JP3975855B2 - 帯電防止性フィルムの製法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、導電性超微粒子の表面保持性を改良した帯電防止性フィルム及びその製法に関し、さらに詳しくは宇宙用の熱制御フィルム(MLI)として好適な帯電防止性フィルム及びその製法に関する。
この明細書において、金属酸化物とは室温で106Ωcm以上の抵抗率を有するものをいう。
【0002】
【従来技術の説明】
人工衛星、スペ−スシャトル、宇宙ステ−ションなどには熱制御材料として多くの耐熱性フィルムが使用されている。代表的なものとしては、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルムなどが挙げられる。
これらの耐熱性フィルムは、宇宙空間において、衝突したゴミやチリが付着して熱制御材料としての初期機能を発揮できなくなる。
このため、これらの欠点を克服すべく種々の試みがなされている。例えば、ポリイミドフィルムの表面に金属あるいは金属酸化物層を形成してゴミやチリの付着を防止するために帯電防止化したものが使用されている。
【0003】
一方、例えば、特開2001−115251号公報にはフィルムの表面にステンレスのような金属などをスパッタリングすることにより導電層を設けた帯電防止用保護フィルムが記載されている。
しかし、このようにして得られるフィルムはスパッタリングのための高真空や精度の高い雰囲気制御を備えた装置を使用しなければならないことから、コスト高になるとともに量産性に劣る。
【0004】
また、特開平10−77406号公報には芳香族ポリイミド中にアンチモンを含む酸化錫被覆導電性シリカ粒子を分散させた静電気防止ポリイミドフィルムが、特開平7−156287号公報には樹脂中にカ−ボンブラック等の導電性物質を分散した導電性フィルムを積層した半導電性ポリイミド系無端ベルトが各々記載されている。
しかし、これらの公報に記載されたフィルムあるいはベルトは帯電防止特性を付与するためには大量の導電性材料を加えなければならず、ポリイミドフィルムあるいはベルトの機械的特性の低下をもたらす。
【0005】
【本発明の解決しようとする問題点】
この発明の目的は、スパッタリング装置などの特別な装置を使用することなく、フィルム本来の機械的特性の低下をもたらすことなく帯電防止保持性を改良した帯電防止性フィルム及びその製法を提供することである。
【0006】
【問題点を解決するための手段】
この発明は、ポリイミドフィルムの表面にアルミニウムの酸化物と導電性超微粒子との混合物層を直接形成した表面抵抗率1013Ω/口以下である帯電防止性フィルムであり、
フィルムの表面に、加熱によりアルミニウムの酸化物を与える金属化合物であるアルミニウムキレートと導電性超微粒子と溶媒とを均一混合して得られる混合物を塗布した後に加熱乾燥して、アルミニウムの酸化物と導電性超微粒子との混合物層を形成したことを特徴とする帯電防止性フィルムに関する。
また、この発明は、フィルムの表面にアルミニウムの酸化物と導電性超微粒子との混合物層を有する、表面抵抗率10 13 Ω/口以下である帯電防止性フィルムの製法であり、加熱によりアルミニウムの酸化物を与える金属化合物としてアルミニウムキレートを用い、
フィルムを与える耐熱性樹脂前駆体の溶液を流延、乾燥して得られる自己支持性フィルム表面に、加熱によりアルミニウムの酸化物を与える金属化合物と導電性超微粒子と溶媒とを均一混合して得られる混合物を塗布した後に加熱乾燥して、溶媒除去および耐熱性樹脂前駆体の環化を完了することを特徴とする帯電防止性フィルムの製法に関する。
【0007】
さらに、この発明は、ポリイミド前駆体溶液から得られる自己支持性フィルム表面に、加熱により金属酸化物を与える金属化合物と導電性超微粒子と溶媒とを含む混合物を塗布した後、乾燥して金属化合物と導電性超微粒子との混合物層を設けた乾燥フィルムを420℃以上の温度で加熱してイミド化を完了させてフィルムの表面に表面抵抗値が1013Ω/口以下である金属酸化物と導電性超微粒子との混合物層を形成する帯電防止性フィルムの製法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の好ましい態様を列記する。
1)金属酸化物と導電性超微粒子との混合物層が、金属酸化物の金属と導電性超微粒子との重量比(金属/導電性超微粒子)が0.01〜0.1、特に0.03〜0.1からなるものである上記の帯電防止性フィルム。
2)フィルムが、ポリイミドフィルムである上記の帯電防止性フィルム。
3)金属酸化物が、アルミニウムの酸化物である上記の帯電防止性フィルム。
【0009】
4)混合物層が、塗布法によって形成されてなる上記の帯電防止性フィルム。
5)耐熱性樹脂前駆体が、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを溶媒中で重合して得られるものである上記の帯電防止性フィルムの製法。
6)テトラカルボン酸成分が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物である上記の帯電防止性フィルム。
7)金属化合物が、アルミニウムキレ−トである上記の帯電防止性フィルムの製法。
8)導電性超微粒子が、0.1μm以下の平均粒径を有するものである上記の帯電防止性フィルムの製法。
9)導電性超微粒子が、ITO超微粒子である上記の帯電防止性フィルムの製法。
【0010】
この発明において使用されるフィルムとしては、ポリイミドフィルム、芳香族ポリアミドフィルムなどの耐熱性樹脂フィルムが挙げられ、好適にはポリイミドフィルムが挙げられる。
前記のポリイミドフィルムとしては、特に制限はなく、例えばピロメリット酸二無水物を必須成分とするもの(東レ・デュポン社:カプトンH、カプトンE、カプトンEN、カプトンVなど、鐘淵化学工業社:各種アピカル)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を必須成分とするもの(宇部興産社製:ユ−ピレックス−R、ユ−ピレックス−S)などが挙げられる。前記のポリイミドフィルムは、厚みが7.5〜125μm程度であるものが好適である。
【0011】
前記のアルミニウムの酸化物としては、アルミニウムの酸化物(例えばAl2O3)が挙げられる。
【0012】
また、前記の導電性超微粒子としては、ITO超微粒子、無機質(例えば、ガラス、セラミックス、金属炭化物)の芯材の表面に無電解めっき法により金属(例えば、Fe、Cu、Co、Ge、Ag、Pd、Au)被覆を施した無電解めっき超微粒子などが挙げられる。導電性超微粒子としては0.1μm以下の平均粒径を有するものが好ましい。
【0013】
前記の金属酸化物と導電性超微粒子との混合物層を塗布法によって形成することが好ましく、剥離処理によっても表面抵抗率がほとんど低下しない帯電防止フィルムが得られる。
前記の塗布法としては、例えば自己支持性フィルム表面に金属化合物と導電性超微粒子と溶媒とを均一混合して得られる混合物を塗布した後に加熱乾燥する方法が挙げられる。
【0014】
この発明における金属酸化物と導電性超微粒子との混合物層としては、金属酸化物と導電性超微粒子との混合物層が、金属酸化物の金属と導電性超微粒子との重量比(金属/導電性超微粒子)が0.01〜0.1、特に0.03〜0.1であるものが好ましい。
また、前記の金属酸化物と導電性超微粒子との混合物層は厚みが0.05μm以上であるものが好ましい。また、前記の混合物層はフィルムの片面に設けてもよく両面に設けてもよい。
【0015】
この発明の帯電防止性フィルムは、例えばフィルムを与える耐熱性樹脂前駆体の溶液を流延、乾燥して得られる好適には厚み10〜250μm程度の自己支持性フィルム表面に、金属化合物と導電性超微粒子と溶媒とを均一混合して得られる混合物を塗布した後に加熱乾燥して、溶媒除去および耐熱性樹脂前駆体の環化を完了することによって得ることができる。
【0016】
前記の耐熱性樹脂前駆体としては、好適には3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とパラ−フェニレンジアミン(以下単にPPDと略記することもある。)と場合によりさらに4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルおよび/またはピロメリット酸二無水物(以下単にPMDAと略記することもある。)とから得られるポリイミド前駆体が挙げられる。この場合PPD/DADE(モル比)は100/0〜85/15であることが好ましい。また、s−BPDA/PMDAは100:0〜50/50であることが好ましい。
また、耐熱性樹脂前駆体は、ピロメリット酸二無水物とパラフェニレンジアミンおよび4,4’−ジアミノジフェニルエ−テルとから得られるポリイミド前駆体が挙げられる。この場合DADE/PPD(モル比)は90/10〜10/90であることが好ましい。
【0017】
前記のポリイミド前駆体の合成は、最終的に各成分の割合が前記範囲内であればランダム重合、ブロック重合、ブレンド、あるいはあらかじめ2種類以上のポリイミド前駆体(ポリアミック酸)溶液を合成しておき各ポリアミック酸溶液を混合してポリアミック酸の再結合によって共重合体を得る、いずれの方法によっても達成される。
【0018】
前記のポリアミック酸を得るために使用する有機溶媒は、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム、クレゾ−ル類などが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0019】
また、イミド化促進の目的で、ド−プ液中に塩基性有機化合物系触媒を添加することができる。例えば、イミダゾ−ル、2−イミダゾ−ル、1,2−ジメチルイミダゾ−ル、2−フェニルイミダゾ−ルなどをポリアミック酸(固形分)に対して0.01〜20重量%、特に0.5〜10重量%の割合で使用することができる。これらは比較的低温でポリイミドフィルムを形成するため、イミド化が不十分となることを避けるために使用する。
【0020】
前記のポリイミドを与えるポリイミド前駆体溶液の押出し物層を乾燥した自己支持性フィルム表面に、金属化合物と導電性超微粒子と溶媒とを均一混合して得られる混合物を塗布する。
【0021】
前記の金属化合物としては、アルミニウムキレートを挙げることができる。
【0022】
前記のアルミニウムキレートとしては、エチルアセトアセテ−トアルミニウムジイソプロピレ−ト、アルミニウムモノエチルアセテ−トジイソプロピレ−ト、アルミニウムジエチルアセテ−トモノイソプロピレ−ト、アルミニウムトリアセチルアセトネ−ト、アルミニウムトリエチルアセトアセテ−ト、アルミニウムイソプロピレ−ト、アルミニウムブチレ−ト、アルミニウムオキサイドオクチレ−トトリマ−、アルミニウムオキサイドステアレ−トトリマ−、アルミニウムオキサイドイソプロポキサイドトリマ−、アルミニウムオキサイドラウレ−トトリマ−などの有機アルミニウムキレート化合物が挙げられる。
【0023】
前記の方法において、自己支持性フィルムに金属化合物および導電性超微粒子を含む溶媒混合物を塗布する場合には、塗布する金属化合物および導電性超微粒子の濃度は各々0.01〜20重量%程度、特に0.01〜10重量%であることが好ましい。前記の塗布混合物に使用する溶媒としては、特に制限はなく、アルコ−ル、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、ケトン系溶媒、エ−テル系溶媒、アミド系溶媒、例えば重合用溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルアミド、N−メチルカプロラクタム、クレゾ−ル類などや、n−ブタノ−ル、イソプラパノ−ルなどのアルコ−ルを挙げることができる。
【0024】
前記の自己支持性フィルムは、例えば前記のテトラカルボン酸成分およびジアミン成分を有機溶媒中、約100℃以下、特に20−60℃の温度で反応させてポリイミド前駆体(ポリアミック酸)の溶液とし、このポリアミック酸の溶液をド−プ液として使用し、そのド−プ液を支持体に流延し、70−200℃程度に乾燥して薄膜を形成し、支持体から剥離して得ることができる。この剥離を容易に行うことができるように、有機リン化合物、例えば亜リン酸トリフェニル、リン酸トリフェニル、アルキルリン酸エステル塩等をポリアミック酸重合時に固形分(ポリマ−)濃度に対して0.05〜1%の範囲で添加することができる。
【0025】
この発明においては、前記の自己支持性フィルム表面に、金属化合物と導電性超微粒子と溶媒とを均一混合して得られる混合物を塗布した後に、好適には最高温度:420℃以上で1〜60分間程度加熱乾燥して、溶媒除去および耐熱性樹脂前駆体の環化(イミド環化)を完了して、帯電防止フィルムを得ることができる。
【0026】
この発明の帯電防止フィルムは、フィルム中には前記の導電性超微粒子が含まれないためフィルム本来の機械的特性が維持され、表面抵抗値が1013Ω/口以下、好適には108Ω/口以下、特に104〜108Ω/口で、金属酸化物により導電性超微粒子がフィルムに強固に保持されるため、剥離作用を与えても表面抵抗値を初期値と比較して10倍未満内に維持することが可能となる。
【0027】
【実施例】
以下、実施例を示し、この発明をさらに詳しく説明する。
以下の記載において、各略号は次の化合物を意味する。
s−BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
s−BPTA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
PPD:p−フェニレンジアミン
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
ALCH:エチルアセトアセテ−トアルミニウムジイソプロピレ−ト
【0028】
以下の各例において、フィルムの物性は以下の方法によって求めた。
1)表面抵抗率(表面抵抗値とも呼ぶ)
ASTM D257に従って、表面抵抗計(アジレント・テクノロジ−社製、ハイレジスタンスメ−タ、Agilent Technologies 4339)を使用し、23℃、45%RHの環境下で求めた。
【0029】
2)フィルム表面の帯電防止性保持評価
フィルムの導電性超微粒子層に粘着テ−プ(3M社製、Scotch610−1PK)を接着し、ついで粘着テ−プを60m/分の引張速度で剥離後、表面抵抗率を測定し表面抵抗率の変化量を求めた。表面抵抗率の変化量から表面保持性評価を行った。
表面保持性評価は、剥離処理後の表面抵抗率が剥離処理前の表面抵抗率に対して10倍未満の変動しかない場合を良好:○、10倍以上の変動があった場合を不良:× とした。
【0030】
3)光線透過率の測定
JIS Z8722に従って、日本分光社製、分光光度計(V−570型)を使用して求めた。
4)機械物性(伸び率、引張強さ、引張弾性率):ASTM D882に従って測定
【0031】
参考例1
攪拌機、還流冷却器(水分離器付き)、温度計、窒素導入管を備えた容量300mlの四つ口セパラブルフラスコに、DMAc183gおよびリン酸化合物(セパ−ル365−100 中京油脂株式会社製)0.1gを加え、攪拌および窒素流通下PPD10.81g(0.1mol)を添加し、50℃に保温し完全に溶解させた。この溶液にs−BPDA29.229g(0.09935モル)を発熱に注意しながら徐々に添加し、添加終了後50℃に保ったまま5時間反応を続けた。この後、s−BPTA0.2381g(0.00065モル)を溶解させた。得られた芳香族ポリアミック酸溶液は褐色粘調液体であり、25℃における溶液粘度(E型粘度計、株式会社東京計器製、VISCONIC EHD形)は、1500ポイズであった。
【0032】
実施例1〜3
参考例1で得られたポリアミック酸溶液をガラス基板上に流延塗布し、135℃で3分間乾燥した後ITO超微粒子分散液(ITO超微粒子の平均粒径:20〜30nm、シ−アイ化成株式会社製、ITOANB10重量%−G180)にDMAcおよびALCH(川研ファインケミカル社製)を添加した混合物を塗布し、さらに135℃で1分間乾燥した。そして、ガラス基板から剥がしてフレ−ム上に拘束して、150℃で3分間、180℃で3分間、300℃で3分間、480℃で3分間熱処理して厚み25μmのポリイミドフィルムの片面に0.15μm厚みのITO層を有する帯電防止芳香族ポリイミドフィルムを得た。得られた帯電防止芳香族ポリイミドフィルムのITO超微粒子層は、実施例1〜3のいずれも透明性を有していた。
金属化合物およびITO超微粒子分散混合物の調製およびフィルムについての評価結果をまとめて表1、表2に示す。また帯電防止芳香族ポリイミドフィルムの光線透過率を図1に示す。
【0033】
比較例1
ALCHを用いなかった他は、実施例1と同様に実施した。得られた帯電防止ポリイミドフィルムのITO超微粒子層は、透明性を有していた。
超微粒子分散混合物の調製およびフィルムについての評価結果をまとめて表1、表2に示す。
【0034】
実施例1〜3で得られたポリイミドフィルムは、比較例1で得られたポリイミドフィルムと同等の機械特性および光透過性を有していることが確認された。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】
この発明によれば、以上のような構成を有しているため、次のような効果を奏する。
この発明の帯電防止フィルムは、フィルム本来の機械的特性が維持され、表面抵抗値が1013Ω/口以下に維持される。
また、この発明の方法は、特別の装置を使用することなく容易にフィルム本来の機械的特性が維持され、表面抵抗値が1013Ω/口以下に維持される帯電防止性フィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一例である実施例3で得られた帯電防止フィルムの光線透過率を示す図である。
Claims (10)
- ポリイミドフィルムの表面にアルミニウムの酸化物と導電性超微粒子との混合物層を直接形成した表面抵抗率1013Ω/口以下である帯電防止性フィルムであり、
フィルムの表面に、加熱によりアルミニウムの酸化物を与える金属化合物であるアルミニウムキレートと導電性超微粒子と溶媒とを均一混合して得られる混合物を塗布した後に加熱乾燥して、アルミニウムの酸化物と導電性超微粒子との混合物層を形成したことを特徴とする帯電防止性フィルム。 - アルミニウムの酸化物と導電性超微粒子との混合物層が、アルミニウムの酸化物の金属と導電性超微粒子との重量比(金属/導電性超微粒子)が0.01〜0.1からなるものである請求項1に記載の帯電防止性フィルム。
- フィルムの表面にアルミニウムの酸化物と導電性超微粒子との混合物層を有する、表面抵抗率10 13 Ω/口以下である帯電防止性フィルムの製法であり、
加熱によりアルミニウムの酸化物を与える金属化合物としてアルミニウムキレートを用い、
フィルムを与える耐熱性樹脂前駆体の溶液を流延、乾燥して得られる自己支持性フィルム表面に、加熱によりアルミニウムの酸化物を与える金属化合物と導電性超微粒子と溶媒とを均一混合して得られる混合物を塗布した後に加熱乾燥して、溶媒除去および耐熱性樹脂前駆体の環化を完了することを特徴とする帯電防止性フィルムの製法。 - フィルムの表面にアルミニウムの酸化物と導電性超微粒子との混合物層を有する、表面抵抗率10 13 Ω/口以下である帯電防止性フィルムの製法であり、
加熱によりアルミニウムの酸化物を与える金属化合物としてアルミニウムキレートを用い、
フィルムを与える耐熱性樹脂前駆体の溶液を流延、乾燥して得られる自己支持性フィルム表面に、
加熱によりアルミニウムの酸化物を与える金属化合物と導電性超微粒子と溶媒とを含む混合物を塗布した後、乾燥して金属化合物と導電性超微粒子との混合物層を設けた乾燥フィルムを420℃以上の温度で加熱してイミド環化を完了させたことを特徴とする帯電防止性フィルムの製法。 - アルミニウムの酸化物と導電性超微粒子との混合物層が、アルミニウムの酸化物の金属と導電性超微粒子との重量比(金属/導電性超微粒子)が0.01〜0.1からなるものである請求項3又は請求項4に記載の帯電防止性フィルムの製法。
- フィルムが、ポリイミドフィルムである請求項3〜5のいずれか1項に記載の帯電防止性フィルムの製法。
- 耐熱性樹脂前駆体が、テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを溶媒中で重合して得られるものである請求項3〜6のいずれか1項に記載の帯電防止性フィルムの製法。
- テトラカルボン酸成分が、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物である請求項3〜7のいずれか1項に記載の帯電防止性フィルムの製法。
- 導電性超微粒子が、0.1μm以下の平均粒径を有するものである請求項3〜8のいずれか1項に記載の帯電防止性フィルムの製法。
- 請求項3〜9のいずれか1項に記載の帯電防止性フィルムの製法より得られる帯電防止 性フィルム。
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