JP3977273B2 - 2色カラー画像形成方法及びカラー画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿に対して2色カラー処理をして画像形成を行う2色カラー画像形成方法及びカラー画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カラー複写機において、原稿がカラーかモノクロかを自動的に判定する判定部(オートカラーセレクト(ACS)という)を持ち、モノクロ判定ならモノクロコピーを行い、カラーと判定されかつ文字原稿と判別された場合はモノクロコピーを行い、カラーと判定されかつ写真原稿と判別された場合はカラーコピーを行うようにしたものが知られている。
【0003】
一方、3色又は4色のフルカラーコピーよりもトナー消費量の少ない2色カラーコピーにより、安価にカラーコピーを行いたいという理由で、2色カラー処理機能が設定可能なカラー画像形成装置が開発されている。
また、各色を同一のドラムで像形成するワンドラム型のカラー画像形成装置では、現像に必要なドラムの回転数がフルカラーでは4回転必要であるが、2色カラーでは2回転又は3回転でよくなり、出力速度を速くできる
【0004】
【特許文献1】
特開2002-247390号公報
【特許文献2】
特開平11-187279号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のオートカラーセレクト(ACS)の判定は、フルカラーかモノクロかの2種類であった。そのため、文字原稿において、強調したい文字を色文字としている原稿においてACS判定を行うと、モノクロ判定となることがほとんどであり、モノクロで複写されるため、コピー強調したい文字が色文字で複写されず、強調したい文章が分かりずらくなっていた。
【0006】
そのため、ユーザは、自らの選択で2色コピーを選択する必要があり、ACSを利用する頻度が少なくなっている。
そこで、本発明は、オートカラーセレクト(ACS)において、2色カラー処理を選択可能とする2色カラー画像形成方法及びカラー画像形成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の2色カラー画像形成方法は、原稿に対して、オートカラーセレクト処理により、フルカラー原稿であるか、モノクロ原稿であるかを判定し、モノクロ原稿と判定された場合に、原稿に2色以上の文字領域が存在するかどうかを判定し、原稿に2色以上の文字領域が存在する場合に、ユーザにモノクロ処理又は2色カラー処理のいずれかを選択させ、選択された結果に応じて原稿をモノクロ処理又は2色カラー処理して画像形成を行う方法である(請求項1)。
【0008】
この方法によれば、オートカラーセレクト処理により、モノクロ原稿と判定された場合に、領域分離で文字領域などの分離を行い、分離された文字領域に使用されている色の数を特定する。1色だけの場合はモノクロの処理を行う。2色以上の文字原稿と判定された場合、例えば黒と他の色の2色が存在する場合に、2色カラー処理を行うかモノクロ処理を行うかユーザに選択させ、選択された結果に応じて原稿をモノクロ処理又は2色カラー処理して画像形成を行うことができる。
【0009】
ここで、「2色カラー処理」とは、3原色としてシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を使う場合、CM,CY,MY,CK,MK,YK,CMK,CYK又はMYKのいずれかの組み合わせを使って画像を形成することをいう(Kはブラックを表す)。3原色としてレッド(R)、グリーン(G)及びブルー(B)を使う場合、RG,GB,BR,RK,BK,BK,RGK,GBK又はRBKのいずれかの組み合わせを使って画像を形成することをいう。
【0010】
このように、オートカラーセレクト処理により、モノクロ原稿と判定された場合でも、ユーザが2色カラー処理を選択することができるので、強調したい文字を色文字としている原稿において、当該強調したい文字を、同じ色の色文字又は他の色の色文字で形成することができる。
前記ユーザが処理の種類を選択する手順において、ユーザが2色カラー処理を選択した場合に、文字領域以外についてユーザにモノクロ処理又は2色カラー処理のいずれかを選択させ、ユーザがモノクロ処理を選択した場合、文字領域は2色カラー処理で、文字領域以外モノクロ処理で画像形成を行い、ユーザが2色カラー処理を選択した場合、原稿全体を2色カラー処理して画像形成を行うようにしてもよい(請求項2)。
【0011】
この方法によれば、強調したい文字を色文字としている原稿において、ユーザの選択により、文字領域は2色カラー処理で、文字領域以外モノクロ処理で画像形成を行うことにより、文字領域のみにおいて強調したい文字を色文字で形成することができる。したがって、文字のみの強調が行える。
前記ユーザが処理の種類を選択する手順において、ユーザに2色カラー処理を選択させる前に、トナーの残量の多い色、原稿中の使用頻度の高い色、又は過去の選択頻度の高い色をユーザにデフォルトとして提示して選択させることもできる(請求項3)。
【0012】
このように、トナーの残量の多い色、原稿中の使用頻度の高い色、又は選択頻度の高い色をユーザにデフォルトとして提示して選択させることによって、それぞれ(1)トナーの残量を有効に利用できる色、(2)原稿になるべく忠実な色を再現できる色、又は(3)過去の実績から当該画像形成装置の使用原稿にふさわしい色を、ユーザの手間をかけずに、ユーザに選択させることができる。
前記ユーザが処理の種類を選択する手順において、ユーザが2色カラー処理を選択した場合に、ユーザが任意の2色カラーの組み合わせを選択できるようにしてもよい(請求項4)。ユーザがデフォルトとして提示されている色以外の色を選択したい場合に、ユーザの好みに応じた色が選択できる。
【0013】
前記ユーザが処理の種類を選択する手順において、ユーザに2色カラー処理を選択させる場合、トナーの残量の多い色、原稿中の使用頻度の高い色、又は過去の選択頻度の高い色の中から色差の大きい2色をユーザにデフォルトとして提示して選択させてもよい(請求項5)。これにより、2色カラー処理をしたときに、色の差がハッキリと出た読み易い画像を得ることができる。
【0014】
前記ユーザが処理の種類を選択する手順において、ユーザが選択した処理と原稿の色の特徴との関係を記憶し、この関係に基づいて、次回以後の文字領域判定閾値に反映させることが好ましい(請求項6)。これによって、文字原稿であるかそうでない原稿であるかの判定が適切に行え、判定結果の片寄りを防止できる。
また、本発明のカラー画像形成装置は、請求項1記載の2色カラー画像形成方法と同一の発明に係るものである(請求項7)。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るディジタルカラー複写機1の内部構成を示す概略断面図である。
このディジタルカラー複写機1は、原稿読取部2で読み取った原稿のカラー画像データに基づいて、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の各単色トナーを用紙に対して重ね合わせることによって、いわゆる電子写真方式により、モノクロ、2色又はフルカラー画像を形成することができる。
【0016】
原稿読取部2で画像を読み取らせるための原稿は、当該ディジタルカラー複写機1の上面に配置されたコンタクトガラス3上に、その画像が下方を向くようにしてセットされる。このコンタクトガラス3の上方には、開閉可能なカバー4が対向して配置されていて、このカバー4を開閉して、1枚ずつ原稿をコンタクトガラス3上にセットすることができるようになっている。
原稿読取部2は、コンタクトガラス3上にセットされた原稿を下方から照明するための光源21と、原稿からの反射光を検出して電気信号に変換するためのCCDイメージセンサ22と、原稿からの反射光をCCDイメージセンサ22の検出面に導くための第1、第2及び第3の反射鏡231〜233と、原稿の光学像をCCDイメージセンサ22の検出面上に結像させるためのレンズ24とを備えている。原稿の主走査は、CCDイメージセンサ22における電気的な走査により達成される。
【0017】
光源21及び第1反射鏡231は、第1保持部材251に保持されており、第2及び第3反射鏡232,233は、第2保持部材252に保持されていて、これらの第1及び第2保持部材251,252は、コンタクトガラス3の下面に沿って、図1の左右方向(副走査方向)に移動可能となっている。第1及び第2保持部材251,252は、ステッピングモータの回転駆動により、第2保持部材252の速度が第1保持部材251の半分の速度となるように、互いに同じ方向に移動するようになっている。第1及び第2保持部材251,252の移動に伴う光源21及び反射鏡231〜233の移動により、コンタクトガラス3上にセットされた原稿の副走査が行われる。
【0018】
CCDイメージセンサ22の検出面には、レッド(R)、グリーン(G)及びブルー(B)の各色を検出するため読取ライン22R,22G,22Bが、それぞれ主走査方向に沿って、互いに所定の間隔(例えば、4ライン分の距離)を空けて延びている。光源21から照射した光は原稿に反射し、その反射光は、反射鏡231〜233に反射してCCDイメージセンサ22の検出面に入射する。そして、CCDイメージセンサ22の各読取ライン(レッド読取ライン22R、グリーン読取ライン22G、ブルー読取ライン22B)で検出された各色成分(RGB)に基づく画像信号が、当該ディジタルカラー複写機1に備えられた制御部5(図2参照)に入力される。
【0019】
制御部5は、入力された画像信号に基づいて、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の中から選ばれた1色、2色、3色又は全色のデジタル画像データを生成し、それぞれのデジタル画像データをレーザ走査ユニット6(LSU)に与える。レーザ走査ユニット6は、与えられた各デジタル画像データに基づく照射光を、画像形成部7に備えられた略円筒状の感光体71の表面に向けて別々に照射する。
【0020】
画像形成部7には、上記感光体71の他に、感光体71の表面を帯電するためのメインチャージャ72と、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色トナーを収容し、感光体71の表面に各色トナー像を形成するための現像装置73C,73M,73Y,73BKと、トナー像転写後の感光体71の表面に残留したトナーを除去するためのクリーニング装置73とが備えられている。
感光体71の表面には、略円筒状の転写ドラム75の表面が当接している。この転写ドラム75は、その外周の長さが、使用する用紙の長さよりも長くなるように形成されている。転写ドラム75内には、感光体71と対向する位置に、転写装置76が備えられている。このディジタルカラー複写機1では、図1における時計回りに回転する転写ドラム75に用紙を巻き付けて、転写位置(感光体71と転写ドラム75との間)を1回から4回通過させることにより、感光体71の表面に順次形成される各色トナー像を、転写装置76の働きによって1色ずつ用紙に転写させることができるようになっている。
【0021】
より具体的に説明すると、画像形成時には、まず、図1において反時計回りに回転する感光体71の表面が、メインチャージャ72の放電によって一様に帯電される。この帯電された感光体71の表面に対して、原稿読取部2で読み取った原稿のデジタル画像データに基づく照射光がレーザ走査ユニット6から照射されることにより、感光体71の表面が選択的に露光され、感光体71の表面には、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのうちいずれか1色に対応する静電潜像が形成される。そして、静電潜像が形成された感光体71の表面には、上記1色のトナーに対応する現像装置によりトナーが付着され、用紙に転写すべき1色のトナー像が形成される。
【0022】
使用する用紙は、例えば、用紙カセット8または手差しトレイ9にセット可能となっていて、ディジタルカラー複写機1内には、用紙カセット8及び手差しトレイ9のそれぞれから画像形成部7へと用紙を導くことができるように、分岐した用紙搬送路10が配置されている。
用紙カセット8は、例えば複数枚の用紙を収容可能であって、収容されている用紙をピックアップローラ81により1枚ずつ用紙搬送路10に送り出すことができるようになっている。一方、手差しトレイ9に1枚ずつセットされる用紙は、給紙ローラ91により用紙搬送路10に送り出されるようになっている。
【0023】
用紙カセット8または手差しトレイ9から用紙搬送路10を通って画像形成部7側に送られてきた用紙は、その先端がレジストローラ11に到達した時点で一旦停止される。そして、感光体71の表面に形成された上記1色のトナー像が転写ドラム75に対向する位置にくるタイミングと、用紙が転写位置に到達するタイミングとが合うように、レジストローラ11の回転が再開される。このとき、転写ドラム75の表面に対向して配置された放電装置12の放電により、転写ドラム75の表面に静電気が付与され、レジストローラ11から送り出された用紙は、静電気力によって転写ドラム75に巻き付けられるようになっている。レジストローラ11から送り出された用紙は、転写ローラ75に巻き付けられながら転写位置へ向かい、感光体71の表面に形成された上記1色のトナー像が用紙に転写される。
【0024】
続いて他の色の転写を続ける場合は、トナー像転写後の感光体71は、その表面に残留しているトナーがクリーニング装置73により回収された後、再びメインチャージャ72によって一様に帯電される。この帯電された感光体71の表面には、レーザ走査ユニット6からの照射光により、次に形成すべき色のトナー像に対応する静電潜像が形成される。この静電潜像が形成された感光体71の表面には、その色に対応する現像装置によりトナーが付着され、用紙に転写すべき次の1色のトナー像が形成される。そして、この感光体71の表面に形成されたトナー像が、転写ドラム75に巻き付けられて再び転写位置に到達した用紙に転写される。
【0025】
このようにして、転写ドラム75に用紙を巻き付けて転写位置を1〜4回通過させ、用紙が転写位置を通過する度にトナー像を用紙に転写することにより、シアン、マゼンタ、イエロー及びブラックから選ばれる1〜4色のトナー像が用紙に(2色以上の場合は重ねて)転写される。
用紙に1〜4色のトナー像が転写されると、放電装置12の放電により転写ドラム75の表面の静電気が除去され、用紙が転写ドラム75から分離される。そして、用紙が分離された後の転写ドラム75の表面に付着しているトナーが、クリーニングブラシ装置77により回収される。
【0026】
転写ドラム75から分離されたトナー像転写後の用紙は、回転する無端状の搬送ベルト13の表面に載って定着装置14へと搬送される。そして、定着装置14によって所定の定着処理がなされた後の用紙は、搬送ローラ15及び排出ローラ16を経て、機外に配置された用紙排出部17に排出される。
図2は、本発明における画像処理の流れを説明するためのブロック図である。
ディジタルカラー複写機1内には、マイクロコンピュータなどにより構成される制御部5が備えられている。制御部5は、カラー画像読取回路51、入力補正回路52、領域分離回路53、UCR・黒生成回路54、カラー・白黒原稿判別回路55、文字領域判定回路56、空間フィルター処理回路57、出力階調処理回路58などを機能的に有している。
【0027】
さらに、制御部5には、ディジタルカラー複写機1の上面に配置された操作部18からの信号が入力されるようになっている。ユーザは、操作部18を操作することにより、当該ディジタルカラー複写機1における画像形成動作を開始させたり、モノクロで処理するか、2色カラーで処理するか、フルカラーで処理するかを選択したりすることができる。また、原稿の中に、文字領域が閾値以上の割合で存在するかどうか判定するときの閾値を、例えば「文字判定 強/中/弱」といった形でユーザに選択させることもできる。
【0028】
CCDイメージセンサ22から制御部5に、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の画像信号が入力されると、制御部5は、CD−ROMやハードディスクなど所定の媒体に予め記憶されているプログラムソフトウェアを用いて、各処理回路における種々の処理を行う。
具体的には、まず、カラー画像読取回路51は、入力された各色の画像信号を取り込み、レッド、グリーン及びブルーの各画像信号を、シアン、マゼンタ及びイエローの各デジタル画像データ(例えば、256階調)に量子化して変換して入力補正回路52に送る。入力補正回路52は、各色の取り込みタイミングのずれを補正するためのライン補正を行い、光源21などの光学系が主走査方向の中央部と端部とで異なる配光特性(主走査方向両端部の輝度が低下する特性)を有することに起因する読取ラインの感度ばらつきを補正するためのシェーディング補正処理や、原稿の濃度に比例する階調特性を持たせるためのγ補正処理の他、デジタル画像データを副走査方向に拡大または縮小する処理や、主走査方向に拡大または縮小する処理などを施す。
【0029】
領域分離処理回路53は、原稿画像の中で、文字領域、写真領域(網点領域)、グラフなどの図形領域を抽出し、それぞれの画像信号に分離して、UCR・黒生成回路54に送る。
UCR・黒生成回路54は、シアン、マゼンタ及びイエローから同じ成分(レベル)だけを取り出し、ブラックの成分に置き換えることにより、黒生成処理を行う。これにより、レーザ走査ユニット6に与えられるデジタル画像データには、ブラック(BK)のデジタル画像データが付加されることになる。
【0030】
カラー・白黒原稿判別回路55は、ACS(オートカラーセレクト)処理を用いて原稿がフルカラーかモノクロかを判定する。
文字領域判定回路56は、原稿の中に文字の割合が閾値以上に存在するかどうか、及び原稿の中に2色以上の文字の割合が閾値以上に存在するかを判定する。
空間フィルター処理回路57は、2色カラー処理をする際に、原稿画像を、選択された色のみの画像に変換する処理を行う。またフィルター処理(いわゆるエッジ強調処理や平滑化処理など)を行う。
【0031】
以上の各回路で処理されたデジタル画像データは、出力階調処理回路58で出力階調処理が施されて、出力階調処理後に出力装置59を通してレーザ走査ユニット6に送られるようになっている。出力階調処理には、例えば、中間値処理(いわゆる誤差拡散処理やディザ処理など)などが含まれる。
以下、カラー・白黒原稿判別回路55及び文字領域判定回路56における2色カラー設定手順を、フローチャートを用いて説明する。
【0032】
図3は、全体の設定手順を示すフローチャートである。制御部5に画像データが入力されると(ステップS1)、ACS(オートカラーセレクト)処理を用いて原稿はフルカラーかモノクロかを判定する(ステップS2)。強調したい文字のみを色文字としている2色原稿は、判定基準によってフルカラーと判定される場合もあり、モノクロと判定される場合もある。モノクロと判定された場合、文字領域判定回路56は、文字領域の中に2色以上の文字が存在するかどうか判定する(ステップS3)。2色以上の文字が存在するかどうかの基準は、文字領域にある2色以上の文字の割合が所定の閾値より高いかどうかで行う。存在しなければ、本当のモノクロ原稿であるから、モノクロ処理を行う(ステップS11)。2色以上存在すれば、モノクロで処理するか、2色カラーで処理するかを、操作部18を操作して、ユーザが選択する(ステップS4)。選択された処理がモノクロであれば、モノクロ処理を行う。選択された処理が2色カラー処理であれば、文字以外の部分(例えば写真や図柄の部分)をモノクロで処理するか、2色カラーで処理するかをユーザが選択する(ステップS6)。2色カラーが選択されたのなら、原稿全体に対して2色カラー処理を行う(ステップS10)。モノクロが選択されたのなら、文字部分のみ2色カラー処理を行い、文字以外の部分はモノクロ処理を行う(ステップS9)。なお、前記ステップS6においてユーザが再度選択するのでなく、すでにステップS4で選択された結果を利用してもよい。
【0033】
ステップS2において原稿がフルカラーと判定された場合は、原稿の中に、文字領域が閾値以上の割合で存在するかどうか判定する(ステップS13)。フルカラー写真やカラーポスターなど、文字領域が少なく、閾値以上存在しない原稿は、フルカラー処理を行う(ステップS12)。なお、この閾値は、ユーザが設定できるようにしてもよい。色文字を多用したビジネス文書など文字領域が多く、閾値以上存在する原稿の場合は、文字領域の中に2色以上の文字が存在するかどうか判定し(ステップS14)、2色以上の文字が存在すれば、原稿全体をフルカラーで処理するか、2色カラーで処理するかをユーザが選択する(ステップS15)。選択されたのが2色カラーの場合は、原稿全体に対して2色カラー処理を行う(ステップS10)。選択されたのがフルカラーの場合は、原稿全体に対してフルカラー処理を行う(ステップS12)。
【0034】
前記2色カラー処理(ステップS10)においては、文字部分あるいはそれ以外の部分でもっとも使用頻度の多いブラック以外の1色とブラック、又はもっとも使用頻度の多いブラック以外の2色、もしくはその2色とブラックを使って、空間フィルター処理回路57は、原稿の階調をなるべく忠実に再現するように、レーザ走査ユニット6に与えられるデジタル画像データを生成する。例えばシアンとイエローとが選択されたのなら、原稿のシアンの部分は、シアン又はシアンとブラックのトナーを使って再現し、原稿のイエローの部分は、イエロー又はイエローとブラックのトナーを使って再現し、マゼンタの部分は、シアンとイエロー、又はシアンとイエローとブラックのトナーを使って、原稿の階調になるべく忠実に再現する。
【0035】
このように、ACS(オートカラーセレクト)処理でモノクロと判定された場合、文字領域が黒と他の色など2色以上ある場合に、ユーザがモノクロ処理をするか、2色カラー処理をするかを選択することができる。また、文字以外の部分に関してはユーザがモノクロ処理をするか、2色カラー処理をするかを選択するようにしてもよいし、文字部分の選択結果を利用してもよい。
また、ACS(オートカラーセレクト)処理でフルカラーと判定された場合、文字領域が黒と他の色など2色以上ある場合に、ユーザが2色カラー処理をするか、フルカラー処理をするかを選択することができる。
【0036】
以上の図3のフローチャートで、ユーザがモノクロ、2色カラー又はフルカラーを選択する手順(ステップS4,S6,S15)において、選択された処理と原稿の特徴を履歴として記憶しておき、次回以後の原稿の判定基準(ステップS3,S13)に反映させることも可能である。
図4は、選択された処理と原稿の特徴を記憶しておき、次回以後の原稿の判定基準に反映させる手順を説明するための機能ブロック図である(図3のフローチャートの手順と一部重複している)。
【0037】
本手順において、まずACS処理部(S2)で原稿はフルカラーかモノクロかを判定する。モノクロと判定された場合、文字領域判定部(S3)で判定を行う。この判定は、前述した原稿の中に2色以上の文字の割合が閾値以上に存在するかどうかを判定する手順(ステップS3)と同じである。存在する場合に、ユーザ選択部(S4)で、モノクロで処理するか、2色カラーで処理するかを選択する。その選択に応じてモノクロ処理、又は2色カラー処理が行われる(S11,S10)。なお、文字領域判定部(S3)で2色以上の文字が存在しないと判定された場合は、モノクロ処理が行われる(S11)。特徴抽出部(S17)は、ユーザが選択した処理と、そのときの原稿の特徴(色分布など)を対応させて記憶しておく。
【0038】
一方ACS処理部(S2)で、原稿はフルカラーと判定された場合は、文字領域判定部(S13)で、文字領域の割合が閾値以上存在するかどうか判定する。閾値以上存在すれば、ユーザ選択部(S15)で、フルカラーで処理するか、2色カラーで処理するかを選択する。その選択に応じてフルカラー処理、又は2色カラー処理が行われる(S12,S10)。閾値以上存在しなければフルカラー処理が行われる(S12)。特徴抽出部(S18)は、ユーザが選択した処理と、そのときの原稿の特徴(色分布など)を対応させて記憶しておく。
【0039】
前記特徴抽出部(S17,S18)は、モノクロ、2色カラー、フルカラー処理ごとに、選択された回数を記憶しておき、ユーザがいずれかの処理を選択するときに、操作部18に、選択回数が多いほうの処理をデフォルトとして初期表示する。これにより、選択回数が多いほうの処理が初めから選ばれており、ユーザの操作負担を少なくすることができる。ユーザの選択操作が一定期間なければ初期表示したモードで処理を行うようにしてもよい。
【0040】
また、前記特徴抽出部(S17,S18)は、ユーザが選択した処理と、そのときの原稿の特徴を統計的に処理して、文字領域判定部(S3,S13)における判定閾値を変更する。例えば、ユーザ選択部(S4)でモノクロ処理が選択された原稿の色分布と、2色カラー処理が選択された原稿の色分布との色分布を算出して、それらに基づいて文字領域判定部(S3)の閾値に反映させる。この閾値の設定方法は、次のとおりである。ステップS4でモノクロ処理が選択された原稿は、高確率で2色以上の文字領域がないと判定されるように閾値を移動させ、ステップS4で2色カラー処理が選択された原稿は、高確率で2色以上の文字領域であると判定されるように閾値を移動させる。
【0041】
この適切な閾値設定により、2色以上の文字原稿であるかどうかの判定が適切に行える。例えば2色以上の文字領域がかなり多い原稿に対しては、ユーザがステップS4でモノクロ処理を選択することは少なくなるし、ユーザがステップS4でモノクロ処理を選択するような2色以上の文字領域が極めて少ない原稿に対しては、ステップS3から直接ステップS11のモノクロ処理に行く確率が増大する。したがって、ステップS4の時点で、操作部での「2色カラー処理」をデフォルト設定できる。
【0042】
ユーザ選択部(S14)でフルカラー処理が選択された原稿の色分布と、2色カラー処理が選択された原稿の色分布を算出して、それらに基づいて文字領域判定部(S13)の閾値に反映させる。この閾値の設定方法は、次のとおりである。ステップS15でフルカラー処理が選択された原稿は、高確率で2色以上の文字領域がないと判定されるように閾値を移動させ、ステップS15で2色カラー処理が選択された原稿は、高確率で2色以上の文字領域であると判定されるように閾値を移動させる。
【0043】
この適切な閾値設定により、2色以上の文字原稿であるかどうかの判定が適切に行える。例えば2色以上の文字領域がかなり多い原稿に対しては、ユーザがステップS15でフルカラー処理を選択することは少なくなるし、ユーザがステップS15でフルカラー処理を選択するような2色以上の文字領域が極めて少ない原稿に対しては、ステップS14から直接ステップS12のフルカラー処理に行く確率が増大する。したがって、ステップS15の時点で、操作部での「2色カラー処理」をデフォルト設定できる。
【0044】
これによって、文字領域判定部(S3,S14)の判定時に、原稿の判定が適切に行え、判定結果の片寄りを防止できる。
いままでの図3のフローチャートにおいては、2色カラー処理を選択すると、原稿の色の中で使用頻度の多い色を選定して2色コピーを行っていた。しかし、2色カラー処理が選択された場合、YMC色の中でトナーの残量の多い1色又は2色を自動的に選択してユーザに提示し、許可が得られれば、その1色若しくは2色又はその色とブラックを用いて2色コピーを行ってもよい。
【0045】
図5は、2色カラーの組み合わせを自動的に選定してユーザに提示する場合のフローチャートを示す。まずYMCK色のトナーの残量を測定しておく(ステップT1)。YMCK色の中からトナーの残量の多い2色を選択する(ステップT2)。そしてトナー残量に基づいた2色カラーの組み合わせを決定する。例えば、KトナーとCトナーが多く、Mトナーが次に多い場合は、CとMの組み合わせ、CとKの組み合わせ、MとKの組み合わせなどを決定する。
【0046】
そして2色カラーをユーザが選択する場合に(ステップS4,S6,S14)、決定された2色の組み合わせを提示し許可を求める(ステップT4)、ユーザの許可があれば、提示した2色を選択する(ステップT9)。ユーザの許可がなければ、原稿の文字領域の中で使用頻度の高い2色を選択する(ステップT5)。そしてこの使用頻度に基づいた2色カラーの組み合わせを決定し(ステップT6)、2色の組み合わせを提示し許可を求める(ステップT7)、ユーザの許可があれば、提示した2色を選択し(ステップT9)、その選択色を記録する(ステップT10)。空間フィルター処理回路57は、原稿画像を、選択されたYMCKからの2色又はそれらとブラックの組み合わせに変換する(ステップT11)。
【0047】
ステップT7においてユーザ許可がなければ、ユーザが好みの2色カラーの組み合わせを操作部より入力し(ステップT8)、その選択色を記録し(ステップT10)、原稿画像を空間フィルター処理回路57により、入力されたYMCKからの2色又はそれらとブラックの組み合わせに変換する(ステップT11)。
いままでの図5の説明では、2色コピーをユーザが選択する場合、原稿中の多い2色(ステップT5)、又はトナーの残量を考慮に入れた2色(ステップT3)をユーザに提示して許可を求めていたが、これ以外にいままで利用された回数(ステップT10において記録された回数)の多い2色を提示して、ユーザに選択させてもよい。
【0048】
このように、YMCK色の中でトナーの残量の多い2色、原稿中の文字頻度の高い2色、又は選択頻度の高い2色をユーザにデフォルトとして提示して選択させることによって、(1)トナーの残量を有効に利用できる色、(2)原稿になるべく忠実な2色を再現できる色、又は(3)過去の実績から当該ディジタルカラー複写機1の使用条件にふさわしい色を、ユーザの手間をかけずに、ユーザに選択してもらうことができる。
【0049】
次に、2色カラー処理を選択する場合、エッジ強調、中抜きなどもユーザが選択できるようにした手順を、フローチャートを用いて説明する。
図6は、エッジ強調、中抜きなどの処理を含むフローチャートである。2色カラー処理を行う場合、制御部5は、操作部18に、ユーザにYMCKからの2色又はKを含む場合は1色又は2色を選択するかどうかの質問を表示する。ユーザは、2色処理を行う場合の色を変える文字に対して強調処理を行うかどうか選択する(ステップU2)。強調処理を行うと選択された場合、空間フィルター処理回路57は、エッジ強調、中抜きなどの強調処理を行う(ステップU4)。強調処理を行わないと選択された場合、空間フィルター処理回路57は、強調処理をスキップして、原稿画像を、入力された1色、2色又はこれらとブラックに変換する(ステップU5)。
【0050】
このように、エッジ強調、中抜きなどの強調処理を、ユーザが選択できるので、他の文字よりも強調ができる。
今での2色選択手順では、トナーの残量の多い2色、原稿中の文字頻度の高い2色、又は選択頻度の高い2色をユーザに選択させていた。しかし、これらの2色について人間の知的感覚に近いL*a*b*系に変換して色差を計算し、色差の大きい順に2色を特定しユーザに提示してユーザに選択させてもよい。
【0051】
図7は、色差の大きい順に2色を選択する手順を示すフローチャートである。
まず、トナーの残量に基づいた2色の組み合わせを抽出し(ステップV1,V2)、原稿中で使用頻度の多い2色を抽出し(ステップV3)、特徴抽出部(図4;S17,S18)によって今まで利用された回数の多い2色を抽出する(ステップV4,V5)。
そして、これら抽出された2色を用いて生成された画像のCMY値を、いったん規格化された三刺激値XYZに変換し、次の式に基づいて、L*a*b*値に変換する(ステップV6)。
【0052】
L*=116 3√Y−16
a*=500(3√X-3√Y)
b*=200(3√Y−3√Z)
変換されたL*a*b*値に基づいて、色差を計算する(ステップV7)。ここで色差とは、L*a*b*空間における2点間の距離である。色差が一定以下のものを除外し(ステップV8)、色差同士を比較する(ステップV9)。比較の結果、色差が大きい2色を順に並べ、ユーザにデフォルトとして提示する(ステップV10)。その後、L*a*b*値をCMY値に再変換する。
【0053】
なお、以上の処理において、L*a*b*系を採用する代わりに、L*u*v*系を採用し、Luv空間における色差を求めてもよい。
ユーザに提示された2色は、ユーザが同意した場合、空間フィルター処理回路57により、原稿画像を選択した2色及び/又はブラックに変換する。ユーザが提示された2色を同意しなかった場合、ユーザが2色の組み合わせを操作部より入力する。この場合、空間フィルター処理回路57は、ユーザにより入力された2色にもとづいて、原稿画像を当該2色及び/又はブラックに変換する。
【0054】
このように、色差の大きい順に並べて操作部18に表示して、ユーザに選択させることにより、2色でコピーしたときに、ユーザは色の差がハッキリと出た読み易いコピー画像を得ることができる。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではない。例えば、CMY系だけでなくRGB系、他の色空間Luv系,Lab系、YUV系などを使っても、2色処理を行う場合にも同様の手順が採用される。その他、本発明の範囲内で種々の変更を施すことが可能である。
【0055】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、文字原稿において2色文字と判定された場合、2色カラーで画像を形成するか、モノクロあるいはフルカラーで画像形成するかをユーザに表示してユーザに選択させるようにすることができるので、2色文字の強調ができ、しかもフルカラー印刷時よりもコストが安く画像形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るディジタルカラー複写機1の内部構成を示す概略断面図である。
【図2】本発明における画像処理の流れを説明するためのブロック図である。
【図3】2色カラー処理の基本設定手順を示すフローチャートである。
【図4】選択された処理と原稿の特徴を記憶しておき、次回以後の原稿の判定基準に反映させる手順を説明するための機能ブロック図である。
【図5】2色カラーの組み合わせを自動的に選定してユーザに提示する手順を示すフローチャートである。
【図6】エッジ強調、中抜きなどの処理を含むフローチャートである。
【図7】色差の大きい順に2色を選択する手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
5 制御部
18 操作部
51 カラー画像読取回路
52 入力補正回路
53 領域分離回路
54 UCR・黒生成回路
55 カラー・白黒原稿判別回路
56 文字領域判定回路
57 空間フィルター処理回路
58 出力階調処理回路
Claims (7)
- 原稿に対して2色カラー処理をして画像形成を行う2色カラー画像形成方法であって、
(a)原稿に対して、オートカラーセレクト処理により、フルカラー原稿であるか、モノクロ原稿であるかを判定し、
(b)モノクロ原稿と判定された場合に、原稿に2色以上の文字領域が存在するかどうかを判定し、
(c)原稿に2色以上の文字領域が存在する場合に、ユーザにモノクロ処理又は2色カラー処理のいずれかを選択させ、
(d)選択された結果に応じて原稿をモノクロ処理又は2色カラー処理して画像形成を行うことを特徴とする2色カラー画像形成方法。 - 前記(c)の手順において、ユーザが2色カラー処理を選択した場合に、文字領域以外についてユーザにモノクロ処理又は2色カラー処理のいずれかを選択させ、ユーザがモノクロ処理を選択した場合、文字領域は2色カラー処理で、文字領域以外モノクロ処理で画像形成を行い、ユーザが2色カラー処理を選択した場合、原稿全体を2色カラー処理して画像形成を行うことを特徴とする請求項1記載の2色カラー画像形成方法。
- 前記(c)の手順において、ユーザに2色カラー処理を選択させる前に、トナーの残量の多い色、原稿中の使用頻度の高い色、又は過去の選択頻度の高い色をユーザにデフォルトとして提示することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の2色カラー画像形成方法。
- 前記(c)の手順において、ユーザが2色カラー処理を選択した場合に、ユーザが任意の2色カラーの組み合わせを選択できることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の2色カラー画像形成方法。
- ユーザに2色カラー処理を選択させる場合、トナーの残量の多い色、原稿中の使用頻度の高い色、又は過去の選択頻度の高い色の中から色差の大きい2色をユーザにデフォルトとして提示して選択させることを特徴とする請求項3記載の2色カラー画像形成方法。
- 前記(c)の手順で、ユーザが選択した処理と原稿の色の特徴との関係を記憶し、この関係に基づいて、次回以後の前記(b)の判定閾値に反映させることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の2色カラー画像形成方法。
- 原稿に対して2色カラー処理をして画像形成を行う2色形成モードを有するカラー画像形成装置であって、
(a)原稿に対して、オートカラーセレクト処理により、フルカラー原稿であるか、モノクロ原稿であるかを判定する第1の判定手段と、
(b)モノクロ原稿と判定された場合に、原稿に2色以上の文字領域が存在するかどうかを判定する第2の判定手段と、
(c)原稿に2色以上の文字領域が存在する場合に、ユーザにモノクロ処理又は2色カラー処理のいずれかを選択させる選択手段と、
(d)選択された結果に応じて原稿をモノクロ処理又は2色カラー処理して画像形成を行う画像形成手段とを備えることを特徴とするカラー画像形成装置。
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