JP3973913B2 - 写真シール自動販売装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばゲームセンターや遊園地、旅館、観光地などの施設に設置し、撮像手段で撮像した画像に落書き等をさせて印刷した写真シールシートを販売するような写真シール自動販売装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、撮像空間の被写体を照明手段で照明して撮像手段で撮像し、該撮像した撮像画像に落書き等をさせて印刷した写真シールシートを販売する写真シール自動販売装置が存在している。
【0003】
前記写真シール自動販売装置を利用する利用者は複数人のグループであることが多く、またポーズを取って全身を撮像できる写真シール自動販売装置に人気が集まっているため、撮像空間を広く確保する傾向にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、撮像空間が広くなると、例えば被写体が2人で撮像手段に接近して主に顔を撮像する、或いは被写体が4人で撮像手段から離れて全身を撮像する等、撮像の自由度が大きくなるのに対し、被写体の位置や人数等の被写体の状態に関わらず適切な照明効果や撮像効果を得ることは困難であった。
【0005】
また、例えば被写体の1人は撮像手段に接近し、もう1人は撮像手段から離れた状態で撮像した場合など、分散した被写体の位置に応じて照明効果や撮像効果、編集効果等を変化させることもできなかった。
【0006】
この発明は、被写体の位置、数、有無等の被写体の状態に応じて照明効果、撮像効果、編集効果等の効果を変化させ、写真シールシートの仕上がりのバリエーションを豊富にし、写真シールシート作成のアミューズメント性を向上させた写真シール自動販売装置を提案することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、撮像空間内の複数の被写体を複数の照明手段で照明して撮像手段で撮像して撮像画像を作成する撮像処理を許容し、編集対象の画像に対して編集手段で編集して編集画像を作成する編集処理を許容し、所定の画像を出力画像として出力手段で出力する写真シール自動販売装置であって、複数の被写体を検知する検知手段を設け、前記検知した複数の被写体の各々の位置に基づいて、複数の前記照明手段の夫々の照明状態を変化させる制御手段を備えた写真シール自動販売装置であることを特徴とする。
【0008】
前記編集対象の画像は、前記撮像画像のほか、通信手段又は記憶媒体読取手段等のデータ取込手段で取得する画像、すなわち個人用デジタルカメラでの撮像やパソコンでのグラフィック制作等によるデジタル画像や、写真や絵画等の実画像をスキャナでスキャニングしたスキャニング画像を含む。
【0009】
前記所定の画像は、前記撮像画像、前記デジタル画像、前記スキャニング画像、及び/又はこれらの画像を編集手段で編集した編集画像であることを含む。
【0010】
前記出力手段は、画像を印刷する印刷手段、画像データを送信する通信手段、又は画像データを記憶媒体に書き込む記憶媒体リーダ/ライタであることを含む。
【0011】
前記出力画像は、前記所定の画像、又は前記所定の画像を複数配置した画像であることを含む。
【0012】
前記検知手段は、被写体の重みを検出して被写体が存在するか否かを検知する圧力センサ、近赤外線の反射を検出して被写体が存在するか否かを検知する光学センサ等のセンサであることを含む。
【0013】
前記検知手段による検知は、複数の被写体の位置、数、有無等の被写体の状態を検知することを含む。
【0014】
前記構成により、複数の被写体の位置、数、有無等の被写体の状態を検知することができ、被写体の状態に応じた効果を得た写真シールシートを得ることができる。
【0015】
前記照明状態を変化させる制御手段は、複数の照明手段の夫々の光量の変更、照明角度の変更、位置の変更、又は複数の照明手段から照明する照明手段を選択等の制御、又はこれらの複合であることを含む。
【0016】
前記構成により、例えば被写体が撮像空間左側にいれば左側の照明手段のみを発光させる、或いは被写体が照明手段から近い時は光量を減少し、被写体が照明手段から遠いときは光量を増加する等、複数の被写体の位置に基づいた照明効果を得ることができ、無駄な照明光を廃して照明手段を効果的に活用し、消費電力を削減することができる。
【0017】
好ましい実施の形態として、前記照明手段の照明方向を変更可能に構成し、前記照明手段の夫々の照明状態を変化させる制御手段は、前記照明手段を駆動して照明方向を変化させるようにすることができる。
【0018】
好ましい実施の形態として、前記検知手段で検知した被写体の状態に基づいて、前記撮像手段の撮像条件を変化させる制御手段を備えることができる。
前記撮像条件を変化させる制御手段は、撮像手段の撮像角度の変更、該撮像角度の変更速度・変更範囲の変更、撮像手段の移動、複数の撮像手段から使用する撮像手段の選択等の制御、又はこれらの複合であることを含む。
前記構成により、例えば被写体が撮像手段から近いときは撮像手段の可動角度を大きく設定し、被写体が撮像手段から遠いときは撮像手段の可動角度を小さく設定するなど、複数の被写体の位置、数、有無等の被写体の状態に基づいた撮像効果を得ることができる。
【0019】
好ましい実施の形態として、前記検知手段で検知した被写体の状態に基づいて、前記編集手段の編集条件を変化させる制御手段を備えることができる。
前記編集条件を変化させる制御手段は、例えば撮像画像に落書きペンで落書き編集するときに、撮像手段に近づいて撮像した被写体の姿には落書き不能にし、撮像手段から離れて撮像した被写体の姿には落書きできるようにして立体感を出す等、複数の被写体の位置、数、有無等の被写体の状態に基づいた編集効果を得ることができる。
【0020】
【発明の効果】
この発明により、広がる傾向にある撮像空間のどこに被写体が存在するか等の複数の被写体の状態を検知して、それに基づいた効果を得た写真シールシートを取得できるようになり、写真シールシートの仕上がりのバリエーションが豊富になって利用者にとってアミューズメント性が向上する。
【0021】
写真シール自動販売装置を設置する施設の経営者は、アミューズメント性が向上することでリピート客を確保することができ、短縮化される傾向にある写真シール自動販売装置のライフサイクルを長期化し、設備投資に対する利益率を向上することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は写真シール自動販売機1の外観を表す斜視図であり、写真シール自動販売機1は、枠9でボックス状に囲繞した撮像空間を備え、その正面奥に筐体2を備える。
【0023】
前記撮像空間の天井には、中央近傍に横長の蛍光灯照明装置16aを、その前方にも同様に横長の蛍光灯照明装置16bをそれぞれ設け、該蛍光灯照明装置16a,16bは下向きに光を照射して撮像空間を上から照明する
前記枠9の両側面及び正面は、枠9の上部からカーテン8を吊るして撮像空間を囲繞する(図では右側面と正面のカーテン8を省略)。前記カーテン8は、外部から撮像空間を見えないように遮蔽し、また後述の合成処理のために肌色の補色である青色(例えばアルチマットブルー)のものを使用する。
【0024】
前記筐体2は、全体を略四角形に構成し、前面の上部中央に被写体3(3A,3D)を撮像するデジタルカメラ17a,17bを縦に並設する。
該デジタルカメラ17(17a,17b)の両横には、撮像時に被写体3を照明する縦長の長方形に形成した蛍光灯照明装置16e,16fを備える。
【0025】
前記筐体2の正面上端には、4つの白熱灯照明装置15(15a,15b,15c,15d)を並設する。
【0026】
筐体2の正面中央には、画像を表示するディスプレイ18を備え、その右横にタッチペン13aを備える。前記ディスプレイ18にはタッチパネル13bを重ねて設け、前記タッチペン13aでタッチされた座標を検知するタッチパネル式の入力装置13(後述)を構成する。
筐体2の正面下部には、上側に左右に配設した白熱灯照明装置15e,15fを設け、左側の前記白熱灯照明装置15eの下には硬貨を利用料金として投入する貨幣投入口14aを、右側の前記白熱灯照明装置15fの下には写真シールシート5cを排出する写真シール排出口19aを備える。
【0027】
筐体2の内部には、図2の部分拡大図(一部断面図)に示すように、右下部正面側にプリンタ19を備え、該プリンタ19の背面側に前述の各装置を制御する制御装置11(後述)を格納したパソコン10を備える。
【0028】
前記プリンタ19には、シール紙ユニット5をセットしており、該シール紙ユニット5はロール状に巻いたシール紙5aと正規品か否かを識別させる識別データ等のデータを記憶させたIDタグ5bで構成する。
【0029】
前記プリンタ19の背部にはIDタグリーダ/ライタ20を備え付けており、前記IDタグ5bに記憶の前記データを読取る。
なお、前記IDタグ5bとシール紙5aは一体に形成し分離不可にしているが、別体に形成し例えばシール紙5aはプリンタ19に、IDタグ5bはIDタグリーダ/ライタ20にそれぞれセットするように構成しても良い。
【0030】
図1に示したように、前述の枠9で囲繞された撮像空間の床面には、被写体3が乗った圧力を検知する16個のセンサ21(図示省略)を、4×4の16面に分割した床面の各領域(領域A1〜A4,領域B1〜B4,領域C1〜C4,領域D1〜D4)に配設する。
【0031】
以上の構成により、センサ21で検知する被写体3の位置に基づいて、白熱灯照明装置15及び蛍光灯照明装置16の照明を変化させ、デジタルカメラ17a又はデジタルカメラ17bを選択して撮像を実行し、撮像した撮像画像を入力装置13で編集した編集画像を印刷した写真シールシート5cを排出する。
【0032】
次に、図3に示す回路ブロック図と共に、写真シール自動販売機1の構造について説明する。
制御装置11は、CPU,ROM,RAMで構成して前述のパソコン10の内部に設けられ、前記ROMに格納のプログラムに基づいて前記CPUで制御処理を実行し、前記RAMを一時記憶領域として使用する。
【0033】
入力装置13は、前述したようにディスプレイ18b(図1)に重ねて設けられたタッチパネル13bとタッチペン13aとにより形成し、利用者にタッチペン13aでタッチされた座標を入力信号として制御装置11に送信する。前記入力信号は、撮像開始や落書き等の動作指示を受取るための信号となる。
【0034】
貨幣処理装置14は、コインセレクタ(図示省略)とコイン収納部(図示省略)で構成して前述の貨幣投入口14aの内部に設けられ、前記コインセレクタで投入された硬貨の真偽判別、金種判別を行って投入金額を処理信号として制御装置11に送信し、処理した硬貨を前記コイン収納部に格納する。前記真偽判別、金種判別で正規でないと判断された硬貨はそのまま排出される。
なお、前記処理信号は、写真シール自動販売機1のプレイを開始する起動信号にもなる。
【0035】
白熱灯照明装置15(15a,15b,15c,15d,15e,15f)は、制御装置11からの照明制御信号でON/OFF制御され、ONの間連続発光する。撮像時においては、白熱灯照明装置15e,15fは常に発光し、白熱灯照明装置15a,15b,15c,15dは、被写体3の位置に応じて制御装置11に選択されたものだけが発光する。
【0036】
蛍光灯照明装置16(16a,16b,16e,16f)は、制御装置11からの照明制御信号でON/OFF制御され、ONの間連続発光する。撮像時においては、蛍光灯照明装置16e,16fは常に発光し、蛍光灯照明装置16a,16bは、被写体3の位置に応じて制御装置11に選択されたものだけが発光する。
【0037】
デジタルカメラ17(17a,17b)は、制御装置11からのシャッタ信号で被写体3の撮像を実行し、撮像前にディスプレイ18にプレビュー表示するための動画データ、及び撮像した静止画データを画像データとして制御装置11に送信する。実際の撮像時には、被写体3の位置に基づいて制御装置11に選択された一方のデジタルカメラ17を使用する。
【0038】
ディスプレイ18は、制御装置11よりRGB信号を受信し、該RGB信号に基づいて撮像前のプレビュー画像、撮像した撮像画像及び利用者に操作を促すメッセージ画像等の画像を表示する。
プリンタ19は、前述の写真シール排出口19aの内部に設け、制御装置11よりプリント画像データを受信して印刷を実行し、前記プリント画像をシール紙5aに印刷した写真シールシート5cを前記写真シール排出口19aから排出する。
IDタグリーダ/ライタ20は、シール紙ユニット5に備えたIDタグ5bに記憶されているデータを読出信号で読取り、更新信号で前記データの更新を実行する。これによって、制御装置11はシール紙ユニット5が正規のものであるか否かを判定し、必要に応じて印刷回数であるカウント数を上書きする等の更新処理を実行する。
【0039】
センサ21は、前述したように4×4の16面に分割した床面の各領域(領域A1〜A4,領域B1〜B4,領域C1〜C4,領域D1〜D4)に配設されており、被写体3が乗った圧力を検出してその検知信号を制御装置11に送信する。
【0040】
前記検知信号は、領域A1〜A4(図1)にそれぞれ備えた4つのセンサ21の検出を領域Aに対する検知信号としてまとめ、同様に領域B1〜B4を領域B、領域C1〜C4を領域C、領域D1〜D4を領域Dとして、4つに分割した領域A,B,C,Dのどの領域に被写体3が存在するのかを表す。
【0041】
以上の構造により、センサ21が検知した被写体3の位置に基づいて、制御装置11は照明する白熱灯照明装置15及び蛍光灯照明装置16を選択し、撮像するデジタルカメラ17を選択して撮像を実行する。制御装置11は、該撮像した撮像画像に前記センサ21で検知した被写体3の位置情報を付加して撮像情報を作成し、該撮像情報に対して前記入力手段13で落書きを行う。
【0042】
次に、センサ21の検知した被写体3の位置に基づいて、制御装置11で制御する白熱灯照明装置15及び蛍光灯照明装置16について、図4に示す照明説明図と共に説明する。
ここで、図中の(A)〜(D)は写真シール自動販売機1の平面図を表しており、撮像時に常に発光する白熱灯照明装置15e,15f及び蛍光灯照明装置16e,16fについては説明を省略する。
【0043】
図中の(A)は、被写体3が領域A(A1〜A4)の中に存在することをセンサ21が検知した場合に発光する照明装置(白熱灯照明装置15、蛍光灯照明装置16)を表す。このとき制御装置11は、図に斜線で表す白熱灯照明装置15a,15b及び蛍光灯照明装置16aをONにして発光させ、他の不要な照明装置、すなわち領域Aの被写体3を照明しない照明装置を発光させない状態で撮像を実行する。
【0044】
同様に、図中の(B)は被写体3が領域B(B1〜B4)の中に存在する場合を表し、白熱灯照明装置15c,15d及び蛍光灯照明装置16aをONにして撮像を実行する。
【0045】
図中の(C)は、被写体3が領域C(C1〜C4)の中に存在する場合を表し、白熱灯照明装置15a,15b,15c及び蛍光灯照明装置16bをONにして発光させ、他の不要な照明装置、すなわち領域Cの被写体3を照明しない照明装置を発光させない状態で撮像を実行する。
【0046】
同様に、図中の(D)は被写体3が領域D(D1〜D4)の中に存在する場合を表し、白熱灯照明装置15b,15c,15d及び蛍光灯照明装置16bをONにして撮像を実行する。
【0047】
なお、複数の領域にそれぞれ被写体3が存在する場合は、各領域について発光させる照明装置の最大公約数の照明装置を発光させる。例えば、領域A,Bに被写体3が存在する場合は、白熱灯照明装置15a,15b,15c,15d及び蛍光灯照明装置16aを発光させ、例えば領域A,Dに被写体3がいた場合は、白熱灯照明装置15a,15b,15c,15d及び蛍光灯照明装置16a,16bを発光させる。
以上の制御により、撮像時に必要な照明装置のみを使用して、効果的な照明を得た上で消費電力を削減することができる。
【0048】
次に、センサ21の検知した被写体3の位置に基づいて、制御装置11で制御するデジタルカメラ17について、図5に示す撮像説明図と共に説明する。
ここで、図中の(E)〜(G)は写真シール自動販売機1の右側面図を表しており、図の点線は撮像範囲を表す。
【0049】
図中の(E)は、被写体3が領域A(図1)及び/又は領域Bに存在する場合を表しており、このとき制御装置11は上側のデジタルカメラ17aを使用して撮像する。撮像時には前述したように蛍光灯照明装置16a等を発光させ、主に被写体3の顔を撮像する。
例えば、被写体3(3A)が領域Aにいて撮像したとすると、その撮像画像には、図6の(H)に示すように被写体3Aの上半身(主に顔)が写る。
【0050】
図中の(F)は、被写体3が領域C及び/又は領域Dに存在する場合を表しており、このとき制御装置11は下側のデジタルカメラ17bを使用して撮像する。撮像時には前述したように蛍光灯照明装置16b等を発光させ、被写体3の全身を撮像する。
例えば、被写体3(3D)が領域Dにいて撮像したとすると、その撮像画像には、図6の(I)に示すように被写体3Dの全身が写る。
【0051】
図中の(G)は、被写体3が領域A又は領域Bと領域C又はDにそれぞれ存在する場合を表しており、このとき制御装置11は下側のデジタルカメラ17bを使用して撮像する。撮像時には前述したように蛍光灯照明装置16a,16b等を発光させ、領域A又は領域Bの被写体3は主に顔を、領域C又はDの被写体3は全身を撮像する。
例えば、被写体3Aが領域Aに、被写体3Dが領域Dにいて撮像したとすると、その撮像画像には、図6の(J)に示すように右側に被写体3Aの上半身(主に顔)が、左側に被写体3Dの全身がそれぞれ写る。
以上の制御により、被写体3の位置に基づいて最適なデジタルカメラ17を使用して撮像を行うことができる。
【0052】
次に、撮像画像に対して編集を行う落書き処理の方法について、図7に示す位置情報の説明図、図8に示す画面イメージ図と共に説明する。
【0053】
図7に示す位置情報の配列Pは、領域A,B,C,D(図1)内に被写体3が存在するか否かを表しており、この順に配列P[0〜3]に1又は0を格納している。
【0054】
例えば図1に示したように領域Aに被写体3Aが、領域Dに被写体3Dがそれぞれいたとすると、図7に示すように配列Pは、P[0]=1,P[1]=0,P[2]=0,P[3]=1となる。
【0055】
この状態で撮像すると、図6の(J)で示したように、撮像画像の左側に被写体3Dが、右側に被写体3Aが撮像される。
前記配列Pで形成する位置情報を格納の画像情報を利用して、次に説明するように撮像画像に落書きを実行する。
【0056】
図8の(L)に点線で示すように、制御装置11は、前記撮像画像に落書きを行うとき、左画像18aと右画像18bに中央で分割して以降の処理を行う。さらに、左画像18aであれば被写体3が領域B,Dのどちらにいたか、右画像18bcであれば被写体3が領域A,Cのどちらにいたかにより、以降の処理内容を変更する。
【0057】
図中の(M)に示すように、被写体3が領域A又は領域Bにいた場合、制御装置11は被写体3の撮像に対して、落書きを禁止する範囲にマスクMを設定する。すなわち、今回はP[0]=1から図中の(L)に示したように被写体3Aが領域Aに存在するため、右画像18bの背景色(青色)と異なる色相部分(つまり被写体3Aが写っている部分)に落書きを禁じる範囲であるマスクM(図の斜線部分)を設定する。なお、左画像18aは被写体3Dが領域Dに存在するため、マスクMが設定されない。
【0058】
図中の(N)に示すように、利用者がタッチペン13a(図1)で線を引くようにして星マーク18cの落書きを行うと、左画像18aはマスクMが設定されていないため通常と同じく背景及び被写体3Dの上に星マーク18cが描画される。
右画像18bは、被写体3Aが写っている部分にマスクMが設定されているため、被写体3Aが写っている部分を避けて描画され、あたかも被写体3Aと背景の間に星マーク18cが存在するように描画される。
【0059】
上述の例ではタッチペン13aを利用して星マーク18cを描画しているが、図中の(O)に示すように合成用画像18dを合成することもできる。この場合は、前述のタッチペン13aと同様にマスクMの部分には描画を行わない設定にすることで、被写体3Aは合成用画像18dの手前に、被写体3Dは合成用画像18dの向こう側に存在するように見える画像ができる。
【0060】
なお、通常の背景色はカーテン8の青色一色であるので、背景画像18eを合成可能に構成してもよい。この場合、被写体3DにもマスクMを設定し、背景画像18eを描画する際にのみ被写体3DのマスクMが有効になるよう設定すれば、図中の(O)に示したように被写体3A,3Dの両方の背景を違和感無く変更することができる。
【0061】
以上の方法により、制御装置11は、利用者の位置に基づいてマスクMを設定し、利用者のタッチペン13aによる入力に対してマスクM以外の部分の落書きを許容し、各被写体3の前後の立体感を強調できる落書きを可能にする。
【0062】
次に、写真シール自動販売機1の全体の動作について、図9に示す処理フロー図と共に説明する。
利用者によって貨幣投入口14a(図1)から硬貨が投入されると、貨幣処理装置14(図3)によって硬貨の真偽判別、金種判別が実行され、真偽、金種が共に正規である硬貨の投入枚数が処理信号として制御装置11に送信される。制御装置11は、前記処理信号から投入枚数をカウントし、必要枚数となれば次のステップに処理を進める(ステップn1)。
制御装置11は、ディスプレイ18にRGB信号を送信して写真シールシート5cのレイアウトを複数表示させ、該レイアウトのいずれか1つを利用者に選択させると共に(ステップn2)、センサ21をONにする(ステップn3)。
【0063】
センサ21は、被写体3(利用者)の位置(例えば領域A,D)を検知してその検知信号を制御装置11に送信し、制御装置11はその位置をRAM(図示せず)に一時記憶する(ステップn4)。
【0064】
制御装置11は、図4を用いて前述した照明装置(白熱灯照明装置15、蛍光灯照明装置16)の制御を実行し、被写体3の位置に対応して必要な照明装置(この場合は全ての白熱灯照明装置15及び全ての蛍光灯照明装置16)を発光させる(ステップn5)。
【0065】
また制御装置11は、図5を用いて前述したデジタルカメラ17の制御を実行し、デジタルカメラ17a,17bのうち被写体3の位置に対応した方(この場合は下側のデジタルカメラ17b)を使用し、ディスプレイ18に該デジタルカメラ17(17b)で撮影している映像を動画表示させると共に撮像開始ボタンを表示させる(ステップn6)。
【0066】
利用者は、ディスプレイ18を見て撮像ポーズなどの写り具合を確認し、よければ前記撮像開始ボタンを押下する(ステップn7)。
【0067】
制御装置11は、ディスプレイ18にカウントダウン表示を行い、該カウントダウンが0になるタイミングでデジタルカメラ17bによる撮像を実行する(ステップn9)。
【0068】
前記撮像による撮像画像をデジタルカメラ17bから画像データとして受取った制御装置11は、ディスプレイ18にRGB信号で送信して前記撮像画像を静止画表示させ、利用者に該撮像画像を確認させてOKか否か決定させる(ステップn10)。
【0069】
OKであれば、前記撮像画像に配列Pからなる位置情報(この場合はP[0]=1,P[1]=0,P[2]=0,P[3]=1)を前記撮像画像に付与して撮像情報としてRAMに一時記憶し(ステップn11)、撮像した枚数が所定枚数以内であればステップn4に戻って撮像を繰り返す(ステップn12)。
【0070】
所定枚数の撮像が終了すれば、制御装置11はセンサ21をOFFにし(ステップn13)、撮像した撮像画像をディスプレイ18に表示させる(ステップn14)。
【0071】
このとき制御装置11は、撮像情報の位置情報(配列P)から利用者に落書きさせることを許容する領域の編集(図8を用いて前述したマスクMの作成)を行い(ステップn15)、落書きさせない領域であるマスクMを決定する(ステップn16)。
【0072】
利用者によってディスプレイ18に表示されている撮像画像から落書き編集する撮像画像を選択されると、その撮像画像の落書き編集に入り、図8を用いて前述したように、マスクM以外の部分に対するペンやスタンプによる作画、消しゴムペンによる削除等の落書きを利用者にさせる(ステップn17)。
【0073】
制御装置11は、前記落書き編集された編集画像をディスプレイ18に表示して利用者にOKか否か決定させる(ステップn18)。
前記決定がなされなくても、残り時間がなくなった場合は、強制的にその時点の落書き編集された編集画像を採用して次のステップに進む(ステップn19)。
【0074】
制御装置11は、ステップn2で選択されたレイアウトに前記編集画像及び/又は前記撮像画像を配置して印刷用画像を作成し、該印刷用画像をプリント画像データとしてプリンタ19に送信してシール紙5aに印刷する(ステップn20)。
プリンタ19は、印刷した写真シールシート5cを写真シール排出口19aから排出し(ステップn21)、処理を終了する。
【0075】
以上の構成、構造、動作により、利用者は適切な照明効果を得て適切なデジタルカメラ17で撮像された撮像画像に対して、アミューズメント性の高い落書き編集を行うことができ、図10に示す写真シールシート5cのイメージ図のように、その編集画像を印刷した写真シールシート5cを得ることができる。
【0076】
他の実施の形態として、前述のデジタルカメラ17を上下動可能に形成し、センサ21を光学センサで形成した場合について説明する。
図11は、この実施形態の写真シール自動販売機1の斜視図を表し、先の実施形態と異なって撮像空間の天井にセンサ21(20a,20b,20c,20d)を配設している。
【0077】
前記センサ21aは、領域A(A1〜A4)に対する近赤外線の反射を検出し、該領域Aに被写体3が存在するか否かを検知する。同様に、センサ21bは領域Bに対して、センサ21cは領域Cに対して、センサ21dは領域Dに対して被写体3が存在するか否かを検知する。
【0078】
筐体2の上部中央には、後述するように上下動可能なデジタルカメラ17a,17bを縦に並設する。
以上の構成により、センサ21は被写体3が領域A〜Dのどこに存在するかを検知することができ、被写体3の位置に対応してデジタルカメラ17(17a,17b)を選択・可動することができる。
【0079】
図12は、デジタルカメラ17(17a,17b)の可動部分であるカメラ可動装置22の構造を右側面から見た斜視図を表す。
カメラ可動装置22は、側面視扇形の可動台221、正逆転モータ(パルスモータ)224及び歯車225によりされており、前記可動台221の上部に形成した平面上には、デジタルカメラ17が固定されている。
【0080】
前記可動台221の扇形円周部の外側には歯車を構成する歯223を形成し、扇の要部分には枢軸222を形成する。
前記可動台221の下側には、前記歯223に対応する歯車225を設け、該歯車225の軸心に正逆転モータ224の回転軸を挿着する。
【0081】
以上に説明したカメラ可動装置22(22a,22b)は、図3の回路ブロック図に仮想線で示すように制御装置11に接続されており、該制御装置11からの可動信号に基づいて、正逆転モータ224を正回転又は逆回転させて可動する。
【0082】
これらの物理上及び回路上の構造により、制御装置11からの可動信号に基づく正逆転モータ224の回転力は、歯車225を介して可動台221に伝達され、該可動台221の枢軸222を軸として、該可動台221と共にデジタルカメラ17が上下に可動する。
【0083】
次に、センサ21の検知した被写体3の位置に基づいて、制御装置11で制御するデジタルカメラ17について、図13に示す撮像範囲説明図と共に説明する。
ここで、図中の(P)、(Q)は写真シール自動販売機1の右側面図とカメラ可動装置22(22a,22b)の拡大図を表しており、図の点線及び2点斜線は撮像範囲又は撮像方向を表す。
【0084】
図中の(P)は、デジタルカメラ17aの動作範囲を表しており、デジタルカメラ17aが最も上向きのときの撮像範囲を全体図の2点斜線で、最も下向きのときの撮像範囲は、全体図の点線で表している。
【0085】
デジタルカメラ17aを使用するのは、被写体3がデジタルカメラ17aに近い領域A(A1〜A4),B(B1〜B4)に存在するときであるため、制御装置11は拡大図に示すようにデジタルカメラ17aが深く上下動するように制御する。このとき、カメラ可動装置22aの正逆転モータ224が早めに回転するよう制御し、デジタルカメラ17aが深い動作範囲を素早く上下動するようにして、利用者の操作感を良くする。
【0086】
図中の(Q)は、デジタルカメラ17bの動作範囲を表しており、デジタルカメラ17bが最も上向きのときの撮像範囲を全体図の2点斜線で、最も下向きのときの撮像範囲を全体図の点線で表している。
【0087】
デジタルカメラ17bを使用するのは、被写体3がデジタルカメラ17aから遠い領域C(C1〜C4),D(D1〜D4)に存在するときであるため、制御装置11は拡大図に示すようにデジタルカメラ17bが浅く上下動するように制御する。このとき、カメラ可動装置22bの正逆転モータ224が早めに回転するよう制御し、デジタルカメラ17bが浅い動作範囲をゆっくり上下動するようにして、利用者の操作感を良くする。
【0088】
以上の制御により、被写体3がデジタルカメラ17に近いときはデジタルカメラ17の上下動を深く、遠いときはデジタルカメラ17の上下動を浅くすることで、デジタルカメラ17を適切な範囲内で上下動させる。
【0089】
次に、図9で説明した処理フロー図と共に、この実施形態の動作について説明する。
前述のステップn6では、先の実施形態と同一の動作を行うと共に、ディスプレイ18にデジタルカメラ17bを可動させるカメラ上向きボタンとカメラ下向きボタンを表示させる。
【0090】
またステップn7では、利用者は前記カメラ上向きボタン及びカメラ下向きボタンを操作してデジタルカメラ17bの撮像する方向を調整して、ディスプレイ18を見て撮像ポーズなどの写り具合を確認し、よければ前記撮像開始ボタンを押下する。
【0091】
その他のステップに関しては、先の実施形態と同一であるのでその詳しい説明を省略する。
なお、図11〜図13に示すこの実施形態においても、その他の構成、作用、効果については図1〜図10で示した先の実施例と同様であるから、図11〜図13において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
【0092】
以上の各実施形態により、利用者が撮像空間のどの位置(領域)にいても最適な照明装置及びデジタルカメラ17が使用されて美しく撮像することができる。
また、利用者(被写体3)の位置に応じてクロマキー合成(前述のマスクMを利用した作画、合成)を利用したバリエーション豊かな編集効果を得た写真シールシート5cを、利用者に提供することができる。
【0093】
なお、カーテン8は白色のものを使用し、撮像画像の明度によって、所定値以上の明るさの部分に対して落書き可能に設定し、これによりクロマキー合成を行う構成にしても良い。
【0094】
また、カーテン8は、青色や白色に限らず緑色、赤色等の色にしてもよいし、枠9の上辺にカーテンレールを設けて異なる色のカーテン8を準備して、カーテン8を変更可能に構成しても良い。これにより、例えば青い服を着ていた場合に緑色のカーテン8を選択する等、利用者に適応した背景色による精度の高いクロマキー合成を行うことができる。
また、カーテン8は白色のものを使用して、青色や緑色等の色に発光するクロマキー用蛍光管でカーテン8を照射してもよい。
【0095】
また、カメラ可動装置22を左右にも可動するように形成し、デジタルカメラ17を上下左右に可動させてもよい。
また、照明装置である白熱灯照明装置15及び蛍光灯照明装置16の一部又は前部をストロボ発光するストロボ照明装置に替えても良いし、照明装置の光量及び/又は発光色を変化させるように構成しても良い。
【0096】
また、前記照明装置を可動するように形成し、不要な照明装置を消灯するのではなく被写体3の存在する方向を照明するように構成しても良い。
また、前記照明装置は発光体(白熱球、蛍光管又はストロボ球)の前面に拡散板、背面に反射板を設けた照明ボックスで形成し、ソフトな光で被写体3を照明するように形成しても良い。
【0097】
また、センサ21で被写体3の総合重量を検知して人数を概算し、それに対応して照明装置の光量を変化させるように構成しても良い。
また、白熱灯照明装置15、蛍光灯照明装置16及びデジタルカメラ17は、撮像時に使用するものを利用者に選択させるように構成しても良い。この場合は、前述の各実施形態で説明した動作をデフォルトの動作としておき、該動作の後に利用者に選択させることで、利用者が操作しない場合は最適な撮像が行え、利用者が意図して操作した場合のみ照明効果や撮像効果等を変化させることができる。
【0098】
また、白熱灯照明装置15及び蛍光灯照明装置16は、上述の実施形態のように制御装置11で使用するものをデフォルト決定した後、使用するものを利用者が自由に変更して選択できるように構成しても良い。
【0099】
また、選択するペンやスタンプの種類によっては、マスクMの上にも落書きが行えるように設定しても良い。
また、センサ21で検知する撮像空間の分割領域の数は、4分割に限らず2分割や6分割や9分割など、様々な分割数に構成しても良い。
【0100】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の写真シール自動販売装置は、実施形態の写真シール自動販売機1に対応し、
以下同様に、
制御手段は、制御装置11に対応し、
編集手段は、入力装置13に対応し、
照明手段は、白熱灯照明装置15及び蛍光灯照明装置16に対応し、
撮像手段は、デジタルカメラ17に対応し、
出力手段は、プリンタ19に対応し、
検知手段は、センサ21に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】写真シール自動販売機の斜視図。
【図2】筐体内部の一部拡大図(一部断面図)。
【図3】写真シール自動販売機の回路ブロック図。
【図4】白熱灯照明装置及び蛍光灯照明装置の制御の説明図。
【図5】デジタルカメラの制御の説明図。
【図6】デジタルカメラを制御しての撮像内容の説明図。
【図7】被写体の位置情報の説明図。
【図8】落書き編集時の画面イメージの説明図。
【図9】写真シール自動販売機の処理フロー図。
【図10】写真シールシートのイメージ図。
【図11】他の実施形態の写真シール自動販売機の斜視図。
【図12】カメラ可動装置の斜視図。
【図13】デジタルカメラの撮像範囲説明図。
【符号の説明】
1…写真シール自動販売機
3…被写体
5…シール紙ユニット
5a…シール紙
5b…IDタグ
5c…写真シールシート
11…制御装置
13…入力装置
15…白熱灯照明装置
16…蛍光灯照明装置
17…デジタルカメラ
19…プリンタ
20…IDタグリーダ/ライタ
21…センサ
Claims (4)
- 撮像空間内の複数の被写体を複数の照明手段で照明して撮像手段で撮像して撮像画像を作成する撮像処理を許容し、
編集対象の画像に対して編集手段で編集して編集画像を作成する編集処理を許容し、
所定の画像を出力画像として出力手段で出力する写真シール自動販売装置であって、
複数の被写体を検知する検知手段を設け、
前記検知した複数の被写体の各々の位置に基づいて、複数の前記照明手段の夫々の照明状態を変化させる制御手段を備えた
写真シール自動販売装置。 - 前記照明手段の照明方向を変更可能に構成し、
前記照明手段の夫々の照明状態を変化させる制御手段は、前記照明手段を駆動して照明方向を変化させることを特徴とする
請求項1記載の写真シール自動販売装置。 - 前記検知手段で検知した被写体の状態に基づいて、前記撮像手段の撮像条件を変化させる制御手段を備えた
請求項1又は2記載の写真シール自動販売装置。 - 前記検知手段で検知した被写体の状態に基づいて、前記編集手段の編集条件を変化させる制御手段を備えた
請求項1、2又は3記載の写真シール自動販売装置。
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