以下に、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。
<写真シール作成装置の外観>
図1および図2は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
写真シール作成装置1は、撮影画像や編集画像を提供するゲーム機である。写真シール作成装置1は、画像をシール紙に印刷したり、画像を利用者の携帯端末上で閲覧可能にしたりすることで、利用者に画像を提供する。写真シール作成装置1は、ゲームセンターなどのアミューズメント施設や店舗に設置される。
写真シール作成装置1の利用者は、主に女子高生や若い女性が中心とされる。写真シール作成装置1において、1組あたり主に2人や3人などの複数人の利用者がゲームを楽しむことができる。もちろん、写真シール作成装置1において、1人の利用者がゲームを楽しむこともできる。
写真シール作成装置1において、利用者は、自身が被写体となって撮影作業を行う。利用者は、編集作業により、撮影によって得られた撮影画像の中から選択した画像に、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を合成させる。これにより、撮影画像が彩り豊かな画像に編集される。利用者は、編集済みの画像である編集画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。
写真シール作成装置1は、写真作成ゲームを提供する写真作成ゲーム機ということができる。
図1に示すように、写真シール作成装置1は、基本的に、撮影ユニット11と編集ユニット12が接した状態で設置されることによって構成される。撮影ユニット11と編集ユニット12は電気的に接続される。
撮影ユニット11は、人が中に入ることができる程度の大きさを有する箱形状の筐体を有し、事前選択部20、撮影部21、および背景部22から構成される。事前選択部20は、撮影部21の側面に設置される。事前選択部20の前方の空間が、事前選択処理が行われる事前選択空間となる。また、撮影部21と背景部22は所定の距離だけ離して設置される。撮影部21と背景部22の間に形成される空間が、撮影処理が行われる撮影空間となる。
事前選択部20は、事前選択処理として、写真シール作成装置1によって提供されるゲームを紹介するガイダンスを行ったり、撮影空間で行われる撮影処理における各種の設定を行ったりする。事前選択部20には、利用者が代金を投入する硬貨投入口や、各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。事前選択部20は、撮影空間の空き状況に応じて、適宜、事前選択空間にいる利用者を撮影空間へと案内する。
撮影部21は、利用者を被写体として撮影するための装置である。撮影部21は、撮影空間に入った利用者の正面に位置する。撮影空間に臨む撮影部21の正面には、カメラや、各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。
撮影空間において正面を向いている利用者からみて左側の面を左側面、右側の面を右側面とすると、撮影部21の左側面が側面パネル41Aにより構成され、右側面が側面パネル41Bにより構成される。さらに、撮影部21の正面が正面パネル42により構成される。側面パネル41Aには、上述した事前選択部20が設置される。なお、事前選択部20が、側面パネル41Bに設置されるようにしてもよい。
背景部22は、背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52Bから構成される。背面パネル51は、正面を向いている利用者の背面側に位置する板状の部材である。側面パネル52Aは、背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル41Aより横幅の狭い板状の部材である。側面パネル52Bは、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル41Bより横幅の狭い板状の部材である。
側面パネル41Aと側面パネル52Aは、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Aと側面パネル52Aの上部は、板状の部材である連結部23Aによって連結される。側面パネル41Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けた例えば金属製の部材である連結部23A’によって連結される。側面パネル41Bと側面パネル52Bも同様に、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Bと側面パネル52Bの上部は、連結部23Bによって連結される。側面パネル41Bと側面パネル52Bの下部は、連結部23B’によって連結される。
撮影空間の床には、板状の部材である床材27が敷かれる。
側面パネル41A、連結部23A、および側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が撮影空間の出入り口となる。また、側面パネル41B、連結部23B、および側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口も撮影空間の出入り口となる。
撮影空間の上方には、撮影部21の正面、連結部23A、および連結部23Bに囲まれた天井が形成される。その天井の一部に、天井シート24が設けられる。天井シート24の一端が連結部23Aに固定され、他端が連結部23Bに固定される。
天井シート24は、シート状であっても、板状であっても良い。また、天井シート24を連結部23に連結しない、換言すれば、天井シート24がなく、天井に開口部が形成されているようにしても良い。
また天井シート24の一部に、通気孔を設けても良い。例えば、図1に示した天井シート24の両端(連結部23A側と連結部23B側)に四角形状で示した部分を、通気孔としても良い。また、図1に四角形状で示した部分は、光が入射する透明な部材で形成されていても良い。
編集ユニット12は、撮影画像に編集を施すための装置である。編集ユニット12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル42に接するようにして、撮影ユニット11に連結している。
図1に示される編集ユニット12の構成を正面側の構成とすると、編集ユニット12の正面側と背面側のそれぞれに、編集作業で用いられる構成が設けられる。この構成により、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。
編集ユニット12の正面側は、面61と、面61の上方に形成された斜面62から構成される。面61は、床面に対して垂直で、撮影部21の側面パネル41Aとほぼ平行な面である。斜面62には、編集作業に用いられる構成として、タブレット内蔵モニタやタッチペンが設けられる。斜面62の左側には、照明装置64の一端を支持する柱状の支持部63Aが設けられる。斜面62の右側には、照明装置64の他端を支持する柱状の支持部63Bが設けられる。支持部63Aの上面にはカーテンレール26を支持する支持部65が設けられる。
編集ユニット12の上方にはカーテンレール26が取り付けられる。カーテンレール26は、3本のレール26A乃至26Cを、組み合わせて構成される。3本のレール26A乃至26Cは、上から見たときの形状がコの字状となるように組み合わせられる。平行に設けられるレール26Aとレール26Bの一端は、連結部23Aと連結部23Bにそれぞれ固定され、レール26Aとレール26Bの他端は、レール26Cの両端にそれぞれ接合される。
カーテンレール26には、編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。そのカーテンにより囲まれる編集ユニット12の正面前方の空間と背面後方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
後述するが、編集ユニット12の左側面には、印刷済みのシール紙が排出される排出口が設けられる。編集ユニット12の左側面前方の空間が、利用者が印刷済みのシール紙が排出されるのを待つ印刷待ち空間となる。
<利用者の移動について>
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について説明する。
図3は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
利用者は、事前選択部20の前方の空間である事前選択空間A0において硬貨投入口に代金を投入する。次に、利用者は、タッチパネルモニタに表示される画面に従って各種の設定を行う。利用者は、例えば、撮影空間で行われる撮影に関するコースの選択などを事前選択作業として行う。
事前選択作業を終えた利用者は、白抜き矢印#1で示すように、側面パネル41Aと側面パネル52Aの間の出入り口G1から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入る。利用者は、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなど利用して撮影作業を行う。
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#2で示すように出入り口G1から撮影空間A1を出て編集空間A2-1に移動するか、または、白抜き矢印#3で示すように出入り口G2から撮影空間A1を出て編集空間A2-2に移動する。
編集空間A2-1は、編集ユニット12の正面側の編集空間である。一方、編集空間A2-2は、編集ユニット12の背面側の編集空間である。利用者が編集空間A2-1と編集空間A2-2のいずれの空間に移動するのかは、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方が移動先として案内される。編集空間A2-1または編集空間A2-2に移動した利用者は、編集作業を開始する。編集空間A2-1の利用者と、編集空間A2-2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。
編集作業が終了した後、編集画像の印刷が開始される。印刷が開始されると、編集空間A2-1での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#4で示すように編集空間A2-1から印刷待ち空間A3に移動する。また、編集空間A2-2での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#5で示すように編集空間A2-2から印刷待ち空間A3に移動する。
印刷待ち空間A3に移動した利用者は、印刷が終わるのを待つ。印刷が終了すると、利用者は、編集ユニット12の右側面に設けられた排出口から排出されたシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終える。
次に、各装置の構成について説明する。
<事前選択部の構成>
図4は、事前選択部20の構成例を示す図である。
事前選択部20の上側にはタッチパネルモニタ71が設けられる。タッチパネルモニタ71は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ71は、各種のGUI(Graphical User Interface)を表示し、利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。タッチパネルモニタ71には、利用者の人数の選択などに用いられる画面が表示される。
タッチパネルモニタ71の下方には、スピーカ72が設けられる。スピーカ72は、事前選択処理の案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音などを出力する。スピーカ72に隣接するようにして、利用者が硬貨を入れる硬貨投入返却口73が設けられる。
また事前選択部20のタッチパネルモニタ71の上側には、ケース74が設けられている。このケース74には、例えば、写真シール作成装置1で作成されるシールのサンプルが掲示される。また、ケース74は、広告として用いることができ、何らかの商品のサンプルや商品説明画像(ポスター)などを掲示することもできる。
<撮影部の構成>
図5は、撮影部21の正面の構成例を示す図である。撮影部21は、側面パネル41A、側面パネル41B、および正面パネル42に囲まれるようにして構成される。
正面パネル42の中央よりやや上側には、カメラユニット81が設けられる。カメラユニット81の正面には、カメラ91とタッチパネルモニタ92が設けられる。
カメラ91は、例えば一眼レフカメラであり、レンズが露出するようにカメラユニット81の内部に取り付けられる。カメラ91は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を有し、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ91は、利用者を被写体として撮影を行う撮影部として機能する。
カメラ91により取り込まれた動画像(以下、ライブビュー画像ともいう)は、タッチパネルモニタ92にリアルタイムで表示される。撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ91により取り込まれた静止画像は、撮影画像として保存される。
タッチパネルモニタ92は、カメラ91の下方に設けられる。タッチパネルモニタ92は、LCDなどのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ92は、カメラ91により取り込まれた動画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUIを表示し利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。
カメラユニット81の上方には、上ストロボユニット82が設置される。この上ストロボユニット82は、3枚のパネル86-1乃至86-3(以下、パネル86-1乃至86-3を個々に区別する必要がない場合、単にパネル86と記述する)が備えられ、これらのパネル86は、正面パネル42に対して所定の角度を有して設置されている。その角度は、パネル86の面が、利用者側に向く角度とされている。例えば、パネル86は、正面パネル42に対しておよそ45度の角度を有して設置されている。
上ストロボユニット82は、利用者の正面上方から、利用者の顔および上半身に光を照射する。パネル86は、取り外すことが可能な構成とされており、詳細は後述するが、パネル86を取り外すと、内側には、照明用の電球や、撮影時に発光するストロボが配置されている。
カメラユニット81の下方には、利用者の下半身および足元に光を照射する足元ストロボユニット83が設けられる。
上ストロボユニット82および足元ストロボユニット83は、照明用の電球とストロボ発光可能な照明機器とにより構成される。上ストロボユニット82および足元ストロボユニット83は、撮影空間を明るくして、利用者の操作性や安全性を確保するために、撮影空間内を常時照らすとともに、撮影画像の画質を向上させるために、撮影タイミングでストロボ発光し、被写体となる利用者に光を照射する。
足元ストロボユニット83と側面パネル41Aとの間には、箱状部84が設けられる。また、足元ストロボユニット83と側面パネル41Bとの間には、箱状部85が設けられる。箱状部84,85の上面は、写真シール作成装置1の設置面と略水平な面をなし、撮影作業を行う利用者が手荷物などを置くための荷物置き場として用いられる。
なお、正面パネル42の例えば天井付近に、スピーカが設けられ、撮影処理の案内音声、BGM、効果音などが出力される構成としても良い。また、スピーカは、正面パネル42ではなく、後述する背景部22に設けられていても良い。ここでは、図6に示すように背景部22にスピーカが設けられている場合を例に挙げて説明を続ける。
<背景部の構成>
図6は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。
背面パネル51の上方には、背面ストロボ101-1と背面ストロボ101-2が設置されている。背面ストロボ101は、利用者、特に利用者の頭部に、利用者の後方かつ上方から光を照射する。
背面ストロボ101-1と背面ストロボ101-2の間に、スピーカ102-1とスピーカ102-2が設けられている。スピーカ102は、撮影処理の案内音声、BGM、効果音などを出力する。
なお、図6では、2つのスピーカ102が設けられている例を示したが、1つのスピーカ102が、例えば、背面ストロボ101-1と背面ストロボ101-2の中間部分に設けられているようにしたり、複数の小型のスピーカ102が設けられているようにしたりすることもできる。
背面パネル51の撮影空間A1側(図中、手前側)の面には、白色のシート121が貼り付けられている。ここでは、白色のシート121が貼り付けられているとして説明を続けるが、シート121の色は、白色に限らず、例えば、明るい灰色などでも良く、反射率の高い色とされる。
また、ここでは、シート121が貼り付けられているとして説明を続けるが、壁面自体が白色で塗られていたり、シート状ではなく、白色の板状のパネルが貼り付けられていたりしても良い。
また、カーテンユニットを設置し、そのカーテンユニットに白色のカーテンが巻き取られて収納され、撮影時に、その白色のカーテンが降りてくるような構成としても良い。またカーテンの色は、白色に限らず、例えば、明るい灰色などでも良く、反射率の高い色とすることができる。
<床の構成>
図7は、床材27を示す斜視図である。説明の便宜上、撮影部21、側面パネル41Aなどの図示は省略している。
床材27の中央、または後方寄りの位置には、横長の長方形の床シート27Aが、その長辺が背面パネル51と略平行になるように貼り付けられる。図7において、背面パネル51のある方向が撮影空間A1の後方となり、撮影部21のある方向(白抜き矢印方向)が撮影空間A1の前方となる。
床シート27Aには、マーク28-1とマーク28-2が印刷されている。マーク28は、撮影時の立ち位置を利用者毎に誘導するための目印として用いられる。
例えば、利用者の人数が2人であり、上半身が大きく写る画像を撮影(アップ撮影)する場合、カメラ91に向かって右側に立っている利用者の立ち位置として、マーク28-1が指定され、左側に立っている利用者の立ち位置として、マーク28-2が指定される。
図7に示した例では、マーク28-1には、“RIGHT”との右を意味する英単語が記載されており、右側に位置する利用者の立ち位置であることを、より明確に示す表示がされている。
同様にマーク28-2には、“LEFT”との左を意味する英単語が記載されており、左側に位置する利用者の立ち位置であることを、より明確に示す表示がされている。
このマーク28上に、利用者が位置するときに、利用者に最適に光が照射されるように、背面ストロボ101(図6)は、設置されている。このように、最適な写りが得られる位置を、最適撮影位置と適宜記載する。
なお、最適な立ち位置(最適撮影位置)は、ストロボからの光が利用者に対して十分(適切)に照射される位置、カメラ91の撮影範囲から外れない位置、背景と顔の大きさのバランスがよくなる位置等を意味する。
ところで、写真シール作成装置1は、カメラ91で撮影された画像に対してトリミングを行い、編集画面に表示される画像を生成する。
ここで撮影範囲とは、最終的に撮影画像として編集画面に表示される画像の範囲に対応した撮影部21の撮像素子の範囲であるとして、説明を続けるが、撮影範囲をトリミング前の撮像素子の範囲としてもよい。
床シート27Aのマーク28は、利用者の人数、撮影する画像の画角(範囲)などに応じて、最適な立ち位置を指定することができるような位置に印刷されているようにしても良い。すなわち、マーク28は、図7に示したように、マーク28-1とマーク28-2の2つのマークだけでなく、複数人に対応した複数のマークや、異なる画角毎に対応した複数のマークが印刷されているようにしても良い。また、マーク28の形状は、図7に示したような四角形状だけでなく、多角形、円形、星形、ハート型など、どのような形状であっても良い。
<編集ユニットの構成>
図8は、編集ユニット12の正面側(編集空間A2-1側)の構成例を示す図である。
斜面62のほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131の左側にはタッチペン132Aが設けられる。タブレット内蔵モニタ131の右側にはタッチペン132Bが設けられる。
タブレット内蔵モニタ131は、タブレットとディスプレイを積層して構成される。タブレットは、タッチペン132Aまたはタッチペン132Bを用いた操作入力を可能とする。タブレット内蔵モニタ131には、例えば、編集作業に用いられる編集画面が表示される。2人の利用者が同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aはタブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられ、タッチペン132Bはタブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる。
なお、タッチペン132Aを用いた操作とタッチペン132Bを用いた操作は識別される。適宜、タブレット内蔵モニタ131の左側の表示に対してはタッチペン132Aを用いた操作のみが可能とされ、右側の表示に対してはタッチペン132Bを用いた操作のみが可能とされる。以下、適宜、タッチペン132Aとタッチペン132Bを区別する必要がない場合、まとめてタッチペン132という。
図9は、編集ユニット12の左側面の構成例を示す図である。
編集ユニット12の左側面の下側にはシール紙排出口161が設けられる。編集ユニット12の内部にはプリンタが設けられている。そのプリンタにより、編集空間A2-1の利用者が写る画像、または、編集空間A2-2の利用者が写る画像が所定のレイアウトでシール紙に印刷され、シール紙排出口161から排出される。
<写真シール作成装置の内部構成>
図10は、写真シール作成装置1の構成例を示すブロック図である。図10において、上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
図10に示すように、写真シール作成装置1は、PC(Personal Computer)部301に対して、事前選択部302、撮影部304、編集部305A,305B、および印刷部306が外部入出力インタフェース303を介して接続されることによって構成される。情報処理部であるPC部301は、例えば編集ユニット12の筐体内部に搭載される。
PC部301を構成するCPU(Central Processing Unit)311、ROM(Read Only Memory)312、RAM(Random Access Memory)313は、バス314により相互に接続される。
CPU311は、所定のプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。ROM312は、CPU311が実行するプログラムやデータを記憶する。RAM312は、CPU311が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
バス314には、さらに、入出力インタフェース315が接続される。入出力インタフェース315には、記憶部316、通信部317、およびドライブ318が接続される。
記憶部316は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶部316は、CPU311から供給された各種の設定情報などを記憶する。記憶部316に記憶されている情報はCPU311により適宜読み出される。
通信部317は、インターネットなどのネットワークのインタフェースである。通信部317は、CPU311による制御に従って外部の装置と通信を行う。通信部317は、利用者により選択された画像を、例えば写真シール作成装置1の製造メーカが管理する画像取得サイト管理サーバに送信する。通信部317から送信された画像は、所定の記憶領域が割り当てられて保存され、画像取得サイト管理サーバにアクセスしてきた携帯端末上で表示されたり、その携帯端末にダウンロードされたりする。
ドライブ318には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア319が適宜装着される。ドライブ318によりリムーバブルメディア319から読み出されたプログラムやデータは、CPU311に供給され、記憶部316に記憶されたり、インストールされたりする。
入出力インタフェース315には外部入出力インタフェース303が接続される。PC部301による各部の制御が、外部入出力インタフェース303を介して行われる。
事前選択部302は、事前選択空間A0にいる利用者を対象とした事前選択処理を実現する。事前選択部302は、タッチパネルモニタ71、スピーカ72、および硬貨処理部321から構成される。
タッチパネルモニタ71は、PC部301による制御に従って各種の選択画面を表示し、選択画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号はPC部301に供給され、各種の設定が行われる。
硬貨処理部321は、硬貨投入返却口73への硬貨の投入を検出する。硬貨処理部321は、所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、ゲームの開始を指示する起動信号をPC部301に出力する。
撮影部304は、撮影空間A1にいる利用者を対象とした撮影処理を実現する。撮影部304は、照明装置331、カメラ91、タッチパネルモニタ92、およびスピーカ102から構成される。
照明装置331は、撮影空間A1内の各ストロボユニットであり、PC部301から供給される照明制御信号に従って発光する。
カメラ91は、PC部301によるシャッタ制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像(画像データ)をPC部301に出力する。
編集部305Aは、編集空間A2-1にいる利用者を対象とした編集処理を実現する。編集部305Aは、タブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ341から構成される。編集部305Bは、編集空間A2-2にいる利用者を対象とした編集処理を実現し、編集部305Aと同一の構成を有する。なお、以下、編集部305A,305Bを特に区別しない場合には、単に、編集部305という。
タブレット内蔵モニタ131は、PC部301による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号はPC部301に供給され、編集対象となる撮影画像が編集される。
印刷部306は、プリンタ351を含むように構成される。プリンタ351にはシール紙ユニット352が装着される。
プリンタ351は、内蔵するヘッド361を駆動し、PC部301から供給された印刷データに基づいて、シール紙ユニット352に収納されているロール状のシール紙363に画像を印刷する。また、プリンタ351は、画像を印刷したシール紙363をカッター362によって所定のカット位置でカットして、シール紙排出口161に排出する。
<写真シール作成装置の機能構成例>
図11は、写真シール作成装置1の機能構成例を示すブロック図である。図11に示す機能部のうちの少なくとも一部は、CPU311により所定のプログラムが実行されることによって実現される。
写真シール作成装置1においては、事前選択処理部401、撮影処理部402、編集処理部403、および印刷処理部404が実現される。
事前選択処理部401は、事前選択部302の各部を制御することで、事前選択処理を実行する。事前選択処理により、利用者の人数の選択、背景画像の選択などが行われる。利用者による選択内容を表す情報は撮影処理部402に供給される。
撮影処理部402は、撮影部304の各部を制御することで撮影処理を行う。撮影処理部402は、撮影処理を行うことによって得られた撮影画像のデータを編集処理部403に出力する。撮影処理部402から編集処理部403に対しては、撮影を複数回行うことによって得られた複数枚の撮影画像のデータが供給される。
編集処理部403は、編集部305の各部を制御することで編集処理を行う。編集処理には、撮影画像に写る利用者の目の大きさや肌の明るさを調整するための画像処理、撮影画像に対して編集を施すための画像処理などが含まれる。
編集処理部403は、撮影画像の編集を終えた後、編集画像を所定のレイアウトで配置することによって印刷データを生成し、印刷処理部404に出力する。
印刷処理部404は、プリンタ351に印刷データを出力し、編集画像の印刷を行う。
<写真シール作成装置の動作>
ここで、図12のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の動作について説明する。
ステップS1において、事前選択処理部401は、所定の金額分の硬貨が投入されたか否かを、硬貨処理部321から供給される起動信号に基づいて判定し、硬貨が投入されたと判定するまで待機する。
ステップS1において、硬貨が投入されたと判定された場合、処理はステップS2に進む。ステップS2において、事前選択処理部401は、事前選択部302を制御することで、事前選択処理を行う。具体的には、事前選択処理部401は、撮影空間で行われる撮影に関するコースとして、利用者の人数に応じて行われるゲームの種類を決定する人数コースや、撮影空間で行われる撮影により得られる撮影画像の背景となる背景画像の選択などを利用者に行わせることで、各種の設定を行う。
ステップS3において、撮影処理部402は、撮影部304を制御することで、撮影処理を行う。具体的には、撮影処理部402は、カメラ91に取り込まれた被写体の動画像をタッチパネルモニタ92にライブビュー表示させ、撮影空間A1にいる利用者を被写体として撮影し、撮影画像を生成する。
本実施の形態の撮影処理においては、合計6回の撮影が行われる。6回の撮影により得られる6枚の撮影画像は、編集処理の対象とされてシール紙に印刷されることはもちろん、携帯端末に送信される対象にもなり得る。
6回の撮影としては、5回のアップ撮影と1回の全身撮影が行われるものとするが、6回の撮影として、アップ撮影のみが行われるようにしてもよい。
アップ撮影とは、被写体の顔および上半身を撮影範囲とした撮影である。アップ撮影により、撮影画像として、被写体の顔および上半身が写るアップ画像が得られる。一方、全身撮影とは、被写体の全身を撮影範囲とした撮影である。全身撮影により、撮影画像として、被写体の全身が写る全身画像が得られる。全身撮影においては、斜め上から見た被写体の全身が写る全身画像が得られるようにしてもよいし、正面から見た被写体の全身が写る全身画像が得られるようにしてもよい。
このようにして、撮影処理において、6枚の撮影画像が取得される。
ステップS4において、編集処理部403は、編集空間A2-1と編集空間A2-2のうち、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に対応する編集部305を制御することで、編集処理を行う。具体的には、編集処理部403は、撮影処理により得られた撮影画像に対して利用者に編集作業を行わせることで、編集が施された編集画像を生成する。
ステップS5において、印刷処理部404は、プリンタ351を制御することで、印刷処理を行う(開始する)。具体的には、印刷処理部404は、編集処理により得られた編集画像をプリンタ351に出力してシール紙に印刷する。なお、撮影処理により得られた撮影画像が、シール紙に印刷されるようにしてもよい。
印刷が終了すると、ステップS6において、プリンタ351は、画像が印刷されたシール紙をシール紙排出口161に排出し、処理を終了させる。
<編集処理の詳細>
次に、図13のフローチャートを参照して、上述した写真シール作成ゲームの一連の処理におけるステップS4の編集処理の詳細について説明する。
編集処理が開始されると、ステップS11において、編集処理部403は、目の大きさ・明るさ選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
目の大きさ・明るさ選択画面は、撮影画像に写る利用者の目の大きさと肌の明るさの選択に用いられる画面である。目の大きさ・明るさ選択画面において、目の大きさと肌の明るさとが選択されると、処理はステップS12に進む。
ステップS12において、編集処理部403は、編集画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
編集画面は、編集対象となる撮影画像の編集に用いられる画面である。編集画面には、編集対象となる撮影画像と、編集に用いられるスタンプ画像やペン画像などの各種の編集ツール(合成用画像)が表示される。
利用者は、タッチペン132を用いて、スタンプ画像やペン画像などを編集対象となる撮影画像上の所定の位置へ重畳することで、編集対象となる撮影画像に対する合成用画像の合成が行われる。
すなわち、ステップS13において、編集処理部403は、利用者が用いるタッチペン132による操作を受け付け、受け付けられた操作に応じて、編集対象となる撮影画像に編集を施す。
編集作業が終了すると、ステップS14において、編集処理部403は、分割数選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
分割数選択画面は、最終的に出力されるシール紙の分割数やシールレイアウトの選択に用いられる画面である。シールレイアウトは、1枚の写真シールに配置される編集画像(撮影画像)の枚数や位置、大きさを決定するレイアウト(配置パターン)である。ここで、利用者により選択されたシールレイアウトに従って編集画像が配置されてなる画像、すなわち、シール紙に印刷されて最終的に出力される画像をレイアウト画像という。
したがって、分割数選択画面には、例えば6枚の撮影画像それぞれに編集が施された編集画像が、異なるシールレイアウトで配置されたレイアウト画像が複数表示される。
分割数選択画面において、レイアウト画像のいずれかが選択されると、処理はステップS15に進む。
ステップS15において、編集処理部403は、携帯送信用画像選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
携帯送信用画像選択画面は、利用者の所有する携帯端末に送信するための携帯送信用画像の選択に用いられる画面である。携帯送信用画像選択画面には、6枚の撮影画像に加え、そのうちのいずれかに所定の編集が施された携帯送信専用の画像が表示される。
携帯送信用画像選択画面において、画像のいずれかが選択されると、処理はステップS16に進む。
ステップS16において、編集処理部403は、メールアドレス入力画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
メールアドレス入力画面は、利用者の所有する携帯端末のメールアドレスの入力に用いられる画面である。メールアドレス入力画面には、メールアドレスに用いることが可能なアルファベットや記号、携帯電話機のキャリアを選択するためのボタンと、選択されたボタンに対応する文字列が表示されるテキストボックスが表示される。
メールアドレス入力画面において、メールアドレスの入力が終了すると、処理はステップS17に進む。
ステップS17において、編集処理部403は、通信部317を制御することで、インターネットなどのネットワークを介して、利用者により選択された携帯送信用画像を、利用者により入力されたメールアドレスとともに、画像取得サイト管理サーバに送信する。
画像取得サイト管理サーバは、利用者により入力されたメールアドレス宛てに、携帯端末が画像取得サイト管理サーバにアクセスするのに必要なURL(Uniform Resource Locator)が記載されたメールを送信する。そして、そのURLに基づいて、利用者が所有する携帯端末が、ネットワークを介して画像取得サイト管理サーバにアクセスすることで、画像取得サイト管理サーバに送信された携帯送信用画像が携帯端末に提供される。
そして、ステップS18において、編集処理部403は、編集作業を終えた利用者に対して、印刷待ち空間A3への移動を案内する。印刷待ち空間A3への移動の案内は、編集部305A,305Bのタブレット内蔵モニタ131に案内画面を表示させることによって、または音声をスピーカ341から出力させることによって行われる。
以上のようにして、編集処理が行われる。
ところで、本実施の形態の写真シール作成装置1においては、編集対象となる撮影画像(以下、編集対象画像ともいう)の画角(撮影範囲)によって、異なる表示形態の編集画面が表示される。具体的には、編集対象画像となる撮影画像が、アップ画像であるか全身画像であるかによって、異なる表示形態の編集画面が表示される。
<編集画面の例>
そこで、図14および図15を参照して、編集対象画像の画角に応じた編集画面の表示形態について説明する。
編集画面は、基本的に、主な構成が左右対称に設けられることによって構成される。左半分の領域は、タブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられる領域である。右半分の領域は、タブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる領域である。このような編集画面の構成により、主に2人の利用者が同時に編集作業を行うことができる。
図14は、編集画面の左半分の領域(左半分領域)を示している。
左半分領域の中央上部には、サムネイル表示領域511が設けられる。サムネイル表示領域511は、撮影画像を表すサムネイル画像の表示領域である。利用者は、サムネイル表示領域511に表示されているサムネイル画像を選択することによって、編集対象とする撮影画像を選択する。
サムネイル表示領域511には、6枚の撮影画像を表すサムネイル画像が並んで表示されている。
左半分領域の略中央には、編集領域512が設けられる。編集領域512は、編集対象として選択された撮影画像(編集対象画像)の表示領域である。利用者は、タッチペン132を用いて編集ツールを選択し、編集領域512に表示された撮影画像の編集を行う。
図14の例では、編集領域512に、編集対象画像として2人の利用者の顔および上半身が写るアップ画像が表示されている。また、編集領域512に表示されているアップ画像において、後述するレタッチ処理の対象となる利用者(左側の利用者)の顔の部分には、顔枠521が表示されている。
左半分領域の下部には、編集パレット513が表示される。編集パレット513は、ペン画像やスタンプ画像などの各種の編集ツール(合成用画像)の選択に用いられる。
編集パレット513においては、編集パレット513の編集画面中央側に設けられたボタン毎に各編集ツールが用意されている。利用者は、それぞれのボタンを選択することによって、編集パレット513に表示される編集ツールを切り替える。例えば、「ペン」の名前が付されたボタンは、ペン画像を選択するときに操作されるボタンであり、「スタンプ」の名前が付されたボタンは、スタンプ画像を選択するときに操作されるボタンである。
左半分領域の左部(編集パレット513の左方)には、専用GUI(Graphic User Interface)表示領域530が設けられる。専用GUI表示領域530は、編集領域512に表示される編集対象画像の画角に対応したGUIが表示される領域である。
図14の例では、編集領域512にアップ画像が表示されているので、専用GUI表示領域530には、アップ画像に対応したGUIが表示されている。ここで、アップ画像に対応したGUIは、撮影画像(ここではアップ画像)に写る人物やその一部を加工(拡大/縮小、変形、色の変更など)したり修整する画像処理(以下、レタッチ処理という)の選択を受け付けるためのレタッチ用GUIとされる。以下においては、レタッチ用GUIをレタッチパレットという。
具体的には、図14の例では、専用GUI表示領域530のレタッチパレットに、透明感アップボタン551、まるく大きくボタン552、および涙袋ボタン553の3つのボタンが表示されている。これらのボタン551乃至553は、いずれも、アップ画像に写る被写体の目およびその近傍の領域に対するレタッチ処理の選択を受け付けるためのボタンである。
透明感アップボタン551は、アップ画像(編集対象画像)に写る被写体の目(瞳)の色の濃さを変化させるためのボタンである。まるく大きくボタン552は、アップ画像(編集対象画像)に写る被写体の目の形状および大きさを、丸く大きくするためのボタンである。涙袋ボタン553は、アップ画像(編集対象画像)に写る被写体の目の下方に涙袋を作る(作ったように見せる)ためのボタンである。
これらのボタンが操作されると、アップ画像(編集対象画像)において顔枠521が表示されている顔の目およびその近傍の領域に、操作されたボタンに対応するレタッチ処理が施される。編集画面が最初に表示された状態(デフォルトの状態)では、いずれのボタン551乃至553も操作されていない状態とされる。
レタッチ処理の対象となる被写体の選択は、アップ画像に写る被写体(人物)の顔がタッチペン132により選択されることで行われ、選択された顔の部分に顔枠521が表示される。なお、レタッチ処理の対象となる被写体を切り替えた場合、切り替え後の被写体に、切り替え前の被写体に施されたレタッチ処理が反映されることはない。
また、図14の例では、透明感アップボタン551、まるく大きくボタン552、および涙袋ボタン553それぞれに対応して、OFFボタン561乃至563が表示されている。
OFFボタン561乃至563はそれぞれ、編集対象画像において顔枠521が表示されている顔の目に施された、ボタン551乃至553それぞれに対応するレタッチ処理を消去する(OFFする)ためのボタンである。OFFボタン561乃至563による消去処理は、対応するレタッチ処理が反映されている場合にのみ反映される。
このようにして、編集領域512に、編集対象画像としてアップ画像が表示されている場合、専用GUI表示領域530には、被写体の目の部分を加工したり修整するレタッチ処理の選択を受け付けるためのレタッチパレットが表示される。これにより、利用者は、アップ画像に大きく写る利用者自身の顔を、完成度の高い見た目の顔に仕上げることができる。
一方、図15に示されるように、編集対象画像として全身画像が選択された場合、専用GUI表示領域530には、全身画像に対応したGUIが表示される。ここで、全身画像に対応したGUIは、撮影画像(ここでは全身画像)に写る人物に合成されるコンテンツを選択するためのコンテンツ選択用GUIとされる。ここでいうコンテンツは、撮影画像に合成される合成用画像(特にスタンプ画像)を指す。以下においては、コンテンツ選択用GUIをコンテンツパレットという。
具体的には、図15の例では、専用GUI表示領域530のコンテンツパレットに、一発なりきりボタン571乃至573が表示されている。これらのボタン571乃至573は、いずれも、全身画像に写る被写体の体の一部に合成されるコンテンツの選択を受け付けるためのボタンである。
一発なりきりボタン571は、全身画像(編集対象画像)に写る被写体の顔に「うさぎ」の耳とひげを模したスタンプ画像を合成するともに、画像全体にフレーム画像を合成するためのボタンである。一発なりきりボタン572は、全身画像(編集対象画像)に写る被写体の顔に「猫」の耳とひげを模したスタンプ画像を合成するともに、画像全体にフレーム画像を合成するためのボタンである。一発なりきりボタン573は、全身画像(編集対象画像)に写る被写体の顔に「くま」の耳とひげを模したスタンプ画像を合成するともに、画像全体にフレーム画像を合成するためのボタンである。
一発なりきりボタン571乃至573によって合成される動物の耳とひげを模したスタンプ画像は、全身画像に対する顔認識処理の結果、大きさや向きが調整された上で、全身画像に写る被写体の顔に合成される。
このようにして、編集領域512に、編集対象画像として全身画像が表示されている場合、専用GUI表示領域530には、全身画像に合成されるコンテンツの選択を受け付けるためのコンテンツパレットが表示される。これにより、利用者は、全身画像に写る利用者自身を、かわいく面白味のある見た目に仕上げることができる。
なお、本実施の形態においては、アップ画像と全身画像の縦横比(アスペクト比)は異なるものとすることができる。全身画像には、被写体となる利用者の頭から足元まで写る必要がある。そのため、例えば、アップ画像の縦横比を1.2:1、全身画像の縦横比を1.5:1とするなど、アップ画像より全身画像の方が縦長の矩形形状を有することが好ましい。
このような場合、編集画面の編集領域512において、アップ画像と全身画像が表示される際にそれぞれの横の長さを一定にすると、縦の長さが異なるため、サムネイル表示領域511や編集パレット513のデザインやレイアウトを変更する必要が生じる。
そこで、図14および図15に示されるように、編集画面の編集領域512において、アップ画像と全身画像が表示される際にそれぞれの縦の長さを一定にする。この場合、横の長さが異なるものの、全身画像が表示されるときにその左右に若干のスペースが生じるだけで、サムネイル表示領域511や編集パレット513など編集画面のデザインやレイアウトを変更する必要は生じない。加えて、全身画像が表示される場合には、その左右に、編集パレット513とは別にコンテンツ(スタンプ画像など)を常時配置することができるので、コンテンツのバリエーションを増やすとともに、選択の容易性を向上させることができる。さらには、専用GUI表示領域530を大きくすることもできるので、コンテンツパレットのバリエーションを増やすことも可能となる。
<編集処理部の機能構成例>
ここで、図16を参照して、上述した専用GUI表示領域530における表示を実現する編集処理部403の機能構成例について説明する。
編集処理部403は、表示制御部601、レタッチ処理部602、および合成処理部603から構成される。
表示制御部601は、タブレット内蔵モニタ131の表示を制御する。例えば、表示制御部601は、タブレット内蔵モニタ131に、撮影により得られた複数の撮影画像のいずれかを編集対象とした編集入力を受け付ける編集画面を表示させる。
レタッチ処理部602は、特定の画角(撮影範囲)で撮影された撮影画像に写る被写体に対してレタッチ処理を施す。ここでいう特定の画角は、複数の画角のうちの1つの画角のみであってもよいし、2以上の画角であってもよい。
合成処理部603は、編集対象となった撮影画像に、利用者により選択されたコンテンツ(スタンプ画像)を合成する。
<編集対象画像に応じたレタッチ/合成処理>
次に、図17のフローチャートを参照して、編集処理部403によって実行される編集対象画像に応じたレタッチ/合成処理の流れについて説明する。図17の処理は、サムネイル表示領域511においていずれかのサムネイル画像が選択されると開始される。
ステップS31において、表示制御部601は、サムネイル表示領域511においていずれかのサムネイル画像が選択されることで、編集対象画像として選択された画像が、特定の画角の撮影画像であるか否かを判定する。ここでは、特定の画角の撮影画像は、アップ撮影により得られたアップ画像とされる。
ステップS31において、編集対象画像として選択された画像が特定の画角であると判定されると、処理はステップS32に進む。
ステップS32において、表示制御部601は、専用GUI表示領域530に、レタッチパレットを表示する。
ステップS33において、表示制御部601は、利用者によってレタッチパレットが操作されたか否かを判定する。ステップS33の処理は、レタッチパレットが操作されるまで繰り返され、レタッチパレットが操作されると、処理はステップS34に進む。
ステップS34において、レタッチ処理部602は、レタッチパレットに対する操作に応じたレタッチ処理を編集対象画像(ここではアップ画像)に施す。
一方、ステップS31において、編集対象画像として選択された画像が特定の画角の画像でない(すなわち全身画像である)と判定されると、処理はステップS35に進む。
ステップS35において、表示制御部601は、専用GUI表示領域530に、レタッチパレットを表示せず、コンテンツパレットを表示する。
ステップS36において、表示制御部601は、利用者によってコンテンツパレットが操作されたか否かを判定する。ステップS36の処理は、コンテンツパレットが操作されるまで繰り返され、コンテンツパレットが操作されると、処理はステップS37に進む。
ステップS37において、合成処理部603は、コンテンツパレットに対する操作に応じたコンテンツを編集対象画像(ここでは全身画像)に合成する。
以上の処理によれば、アップ画像が編集対象となったときのみ、アップ画像に写る顔やその一部を加工したり修整するレタッチ処理の選択を受け付けるためのレタッチ用GUIが編集画面に表示される。これにより、利用者自身の顔が大きく写るアップ画像を個々に、所望する見た目の画像に仕上げることが可能となる。
<編集画面の他の表示パターン>
以上においては、編集画面において、アップ画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示され、全身画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示されないものとしたが、その逆であってもよい。
具体的には、編集画面において、全身画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示され、アップ画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示されないようにしてもよい。なお、ここでの全身画像は、上述した、斜め上から見た被写体の全身が写る全身画像、および、正面から見た被写体の全身が写る全身画像のいずれか一方であってもよいし、その両方であってもよい。
例えば、図18に示されるように、編集対象画像として全身画像が選択された場合、専用GUI表示領域530に、全身画像に対応したレタッチパレットが表示されるようにする。
図18の例では、専用GUI表示領域530のレタッチパレットに、脚長ボタン611、脚細ボタン612、および背高ボタン613の3つのボタンが表示されている。これらのボタン611乃至613は、いずれも、全身画像に写る被写体の脚または全身の領域に対するレタッチ処理の選択を受け付けるためのボタンである。
これらのボタンが操作されると、全身画像(編集対象画像)において図示せぬ顔枠(全身の部分に表示される全身枠であってもよい)が表示されている被写体の脚または全身の領域に、操作されたボタンに対応するレタッチ処理が施される。
脚長ボタン611は、全身画像(編集対象画像)に写る被写体の脚の長さを変化させる(伸ばす)ためのボタンである。脚細ボタン612は、全身画像(編集対象画像)に写る被写体の脚の細さをより細くするためのボタンである。背高ボタン613は、全身画像(編集対象画像)に写る被写体の背の高さを大きくするためのボタンである。なお、脚長ボタン611や脚細ボタン612が操作された場合、被写体の脚の長さや細さに伴い、被写体の身体(胴体)を細くする痩身処理が施されるようにしてもよい。
また、図18のレタッチパレットには、脚長ボタン611、脚細ボタン612、および背高ボタン613それぞれに対応して、OFFボタン621乃至623が表示されている。
OFFボタン621乃至623はそれぞれ、編集対象画像において図示せぬ顔枠(または全身枠)が表示されている被写体の脚または全身に施された、ボタン611乃至613それぞれに対応するレタッチ処理を消去する(OFFする)ためのボタンである。
このようにして、編集領域512に、編集対象画像として全身画像が表示されている場合、専用GUI表示領域530には、被写体の脚や全身を加工したり修整するレタッチ処理の選択を受け付けるためのレタッチパレットが表示される。これにより、利用者は、全身画像に写る利用者自身の脚や全身を、完成度の高い見た目のスタイルに仕上げることができる。
一方、図19に示されるように、編集対象画像としてアップ画像が選択された場合、専用GUI表示領域530に、コンテンツパレットが表示される。
図19の例では、専用GUI表示領域530のコンテンツパレットに、一発なりきりボタン631乃至633が表示されている。これらのボタン631乃至633は、いずれも、アップ画像に写る被写体の顔の部分に合成されるコンテンツの選択を受け付けるためのボタンである。
一発なりきりボタン631は、アップ画像(編集対象画像)に写る被写体の顔に「うさぎ」の耳とひげを模したスタンプ画像を合成するためのボタンである。一発なりきりボタン632は、アップ画像(編集対象画像)に写る被写体の顔に「猫」の耳とひげを模したスタンプ画像を合成するためのボタンである。一発なりきりボタン633は、アップ画像(編集対象画像)に写る被写体の顔に「犬」の耳とひげを模したスタンプ画像を合成するためのボタンである。
一発なりきりボタン631乃至633によって合成される動物の耳とひげを模したスタンプ画像は、アップ画像に対する顔認識処理の結果、大きさや向きが調整された上で、アップ画像に写る被写体の顔に合成される。
このようにして、編集領域512に、編集対象画像としてアップ画像が表示されている場合、専用GUI表示領域530には、アップ画像に合成されるコンテンツの選択を受け付けるためのコンテンツパレットが表示される。これにより、利用者は、アップ画像に写る利用者の顔を、かわいく面白味のある見た目に仕上げることができる。
なお、上述したように、編集画面には、主な構成が左右対称に設けられている。したがって、編集画面の左右に設けられている編集領域512には、タブレット内蔵モニタ131に向かう2人の利用者それぞれが、編集対象として選択した撮影画像が表示される。すなわち、編集画面の左右に設けられている専用GUI表示領域530には、利用者それぞれが選択した撮影画像の画角に応じて、レタッチパレットが表示されたり、コンテンツパレットが表示されたりする。
また、上述した構成において、専用GUI表示領域530にレタッチパレットが表示されない場合に、コンテンツパレットも表示されないようにすることもできる。
例えば、アップ画像が編集対象となり、専用GUI表示領域530にレタッチパレットが表示される場合、図20に示されるように、全身画像が編集対象となったときには、専用GUI表示領域530に何も表示されない(選択させない)ようにする。
また、全身画像が編集対象となり、専用GUI表示領域530にレタッチパレットが表示される場合、図21に示されるように、アップ画像が編集対象となったときには、専用GUI表示領域530に何も表示されない(選択させない)ようにする。
このように、レタッチパレットが表示されない画角の撮影画像が編集対象となったときには、専用GUI表示領域530に何も表示されないようにすることで、利用者を、編集パレット513を用いた編集作業に集中させることができる。
なお、図20や図21の例のように、専用GUI表示領域530に何も表示されないのではなく、写真シール作成装置1の機種のテーマに沿ったデザインの画像や広告などが、専用GUI表示領域530に表示されるようにしてもよい。さらに、テーマに沿ったデザインの画像や広告以外にも、編集作業に関わる他の機能を実現するためのGUIが表示されるようにしてもよいし、撮影画像(例えば編集が施される前の撮影画像など)が表示されるようにしてもよい。
また、上述した例において、専用GUI表示領域530にコンテンツパレットが表示される場合にも、編集対象画像において顔枠(または全身枠)を表示するようにし、その顔枠(または全身枠)が表示されている被写体のみにコンテンツが合成されるようにしてもよいし、全ての被写体にコンテンツが合成されるようにしてもよい。
<編集画面の表示パターンについて>
図22は、上述で説明した、編集対象画像に応じた編集画面(専用GUI表示領域530)の表示パターンについて説明する図である。
図22において、「パターン1」は、専用GUI表示領域530に、アップ画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示され、全身画像が編集対象となったときにはコンテンツパレットが表示される表示パターンである。パターン1は、図14および図15の例で示される表示パターンである。
「パターン2」は、専用GUI表示領域530に、アップ画像が編集対象となったときにはコンテンツパレットが表示され、全身画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示される表示パターンである。パターン2は、図18および図19の例で示される表示パターンである。
「パターン3」は、専用GUI表示領域530に、アップ画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示され、全身画像が編集対象となったときには何も表示されない表示パターンである。パターン3は、図14および図20の例で示される表示パターンである。
「パターン4」は、専用GUI表示領域530に、アップ画像が編集対象となったときには何も表示されず、全身画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示される表示パターンである。パターン4は、図18および図21の例で示される表示パターンである。
このように、本実施の形態においては、編集対象画像に応じた専用GUI表示領域530の表示パターンを用意することができる。
<編集画面の表示パターンの他の例>
以上においては、アップ撮影と全身撮影の2種類の撮影が行われる場合の専用GUI表示領域530の表示パターンについて説明したが、他の種類の撮影が行われるようにしてもよい。
(例1)
全身撮影として、複数種類の画角の撮影が行われるようにする。
図23は、全身撮影の種類について説明する図である。
例えば、正面から見た被写体の全身が写る全身画像を得る「正面全身撮影」によれば、図23左側に示される正面全身画像P11が得られる。正面全身画像P11は、利用者の全身がバランスよく写り、落ち着いた印象の画像となる。
また、斜め上から見た被写体の全身が写る全身画像を得る「上から全身撮影」によれば、図23中央に示される上から全身画像P12が得られる。上から全身画像P12は、利用者の顔が強調された、ポップな印象の画像となる。
さらに、全身撮影として、斜め下から見た利用者の全身が写る画像を得る「下から全身撮影」が行われるようにしてもよい。下から全身撮影によれば、図示はしないが、得られる下から全身画像は、利用者の顔が小さく、かつ脚が長く写り、スタイリッシュな印象の画像となる。
なお、全身撮影により、図23右側に示されるような、利用者の全身のうちの膝辺りから上が写る全身画像P13が得られるようにしてもよい。上述した正面全身撮影、上から全身撮影、および下から全身撮影それぞれは、カメラ91の高さを変えることなく、カメラ91のレンズとして広角レンズを用いた上で、そのレンズの光軸の角度を変えるようにし、得られる画像の切り出し範囲を調整することで実現される。
図24は、本例(例1)での、編集対象画像に応じた編集画面(専用GUI表示領域530)の表示パターンについて説明する図である。この例では、アップ画像、上から全身画像、および正面全身画像のいずれかが、編集対象画像となるものとする。
図24において、「例1-1」は、専用GUI表示領域530に、アップ画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示され、上から全身画像または正面全身画像が編集対象となったときには何も表示されない表示パターンである。
「例1-2」は、専用GUI表示領域530に、アップ画像または正面全身画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示され、上から全身画像が編集対象となったときには何も表示されない表示パターンである。
特に、正面全身画像は、上から全身画像と比べて被写体の脚が長く写るので、正面全身画像に対するレタッチ処理として、脚の長さを伸ばす処理の選択を受け付けるようにすることで、正面全身画像において、被写体の脚の長さをより強調することができる。
「例1-3」は、専用GUI表示領域530に、アップ画像または上から全身画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示され、正面全身画像が編集対象となったときには何も表示されない表示パターンである。
特に、上から全身画像は、正面全身画像と比べて被写体の顔が大きく写るので、上から全身画像に対するレタッチ処理として、目を大きくするなどの処理の選択を受け付けるようにすることで、上から全身画像において、被写体の顔を強調することができる。
このように、レタッチパレットが表示される種類の画角の撮影画像に対しては、その撮影画像において目立つ部分を強調するレタッチ処理の選択を受け付けるようにする。
「例1-4」は、専用GUI表示領域530に、アップ画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示され、上から全身画像が編集対象となったときには何も表示されず、正面全身画像が編集対象となったときにはコンテンツパレットが表示される表示パターンである。
「例1-5」は、専用GUI表示領域530に、アップ画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示され、上から全身画像が編集対象となったときにはコンテンツパレットが表示され、正面全身画像が編集対象となったときには何も表示されない表示パターンである。
正面全身画像および上から全身画像は、アップ画像と比べて画像全体に占める背景領域(余白となる領域)、すなわち落書き(コンテンツの配置)対象とすることができる領域が大きい。そこで、正面全身画像または上から全身画像が編集対象となったときには、コンテンツの選択を受け付けるようにすることで、その背景領域にコンテンツを配置させたバランスのとれた画像を提供することができる。
「例1-6」は、専用GUI表示領域530に、アップ画像が編集対象となったときにはコンテンツパレットが表示され、上から全身画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示され、正面全身画像が編集対象となったときには何も表示されない表示パターンである。
「例1-7」は、専用GUI表示領域530に、アップ画像が編集対象となったときにはコンテンツパレットが表示され、上から全身画像が編集対象となったときには何も表示されず、正面全身画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示される表示パターンである。
このように、アップ画像が編集対象となったときには、アップ画像に写る利用者の顔を、かわいく面白味のある見た目に仕上げることができ、上から全身画像や正面全身画像が編集対象となったときには、全身画像に写る利用者自身の脚や全身を、完成度の高い見た目のスタイルに仕上げることができる。
また、レタッチパレットが表示されない画角の撮影画像が編集対象となったときには、専用GUI表示領域530に何も表示されないようにすることで、利用者を、編集パレット513を用いた編集作業に集中させることができる。
(例2)
上述したアップ撮影と全身撮影に加えて、携帯おまけ専用の撮影などの特別撮影が行われるようにしてもよい。携帯おまけは、例えば、携帯端末の待受画像に用いられたり、ブログやSNSなどのウェブサイトに公開される画像として用いられる。
図25は、携帯おまけの作成に用いられる携帯おまけ作成画面の表示例を示す図である。
図25においては、編集画面中央付近に設けられる携帯おまけボタン651が操作されることで、編集画面上に、携帯おまけ作成画面660が表示されている。
携帯おまけ作成画面660の中央には、画像表示領域661が設けられている。
画像表示領域661には、携帯おまけを作成するために、複数の撮影画像の中から利用者により選択された撮影画像が表示される。利用者は、タッチペン132を用いて編集パレット513の編集ツールを選択し、画像表示領域661に表示された撮影画像の編集を行うことができる。
なお、画像表示領域661に表示される撮影画像は、利用者により選択された撮影画像において、利用者により指定された範囲が切り出されて拡大された画像となる。特に、利用者は、選択した撮影画像に写る被写体の顔を中心とした範囲を指定することが多い。そのため、携帯おまけを作成するために選択される撮影画像は、アップ画像であってもよいし、全身画像であってもよい。これにより、顔が大きく写る携帯おまけを、ブログやSNSのアイコン(プロフィール画像)として用いることができる。
このようにして、携帯おまけは、撮影画像に対してトリミングが行われることで作成されるので、利用者は、携帯おまけにおいて被写体の写る範囲、言い換えると、携帯おまけの画角を選択することができる、といえる。
また、携帯おまけ作成画面660の左部(画像表示領域661の左方)には、専用GUI表示領域662が設けられる。専用GUI表示領域662は、専用GUI表示領域530と同様に、画像表示領域661に表示される撮影画像(携帯おまけ)の画角に対応したGUIが表示される領域である。
図26は、本例(例2)での、編集対象画像に応じた編集画面(専用GUI表示領域530)および携帯おまけ作成画面660(専用GUI表示領域662)の表示パターンについて説明する図である。この例では、アップ画像、全身画像、および携帯おまけのいずれかが、編集対象画像となるものとする。
図26において、「例2-1」は、専用GUI表示領域530に、アップ画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示され、全身画像が編集対象となったときには何も表示されず、また、携帯おまけが編集対象となったときには、専用GUI表示領域622に何も表示されない表示パターンである。
「例2-2」は、専用GUI表示領域530に、アップ画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示され、全身画像が編集対象となったときには何も表示されず、また、携帯おまけが編集対象となったときには、専用GUI表示領域622にレタッチパレットが表示される表示パターンである。
上述したように、携帯おまけは、顔が大きく写る画像であるので、携帯おまけに対するレタッチ処理として、目を大きくするなどの処理の選択を受け付けるようにすることで、携帯おまけにおいて、被写体の顔を強調することができる。
「例2-3」は、専用GUI表示領域530に、アップ画像または全身画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示され、また、携帯おまけが編集対象となったときには、専用GUI表示領域622に何も表示されない表示パターンである。
「例2-4」は、専用GUI表示領域530に、アップ画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示され、全身画像が編集対象となったときには何も表示されず、また、携帯おまけが編集対象となったときには、専用GUI表示領域622にコンテンツパレットが表示される表示パターンである。
「例2-5」は、専用GUI表示領域530に、アップ画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示され、全身画像が編集対象となったときにはコンテンツパレットが表示され、また、携帯おまけが編集対象となったときには、専用GUI表示領域622に何も表示されない表示パターンである。
「例2-6」は、専用GUI表示領域530に、アップ画像が編集対象となったときにはコンテンツパレットが表示され、全身画像が編集対象となったときにはレタッチパレットが表示され、また、携帯おまけが編集対象となったときには、専用GUI表示領域622に何も表示されない表示パターンである。
「例2-7」は、専用GUI表示領域530に、アップ画像が編集対象となったときにはコンテンツパレットが表示され、全身画像が編集対象となったときには何も表示されず、また、携帯おまけが編集対象となったときには、専用GUI表示領域622にレタッチパレットが表示される表示パターンである。
携帯おまけは、写真シール作成ゲームにおいて得られる画像のなかでは、特に「おまけ」の要素が強く、細かい加工などをせずにそのまま利用する利用者が多い。そのため、上述した例2-1,2-3,2-5,2-6のように、携帯おまけが編集対象となったときには、専用GUI表示領域662に何も表示されないようにすることで、レタッチ処理を施さないままの携帯おまけを、利用者に提供することができる。
<専用GUI表示領域の他の例>
以上においては、専用GUI表示領域は、編集領域512の横(左または右)に独立して設けられたり、携帯おまけ作成画面上に設けられるものとしたが、編集パレット513上に設けられるようにしてもよい。
この場合、編集パレット513の編集画面中央側に設けられたボタンの1つとして、編集パレット513にレタッチパレットまたはコンテンツパレットを表示するためのボタンが用意されるようにする。このボタンが操作された場合、編集対象画像としてアップ画像が表示されているか、または、全身画像が表示されているかに応じて、編集パレット513にレタッチパレットが表示されるか、コンテンツパレットが表示されるかが切り替わる。すなわち、編集対象となる撮影画像の画角に応じて、編集パレット513にレタッチパレットが表示されるか、または、コンテンツパレットが表示されるかが決定される。
<編集対象画像の切り替え>
図14などの編集画面においては、サムネイル表示領域511に表示されているサムネイル画像のいずれかが選択されることで、編集対象画像が、選択されたサムネイル画像に対応する撮影画像に切り替わって表示される。
これに限らず、他の形態で、編集対象となる撮影画像が切り替わるようにしてもよい。
例えば、図27に示されるように、編集領域512の左右両側に、切替ボタン681,682を設けるようにし、切替ボタン681,682がタッチペン132により操作されることで、編集領域512に編集対象画像として表示される撮影画像が切り替わるようにしてもよい。この場合、編集画面に、サムネイル表示領域511は設けられない。
さらに、切替ボタン681,682をも設けず、編集領域512に編集対象画像として表示される撮影画像が、所定の時間おきに切り替わるようにしてもよい。
<レタッチ処理のバリエーション>
上述した例において、レタッチ処理は、撮影画像における人物(被写体)の顔、目や鼻、口などの顔パーツ、さらには全身が認識されることで適切に施される。
ここでは、レタッチ処理として施される画像処理の種類について説明する。
(1)顔認識に関する画像処理
目の大きさ、肌の明るさ、肌の色、顔の大きさ、髪の色、メイクの濃淡などを変える処理がある。これらの処理は、編集対象となる撮影画像における利用者の顔を認識することで、実現可能とされる。具体的には、以下のような画像処理が挙げられる。
(1-1)小顔処理
例えば、まず、図28左に示されるように、撮影画像711に写る2人の被写体の顔の輪郭点p11乃至p15,p21乃至p25を抽出する。次に、図28中央に示されるように、抽出された輪郭点に基づいて、それらを含む矩形領域F1,F2を設定する。そして、図28右に示されるように、設定された矩形領域を、その上辺を固定した状態で縮小する処理を施す。
具体的には、矩形領域の境界近傍の領域に対して、矩形領域の内側の領域を縮めるように、矩形領域の外側の領域を伸ばすようにして変形処理を施す。このようにして、矩形領域の境界近傍の領域において、画素の欠損を生じることなく、矩形領域を縮小する。
その他には、まず、図29左に示されるように、撮影画像711に写る2人の被写体の顔の輪郭線L1,L2を特定する。そして、図29右に示されるように、特定された輪郭線L1,L2を顔領域の内側に移動することで、新たな輪郭線C1,C2を設定する。
具体的には、輪郭線L1,L2を中心にして所定の幅をもつ境界領域に対して、境界領域の内側の領域を縮めるように、境界領域の外側の領域を伸ばすようにして変形処理を施す。このようにして、境界領域において、画素の欠損を生じることなく、輪郭線C1,C2を設定する。
以上のような処理により、被写体の顔を小さくする。
(1-2)目サイズ変更処理
まず、撮影画像に写る被写体の顔領域において目領域の画像を抽出する。そして、抽出された目領域の画像を、所定の拡大率で拡大する。数パターンの拡大率が用意されるようにしてもよい。
このような処理により、目のサイズを変更する。
(1-3)美鼻処理
まず、撮影画像に写る被写体の顔領域において鼻領域の画像を抽出する。そして、抽出された鼻領域の画像の一部または全部を、所定の縮小率で縮小する。数パターンの縮小率が用意されるようにしてもよい。
このような処理により、鼻の大きさや形状を変更する。
(1-4)口サイズ変更処理
まず、撮影画像に写る被写体の顔領域において口領域の画像を抽出する。そして、抽出された口領域の画像を、所定の拡大率で拡大するか、または、所定の縮小率で縮小する。数パターンの拡大率や縮小率が用意されるようにしてもよい。
このような処理により、口のサイズを変更する。
(1-5)目形状変更処理
まず、撮影画像に写る被写体の顔領域において目尻部分または目頭部分を特定する。そして、特定された目尻部分または目頭部分を、所定距離だけ上方向(頭の方向)や下方向(顎の方向)、その他の方向に移動する。
このような処理により、目の形状を変更し、たれ目やつり目など、目元の印象を変える。
(1-6)口元変更処理
まず、撮影画像に写る被写体の顔領域において口角部分を特定する。そして、特定された口角部分を、所定距離だけ上方向(頭の方向)に移動する。
このような処理により、口元の形を変更し、微笑んだときの口元に変える。また、口角が上がりすぎている場合には、口角部分を下方向に移動することで、口元の形を変更するようにしてもよい。
(1-7)肌色変更処理
まず、肌領域を特定する。そして、特定された肌領域の色を調整する。
このような処理により、肌の色を変更する。
(1-8)髪色変更処理
まず、髪領域を特定する。そして、特定された髪領域の色を調整する。
このような処理により、髪の色を変更する。
(1-9)化粧処理
まず、撮影画像に写る被写体の顔領域において頬部分や唇部分を特定する。そして、特定された頬部分や唇部分の領域の色を、ピンク色や赤色などに変更する。
このような処理により、チークや口紅などの化粧を施した顔に変更する。
(1-10)美肌処理
撮影画像全体や、撮影画像に写る被写体の肌領域に対して、ぼかし処理を施す。
このような処理により、肌をきれいに見えるようにする。
以上においては、顔認識の結果を利用した画像処理が顔領域に施されるものとした。
これに限らず、顔領域や肌色領域を取得するマスク画像を生成し、そのマスク画像を利用した画像処理が顔領域に対して施されるようにしてもよい。
一方、全身画像に対するレタッチ処理においては、人物領域全体を取得するマスク画像を生成し、そのマスク画像を利用した画像処理が人物領域に対して施されるようにしてもよい。人物領域全体のマスク画像を利用した画像処理としては、被写体の脚を長くする脚長処理や、被写体の身体を細くする痩身処理などがある。
(2)全身認識に関する画像処理
全身画像に対して施されるレタッチ処理としては、以下のような、全身認識に関する画像処理が挙げられる。
(2-1)脚の長さ・脚の細さ
脚の長さを変える処理は、足先から腰の領域を特定し、その領域を上下方向に伸長することで実現される。また、脚の細さを変える処理は、足先から腰の領域を特定し、その領域の境界部分を内側に向かう方向に移動することで実現される。
これらの処理は、利用者が直立し脚が真っ直ぐな状態でなければ、適切に施されない。例えば、膝から足先が水平になるように、片方の脚の膝を曲げるようなポーズで写った場合、脚の長さや脚の細さを変える処理により、曲げた方の膝から足先が太くなったり短くなってしまう。そこで、全身の輪郭点に基づいて、脚が真っ直ぐな状態でないと判定された場合には、脚の長さや脚の細さを変える処理が施されないようにしてもよい。
また、これらの処理は、利用者がロングスカートなどを着用している場合にも、適切に施されない。この場合、脚の長さや脚の細さを変える処理により、ロングスカートの柄や模様が長くなったり細くなってしまう。そこで、肌色領域を特定し、その領域のみに脚の長さや脚の細さを変える処理が施されるようにしてもよい。さらに、スカートの柄の有無などに応じて、長くする量や細くする量が変更されるようにしてもよい。
さらに、これらの処理が、足先にまで施されることで、利用者が着用している靴やサンダルなどが変形してしまうおそれがある。そこで、足首からつま先までの領域をさらに特定し、その領域については、脚の長さや脚の細さを変える処理が施されないようにしたり、処理の度合いを弱めるようにしてもよい。
(2-2)身長
身長を変える処理は、頭から足先までの人物領域を特定し、その領域を上下方向に伸長または短縮することで実現される。人物領域は、クロマキー処理により人物マスク画像を生成することで特定されるようにすることもできる。身長を変える処理によれば、低身長の利用者の身長を高くすることはもちろん、高身長の利用者の身長を低くすることもできる。
(2-3)二の腕
上腕(いわゆる二の腕)を細くする処理は、肌色領域と顔領域の位置から上腕が含まれる領域を推定し、その境界部分を内側に向かう方向に移動することで実現される。この処理によれば、撮影画像における利用者の上腕を細くすることができる。
(2-4)腰のくびれ
腰のくびれを強調する処理は、撮影画像における顔を除いた人物領域の略全ての領域を、人物領域の内側(中心)に向かう方向に移動することで実現される。この処理によれば、撮影画像に写る利用者のスタイルのより良いものにすることができる。
(2-5)首の長さ
全身画像に対して、人物の顔を小さくする小顔処理が施された場合、相対的に首が長く見えてしまう。そこで、人物の全身に対する顔の大きさ(長さ)に応じて、首の長さを変更する処理を施すことができるようにする。
(2-6)背面と床面との境界線
撮影画像(全身画像)に写る利用者の背景領域に、背面(背面パネル51)と床面との境界を模した境界線を含む背景画像を合成することができるようにしてもよい。この場合、さらに、その境界線の高さ(上下方向の位置)を変える処理が施されるようにしてもよい。
例えば、図30左側に示される全身画像P21には、背面と床面との境界を模した境界線b11を含む背景画像が合成されているものとする。この全身画像P21に、図30右側に示されるように、境界線b11より高い位置にある境界線b12を含む背景画像が合成されることで、画像の奥行き感を強調することができる。この境界線が、全身画像において高い位置にあるほど、背面と床面との境界が遠くにあるように見え、画像の奥行き感を増すことができる。
(2-7)合成用画像
合成用画像のうち、利用者の全身に合成される合成用画像の位置や大きさを変える処理を、利用者毎に施すようにしてもよい。
例えば、利用者の腰回りに合成される浮き輪を模した合成用画像が、利用者の身長に応じた位置に合成されるようにする。具体的には、図30に示されるように、利用者の身長が低い場合、浮き輪を模した合成用画像f11は、低い位置に合成される。利用者の身長が中程度の場合、浮き輪を模した合成用画像f12は、中程度の位置に合成される。そして、利用者の身長が高い場合、浮き輪を模した合成用画像f13は、高い位置に合成される。
また、利用者の腰回りに合成される浮き輪を模した合成用画像が、利用者の体型に応じたサイズで合成されるようにしてもよい。具体的には、図31に示されるように、利用者の体型が小さい場合、浮き輪を模した合成用画像f21は、小さいサイズで合成される。利用者の体型が中程度の場合、浮き輪を模した合成用画像f22は、中程度のサイズで合成される。そして、利用者の体型が大きい場合、浮き輪を模した合成用画像f23は、大きいサイズで合成される。
(2-8)写り方
被写体となる利用者に照射される光の光量や向き、瞳に写り込むキャッチライトの大きさなど、撮影空間A1内に設けられている照明装置(各ストロボ)により実現される光学環境に依存する写り方を、画像処理により変えるようにしてもよい。
なお、上述した画像処理は、それぞれ単独で撮影画像に施されてもよいし、互いに組み合わされて撮影画像に施されてもよい。後者の場合、組み合わされる画像処理それぞれを、利用者に選択させるようにしてもよいし、あらかじめ決められた画像処理の組み合わせを利用者に選択させるようにしてもよい。
<被写体の認証について>
以上においては、レタッチ処理の対象となる被写体の選択は、編集対象画像に写る被写体がタッチペン132により選択されることで行われるものとした。
これに限らず、例えば1回目の撮影により得られた1枚目の撮影画像に写る2人の利用者のいずれかを選択させることで、他の撮影画像においてレタッチ処理の対象となる被写体を選択させるようにしてもよい。この場合、1枚目の撮影画像に写る2人の利用者の立ち位置によって、他の撮影画像における利用者が特定されるようにする。
しかしながら、この場合、1枚目の撮影画像と他の撮影画像とで、2人の利用者の左右の立ち位置が同じであることが前提とされる。
すなわち、1回目の撮影により得られた1枚目の撮影画像と、それ以降の撮影により得られた他の撮影画像とにおいて、2人の利用者の左右の立ち位置が同じであることで、それぞれの利用者が編集画面において選択したレタッチ処理が、撮影画像に写る自分自身に施されるようになる。
しかしながら、図33に示されるように、1回目の撮影により得られた1枚目の撮影画像において認識された人物の全身画像N31,N32それぞれに写る利用者の立ち位置が、他の撮影画像P31において左右に入れ替わった場合、一方の利用者が選択したレタッチ処理は、他の撮影画像P31に写る他方の利用者に施されてしまう。
そこで、1回目の撮影により認識された利用者それぞれを、他の撮影画像において認証することで、一方の利用者が選択したレタッチ処理が、2回目以降の撮影での立ち位置によらず、撮影画像に写るその利用者自身に施されるようにすることができる。
具体的には、1回目の撮影において認識された利用者にIDを割り当て、2回目以降の撮影により得られた撮影画像において、IDが割り当てられた利用者が、どの部分に写っているのかが特定される。このような認証処理は、例えば、所定回数の撮影が全て終了した後に行われるか、2回目以降の撮影により1枚の撮影画像が得られる毎に行われる。
ここで、以下においては、1回目の撮影を認識撮影といい、認識撮影により得られた撮影画像を認識用画像という。また、2回目以降の撮影を通常撮影といい、通常撮影により得られた撮影画像を単に撮影画像という。
(認証処理の例1)
まず、図34のフローチャートを参照して、認証処理の第1の例について説明する。図34の処理は、例えば、認識撮影が行われた後から、通常撮影が終了するまでの間に行われてもよいし、通常撮影が終了し、編集画面が表示される前までの間に行われてもよい。
ステップS51において、レタッチ処理部602は、認識撮影により得られた認識用画像において、人物の顔を認識する。認識撮影の際、例えば、所定の枠内に利用者それぞれの全身が収まるようにして撮影が行われるようにする。この場合、その枠内にある顔が、それぞれの利用者の顔として認識される。なお、顔の認識は、認識用画像の原画像に対して行われてもよいし、原画像から所定領域が切り出された切り出し画像に対して行われてもよい。
ステップS52において、レタッチ処理部602は、認識された顔にIDを割り当て、その顔を含む人物の全身画像を登録する。
具体的には、まず、利用者(被写体)の顔の輪郭点が全て抽出される。このように輪郭点が抽出されるため、例えば、顔の部分に手があったり、横顔であったりすると、正確に輪郭を抽出できない可能性がある。
しかしながら、本実施の形態のように認識撮影を行うことで、通常撮影のときとは異なり、利用者が、正面を向いた状態で、かつポーズをとらない状態で撮影を行う可能性が高くなる。すなわち、顔の部分に手があったり、横向きであったりする状態ではなく、顔の輪郭を抽出しやすい状態で認識撮影が行われる可能性が高くなる。
これにより、輪郭点の抽出も正確に行うことができる。抽出された輪郭点により顔認証信頼度が算出される。そして、顔認証信頼度が最も高い顔の座標情報が確認され、その顔の中点が画像内の左側にあるか、右側にあるかで、利用者が認識される。例えば、図35に示されるように、利用者が検出され、顔認証信頼度がそれぞれ算出されたとする。すなわち、画面内の右側に位置する利用者の顔認証信頼度が700と算出され、画面内の左側に位置する利用の顔認証信頼度が650と算出されたとする。図中の矩形は、顔領域の部分を示している。
このような場合、顔認証信頼度が最も高い顔は、画像の中央を境界として、右半分に存在する顔であり、右の利用者として確定される。そして、右の利用者がID=0と設定される。残りの利用者は、左の利用者とされ、ID=1と設定される。IDが割り当てられた利用者の顔の情報、例えば、抽出された輪郭点の位置関係に加え、認識された顔および顔よりも下の領域を含む画像、すなわち全身画像が、認識結果としてデータベースに登録される。
なお、2人の利用者が写っている画像であるため、一方の利用者の顔にIDが割り当てられた時点で、他方のIDを割り当てるようにしても良い。
また、輪郭点全域ではなく、目、鼻、口、耳などの顔の器官だけを抽出してもよいし、顔の輪郭だけが抽出されてもよい。また、まず画像の最も左の利用者を認識し、次に右の利用者を認識する、という流れで処理が行われるようにしてもよい。この場合、左の1名が認識され、認識された人物以外の人物が認識される、という流れになる。
ステップS53において、レタッチ処理部602は、撮影画像を取得する。レタッチ処理部602は、通常撮影が行われる度に撮影画像を取得するようにしてもよいし、通常撮影が全て終了した後に、全ての撮影画像を取得するようにしてもよい。
ステップS54において、レタッチ処理部602は、取得された撮影画像から、1つの顔を検出し、データベースに登録されている情報との比較を行う。
そして、ステップS55において、レタッチ処理部602は、比較結果を用いて、ID毎に顔照合信頼度を算出する。
例えば、図36に示されるような画像が、撮影画像として取得されたとする。まず、撮影画像内の右側に位置する利用者が検出される。ここでの検出は、ステップS51において実行される認識と同様に、例えば、顔の輪郭点を抽出したり、顔の器官を抽出したりすることで行われる。
そして、検出された顔の情報と、データベースに登録されている顔の情報(認識結果)とが比較される。例えば、データベースに登録されている顔の情報が、顔の輪郭点の位置関係に関する情報であった場合、検出された顔の輪郭点の位置関係の情報が生成され、生成された情報と、登録されている情報とが比較される。
まず、データベース内のID=0の情報と、検出された顔の情報とが比較され、顔照合信頼度が算出される。顔照合信頼度は、ID=0が割り当てられた利用者との照合結果が、どれだけ信頼できるかを示す値であり、この数値が高いほど、データベースに登録された顔と類似していることを示す。顔照合信頼度は、例えば0乃至1000の値をとり得る値とされる。
図36においては、右側に位置する利用者のID=0との顔照合信頼度は、710と算出されている。また、同様に、ID=1との顔照合信頼度は、650と算出されている。このように、1つの顔に対して、ID毎に顔照合信頼度が算出される。
そして、ステップS56において、レタッチ処理部602は、顔照合信頼度が高いIDをその画像の利用者のIDとして確定する。図36の例では、撮影画像内の右側に位置する利用者は、ID=0との顔照合信頼度の方が、ID=1との顔照合信頼度よりも高いので、右側に位置する利用者は、ID=0が割り当てられた利用者であると判断される。よって、図23に示された撮影画像においては、右側に位置する利用者は、ID=0が割り当てられた利用者であると確定される。
ステップS57において、撮影画像内に他の顔があるか否かが判断される。上述した例では、右側に位置する利用者に対する処理が終了しただけであるので、まだ左側に位置する利用者の顔は処理していないと判断され、処理はステップS55に戻る。
左側に位置している利用者の顔に対しても、右側に位置している利用者の顔に対する処理と同様の処理が行われることで、ID毎の顔照合信頼度が算出される。図36の例では、左側に位置する利用者のID=0との顔照合信頼度は700であり、ID=1との顔照合信頼度は800であると算出されている。
よって、図36の例では、撮影画像内の左側に位置する利用者は、ID=0との顔照合信頼度の方が、ID=1との顔照合信頼度よりも低いので、左側に位置する利用者は、ID=1の利用者であると判断される。よって、図36に示される撮影画像においては、左側に位置する利用者は、ID=1が割り当てられた利用者であると確定される。
このようにして、撮影画像内の利用者毎にIDが割り当てられる。仮に、2人の利用者がデータベースに登録されている状態で、3人の利用者が検出された場合、その中の1人の利用者の顔照合信頼度は、他の利用者の顔照合信頼度よりも低い値となる。そのような他の利用者よりも低い顔照合信頼度が算出された利用者は、データベースに登録されていない利用者であるとして処理される。
このようにして、撮影画像内の利用者毎にIDを割り当てる処理が、全ての撮影画像に対して行われる。例えば、通常撮影により5枚の撮影画像が取得される場合、5枚の撮影画像が処理されたと判断されるまで、まだIDが割り振られていない撮影画像に対する処理が繰り返される。
その結果、撮影画像毎に、撮影画像内の利用者に対してIDが割り当てられ、同一のIDは、同一の利用者であるとして処理される。このようにして、撮影画像毎に、データベースに登録されている利用者との照合が行われることで、撮影画像毎に、どの利用者が、どの立ち位置で撮影されているかを判断することができる。
例えば、ID=0が割り当てられた利用者Aが、脚の長さを伸ばすという指示を出したとき、各撮影画像において、ID=0が割り当てられた画像に対して、脚の長さを伸ばすための画像処理が実行される。
利用者の立ち位置は、全ての撮影画像において同じであるとは限らない。すなわち、例えば、1回目の撮影で左側に立っていた利用者が、2回目の撮影では右側に立ち位置を変えているような場合もある。このような立ち位置の変更があったような場合でも、撮影画像毎に利用者を認証しているため、適切に画像処理を施すことが可能となる。すなわち、立ち位置などに関係なく、利用者が所望した画像処理(レタッチ処理)を、利用者毎に施すことが可能となる。
以上においては、利用者の顔を認識することで、撮影画像に写る利用者を認証する処理について説明したが、利用者の全身を認識することで、撮影画像に写る利用者を認証することもできる。
(認証処理の例2)
次に、図37のフローチャートを参照して、認証処理の第2の例について説明する。図37の処理もまた、例えば、認識撮影が行われた後から、通常撮影が終了するまでの間に行われてもよいし、通常撮影が終了し、編集画面が表示される前までの間に行われてもよい。
ステップS71において、レタッチ処理部602は、認識撮影により得られた認識用画像において、人物の全身を認識する。ここでは、認識用画像として距離画像が生成され、生成された距離画像から人物領域が抽出されることで、人物の全身が認識される。ここで、距離画像は、例えば、TOF(Time of Flight)方式により、照射光と反射光との位相差を用いて、撮影空間A1内の対象物までの距離を示す距離値を、距離画像の各画素の画素値として算出することで生成される。TOF方式に限らず、ストラクチャ光照明方式やInfraredDepth方式、ステレオカメラ方式などの公知の方式より、距離画像が生成されるようにしてもよい。
ステップS72において、レタッチ処理部602は、認識された人物の全身にIDを割り当て、その全身画像を登録する。
ここでは、まず、利用者(被写体)の全身の輪郭点が全て抽出される。抽出された輪郭点により全身認証信頼度が算出される。全身認証信頼度が最も高い全身の座標情報が確認され、その全身の中点が画像内の左側にあるか、右側にあるかで、利用者が認識され、IDが割り当てられる。IDが割り当てられた利用者の全身画像に加え、全身の輪郭点の位置関係や、輪郭点で囲まれる領域に含まれる肌色領域を示す情報が、認識結果としてデータベースに登録される。
なお、輪郭点全域ではなく、レタッチ処理の対象となる脚などの部分だけが抽出されてもよい。
ステップS73において、レタッチ処理部602は、撮影画像を取得する。レタッチ処理部602は、通常撮影が行われる度に撮影画像を取得するようにしてもよいし、通常撮影が全て終了した後に、全ての撮影画像を取得するようにしてもよい。
ステップS74において、レタッチ処理部602は、取得された撮影画像から、1つの全身を検出し、データベースに登録されている情報との比較を行う。
ステップS75において、レタッチ処理部602は、比較結果を用いて、ID毎に全身照合信頼度を算出する。全身照合信頼度の算出は、上述した顔照合信頼度の算出と同様にして行われる。
ステップS76において、レタッチ処理部602は、全身照合信頼度が高いIDをその画像の利用者のIDとして確定する。
ステップS77において、撮影画像内に他の全身があるか否かが判断される。撮影画像において、上述した処理がされていない全身があると判断された場合、ステップS75に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
このようにして、撮影画像内の利用者毎にIDが割り当てられる処理が、全ての撮影画像に対して行われる。例えば、通常撮影により5枚の撮影画像が取得される場合、5枚の撮影画像が処理されたと判断されるまで、まだIDが割り振られていない撮影画像に対する処理が繰り返される。
その結果、撮影画像毎に、撮影画像内の利用者に対してIDが割り当てられ、同一のIDは、同一の利用者であるとして処理される。このようにして、撮影画像毎に、データベースに登録されている利用者との照合が行われることで、撮影画像毎に、どの利用者が、どの立ち位置で撮影されているかを判断することができる。
なお、図37の処理によれば、顔の認識に失敗するような場合であっても、利用者の全身を認識することができるので、より確実に利用者を認証することができるようになる。
<変形例>
以下においては、上述した実施の形態の変形例について説明する。
(レタッチパレットの表示条件)
以上においては、特定の画角で撮影された撮影画像が編集対象となったときのみ、レタッチ処理の選択を受け付けるためのレタッチパレットが編集画面に表示されるものとしたが、他の条件に応じてレタッチパレットが表示されるようにしてもよい。
例えば、撮影画像に写る利用者の髪の長さに応じて、レタッチパレットが表示されるようにする。具体的には、撮影画像に写る利用者の髪の長さが所定の長さより短い場合に、レタッチパレットが表示されるようにする。
また、撮影画像に写る利用者の顔における化粧の状態に応じて、レタッチパレットが表示されるようにしてもよい。具体的には、撮影画像に写る利用者の顔に、一切化粧が施されてない場合(いわゆるすっぴんの場合)や、薄い化粧が施されている場合に、レタッチパレットが表示されるようにする。化粧の状態は、例えば、撮影画像に写る利用者の顔のシミやしわなどから推定されるようにする。
これにより、利用者の顔がすっぴんや薄化粧の状態であっても、撮影画像に写る利用者の顔を、完成度の高い見た目の顔に仕上げることができる。
さらに、編集対象となる撮影画像に写る利用者の目の認識が成功しているか否かに応じて、レタッチパレットが表示されるようにしてもよい。具体的には、編集対象となる撮影画像に写る利用者の目の認識が成功している場合にのみ、レタッチパレットが表示されるようにする。
上述したように、レタッチ処理は、撮影画像における人物の顔や顔パーツが認識されることで適切に施される。そのため、編集対象となる撮影画像に写る利用者の目の認識が成功している場合にのみ、レタッチパレットが表示されるようにすることで、レタッチ処理が適切に施されるようにすることができる。
また、撮影に関するコースとして、芸能人やモデル、キャラクタなどとコラボレーションしたコラボコースを用意するようにした場合、コラボコースが選択されたか否かに応じて、レタッチパレットが表示されるようにしてもよい。通常、コラボコースのようなコースが選択された場合、芸能人やモデル、キャラクタなどが撮影画像に一緒に写り込んだり、スタンプ画像として合成されたりするため、撮影画像における利用者自身の見た目はさほど重視されない。そこで、撮影に関するコースとして、コラボコース以外のコースが選択された場合に、レタッチパレットが表示されるようにする。
(他の画面表示例)
以上においては、編集画面にレタッチパレットが表示されるものとしたが、レタッチ処理の選択を受け付けるためだけのレタッチ画面が表示されるようにしてもよい。
図38は、レタッチ画面の例を示す図である。
図38のレタッチ画面は、編集処理において、例えば編集画面が表示される前に、タブレット内蔵モニタ131に表示されるものとするが、撮影処理において例えば6回の撮影が終了した後に表示されるようにしてもよい。
図38の例では、レタッチ画面の上段に、6枚の撮影画像として、5枚のアップ画像731乃至734と1枚の全身画像735が表示されている。
また、レタッチ画面の下段左側には、アップ画像用のレタッチパレット740-1が表示され、レタッチ画面の下段右側には、全身画像用のレタッチパレット740-2が表示されている。
レタッチパレット740-1には、透明感アップボタン751、まるく大きくボタン752、および涙袋ボタン753の3つのボタンが表示されている。これらのボタン751乃至753は、いずれも図14のボタン551乃至553と同様の機能を有し、アップ画像に写る被写体の目およびその近傍の領域に対するレタッチ処理の選択を受け付けるためのボタンである。
これらのボタンが操作されると、アップ画像731乃至734に表示されている被写体の目およびその近傍の領域に、操作されたボタンに対応するレタッチ処理が施される。このとき、全身画像735に表示されている被写体には、操作されたボタンに対応するレタッチ処理は施されないものとするが、そのレタッチ処理が施されるようにしてもよい。
また、図38の例でも、図14の例と同様、透明感アップボタン751、まるく大きくボタン752、および涙袋ボタン753それぞれに対応して、OFFボタン761乃至763が表示されている。
レタッチパレット740-2には、脚長ボタン771、脚細ボタン772、および背高ボタン773の3つのボタンが表示されている。これらのボタン771乃至773は、いずれも図18のボタン611乃至613と同様の機能を有し、全身画像に写る被写体の脚または全身の領域に対するレタッチ処理の選択を受け付けるためのボタンである。
これらのボタンが操作されると、全身画像735に表示されている被写体の脚または全身の領域に、操作されたボタンに対応するレタッチ処理が施される。このとき、アップ画像731乃至734に表示されている被写体には、操作されたボタンに対応するレタッチ処理は施されないものとする。
また、図38の例でも、図18の例と同様、脚長ボタン771、脚細ボタン772、および背高ボタン773それぞれに対応して、OFFボタン781乃至783が表示されている。
なお、図38の例において、レタッチ処理の対象となる撮影画像を利用者に選択させ、選択された撮影画像の画角(撮影範囲)に応じて、レタッチパレット740-1または740-2をグレーアウト表示させるようにしてもよい。
例えば、レタッチ処理の対象となる撮影画像として、アップ画像731乃至734のいずれかが選択された場合には、レタッチパレット740-2がグレーアウト表示され、レタッチパレット740-1のみが操作可能となるようにする。また、レタッチ処理の対象となる撮影画像として、全身画像735が選択された場合には、レタッチパレット740-1がグレーアウト表示され、レタッチパレット740-2のみが操作可能となるようにする。
これにより、利用者は、レタッチパレット740-1,740-2のどちらを操作すればよいかを簡単に把握することができる。
上述した実施の形態では、写真シール作成装置1は、得られた撮影画像や編集画像をシール紙に印刷するとともに、サーバに送信することで利用者の携帯端末に提供する構成を採るものとした。これに限らず、撮影画像や編集画像をシール紙に印刷せずに、サーバに送信することで利用者の携帯端末に提供するのみの構成を採ることも可能である。また逆に、撮影画像や編集画像をサーバに送信せずに、シール紙に印刷するのみの構成を採ることも可能である。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。なお、上述した一連の処理を実行させるソフトウェアを構成するプログラムは、写真シール作成装置1にインストールされてもよいし、携帯端末上で起動するアプリケーションとして携帯端末にインストールされてもよい。
この記録媒体は、例えば、図10に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、そのプログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア319により構成される。また、これらだけでなく、記録媒体は、装置本体にあらかじめ組み込まれた状態で管理者に配信されるプログラムが記録されているROM312や、記憶部316に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
以上において、印刷媒体は、シール紙や写真紙に限られるものではない。例えば、所定のサイズの紙やフィルム、プリペイドカードやIC(Integrated Circuit)カードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに、画像を印刷するようにしてもよい。この場合、1または複数の撮影画像が配置されたシールレイアウト画像が、これらの印刷媒体に印刷されるようにしてもよい。
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、他の効果があってもよい。