浄装置に関するものである。
【従来の技術】
【0003】
例えばICチップ等の微細構造物は、フッ酸等を使用したウェットエッチング後に水洗いしてフッ酸を除去する工程がある。
【0004】
そして、この水洗い後に、さらにアルコール等の液体溶媒を使って水分と置換し、その後、該水分と置換された溶媒を除去排出するのに超臨界流体洗浄装置が使用される。
【0005】
このような超臨界流体洗浄装置は、例えば電気ヒータ等の温度調整機能をもった所定の洗浄処理チャンバーを備え、該洗浄処理チャンバーの洗浄処理空間内に上記微細構造物を入れた後に、外部の液化状態で二酸化炭素を収納した二酸化炭素ボンベ等洗浄流体ボンベから、加圧ポンプ等の加圧手段を介して同洗浄流体を供給し、その温度および圧力を各々所定の値に調整することによって超臨界状態を実現する。
【0006】
そして、同超臨界状態において上記微細構造物に付着している液体溶媒を上記洗浄流体で置換し、その後、同洗浄流体を外部に排出することを複数回繰り返すことにより、溶媒を除去して確実に乾燥させる。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように、上記従来の超臨界流体洗浄装置では、洗浄処理チャンバー内の空気を一旦超臨界状態前の洗浄流体で置換した後に、洗浄処理チャンバー内の圧力と温度を所定の値に上げて超臨界状態を実現し、今度は溶媒等不要物を当該超臨界状態の洗浄流体で置換することによって、被洗浄物の洗浄を行うようになっている。
【0008】
したがって、洗浄処理チャンバー内を超臨界状態にするまでに相当に時間がかかり、結局洗浄処理工程のサイクルタイムを長くする問題がある。また、洗浄処理に際して、予じめ液体の状態でチャンバー内の空気を抜くようにしているので、空気が残りやすく、その後形成される超臨界状態が不安定になる問題もあった。
【0009】
さらに、被洗浄物として、例えば微少圧力の測定などに使用されるマイクロレベル又はナノレベルの太さのセンサーワイヤーを設けたシリコン基板等の所謂マイクロマシンの洗浄を行う場合、上記洗浄処理チャンバー内に液相状態の洗浄流体が入ると、その粘性でシリコン基板等が躍動し、損傷を招く恐れがある。
【0010】
本願発明は、洗浄流体を予じめ気体ないし超臨界流体の状態にして洗浄処理チャンバー内に供給するようにすることにより、確実な空気の排出を可能にするとともに、それに先立って液体溶媒を併用しており、以後の超臨界状態における洗浄流体の密度を該液体溶媒の密度と略等しくして液体溶媒を混合置換させることにより、密度差によって生じる界面の作用による微細構造物の破壊損傷等を防ぐことができるようにした超臨界流体洗浄装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明は、上記の目的を達成するために、次のような課題解決手段を備えて構成されている。
【0012】
(1) 請求項1の発明
この発明の超臨界流体洗浄装置は、被洗浄物が納入される洗浄処理チャンバーと、該洗浄処理チャンバーの上流側にあって、流体加圧手段を介して被洗浄物を洗浄する洗浄流体を供給する洗浄流体供給手段と、上記洗浄処理チャンバーの下流側にあって、流体圧力調整手段を介して流体圧力を調整しながら不要物を排出する流体排出手段と、上記洗浄処理チャンバー内に上記洗浄流体との親和性が高く、かつ液体密度が上記洗浄流体の調節可能な密度範囲に対応した液体溶媒を供給する溶媒供給手段とを備え、上記洗浄処理チャンバー内において被洗浄物を上記溶媒供給手段により供給された液体溶媒中に浸漬した後、上記洗浄流体供給手段より供給される超臨界状態の洗浄流体によって洗浄処理を行うようにしてなる超臨界流体洗浄装置であって、上記洗浄流体供給手段の上記加圧手段と上記洗浄処理チャンバーとの間の流体供給系路に、上記洗浄処理チャンバー内に供給される洗浄流体の温度を調節する流体温度調整手段を設け、上記流体圧力調整手段と該流体温度調整手段によって上記洗浄処理チャンバー内に供給される洗浄流体の圧力および温度を調整することにより同洗浄流体を予じめ気体ないし超臨界状態にするとともに、その密度を上記洗浄処理チャンバー内の液体溶媒の密度と略等しくした上で上記洗浄処理チャンバー内に供給し、上記洗浄処理チャンバー内の液体溶媒を当該気体ないし超臨界状態の洗浄流体に置換することによって上記被洗浄物の洗浄を行うようにしたことを特徴としている。
【0013】
したがって、この発明の構成の場合、上記洗浄処理チャンバー内に供給される洗浄流体は、上記圧力調整手段による圧力の調整および流体温度調整手段による温度の調整により、最初から気体ないし超臨界状態にして導入されるので、速かに洗浄処理チャンバー内を超臨界状態にすることができ、かつ同気体ないし超臨界状態の洗浄流体によって確実に空気が排出される。
【0014】
その結果、液相状態の洗浄流体の作用による被洗浄物損傷の問題も解消され、また洗浄乾燥効果も向上する。
【0015】
さらに、この発明では、それに先立って上記洗浄処理チャンバー内には溶媒供給手段によって液体溶媒が供給されるようになっており、しかも、同供給される液体溶媒は上記洗浄流体との親和性が高く、かつ液体密度が上記洗浄流体の調節可能な密度範囲に対応したものが採用されていて、以後の超臨界状態における洗浄流体の密度を液体溶媒の密度と略等しくして液体溶媒を混合置換させることにより、密度差によって生じる界面の作用による微細構造物の破壊損傷等を防ぐことができるようになっている。
【0016】
その結果、上記洗浄流体は、この液体溶媒と効率良く混合置換されて、より確実に排出されるようになり、上述の作用が、より有効に発揮されるようになる。
【0017】
(2) 請求項2の発明
この発明の超臨界流体洗浄装置は、上記請求項1の発明の構成において、上記洗浄処理チャンバーの下部側からも上記洗浄流体排出手段下流側への流体排出流路を設けたことを特徴としている。
【0018】
一般に液体溶媒は、上記洗浄処理チャンバーの底部に供給されて貯留される。従って、洗浄が進行した後も、同洗浄処理チャンバー内の底部に所定量留っている。
【0019】
したがって、該構成では、当該洗浄処理チャンバー内底部の溶媒が、特に効果的に排出置換されるようになり、排出置換効率が向上する。
【発明の効果】
【0020】
以上の結果、本願発明の超臨界流体洗浄装置によると、次のような効果を得ることができる。
【0021】
(1) 確実な空気の排出が可能となり、安定した超臨界状態を実現することができる。
【0022】
(2) 洗浄処理工程のサイクルタイムが短縮される。
【0023】
(3) 損傷を招きやすいマイクロマシン等微細構造物の洗浄乾燥処理に適したものとなる。
【発明の実施の形態】
【0024】
(実施の形態1)
図1は、例えば洗浄流体として二酸化炭素(CO2)を採用し、アルコール等所定の液体溶媒と併用して洗浄を行うようにした本願発明の実施の形態1に係る超臨界流体洗浄装置の構成を示している。
【0025】
この実施の形態の超臨界流体洗浄装置は、所定の洗浄処理チャンバー内で、洗浄流体である二酸化炭素(CO2)が全く液相状態を経ることなく、気体→超臨界流体→気体の相変化を伴って所定の被洗浄物の洗浄を行うことができるようにしたことを特徴とするものである。
【0026】
先にも述べたように、従来の構成では、洗浄処理チャンバー内を超臨界状態にするまでに相当に時間がかかり、結局洗浄処理工程のサイクルタイムを長くする問題があった。また、液体の状態で空気を抜くので、空気が残りやすく、形成される超臨界状態が不安定になる問題もあった。
【0027】
さらに、例えば微少圧力の測定などに使用されるマイクロレベルないしナノレベルの太さのセンサーワイヤーを設けたシリコン基板等の所謂マイクロマシンの洗浄を行う場合、上記洗浄処理チャンバー内に液相状態の洗浄流体が入ると、その粘性でシリコン基板等が躍動し、確実な洗浄を行えなくなるとともに、損傷を招く恐れがあった。
【0028】
したがって、このような問題を解決するためには、上記洗浄流体が液相を呈する状態を避けることが必要となる。
【0029】
そこで、この実施の形態の超臨界流体洗浄装置では、そのために上記洗浄処理チャンバーへの洗浄流体供給系路に、供給される洗浄流体の温度を調節する流体温度調整手段を設け、圧力調整手段の圧力調整作用と組合わせて洗浄流体を予じめ気体又は超臨界流体の状態にして洗浄処理チャンバー内に供給することにより、上記洗浄処理チャンバー内において洗浄流体が液相状態を経ることなく、気体→超臨界流体→気体の相変化を伴って、迅速かつ確実に被洗浄物の洗浄を行うことができるようにしている。
【0030】
先ず図中、符号14は洗浄処理チャンバーであり、該洗浄処理チャンバー14は、上部が開口した有底筒状の耐圧性のある内容器14aと、該内容器14aの外周をカバーするとともに加熱保温用の電気ヒータ14cを備えた同形状の外カバー14bとからなり、これら内容器14aと外カバー14bとを一体化してチャンバー本体が形成されている。そして、該チャンバー本体の上部側開口部にはチャンバー内の洗浄処理空間16シール用の蓋15が着脱可能に設けられている。
【0031】
そして、該洗浄処理チャンバー14の内容器14a内洗浄処理空間16に、例えば上述したナノレベルの太さのセンサーワイヤーを設置したシリコン基板等の被洗浄物(マイクロマシン)4が、図示のように納入されて、蓋15が閉められる。
【0032】
一方、符号1は洗浄流体としての液化された二酸化炭素(CO2)を所望の量保存している二酸化炭素ボンベ、10は同二酸化炭素ボンベ1からの二酸化炭素(CO2)の供給状態を開閉する流体開閉バルブ、2は同流体開閉バルブ10の開状態において供給される二酸化炭素(CO2)流体を所定の圧力に加圧する加圧ポンプ(加圧手段)、3は同加圧ポンプ2によって加圧された二酸化炭素(CO2)流体の温度を液相状態から気相状態となるに十分な所定の温度に加熱調節する電気ヒータを備えた流体温度調節手段であり、上記流体開閉バルブ10、加圧ポンプ2、流体温度調節手段3は、それぞれ上記二酸化炭素ボンベ1から、上記洗浄処理チャンバー14内洗浄処理空間16の上方部への洗浄流体供給配管L1上に設けられている。そして、上記二酸化炭素ボンベ1、流体開閉バルブ10、加圧ポンプ2、流体温度調節手段3、流体供給配管L1により、洗浄流体供給手段が形成されている。
【0033】
他方、符号6は、上記二酸化炭素(CO2)流体との親和性が高く、その液体密度が同二酸化炭素(CO2)流体の調節可能な密度範囲に対応した例えばアルコール等の液体溶媒を所望の量保存している溶媒タンク、5は同溶媒タンク6からの液体溶媒を供給する溶媒供給ポンプ、12は同液体溶媒の供給状態を開閉する溶媒開閉バルブであり、同溶媒供給ポンプ5、溶媒開閉バルブ12は、上記溶媒タンク6から上記洗浄処理チャンバー14内洗浄処理空間16底部への溶媒供給配管L2上に設けられている。そして、それら溶媒タンク6、溶媒供給ポンプ5、溶媒開閉バルブ12、溶媒供給配管L2により、溶媒供給手段が形成されている。該溶媒供給手段により供給された溶媒は、上記洗浄処理チャンバー14内の洗浄処理空間16の底部に所定量貯留され、上記被洗浄物を浸漬した状態に保持する。
【0034】
さらに、符号7は上記洗浄処理チャンバー14内の洗浄処理空間16での洗浄により取り出された溶媒その他の廃液等を収納する廃液等収納容器、8は上記洗浄処理チャンバー14内洗浄処理空間16の圧力を検出する圧力センサ、9は同排出流体の流量を可変することによって上記洗浄処理空間16内の圧力を調整する圧力調節バルブであり、同圧力センサ8、圧力調整バルブ9は、上記洗浄処理チャンバー14内の洗浄処理空間16の上方部から上記廃液等収納容器7への流体排出配管L3上に設けられている。そして、これら流体排出配管L3、圧力センサ8、圧力調節バルブ9、廃液等収納容器により、流体排出手段が形成されている。
【0035】
以上の構成において、被洗浄物4は、例えば次のようにして洗浄処理される。
【0036】
(1) 先ず溶媒開閉バルブ12を開くとともに溶媒供給ポンプ5を作動させて、溶媒タンク6内の溶媒を上記洗浄処理チャンバー14の洗浄処理空間16内底部に所定量貯留する。同溶媒が所定量入ると、上記溶媒開閉バルブ12を閉じる。
【0037】
(2) 次に、被洗浄物4を、洗浄処理チャンバー14の洗浄処理空間16内の底部に入れて上記溶媒中に浸漬させて、蓋15をする。
【0038】
(3) 次に、流体温度調節手段3およびチャンバー温度調整手段16を調整操作して、洗浄処理チャンバー14内に供給される二酸化炭素流体の温度および洗浄処理チャンバー14の洗浄処理空間16内の温度を超臨界状態を形成するのに適した所定の温度となるように調整設定する。
【0039】
また、それと同時に、上記圧力センサ8の圧力検出値を入力し、その検出値が超臨界状態を形成するのに適した所定の圧力値になるように上記圧力調節バルブ9の開度を調節制御する。
【0040】
(4) 次に、その上で上記二酸化炭素ボンベ1側の洗浄流体開閉バルブ10を開き、かつ加圧ポンプ2を作動させて、洗浄流体である二酸化炭素流体を洗浄流体供給配管L1を介して洗浄処理チャンバー14の洗浄処理空間16内上方部に供給する。
【0041】
この場合、該洗浄流体供給配管L1の下流領域の、上記加圧ポンプ2と洗浄処理チャンバー14(の洗浄流体導入口)との間には、流体温度調節手段3が設けられているために、予じめ洗浄処理チャンバー14に入る前の段階で、上記液相状態の二酸化炭素流体が気体ないし超臨界状態になるに適した温度に加熱、加圧され、気体ないし超臨界状態になり、その上で洗浄処理チャンバー14の洗浄処理空間16内に導入される。
【0042】
(5) その結果、上記洗浄流体である二酸化炭素流体が全く液相状態を経ることなく、気体→超臨界流体→気体の相変化を伴って被洗浄物4の洗浄を行う。
【0043】
すなわち、該構成の場合、上記洗浄処理チャンバー14の洗浄処理空間16内に供給される洗浄流体である二酸化炭素流体は、上記圧力調節バルブ9および流体温度調整手段3により、最初から気体又は超臨界状態にして導入されるので、速に洗浄処理チャンバー14の洗浄処理空間16内を超臨界状態にすることができ、かつ同気体ないし超臨界状態の高圧の洗浄流体によって洗浄初期に確実に空気が排出される。
【0044】
そして、その結果、液相状態の洗浄流体の作用による被洗浄物損傷の問題も解消される。従って、前述したようなマイクロマシンでも安心して洗浄処理することができる
(6) 以上のようにして洗浄された後の、被洗浄物4からの汚れ等不要物や溶媒を含む二酸化炭素流体は、上記圧力調節バルブ9の下流側で、二酸化炭素流体から溶媒および不要物が分離され、分離された同溶媒および不要物が廃液物収納容器7中に収納される。
【0045】
(実施の形態2)
図2は、例えば洗浄流体として二酸化炭素(CO2)を採用し、アルコール等所定の液体溶媒と併用して洗浄を行うようにした本願発明の実施の形態2に係る超臨界流体洗浄装置の構成を示している。
【0046】
この実施の形態の超臨界流体洗浄装置も、基本的には上記実施の形態1のものと同様に所定の洗浄処理チャンバー内で、洗浄流体である二酸化炭素(CO2)が全く液相状態を経ることなく、気体→超臨界流体→気体の相変化を伴って所定の被洗浄物の洗浄を行うことができるようにしたものである。
【0047】
しかも、この実施の形態の場合には、その場合において、特に上記圧力調節バルブ9と流体温度調整手段3とを使用して、上記洗浄処理チャンバー14の洗浄処理空間16内における上記洗浄流体である二酸化炭素流体Aの密度を上記溶媒タンク6から供給される液体溶媒Bの密度と略等しくし、上記液体溶媒Bを上記洗浄流体である超臨界状態の二酸化炭素流体Aに置換しやすくすることにより、上記被洗浄物4の洗浄乾燥効果を向上させるようにしたことを特徴としている。
【0048】
そして、もちろん本実施の形態でも、上記液体溶媒Bにも、上記二酸化炭素(CO2)流体との親和性が高く、その液体密度が同二酸化炭素(CO2)流体の調節可能な密度範囲に対応した例えばアルコール等が選ばれている。
【0049】
したがって、該構成の場合、上記洗浄処理チャンバー14の洗浄処理空間16内に供給される二酸化炭素流体は、上記のように圧力調整バルブ9および流体温度調整手段3により、最初から気体ないし超臨界状態にして導入され、極めて効率良く液体溶媒Bと混合置換して排出されるようになり、洗浄乾燥効果が向上する。
【0050】
また、この場合、上記のように液体溶媒Bの方も、特に上記二酸化炭素流体Aとの親和性が高く、かつ、その液体密度が上記二酸化炭素流体Aの調節可能な密度範囲に対応したものとしている。
【0051】
したがって、上記二酸化炭素流体との混合置換の作用が、より有効に発揮されるようになる。
【0052】
(実施の形態3)
図3は、例えば洗浄流体として二酸化炭素(CO2)を採用し、アルコール等所定の液体溶媒と併用して洗浄を行うようにした本願発明の実施の形態3に係る超臨界流体洗浄装置の構成を示している。
【0053】
この実施の形態の超臨界流体洗浄装置も、上記実施の形態1,2のものと同様に所定の洗浄処理チャンバー内で、洗浄流体である二酸化炭素(CO2)が全く液相状態を経ることなく、気体→超臨界流体→気体の相変化を伴って所定の被洗浄物の洗浄を行うことができるようにしたこものである。
【0054】
ただし、この実施の形態のものは、特に上記実施の形態2のものと同様の液体溶媒を採用した構成において、さらに図3に示すように、洗浄処理チャンバー14の底部寄り側溶媒供給配管L2と流体排出配管L3の圧力調節バルブ9上流側との間に、上記洗浄処理チャンバー14の洗浄処理空間16内底部を上記流体排出配管L3側にバイパスさせた混合流体排出用バイパス配管L4が連通状態で設けられている。そして、同混合流体排出用バイパス配管L4の途中には混合流体開閉バルブ13が設けられ、また上記流体排出配管L3の該混合流体排出用バイパス配管L4との接続部より上流側には、排出流体開閉バルブ11が設けられている。
【0055】
そして、これら各開閉バルブ11,13の内、排出流体開閉バルブ11は、例えば洗浄工程初期の上記洗浄処理チャンバー14内の空気排出時に開かれて空気および水分と置換された二酸化炭素流体を効率良く排出させる一方、混合流体開閉バルブ13は、その後、同排出流体開閉バルブ11を閉じて、溶媒開閉バルブ12が閉じられた状態において、上記洗浄処理チャンバー14内洗浄処理空間16底部の液体側溶媒と混合置換した二酸化炭素流体を効率良く排出させる。
【0056】
この結果、底部側液体溶媒Bの確実な排出が可能となり、洗浄乾燥効果が大きく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の実施の形態1に係る超臨界流体洗浄装置の構成を示す図である。
【図2】 本願発明の実施の形態2に係る超臨界流体洗浄装置の構成を示す図である。
【図3】 本願発明の実施の形態3に係る超臨界流体洗浄装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1は二酸化炭素ボンベ、2は流体加圧ポンプ、3は流体温度調節手段、4は被洗浄物、5は溶媒供給ポンプ、6は溶媒タンク、7は廃液等収納容器、8は圧力センサ、9は圧力調節バルブ、10は流体開閉バルブ、11は排出流体開閉バルブ、12は溶媒開閉バルブ、13は混合流体開閉バルブ、14は洗浄処理チャンバー、14aは内容器、14bは外カバー、14cはチャンバー温度調整手段、15は蓋、L1は流体供給配管、L2は溶媒供給配管、L3は流体排出配管、L4は混合流体排出配管である。
Claims (2)
- 被洗浄物が納入される洗浄処理チャンバーと、該洗浄処理チャンバーの上流側にあって、流体加圧手段を介して被洗浄物を洗浄する洗浄流体を供給する洗浄流体供給手段と、上記洗浄処理チャンバーの下流側にあって、流体圧力調整手段を介して流体圧力を調整しながら不要物を排出する流体排出手段と、上記洗浄処理チャンバー内に上記洗浄流体との親和性が高く、かつ液体密度が上記洗浄流体の調節可能な密度範囲に対応した液体溶媒を供給する溶媒供給手段とを備え、上記洗浄処理チャンバー内において被洗浄物を上記溶媒供給手段により供給された液体溶媒中に浸漬した後、上記洗浄流体供給手段より供給される超臨界状態の洗浄流体によって洗浄処理を行うようにしてなる超臨界流体洗浄装置であって、上記洗浄流体供給手段の上記加圧手段と上記洗浄処理チャンバーとの間の流体供給系路に、上記洗浄処理チャンバー内に供給される洗浄流体の温度を調節する流体温度調整手段を設け、上記流体圧力調整手段と該流体温度調整手段によって上記洗浄処理チャンバー内に供給される洗浄流体の圧力および温度を調整することにより同洗浄流体を予じめ気体ないし超臨界状態にするとともに、その密度を上記洗浄処理チャンバー内の液体溶媒の密度と略等しくした上で上記洗浄処理チャンバー内に供給し、上記洗浄処理チャンバー内の液体溶媒を当該気体ないし超臨界状態の洗浄流体に置換することによって上記被洗浄物の洗浄を行うようにしたことを特徴とする超臨界流体洗浄装置。
- 洗浄処理チャンバーの下部側からも洗浄流体排出手段下流側への流体排出流路を設けたことを特徴とする請求項1記載の超臨界流体洗浄装置。
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JP2002350049A (ja) | 減圧乾燥装置および減圧乾燥方法 |
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