JP2007252651A - 蒸気滅菌装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 滅菌バッグの破裂を防止することである。
【解決手段】 滅菌バッグ7にて包まれ透湿防水性素材を含む被滅菌物1を収容する滅菌槽2と、滅菌槽2へ滅菌用の蒸気を供給する給蒸手段3と、滅菌槽2内を減圧して滅菌槽2内の気体を排気する排気手段4と、滅菌槽2内を復圧する復圧手段5と、給蒸手段3,排気手段4および復圧手段5を制御し、滅菌槽2内の空気を排出する空気排除工程,滅菌槽内へ給蒸して被滅菌物1を滅菌する滅菌工程および被滅菌物を乾燥する乾燥工程を順次行う制御手段6とを備える蒸気滅菌装置において、排気手段4を減圧排気速度が高排気速度と低排気速度とに調整可能に構成するとともに、制御手段6は、滅菌槽2内の減圧排気と滅菌槽2内への給蒸とを繰り返すことにより空気排除工程を行い、空気排除工程において、透湿防水性素材を含む被滅菌物1が槽2内に収容されたとき、前記排気手段4を低排気速度とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、被滅菌物を滅菌槽内で蒸気滅菌処理する蒸気滅菌装置に関する。
一般に蒸気滅菌器を用いた滅菌作業は、つぎの各工程により行われる。すなわち、被滅菌物を滅菌槽内に収納し、減圧手段により前記滅菌槽内の空気を排除する空気排除工程、蒸気を前記滅菌槽内へ導入して滅菌処理を行う滅菌工程、前記前記減圧手段を作動させて前記被滅菌物の乾燥処理を行う乾燥工程、前記滅菌槽内を大気圧まで復圧する復圧工程とにより前記滅菌作業を行なっている。
こうした、従来方法において、透湿防水性素材にて構成される被滅菌物を包装用滅菌バッグ(滅菌バッグ)にて覆ったものとした場合、急激な減圧により被滅菌物が膨らむことにより、滅菌バッグが破裂し、被滅菌物に対して菌が付着してダメージを与えるという問題を生じていた。
この出願の発明者らはその原因を追及した結果、前記被滅菌物が空気および蒸気を通し難いため、排気速度が速いことが複合して減圧時に膨張が過大となって前記滅菌バッグの破裂が生じるという知見を得た。
特開2000−199490号公報
この発明が解決しようとする課題は、滅菌バッグの破裂を防止することである。
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、 滅菌バッグにて包まれ透湿防水性素材を含む被滅菌物を収容する滅菌槽と、この滅菌槽へ滅菌用の蒸気を供給する給蒸手段と、前記滅菌槽内を減圧して前記滅菌槽内の気体を排気する排気手段と、前記滅菌槽内を復圧する復圧手段と、前記給蒸手段,前記排気手段および前記復圧手段を制御し、前記滅菌槽内の空気を排出する空気排除工程,前記滅菌槽内へ給蒸して被滅菌物を滅菌する滅菌工程および被滅菌物を乾燥する乾燥工程を順次行う制御手段とを備える蒸気滅菌装置において、前記排気手段を減圧排気速度が高排気速度と低排気速度とに調整可能に構成するとともに、前記制御手段は、前記滅菌槽内の減圧排気と前記滅菌槽内への給蒸とを繰り返すことにより前記空気排除工程を行い、この空気排除工程において、透湿防水性素材を含む被滅菌物が前記滅菌槽内に収容されたとき、前記排気手段を低排気速度とする調整工程を行うことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、空気排除工程における前記被滅菌物を包装する滅菌バッグの破裂を防止することができる。
請求項2に記載の発明は、滅菌バッグにて包まれ透湿防水性素材を含む被滅菌物を収容する滅菌槽と、この滅菌槽へ滅菌用の蒸気を供給する給蒸手段と、前記滅菌槽内を減圧して前記滅菌槽内の気体を排気する排気手段と、前記滅菌槽内を復圧する復圧手段と、前記給蒸手段,前記排気手段および前記復圧手段を制御し、空気排除工程,前記滅菌槽内へ給蒸して被滅菌物を滅菌する滅菌工程および被滅菌物を乾燥する乾燥工程を順次行う制御手段とを備える蒸気滅菌装置において、前記排気手段を減圧排気速度が高排気速度と低排気
速度とに調整可能に構成するとともに、前記制御手段は、前記滅菌槽内の大気圧以下の減圧排気と前記滅菌槽内の外気導入による復圧とを繰り返すか、または前記滅菌槽内を大気圧以下に減圧しながら外気を導入することにより前記乾燥工程を行い、この乾燥工程において、透湿防水性素材を含む被滅菌物が前記滅菌槽内に収容されたとき、前記排気手段を低排気速度とする調整工程を行うことを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、前記乾燥工程における前記被滅菌物を包装する滅菌バッグの破裂を防止することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2において、前記調整工程が工程の一部において行われることを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または請求項2による効果に加えて、滅菌作業時間を短縮することができるという効果を奏する。
この発明によれば、前記空気排除工程または前記乾燥工程において、前記滅菌バッグの破裂を防止することができる。
(装置の実施の形態)
つぎに、この発明の装置の実施の形態について説明する。この発明の装置の実施の形態は、蒸気滅菌装置において実施される。
この発明の装置の実施の形態は、滅菌バッグにて包まれ透湿防水性素材を含む被滅菌物を収容する滅菌槽と、この滅菌槽へ滅菌用の蒸気を供給する給蒸手段と、前記滅菌槽内を減圧して前記滅菌槽内の気体を排気する排気手段と、前記滅菌槽内を復圧する復圧手段と、前記給蒸手段,前記排気手段および前記復圧手段を制御し、前記滅菌槽内の減圧排気と前記滅菌槽内への給蒸とを繰り返して前記滅菌槽内の空気を排出する空気排除工程,前記滅菌槽内へ給蒸して被滅菌物を滅菌する滅菌工程および前記滅菌槽内の大気圧以下の減圧排気と前記滅菌槽内の外気導入による復圧とを繰り返して被滅菌物を乾燥する乾燥工程を順次行う制御手段とを備える蒸気滅菌装置において、 前記排気手段を減圧排気速度が高排気速度と低排気速度とに調整可能に構成するとともに、前記空気排除工程および前記乾燥工程において、透湿防水性素材を含む被滅菌物が前記滅菌槽内に収容されたとき、前記排気手段を低排気速度とする調整工程を行うことを特徴とした蒸気滅菌装置である。ここで、前記「高排気速度と低排気速度とに調整可能」とは、二段階のみならず多段階または無段階に調整することを含む。
この装置の実施の形態においては、まず、被滅菌物を前記滅菌槽内へ収容した後、同滅菌槽を密閉して、前記減圧手段を作動させることによる前記滅菌槽内を減圧排気と前記給蒸手段を作動させることによる前記滅菌槽内への給蒸とを繰り返すことにより、前記滅菌槽内の空気を槽外へ排出する空気排除工程を行う。ついで、前記給蒸手段を作動させて、前記滅菌槽内へ蒸気を供給(給蒸)して被滅菌物を滅菌する滅菌工程を行う。滅菌工程が終了すると、前記減圧手段を作動させ前記滅菌槽内を大気圧以下に減圧する減圧排気と前記復圧手段を作動させて前記滅菌槽内への外気を導入による復圧とを繰り返すことにより被滅菌物を乾燥させる乾燥工程を行う。この実施の形態においては、前記空気排除工程および前記乾燥工程において、前記減圧手段による排気速度を遅くする調整工程を行うことにより、前記被滅菌物の膨張を抑制でき、前記被滅菌物の膨張による前記滅菌バッグの破裂が防止される。
ここで、この装置の実施の形態における各構成要素について説明する。以下の説明において、蒸気は飽和蒸気とするが、これに限定されるものではなく、空気を混合させた蒸気
を含む。
前記被滅菌物は、好ましくは、全部を透湿防水性素材にて構成するが、その一部のみを透湿防水性素材にて構成することもできる。また、前記被滅菌物は、滅菌や乾燥をより確実に行い、滅菌処理後の無菌状態をより長く保つために包装用の周知の透湿性の滅菌バッグにて覆われて滅菌される。この滅菌バッグは、包装部材と称することができる。
透湿防水性素材とは、気体(蒸気)は通すが液体(水)は通さない性質を有した素材をいう。そして、この透湿防水性素材は、気体を通し難い性質を有している。このような透湿防水性素材には、非常に微小な小穴を多数有する素材、またはそのような微多孔質フィルムを生地に貼り合せた素材を用いることができる。あるいは、無孔質で水滴は通さないが水蒸気の移動を可能とした素材、または高密度織物に強力な撥水処理を施すなどしたコーティングタイプの素材を用いることもできる。このような透湿防水性素材として、好適にはゴアテックス(登録商標)が用いられるが、これに限定されるものではない。
ここで、透湿防水性素材が何故膨張するかについて、説明する。気体を通しにくい透湿防水性素材では、蒸気を入れる工程において、表面あるいは内部に蒸気が凝縮した状態で減圧工程へ移行すると、内部では凝縮した水が沸騰し体積が膨張し、圧力が上昇する。こうして、透湿防水性素材では内外の圧力差が生じ易いためにより大きく圧力差を生じて膨張が大きくなる。
前記滅菌槽は、被滅菌物を出し入れする開口と、この開口を密閉可能に開閉する扉とを有するものであれば、特定の構造に限定されない。この滅菌槽は、滅菌容器,滅菌領域,滅菌室などと称することができる。また、前記滅菌槽は、好ましくは、ジャケットや蒸気が供給される管により槽壁を加熱するように構成される。
前記給蒸手段は、一端を前記滅菌槽と接続し、他端をボイラなどの蒸気発生源と接続した給蒸ラインと、この給蒸ラインに設けた給蒸弁とを含んで構成される。前記給蒸弁は、開閉のみの電磁弁とするが、開度が調整可能な比例弁やモータ弁などの開度調整弁とすることができる。前記蒸気発生源は、好ましくは、純水を加熱して清浄蒸気を得るものとする。
前記排気手段は、前記滅菌槽内を減圧排気する機能を有するが、排気速度調整手段を備えている。この排気速度調整手段は、好ましくは、一端を前記滅菌槽と接続し、他端を大気開放とした減圧ラインと、この滅菌ラインに設けた第一弁および減圧器と、前記第一弁と並列に接続したバイパスラインおよびこのバイパスラインに設けた第二弁とを含んで構成される。前記バイパスラインの流通抵抗は、前記第二弁の開度を調整するか、前記バイパスラインの管径を小さくするか、前記バイパスラインにオリフィスなどの抵抗調整部材を設けることで、調整している。その結果、前記第一弁を開き、前記第二弁を閉じる(開いたままでも良い)ことで高排気速度とし、前記第一弁を閉じ、前記第二弁を開くことで、低排気速度を実現する。
前記低排気速度は、前記空気排除工程および前記乾燥工程において、減圧排気を行った際に、前記被滅菌物が膨張して、前記包装用滅菌バッグを破裂させないような値に設定される。この設定は、予め実験により求めておくことができる。前記減圧ラインにおよびバイパスラインには、前記滅菌槽外から前記滅菌槽内方向への流れを阻止する逆止弁を設けることができる。
前記排気速度調整手段としては、前記バイパスラインを設けない構成とすることができる。すなわち、前記第一弁を流通抵抗が調整可能な調整弁として、前記調整工程において
前記第一弁の開度を小さくすることにより前記低排気速度を得、非調整工程において同開度を大きくすることで、前記高排気速度を得るように構成する。
前記減圧器は、好ましくは、真空ポンプとするが、水エゼクタとすることができる。また、前記減圧器は、真空ポンプまたは水エゼクタの上流側に蒸気凝縮用の熱交換器を設けた構成とすることができ、さらに凝縮用熱交換器の上流側に蒸気エゼクタを設けた構成とすることができる。
前記復圧手段は、前記滅菌槽と接続される復圧ラインと、この復圧ラインに設けた復圧弁とを含んで構成される。この復圧弁は、開閉のみの電磁弁とするが、開度が調整可能な比例弁やモータ弁などの開度調整弁とすることができる。前記復圧ラインには、前記滅菌槽内から前記滅菌槽外方向への流れを阻止する逆止弁を設けることができる。
前記制御手段は、予め記憶した滅菌プログラム(制御手順)に基づき、前記滅菌槽内の圧力を検出する圧力センサからの信号を入力して、前記給蒸手段,前記減圧手段および前記復圧手段を制御して、前記空気排除工程,前記滅菌工程,前記乾燥工程などを実行するように構成されている。
前記空気排除工程は、減圧排気工程と給蒸工程とを繰り返すことにより行われる。前記減圧排気工程は、前記減圧器を作動させることにより、前記圧力センサによる検出値が大気圧より低い第一設定値となるまで実行され、前記給蒸工程は、前記給蒸手段を作動させることにより、前記圧力センサによる検出値が大気圧または大気圧以上の設定値となるまで実行される。前記の繰り返し回数は、2回以上で、予め実験により求める。
この空気排除工程において、前記制御手段は、透湿防水性素材を含む被滅菌物が前記滅菌槽内に収容されたとき、前記排気速度調整手段を制御して、排気速度を前記低排気速度とする排気速度調整工程を行う。この排気速度の調整は、好ましくは、前記滅菌バッグ内の濡れが所定以上のとき行われる。
その理由は、前記滅菌バッグ内に蒸気が浸透した状態(濡れた状態)において、排気速度を速くすると、前記被滅菌物が膨張して前記包装部材を破裂させるので、濡れた状態の減圧排気工程では、排気速度を低下させ、濡れた状態でない減圧排気工程では排気速度を低下させない。この実施の形態では、空気排除工程の最初の減圧排気工程時は、まだ給蒸されておらず、前記濡れ状態ではないので、前記高排気速度で減圧排気し、その後の減圧排気工程では、前記低排気速度にて減圧排気する。この空気排除工程初期において、高排気速度とする減圧工程を最初だけとするか、そのつぎを含めて何回とするかは、実験により定める。
このように、前記空気排除工程における低排気速度の減圧排気工程の回数を限定していることにより、トータルの滅菌作業時間を短縮することができる。
前記滅菌工程は、前記滅菌槽内へ給蒸することにより行われる。この給蒸は、前記給蒸手段を作動させることにより、前記圧力センサにより検出される前記滅菌槽内の温度が滅菌に適した温度(第二設定値)を所定時間保持するように行われる。
前記乾燥工程は、減圧排気工程と復圧工程とを繰り返すことにより行われる。前記減圧排気工程は、前記減圧器を作動させることにより、前記圧力センサにより検出される前記滅菌槽内の圧力が前記大気圧以下の設定となるまで実行され、前記復圧工程は、前記復圧手段を作動させることにより、前記圧力センサによる検出圧力が大気圧となるまで実行される。前記繰り返し回数は、前記空気排除工程のそれより多く設定され、予め実験により
定める。
前記滅菌工程から前記乾燥工程への移行時に行われる最初の減圧排気工程は、好ましくは、前記滅菌槽内が大気圧となるまで、前記減圧手段を作動させることなく、前記滅菌槽と接続される別の排気ラインにより排気し、大気圧となると前記減圧手段を作動させるように構成する。こうした構成とすることで、蒸気の排出を効果的に行うことができる。勿論、前記排気ラインを設けることなく、最初から前記減圧手段を作動させて蒸気を排出するように構成することができる。前記排気ラインによる蒸気の排出を排気工程と称することができ、前記乾燥工程と別個の工程とすることができる。
そして、この乾燥工程においても、前記制御手段は、透湿防水性素材を含む被滅菌物が前記滅菌槽内に収容されたとき、前記排気速度調整手段を制御して、排気速度を前記低排気速度とする排気速度調整工程を行う。この排気速度の調整も、好ましくは、前記滅菌バッグ内の濡れが所定以上のとき行われる。
この実施の形態では、前記減圧排気工程を適数回繰り返すことで、前記濡れ状態が改善されるので、乾燥工程開始から2〜3回の減圧排気工程を前記低排気速度で減圧排気し、その後の減圧排気工程は、前記高排気速度にて減圧排気する。この乾燥工程初期において、低排気速度とする減圧工程を何回とするかは、実験により定める。
このように、前記乾燥工程における低排気速度の減圧排気工程の回数を限定していることにより、トータルの滅菌作業時間を短縮することができる。
この発明は前記装置の実施の形態に限定されるものではない。たとえば、前記装置の実施の形態は、前記空気排除工程および前記乾燥工程において、前記調整工程を行うように構成しているが、前記空気排除工程および前記乾燥工程のいずれかにおいて減圧排気工程を繰り返し行わない方式の空気排除工程または乾燥工程を採用する場合には、減圧排気工程を繰り返し行う空気排除工程または乾燥工程のみ前記調整工程を行うように構成することができる。また、乾燥工程は、減圧排気工程と復圧工程とを繰り返すことにより行うのではなく、減圧しながら外気を導入する方法によっても行うように構成することができる。この場合には、減圧初期の減圧速度を低下させることで、前記被滅菌物の膨張を抑制する。
(方法の実施の形態)
つぎに、前記の装置の実施の形態により実現される方法の実施の形態1〜4について説明する。
まず、方法の実施の形態1は、滅菌バッグにて包まれ透湿防水性素材を含む被滅菌物を収容した前記滅菌槽内の空気を排出する空気排除工程,前記滅菌槽内へ給蒸して被滅菌物を滅菌する滅菌工程および被滅菌物を乾燥する乾燥工程を順次行う蒸気滅菌方法において、前記滅菌槽の減圧排気速度を高排気速度と低排気速度とに調整可能とするとともに、前記滅菌槽内の減圧排気と前記滅菌槽内への給蒸とを繰り返して前記空気排除工程を行い、この空気排除工程において、透湿防水性素材を含む被滅菌物が前記滅菌槽内に収容されたとき、前記減圧排気速度を前記低排気速度とする調整工程を行うことを特徴とする蒸気滅菌方法である。
この方法の実施の形態1によれば、前記空気排除工程において、前記滅菌バッグの破裂を防止することができる。
また、方法の実施の形態2は、滅菌バッグにて包まれ透湿防水性素材を含む被滅菌物を
収容した前記滅菌槽内の空気を排出する空気排除工程,前記滅菌槽内へ給蒸して被滅菌物を滅菌する滅菌工程および被滅菌物を乾燥する乾燥工程を順次行う蒸気滅菌方法において、前記滅菌槽内の空気を排出する空気排除工程,前記滅菌槽内へ給蒸して被滅菌物を滅菌する滅菌工程および被滅菌物を乾燥する乾燥工程を順次行う蒸気滅菌方法において、前記滅菌槽の減圧排気速度を高排気速度と低排気速度とに調整可能とするとともに、前記滅菌槽内の大気圧以下の減圧排気と前記滅菌槽内の外気導入による復圧とを繰り返すか、または前記滅菌槽内を大気圧以下に減圧しながら外気を導入することにより前記乾燥工程を行い、この乾燥工程において、前記減圧排気速度を前記低排気速度とする調整工程を行うことを特徴とする蒸気滅菌方法である。
この方法の実施の形態2によれば、前記乾燥工程において、前記滅菌バッグの破裂を防止することができる。
また、方法の実施の形態3は、滅菌バッグにて包まれ透湿防水性素材を含む被滅菌物を収容した前記滅菌槽内の空気を排出する空気排除工程,前記滅菌槽内へ給蒸して被滅菌物を滅菌する滅菌工程および被滅菌物を乾燥する乾燥工程を順次行う蒸気滅菌方法において、前記滅菌槽の減圧排気速度を高排気速度と低排気速度とに調整可能とするとともに、前記滅菌槽内の減圧排気と前記滅菌槽内への給蒸とを繰り返して前記空気排除工程を行うとともに前記滅菌槽内の大気圧以下の減圧排気と前記滅菌槽内の外気導入による復圧とを繰り返すか、または前記滅菌槽内を大気圧以下に減圧しながら外気を導入することにより前記乾燥工程を行い、前記空気排除工程および前記乾燥工程において、透湿防水性素材を含む被滅菌物が前記滅菌槽内に収容されたとき、前記減圧排気速度を前記低排気速度とする調整工程を行うことを特徴とする蒸気滅菌方法である。
この方法の実施の形態3によれば、前記空気排除工程および前記乾燥工程において、前記滅菌バッグの破裂を防止することができる。
さらに、方法の実施の形態4は、前記方法の実施の形態1〜3において、前記調整工程が工程,すなわち前記空気排除工程および/または前記乾燥工程の一部において行われることを特徴とする蒸気滅菌方法である。
この方法の実施の形態4によれば、前記空気排除工程から前記乾燥工程までの滅菌作業(滅菌運転)時間を短縮することができる。
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。まず、この発明を適用する蒸気滅菌装置の実施例1について、図1および図2を参照して説明する。図1は、同実施例1の概略構成図であり、図2は、滅菌作業による前記滅菌槽2内の圧力変化を示す図である。図2において、実線は、減圧排気速度の調整を行わない従来例を示し、破線は、この実施例1を示している。
図1に示す蒸気滅菌装置は、被滅菌物1を収容する滅菌槽2と、この滅菌槽2へ滅菌用の蒸気を供給する給蒸手段3と、前記滅菌槽2内を減圧して前記滅菌槽2内の気体を排気する第一排気手段4と、前記滅菌槽2内を大気圧に復圧する復圧手段5と、前記給蒸手段3,前記第一排気手段4および前記復圧手段5を制御して前記給蒸手段3,前記第一排気手段4および前記復圧手段5を制御して、滅菌プログラムを実行する制御手段としての制御器6を主要部として備えている。
前記滅菌プログラムは、装置の冷態起動時の準備工程,予熱工程,空気排除工程,滅菌工程および乾燥工程を順次行うプログラムである。前記空気排除工程は、前記滅菌槽1内
の空気を排出する工程であり、前記滅菌工程は、前記滅菌槽1内へ給蒸して被滅菌物を滅菌する工程であり、前記乾燥工程は、被滅菌物1を乾燥する工程である。
ここで、前記蒸気滅菌装置の各構成要素について説明する。前記被滅菌物1は、透湿防水性素材で構成された滅菌対象物であり、包装用滅菌バッグとしての袋7にて全体が覆われ(包装され)て、滅菌される。透湿防水性素材としては、ゴアテックス(登録商標)を用いている。
前記袋7は、片面が紙、反対面が透明フィルムで構成され、図示しないが、被滅菌物1を出し入れ可能で、密閉可能な開口(図示省略)を設けている。この実施例では、前記袋7は、滅菌バッグ(ホギ製)を採用しているが、これに限定されるものではない。
前記滅菌槽2は、被滅菌物1を出し入れする開口(図示省略)と、この開口を密閉可能に開閉する扉(図示省略)とを有する。また、前記滅菌槽2は、周知のジャケット構造をなし、このジャケットに蒸気を導入することで、前記滅菌槽2壁および内部に収容された被滅菌物1の加温や保温を行うように構成している。
前記給蒸手段3は、一端を前記滅菌槽2と接続し、他端を清浄蒸気を生成するリボイラ(図示省略)と接続した給蒸ライン8と、この給蒸ライン8に設けた給蒸弁9とを含んで構成される。前記給蒸弁9は、開度が調整可能な開度調整弁としている。
前記第一排気手段4は、前記滅菌槽2内を減圧排気する機能を有し、減圧排気速度を調整する排気速度調整手段を備えている。この排気速度調整手段は、一端を前記滅菌槽2と接続し、他端を大気開放とした減圧ライン10と、この滅菌ライン10に直列に設けた第一弁11および減圧器としての水封式真空ポンプ12と、前記第一弁11と並列に接続したバイパスライン13およびこのバイパスライン13に設けた第二弁14とを含んで構成される。前記バイパスライン13の流通抵抗は、前記第二弁14の開度を調整することにより予め設定している。すなわち、前記第一弁11を開き、前記第二弁14を閉じることで高排気速度A(たとえば、120〜180kPa/min)とし、前記第一弁11を閉じ、前記第二弁14を開くことで、低排気速度B(たとえば、60〜80kPa/min)が得られるように構成している。
前記低排気速度は、前記空気排除工程および前記乾燥工程において、減圧排気を行った際に、被滅菌物が膨張して、前記袋7を破裂させないような値に設定している。この低排気速度の設定は、予め実験により定める。前記減圧ライン10におよび前記バイパスライン13には、前記滅菌槽2外から前記滅菌槽2内方向への流れを阻止する逆止弁(図示省略)を設けている。
前記滅菌槽2には第二排気手段15を備えている。この第二排気手段15は、一端を前記滅菌槽2底部と接続し、他端を前記減圧ライン10と接続した排気ライン16と、この排気ライン16に設けた第三弁17とを含んで構成される。この排気ライン16は、前記滅菌工程終了後において、前記滅菌槽2内の高圧蒸気およびドレンを槽外へ排出する蒸気排出ラインとして機能する。
前記復圧手段5は、前記滅菌槽2と接続した復圧ライン18と、この復圧ライン18に設けた復圧弁19,除菌フィルター20および前記滅菌槽2内から前記滅菌槽2外方向への流れを阻止する逆止弁21とを含んで構成される。
前記制御器6は、前記滅菌プログラムに基づき、前記滅菌槽2内の圧力を検出する圧力センサ22からの信号を入力して、前記給蒸手段3,前記第一排気手段4および前記復圧
手段5を制御して、前記空気排除工程,前記滅菌工程,前記乾燥工程などを実行する。
前記空気排除工程は、減圧排気工程と給蒸工程とを繰り返すことにより行われる。前記減圧排気工程は、前記第一弁11を開き、前記第二弁14を閉じて、前記真空ポンプ12を作動させることにより、前記圧力センサによる検出値が大気圧より低い第一設定値P1(一例として、50kPa)となるまで実行される。前記給蒸工程は、前記第一弁11および前記第二弁14を閉じて、前記給蒸手段3を作動させることにより、前記滅菌槽2内へ給蒸して、前記圧力センサ22による検出値が大気圧となるまで実行される。前記の繰り返し回数は、この実施例では、3回としている。
この空気排除工程において、前記制御器6は、前記排気速度調整手段を制御,すなわち、前記第一弁11を閉じ、前記第二弁14を閉じて、排気速度を前記低排気速度Bとする排気速度の調整工程を行う。この調整工程は、前記袋7内が濡れ状態のとき行う。具体的には、空気排除工程の第1回の減圧排気工程は、前記高排気速度Aにて減圧排気し、第2回および第3回の減圧排気工程を前記低排気速度Bにて減圧排気するように構成している。
前記滅菌工程は、前記滅菌槽2内へ給蒸することにより行われる。この給蒸は、前記給蒸手段3を作動させることにより、前記圧力センサ22により検出される前記滅菌槽2内の圧力が滅菌に適した圧力(第二設定値P2)を所定時間保持するように行われる。
前記乾燥工程は、減圧排気工程と復圧工程とを繰り返すことにより行われる。前記減圧排気工程は、前記空気排除工程時と同様に、高排気速度時には前記第一弁11を開き、前記第二弁14を閉じ、低排気速度時には前記第一弁11を閉じ、前記第二弁14を開いて前記真空ポンプ12を作動させることにより行われる。この減圧は、前記圧力センサ22により検出される前記滅菌槽2内の圧力が大気圧より低い設定値(この実施例1では、前記第一設定値P1としている。)となるまで実行される。前記復圧工程は、前記復圧手段5を作動させることにより、前記圧力センサ22による検出圧力が大気圧となるまで実行される。前記繰り返し回数は、この実施例では2回に設定されている。
前記滅菌工程から前記乾燥工程への移行時に行われる最初の減圧排気工程は、第二排気手段を用いて大気圧となるまで排気し、大気圧となると前記第一排気手段4を用いて排気するように構成している。
そして、この乾燥工程においても、前記制御器6は、前記排気速度調整手段を制御して、排気速度を前記低排気速度Bとする排気速度の調整工程を行う。この排気速度の調整も、前記袋7内の濡れが所定以上のとき行われる。この実施例では、乾燥工程開始から3回の減圧排気工程を前記低排気速度Bで減圧排気し、その後の減圧排気工程は、前記高排気速度Bにて減圧排気するように構成している。
以上の構成の実施例1の動作を説明する。前記滅菌槽2に前記袋7で全体を包装された被滅菌物1を搬入後、つぎの各工程にしたがって滅菌作業(滅菌運転)を行う。
(準備工程)
まず、冷態起動時等においては、前記滅菌槽2自体が冷たいため、準備工程として前記滅菌槽1自体の予熱を行う。すなわち、前記給蒸ライン7と別の通常蒸気の給蒸ライン(図示省略)を通して前記ジャケットに給蒸して、前記滅菌槽1を予熱する。
(予熱工程)
つぎに、予熱工程において、前記滅菌槽2内の被滅菌物1を所定温度に昇温させる。す
なわち、前記滅菌槽2内に被滅菌物を収容した後、前記準備工程と同様にして、前記ジャケットへ給蒸して前記滅菌槽2内の被滅菌物を予熱する。そして、被滅菌物が所定の温度に昇温した時点で、この予熱工程を終了し、続いて空気排除工程を実行する。この予熱工程は、省略することが可能である。
(空気排除工程)
空気排除工程では、図2に示すように、減圧排気工程および給蒸工程のセットを3回繰り返して行う。第1回目の減圧排気工程は、前記第三弁17を開じ、前記第一弁11を開き、前記第二弁14を閉じて、前記真空ポンプ12を稼動させて、前記高排気速度Aにて前記減圧ライン10から前記滅菌槽2内の空気を排出する。この減圧排気工程は、前記圧力センサ22による検出値が大気圧より低い第一設定値P1となるまで行われる。
この第1回目の減圧排気工程は、まだ給蒸工程が行われていないので、前記袋7内は蒸気による濡れ状態ではないので、前記高排気速度Aにて排気しても被滅菌物1の膨張は少なく、前記袋7を破裂させない。
続いて、給蒸工程を行う。この給蒸工程は、前記第一弁11,前記第二弁14および前記第三弁17を閉じ、前記給蒸弁9を短時間開いて、給蒸工程を前記給蒸ライン8から前記滅菌槽2内へ清浄蒸気を導入することにより行われる。この給蒸工程は、前記圧力センサ22による検出圧力が大気圧となるまで行われる。
第2回目の減圧排気工程は、前記調整工程が実施される。すなわち、前記第一弁11を閉じ、前記第二弁14を開いて、前記真空ポンプ12を作動させる。すると、前記滅菌槽2内の気体は、流通抵抗の大きい前記バイパスライン13を通して減圧排気されることになるので、結果として、前記低排気速度Bにより排気が行われる。この様子は、図2の破線にて示す通り、圧力低下が緩やかとなっている。
このように、前記低排気速度Bにより減圧排気するので、前記袋7内が濡れ状態にあっても被滅菌物1の膨張が抑制されて、前記袋7の破裂を防止することができる。
ついで、前記給蒸工程が同様に行われた後、第3回目の減圧排気工程が行われる。この減圧排気工程も第2回目と同様に前記調整工程が行われ、前記低排気速度による排気が実行される。
以上のように、前記調整工程を前記空気排除工程の一部とする,すなわち前記低排気速度Bで減圧排気を行う回数を限定したものとすることにより、前記空気排除工程に要する時間を短縮できる。結果として、滅菌作業時間を短縮することができる。
(滅菌工程)
前記滅菌槽2内の空気を充分に排除した後、前記前記第一弁11,前記第二弁14および前記第三弁15を閉じ、前記給蒸弁9を開き、前記給蒸ライン8を通して、前記滅菌槽2内を高温高圧の清浄蒸気で満たす。そして、前記給蒸弁9を制御して、前記滅菌槽2内が設定滅菌温度(第二設定値圧力P2)を所定時間だけ保持して、滅菌工程を行う。この滅菌工程において、高温蒸気が前記袋7を透過して、被滅菌物1を滅菌する。
(乾燥工程)
滅菌工程が終了すると、前記給蒸弁9を閉じて前記滅菌槽2内への給蒸を停止し、前記第三弁17を開いて前記排気ライン16から前記滅菌槽2内の蒸気を排出し、前記滅菌槽2内の圧力を大気圧近くまで下げた後、乾燥工程に入る。
この乾燥工程では、減圧排気工程と復圧工程とが繰り返して行われる。前記減圧排気工程は、前記空気排除工程と同様に行われるが、第1回〜第3回目の減圧排気工程時は、前記袋7内が濡れ状態にあるので、前記調整工程が実施される。すなわち、前記第一弁11を閉じ、前記第二弁14を開いて、前記真空ポンプ12を作動させて、前記バイパスライン13を通して前記低排気速度Bにて前記滅菌槽1内を減圧排気し、被滅菌物1の湿気を排除する。この減圧排気工程は、前記圧力センサ22による検出値が大気圧より低い第一設定値P1となるまで行われる。
このように、前記低排気速度Bにより、減圧排気するので、前記袋7内が濡れ状態にあっても被滅菌物1の膨張が抑制されて、前記袋7の破裂を防止することができる。
前記減圧排気工程の後の復圧工程は、前記復圧弁19を短時間開き、前記フィルタ20を通して清浄な空気を前記滅菌槽2内へ導入することで行われる。この復圧工程は、前記圧力センサ22の検出値が大気圧となると終了する。
第3回目の減圧排気工程の後の復圧工程が終了すると、従来と同様の高排気速度Aによる減圧排気工程が行われる。すなわち、前記第一弁11を開き、前記第二弁14を閉じて、前記真空ポンプ12を作動させることにより、前記高排気速度Aにて前記滅菌槽2内を減圧排気する。第3回目以降の減圧排気工程においては、乾燥工程により前記袋7内の濡れ状態が低減されているので、前記高排気速度による排気を行っても被滅菌物1が膨張して、前記袋7を破裂させることはない。
こうして、前記調整工程を前記乾燥工程の一部とする,すなわち前記低排気速度Bで減圧排気を行う回数を限定したものとすることにより、乾燥工程に要する時間を短縮できる。結果として、滅菌作業時間を短縮することができる。
つぎに、この発明の実施例2を図3に基づき説明する。この実施例2において、前記実施例1と同じ構成要素は、同じ符号を付して説明を省略し、異なる構成についてのみ説明する。
異なるところは、前記排気速度調整手段の構成であって、この実施例2は、前記実施例1のバイパスライン13を設けない構成としている。すなわち、前記第一弁11を流通抵抗が調整可能な調整弁として、前記調整工程を実施するとき、前記第一弁11の開度を小さくすることにより前記低排気速度Bを得て、前記調整工程を実施しないとき、前記第一弁11の開度を大きくすることで、前記高排気速度Aを得るように構成している。この排気速度の調整は、前記制御器6により行われる。
この発明は、前記実施例1および前記実施例2に限定されるものではない。たとえば、前記調整工程は、前記空気排除工程,前記乾燥工程のいずれか一方のみ実施するように構成することができる。また、前記調整工程は、前記空気排除工程または前記乾燥工程の全工程において実施するように構成することができる。この場合は、滅菌作業時間が長くなるという不利を生ずる。さらに、前記第一排気手段による排気速度は、複数段階または無段階とすることができる。
この発明の実施例1の概略構成図である。 同実施例1の動作を示す時間(横軸)−圧力(縦軸)特性図である この発明の実施例2の概略構成図である。
符号の説明
1 被滅菌物
2 滅菌槽
3 給蒸手段
4 第一排気手段
5 復圧手段
6 制御器(制御手段)
7 袋(滅菌バッグ)

Claims (3)

  1. 滅菌バッグにて包まれ透湿防水性素材を含む被滅菌物を収容する滅菌槽と、この滅菌槽へ滅菌用の蒸気を供給する給蒸手段と、前記滅菌槽内を減圧して前記滅菌槽内の気体を排気する排気手段と、前記滅菌槽内を復圧する復圧手段と、前記給蒸手段,前記排気手段および前記復圧手段を制御し、前記滅菌槽内の空気を排出する空気排除工程,前記滅菌槽内へ給蒸して被滅菌物を滅菌する滅菌工程および被滅菌物を乾燥する乾燥工程を順次行う制御手段とを備える蒸気滅菌装置において、
    前記排気手段を減圧排気速度が高排気速度と低排気速度とに調整可能に構成するとともに、
    前記制御手段は、前記滅菌槽内の減圧排気と前記滅菌槽内への給蒸とを繰り返すことにより前記空気排除工程を行い、この空気排除工程において、透湿防水性素材を含む被滅菌物が前記滅菌槽内に収容されたとき、前記排気手段を低排気速度とする調整工程を行うことを特徴とする蒸気滅菌装置。
  2. 滅菌バッグにて包まれ透湿防水性素材を含む被滅菌物を収容する滅菌槽と、この滅菌槽へ滅菌用の蒸気を供給する給蒸手段と、前記滅菌槽内を減圧して前記滅菌槽内の気体を排気する排気手段と、前記滅菌槽内を復圧する復圧手段と、前記給蒸手段,前記排気手段および前記復圧手段を制御し、空気排除工程,前記滅菌槽内へ給蒸して被滅菌物を滅菌する滅菌工程および被滅菌物を乾燥する乾燥工程を順次行う制御手段とを備える蒸気滅菌装置において、
    前記排気手段を減圧排気速度が高排気速度と低排気速度とに調整可能に構成するとともに、
    前記制御手段は、前記滅菌槽内の大気圧以下の減圧排気と前記滅菌槽内の外気導入による復圧とを繰り返すか、または前記滅菌槽内を大気圧以下に減圧しながら外気を導入することにより前記乾燥工程を行い、この乾燥工程において、透湿防水性素材を含む被滅菌物が前記滅菌槽内に収容されたとき、前記排気手段を低排気速度とする調整工程を行うことを特徴とする蒸気滅菌装置。
  3. 前記調整工程が工程の一部において行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の蒸気滅菌装置。
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