<写真シール作成装置の外観>
図1および図2は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
写真シール作成装置1は、撮影画像や編集画像を提供するゲーム機である。写真シール作成装置1は、画像をシール紙に印刷したり、画像を利用者の携帯端末上で閲覧可能にしたりすることで、利用者に画像を提供する。写真シール作成装置1は、ゲームセンターなどのアミューズメント施設や店舗に設置される。
写真シール作成装置1の利用者は、主に女子高生や若い女性が中心とされる。写真シール作成装置1において、1組あたり主に2人や3人などの複数人の利用者がゲームを楽しむことができる。もちろん、写真シール作成装置1において、1人の利用者がゲームを楽しむこともできる。
写真シール作成装置1において、利用者は、自身が被写体となって撮影作業を行う。利用者は、編集作業により、撮影によって得られた撮影画像の中から選択した画像に、手書きの文字やスタンプ画像などの他の画像を合成させる。これにより、撮影画像が彩り豊かな画像に編集される。利用者は、編集済みの画像である編集画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。
写真シール作成装置1は、写真作成ゲームを提供する写真作成ゲーム機ということができる。
図1に示すように、写真シール作成装置1は、基本的に、撮影ユニット11と編集ユニット12が接した状態で設置されることによって構成される。撮影ユニット11と編集ユニット12は電気的に接続される。
撮影ユニット11は、人が中に入ることができる程度の大きさを有する箱形状の筐体を有し、事前選択部20、撮影部21、および背景部22から構成される。事前選択部20は、撮影部21の側面に設置される。事前選択部20の前方の空間が、事前選択処理が行われる事前選択空間となる。また、撮影部21と背景部22は所定の距離だけ離して設置される。撮影部21と背景部22の間に形成される空間が、撮影処理が行われる撮影空間となる。
事前選択部20は、事前選択処理として、写真シール作成装置1によって提供されるゲームを紹介するガイダンスを行ったり、撮影空間で行われる撮影処理における各種の設定を行ったりする。事前選択部20には、利用者が代金を投入する硬貨投入口や、各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。事前選択部20は、撮影空間の空き状況に応じて、事前選択空間にいる利用者を撮影空間へと案内する。
撮影部21は、利用者を被写体として撮影するための装置である。撮影部21は、撮影空間に入った利用者の正面に位置する。撮影空間に臨む撮影部21の正面には、カメラや、各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。
撮影空間において正面を向いている利用者からみて左側の面を左側面、右側の面を右側面とすると、撮影部21の左側面が側面パネル41Aにより構成され、右側面が側面パネル41Bにより構成される。さらに、撮影部21の正面が正面パネル42により構成される。側面パネル41Aには、上述した事前選択部20が設置される。なお、事前選択部20が、側面パネル41Bに設置されるようにしてもよい。
背景部22は、背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52Bから構成される。背面パネル51は、正面を向いている利用者の背面側に位置する板状の部材である。側面パネル52Aは、背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル41Aより横幅の狭い板状の部材である。側面パネル52Bは、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル41Bより横幅の狭い板状の部材である。
側面パネル41Aと側面パネル52Aは、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Aと側面パネル52Aの上部は、板状の部材である連結部23Aによって連結される。側面パネル41Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けた例えば金属製の部材である連結部23A’によって連結される。側面パネル41Bと側面パネル52Bも同様に、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Bと側面パネル52Bの上部は、連結部23Bによって連結される。側面パネル41Bと側面パネル52Bの下部は、連結部23B’によって連結される。
撮影空間の床には、板状の部材である床材27が敷かれる。
側面パネル41A、連結部23A、および側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が撮影空間の出入り口となる。また、側面パネル41B、連結部23B、および側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口も撮影空間の出入り口となる。
撮影空間の天井の一部には、ビニル素材の部材や板状の部材からなる天井シート24が設けられる。
編集ユニット12は、撮影画像に編集を施すための装置である。編集ユニット12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル42に接するようにして、撮影ユニット11に連結して設けられる。
図1に示す編集ユニット12の構成を正面側の構成とすると、編集ユニット12の正面側と背面側のそれぞれに、編集作業で用いられる構成が設けられる。この構成により、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。
編集ユニット12の正面側は、面61と、面61の上方に形成された斜面62から構成される。面61は、床面に対して垂直で、撮影部21の側面パネル41Aとほぼ平行な面である。斜面62には、編集作業に用いられる構成として、タブレット内蔵モニタやタッチペンが設けられる。斜面62の左側には、照明装置64の一端を支持する柱状の支持部63Aが設けられる。斜面62の右側には、照明装置64の他端を支持する柱状の支持部63Bが設けられる。支持部63Aの上面にはカーテンレール26を支持する支持部65が設けられる。
編集ユニット12の上方にはカーテンレール26が取り付けられる。カーテンレール26は、3本のレール26A乃至26Cを組み合わせて構成される。
3本のレール26A乃至26Cは、上から見たときの形状がコの字状となるように組み合わせられる。平行に設けられるレール26Aとレール26Bの一端は、連結部23Aと連結部23Bにそれぞれ固定され、レール26Aとレール26Bの他端は、レール26Cの両端にそれぞれ固定される。
カーテンレール26には、編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が外から見えないようにするためのカーテンが取り付けられる。カーテンレール26に取り付けられたカーテンにより囲まれる編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
編集ユニット12の左側面には、印刷済みのシール紙が排出される排出口が設けられる。編集ユニット12の左側面前方の空間が、利用者が印刷済みのシール紙が排出されるのを待つ印刷待ち空間となる。
<利用者の移動について>
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について説明する。
図3は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
利用者は、事前選択部20の前方の空間である事前選択空間A0において硬貨投入口に代金を投入する。次に、利用者は、タッチパネルモニタに表示される画面に従って事前選択作業を行う。例えば、利用者は、撮影空間で行われる撮影に関するコースの選択などを事前選択作業として行う。
事前選択作業を終えた利用者は、白抜き矢印#1で示すように、側面パネル41Aと側面パネル52Aの間の出入り口G1から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入る。利用者は、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなど利用して撮影作業を行う。
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#2で示すように出入り口G1から撮影空間A1を出て編集空間A2−1に移動するか、または、白抜き矢印#3で示すように出入り口G2から撮影空間A1を出て編集空間A2−2に移動する。
編集空間A2−1は、編集ユニット12の正面側の編集空間である。一方、編集空間A2−2は、編集ユニット12の背面側の編集空間である。利用者が編集空間A2−1と編集空間A2−2のいずれの空間に移動するのかは、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方が移動先として案内される。編集空間A2−1または編集空間A2−2に移動した利用者は、編集作業を開始する。編集空間A2−1の利用者と、編集空間A2−2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。
編集作業が終了した後、編集画像の印刷が開始される。編集空間A2−1での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#4で示すように編集空間A2−1から印刷待ち空間A3に移動する。また、編集空間A2−2での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#5で示すように編集空間A2−2から印刷待ち空間A3に移動する。
印刷待ち空間A3に移動した利用者は、印刷が終わるのを待つ。印刷が終了すると、利用者は、編集ユニット12の右側面に設けられた排出口から排出されたシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終える。
次に、各装置の構成について説明する。
<事前選択部の構成>
図4は、事前選択部20の構成例を示す図である。
事前選択部20の上側にはタッチパネルモニタ71が設けられる。タッチパネルモニタ71は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ71は、各種のGUI(Graphical User Interface)を表示し、利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。タッチパネルモニタ71には、利用者の人数の選択に用いられる画面などが表示される。
タッチパネルモニタ71の下方にはスピーカ72が設けられる。スピーカ72は、事前選択処理の案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音などを出力する。スピーカ72の隣に、利用者が硬貨を入れる硬貨投入返却口73が設けられる。
事前選択部20のタッチパネルモニタ71の上には、表面が透明の板状部材で覆われた収納部74が形成される。収納部74には、例えば、写真シール作成装置1で作成されるシールのサンプルが収納される。商品のサンプルや商品説明用の写真(ポスター)を掲示することなどにも収納部74は用いられる。
<撮影部の構成>
図5は、撮影部21の正面の構成例を示す図である。
撮影部21は、側面パネル41A、側面パネル41B、および正面パネル42に囲まれるようにして構成される。
正面パネル42の略中央には箱状のカメラユニット81が設けられる。カメラユニット81の正面には、カメラ91、タッチパネルモニタ92、および距離画像センサ93が設けられる。
カメラ91は、例えば一眼レフカメラであり、レンズが露出するようにカメラユニット81の内部に取り付けられる。カメラ91は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を有し、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ91は、利用者を被写体として撮影を行う撮影部として機能する。
カメラ91により取り込まれた動画像に基づいて生成されたライブビュー画像は、タッチパネルモニタ92に表示される。撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ91により取り込まれた静止画像は撮影画像として保存される。
タッチパネルモニタ92はカメラ91の下方に設けられる。タッチパネルモニタ92は、LCDなどのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ92は、カメラ91により取り込まれたライブビュー画像を利用者に提示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUIを表示して利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。
距離画像センサ93は、撮影空間A1の距離画像を生成する。距離画像は、撮影空間A1にある対象物の各位置までの距離(奥行き)を示す値を各画素の画素値として構成される画像である。例えば、距離画像センサ93による距離画像の生成は、撮影空間A1において撮影が行われている間、繰り返し行われる。
距離画像センサ93による距離の算出は、例えば、パターン照射方式により行われる。パターン照射方式は、所定のパターンのレーザー光線を照射し、対象物において反射する光のパターンの歪みに基づいて距離を測定する方式である。
距離画像センサ93による距離の測定がTOF(Time of Flight)方式により行われるようにしてもよい。TOF方式は、照射光と反射光との位相差を用いて対象物までの距離を算出する方式である。パターン照射方式、TOF方式に限らず、ストラクチャ光照明方式、Infrared Depth方式、ステレオカメラ方式などの他の方式より対象物までの距離が算出され、距離画像が生成されるようにしてもよい。
図5に示すように、距離画像センサ93は、カメラ91の近傍の真上の位置に、レンズが露出するようにカメラユニット81の内部に取り付けられる。距離画像の画素数は、カメラ91に取り込まれた原画像をトリミングすることによって生成されたライブビュー画像や撮影画像の画素数と略同一の画素数であってもよい。
距離画像センサ93により生成された距離画像は、後述するように、カメラ91により撮影された画像に写る利用者までの距離を算出し、他の画像を合成することに用いられる。
カメラユニット81の上方には、撮影部21の横幅と略同じ幅の上ストロボユニット82が設置される。上ストロボユニット82の正面は、乳白色の板状の部材であるパネル86−1乃至86−3から構成される。パネル86−1乃至86−3は、斜め下方を向く面を構成するように、正面パネル42に対して略45度の角度を有するように設置される。上ストロボユニット82は、利用者の正面上方から、利用者の顔と上半身に光を照射する。
カメラユニット81の下方には、利用者の下半身および足元に光を照射する足元ストロボユニット83が設けられる。
上ストロボユニット82および足元ストロボユニット83は、照明用の電球とストロボ発光可能な照明機器とにより構成される。上ストロボユニット82および足元ストロボユニット83は、利用者の操作性や安全性を確保するために撮影空間内を常時照らすとともに、撮影画像の画質を向上させるために撮影タイミングで発光し、被写体となる利用者にストロボ光を照射する。
足元ストロボユニット83と側面パネル41Aとの間には箱状部84が設けられる。また、足元ストロボユニット83と側面パネル41Bとの間には箱状部85が設けられる。箱状部84,85の上面は、写真シール作成装置1の設置面と略水平な面であり、撮影作業を行う利用者が手荷物などを置くための荷物置き場として用いられる。
なお、正面パネル42の天井付近にはスピーカが設けられる。スピーカからは、撮影処理の案内音声、BGM、効果音などが出力される。スピーカが背景部22に設けられるようにしても良い。
<背景部の構成>
図6は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。
背面パネル51の上方には、背面ストロボ101−1と背面ストロボ101−2が設置される。背面ストロボ101−1と背面ストロボ101−2は、撮影空間A1にいる利用者の後方かつ上方から光を照射する。
背面ストロボ101−1と背面ストロボ101−2の間に、スピーカ102−1とスピーカ102−2が設けられる。スピーカ102−1とスピーカ102−2は、撮影処理の案内音声、BGM、効果音などを出力する。
背面パネル51には白色のシート121が貼り付けられる。シート121は、ビニル素材やファブリック素材のシートである。シート121の色は、白色に限らず、明るい灰色などの、反射率の高い他の色であってもよい。
背面パネル51の撮影空間A1側の面にシート121が貼り付けられるものとしたが、面自体が白色で塗られていたり、シート状ではなく、白色の板状のパネルが貼り付けられていたりするようにしてもよい。
また、白色のカーテンを巻き取って収納可能なカーテンユニットが設置されるようにしてもよい。例えば撮影時、白色のカーテンがカーテンユニットから降ろされる。
<編集ユニットの構成>
図7は、編集ユニット12の正面側(編集空間A2−1側)の構成例を示す図である。
斜面62のほぼ中央にはタブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131の左側にはタッチペン132Aが設けられる。タブレット内蔵モニタ131の右側にはタッチペン132Bが設けられる。
タブレット内蔵モニタ131には、例えば、編集作業に用いられる編集画面が表示される。2人の利用者が同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aはタブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられ、タッチペン132Bはタブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる。
なお、タッチペン132Aを用いた操作とタッチペン132Bを用いた操作は識別される。タブレット内蔵モニタ131の左側の表示に対してはタッチペン132Aを用いた操作のみが可能とされ、右側の表示に対してはタッチペン132Bを用いた操作のみが可能とされる。以下、適宜、タッチペン132Aとタッチペン132Bを区別する必要がない場合、まとめてタッチペン132という。
図8は、編集ユニット12の左側面の構成例を示す図である。
編集ユニット12の左側面の下側にはシール紙排出口161が設けられる。編集ユニット12の内部にはプリンタが設けられている。プリンタにより、編集空間A2−1において編集作業を行った利用者が写る画像、または、編集空間A2−2において編集作業を行った利用者が写る画像が所定のレイアウトでシール紙に印刷され、シール紙排出口161から排出される。
<撮影画像の例>
以上のような構成を有する写真シール作成装置1の撮影空間A1においては、アップ画像と全身画像の撮影が行われる。
アップ画像は、利用者の胸から上の上半身が大きく写る画像である。アップ画像においては、利用者の顔が、全身画像に写る顔より大きく写る。全身画像は、利用者の全身が写る画像である。
図9は、撮影画像を元にして生成される編集画像のレイヤ構造の例を示す図である。
左端の編集画像P11が編集によって生成される画像である。編集画像P11は、撮影画像P21と前景画像P22の各レイヤの画像から構成される。
図9の例においては、2人の利用者が写るアップ画像が撮影画像P21とされている。
前景画像P22は、「Love my friend」の手書き文字の画像とハート型の画像を含む画像である。「Love my friend」の手書き文字の画像は、ペンツールを用いて利用者によって入力されたペン画像である。また、ハート型の画像は、スタンプツールを用いて利用者によって入力されたスタンプ画像である。
編集画像P11は、撮影画像P21の上に前景画像P22を重ねることによって生成される。
編集画像P11を構成する画像として背景画像が用いられるようにしてもよい。背景画像は、所定の色の画像や、所定の柄の画像であり、利用者の領域の周りにそのような所定の色や柄を表示するために用いられる。
背景画像の合成が行われる場合、撮影画像P21に対してクロマキ処理が施され、利用者の領域である人物領域が抽出される。人物領域からなる撮影画像P21の下のレイヤの画像として背景画像が配置されることによって、編集画像P11が生成される。
カメラ91により撮影された画像に写る人物の前景や背景に他の画像を合成することは、後述するように撮影時にも行われる。
利用者までの距離に応じた合成用画像の合成が行われ、合成によって得られた合成画像がライブビュー画像として表示されることにより、利用者に対して面白みのある撮影を提供することができるようになされている。利用者は、そのような合成画像を見ながら撮影を行うことができる。
<距離画像を用いた距離の算出について>
図10は、距離画像の例を示す図である。
距離画像を構成する各画素を、各画素に写る対象物の距離に応じた濃淡で表した場合、図10に示すように、距離画像D1は、利用者のシルエットを表す画像となる。例えば黒に近い色の画素ほど、その画素の位置に対応する被写体までの距離が近いことを表す。
図10の例においては、2人の利用者や、床の手前の部分などの、近くにある対象物が写る画素は濃い色で表され、背景などの、遠くにある対象物が写る画素は薄い色で表されている。対象物までの距離の基準は、距離画像センサ93の位置である。
図10の例においては、距離画像D1の画角が2人の利用者の全身を含む画角とされているが、図10に示す画角より狭い画角の距離画像が写真シール作成装置1において生成されるようにしてもよい。
例えば、アップ画像の撮影時、アップ画像の画角と同じ画角の距離画像が生成され、アップ画像に写る被写体の各位置までの距離が距離画像に基づいて算出される。また、全身画像の撮影時、全身画像の画角と同じ画角の図10に示すような距離画像が生成され、全身画像に写る被写体の各位置までの距離が距離画像に基づいて算出される。距離画像は、撮影画像の画角に合わせたトリミングなどを適宜行うことによって生成される。
なお、各対象物までの距離(奥行き)は、例えばmm単位の距離として算出される。距離画像センサ93から背面パネル51までの距離が1900mmである場合、距離画像の各画素の画素値は、0〜1900mmまでの距離を表す。
mm単位の距離ではなく、0〜255の階調によって距離を表すことも可能とされる。0〜255の階調は8ビットの情報を用いて表される。この場合、0〜1900mmの距離が0〜255の値により表されることになる。例えば、950mmの距離は125として表される。
このような距離画像を用いて利用者までの距離が算出され、合成用画像の合成が行われる。距離の算出は、距離画像だけでなく、カメラ91により撮影された画像にも基づいて行われる。
図11は、距離の算出時に行われる画像処理の例を示す図である。
図11の左側に示す画像P31はカメラ91により撮影された画像である。図11の例においては、2人の利用者の全身が画像P31に写っている。
距離の算出時、カメラ91により撮影された画像を対象として顔認識が行われる。例えば、画像を解析することによって、鼻と、鼻を挟む位置にある2つの目などの所定の部位が特定され、鼻と2つの目を囲む輪郭の領域が、1つの顔の領域として認識される。
顔認識の結果に基づいて、矢印#11の先に示すように、画像P31における顔領域以外の領域をマスクする顔領域画像P31’が生成される。顔領域画像P31’において、2つの白色の領域が、画像P31に写る2人の顔の領域に相当する。
図12は、顔領域の情報を用いた距離の算出の例を示す図である。
矢印#21と矢印#22の先に示すように、距離画像D1に対して顔領域画像P31’が合成され、矢印#23の先に示すように、距離画像D1における顔領域を抽出した顔領域画像D1’が生成される。顔領域画像D1’上の、所定の濃淡で表される2つの領域が顔領域に相当する。
顔領域画像D1’は、顔領域のみにフォーカスした距離画像ということができる。以下、適宜、顔領域のみにフォーカスした距離画像を距離顔画像という。
このようにして抽出された距離顔画像を構成する画素の画素値(所定の濃淡で表される領域を構成する画素の画素値)により表される距離が、対象物、すなわち利用者までの距離として算出される。例えば、距離顔画像の画素値の平均値や中央値が、利用者までの距離として算出される。
このように、利用者までの距離は、距離画像全体のうち、カメラ91により撮影された画像から抽出された特定の領域の画素の画素値に基づいて算出される。
顔領域ではなく、手の領域、脚の領域などの、他の部分の領域の画素の画素値に基づいて距離が算出されるようにしてもよい。
アップ画像の撮影時と全身画像の撮影時とで、距離の算出に用いる領域が切り替えられるようにしてもよい。
例えば、アップ画像の撮影時、顔領域に基づいて距離が算出され、全身画像の撮影時、全身の領域に基づいて距離が算出されるようにすることが可能である。この場合、アップ画像の撮影時には、距離画像における顔領域を抽出するマスク画像がカメラ91により撮影された画像に基づいて生成され、全身画像の撮影時には、距離画像における全身の領域を抽出するマスク画像がカメラ91により撮影された画像に基づいて生成されることになる。
カメラ91により撮影された画像を用いずに、距離画像だけに基づいて距離が算出されるようにしてもよい。
以上のようにして算出された距離に基づいて合成用画像の合成が行われる。合成用画像を合成することによって生成された合成画像は、ライブビュー画像としてライブビュー画面の表示に用いられる。
すなわち、図11、図12を参照して説明した距離の算出は、ライブビュー画面の表示中、繰り返し行われる。顔領域の抽出は、カメラ91により撮影された動画像の各フレームを対象として行われる。
<コンテンツの合成について>
図13は、ライブビュー画面の例を示す図である。
ライブビュー画面の略中央にはライブビュー表示領域201が配置される。ライブビュー表示領域201には、カメラ91により取り込まれた動画像に基づいて生成されたライブビュー画像が表示される。
図13の例においては、利用者の背景にキャラクタが合成された合成画像がライブビュー画像として表示されている。写真シール作成装置1には、キャラクタなどの合成用画像が、合成画像の生成に用いるコンテンツとして用意されている。
ライブビュー表示領域201の右側には、撮影までのカウントダウンを表す数字が表示される。また、ライブビュー表示領域201の下には、ライブビュー表示領域201より小さい矩形の領域である撮影結果表示領域202−1乃至202−5が横に並べて配置される。撮影結果表示領域202−1乃至202−5には、撮影が行われる毎に、撮影によって得られた撮影画像が撮影順に表示される。
図14は、ライブビュー画像の生成例を示す図である。
図14の左側に示す画像P31は、図11の画像P31と同じ画像である。画像P31を含む動画像がカメラ91により撮影された場合、矢印#31と矢印#32の先に示すように、利用者の背景にコンテンツC1が合成され、矢印#33の先に示すような合成画像P51が生成される。
利用者の領域の抽出は、動画像を構成する各フレームを解析することによって行われるようにしてもよいし、距離画像に基づいて行われるようにしてもよい。
ライブビュー画像の生成に用いるコンテンツは、上述したようにして算出された距離に基づいて切り替えられる。
図15は、利用者の立ち位置の例を示す図である。
図15は、右側面から見た撮影空間A1の状態を模式的に示している。図15の右側が撮影空間A1の前方(撮影部21側)に相当し、左側が撮影空間A1の後方(背景部22側)に相当する。
図15に斜線を付して示すように、撮影空間A1の後方寄りの位置には切り替えゾーンZ1が設定される。切り替えゾーンZ1は、距離画像センサ93を基準として、所定の距離以上離れた位置に設定される。
切り替えゾーンZ1は、コンテンツの切り替えが起こる領域である。距離画像などに基づいて算出された距離に基づいて、切り替えゾーンZ1の内側に利用者が立っているか否かが繰り返し判定される。
図14に示すコンテンツC1は、例えば、図15に示すように切り替えゾーンZ1より前(切り替えゾーンZ1の外側)に利用者が立っている場合に用いられるコンテンツである。ライブビュー画面の表示中、例えば、切り替えゾーンZ1の内側に立つことを促すような案内が提示される。
図16に示すように、切り替えゾーンZ1の内側に利用者が立ち位置を変えた場合、ライブビュー画像の生成に用いるコンテンツが切り替えられる。ライブビュー画面には、例えば、図17に示すような合成画像P52がライブビュー画像として表示される。
合成画像P52において利用者の背景に合成されているコンテンツC2は、キャラクタの構図がコンテンツC1と異なるコンテンツである。合成画像P52において、キャラクタの右手は左側に立つ利用者の前景に配置され、キャラクタの左手は右側に立つ利用者の前景に配置されている。キャラクタの両手が利用者の前景に配置されることにより、キャラクタが利用者に抱きついているような画像がライブビュー画像として表示されることになる。
図18は、コンテンツC2を構成するキャラクタの画像の例を示す図である。
図18A,図18Bに示すように、コンテンツC2は、キャラクタの手以外の部分の画像と、キャラクタの手の部分の画像とから構成される。図18Aの手以外の部分の画像は、利用者の背景に配置するオブジェクトを含む背景用の画像であり、図18Bの手の部分の画像は、利用者の前景に配置するオブジェクトを含む前景用の画像である。
図18に示すコンテンツC2は、利用者の前景に配置するオブジェクトと背景に配置するオブジェクトの両方を含むコンテンツとなる。コンテンツC2のキャラクタ自体は、コンテンツC1のキャラクタと同じ種類のキャラクタである。
図19は、ライブビュー画像の生成例を示す図である。
切り替えゾーンZ1の内側に利用者が立っている場合、矢印#41と矢印#42の先に示すように、利用者の背景にコンテンツC2の背景用の画像が合成されるとともに、利用者の前景にコンテンツC2の前景用の画像が合成され、矢印#43の先に示すような合成画像P52が生成される。コンテンツC2が合成される画像P32は、切り替えゾーンZ1に立つ利用者が写る画像である。
利用者の前景に合成されるキャラクタの手の部分の画像に対しては、適宜、距離画像などに基づいて算出された距離に応じて拡大/縮小などの処理が施される。
利用者は、撮影が行われる前、立ち位置に応じてコンテンツが変わるライブビュー画像を見ながら、ポーズを確認することができる。
撮影画像の撮影タイミングになった場合、その直前に表示されているライブビュー画像の合成に用いられているコンテンツと同じコンテンツが合成された静止画像が撮影画像として生成される。
切り替えゾーンZ1の外側に利用者が立っているときに撮影された撮影画像はコンテンツC1が合成された静止画像となり、切り替えゾーンZ1の内側に利用者が立っているときに撮影された撮影画像はコンテンツC2が合成された静止画像となる。
利用者の全身が写る全身画像は、上半身が大きく写るアップ画像よりポーズの自由度が高いため、キャラクタが利用者に抱きついているような面白みのある画像を撮影することができる。また、アップ画像についても、利用者の肩に手をかけているようなコンテンツや頭をなでているようなコンテンツを用意することで、より面白みのある画像を撮影することができる。
このように、写真シール作成装置1は、利用者の立ち位置に応じてコンテンツの種類を変更することにより、面白みのある撮影を利用者に提供することができる。
以上のようなライブビュー画面の表示を行う写真シール作成装置1の一連の処理についてはフローチャートを参照して後述する。
<写真シール作成装置の内部構成>
図20は、写真シール作成装置1の構成例を示すブロック図である。図20において、上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
図20に示すように、写真シール作成装置1は、PC(Personal Computer)部301に対して、事前選択部302、撮影部304、編集部305A,305B、および印刷部306が外部入出力インタフェース303を介して接続されることによって構成される。情報処理部であるPC部301は、例えば編集ユニット12の筐体内部に搭載される。
PC部301を構成するCPU(Central Processing Unit)311、ROM(Read Only Memory)312、RAM(Random Access Memory)313は、バス314により相互に接続される。
CPU311は、所定のプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。ROM312は、CPU311が実行するプログラムやデータを記憶する。RAM312は、CPU311が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
バス314には、さらに、入出力インタフェース315が接続される。入出力インタフェース315には、記憶部316、通信部317、およびドライブ318が接続される。
記憶部316は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶部316は、CPU311から供給された各種の設定情報などを記憶する。記憶部316に記憶されている情報はCPU311により適宜読み出される。
通信部317は、インターネットなどのネットワークのインタフェースである。通信部317は、CPU311による制御に従って外部の装置と通信を行う。通信部317は、利用者により選択された画像を、例えば写真シール作成装置1の製造メーカが管理する画像取得サイト管理サーバに送信する。通信部317から送信された画像は、所定の記憶領域が割り当てられて保存され、画像取得サイト管理サーバにアクセスしてきた携帯端末上で表示されたり、携帯端末にダウンロードされたりする。
ドライブ318には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア319が適宜装着される。ドライブ318によりリムーバブルメディア319から読み出されたプログラムやデータは、CPU311に供給され、記憶部316に記憶されたり、インストールされたりする。
入出力インタフェース315には外部入出力インタフェース303が接続される。PC部301による各部の制御が、外部入出力インタフェース303を介して行われる。
事前選択部302は、事前選択空間A0にいる利用者を対象とした事前選択処理を行う。事前選択部302は、タッチパネルモニタ71、スピーカ72、および硬貨処理部321から構成される。
タッチパネルモニタ71は、PC部301による制御に従って各種の選択画面を表示し、選択画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号はPC部301に供給され、各種の設定が行われる。
硬貨処理部321は、硬貨投入返却口73への硬貨の投入を検出する。硬貨処理部321は、所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、ゲームの開始を指示する起動信号をPC部301に出力する。
撮影部304は、撮影空間A1にいる利用者を対象とした撮影処理を行う。撮影部304は、カメラ91、タッチパネルモニタ92、距離画像センサ93、照明装置331、およびスピーカ332から構成される。
カメラ91は、PC部301によるシャッタ制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた画像のデータをPC部301に出力する。
距離画像センサ93は、PC部301によるシャッタ制御に従って距離の測定を行い、距離画像を生成する。距離画像センサ93は、距離画像のデータをPC部301に出力する。
照明装置331は、撮影空間A1内の各ストロボユニットであり、PC部301から供給された照明制御信号に従って発光する。
スピーカ332は、スピーカ102−1とスピーカ102−2を含む、撮影空間A1の各位置に設けられたスピーカにより構成される。
編集部305Aは、編集空間A2−1にいる利用者を対象とした編集処理を行う。編集部305Aは、タブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ341から構成される。編集部305Bは、編集空間A2−2にいる利用者を対象とした編集処理を行い、編集部305Aと同一の構成を有する。以下、適宜、編集部305A,305Bをまとめて編集部305という。
タブレット内蔵モニタ131は、PC部301による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号はPC部301に供給され、編集対象となる撮影画像が編集される。
印刷部306は、プリンタ351を含むように構成される。プリンタ351にはシール紙ユニット352が装着される。
プリンタ351は、内蔵するヘッド361を駆動し、PC部301から供給された印刷データに基づいて、シール紙ユニット352に収納されているロール状のシール紙363に画像を印刷する。また、プリンタ351は、画像を印刷したシール紙363をカッター362によって所定のカット位置でカットして、シール紙排出口161に排出する。
<写真シール作成装置の機能構成例>
図21は、写真シール作成装置1の機能構成例を示すブロック図である。図21に示す機能部のうちの少なくとも一部は、CPU311により所定のプログラムが実行されることによって実現される。
写真シール作成装置1においては、事前選択処理部401、撮影処理部402、編集処理部403、および印刷処理部404が実現される。
事前選択処理部401は、事前選択部302の各部を制御することで、事前選択処理を実行する。事前選択処理により、利用者の人数の選択などが行われる。利用者による選択内容を表す情報は撮影処理部402に供給される。
撮影処理部402は、撮影部304の各部を制御することで撮影処理を行う。撮影処理部402は、撮影処理を行うことによって得られた撮影画像のデータを編集処理部403に出力する。撮影処理部402から編集処理部403に対しては、撮影を複数回行うことによって得られた複数枚の撮影画像のデータが供給される。
編集処理部403は、編集部305の各部を制御することで編集処理を行う。編集処理には、撮影画像に写る利用者の目の大きさや肌の明るさを調整するための画像処理、撮影画像に対して編集を施すための画像処理などが含まれる。
撮影画像の編集後、編集処理部403は、分割数の選択に用いられる画面、画像取得サイト管理サーバに送信する画像の選択に用いられる画面などの各種の画面をタブレット内蔵モニタ131に表示する。編集処理部403は、利用者により選択された分割数に従って各編集画像を配置することによって印刷データを生成し、印刷処理部404に出力する。また、編集処理部403は、利用者により選択された編集画像を画像取得サイト管理サーバに送信する。
印刷処理部404は、プリンタ351に印刷データを出力し、編集画像の印刷を行う。
<撮影処理部の詳細構成>
図22は、撮影処理部402の構成例を示すブロック図である。
撮影処理部402は、撮影制御部411、画像処理部412、距離算出部413、合成部414、コンテンツ記憶部415、表示制御部416、および画像記憶部417から構成される。
撮影制御部411は、カメラ91を制御することによって動画像と静止画像の撮影を行い、撮影を行うことによって得られた画像を画像処理部412に出力する。カメラ91により撮影された動画像はライブビュー画面の表示に用いられ、静止画像は、撮影画像の生成に用いられる。
画像処理部412は、撮影制御部411から供給された動画像の各フレームから矩形領域をトリミングにより切り出し、切り出した画像からなる動画像を距離算出部413と合成部414に出力する。アップ画像の撮影前のライブビュー画面の表示時、画像処理部412からは、アップ画像と同じ画角の動画像が出力され、全身画像の撮影前のライブビュー画面の表示時、画像処理部412からは、全身画像と同じ画角の動画像が出力される。
また、画像処理部412は、撮影制御部411から供給された静止画像から矩形領域をトリミングにより切り出すことによってアップ画像または全身画像を生成し、距離算出部413と合成部414に出力する。コンテンツが合成されていない撮影画像の撮影が行われる場合、画像処理部412により生成された撮影画像は、適宜、画像記憶部417にも供給される。
距離算出部413は、距離画像センサ93を制御することによって、撮影空間A1内の対象物までの距離を測定し、距離画像を生成する。また、距離算出部413は、画像処理部412から供給された画像を対象として顔認識を行い、顔領域画像を生成する。
距離算出部413は、距離画像に顔領域画像を適用することによって距離顔画像を生成し、距離顔画像を構成する画素の画素値に基づいて利用者までの距離を算出する。距離算出部413は、算出した距離を表す情報を合成部414に出力する。
合成部414は、画像処理部412から供給された画像に写る利用者までの距離を距離算出部413から供給された情報に基づいて特定し、切り替えゾーンZ1の内側に利用者がいるか否かを判定する。合成部414は、利用者の立ち位置に応じたコンテンツをコンテンツ記憶部415から読み出し、画像処理部412から供給された画像に合成する。
合成部414は、ライブビュー画面の表示用の画像にコンテンツを合成して得られた合成画像を表示制御部416に出力する。
また、合成部414は、静止画像の撮影タイミングにおいて画像処理部412から供給された静止画像にコンテンツを合成して得られた合成画像を、撮影画像として表示制御部416と画像記憶部417に出力する。
コンテンツ記憶部415は、合成画像の生成に用いられる各種のコンテンツを記憶する。コンテンツ記憶部415には、キャラクタや著名人などをオブジェクトとして含む合成用画像がコンテンツとして複数記憶される。コンテンツ記憶部415には、同じキャラクタ、同じ著名人などの同じオブジェクトについて、距離に応じて使い分けられる複数種類のコンテンツが用意される。
表示制御部416は、タッチパネルモニタ92に対する画面の表示を制御する。例えば、表示制御部416は、画像処理部412から供給された動画像、または、合成部414から供給された合成画像からなる動画像に基づいてライブビュー画面を表示させる。表示制御部416は、動画像に合成するコンテンツを利用者までの距離に応じて切り替える制御部として機能する。
また、表示制御部416は、静止画像の撮影タイミングで合成部414から供給された合成画像を撮影結果としてライブビュー画面に表示させる。
画像記憶部417は、画像処理部412から供給された撮影画像と、合成部414から供給された合成画像を記憶する。画像記憶部417に記憶されたデータは、編集処理の開始後に編集処理部403により読み出される。
<写真シール作成装置の動作>
ここで、図23のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の動作について説明する。
ステップS1において、事前選択処理部401は、所定の金額分の硬貨が投入されたか否かを判定し、硬貨が投入されたと判定するまで待機する。起動信号が硬貨処理部321から供給されたことから、硬貨が投入されたとステップS1において判定された場合、処理はステップS2に進む。
ステップS2において、事前選択処理部401は、事前選択部302を制御することで事前選択処理を行う。事前選択処理により、例えば、利用者の人数の選択、撮影コースの選択などが行われる。いずれの選択も、タッチパネルモニタ71に表示される選択画面を用いて行われる。
ステップS3において、撮影処理部402は、撮影部304を制御することで撮影処理を行う。
例えば、撮影処理部402は、カメラ91により取り込まれた動画像に基づいてライブビュー画面をタッチパネルモニタ92に表示させ、撮影空間A1にいる利用者を被写体として撮影を行う。撮影処理の詳細については図24のフローチャートを参照して後述する。
ステップS4において、編集処理部403は、編集空間A2−1と編集空間A2−2のうち、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に対応する編集部305を制御することで編集処理を行う。
例えば、編集処理部403は、タブレット内蔵モニタ131に編集画面を表示させ、撮影処理により得られた撮影画像に対して利用者に編集作業を行わせる。編集画面には、編集対象の撮影画像とともに、ペンツールの画像やスタンプツールの画像などの、撮影画像に合成する画像を選択するときに操作されるボタンなどが表示される。編集処理部403は、利用者の操作に応じて他の画像を合成することによって撮影画像の編集を行い、編集画像を生成する。
撮影画像の編集後、編集処理部403は、分割数の選択に用いられる画面、画像取得サイト管理サーバに送信する画像の選択に用いられる画面などの各種の画面をタブレット内蔵モニタ131に表示する。編集処理部403は、利用者により選択された分割数に従って各編集画像を配置することによって印刷データを生成する。また、編集処理部403は、利用者により選択された編集画像を画像取得サイト管理サーバに送信する。
ステップS5において、印刷処理部404は、プリンタ351を制御することで、印刷処理を行う。印刷処理部404は、編集処理部403により生成された印刷データをプリンタ351に出力してシール紙363に印刷させる。
図14、図19を参照して説明したようにしてコンテンツが合成された撮影画像に対しても編集が適宜施され、編集によって得られた編集画像がシール紙363に印刷される。
印刷が終了した場合、ステップS6において、プリンタ351は、カッター362で切り離したシール紙363をシール紙排出口161に排出する。
写真シール作成装置1の利用者の各グループに対しては、以上のような一連の処理からなる写真作成ゲームが提供される。あるグループの利用者に続けて他のグループの利用者が写真シール作成装置1の利用を開始した場合、写真シール作成装置1の利用を先に始めた利用者の写真シール作成ゲームと、後から始めた利用者の写真シール作成ゲームとが適宜並行して行われることになる。
<撮影処理>
次に、図24のフローチャートを参照して、図23のステップS3において行われる撮影処理について説明する。
ステップS11において、撮影制御部411は、カメラ91を制御し、ライブビュー表示用の動画像の撮影を開始する。画像処理部412は、撮影制御部411により撮影された動画像の各フレームから矩形領域の範囲をトリミングにより切り出すことによってアップ画像と同じ画角または全身画像と同じ画角の動画像を生成し、距離算出部413と合成部414に出力する。
ステップS12において、距離算出部413は、距離画像センサ93を制御し、距離画像の撮影を開始する。
ステップS13において、距離算出部413は、画像処理部412から供給された画像を対象として顔認識を行い、顔認識結果に基づいて利用者の距離を特定する。特定された距離を表す情報は合成部414に出力される。
ステップS14において、合成部414は、距離算出部413から供給された情報に基づいて利用者が切り替えゾーンZ1にいるか否かを判定し、利用者の距離に応じたコンテンツを画像処理部412から供給された画像に合成する。コンテンツを合成して得られた合成画像は表示制御部416に供給される。
ステップS15において、表示制御部416は、合成部414から供給された合成画像を表示制御部416に出力し、ライブビュー画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。
利用者が切り替えゾーンZ1の外にいる場合、利用者の背景にキャラクタが写る図14を参照して説明したような合成画像が表示され、利用者が切り替えゾーンZ1の内側にいる場合、利用者の背景と前景の両方にキャラクタが写る図19を参照して説明したような合成画像が表示される。
ステップS16において、撮影制御部411は、静止画像の撮影タイミングか否かを判定する。撮影のタイミングになっていないとステップS16において判定された場合、ステップS13に戻り、利用者の距離に応じたコンテンツの合成を含むライブビュー画面の表示が続けられる。
撮影のタイミングになったとステップS16において判定された場合、ステップS17に進み、撮影制御部411は、カメラ91を制御し、静止画像の撮影を行う。撮影によって得られた静止画像に対しては、ライブビュー画像に直前に表示されていたコンテンツと同じコンテンツが合成され、撮影画像が生成される。撮影画像のデータは、画像記憶部417に供給され、記憶される。
ステップS18において、撮影制御部411は、撮影終了か否かを判定する。撮影終了ではないとステップS18において判定された場合、ステップS13に戻り、ライブビュー画面の表示および撮影が続けられる。
一方、撮影終了であるとステップS18において判定された場合、図23のステップS3に戻り、それ以降の処理が行われる。撮影処理によって得られた撮影画像のデータが編集処理部403に供給される。
以上のように利用者の距離に応じたコンテンツを合成することにより、面白みのある撮影を利用者に提供することが可能となる。利用者は、立ち位置を変えることに応じてコンテンツが切り替わるライブビュー画面を見ながら撮影を行うことができる。
<距離の特定について>
利用者までの距離を特定する際、どの利用者の顔を用いて算出された距離を採用するのかが、利用者の人数などに応じて以下のようにして決定される。
・利用者が1名の場合
1人の利用者の顔を用いて算出された距離を採用する。
・利用者が複数名の場合
(1) それぞれの利用者の顔を用いて算出された、それぞれの利用者までの距離の平均値を採用する。
(2) 右端や左端等の特定の位置にいる利用者の顔を用いて算出された距離を採用する。
(3) 最も大きく写っている顔(カメラ91に近い利用者の顔)と、最も小さく写っている顔(カメラ91から遠い利用者の顔)のうちのいずれかの顔を用いて算出された距離を採用する。
(4) ライブビュー画像に所定の値のフレーム以上出現した顔を用いて算出された距離を採用する。
(5) 基準となる顔を利用者に選択させ、利用者により選択された顔を用いて算出された距離を採用する。
(6) カメラ91の方向を向いている顔を用いて算出された距離を採用する。顔の向きではなく、身体の向きがカメラ91の方向を向いている利用者の顔を用いて算出された距離が採用されるようにしてもよい。
(7) 上記(1)〜(6)の組み合わせにより算出された距離を採用する。例えば、右端や左端等の特定の位置と顔の大きさが予め設定されている場合、ある利用者の顔が設定された条件を満たす組み合わせに該当する場合に、その利用者の顔を用いて算出された距離が採用される。
図25は、利用者の位置と顔の大きさの組み合わせの例を示す図である。
図25の例においては、撮影された画像に写る利用者の顔の大きさとして、大、中、小の3種類が規定されている。それぞれの顔の大きさは、顔認識により認識された顔の面積を閾値と比較することによって特定される。
また、図25の例においては、撮影された画像に写る利用者の位置として、遠い、中間、近いの3種類が規定されている。それぞれの利用者の位置は、顔認識により認識されたそれぞれの利用者の顔を用いて算出された距離を閾値と比較することによって特定される。
例えば、ある利用者の顔の大きさが大きい場合、利用者がいずれの距離にいるときであっても、その利用者の顔は距離の算出には用いられない。
また、ある利用者の顔の大きさが中程度の大きさである場合、利用者が中間の距離にいるときだけ、その利用者の顔は距離の算出に用いられる。利用者が遠くにいるとき、および、近くにいるとき、その利用者の顔は距離の算出には用いられない。
ある利用者の顔の大きさが小さい場合、利用者がいずれの距離にいるときであっても、その利用者の顔は距離の算出には用いられない。
このように、中間の程度の大きさで写っており、中間の距離にいる利用者の顔が、距離の算出に用いられるようにしてもよい。
<コンテンツの切り替えについて>
コンテンツの出現/消滅が、距離に応じて切り替えられるようにしてもよい。
ここで、コンテンツの出現は、コンテンツが合成された合成画像がライブビュー画像として表示されることを表す。コンテンツの消滅は、コンテンツが合成されていない画像がライブビュー画像として表示されること、すなわち、コンテンツの非表示を表す。利用者がある距離にいるときには、コンテンツが合成されたライブビュー画像が表示され、他の距離にいるときには、コンテンツが合成されていないライブビュー画像が表示されることになる。
図26は、コンテンツの出現/消滅の切り替えの例を示す図である。
図26は、右側面から見た撮影空間A1の状態を模式的に示している。図26A乃至Cにおいて、双方向の矢印で示す範囲が、コンテンツが出現する出現範囲となる。双方向の矢印で示す範囲内に利用者がいる場合、コンテンツが出現し、矢印で示す範囲外に利用者がいる場合、コンテンツが消滅する。
図26Aに示すように、コンテンツの出現範囲が撮影空間A1の後方寄りの位置に設定されている場合、例えば、利用者までの距離が閾値となる所定の値以上であるときにはコンテンツが出現し、所定の値未満であるときにはコンテンツが消滅する。
図26Bに示すように、コンテンツの出現範囲が撮影空間A1の前方寄りの位置に設定されている場合、例えば、利用者までの距離が閾値となる所定の値以上であるときにはコンテンツが消滅し、所定の値未満であるときにはコンテンツが出現する。
図26Cに示すように、コンテンツの出現範囲が撮影空間A1の中間の位置に設定されている場合、例えば、利用者までの距離が第1の閾値となる所定の値(α)以上であるとき、または、第2の閾値となる所定の値(β)未満であるとき、コンテンツが消滅する。利用者までの距離が所定の値(α)未満であり、所定の値(β)以上であるとき、コンテンツが出現する。
このように、利用者までの距離に応じて、コンテンツの出現とコンテンツの消滅が切り替えられるようにしてもよい。
距離画像センサ93の位置を基準とした利用者までの奥行き方向の距離に加えて、側面からの利用者の距離を特定して、コンテンツの出現/消滅が切り換えられるようにしてもよい。
図27は、コンテンツの出現/消滅の切り替えの他の例を示す図である。
図27は、上方から見た撮影空間A1の状態を模式的に示している。図27の上方が撮影空間A1の前方に相当し、下方が撮影空間A1の後方に相当する。
図27に示すように、利用者が撮影空間A1の側面から距離L1の位置に設定された所定の範囲にいる場合、コンテンツが出現し、それ以外の位置にいる場合、コンテンツが消滅する。図27の例においては、カメラ91に向かって右側にいる利用者H1と左側にいる利用者H2の双方が、側面から距離L1の位置に設定された範囲内にいるものとされている。
このように、利用者までの奥行き方向の距離に加えて、側面からの距離に応じて、コンテンツの出現とコンテンツの消滅が切り替えられるようにしてもよい。
カメラ91から利用者までの距離に加えて、カメラ91の画角の範囲内に入っているか否かを特定して、コンテンツを切り換えてもよい。
図28は、コンテンツの出現/消滅の切り替えの他の例を示す図である。
図28に示すように、利用者がカメラ91の画角の範囲内にいる場合、コンテンツが出現し、カメラ91の画角の範囲外にいる場合、コンテンツが消滅するようにしてもよい。図28に示す破線の間の範囲が、画角の範囲に相当する。
<コンテンツについて>
図29は、コンテンツの切り替えの例を示す図である。
図29Aに示すコンテンツの切り替えは、図14、図19を参照して説明した切り替えと同様のものである。すなわち、この例においては、キャラクタの種類は変わらずに、キャラクタのポーズ(構図)が変わったコンテンツが切り替えに用いられる。
図29Aの左側に示す画像は、キャラクタの右半身の一部が隠れ、左手を上に挙げたような画像であり、図29Aの右側に示す画像は、キャラクタの大きさが大きくなり、両手が利用者の肩に置かれるような画像である。
図29Bに示すように、キャラクタの種類自体が切り替わるようにしてもよい。図29Bに左側に示す画像は、図29Aに示す画像と同じ画像であり、図29Bの右側に示す画像は、図29Bのキャラクタと異なる種類のキャラクタの画像である。
このように、複数種類のコンテンツを保持しておくことで、カメラ91から利用者までの距離に応じて図29Aの左側に示すコンテンツと右側に示すコンテンツとを切り替えたり、図29Bの左側に示すコンテンツと右側に示すコンテンツとを切り替えたりすることが可能となる。
複数種類のコンテンツの中から特定のコンテンツが利用者により選択されるようにしてもよい。ライブビュー画面の表示時、利用者により選択されたコンテンツに対応付けられた別のコンテンツがライブビュー画像との合成に用いられる。
距離に応じてコンテンツが切り替わるのではなく、ライブビュー画面に用意されたボタンが押下されたことに応じて切り替わるようにしてもよい。例えば、「勝手にくっつく」機能のボタンが押下された場合、利用者の前景に配置された部分と背景に配置された部分を含むコンテンツが、背景に配置された部分だけのコンテンツに替えて合成される。
キャラクタの種類や構図が切り替えられるのではなく、その色相・明度・彩度のうちの少なくともいずれかが切り替えられるようにしてもよい。
利用者の立ち位置に応じて、コンテンツにおけるオブジェクトの以下の状態が段階的に変化するようにしてもよい。利用者の立ち位置は、距離画像、カメラ91により撮影された画像、各種のセンサの検出結果などに基づいて特定される。距離画像、カメラ91により撮影された画像、各種のセンサの検出結果のうちの2つ以上を組み合わせて用いることによって、利用者の立ち位置が特定されるようにしてもよい。
(1) 大きさ
利用者の立ち位置がカメラ91に近く、カメラ91により撮影された画像に写る利用者の大きさが大きくなるにつれてオブジェクトが大きくなり、利用者の大きさが小さくなるにつれてオブジェクトが小さくなる。
(2) 位置
利用者の立ち位置が左右や前後に移動することに応じてオブジェクトの位置が左右や前後に移動する。利用者の立ち位置に応じて、ある位置にオブジェクトが配置されているコンテンツから、他の位置にオブジェクトが配置されているコンテンツに切り替えられることになる。
(3) 数
利用者の立ち位置によってオブジェクトの数が増減する。例えば、立ち位置がカメラ91に近い場合、オブジェクトの数が増加し、立ち位置がカメラ91から遠い場合、オブジェクトの数が減少する。反対に、立ち位置がカメラ91に近い場合、オブジェクトの数が減少し、立ち位置がカメラ91から遠い場合、オブジェクトの数が増加するようにしてもよい。
このように、コンテンツに含まれるオブジェクトの数が複数であってもよい。
各種の状態を利用者の位置に応じて変化させることにより、視覚的に面白みのあるコンテンツを提供することができる。さらに、コンテンツの切り替えによって立ち位置を指定することができるため、コンテンツの表示に立ち位置の誘導の役割を担わせることもできる。
オブジェクトの主要部が見えるように合成されるコンテンツと、主要部が見えないように合成されるコンテンツとを用意しておき、これらのコンテンツを用いて立ち位置を誘導させるようにしてもよい。
例えば、適切ではない立ち位置に利用者がいるときには、主要部が見えないように合成されるコンテンツがライブビュー画像との合成に用いられ、適切な立ち位置に利用者がいるときには、主要部が見えるように合成されるコンテンツがライブビュー画像との合成に用いられる。ライブビュー画像上にコンテンツの主要部が見えているかどうかによって、利用者は、自分の立ち位置が適した位置であるか否かを確認することができる。
<その他の例>
観光地等に設置されている顔出しパネルのような顔を嵌めるコンテンツを記憶しておき、顔認識処理を使用して利用者の顔のみを合成するようにしてもよい。これにより、利用者は、観光地に行ったような画像を生成することができる。
ライブビュー画面の表示時ではなく、編集のタイミングでコンテンツの切り換えが行われるようにしてもよい。例えば、編集時に撮影画像のトリミングを利用者が行っている場合、トリミングにより、撮影画像に写る利用者の位置が移動したり、利用者の大きさが変わったりするときには、その移動量、移動方向、拡縮量に応じて、コンテンツの切り替えが行われる。
・プログラムについて
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、汎用のパーソナルコンピュータなどにインストールされる。
インストールされるプログラムは、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)や半導体メモリなどよりなる図20に示されるリムーバブルメディア319に記録して提供される。また、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供されるようにしてもよい。プログラムは、ROM312や記憶部316に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。