JP3975529B2 - ブレーキ流体圧制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンチスキッド制御のための制動制御及び車両挙動安定向上制御のための制動制御の両方を可能とするブレーキ流体圧制御装置に関する。
【0002】
ここで、上記車両挙動安定向上制御とは、車両のスピン及びドリフトアウトを抑えて車両を動的に安定させるために、各輪のブレーキ力を適宜,制御する制動制御である。
【0003】
すなわち、この車両挙動安定制御は、ヨーレート、横G、操舵角などを検出して、実際の車両の挙動が所定閾値を超えた際に、その車両挙動を実際の操舵角等に基づく目標とする車両挙動(目標ヨーレート)となるように、運転者のブレーキ操作とは別に、各輪に対し個別に制動力の増圧、減圧等の制御を行うものである。
【0004】
【従来の技術】
アンチスキッド制御のための制動制御及び車両挙動安定向上制御のための制動制御の両方ができる、従来のブレーキ流体圧制御装置としては、例えば、図4に示すようなものがある(SAEペーパ 950759 1995 年発行を参照)。
【0005】
即ち、マスタシリンダMSTとホイールシリンダHCとが、挙動制御用第1電磁開閉弁GV及び流入用電磁開閉弁INL,INRを介して接続され、ABS制御の際には還流用ポンプPUMPによってブレーキ液が還流圧送されるようになっている。符号OUTL,OUTRは流出用電磁開閉弁を示し、符号RSVはオイルリザーバを、符号ACCはアキュムレータを、符号PCPはプリチャージ用のポンプを示している。また、符号SUVは、車両挙動安定向上制御時にマスタシリンダMSTのブレーキ液を還流用ポンプPUMPに供給するための電磁開閉弁を示している。
【0006】
そして、車両挙動安定向上制御時には、挙動制御用第1電磁開閉弁GVが閉となってマスタシリンダMSTとホイールシリンダHCとの直接の接続が遮断された状態となると共に、ポンプPUMPが作動状態に設定される。
【0007】
そして、その車両挙動安定向上制御の際の増圧動作時には、流出用電磁開閉弁OUTL,OUTRが閉に、流入用電磁開閉弁INL,INR及び挙動制御用第2電磁開閉弁SUVが開状態に設定されることで、マスタシリンダMSTのブレーキ液が、ポンプPUMPによって吸引され流入用電磁開閉弁INL,INRを通じてホイールシリンダHCに送られることでホイールシリンダHC圧の増圧が行われる。このとき、このブレーキ流体圧制御装置では、プリチャージ用のポンプPCPを上記増圧の際に作動することで増圧特性の向上を図っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成のブレーキ流体圧制御装置においては、車両挙動安定向上制御によって、所定の1輪や2輪等に対して増圧動作を行っているときに、ブレーキペダルPDLが踏まれた場合、制御のために還流用ポンプPUMPがマスタシリンダMSTから増圧に必要な液を吸い上げているためにマスタシリンダMST圧が低下している。この結果、ブレーキペダルPDLの液圧による反力が低下してペダルフィールが悪化するという問題がある。
【0009】
またこのとき、車両挙動安定向上制御の際には、マスタシリンダMSTとホイールシリンダHCとの間の直接の液路は遮断されているために、ブレーキペダルPDLの実際の操作、つまり運転者の減速意志は、マスタシリンダ圧センサや踏力センサ等で電気的に検出する必要があるが、上述のようにマスタシリンダ圧や踏力が低下すると、運転者の意志によらず、コントローラは減速G要求値が下がったものと判断して、車両の減速度が不要に低下するおそれがある。
【0010】
また、車両挙動安定向上制御で増圧動作は、マスタシリンダMSTから液を還流用ポンプPUMPで吸引してホイールシリンダHCに送るため増圧の応答が良くない。また、上記従来例では、増圧の応答性を良くするためにプリチャージ用ポンプPCPによる液の送り込みを行っているが、通常、増圧要求が出てからプリチャージ用ポンプPUMPを回し始めるために、増圧の初期応答が良くないし、増圧応答を向上するためにプリチャージ用ポンプPCP及びその制御が必要となる。
【0011】
また、このプリチャージ用ポンプPCPによる液の送り込みによって、車両挙動安定向上制御の際に、増圧動作以外であっても、マスタシリンダMST側の圧が必要以上に高く設定されるおそれがある。
【0012】
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、簡易な構造で車両挙動安定向上制御の際の増圧応答性を向上させつつ、当該増圧時にマスタシリンダ圧を低下させることがないブレーキ流体圧制御装置を提供することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載したブレーキ流体圧制御装置は、マスタシリンダとホイールシリンダとを接続する供給用管路と、その供給用管路の途中に介装される流入用電磁開閉弁と、吸入ポートを第1還流用管路を通じて上記ホイールシリンダに接続し且つ吐出ポートを第2還流用管路を通じて上記供給用管路に上記流入用電磁弁よりもマスタシリンダ側で接続する還流用ポンプと、上記第1還流用管路の途中に介装される流出用電磁開閉弁と、上記流出用電磁開閉弁よりも上記還流用ポンプ側で上記第1還流用管路に設けられたオイルリザーバと、を備え、上記供給用管路を通じてマスタシリンダに二つのホイールシリンダを並列に接続したABS用のブレーキ流体圧制御装置に対し、
流入用電磁開閉弁及び上記第2還流用管路と上記マスタシリンダとの間の流通を遮断可能に上記供給用管路に設けられた挙動制御用第1電磁開閉弁と、上記還流用ポンプの吸入
ポートとマスタシリンダとを挙動制御用第2電磁開閉弁を介して接続する第1吸入用管路と、上記還流用ポンプの吐出ポートとアキュムレータとを接続するアキュムレータ用管路と、そのアキュムレータ用管路の途中に設けられたアキュムレータ用電磁開閉弁と、上記アキュムレータと上記還流用ポンプの吸入ポートとを挙動制御用第3電磁開閉弁を介して接続する第2吸入用管路と、を備え
上記オイルリザーバに貯蔵された液のアキュムレータへの回収作動時は、上記二つのホイールシリンダの圧が高い側に連通する上記流入用電磁開閉弁が開となり、上記アキュムレータ用電磁開閉弁がPWM制御により所定デューティ比により高速開閉状態となり、その他の上記電磁開閉弁を閉となると共に、上記還流用ポンプが作動状態となることを特徴とするものである。
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記オイルリザーバに貯蔵された液のマスタシリンダへの回収作動時は、上記二つのホイールシリンダの圧が高い側に連通する上記流入用電磁開閉弁が開となり、上記挙動制御用第1電磁開閉弁をPWM制御により所定デューティ比により高速開閉状態となり、その他の上記電磁開閉弁を閉になると共に、上記還流用ポンプが作動状態となることを特徴とするものである。
次に、請求項3に記載した発明は、マスタシリンダとホイールシリンダとを接続する供給用管路と、その供給用管路の途中に介装される流入用電磁開閉弁と、吸入ポートを第1還流用管路を通じて上記ホイールシリンダに接続し且つ吐出ポートを第2還流用管路を通じて上記供給用管路に上記流入用電磁弁よりもマスタシリンダ側で接続する還流用ポンプと、上記第1還流用管路の途中に介装される流出用電磁開閉弁と、上記流出用電磁開閉弁よりも上記還流用ポンプ側で上記第1還流用管路に設けられたオイルリザーバと、を備え、上記供給用管路を通じてマスタシリンダに二つのホイールシリンダを並列に接続したABS用のブレーキ流体圧制御装置に対し、
流入用電磁開閉弁及び上記第2還流用管路と上記マスタシリンダとの間の流通を遮断可能に上記供給用管路に設けられた挙動制御用第1電磁開閉弁と、上記還流用ポンプの吸入ポートとマスタシリンダとを挙動制御用第2電磁開閉弁を介して接続する第1吸入用管路と、上記還流用ポンプの吐出ポートとアキュムレータとを接続するアキュムレータ用管路と、そのアキュムレータ用管路の途中に設けられたアキュムレータ用電磁開閉弁と、上記アキュムレータと上記還流用ポンプの吸入ポートとを挙動制御用第3電磁開閉弁を介して接続する第2吸入用管路と、を備え、
上記オイルリザーバに貯蔵された液のマスタシリンダへの回収作動時は、上記二つのホイールシリンダの圧が高い側に連通する上記流入用電磁開閉弁が開となり、上記挙動制御用第1電磁開閉弁をPWM制御により所定デューティ比により高速開閉状態となり、その他の上記電磁開閉弁を閉になると共に、上記還流用ポンプが作動状態となることを特徴とするものである。
【0014】
次に、請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した構成に対し、上記挙動制御用第3電磁開閉弁と並列に、アキュムレータ側の圧を作動圧とするアキュムレータ用リリーフ弁を設けたことを特徴とするものである。
【0015】
次に、請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した構成に対し、車両挙動安定制御時におけるホイールシリンダ圧の増圧作動時は、挙動制御用第3電磁開閉弁及び流入用電磁開閉弁が開に、その他の上記電磁開閉弁が閉になると共に、上記還流用ポンプが作動状態となることを特徴とするものである。
【0016】
次に、請求項に記載の発明は、請求項1〜請求項のいずれかに記載した構成に対し、ホイールシリンダ圧が低圧の状態からの当該ホイールシリンダ圧の増圧作動開始時は、上記アキュムレータ用電磁開閉弁及び流入用電磁開閉弁が開状態に、その他の電磁開閉弁が閉状態になることを特徴とするものである。
【0019】
次に、請求項7に記載した発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載した構成に対し、上記アキュムレータ用リリーフ弁の設定圧を上記アキュムレータの封入圧上限値に設定すると共に、上記アキュムレータへの蓄圧作動時は、挙動制御用第2電磁開閉弁とアキュムレータ用電磁開閉弁とが開状態となると共にその他の上記電磁開閉弁を全て閉状態となり、且つ還流用ポンプが作動状態に設定されることを特徴とするものである。
【0020】
【発明の効果】
本発明のブレーキ流体圧制御装置を採用することで、通常ブレーキ、ABS制御時、及び車両挙動安定向上制御のための制動が全て可能となり、且つ、アキュムレータによる車両挙動安定向上制御の増圧動作が可能な構成となるために、当該増圧動作の応答性が良いという効果がある。
【0021】
ここで、本発明においては、還流用ポンプの吸入ポートに、挙動制御用第3電磁開閉弁を介してアキュムレータを連通することで、アキュムレータの液を還流用ポンプを通じてホイールシリンダに供給可能となり、車両挙動安定向上制御の増圧動作時にマスタシリンダから液を供給する必要がなくなる。この結果、マスタシリンダ圧を低下することがなくなり、当該増圧動作時にブレーキペダルを踏んでもペダルフィールが悪化することが防止され、さらに、コントローラが減速G要求値が下がったものと誤判断することも防止される。
【0022】
さらに、アキュムレータからホイールシリンダにブレーキ液を送ることが可能となり、増圧の応答性が良くなる。
また、アキュムレータへの液の供給は、アキュムレータ電磁開閉弁及び挙動制御用第2電磁開閉弁を開として還流用ポンプを作動することで実現できる。
【0023】
なお、このアキュムレータへの蓄圧は、非ブレーキ操作時及び非制動制御の適当なときに行われて、マスタシリンダから液を吸い上げられる。
【0024】
このとき、請求項に記載の発明を採用すると、アキュムレータに所定圧まで蓄圧されると、アクチュエータ用リリーフ弁が作動して自動的に不要な液は還流用ポンプに戻されるので、アキュムレータの圧を検出する必要がなくなり、所定時間だけ還流用ポンプを駆動することで、アキュムレータの耐圧性を上げることなく所定圧まで蓄圧できるという効果がある。
【0025】
また、請求項に記載の発明を採用することで、アキュムレータの圧によってホイールシリンダ圧の増圧が可能となり、マスタシリンダの液によって増圧するよりも増圧特性が向上でき、車両挙動安定向上制御のための制動応答性が向上するという効果がある。
【0026】
このとき、請求項に記載の発明を採用すると、増圧動作開始時にアキュムレータの高い圧を直接(ポンプを介在させず)ホイールシリンダに供給することで、低圧(例えば大気圧状態)からのホイールシリンダ圧の立上り特性が向上して低圧状態からの増圧開始時の応答性が向上する。この結果、車両挙動安定向上制御の最初の制動応答性が向上するという効果がある。
【0027】
また、車両挙動安定向上制御の次回の減圧動作を確保するために、オイルリザーバの液をアキュムレータ又はマスタシリンダに回収する必要がある。
そして、オイルリザーバの液をアキュムレータに回収する場合を考えた場合、還流用ポンプを作動してアキュムレータに送ることとなるが、アキュムレータの圧がホイールシリンダ圧よりも低い場合には、流入用電磁開閉弁が閉状態であっても、その流入用電磁開閉弁と通常,並列に設けられるチェック弁を通じて、ホイールシリンダの液がアキュムレータ側に抜けてホイールシリンダ圧が低下するおそれがある。
【0028】
これに対して、請求項に記載した発明を採用すると、ホイールシリンダ圧が高い側の流入用電磁開閉弁を開くことで、その高圧側のホイールシリンダ圧が、低圧側のホイールシリンダ側の流入用電磁開閉弁と並列に設けられたチェック弁に負荷されて低圧側のホイールシリンダ圧が一定に保持されるという効果がある。
【0029】
またこのとき、高圧側のホイールシリンダ圧がポンプの吐出圧ラインに負荷されて、当該ポンプの吐出圧ラインの液圧剛性が下がると共に、アキュムレータ用電磁開閉弁は、PWM制御により高速開閉状態となって、アキュムレータ側に微小量ずつ液が送り込まれる状態となり、ポンプの吐出圧ラインの低下を抑え、高圧側のホイールシリンダ圧も一定に保持できるという効果がある。
【0030】
即ち、上述のようにポンプの吐出圧ラインの液圧剛性が下がることで、該アキュムレータ用電磁開閉弁の開時に、微小量液がアキュムレータに送られて吐出ラインの液量が少なくなっても吐出圧ラインの低下が小さく抑えられ、また、アキュムレータ用電磁開閉弁の閉時に、ポンプから吐出された液でポンプ吐出ラインの液量が多くなっても、該吐出ライン圧の増加が小さく抑えられる。この結果、例えばPWM制御のデューティ比をポンプの吐出圧に応じて変化させることで、ポンプ吐出圧ラインの変動を小さくして疑似的に一定値と見なせるす状態とし、さらには、その微小変動は減衰してホイールシリンダに伝達されることで、高圧側のホイールシリンダ圧が一定に保持され、しかもアキュムレータに液を送ることが可能になるという効果がある。
【0031】
また、オイルリザーバの液をマスタシリンダに回収する場合を考えた場合、還流用ポンプを作動してマスタシリンダに送ることとなるが、マスタシリンダの圧がホイールシリンダ圧よりも低い場合には、流入用電磁開閉弁が閉状態であっても、その流入用電磁開閉弁と通常,並列に設けられるチェック弁を通じて、ホイールシリンダの液がマスタシリンダ側に抜けてホイールシリンダ圧が低下するおそれがある。
【0032】
これに対して、請求項2または請求項3に記載した発明を採用すると、ホイールシリンダ圧が高い側の流入用電磁開閉弁を開くことで、その高圧側のホイールシリンダ圧が、低圧側のホイールシリンダ側の流入用電磁開閉弁と並列に設けられたチェック弁に負荷されて低圧側のホイールシリンダ圧が一定に保持されるという効果がある。
【0033】
またこのとき、高圧側のホイールシリンダ圧がポンプの吐出圧ラインに負荷されて、当該ポンプの吐出圧ラインの液圧剛性が下がると共に、挙動制御用第1電磁開閉弁は、PWM制御により高速開閉状態となって、マスタシリンダ側に微小量ずつ液が送り込まれる状態となり、ポンプの吐出圧ラインの低下を抑え、高圧側のホイールシリンダ圧も一定に保持できるという効果がある。
【0034】
即ち、上述のようにポンプの吐出圧ラインの液圧剛性が下がることで、該挙動制御用第1電磁開閉弁の開時に、微小量液がマスタシリンダに送られて吐出ラインの液量が少なくなっても吐出圧ラインの低下が小さく抑えられ、また、挙動制御用第1電磁開閉弁の閉時に、ポンプから吐出された液でポンプ吐出ラインの液量が多くなっても、該吐出ライン圧の増加が小さく抑えられる。この結果、例えばPWM制御のデューティ比をポンプの吐出圧に応じて変化させることで、ポンプ吐出圧ラインの変動を小さくして疑似的に一定値と見なせる状態とし、さらには、その微小変動は減衰してホイールシリンダに伝達されることで、高圧側のホイールシリンダ圧を一定に保持され、しかもマスタシリンダに液を送ることが可能になるという効果がある。
【0035】
また、請求項7の発明を採用することで、確実にアキュムレータへ封入圧上限値まで蓄圧され、封入圧上限値まで蓄圧された後は、アキュムレータ用リリーフ弁を通じて還流することで、アキュムレータに封入圧上限値まで蓄圧されたかどうかの検出が不要となり且つアキュムレータの耐圧上有利となるという効果がある。
【0036】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第1の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本願発明に基づくブレーキ流体圧制御装置の流体圧回路構成を示す概念図であり、2輪一系統で前後二系統に分かれている。図1では、一系統についてのみ図示しているが、他の不図示の系統も同様な構成となっている。
【0037】
図1に示すように、マスタシリンダMSTと左右のホイールシリンダHCとが供給用管路PC1によって接続されている。その供給用管路PC1は、途中で二つの分岐して第1供給用管路PC1a及び第2供給用管路PC1bとなり、その分岐した各管路PC1a,PC1bの端部にそれぞれホイールシリンダHCが接続される。
【0038】
上記供給用管路PC1の各分岐した管路PC1a,PC1bには、それぞれ流入用電磁開閉弁INL,INRが介装される。この流入用電磁開閉弁INL,INRは、図外のコントローラからの指令信号に基づき開閉動作を行うもので、例えば高速オンオフ電磁弁等の2位置2方向電磁切換え弁などから構成されて、マスタシリンダMSTとホイールシリンダHCとの間のブレーキ液の直接の流通及び遮断を行うものである。また、この流入用電磁開閉弁INL,INRと並列にチェック弁CVL,CVRが設けられて、ホイールシリンダHC圧が過大とならないようになっている。
【0039】
ここで、下記に説明する各電磁開閉弁も、図外のコントローラからの指令信号に基づき開閉動作を行うものであり、例えば高速オンオフ電磁弁等の2位置2方向電磁切換え弁などで構成されている。
【0040】
また、上記流入用電磁開閉弁INL,INRよりもホイールシリンダHC側において、上記供給用管路PC1から第1還流用管路PC2が分岐し、その第1還流用管路PC2の他端部は、チェック弁CVDを介して還流用ポンプPUMPの吸入ポートに接続されている。
【0041】
その第1還流用管路PC2の途中には、流出用電磁開閉弁OUTL,OUTRが設けられ、ABS制御の際及び車両挙動安定向上制御の際にホイールシリンダHC圧の減圧が可能となっている。
【0042】
また、上記第1還流用管路PC2の途中には、流出用電磁開閉弁OUTL,OUTRよりも還流用ポンプPUMP側に、左右のホイールシリンダHC共通のオイルリザーバRSVが設けられている。
【0043】
また、上記還流用ポンプPUMPの吐出ポートは、第2還流用管路PC3を通じて上記供給用管路PC1に接続される。その接続点S1は、上記供給用管路PC1における上記流入用電磁開閉弁INL,INRよりもマスタシリンダMST側の位置である。
【0044】
以上説明した回路構成でABS制御のための制動制御が可能となっている。
さらに、本実施形態では、上記第2還流用管路PC3の接続点S1よりもマスタシリンダMST側で、上記供給用管路PC1に挙動制御用第1電磁開閉弁GVが介装されていて、流入用電磁開閉弁INL,INR及び上記第2還流用管路PC3と上記マスタシリンダMSTとの間の流通を遮断可能となっている。
【0045】
その挙動制御用第1電磁開閉弁GVと並列に、チェック弁CVAが設けられている。このチェック弁CVAは、マスタシリンダMST側から流入用電磁開閉弁INL,INR側にだけブレーキ液が流れるように設定されている。
【0046】
さらに、上記挙動制御用第1電磁開閉弁GVと並列にリリーフ弁SVが設けられて、挙動制御用第1電磁開閉弁GVと流入用電磁開閉弁INL,INRとの間のブレーキ液圧が所定圧以上となることを回避している。
【0047】
また、上記還流用ポンプPUMPの吸入ポートには、チェック弁CVEを介して第1吸入用管路PC4が接続され、その第1吸入用管路PC4の他端部が上記マスタシリンダMSTに接続されると共に、その第1吸入用管路PC4の途中には挙動制御用第2電磁開閉弁SUVが設けられて、上記吸入ポートとマスタシリンダMSTとの間のブレーキ液の流通及び遮断が行われるようになっている。
【0048】
また、上記還流用ポンプPUMPの吐出口にはアキュムレータ用管路PC5が接続され、そのアキュムレータ用管路PC5の他端部は、アキュムレータACCに接続されると共に、そのアキュムレータ用管路PC5の途中にはアキュムレータ用電磁開閉弁ACVが設けられて、上記吐出ポートとアキュムレータACCとの間のブレーキ液の流通及び遮断が行われるようになっている。
【0049】
上記アキュムレータACCは、第2吸入用管路PC6を通じて上記還流用ポンプPUMPの吸入ポートに接続される共に、その第2吸入用管路PC6の途中に挙動制御用第3電磁開閉弁DCVが介装されて、アキュムレータACCと上記吸入ポートとの間のブレーキ液の流通及び遮断が行われるようになっている。
【0050】
さらに、上記挙動制御用第3電磁開閉弁DCVと並列に、液回収用管路PC7によってアキュムレータ用リリーフ弁RVが介装されている。このアキュムレータ用リリーフ弁RVは、アキュムレータACC側の液圧に基づき作動し、その設定圧は、上記アキュムレータACCの封入圧上限値に設定されている。
【0051】
なお、各図中の符号Mは、ポンプPUMPを駆動するモータを表している。
そして、図外のコントローラによって、例えば,下記表1に示すように、上記各電磁開閉弁の開閉動作が行われると共に、還流用ポンプPUMPの駆動制御が行われることで、通常ブレーキの作動、ABS用の制動、車両挙動安定向上制御のための制動がされる。
【0052】
【表1】
Figure 0003975529
【0053】
即ち、ABS制御及び車両挙動安定向上制御が行われていない、通常のブレーキ作動状態においては、挙動制御用第1電磁開閉弁GV及び流入用電磁開閉弁INL,INRだけを開状態とし他の電磁開閉弁を閉状態とすると共に、還流用ポンプPUMPを非作動状態に設定される。これによって、運転者がブレーキペダルPDLを踏み込むと、マスタシリンダMSTからのブレーキ液が、挙動制御用第1電磁開閉弁GV及び流入用電磁開閉弁INL,INRを通って各ホイールシリンダHCに送られて、マスタシリンダMSTで生じた圧がホイールシリンダHCに加わりブレーキ力が発生するようになっている。このとき、流出用電磁開閉弁OUTL,OUTRは閉じているのでオイルリザーバRSVへブレーキ液は流れない。また、ブレーキペダルPDLを放すと、ホイールシリンダHCのブレーキ液は、チェック弁CVL,CVR及び流入用電磁開閉弁INL,INRを通じてマスタシリンダMSTに戻りホイールシリンダHC圧の減圧等、制動解除が行われる。
【0054】
また、ABS作動の際には、挙動制御用第1電磁開閉弁GVを開、挙動制御用第2電磁開閉弁SUVを閉、挙動制御用第3電磁開閉弁DCVを閉、アキュムレータ用電磁開閉弁ACVを閉の状態に設定され、還流用ポンプPUMPが作動状態となる。そして、流入用電磁開閉弁INL,INR及び流出用電磁開閉弁OUTL,OUTRが、コントローラからの指令に応じて適宜,開閉することで、ABS制御が行われる。
【0055】
例えば、スリップ率が適正であるときには、コントローラは、その状態を維持しようとし(保持作動)、流入用電磁開閉弁INL,INR及び流出用電磁開閉弁OUTL,OUTRを共に閉状態として、ホイールシリンダHCとマスタシリンダMST及びオイルリザーバRSVとの液路を遮断して、ホイールシリンダHCのブレーキ液圧を封じ込めた状態とし一定の制御を続ける。
【0056】
また、制動作用によりスリップ率が大きくなると、コントローラは、ABS時の減圧作動として、流入用電磁開閉弁INL,INRを閉とし且つ流出用電磁開閉弁OUTL,OUTRを開とすることで、ホイールシリンダHCのブレーキ液はオイルリザーバRSVに流出し、ブレーキ圧力を減少させると共に、作動する還流用ポンプPUMPによって、オイルリザーバRSVに流出したブレーキ液は高圧に変換されつつマスタシリンダMSTに戻される。なお、この還流用ポンプPUMPをABS作動中に常時作動状態として、還流用ポンプPUMPからマスタシリンダMST側に戻されるブレーキ液を高圧として不必要なブレーキペダルPDLのストロークを防止している。
【0057】
また、ブレーキ力が低下してスリップ率が低下すると、コントローラはABS時の増圧作動として、流入用電磁開閉弁INL,INRを開とし且つ流出用電磁開閉弁OUTL,OUTRを閉とすることで、マスタシリンダMSTとホイールシリンダHCとが再び接続されて、マスタシリンダMSTに戻された高圧のブレーキ液と、場合によっては還流用ポンプPUMPから吐出されるブレーキ液とが再びホイールシリンダHCに流入してブレーキ圧力を増加する。
【0058】
なお、上記ABS作動時にも、アキュムレータACCを利用してもよい。例えば、アキュムレータ用電磁開閉弁ACVを開状態としてアキュムレータACCを脈動吸収のために使用してもよい。
【0059】
さらには、例えば、ABS時の減圧作動の際に、アキュムレータ用電磁開閉弁ACVを開状態とすることで、ホイールシリンダHCのブレーキ液は流出用電磁開閉弁OUTL,OUTRを通じてオイルリザーバRSVに流れ一時的に蓄えて減圧し、さらに、そのオイルリザーバRSVの液をポンプPUMPの作動でアキュムレータACCに移し次の増圧まで蓄圧状態とする。このときアキュムレータ側が高圧であるのでブレーキ液は,マスタシリンダMST側に逆流してプレーキペダルPDLのキックバックを防止する。さらに、ABS時の増圧作動の際に、流入用電磁開閉弁INL,INRを開となることで、アキュムレータACCの高圧のブレーキ液が流入用電磁開閉弁INL,INRを通じてホイールシリンダHCに送られて増圧される。
【0060】
また、車両挙動安定向上制御の際には、コントローラからの指令によって挙動制御用第1電磁開閉弁GVが閉となって、供給用管路PC1を通じてのマスタシリンダMSTとホイールシリンダHCとの連通は遮断されると共に還流用ポンプPUMPは作動状態となる。
【0061】
そして、目標ヨーレートを維持するように、車両挙動安定向上制御の際の各輪のホイールシリンダHC圧の増圧,減圧等は、コントローラからの指令に応じて、各輪毎に制動制御するよう行われ、各ホイールシリンダHC圧の増圧動作などは、次のようになる。
【0062】
車両挙動安定向上制御における増圧動作は、アキュムレータACCに蓄圧されたブレーキ液で行うために、流入用電磁開閉弁INL,INRを開とし、且つ流出用電磁開閉弁OUTL,OUTRを閉とすると共に、アキュムレータ用電磁開閉弁ACVを閉とし且つ挙動制御用第3電磁開閉弁DCVを開とする。この結果、アキュムレータACC内のブレーキ液を還流用ポンプPUMPで吸引して高圧にしつつ、流入用電磁開閉弁INL,INRを通じてホイールシリンダHCに送ることで増圧される。このように、マスタシリンダMSTからのブレーキ液を使用する代わりにアキュムレータACCを使用することで増圧特性が良い。
【0063】
なお、誤動作等によってポンプ吐出圧が過大となる場合もあるが、所定圧以上となるとリリーフ弁SVが作動することで液がマスタシリンダMST側に逃げて吐出ライン圧が過大となることが防止される。
【0064】
このとき、車両挙動安定向上制御作動の開始時(制動動作がされていない状態からの車両挙動安定向上制御の最初の増圧開始の際)においては、通常、ホイールシリンダHC圧は大気圧などと低いため、上記増圧動作の前に、一定時間だけ、アキュムレータ用電磁開閉弁ACVを開とし且つ挙動制御用第3電磁開閉弁DCVを閉として高圧のアキュムレータACC内のブレーキ液を直接ホイールシリンダHCに送ることで低圧からのホイールシリンダHC圧の立上りを向上させる。これによって、低圧状態のホイールシリンダHCの増圧動作の初期応答性が向上し、スピン等に応答良く対応可能とする。なお、このとき、他の電磁開閉弁を閉としておく。
【0065】
このように、本実施形態では、増圧動作時にマスタシリンダMSTの液を使用しないので、マスタシリンダMSTの圧の低下が回避されると共に、従来のようなペダルフィールの悪化が防止される。
【0066】
また、車両挙動安定向上制御時にホイールシリンダHC圧を保持する際には、全ての電磁開閉弁を閉じ、特に流入用電磁開閉弁INL,INR及び流出用電磁開閉弁OUTL,OUTRを閉じてホイールシリンダHCのブレーキ液の流通を遮断することで、ホイールシリンダHC圧を封じ込めホイールシリンダHC圧の保持が行われる。
【0067】
また、車両挙動安定向上制御時にホイールシリンダHC圧を減圧する際には、ABS制御時と同様に、上記電磁開閉弁のうち流出用電磁開閉弁OUTL,OUTRだけを開とし、他の電磁開閉弁を閉状態とすることで、ホイールシリンダHCのブレーキ液をオイルリザーバRSVへ流して、ホイールシリンダHC圧の減圧が行われる。
【0068】
また、車両挙動安定向上制御時の次回のホイールシリンダHC圧の減圧ために、オイルリザーバRSVからのブレーキ液の回収を行う必要がある。このオイルリザーバRSVからのブレーキ液の回収動作は、上記保持動作中、若しくは上記減圧動作中に液をアキュムレータACC又はマスタシリンダMSTに送ることで行われる。
【0069】
本実施形態では、上記回収動作で、先に車両挙動安定向上制御時のアキュムレータACCへの蓄圧を行うと共に、マスタシリンダMSTへの回収動作を減らしてマスタシリンダMST圧の変動を抑えるために、オイルリザーバRSVの液の回収は、先にアキュムレータACCに回収し、該アキュムレータACCに封入圧上限まで蓄圧されたときになって、始めてマスタシリンダMST側に送るように制御する。なお、アキュムレータACCに封入圧上限まで蓄圧されたかどうかは、弁の開閉動作やポンプPUMPの作動などから推定する。
【0070】
上記オイルリザーバRSVのブレーキ液のアキュムレータACCへの回収動作は、二つのホイールシリンダHCのうち高圧側(以下説明では右輪側が高圧とする)のホイールシリンダHCに接続する流入用電磁開閉弁INRを開とし、アキュムレータ用電磁開閉弁ACVをPWM制御により所定デューティ比で高速開閉状態とし、その他の電磁開閉弁を閉状態に設定することで行われる。
【0071】
ホイールシリンダHC圧が高圧側の流入用電磁開閉弁INRを開状態とすることで、その高圧側のホイールシリンダHC圧が、低圧側の流入用電磁開閉弁INLと並列に設けられたチェック弁CVLに負荷され、低圧側のホイールシリンダHC圧は封じ込められて、当該低圧側のホイールシリンダHC圧は一定に保持される。
【0072】
また、高圧側のホイールシリンダHC圧がポンプPUMPの吐出圧ラインに負荷されて、還流用ポンプPUMPの吐出圧ラインの液圧剛性が下がると共に、アキュムレータ用電磁開閉弁ACVはPWM制御により高速開閉状態となることでアキュムレータACC側に微小量ずつ液が送り込まれる状態となる。この結果、ポンプPUMPの吐出圧ラインの変動が抑えられ、且つその小さな変動も減衰して高圧側のホイールシリンダHCに伝達されるために、高圧側のホイールシリンダHC圧も一定に保持される。
【0073】
ここで、上記PWM制御のデューティ比a/Aは、図2に示す如く、還流用ポンプPUMPの吐出圧(の中心値)に応じて変化させて、ポンプPUMPの吐出ライン圧の低下量と増加量がほぼ一定値となるように設定する。
【0074】
上記のような動作によって、2つのホイールシリンダHCの圧が一定に保持された状態で、徐々にオイルリザーバRSVの液がアキュムレータACCに回収される。
【0075】
そして、アキュムレータACCに封入圧上限まで蓄えられると、自動的にアキュムレータ用リリーフ弁RVが作動して液がポンプPUMP側に還流する。これによって、アキュムレータACCの圧を検出する必要がなくなり、若干長めにアキュムレータACC側に液を送るように設定しておけば該アキュムレータACCに封入圧上限まで蓄えられ、さらには、それ以上の圧がアキュムレータACCに負荷されることが防止されることで、アキュムレータACCの耐圧性を上げる必要もない。
【0076】
そして、アキュムレータACCに封入圧上限まで蓄えられる前にオイルリザーバRSVからの液の回収が完了した場合には、マスタシリンダMST側の液を送る必要はない。
【0077】
一方、アキュムレータACCに封入圧上限まで蓄えられた後にも、オイルリザーバRSVに液が残留している場合には、挙動制御用第1電磁開閉弁GVを閉状態に設定し且つ挙動制御用第1電磁開閉弁GVをPWM制御により所定デューティ比で高速開閉状態とする。
【0078】
この場合にも、ホイールシリンダHC圧が高圧側の流入用電磁開閉弁INRが開状態とすることで、その高圧側のホイールシリンダHC圧が、低圧側の流入用電磁開閉弁INLと並列に設けられたチェック弁CVLに負荷され、低圧側のホイールシリンダHC圧は封じ込められて、当該低圧側のホイールシリンダHC圧は一定に保持される。
【0079】
また、高圧側のホイールシリンダHC圧がポンプPUMPの吐出圧ラインに負荷されて、還流用ポンプPUMPの吐出圧ラインの液圧剛性が下がると共に、挙動制御用第1電磁開閉弁GVはPWM制御により高速開閉状態となることでアキュムレータACC側に微小量ずつ液が送り込まれる状態となる。この結果、ポンプPUMPの吐出圧ラインの変動が抑えられ、且つその小さな変動も減衰して高圧側のホイールシリンダHCに伝達されるために、高圧側のホイールシリンダHC圧も一定に保持される。
【0080】
ここで、上記PWM制御のデューティ比b/Bは、図3に示す如く、還流用ポンプPUMPの吐出圧(の中心値)に応じて変化させて、ポンプPUMPの吐出ライン圧の低下量と増加量がほぼ一定値となるように設定する。
【0081】
上記のような動作によって、2つのホイールシリンダHCの圧が一定に保持された状態で、徐々にオイルリザーバRSVの液がマスタシリンダMSTに回収される。
【0082】
また、車両挙動安定向上制御の増圧動作のための、アキュムレータACCへの蓄圧動作は、上記オイルリザーバRSVからの回収動作でも行われるが、ABS制御及び車両挙動安定向上制御が行われないときに、マスタシリンダMSTからも行われる。
【0083】
このアキュムレータACCへの蓄圧動作は、挙動制御用第2電磁開閉弁SUV及びアキュムレータ用電磁開閉弁ACVを開状態とすると共にその他の電磁開閉弁を閉状態とし、且つ還流用ポンプPUMPを作動状態とすることで行われる。この作動状態とすることで、マスタシリンダMSTのブレーキ液が、第1吸入用管路PC4を通じて還流用ポンプPUMPにより吸引され、アキュムレータ用管路PC5を通じてアキュムレータACCに供給され蓄圧される。この蓄圧動作により、アキュムレータACCに封入圧上限値までアキュムレータACCに蓄圧されると、自動的にアキュムレータ用リリーフ弁RVが作動して余分なブレーキ液はポンプPUMP側に還流するので、アキュムレータACC圧を測定してアキュムレータACCが封入圧上限値まで蓄圧かどうかを検出する必要はない。
【0084】
また、このアキュムレータACCへの蓄圧動作中にブレーキペダルPDLが踏まれた場合には、挙動制御用第1電磁開閉弁GV及び流入用電磁開閉弁INL,INRを開状態とすることでホイールシリンダHCへのブレーキ液の供給はできるが、所望のブレーキ圧が確保できるように、挙動制御用第2電磁開閉弁SUVを閉じてアキュムレータACCへの蓄圧動作を中断するのが望ましい。
【0085】
ここで、リリーフ弁SVは、フェイルセーフ用のリリーフ弁であって、誤動作によって還流用ポンプPUMPの吐出圧が過大となった場合に、ブレーキ液をマスタシリンダMST側に逃がすものである。このリリーフ弁SVの設定圧は、必要ホイールシリンダHC圧以上に設定する。
【0086】
なお、別途、コントローラ等の制御等によって、誤動作による還流用ポンプPUMPの吐出圧が過大となることが防止できる場合には、上記リリーフ弁SVを省略してもよい。
【0087】
なお、上記実施形態では、例えば流入用電磁開閉弁INL,INRと流出用電磁開閉弁OUTL,OUTRとを別の弁として説明しているが、3位置切換えの電磁開閉弁によって構成する等によって一つの弁から構成するようにしてもよい。
【0088】
なお、全実施形態において、各ホイールシリンダHC対応の各流入用電磁開閉弁INL,INR等は、必ずしも同期をとって開閉されるわけではなく、例えば、車両がコースアウトするおそれが生じ、車両挙動安定向上制御が作動した場合には外輪側に対し特に制動動作が行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るブレーキ流体圧制御装置の回路構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るアキュムレータ用電磁開閉弁をPWM制御する際のデューティ比の設定例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る挙動制御用第1電磁開閉弁をPWM制御する際のデューティ比の設定例を示す図である。
【図4】従来のブレーキ流体圧制御装置の回路構成を示す図である。
【符号の説明】
MST マスタシリンダ
HC ホイールシリンダ
INL、INR 流入用電磁開閉弁
OUTL、OUTL 流出用電磁開閉弁
RSV オイルリザーバ
PUMP 還流用ポンプ
GV 挙動制御用第1電磁開閉弁
SUV 挙動制御用第2電磁開閉弁
DUV 挙動制御用第3電磁開閉弁
ACV アキュムレータ用電磁開閉弁
ACC アキュムレータ
RV アキュムレータ用リリーフ弁
SV リリーフ弁
PC1 供給用管路
PC2 第1還流用管路
PC3 第2還流用管路
PC4 第1吸入用管路
PC5 アキュムレータ用管路
PC6 第2吸入用管路
PC7 液回収用管路
PDL ブレーキペダル

Claims (7)

  1. マスタシリンダとホイールシリンダとを接続する供給用管路と、その供給用管路の途中に介装される流入用電磁開閉弁と、吸入ポートを第1還流用管路を通じて上記ホイールシリンダに接続し且つ吐出ポートを第2還流用管路を通じて上記供給用管路に上記流入用電磁弁よりもマスタシリンダ側で接続する還流用ポンプと、上記第1還流用管路の途中に介装される流出用電磁開閉弁と、上記流出用電磁開閉弁よりも上記還流用ポンプ側で上記第1還流用管路に設けられたオイルリザーバと、を備え、上記供給用管路を通じてマスタシリンダに二つのホイールシリンダを並列に接続したABS用のブレーキ流体圧制御装置に対し、
    流入用電磁開閉弁及び上記第2還流用管路と上記マスタシリンダとの間の流通を遮断可能に上記供給用管路に設けられた挙動制御用第1電磁開閉弁と、上記還流用ポンプの吸入ポートとマスタシリンダとを挙動制御用第2電磁開閉弁を介して接続する第1吸入用管路と、上記還流用ポンプの吐出ポートとアキュムレータとを接続するアキュムレータ用管路と、そのアキュムレータ用管路の途中に設けられたアキュムレータ用電磁開閉弁と、上記アキュムレータと上記還流用ポンプの吸入ポートとを挙動制御用第3電磁開閉弁を介して接続する第2吸入用管路と、を備え
    上記オイルリザーバに貯蔵された液のアキュムレータへの回収作動時は、上記二つのホイールシリンダの圧が高い側に連通する上記流入用電磁開閉弁が開となり、上記アキュムレータ用電磁開閉弁がPWM制御により所定デューティ比により高速開閉状態となり、その他の上記電磁開閉弁を閉となると共に、上記還流用ポンプが作動状態となることを特徴とするブレーキ流体圧制御装置。
  2. 上記オイルリザーバに貯蔵された液のマスタシリンダへの回収作動時は、上記二つのホイールシリンダの圧が高い側に連通する上記流入用電磁開閉弁が開となり、上記挙動制御用第1電磁開閉弁をPWM制御により所定デューティ比により高速開閉状態となり、その他の上記電磁開閉弁を閉になると共に、上記還流用ポンプが作動状態となることを特徴とする請求項1に記載したブレーキ流体圧制御装置。
  3. マスタシリンダとホイールシリンダとを接続する供給用管路と、その供給用管路の途中に介装される流入用電磁開閉弁と、吸入ポートを第1還流用管路を通じて上記ホイールシリンダに接続し且つ吐出ポートを第2還流用管路を通じて上記供給用管路に上記流入用電磁弁よりもマスタシリンダ側で接続する還流用ポンプと、上記第1還流用管路の途中に介装される流出用電磁開閉弁と、上記流出用電磁開閉弁よりも上記還流用
    ポンプ側で上記第1還流用管路に設けられたオイルリザーバと、を備え、上記供給用管路を通じてマスタシリンダに二つのホイールシリンダを並列に接続したABS用のブレーキ流体圧制御装置に対し、
    流入用電磁開閉弁及び上記第2還流用管路と上記マスタシリンダとの間の流通を遮断可能に上記供給用管路に設けられた挙動制御用第1電磁開閉弁と、上記還流用ポンプの吸入ポートとマスタシリンダとを挙動制御用第2電磁開閉弁を介して接続する第1吸入用管路と、上記還流用ポンプの吐出ポートとアキュムレータとを接続するアキュムレータ用管路と、そのアキュムレータ用管路の途中に設けられたアキュムレータ用電磁開閉弁と、上記アキュムレータと上記還流用ポンプの吸入ポートとを挙動制御用第3電磁開閉弁を介して接続する第2吸入用管路と、を備え、
    上記オイルリザーバに貯蔵された液のマスタシリンダへの回収作動時は、上記二つのホイールシリンダの圧が高い側に連通する上記流入用電磁開閉弁が開となり、上記挙動制御用第1電磁開閉弁をPWM制御により所定デューティ比により高速開閉状態となり、その他の上記電磁開閉弁を閉になると共に、上記還流用ポンプが作動状態となることを特徴とするブレーキ流体圧制御装置。
  4. 上記挙動制御用第3電磁開閉弁と並列に、アキュムレータ側の圧を作動圧とするアキュムレータ用リリーフ弁を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載したブレーキ流体圧制御装置。
  5. 車両挙動安定制御時におけるホイールシリンダ圧の増圧作動時は、挙動制御用第3電磁開閉弁及び流入用電磁開閉弁が開に、その他の上記電磁開閉弁が閉になると共に、上記還流用ポンプが作動状態となることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載したブレーキ流体圧制御装置。
  6. ホイールシリンダ圧が低圧の状態からの当該ホイールシリンダ圧の増圧作動開始時は、上記アキュムレータ用電磁開閉弁及び流入用電磁開閉弁が開状態に、その他の電磁開閉弁が閉状態になることを特徴とする請求項1〜請求項のいずれかに記載したブレーキ流体圧制御装置。
  7. 上記アキュムレータ用リリーフ弁の設定圧を上記アキュムレータの封入圧上限値に設定すると共に、上記アキュムレータへの蓄圧作動時は、挙動制御用第2電磁開閉弁とアキュムレータ用電磁開閉弁とが開状態となると共にその他の上記電磁開閉弁を全て閉状態となり、且つ還流用ポンプが作動状態に設定されることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載したブレーキ流体圧制御装置。
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