JP3977927B2 - ガス燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度調節機能付きガステーブルコンロのようなガス燃焼装置に関し、更に詳しくは、電池の消費電力抑制のためガスバーナの主ガス管路に自己保持型電磁弁(キープソレノイド)が用いられるガス燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のガス燃焼装置としては、例えば、天ぷら温度調節機能、湯沸かし機能等を備えた温度調節機能付きガステーブルコンロが知られている。そしてこのガステーブルコンロのガス火力の切替え(強火←→弱火)は、電池の消費電力抑制のため自己保持型電磁弁(キープソレノイド)が一般に用いられている。
【0003】
ところでこの自己保持型電磁弁(キープソレノイド)は、その開弁閉弁の切替の際に、一時的に通電するだけで開弁状態又は閉弁状態のいずれかに切替え保持されるもので、通常は通電されていないので省電力化を図ることができる。そしてキープソレノイドがOFFの状態では燃料ガスの流量は少量となって点火不良になるため、基本的な使い方としては、キープソレノイドをONの状態で器具使用者が火力調節レバーの操作により火力を調整することになる。したがって制御上は、強制的に弱火とする以外は、キープソレノイドを確実にON状態にして使用することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種のガス燃焼装置では、ガスバーナの火力調整を行っている途中、あるいはその後の使用者の消火操作等によりガスバーナの燃焼運転が中断又は停止されることがあるが、その時にキープソレノイドは開弁状態にあるか、閉弁状態にあるかわからない状態が生じることがある。
【0005】
そこでその対策として、例えば、特開平9−133356号公報には、ガスバーナの点火時にガスバーナの火力調整用の自己保持型電磁弁(キープソレノイド)である切替電磁弁の閉弁状態がいずれであっても、その切替電磁弁の駆動回路にマイクロコンピュータから開弁指定信号を出力するようにしたガス燃焼装置が開示されている。これによれば、例えば、ガスバーナの燃焼運転が中断又は停止された時にも、ガスバーナの点火時にはキープソレノイドが確実に開弁状態とされるため、ガスバーナの点火不良を防止することができるというものである。
【0006】
しかしながら、この特開平9−133356号公報のガス燃焼装置のものでは、ガスバーナの点火時に一々切替電磁弁の開弁指令信号が出力されることになり、タイミング的に点火動作が遅れてしまうという問題と、点火装置と同時通電となるため、乾電池の取り出し電流が大きくなり電池寿命が短くなるという問題がある。
【0007】
本発明の解決しようとする課題は、電池の消耗を抑制できるのみならず、点火操作時には既にキープソレノイドが開弁状態にあるようにすることで点火動作時の応答性にも優れたガス燃焼装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために本発明のガス燃焼装置は、電池を駆動源とするガスバーナの点火装置および該ガスバーナの主ガス管路に設けられた自己保持型の切替電磁弁を備えると共に、主ガス管路の該切替電磁弁の上流側で分岐し下流側で合流される副ガス管路を備え、前記ガスバーナの燃焼運転時に該ガスバーナの火力調整を行うべく前記切替電磁弁を開閉制御するマイクロコンピュータを備えたガス燃焼装置において、前記ガスバーナの消火時には前記切替電磁弁が開弁保持されるように制御する開弁保持制御手段を備えることを要旨とするものである。
【0009】
上記構成を有するガス燃焼装置によれば、点火操作時には既に主ガス管路に設けられる自己保持型の切替電磁弁が開弁状態に保持されているので、強火の点火が行われ、ガスバーナに載せられる調理鍋等が設定温度に達すれば切替電磁弁が閉弁状態に切り替えられ、そのON/OFF制御により温度調整がなされる。そして、ガスバーナの消火時には前記切替電磁弁が開弁保持されるように制御されるので、ガスバーナの運転は速やかに再開されることになる。
【0010】
その場合に、前記ガスバーナの燃焼停止時における前記自己保持型切替電磁弁の開弁若しくは閉弁状態を記憶する不揮発性メモリを備え、該不揮発性メモリの記憶内容により前記自己保持型切替電磁弁が閉弁状態にあると判断された時に該切替電磁弁の駆動回路へ開弁指令信号が出力されるようにするとよい。そうすれば、燃焼の中断又は中止の時に自己保持型切替電磁弁の開弁状態にあるのか閉弁状態にあるのかが確実に把握され、閉弁時のみマイクロコンピュータからの開弁指令信号を出力することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、温度調節機能付きガステーブルコンロに本発明が適用された実施例の概略制御回路の一例を示している。図示されるように、このガステーブルコンロ10は、ガスバーナ12に燃料ガスを供給する主ガス管路14にはその上流側からマグネット安全弁16及び切替電磁弁18が設けられ、又、主ガス管路14の両電磁弁16,18間より分岐して切替電磁弁18の下流側で合流する副ガス管路20が設けられている。
【0012】
この場合、マグネット安全弁16は通電保持型の電磁弁であり、点火・消火スイッチ22を押すことでマイクロコンピュータ(マイコン)24よりマグネット安全弁駆動回路26へ指令信号が出力され、マグネット安全弁16が開弁保持される。
【0013】
一方、前記切替電磁弁18は、本発明の構成に対応する周知の自己保持型電磁弁(キープソレノイド)であり、それに一時的に通電することで開弁状態から閉弁状態へ、あるいは閉弁状態から開弁状態へ切替えられ、その開閉状態が励磁的に保持されるようになっている。そしてマイコン24からキープソレノイド駆動回路28へ指令信号が出力され、切替電磁弁18が、閉弁信号により閉弁状態に切り替えられ、開弁信号により開弁状態に切り替えられるようになっている。
【0014】
そして前記マイコン24には、電気的に書き込み・消去可能な不揮発性メモリ(EEPROM)30が接続され、該不揮発性メモリ30には前記自己保持型電磁弁18の開閉状態がその弁が切り替えられる度に記憶保持されるようになっている。
【0015】
尚、前記ガスバーナ12の中心部には、該ガスバーナ12上に載置される調理鍋32(中に調理物等が入っている)の鍋底温度を検出する温度検出器34が設けられ、また、ガスバーナ12の近傍には、該ガスバーナ12の炎を検知する炎検知器36が設けられ、それぞれ温度検出回路38,炎検知回路40を介して前記マイコン24に接続されている。尚、マイコン24や電磁弁駆動回路26,28等に給電する電源回路42には電池(3V)44が用いられている。
【0016】
しかして、このように構成されたガステーブルコンロ10によれば、ガスバーナ12の燃焼運転に際して使用者が点火・消火スイッチ22をON操作すると、主ガス管路14のマグネット安全弁16が開弁される。また、電池44から電源回路42を介してマイコン24は給電されている。そして該マイコン24は、点火・消火スイッチのON信号によりマグネット安全弁駆動回路26に信号を送りマグネット安全弁16を通電させてこれを開弁保持させる。この時、主ガス管路14に設けられる自己保持型の切替電磁弁18は、詳細は後述するが本発明の達成上、既に開弁状態にあってマイコン24からの開弁指令信号は出されていない。
【0017】
こうしてガスバーナ12には、主ガス管路14及び副ガス管路20の両方から燃料ガスが供給され、ガスバーナ12の点火動作により燃焼運転が開始される。この場合、ガスバーナ12には、主ガス管路14及び副ガス管路20の両方から燃料ガスが供給されるので強火の点火動作により円滑な点火が行われる。
【0018】
そして、ガスバーナ12に載せられる調理鍋32の鍋底温度が温度検知器34により逐一検出され、その検出信号が温度検出回路38を介してマイコン24に送られるため、マイコン24ではその検出温度が予め定められた所定の温度や使用者により設定された温度に維持されるように、キープソレノイド駆動回路28にON/OFF信号を送り、前記切替電磁弁18を開閉制御する。
【0019】
すなわち、温度検出器34により検出される調理鍋32の加熱温度が設定温度よりも高くなれば、マイコン24より前記切替電磁弁18の閉弁指令信号が出され、該切替電磁弁18に一時的に電流が流れることにより閉弁され、主ガス管路14には燃料ガスが流れず、副ガス管路20のみから少量の燃料ガスが供給されることになって、ガスバーナ12の火力は弱火となる。
【0020】
また、温度検出器34により検出される調理鍋32の加熱温度が設定温度よりも低くなれば、マイコン24より切替電磁弁18の開弁指令信号が出され、該切替電磁弁18にやはり一時的に電流が流れることにより、今度は開弁され、主ガス管路14には燃料ガスが流れて、両方のガス管路14,20から燃料ガスが供給されることになって、ガスバーナ12の火力は強火に切り替えられる。
【0021】
このような状態において、例えば、電池の消耗等によりガスバーナ12の燃焼運転が中断又は停止された時には、切替電磁弁18が開弁状態にあるのか、閉弁状態にあるのかわからない。そこで本発明では、電池の交換等の後にマイコン24がリセットされた場合、及び点火・消火スイッチ22がOFFされた場合には、マイコン24よりキープソレノイド駆動回路28に開弁指令信号が出力され、切替電磁弁18は必ず開弁状態とされるものである。
【0022】
この場合にガスバーナ12の燃焼運転の終了時における前記自己保持型切替電磁弁18の開閉状態を、前記マイコン24の指示により記憶保持する電気的書込み・消去可能な不揮発性メモリ(EEPROM)30に記憶すれば、この不揮発性メモリ30に記憶保持されている前記自己保持型切替電磁弁18の開閉状態の内容が閉弁状態であるとき、該自己保持型切替電磁弁18の開弁指令信号を前記キープソレノイド駆動回路28に出力することもできる。
【0023】
図2は、その制御フローチャートを示している。図示したように、ガスバーナ12の燃焼運転が中断又は停止された時(S1、「YES」)には、マイコン24がリセットされた時又は点火・消火スイッチ22がOFFされた時(S2、「YES」)に、不揮発性メモリ30の記憶内容から自己保持型切替電磁弁18が閉弁状態にある(S3、「YES」)と判断されれば、キープソレノイド駆動回路28へ開弁指令信号が出力されて自己保持型切替電磁弁18は開弁される。そうでない時、つまり自己保持型電磁弁18が既に開弁状態にある時(S3、「NO」)には、キープソレノイド駆動回路28へは開弁指令信号は出力されない。
【0024】
このようにして次にガスバーナ12の燃焼運転が再開される時には、点火・消火スイッチ22がONされた(S5、「YES」)と判断されれば、その時にはマグネット安全弁16の駆動回路26のみに開弁指令信号が出されてガスバーナ12の点火により燃焼が再開されるものである(S6,S7)。
【0025】
本発明は、上記した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記実施例では、ガステーブルコンロの例を示したが、それ以外の各種のガス燃焼器具にも適用できることは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】
本発明のガス燃焼装置によれば、自己保持型の電磁弁を用いたので電池の消耗を回避しガス器具の省電力化が図れるのみならず、電池交換時などマイコンがリセットされた場合、あるいは点火・消火スイッチがOFFされた場合には、その自己保持型電磁弁を開弁状態としておくものであるから運転再開時にその自己保持型電磁弁の開弁指令信号の出力による開弁操作は必要でなく、燃焼運転がスムーズに再開されるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される一実施形態としてのガステーブルコンロの制御回路を概略的に示した図である。
【図2】本発明の制御フローチャートである。
【符号の説明】
10 ガス燃焼装置(ガステーブルコンロ)
12 ガスバーナ
14 主ガス管路
18 切替電磁弁
20 副ガス管路
24 マイクロコンピュータ(マイコン)
Claims (2)
- 電池を駆動源とするガスバーナの点火装置および該ガスバーナの主ガス管路に設けられた自己保持型の切替電磁弁を備えると共に、主ガス管路の該切替電磁弁の上流側で分岐し下流側で合流される副ガス管路を備え、前記ガスバーナの燃焼運転時に該ガスバーナの火力調整を行うべく前記切替電磁弁を開閉制御するマイクロコンピュータを備えたガス燃焼装置において、前記ガスバーナの消火時には前記切替電磁弁が開弁保持されるように制御する開弁保持制御手段を備えることを特徴とするガス燃焼装置。
- 前記ガスバーナの燃焼停止時における前記自己保持型切替電磁弁の開弁若しくは閉弁状態を記憶する不揮発性メモリを備え、該不揮発性メモリの記憶内容により前記自己保持型切替電磁弁が閉弁状態にあると判断された時に該切替電磁弁の駆動回路へ開弁指令信号が出力されるものであることを特徴とする請求項1に記載のガス燃焼装置。
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