JP2004003739A - 燃焼器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】バーナの燃焼運転の開始前に、ガス開閉弁の故障を検知できる燃焼器具を提供する。
【解決手段】ガス通路開閉弁を開弁して点火電極を作動させてバーナの通常点火処理を行い、炎検知センサにより着火を検知したときに流量調節弁により燃焼量を可変して燃焼運転を実行する燃焼制御手段を備えた燃焼器具において、燃焼運転の開始が指示されたときに、通常点火処理に先行して、ガス通路開閉弁と流量調節弁のうち1つを開弁して残りを閉弁する制御を行うと共に点火電極を作動させてテスト点火処理を行い、炎検知センサによる燃焼炎の有無を確認することによって、ガス通路開閉弁と流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の故障を検知する故障検知手段と、故障検知手段がガス通路開閉弁と流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の故障を検知した時に、燃焼運転の中止又は報知を行う故障対処手段とを設ける。
【選択図】図1
【解決手段】ガス通路開閉弁を開弁して点火電極を作動させてバーナの通常点火処理を行い、炎検知センサにより着火を検知したときに流量調節弁により燃焼量を可変して燃焼運転を実行する燃焼制御手段を備えた燃焼器具において、燃焼運転の開始が指示されたときに、通常点火処理に先行して、ガス通路開閉弁と流量調節弁のうち1つを開弁して残りを閉弁する制御を行うと共に点火電極を作動させてテスト点火処理を行い、炎検知センサによる燃焼炎の有無を確認することによって、ガス通路開閉弁と流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の故障を検知する故障検知手段と、故障検知手段がガス通路開閉弁と流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の故障を検知した時に、燃焼運転の中止又は報知を行う故障対処手段とを設ける。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス供給管に備えられた開閉弁の故障を検知する機能を有する燃焼器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ガス炊飯器などの燃焼器具には、ガス供給管を介してガスが供給されるガスバーナが内蔵されており、ガス供給管には、ガスバーナへのガスの供給の遮断を行うガス開閉弁が設けられている。ガス開閉弁としては、開閉弁と該開閉弁を開閉させる吸着コイルとを備える電磁弁が使用されることが多い。開閉弁は、吸着コイルに通電されていないときはバネの付勢力により閉弁し、吸着コイルに通電されたときにはバネの付勢力に優る電磁力が発生して開弁する。このように電磁弁を用いることにより、ガスバーナへのガスの供給および遮断を容易に切り換えることができ、ガス炊飯器では、電磁弁のオン/オフ制御によりガスバーナの燃焼炎の強弱をコントロールして温調制御している。
【0003】
ところが、電磁弁の開閉部に異物等が挟まったときには、吸着コイルへの通電を遮断しても、開閉弁が閉弁せずに半開きのまま保持される、所謂半開故障が生じる場合があった。なお、半開故障では着火可能な場合と着火不能な場合とがある。また、吸着コイルに通電しても、開閉部の固着等により開閉弁が開弁せずに閉弁したまま保持される、所謂閉故障が生じる場合があった。
【0004】
一方、電磁弁の開閉状態を、通電時に吸着コイルに流れる電流の大きさから検知する方法が一般的に採用されている。しかし、かかる検知方法では、上述のように、吸着コイルの駆動回路には問題がないが異物等により開閉弁の動作に異常が生じている上記半開故障や閉故障を検知することができない。
【0005】
そして、電磁弁の半開故障や閉故障が生じると電磁弁の開閉によりガスバーナの燃焼量を予め定められた値に制御することができなくなる。例えば、燃焼運転中にガスバーナの出力を切り換えるべく電磁弁を開閉する制御を行ってもガスバーナの火力は一定のままである。そのため、例えば、ガス炊飯器においてガス量を調節する電磁弁が閉故障した状態で自動炊飯を開始したときに、ガスバーナの火力を上げることができず、所定の炊き上がり時間になっても、自動炊飯が終了しないばかりか、不十分な加熱により炊飯調理に失敗してしまうという不都合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑み、ガスバーナの燃焼運転を開始する前に、該ガスバーナへのガスの供給と遮断を切り換えるガス開閉弁の故障を確実に検知することができる燃焼器具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明の燃焼器具は、ガス供給路を介してガスが供給されるガスバーナと、ガスバーナの燃焼運転の開始を指示するための運転開始スイッチと、前記ガス供給路に設けられてガス供給路を開閉するガス通路開閉弁と、前記ガス供給路の前記ガス通路開閉弁とガスバーナの間に設けられてガスバーナに供給されるガス流量を調節する流量調節弁と、前記ガスバーナに点火するための点火電極と、前記ガスバーナの燃焼炎の有無を検知する炎検知センサと、前記運転開始スイッチにより燃焼運転の開始が指示されたときに前記ガス通路開閉弁を開弁させると共に点火電極を作動させることによりガスバーナの通常点火処理を行い、前記炎検知センサによりガスバーナの着火を検知したときに前記流量調節弁によりガスバーナの燃焼量を可変して前記燃焼運転を実行する燃焼制御手段とを備えた燃焼器具において、前記運転開始スイッチにより燃焼運転の開始の指示がなされたときに、前記燃焼制御手段による前記燃焼運転を行うための通常点火処理に先行して、前記ガス通路開閉弁と流量調節弁のうち1つを開弁し残り全てを閉弁する制御を行うと共に前記点火電極を作動させることによるテスト点火処理を順次行い、前記炎検知センサによる燃焼炎の有無を確認することによって、前記ガス通路開閉弁と前記流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の故障を検知する第1の故障検知手段と、前記第1の故障検知手段が前記ガス通路開閉弁と前記流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の故障を検知したときに、前記燃焼運転の中止または報知を行う第1の故障対処手段とを設けたことを特徴とする燃焼器具。
【0008】
かかる本発明によれば、前記第1の故障検知手段により、前記燃焼運転を行うための通常点火処理を行う前に、前記ガス通路開閉弁と流量調節弁のうち1つを開弁し残り全てを閉弁する制御を行うと共に前記点火電極を作動させることによるテスト点火処理を順次行い、前記炎検知センサによる燃焼炎の有無を確認することによって、前記ガス通路開閉弁と前記流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の故障を検知することができる。例えば、ガス通路開閉弁を開弁し、流量調節弁を閉弁する制御を行ったときに燃焼炎が検知されれば、流量調節弁が着火可能な半開故障状態にあることが検知される。また、流量調節弁を開弁し、ガス通路開閉弁を閉弁する制御を行ったときに燃焼炎が検知されれば、ガス通路開閉弁が着火可能な半開故障状態にあることが検知される。
【0009】
そして、前記第1の故障検知手段が前記ガス通路開閉弁と前記流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の故障を検知したときに、前記第1の故障対処手段により、燃焼運転の中止または報知が行われる。これにより、各弁が故障状態にあるときに燃焼運転の中止又は使用者への報知が行われ、被加熱物に対する加熱量の調節が不能な状態で前記燃焼運転が開始されることを防止することができる。
【0010】
また、本発明の燃焼器具は、前記流量調節弁として、前記ガス供給路のガス通路開閉弁とガスバーナの間に設けらられた第1の流量調節弁と、前記ガス通路開閉弁と第1の流量調節弁の間の箇所から分枝してガスバーナと連通した分岐管に設けられた第2の流量調節弁とが設けられ、前記第1の故障検知手段は、前記ガス通路開閉弁、第1の流量調節弁および第2の流量調節弁のうちのいずれか1つの弁を開弁し、他の2つの弁を閉弁する制御を行うと共に前記点火電極を作動させることによるテスト点火処理を順次行い、前記炎検知センサによる燃焼炎の有無を確認することによって、前記ガス通路開閉弁、第1の流量調節弁および第2の流量調節弁のうちの少なくともいずれか1つの弁の半開故障を検知し、前記第1の故障対処手段は、前記第1の故障検知手段が前記ガス通路開閉弁、第1の流量調節弁および第2の流量調節弁のうちの少なくともいずれか1つの弁の半開故障を検知したときに、燃焼運転の中止または報知を行うことを特徴とする。
【0011】
かかる本発明によれば、先ず前記第1の故障検知手段により、ガス通路開閉弁が開弁されて他の2つの弁が閉弁される制御が行われたときに、炎検知センサによりガスバーナの着火が確認された場合には、他の2つの弁、すなわち、第1の流量調節弁と第2の流量調節弁のいずれかが半開故障状態にあると検知することができる。また、前記第1の故障検知手段により、第1の流量調節が開弁されて他の2つの弁が閉弁される制御が行われたときに、炎検知センサによりガスバーナの着火が確認された場合には、ガス通路開閉弁が半開故障状態にあると検知することができる。さらに、前記第1の故障検知手段により、第2の流量調節弁が開弁されて他の2つの弁が閉弁される制御が行われたときに、炎検知センサによりガスバーナの着火が確認された場合にも、ガス通路開閉弁が半開故障状態にあると検知することができる。尚、ガス通路開閉弁と、第1の流量調節弁または第2の流量調節弁とが閉弁されたときに、半開故障状態を確認できる弁は、ともにガス通路開閉弁なので、どちらか一方を行なえば弁の半開故障状態を確認することができる。
【0012】
また、前記第1の故障検知手段は、先ず、前記ガス通路開閉弁を開弁して他の2つの弁を閉弁する制御を行うと共に前記点火電極を作動させることによるテスト点火処理を行い、前記炎検知センサにより燃焼炎の有無を確認することによって、前記第1の流量調節弁と第2の流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の半開故障の有無を検知し、次に、前記ガス通路開閉弁を閉弁して前記第1の流量調節弁又は第2の流量調節弁を開弁する制御を行うと共に前記点火電極を作動させることによるテスト点火処理を行い、前記炎検知センサにより燃焼炎の有無を確認することによって、前記ガス通路開閉弁の半開故障の有無を検知することを特徴とする。
【0013】
かかる本発明によれば、前記第1の故障検知手段は、先ず前記ガス通路開閉弁を開弁して他の2つの弁を閉弁する制御を行うと共に点火電極を作動させることによるテスト点火処理を行う。このとき、前記炎検知センサにより炎が検知されれば他の2つの弁、すなわち、第1の流量調節弁と第2の流量調節弁のうちの少なくとも1つが半開故障状態にあると検知できる。続いて、第1の故障検知手段は、ガス通路開閉弁を閉弁して他の2弁を開弁する制御を行うと共に点火電極を作動させることによるテスト点火処理を行う。このとき炎が検知されればガス通路開閉弁が半開故障状態にあると検知できる。従って、この一連の制御により3つの弁の故障状態を検知できることになる。
【0014】
また、弁の開弁する順番は、どの弁から始めても故障検知できるが、この中でガス通路開閉弁を最初に開弁する制御を行うことにより、ガス通路開閉弁と第1の流量調節弁および第2の流量調節弁の間にガスが残留する。そして、次に第1の流量調節弁又は第2の流量調節弁を開弁する制御を行ったときに、ガス通路開閉弁が半開故障であるなら、この残留ガスによる加圧によって第1の流量調節弁又は第2の流量調節弁を介してガスバーナに供給されるガスの流量が増加すると着火検知しやすくなることが期待できる。そのため、まず前記ガス通路開閉弁だけを開弁し、次にガス通路開閉弁を閉弁して第1の流量調節弁又は第2の流量調節弁を開弁するという順番に弁の開閉動作を行うことにより、故障検知範囲を広げることができる。
【0015】
また、前記第1の故障検知手段は、前記ガス通路開閉弁と流量調節弁とを開弁する制御を行うと共に前記点火電極を作動させることによるテスト点火処理を行い、前記炎検知センサにより燃焼炎が検知されなかった場合に、開弁制御を行なったガス通路開閉弁と流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の半開故障または閉故障と検知し、前記第1の故障対処手段は、前記第1の故障検知手段が開弁制御を行なったガス通路開閉弁と流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の半開故障または閉故障を検知したときに、燃焼運転の中止または報知を行うことを特徴とする。
【0016】
かかる本発明によれば、前記第1の故障検知手段は、前記ガス通路開閉弁と流量調節弁とを両方とも開弁する制御を行うと共に、点火電極を作動させることによるテスト点火処理を行う。このときに炎検知センサにより炎が検知されなければ、開弁制御を行なったガス通路開閉弁と流量調節弁のうちの少なくとも一方が、着火不能な半開故障または閉故障状態であると検知することができる。一方、このときに炎検知センサにより炎が検知されれば異常はなく、そのまま前記燃焼運転を行うことができる。このため、ガス通路開閉弁と流量調節弁とを両方とも開弁する制御を行うと共に点火電極を作動させることによるテスト点火処理を通常点火処理と一致させて行なっても良い。
【0017】
また、本発明の燃焼器具は、被加熱物の温度を検出する温度センサと、前記燃焼運転の開始時の前記温度センサの検出温度の上昇度合いが、あらかじめ定められた基準値以下であるときに前記流量調節弁の半開故障または閉故障を検知する第2の故障検知手段と、前記第2の故障検知手段が、前記流量調節弁の半開故障または閉故障を検知したときに報知を行う第2の故障対処手段と、をさらに設けてもよい。
【0018】
かかる本発明によれば、流量調節弁が半開故障または閉故障している場合にはガス流量を調節できず燃焼出力が不足するので正常な場合に比べて温度上昇の度合いが小さくなる。従って、温度センサがあらかじめ定められた基準値以下の温度上昇の度合いを検出した場合に、第2の故障検知手段により前記流量調節弁の半開故障又は閉故障を検知することができる。そして、第2の故障検知手段が前記流量調節弁の半開故障又は閉故障を検知した場合に、第2の故障対処手段により燃焼運転の中止又は報知を行うことができる。
【0019】
また、本発明の燃焼器具は、被加熱物の温度を検出する温度センサと、前記燃焼運転の途中でガスバーナの燃焼量を第1の燃焼量から該第1の燃焼量よりも小さく設定された第2の燃焼量に減少させたときに、前記温度センサの検出温度の低下の度合いが、あらかじめ定められた基準値以下であるときに、前記流量調節弁の半開故障または閉故障を検知する第2の故障検知手段と、前記第2の故障検知手段が、前記流量調節弁の半開故障または閉故障を検知したときに報知を行う第2の故障対処手段と、をさらに設けてもよい。
【0020】
かかる本発明によれば、流量調節弁が半開故障または閉故障している場合には燃焼運転の途中でガスバーナの燃焼量を第1の燃焼量から該第1の燃焼量よりも小さく設定された第2の燃焼量に減少させる制御を行ったとしても、ガス流量を調節できないので、正常な場合に比べて温度低下の度合いが小さくなるか、場合によっては温度上昇が続くことがある。従って、温度センサがあらかじめ定められた基準値以下の温度低下の度合い又は温度上昇を検出した場合に、第2の故障検知手段により前記流量調節弁の半開故障又は閉故障を検知することができる。そして、第2の故障検知手段が前記流量調節弁の半開故障又は閉故障を検知した場合に、第2の故障対処手段により燃焼運転の中止又は報知を行うことができる。
【0021】
また、本発明の燃焼器具は、被加熱物の温度を検出する温度センサと、前記燃焼運転の途中でガスバーナの燃焼量を第3の燃焼量から該第3の燃焼量よりも大きく設定された第4の燃焼量に増大させたときに、前記温度センサの検出温度の上昇の度合いが、あらかじめ定められた基準値以下であるときに、前記流量調節弁の半開故障または閉故障を検知する第2の故障検知手段と、前記第2の故障検知手段が、前記流量調節弁の半開故障または閉故障を検知したときに報知を行う第2の故障対処手段と、をさらに設けてもよい。
【0022】
かかる本発明によれば、流量調節弁が半開故障または閉故障している場合には燃焼運転の途中でガスバーナの燃焼量を第3の燃焼量から該第3の燃焼量よりも大きく設定された第4の燃焼量に増加させる制御を行ったとしても、ガス流量を調節できないので、正常な場合に比べて温度上昇の度合いが小さくなる。従って、温度センサがあらかじめ定められた基準値以下の温度上昇の度合いを検出した場合に、第2の故障検知手段により前記流量調節弁の半開故障又は閉故障を検知することができる。そして、第2の故障検知手段が前記流量調節弁の半開故障又は閉故障を検知した場合に、第2の故障対処手段により燃焼運転の中止又は報知を行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例を図1〜図4を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係るガス炊飯器の構成図である。図1を参照して、ガス炊飯器1は、釜2を加熱するガスバーナ3、ガスバーナ3に燃料ガスを供給するガス供給路4、ガスバーナ3に点火するための点火電極5、ガスバーナ3の点火状態を検出する熱電対7(本発明の炎検知センサに相当する)、釜2の底部の温度を検出する温度センサ8、報知部9、操作部10、及び炊飯運転(本発明の燃焼運転に相当する)の制御を行うコントローラ11を備える。
【0024】
ガス供給路4には、元弁12、制御弁13、及び温調弁14が設けられている。元弁12は、本発明におけるガス通路開閉弁として、ガス供給路4を開閉する。制御弁13は、本発明における第1の流量調節弁として、ガス供給路4の元弁12とガスバーナ3の間に設けられ、ガス供給路4を開閉する。温調弁14は、本発明における第2の流量調節弁として、ガス供給路4の元弁12と制御弁13の間の箇所から分枝してガスバーナ3と連通した分岐管15に設けられ、分岐管15を開閉する。元弁12、制御弁13、及び温調弁14は電磁弁であって、それぞれ開閉弁と該開閉弁を開閉させる吸着コイルとを備える。開閉弁は、吸着コイルに通電されていないときにはバネの付勢力により閉弁し、吸着コイルに通電されたときにはバネの付勢力に優る電磁力が発生して開弁する。
【0025】
温度センサ8は例えばサーミスタから構成される。なお、温度センサ8の位置は、釜2の底部に限らず、例えば、釜2周りの柄の所でも良い。報知部9は、図2を参照して炊飯の完了を報知する完了ブザー16と、本発明の第1および第2の故障対処手段としての警告ブザー17とを備える。操作部10は、図2を参照して電源スイッチ18、むらし時間を設定するためのむらし時間設定スイッチ19、および炊飯器1の運転開始を指示する運転開始スイッチ20を備える。
【0026】
コントローラ11は、図2に示すように、点火電極5に高電圧を印加するスパーカ22と、元弁12、制御弁13および温調弁14を駆動する電磁弁駆動回路23と、熱電対7の増幅回路25と、本発明の第1および第2の故障検知手段に相当する故障検知制御部26と、炊飯制御部27と、炎検知部29とを備えている。
【0027】
故障検知制御部26は、運転開始スイッチ20がオン操作されると、電磁弁駆動回路23に対して電磁弁の開閉を指示すると共に、スパーカ22を介して点火電極5を作動させる。故障検知制御部26は、炊飯運転の開始後、温度センサ8の検出温度に基づいて後述するように故障を検知する処理を実行する。また、故障検知制御部26は、電磁弁12〜14の故障を検知したときに警告ブザー17を作動させる。
【0028】
炊飯制御部27は、電磁弁駆動回路23を介して電磁弁12〜14を開閉することによりガスバーナ3の燃焼を制御する。炊飯制御部27は、設定されたむらし時間を計測するタイマ31を備え、むらし時間が経過したときに完了ブザー16を作動させる。なお、故障検知制御部26と炊飯制御部27は別々に説明し、図2に別々に記載したが、両者は同じマイコンにインストールされる場合もある。この場合には、それぞれが同一のマイコンから各部に制御の信号を送っている。
【0029】
炎検知部29は増幅回路25の出力に基づいてガスバーナ3の燃焼炎の有無を検知する。
【0030】
ガス炊飯器1のコントローラ11は、図3、図4に示すように、炊飯運転(燃焼運転)および故障検知を行う。本実施形態のガスバーナ3は、元弁12と制御弁13とが開弁すると弱燃焼になり、さらに、温調弁14も開弁すると強燃焼になる。そして炊飯運転は予備炊飯工程、炊飯工程、むらし工程の各工程に分けて行われる。
【0031】
また、故障検知制御部26は、炊飯運転を開始する前と、炊飯運転の開始後に、元弁12、制御弁13、および温調弁14の故障を検知する処理を行う。ここで、故障を検知する処理においては、元弁12、制御弁13、および温調弁14について、開閉弁が完全には閉まらない状態になっている所謂半開故障と、開閉弁が固着により開かなくなっている所謂閉故障とのいずれかの故障の検知が行われる。また、このガス炊飯器1は、故障を検知した場合に、それを報知するための故障対処手段を設けている。
【0032】
次に、フローチャートに従って、ガス炊飯器1のコントローラ11による元弁12、制御弁13、および温調弁14の故障検知と、炊飯運転の実行手順について説明する。図3のフローチャートに示すように、コントローラ11は、電源スイッチ18がオンされると(ステップS1)、むらし時間設定スイッチ19により、むらし時間が設定されていることを確認し(ステップS2)、設定されていればステップS3に進み、運転開始スイッチ20がオン状態になっていることを確認する(ステップS3)。運転開始スイッチ20がオンされると、炊飯運転を行う前に、故障検知制御部26は、ガス供給管4に配設された各電磁弁12〜14が故障しているか否かを検査する処理(開閉故障検知処理)を実行する(ステップS4)。
【0033】
この開閉故障検知処理の流れを図4のフローチャートを参照して説明する。まず、故障検知制御部26は、電磁弁駆動回路23を介して元弁12を開弁して制御弁13と温調弁14とを閉弁する制御を行うと共に、点火電極6を作動させることによるテスト点火処理を行なう(ステップS21)。そして、故障検知制御部26は、炎検知部29が燃焼炎を検知したか否かを判別する(ステップS22)。ステップS22において、炎検知部29により燃焼炎が検知されたと判別した場合には、制御弁13と温調弁14のうちの少なくともいずれか一方が半開故障状態であると検知されるので、警告ブザー17を作動させて故障対処処理を行う(ステップS27)。ステップS27において、所定時間警告ブザーを作動させた後にコントローラ11は電源をオフして運転を停止する。
【0034】
一方、ステップS22において、炎検知部29により燃焼炎が検知されていないと判別した場合には、故障検知制御部26は、電磁弁駆動回路23を介して元弁12を閉弁して制御弁13を開弁する制御を行うと共に、スパーカ22を介して点火電極6を作動させることによるテスト点火処理を行なう(ステップS23)。このとき、制御弁13が開弁し、温調弁14と元弁12とが閉弁するように制御されていることになる。そして、故障検知制御部26は、炎検知部29が燃焼炎を検知したか否かを判別する(ステップS24)。
【0035】
ステップS24において、炎検知部29により燃焼炎が検知されたと判別した場合には、元弁12が半開故障状態であることが検知されるので、ステップS27に進み故障対処処理を行う。
【0036】
一方、ステップS24において、炎検知部29により燃焼炎が検知されていないと判別した場合には、温調弁14をON、元弁12と制御弁13をOFFしてテスト点火処理を行なっても良いが、これにより故障が検知されるものは元弁12であり、ステップS23と同様の検知対象であるため、この検知は今回は行なわない。そのため、故障検知制御部26は、元弁12を開弁する制御を行うと共に点火電極6を作動させることによるテスト点火処理を行なう(ステップS25)。ステップS25において、元弁12と制御弁13が開弁し、温調弁14が閉弁するように制御されていることになる。
【0037】
次に、故障検知制御部26は、炎検知部29が燃焼炎を検知したか否かを判別する(ステップS26)。ステップS26において、炎検知部29により燃焼炎が検知されていないと判別した場合には、元弁12と制御弁13のうちの少なくともいずれか一方が、着火不能な半開故障状態にあるか又は閉故障状態にあることが検知されるので、ステップS27に進み故障対処処理を行う。
【0038】
一方、ステップS26において、炎検知部29により燃焼炎が検知されたと判別した場合には、元弁12と制御弁13が正常に開弁されていることになる。故障検知制御部26は、開閉故障検知処理を終了し、炊飯制御部27に炊飯運転の開始を指示する。この時点では、ガスバーナ3は弱燃焼状態になっているため、通常点火処理を行なわなくてよく、このため、炊飯制御部27は、ステップS25のテスト点火処理と通常点火処理は同時に行なわれたと判別して、所定時間の予備炊飯工程を実行する。
【0039】
ここで再び図3のフローチャートを参照して、予備炊飯工程の立ち上がりに際して、故障検知制御部26は、以下のように第1出力検知処理を行う(ステップS5)。故障検知制御部26は、温度センサ8の検出温度の上昇度合いと、あらかじめ定められた2つの基準値x、y(x>y)とを比較し比較結果に応じた処理を以下のように実行する。
【0040】
故障検知制御部26が、温度センサ8の検出温度の上昇度合いが基準値xよりも大きいと判別した場合には、制御弁13は正常に開閉動作をしているので炊飯制御部27はそのまま炊飯運転を継続する。また、故障検知制御部26が、温度センサ8の検出温度の上昇度合いが基準値x以下であり、且つ、基準値yよりも大きいと判別した場合には、制御弁13が半開故障状態にあると検知されるので、警告ブザー17を作動させて故障を報知すると共に、炊飯制御部27に炊飯運転を停止する指示を与える。また、故障検知制御部26が、温度センサ8の検出温度の上昇する割合が基準値y以下であると判別した場合には、制御弁13が閉故障状態にあると検知されるので、警告ブザー17を作動させて故障を報知すると共に、炊飯制御部27に炊飯運転を停止する指示を与える。
【0041】
なお、1つの基準値(x=y)以下ならば制御弁13が異常であると検知するように構成してもよい。
【0042】
予備炊飯工程の所定時間が経過すると、炊飯制御部27は電磁弁駆動回路23を介して温調弁14を作動させる(ステップS6)。これにより、ガスバーナ3は弱燃焼(本発明の第3の燃焼量)から強燃焼(本発明の第4の燃焼量)になり、炊飯制御部27は炊飯工程を実行する。続いて、故障検知制御部26は、以下のように第2出力検知処理を行う(ステップS7)。
【0043】
故障検知制御部26は、温度センサ8の検出温度の所定時間における変化を検出し、この温度上昇の度合いが、あらかじめ定められた基準値t以下か否かを判別する。故障検知制御部26が、温度センサ8の検出温度の上昇の度合いが基準値tよりも大きいと判別した場合には、温調弁14は正常なので炊飯制御部27はそのまま炊飯工程を継続する。また、故障検知制御部26が、温度センサ8の検出温度の上昇の度合いが基準値t以下であると判別した場合には、温調弁14が半開故障状態または閉故障状態にあることが検知されるので、警告ブザー17を作動させて故障を報知すると共に、炊飯制御部27に炊飯運転を停止する指示を与える。
【0044】
半開故障又は閉故障が検知されなかったときには、炊飯制御部27は、炊飯工程を続行し、温度センサ8の検出温度が所定の温度以上になったときに、温度センサ8の検出温度の単位時間当たりの変化(温度傾斜)が、あらかじめ設定された温度傾斜以上か否かを判別する(ステップS8)。例えば、本実施形態では、炊飯制御部27は温度センサ8の検出温度が92度以上になったときに、温度センサ8の検出した温度傾斜が1秒当たり0.2度以上か否かを判別するように設定されている。炊飯制御部27は、温度センサ8の検出温度が92度以上であり、且つ、温度傾斜が1秒当たり0.2度以上であると判別した場合には、電磁弁駆動回路23を介して元弁12、制御弁13、温調弁14を閉弁することにより(ステップS9)、ガスバーナ3を消火して、むらし工程を実行する。
【0045】
むらし工程においては、炊飯制御部27は、設定されたむらし時間が経過するのを待って(ステップS10)、完了ブザー16を作動させて(ステップS11)、炊飯運転を完了する。
【0046】
上記実施形態によれば、炊飯運転を行う前に、開閉故障検知処理をすることによって、元弁12、制御弁13及び温調弁14の半開故障又は閉故障を検知することができる。また、予備炊飯工程(弱燃焼の炊飯運転開始時)には、第1出力検知処理により制御弁13の半開故障又は閉故障を検知することができる。また、炊飯工程(強燃焼の炊飯運転開始時)には、第2出力検知処理により温調弁14の半開故障又は閉故障を検知することができる。また、元弁12、制御弁13及び温調弁14の半開故障又は閉故障を検知した場合に、警告ブザー17による故障の報知や炊飯運転の停止を行うことができる。
【0047】
例えば、温調弁14が閉故障状態になっていて強燃焼にならずにずっと弱燃焼のまま炊飯される場合には、通常、炊飯運転の終了時間が経過してから炊けていないことが分かるが、本実施形態では、炊飯運転を開始する前などに、警告ブザー17により使用者に異常を知らせることが可能である。従って、異常を察知した使用者は別の炊飯器を使用するなどしてお米を無駄にすることなく異常に対応することができる。
【0048】
なお、本実施形態では開閉故障検知処理において、まず、元弁12だけを開弁してテスト点火処理を行い、次に制御弁13だけを開弁してテスト点火処理を行い、次に、元弁12と制御弁13を開弁してテスト点火処理を行ったが、開弁する順序や開弁する電磁弁の種類はこれに限らない。全ての弁を順番に開閉して点検しても良い。又、開閉する弁を代えて、例えば、まず、元弁12だけを開弁してテスト点火処理を行い、次に温調弁14だけを開弁してテスト点火処理を行い、次に、元弁12と制御弁13を開弁してテスト点火処理を行うようにしてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、半開故障又は閉故障を検知したときに警告ブザー17により故障を報知すると共に、炊飯運転を停止するものとしたが、炊飯運転中に上述の故障を検知した場合には故障を報知しつつ炊飯運転を最後まで継続するようにしてもよい。
【0050】
また、本実施形態では、第1および第2の故障対処手段として警告ブザー17を設けたが、例えば、スピーカから、故障している旨を音声により報知するようにしてもよい。また、故障している旨を表示するディスプレイを設けるようにしてもよい。あるいは音による報知と表示による報知を両方とも行う構成にしてもよい。尚、警告ブザー17と完了ブザー16は別々のブザーを用いるようにしたが、同じブザーを用いるようにしてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、ガス供給路4には、元弁12、制御弁13、温調弁14の3弁が設けられたが、弁の数はこれに限定されるものではなく、元弁12と制御弁13の2弁だけの構成にしてもよい。この場合には、元弁12または制御弁13の故障が検知される。又、弁の数を4つ以上にしても良い。また、制御弁13、温調弁14を電磁開閉弁としたが、比例弁とする場合であっても本発明の適用が可能である。
【0052】
又、ガス開閉弁は、ガス通路を開閉制御できるものであれば、ソレノイド式電磁弁、マグネット式弁や比例弁に限らず、例えば、回転式制御される「パルスモータ式弁」であっても良い。
【0053】
上記実施形態では、ガス炊飯器を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ガスバーナへのガスの供給路を開閉する弁を有するものであれば良く、例えば、ガス暖房機にも応用することができる。この場合には、例えば、温風の温度を検出する温度センサを備え、燃焼運転の最中に温度設定を切り換え、その温度変化の度合いによって弁の故障を検知する。例えば、温度設定を高(本発明の第1の燃焼量)から低(本発明の第2の燃焼量)へ変えたときの温度センサの温度低下の度合いがあらかじめ定められた基準値以下であるときに弁の故障を検知するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるガス炊飯器の構成図。
【図2】図1に示したガス炊飯器の制御ブロック図。
【図3】炊飯運転および故障検知処理を示すフローチャート。
【図4】開閉故障検知処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1・・・ガス炊飯器、3・・・ガスバーナ、4・・・ガス供給路、5・・・点火電極、7・・・熱電対、8・・・温度センサ、11・・・コントローラ、12・・・元弁、13・・・制御弁、14・・・温調弁、15・・・分岐管、17・・・警告ブザー、20・・・運転開始スイッチ、26・・・故障検知制御部、27・・・炊飯制御部、29・・・炎検知部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス供給管に備えられた開閉弁の故障を検知する機能を有する燃焼器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、ガス炊飯器などの燃焼器具には、ガス供給管を介してガスが供給されるガスバーナが内蔵されており、ガス供給管には、ガスバーナへのガスの供給の遮断を行うガス開閉弁が設けられている。ガス開閉弁としては、開閉弁と該開閉弁を開閉させる吸着コイルとを備える電磁弁が使用されることが多い。開閉弁は、吸着コイルに通電されていないときはバネの付勢力により閉弁し、吸着コイルに通電されたときにはバネの付勢力に優る電磁力が発生して開弁する。このように電磁弁を用いることにより、ガスバーナへのガスの供給および遮断を容易に切り換えることができ、ガス炊飯器では、電磁弁のオン/オフ制御によりガスバーナの燃焼炎の強弱をコントロールして温調制御している。
【0003】
ところが、電磁弁の開閉部に異物等が挟まったときには、吸着コイルへの通電を遮断しても、開閉弁が閉弁せずに半開きのまま保持される、所謂半開故障が生じる場合があった。なお、半開故障では着火可能な場合と着火不能な場合とがある。また、吸着コイルに通電しても、開閉部の固着等により開閉弁が開弁せずに閉弁したまま保持される、所謂閉故障が生じる場合があった。
【0004】
一方、電磁弁の開閉状態を、通電時に吸着コイルに流れる電流の大きさから検知する方法が一般的に採用されている。しかし、かかる検知方法では、上述のように、吸着コイルの駆動回路には問題がないが異物等により開閉弁の動作に異常が生じている上記半開故障や閉故障を検知することができない。
【0005】
そして、電磁弁の半開故障や閉故障が生じると電磁弁の開閉によりガスバーナの燃焼量を予め定められた値に制御することができなくなる。例えば、燃焼運転中にガスバーナの出力を切り換えるべく電磁弁を開閉する制御を行ってもガスバーナの火力は一定のままである。そのため、例えば、ガス炊飯器においてガス量を調節する電磁弁が閉故障した状態で自動炊飯を開始したときに、ガスバーナの火力を上げることができず、所定の炊き上がり時間になっても、自動炊飯が終了しないばかりか、不十分な加熱により炊飯調理に失敗してしまうという不都合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑み、ガスバーナの燃焼運転を開始する前に、該ガスバーナへのガスの供給と遮断を切り換えるガス開閉弁の故障を確実に検知することができる燃焼器具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明の燃焼器具は、ガス供給路を介してガスが供給されるガスバーナと、ガスバーナの燃焼運転の開始を指示するための運転開始スイッチと、前記ガス供給路に設けられてガス供給路を開閉するガス通路開閉弁と、前記ガス供給路の前記ガス通路開閉弁とガスバーナの間に設けられてガスバーナに供給されるガス流量を調節する流量調節弁と、前記ガスバーナに点火するための点火電極と、前記ガスバーナの燃焼炎の有無を検知する炎検知センサと、前記運転開始スイッチにより燃焼運転の開始が指示されたときに前記ガス通路開閉弁を開弁させると共に点火電極を作動させることによりガスバーナの通常点火処理を行い、前記炎検知センサによりガスバーナの着火を検知したときに前記流量調節弁によりガスバーナの燃焼量を可変して前記燃焼運転を実行する燃焼制御手段とを備えた燃焼器具において、前記運転開始スイッチにより燃焼運転の開始の指示がなされたときに、前記燃焼制御手段による前記燃焼運転を行うための通常点火処理に先行して、前記ガス通路開閉弁と流量調節弁のうち1つを開弁し残り全てを閉弁する制御を行うと共に前記点火電極を作動させることによるテスト点火処理を順次行い、前記炎検知センサによる燃焼炎の有無を確認することによって、前記ガス通路開閉弁と前記流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の故障を検知する第1の故障検知手段と、前記第1の故障検知手段が前記ガス通路開閉弁と前記流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の故障を検知したときに、前記燃焼運転の中止または報知を行う第1の故障対処手段とを設けたことを特徴とする燃焼器具。
【0008】
かかる本発明によれば、前記第1の故障検知手段により、前記燃焼運転を行うための通常点火処理を行う前に、前記ガス通路開閉弁と流量調節弁のうち1つを開弁し残り全てを閉弁する制御を行うと共に前記点火電極を作動させることによるテスト点火処理を順次行い、前記炎検知センサによる燃焼炎の有無を確認することによって、前記ガス通路開閉弁と前記流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の故障を検知することができる。例えば、ガス通路開閉弁を開弁し、流量調節弁を閉弁する制御を行ったときに燃焼炎が検知されれば、流量調節弁が着火可能な半開故障状態にあることが検知される。また、流量調節弁を開弁し、ガス通路開閉弁を閉弁する制御を行ったときに燃焼炎が検知されれば、ガス通路開閉弁が着火可能な半開故障状態にあることが検知される。
【0009】
そして、前記第1の故障検知手段が前記ガス通路開閉弁と前記流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の故障を検知したときに、前記第1の故障対処手段により、燃焼運転の中止または報知が行われる。これにより、各弁が故障状態にあるときに燃焼運転の中止又は使用者への報知が行われ、被加熱物に対する加熱量の調節が不能な状態で前記燃焼運転が開始されることを防止することができる。
【0010】
また、本発明の燃焼器具は、前記流量調節弁として、前記ガス供給路のガス通路開閉弁とガスバーナの間に設けらられた第1の流量調節弁と、前記ガス通路開閉弁と第1の流量調節弁の間の箇所から分枝してガスバーナと連通した分岐管に設けられた第2の流量調節弁とが設けられ、前記第1の故障検知手段は、前記ガス通路開閉弁、第1の流量調節弁および第2の流量調節弁のうちのいずれか1つの弁を開弁し、他の2つの弁を閉弁する制御を行うと共に前記点火電極を作動させることによるテスト点火処理を順次行い、前記炎検知センサによる燃焼炎の有無を確認することによって、前記ガス通路開閉弁、第1の流量調節弁および第2の流量調節弁のうちの少なくともいずれか1つの弁の半開故障を検知し、前記第1の故障対処手段は、前記第1の故障検知手段が前記ガス通路開閉弁、第1の流量調節弁および第2の流量調節弁のうちの少なくともいずれか1つの弁の半開故障を検知したときに、燃焼運転の中止または報知を行うことを特徴とする。
【0011】
かかる本発明によれば、先ず前記第1の故障検知手段により、ガス通路開閉弁が開弁されて他の2つの弁が閉弁される制御が行われたときに、炎検知センサによりガスバーナの着火が確認された場合には、他の2つの弁、すなわち、第1の流量調節弁と第2の流量調節弁のいずれかが半開故障状態にあると検知することができる。また、前記第1の故障検知手段により、第1の流量調節が開弁されて他の2つの弁が閉弁される制御が行われたときに、炎検知センサによりガスバーナの着火が確認された場合には、ガス通路開閉弁が半開故障状態にあると検知することができる。さらに、前記第1の故障検知手段により、第2の流量調節弁が開弁されて他の2つの弁が閉弁される制御が行われたときに、炎検知センサによりガスバーナの着火が確認された場合にも、ガス通路開閉弁が半開故障状態にあると検知することができる。尚、ガス通路開閉弁と、第1の流量調節弁または第2の流量調節弁とが閉弁されたときに、半開故障状態を確認できる弁は、ともにガス通路開閉弁なので、どちらか一方を行なえば弁の半開故障状態を確認することができる。
【0012】
また、前記第1の故障検知手段は、先ず、前記ガス通路開閉弁を開弁して他の2つの弁を閉弁する制御を行うと共に前記点火電極を作動させることによるテスト点火処理を行い、前記炎検知センサにより燃焼炎の有無を確認することによって、前記第1の流量調節弁と第2の流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の半開故障の有無を検知し、次に、前記ガス通路開閉弁を閉弁して前記第1の流量調節弁又は第2の流量調節弁を開弁する制御を行うと共に前記点火電極を作動させることによるテスト点火処理を行い、前記炎検知センサにより燃焼炎の有無を確認することによって、前記ガス通路開閉弁の半開故障の有無を検知することを特徴とする。
【0013】
かかる本発明によれば、前記第1の故障検知手段は、先ず前記ガス通路開閉弁を開弁して他の2つの弁を閉弁する制御を行うと共に点火電極を作動させることによるテスト点火処理を行う。このとき、前記炎検知センサにより炎が検知されれば他の2つの弁、すなわち、第1の流量調節弁と第2の流量調節弁のうちの少なくとも1つが半開故障状態にあると検知できる。続いて、第1の故障検知手段は、ガス通路開閉弁を閉弁して他の2弁を開弁する制御を行うと共に点火電極を作動させることによるテスト点火処理を行う。このとき炎が検知されればガス通路開閉弁が半開故障状態にあると検知できる。従って、この一連の制御により3つの弁の故障状態を検知できることになる。
【0014】
また、弁の開弁する順番は、どの弁から始めても故障検知できるが、この中でガス通路開閉弁を最初に開弁する制御を行うことにより、ガス通路開閉弁と第1の流量調節弁および第2の流量調節弁の間にガスが残留する。そして、次に第1の流量調節弁又は第2の流量調節弁を開弁する制御を行ったときに、ガス通路開閉弁が半開故障であるなら、この残留ガスによる加圧によって第1の流量調節弁又は第2の流量調節弁を介してガスバーナに供給されるガスの流量が増加すると着火検知しやすくなることが期待できる。そのため、まず前記ガス通路開閉弁だけを開弁し、次にガス通路開閉弁を閉弁して第1の流量調節弁又は第2の流量調節弁を開弁するという順番に弁の開閉動作を行うことにより、故障検知範囲を広げることができる。
【0015】
また、前記第1の故障検知手段は、前記ガス通路開閉弁と流量調節弁とを開弁する制御を行うと共に前記点火電極を作動させることによるテスト点火処理を行い、前記炎検知センサにより燃焼炎が検知されなかった場合に、開弁制御を行なったガス通路開閉弁と流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の半開故障または閉故障と検知し、前記第1の故障対処手段は、前記第1の故障検知手段が開弁制御を行なったガス通路開閉弁と流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の半開故障または閉故障を検知したときに、燃焼運転の中止または報知を行うことを特徴とする。
【0016】
かかる本発明によれば、前記第1の故障検知手段は、前記ガス通路開閉弁と流量調節弁とを両方とも開弁する制御を行うと共に、点火電極を作動させることによるテスト点火処理を行う。このときに炎検知センサにより炎が検知されなければ、開弁制御を行なったガス通路開閉弁と流量調節弁のうちの少なくとも一方が、着火不能な半開故障または閉故障状態であると検知することができる。一方、このときに炎検知センサにより炎が検知されれば異常はなく、そのまま前記燃焼運転を行うことができる。このため、ガス通路開閉弁と流量調節弁とを両方とも開弁する制御を行うと共に点火電極を作動させることによるテスト点火処理を通常点火処理と一致させて行なっても良い。
【0017】
また、本発明の燃焼器具は、被加熱物の温度を検出する温度センサと、前記燃焼運転の開始時の前記温度センサの検出温度の上昇度合いが、あらかじめ定められた基準値以下であるときに前記流量調節弁の半開故障または閉故障を検知する第2の故障検知手段と、前記第2の故障検知手段が、前記流量調節弁の半開故障または閉故障を検知したときに報知を行う第2の故障対処手段と、をさらに設けてもよい。
【0018】
かかる本発明によれば、流量調節弁が半開故障または閉故障している場合にはガス流量を調節できず燃焼出力が不足するので正常な場合に比べて温度上昇の度合いが小さくなる。従って、温度センサがあらかじめ定められた基準値以下の温度上昇の度合いを検出した場合に、第2の故障検知手段により前記流量調節弁の半開故障又は閉故障を検知することができる。そして、第2の故障検知手段が前記流量調節弁の半開故障又は閉故障を検知した場合に、第2の故障対処手段により燃焼運転の中止又は報知を行うことができる。
【0019】
また、本発明の燃焼器具は、被加熱物の温度を検出する温度センサと、前記燃焼運転の途中でガスバーナの燃焼量を第1の燃焼量から該第1の燃焼量よりも小さく設定された第2の燃焼量に減少させたときに、前記温度センサの検出温度の低下の度合いが、あらかじめ定められた基準値以下であるときに、前記流量調節弁の半開故障または閉故障を検知する第2の故障検知手段と、前記第2の故障検知手段が、前記流量調節弁の半開故障または閉故障を検知したときに報知を行う第2の故障対処手段と、をさらに設けてもよい。
【0020】
かかる本発明によれば、流量調節弁が半開故障または閉故障している場合には燃焼運転の途中でガスバーナの燃焼量を第1の燃焼量から該第1の燃焼量よりも小さく設定された第2の燃焼量に減少させる制御を行ったとしても、ガス流量を調節できないので、正常な場合に比べて温度低下の度合いが小さくなるか、場合によっては温度上昇が続くことがある。従って、温度センサがあらかじめ定められた基準値以下の温度低下の度合い又は温度上昇を検出した場合に、第2の故障検知手段により前記流量調節弁の半開故障又は閉故障を検知することができる。そして、第2の故障検知手段が前記流量調節弁の半開故障又は閉故障を検知した場合に、第2の故障対処手段により燃焼運転の中止又は報知を行うことができる。
【0021】
また、本発明の燃焼器具は、被加熱物の温度を検出する温度センサと、前記燃焼運転の途中でガスバーナの燃焼量を第3の燃焼量から該第3の燃焼量よりも大きく設定された第4の燃焼量に増大させたときに、前記温度センサの検出温度の上昇の度合いが、あらかじめ定められた基準値以下であるときに、前記流量調節弁の半開故障または閉故障を検知する第2の故障検知手段と、前記第2の故障検知手段が、前記流量調節弁の半開故障または閉故障を検知したときに報知を行う第2の故障対処手段と、をさらに設けてもよい。
【0022】
かかる本発明によれば、流量調節弁が半開故障または閉故障している場合には燃焼運転の途中でガスバーナの燃焼量を第3の燃焼量から該第3の燃焼量よりも大きく設定された第4の燃焼量に増加させる制御を行ったとしても、ガス流量を調節できないので、正常な場合に比べて温度上昇の度合いが小さくなる。従って、温度センサがあらかじめ定められた基準値以下の温度上昇の度合いを検出した場合に、第2の故障検知手段により前記流量調節弁の半開故障又は閉故障を検知することができる。そして、第2の故障検知手段が前記流量調節弁の半開故障又は閉故障を検知した場合に、第2の故障対処手段により燃焼運転の中止又は報知を行うことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例を図1〜図4を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係るガス炊飯器の構成図である。図1を参照して、ガス炊飯器1は、釜2を加熱するガスバーナ3、ガスバーナ3に燃料ガスを供給するガス供給路4、ガスバーナ3に点火するための点火電極5、ガスバーナ3の点火状態を検出する熱電対7(本発明の炎検知センサに相当する)、釜2の底部の温度を検出する温度センサ8、報知部9、操作部10、及び炊飯運転(本発明の燃焼運転に相当する)の制御を行うコントローラ11を備える。
【0024】
ガス供給路4には、元弁12、制御弁13、及び温調弁14が設けられている。元弁12は、本発明におけるガス通路開閉弁として、ガス供給路4を開閉する。制御弁13は、本発明における第1の流量調節弁として、ガス供給路4の元弁12とガスバーナ3の間に設けられ、ガス供給路4を開閉する。温調弁14は、本発明における第2の流量調節弁として、ガス供給路4の元弁12と制御弁13の間の箇所から分枝してガスバーナ3と連通した分岐管15に設けられ、分岐管15を開閉する。元弁12、制御弁13、及び温調弁14は電磁弁であって、それぞれ開閉弁と該開閉弁を開閉させる吸着コイルとを備える。開閉弁は、吸着コイルに通電されていないときにはバネの付勢力により閉弁し、吸着コイルに通電されたときにはバネの付勢力に優る電磁力が発生して開弁する。
【0025】
温度センサ8は例えばサーミスタから構成される。なお、温度センサ8の位置は、釜2の底部に限らず、例えば、釜2周りの柄の所でも良い。報知部9は、図2を参照して炊飯の完了を報知する完了ブザー16と、本発明の第1および第2の故障対処手段としての警告ブザー17とを備える。操作部10は、図2を参照して電源スイッチ18、むらし時間を設定するためのむらし時間設定スイッチ19、および炊飯器1の運転開始を指示する運転開始スイッチ20を備える。
【0026】
コントローラ11は、図2に示すように、点火電極5に高電圧を印加するスパーカ22と、元弁12、制御弁13および温調弁14を駆動する電磁弁駆動回路23と、熱電対7の増幅回路25と、本発明の第1および第2の故障検知手段に相当する故障検知制御部26と、炊飯制御部27と、炎検知部29とを備えている。
【0027】
故障検知制御部26は、運転開始スイッチ20がオン操作されると、電磁弁駆動回路23に対して電磁弁の開閉を指示すると共に、スパーカ22を介して点火電極5を作動させる。故障検知制御部26は、炊飯運転の開始後、温度センサ8の検出温度に基づいて後述するように故障を検知する処理を実行する。また、故障検知制御部26は、電磁弁12〜14の故障を検知したときに警告ブザー17を作動させる。
【0028】
炊飯制御部27は、電磁弁駆動回路23を介して電磁弁12〜14を開閉することによりガスバーナ3の燃焼を制御する。炊飯制御部27は、設定されたむらし時間を計測するタイマ31を備え、むらし時間が経過したときに完了ブザー16を作動させる。なお、故障検知制御部26と炊飯制御部27は別々に説明し、図2に別々に記載したが、両者は同じマイコンにインストールされる場合もある。この場合には、それぞれが同一のマイコンから各部に制御の信号を送っている。
【0029】
炎検知部29は増幅回路25の出力に基づいてガスバーナ3の燃焼炎の有無を検知する。
【0030】
ガス炊飯器1のコントローラ11は、図3、図4に示すように、炊飯運転(燃焼運転)および故障検知を行う。本実施形態のガスバーナ3は、元弁12と制御弁13とが開弁すると弱燃焼になり、さらに、温調弁14も開弁すると強燃焼になる。そして炊飯運転は予備炊飯工程、炊飯工程、むらし工程の各工程に分けて行われる。
【0031】
また、故障検知制御部26は、炊飯運転を開始する前と、炊飯運転の開始後に、元弁12、制御弁13、および温調弁14の故障を検知する処理を行う。ここで、故障を検知する処理においては、元弁12、制御弁13、および温調弁14について、開閉弁が完全には閉まらない状態になっている所謂半開故障と、開閉弁が固着により開かなくなっている所謂閉故障とのいずれかの故障の検知が行われる。また、このガス炊飯器1は、故障を検知した場合に、それを報知するための故障対処手段を設けている。
【0032】
次に、フローチャートに従って、ガス炊飯器1のコントローラ11による元弁12、制御弁13、および温調弁14の故障検知と、炊飯運転の実行手順について説明する。図3のフローチャートに示すように、コントローラ11は、電源スイッチ18がオンされると(ステップS1)、むらし時間設定スイッチ19により、むらし時間が設定されていることを確認し(ステップS2)、設定されていればステップS3に進み、運転開始スイッチ20がオン状態になっていることを確認する(ステップS3)。運転開始スイッチ20がオンされると、炊飯運転を行う前に、故障検知制御部26は、ガス供給管4に配設された各電磁弁12〜14が故障しているか否かを検査する処理(開閉故障検知処理)を実行する(ステップS4)。
【0033】
この開閉故障検知処理の流れを図4のフローチャートを参照して説明する。まず、故障検知制御部26は、電磁弁駆動回路23を介して元弁12を開弁して制御弁13と温調弁14とを閉弁する制御を行うと共に、点火電極6を作動させることによるテスト点火処理を行なう(ステップS21)。そして、故障検知制御部26は、炎検知部29が燃焼炎を検知したか否かを判別する(ステップS22)。ステップS22において、炎検知部29により燃焼炎が検知されたと判別した場合には、制御弁13と温調弁14のうちの少なくともいずれか一方が半開故障状態であると検知されるので、警告ブザー17を作動させて故障対処処理を行う(ステップS27)。ステップS27において、所定時間警告ブザーを作動させた後にコントローラ11は電源をオフして運転を停止する。
【0034】
一方、ステップS22において、炎検知部29により燃焼炎が検知されていないと判別した場合には、故障検知制御部26は、電磁弁駆動回路23を介して元弁12を閉弁して制御弁13を開弁する制御を行うと共に、スパーカ22を介して点火電極6を作動させることによるテスト点火処理を行なう(ステップS23)。このとき、制御弁13が開弁し、温調弁14と元弁12とが閉弁するように制御されていることになる。そして、故障検知制御部26は、炎検知部29が燃焼炎を検知したか否かを判別する(ステップS24)。
【0035】
ステップS24において、炎検知部29により燃焼炎が検知されたと判別した場合には、元弁12が半開故障状態であることが検知されるので、ステップS27に進み故障対処処理を行う。
【0036】
一方、ステップS24において、炎検知部29により燃焼炎が検知されていないと判別した場合には、温調弁14をON、元弁12と制御弁13をOFFしてテスト点火処理を行なっても良いが、これにより故障が検知されるものは元弁12であり、ステップS23と同様の検知対象であるため、この検知は今回は行なわない。そのため、故障検知制御部26は、元弁12を開弁する制御を行うと共に点火電極6を作動させることによるテスト点火処理を行なう(ステップS25)。ステップS25において、元弁12と制御弁13が開弁し、温調弁14が閉弁するように制御されていることになる。
【0037】
次に、故障検知制御部26は、炎検知部29が燃焼炎を検知したか否かを判別する(ステップS26)。ステップS26において、炎検知部29により燃焼炎が検知されていないと判別した場合には、元弁12と制御弁13のうちの少なくともいずれか一方が、着火不能な半開故障状態にあるか又は閉故障状態にあることが検知されるので、ステップS27に進み故障対処処理を行う。
【0038】
一方、ステップS26において、炎検知部29により燃焼炎が検知されたと判別した場合には、元弁12と制御弁13が正常に開弁されていることになる。故障検知制御部26は、開閉故障検知処理を終了し、炊飯制御部27に炊飯運転の開始を指示する。この時点では、ガスバーナ3は弱燃焼状態になっているため、通常点火処理を行なわなくてよく、このため、炊飯制御部27は、ステップS25のテスト点火処理と通常点火処理は同時に行なわれたと判別して、所定時間の予備炊飯工程を実行する。
【0039】
ここで再び図3のフローチャートを参照して、予備炊飯工程の立ち上がりに際して、故障検知制御部26は、以下のように第1出力検知処理を行う(ステップS5)。故障検知制御部26は、温度センサ8の検出温度の上昇度合いと、あらかじめ定められた2つの基準値x、y(x>y)とを比較し比較結果に応じた処理を以下のように実行する。
【0040】
故障検知制御部26が、温度センサ8の検出温度の上昇度合いが基準値xよりも大きいと判別した場合には、制御弁13は正常に開閉動作をしているので炊飯制御部27はそのまま炊飯運転を継続する。また、故障検知制御部26が、温度センサ8の検出温度の上昇度合いが基準値x以下であり、且つ、基準値yよりも大きいと判別した場合には、制御弁13が半開故障状態にあると検知されるので、警告ブザー17を作動させて故障を報知すると共に、炊飯制御部27に炊飯運転を停止する指示を与える。また、故障検知制御部26が、温度センサ8の検出温度の上昇する割合が基準値y以下であると判別した場合には、制御弁13が閉故障状態にあると検知されるので、警告ブザー17を作動させて故障を報知すると共に、炊飯制御部27に炊飯運転を停止する指示を与える。
【0041】
なお、1つの基準値(x=y)以下ならば制御弁13が異常であると検知するように構成してもよい。
【0042】
予備炊飯工程の所定時間が経過すると、炊飯制御部27は電磁弁駆動回路23を介して温調弁14を作動させる(ステップS6)。これにより、ガスバーナ3は弱燃焼(本発明の第3の燃焼量)から強燃焼(本発明の第4の燃焼量)になり、炊飯制御部27は炊飯工程を実行する。続いて、故障検知制御部26は、以下のように第2出力検知処理を行う(ステップS7)。
【0043】
故障検知制御部26は、温度センサ8の検出温度の所定時間における変化を検出し、この温度上昇の度合いが、あらかじめ定められた基準値t以下か否かを判別する。故障検知制御部26が、温度センサ8の検出温度の上昇の度合いが基準値tよりも大きいと判別した場合には、温調弁14は正常なので炊飯制御部27はそのまま炊飯工程を継続する。また、故障検知制御部26が、温度センサ8の検出温度の上昇の度合いが基準値t以下であると判別した場合には、温調弁14が半開故障状態または閉故障状態にあることが検知されるので、警告ブザー17を作動させて故障を報知すると共に、炊飯制御部27に炊飯運転を停止する指示を与える。
【0044】
半開故障又は閉故障が検知されなかったときには、炊飯制御部27は、炊飯工程を続行し、温度センサ8の検出温度が所定の温度以上になったときに、温度センサ8の検出温度の単位時間当たりの変化(温度傾斜)が、あらかじめ設定された温度傾斜以上か否かを判別する(ステップS8)。例えば、本実施形態では、炊飯制御部27は温度センサ8の検出温度が92度以上になったときに、温度センサ8の検出した温度傾斜が1秒当たり0.2度以上か否かを判別するように設定されている。炊飯制御部27は、温度センサ8の検出温度が92度以上であり、且つ、温度傾斜が1秒当たり0.2度以上であると判別した場合には、電磁弁駆動回路23を介して元弁12、制御弁13、温調弁14を閉弁することにより(ステップS9)、ガスバーナ3を消火して、むらし工程を実行する。
【0045】
むらし工程においては、炊飯制御部27は、設定されたむらし時間が経過するのを待って(ステップS10)、完了ブザー16を作動させて(ステップS11)、炊飯運転を完了する。
【0046】
上記実施形態によれば、炊飯運転を行う前に、開閉故障検知処理をすることによって、元弁12、制御弁13及び温調弁14の半開故障又は閉故障を検知することができる。また、予備炊飯工程(弱燃焼の炊飯運転開始時)には、第1出力検知処理により制御弁13の半開故障又は閉故障を検知することができる。また、炊飯工程(強燃焼の炊飯運転開始時)には、第2出力検知処理により温調弁14の半開故障又は閉故障を検知することができる。また、元弁12、制御弁13及び温調弁14の半開故障又は閉故障を検知した場合に、警告ブザー17による故障の報知や炊飯運転の停止を行うことができる。
【0047】
例えば、温調弁14が閉故障状態になっていて強燃焼にならずにずっと弱燃焼のまま炊飯される場合には、通常、炊飯運転の終了時間が経過してから炊けていないことが分かるが、本実施形態では、炊飯運転を開始する前などに、警告ブザー17により使用者に異常を知らせることが可能である。従って、異常を察知した使用者は別の炊飯器を使用するなどしてお米を無駄にすることなく異常に対応することができる。
【0048】
なお、本実施形態では開閉故障検知処理において、まず、元弁12だけを開弁してテスト点火処理を行い、次に制御弁13だけを開弁してテスト点火処理を行い、次に、元弁12と制御弁13を開弁してテスト点火処理を行ったが、開弁する順序や開弁する電磁弁の種類はこれに限らない。全ての弁を順番に開閉して点検しても良い。又、開閉する弁を代えて、例えば、まず、元弁12だけを開弁してテスト点火処理を行い、次に温調弁14だけを開弁してテスト点火処理を行い、次に、元弁12と制御弁13を開弁してテスト点火処理を行うようにしてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、半開故障又は閉故障を検知したときに警告ブザー17により故障を報知すると共に、炊飯運転を停止するものとしたが、炊飯運転中に上述の故障を検知した場合には故障を報知しつつ炊飯運転を最後まで継続するようにしてもよい。
【0050】
また、本実施形態では、第1および第2の故障対処手段として警告ブザー17を設けたが、例えば、スピーカから、故障している旨を音声により報知するようにしてもよい。また、故障している旨を表示するディスプレイを設けるようにしてもよい。あるいは音による報知と表示による報知を両方とも行う構成にしてもよい。尚、警告ブザー17と完了ブザー16は別々のブザーを用いるようにしたが、同じブザーを用いるようにしてもよい。
【0051】
また、上記実施形態では、ガス供給路4には、元弁12、制御弁13、温調弁14の3弁が設けられたが、弁の数はこれに限定されるものではなく、元弁12と制御弁13の2弁だけの構成にしてもよい。この場合には、元弁12または制御弁13の故障が検知される。又、弁の数を4つ以上にしても良い。また、制御弁13、温調弁14を電磁開閉弁としたが、比例弁とする場合であっても本発明の適用が可能である。
【0052】
又、ガス開閉弁は、ガス通路を開閉制御できるものであれば、ソレノイド式電磁弁、マグネット式弁や比例弁に限らず、例えば、回転式制御される「パルスモータ式弁」であっても良い。
【0053】
上記実施形態では、ガス炊飯器を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ガスバーナへのガスの供給路を開閉する弁を有するものであれば良く、例えば、ガス暖房機にも応用することができる。この場合には、例えば、温風の温度を検出する温度センサを備え、燃焼運転の最中に温度設定を切り換え、その温度変化の度合いによって弁の故障を検知する。例えば、温度設定を高(本発明の第1の燃焼量)から低(本発明の第2の燃焼量)へ変えたときの温度センサの温度低下の度合いがあらかじめ定められた基準値以下であるときに弁の故障を検知するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるガス炊飯器の構成図。
【図2】図1に示したガス炊飯器の制御ブロック図。
【図3】炊飯運転および故障検知処理を示すフローチャート。
【図4】開閉故障検知処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1・・・ガス炊飯器、3・・・ガスバーナ、4・・・ガス供給路、5・・・点火電極、7・・・熱電対、8・・・温度センサ、11・・・コントローラ、12・・・元弁、13・・・制御弁、14・・・温調弁、15・・・分岐管、17・・・警告ブザー、20・・・運転開始スイッチ、26・・・故障検知制御部、27・・・炊飯制御部、29・・・炎検知部。
Claims (7)
- ガス供給路を介してガスが供給されるガスバーナと、ガスバーナの燃焼運転の開始を指示するための運転開始スイッチと、前記ガス供給路に設けられてガス供給路を開閉するガス通路開閉弁と、前記ガス供給路の前記ガス通路開閉弁とガスバーナの間に設けられてガスバーナに供給されるガス流量を調節する流量調節弁と、前記ガスバーナに点火するための点火電極と、前記ガスバーナの燃焼炎の有無を検知する炎検知センサと、前記運転開始スイッチにより燃焼運転の開始が指示されたときに前記ガス通路開閉弁を開弁させると共に点火電極を作動させることによりガスバーナの通常点火処理を行い、前記炎検知センサによりガスバーナの着火を検知したときに前記流量調節弁によりガスバーナの燃焼量を可変して前記燃焼運転を実行する燃焼制御手段とを備えた燃焼器具において、
前記運転開始スイッチにより燃焼運転の開始の指示がなされたときに、前記燃焼制御手段による前記燃焼運転を行うための通常点火処理に先行して、前記ガス通路開閉弁と流量調節弁のうち1つを開弁し残り全てを閉弁する制御を行うと共に前記点火電極を作動させることによるテスト点火処理を順次行い、前記炎検知センサによる燃焼炎の有無を確認することによって、前記ガス通路開閉弁と前記流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の故障を検知する第1の故障検知手段と、
前記第1の故障検知手段が前記ガス通路開閉弁と前記流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の故障を検知したときに、前記燃焼運転の中止または報知を行う第1の故障対処手段とを設けたことを特徴とする燃焼器具。 - 前記流量調節弁として、前記ガス供給路のガス通路開閉弁とガスバーナの間に設けられた第1の流量調節弁と、前記ガス通路開閉弁と第1の流量調節弁の間の箇所から分枝してガスバーナと連通した分岐管に設けられた第2の流量調節弁とが設けられ、
前記第1の故障検知手段は、前記ガス通路開閉弁、第1の流量調節弁および第2の流量調節弁のうちのいずれか1つの弁を開弁し、他の2つの弁を閉弁する制御を行うと共に前記点火電極を作動させることによるテスト点火処理を順次行い、前記炎検知センサによる燃焼炎の有無を確認することによって、前記ガス通路開閉弁、第1の流量調節弁および第2の流量調節弁のうちの少なくともいずれか1つの弁の半開故障を検知し、
前記第1の故障対処手段は、前記第1の故障検知手段が前記ガス通路開閉弁、第1の流量調節弁および第2の流量調節弁のうちの少なくともいずれか1つの弁の半開故障を検知したときに、燃焼運転の中止または報知を行うことを特徴とする請求項1に記載の燃焼器具。 - 前記第1の故障検知手段は、先ず、前記ガス通路開閉弁を開弁して他の2つの弁を閉弁する制御を行うと共に前記点火電極を作動させることによるテスト点火処理を行い、前記炎検知センサにより燃焼炎の有無を確認することによって、前記第1の流量調節弁と第2の流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の半開故障の有無を検知し、次に、前記ガス通路開閉弁を閉弁して前記第1の流量調節弁又は第2の流量調節弁を開弁する制御を行うと共に前記点火電極を作動させることによるテスト点火処理を行い、前記炎検知センサにより燃焼炎の有無を確認することによって、前記ガス通路開閉弁の半開故障の有無を検知することを特徴とする請求項2に記載の燃焼器具。
- 前記第1の故障検知手段は、前記ガス通路開閉弁と流量調節弁とを開弁する制御を行うと共に前記点火電極を作動させることによるテスト点火処理を行い、前記炎検知センサにより燃焼炎が検知されなかった場合に、開弁制御を行なったガス通路開閉弁と流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の半開故障または閉故障と検知し、
前記第1の故障対処手段は、前記第1の故障検知手段が開弁制御を行なったガス通路開閉弁と流量調節弁のうちの少なくともいずれか一方の半開故障または閉故障を検知したときに、燃焼運転の中止または報知を行うことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の燃焼器具。 - 被加熱物の温度を検出する温度センサと、
前記燃焼運転の開始時の前記温度センサの検出温度の上昇度合いが、あらかじめ定められた基準値以下であるときに前記流量調節弁の半開故障または閉故障を検知する第2の故障検知手段と、
前記第2の故障検知手段が、前記流量調節弁の半開故障または閉故障を検知したときに報知を行う第2の故障対処手段と、
をさらに設けたことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の燃焼器具。 - 被加熱物の温度を検出する温度センサと、
前記燃焼運転の途中でガスバーナの燃焼量を第1の燃焼量から該第1の燃焼量よりも小さく設定された第2の燃焼量に減少させたときに、前記温度センサの検出温度の低下の度合いが、あらかじめ定められた基準値以下であるときに、前記流量調節弁の半開故障または閉故障を検知する第2の故障検知手段と、
前記第2の故障検知手段が、前記流量調節弁の半開故障または閉故障を検知したときに報知を行う第2の故障対処手段と、
をさらに設けたことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の燃焼器具。 - 被加熱物の温度を検出する温度センサと、
前記燃焼運転の途中でガスバーナの燃焼量を第3の燃焼量から該第3の燃焼量よりも大きく設定された第4の燃焼量に増大させたときに、前記温度センサの検出温度の上昇の度合いが、あらかじめ定められた基準値以下であるときに、前記流量調節弁の半開故障または閉故障を検知する第2の故障検知手段と、
前記第2の故障検知手段が、前記流量調節弁の半開故障または閉故障を検知したときに報知を行う第2の故障対処手段と、
をさらに設けたことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の燃焼器具。
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CN108468849A (zh) * | 2018-04-12 | 2018-08-31 | 无锡市启山林科技有限公司 | 商用燃气比例控制节能蒸柜及其控制方法 |
-
2002
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