以下、本発明に係る写真撮影遊戯装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る写真撮影遊戯装置は、写真撮影により生成された画像データに対して落書き編集を行った後、写真印刷シートとして印刷したり、画像データとして外部装置(携帯端末や画像蓄積サーバ等)に出力するものである。まず、この写真撮影遊戯装置の全体構造について説明する。
<1.全体構造>
図1は、本実施形態に係る写真撮影遊戯装置を左前側から見た斜視図、図2は図1の写真撮影遊戯装置を上から見た平面図である。以下では、図1に示す前後左右の方向を基準として、他の図面の説明も行う。図1及び図2に示すように、この写真撮影遊技装置は、前部側の撮影部1と後部側の編集部2とを備えており、前後方向に長いほぼ直方体状を呈している。そして、撮影部1の側面には、撮影に必要な情報などを入力するプレイ準備部3が設けられ、編集部2の後端には、編集後の写真の出力などを行う出力部4が設けられている。
撮影部1は、4つの壁、つまり前壁14、一対の側壁13、及び後壁12によって平面視矩形状の撮影空間10を規定する枠体100を備えている。そして、この枠体100の前壁14の内面に、ユーザを撮影するカメラが内蔵された撮影筐体11が配置されている。また、枠体100の両側壁13には、それぞれ撮影空間10への出入口である第1出入口101a,101bが設けられている。そして、上述したプレイ準備部3は、左側の第1出入口101aの側方に配置されるプレイ準備筐体31を有しており、撮影空間10に入る前に、所定の情報を入力するようになっている。また、撮影空間10の上方には、照明及びフラッシュ照射する天井照明ユニット(図示省略)が設けられている。
枠体100の後壁12は、撮影筐体11とほぼ同じ幅及び高さの板状部材によって形成され、撮影筐体11を向く面には、クロマキー処理のための単一の色(例えば、青色または緑色)が着色されている。着色については、直接ペンキなどで着色するほか、着色された布地、プレート等を取付けてもよい。
編集部2は、枠体100の後壁12の後方に隣接して配置されており、この編集筐体21には、左右の方向を向く一対の操作面が設けられている。そして、各操作面への入力作業を行う編集空間20a,20bへは第2出入口201a,201bを介して入ることができる。
本実施形態の編集筐体21は、左右両側から2組のユーザが同時に編集可能な対面式であり、左右それぞれに操作面が設けられるとともに、左右方向長さが後壁12の同方向幅よりも小さい筐体である。編集筐体21は、その前端面を後壁12の背面の中央部に接続されており、この編集筐体21の左右両側方のスペースが、2組のユーザがそれぞれ編集作業を行う編集空間20a,20bとなっている。編集筐体21の上方には、平面視においてほぼコの字状のカーテンフレーム22が設けられている。このカーテンフレーム22は、前後方向に延びる一対の側部フレーム221と、この側部フレーム221の後端同士を連結する左右方向に延びる後部フレーム222とからなる。
各側部フレーム221の前端は、撮影部1の後壁12に連結されており、後部フレーム222の中央部は、編集筐体21の後部の上端部に設けられた支持部材23によって支持されている。そして、後壁12と、左側の側部フレーム221とから、上述したように、編集空間20aに出入りするための第2出入口201aが構成されており、後壁12と、右側の側部フレーム221とから、編集空間20bに出入りするための第2出入口201bが構成されている。
出力部4は、編集筐体21の後端面と接する出力筐体41を有しており、この出力筐体41に対しては、写真撮影遊戯装置の後端側から操作を行うように、操作面が後端側を向いている。したがって、この出力筐体41の後端側の空間が、出力操作を行う出力空間40となる。
<2.プレイ準備筐体>
次に、プレイ準備筐体31について説明する。図1に示すように、このプレイ準備筐体31は、枠体100の左側の側壁13に接する直方体状の筐体であり、ユーザが撮影部1の撮影空間10に入るのに先立って、情報を入力するために用いられる。例えば、撮影空間10に既に他のユーザが入っているときの待ち時間に情報の入力が行われることがある。このプレイ準備筐体31の正面には、タッチパネル式の液晶モニタ32が設けられており、このモニタ32に情報の入力を促す表示がなされ、これに対して、ユーザが所定の情報を入力する。また、この液晶モニタ32の下方には、コイン投入口33とコイン返却口34とが設けられている。
また、液晶モニタ32の上方及び下方にはそれぞれプレイ準備筐体31におけるプレイの案内をするための音声や音楽を出力するスピーカ(図示省略)が設けられる。上方のスピーカは低音を出力するものであり、可能のスピーカは高温を出力するものである。上方のスピーカを低音を出力するものにすることにより、上方のスピーカによる音声が、上方の隙間から撮影空間10に入りこむこと防止することができ、撮影空間10でプレイしているユーザのプレイを妨害することを防止することができる。
また、上方のスピーカを高音を出力するものにし、下方のスピーカを低音を出力するものにすれば、迫力のある音声を出力することができる。ただし、上方のスピーカからの出力が、撮影空間10に入りこむ可能性があるので、撮影空間10との仕切り等を上方スピーカの周りに設けることが好ましい。
<3.撮影筐体>
次に、撮影筐体11について、図3を参照しつつ詳細に説明する。図3は撮影筐体の斜視図である。同図に示すように、本実施形態の撮影筐体11は、第1カメラ111、第2カメラ112、第1モニタ113、第2モニタ114、及び正面ストロボユニット115、を備えている。
第1カメラ111は、撮影筐体11の正面の略中央部に配置され、撮影空間10の被写体を正面から撮影する。具体的には、被写体のアップ撮影(胸より上の撮影)及び正面上から見下ろすような全身撮影(正面全身撮影)にそれぞれ利用され、アップ画像及び正面全身画像を取得する。そのため、第1カメラ111は、焦点距離を変更可能なズームレンズ(不図示)を備える。ズームレンズは、例えば焦点距離が10mmから22mmの間で調整可能なものが好ましいが、これに限定されない。一方、第2カメラ112は、撮影筐体11の正面の右上端部付近に配置され、撮影空間10の被写体を斜め上方から見下ろすように撮影(斜め全身撮影)する。具体的には、被写体の斜め全身撮影に利用され、斜め全身画像を取得する。以下では、正面全身画像と斜め全身画像とを区別する必要が無い場合、「全身画像」と記載する。また、正面全身撮影と斜め全身撮影とを区別する必要が無い場合、「全身撮影」と記載する。
第1モニタ113は、撮影条件などの入力操作が可能なタッチパネル式の液晶モニタであり、第1カメラ111の下側に配置される。また、後に詳述するが、この第1モニタ113は、第1カメラ111で撮影された動画を表示したり、第1カメラ111及び第2カメラ112で撮影された静止画像を表示し、画像補正のために、これらをユーザに確認させるという役割も果たす。一方、第2モニタ114は、第2カメラ112の下側に配置された小型のモニタであり、第2カメラ112で撮影された動画を表示する役割を果たす。この第2モニタ114は、主として斜め全身画像の動画を表示するため、縦長に形成されている。
正面ストロボユニット115は、撮影空間10を前方から照明する。この正面ストロボユニット115は、中央上ストロボ115Aと、中央下ストロボ115Bと、斜め上ストロボ115Cと、足下左ストロボ115Dと、足元右ストロボ115Eとからなる。中央上ストロボ115Aは、円形に形成され、第1カメラ111の上方に配置されている。そして、被写体に対し光を上方から照射する。中央下ストロボ115Bは、矩形状に形成され、第1モニタ113の下方から撮影筐体11の下端に亘って延びるように配置されている。そして、この中央下ストロボ115Bは、被写体に対し光を下方から照射する。
斜め上ストロボ115Cは、中央上ストロボ115Aよりも小型の円形に形成され、第2カメラ112の上方に配置されている。そして、この斜め上ストロボ115Cは、被写体に対し光を斜め上方から照射する。また、足下左ストロボ115D及び足元右ストロボ115Eは、矩形状に形成され、撮影筐体11の下端部付近において、中央下ストロボ115Bの左右にそれぞれ配置されている。これら足元ストロボ115D,Eは、全身撮影用であり、撮影空間10で立っている被写体の足元に光を照射する。
各ストロボ115A〜115Eの内部には蛍光灯が設けられており、撮影空間10内の照明として用いられる。各蛍光灯の発光量が調整されることによって、または、発光させる蛍光灯の数が調整されることによって、撮影空間10内の明るさが、利用者が行っている撮影作業の内容に応じて適宜調整される。
<4.編集筐体>
続いて、編集筐体21について詳細に説明する。図4は編集筐体の斜視図である。同図に示すように、本実施形態の編集筐体21は、下部側の制御ボックス211と、この制御ボックス211の上に設けられた編集台部212とを有する。制御ボックス211の内部には、メインコンピュータユニット及びI/Oコントローラなどの各種の制御装置が内蔵されており、この制御装置が写真撮影遊戯装置全体の動作の制御を行う。
編集台部212は、左右方向を向く山型の傾斜面により形成されており、各傾斜面に編集作業を行うための操作面が設置されている。具体的には、各操作面にはタブレットを内蔵した液晶モニタで構成された編集用モニタ213が設けられており、各編集用モニタ213の左右両側には2本のタッチペン214A,214Bが接続されている。このタッチペン214A,214Bのペン先を編集用モニタ213の画面に接触させることにより、画面表示されたアイコンを選択する選択入力や、文字や描画の落書きを行う場合の手書き入力を行うことができる。なお、図4では、左側の編集用モニタ213を示しているが、右側の編集用モニタ213も左側と同じ構造である。また、制御ボックス211の制御装置は、左右両側の編集用モニタ213への入力情報に対応する処理を個別に並列処理できるようになっている。
<5.出力筐体>
次に、出力筐体41について詳細に説明する。図5は出力筐体の正面図である。同図に示すように、出力筐体41は、編集筐体21の後端部に接する矩形状の筐体であり、後側を向く面に操作面が設けられている。操作面の上部中央にはタッチパネル式の液晶モニタ411が設けられており、このモニタ411に、出力の説明などが表示される。
液晶モニタ411の下方には非接触通信部412が設けられており、近接された非接触型ICと通信を行うことで、非接触型ICからのデータの読み出しや非接触型ICに対するデータの書き込みを行う。例えば、FeliCa(登録商標)などを利用することができる。また、この非接触通信部412の下にはシール紙排出口413が設けられている。シール紙排出口413には、編集部において編集処理を行うことによって作成した画像が印刷された写真印刷シートが排出される。そのため、出力筐体41にはプリンタが内蔵されており、写真印刷シートの印刷がそのプリンタにより行われる。また、シール紙排出口413の下にはスピーカ414が設けられており、出力処理における案内音声、BGM、効果音等の音を出力する。なお、本実施形態では、出力筐体41を編集筐体21と別体としているが、これらを一体的な筐体で構成することもできる。
<6.写真撮影遊戯装置の機能的構成>
次に、本実施形態に係る写真撮影遊戯装置の機能的構成について説明する。図6は、写真撮影遊戯装置の内部の機能的構成を示すブロック図である。
図6に示すように、この写真撮影遊戯装置では、バスXを介して、制御部9、記憶部5、撮影部1、編集部2、プレイ準備部3、出力部4が電気的に接続されている。制御部9は、公知のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備えている。そして、制御部9では、記憶部5に記憶されているプログラムを実行し、写真撮影遊戯装置の全体の動作を制御する。また、バスXには、通信部6、外部ドライブ7も接続されている。なお、制御部9、記憶部5、通信部6及び外部ドライブ7は、公知のコンピュータにより構成してもよく、このようなコンピュータが上述した編集筐体21の制御ボックス211に内蔵されている。
記憶部5は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体で構成され、制御部9から送信された各種の設定情報を記憶する。記憶部5に記憶されている情報は制御部9により適宜読み出される。この記憶部5には、画像の編集のために用いられる各種画像データ、装飾画像、アイコン、印刷シートに係る画像データ、画像処理のための各種データが記憶されている。例えば、撮影画像の背景画像となる背景画像データ、補正のサンプルに関する画像データ、印刷シートのサンプルに関する画像データなどが記憶されている。また、制御部9のROMには、記憶部5におけるプログラムの実行を開始させるためのプログラムやデータが記憶されており、RAMは、制御部9において処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。以下では、RAM,ROMをまとめてメモリということがある。
通信部6はインターネットなどのネットワークと接続するためのインタフェースであり、制御部9による制御に従って外部の装置と通信を行う。外部ドライブ7では、光ディスクや半導体メモリなどのリムーバブルメディアに対する読み書きが行われる。例えば、外部ドライブ7によりリムーバブルメディアから読み出されたコンピュータプログラムやデータは、制御部9に送信され、記憶部5に記憶されたり、プログラムとしてインストールされる。
プレイ準備部3は、撮影前の情報の入力などの処理を行うモニタ32及びコイン処理部175により構成される。
モニタ32は、公知のタッチパネルを有しており、撮影前に所定の情報を表示するとともに、画面をタッチすることによりユーザからの情報の入力を受け付ける。詳細は、後述するが、例えば、名前の入力、背景画像の選択などの操作を受け付ける。これらの操作を示す信号は、操作信号として制御部9に入力される。
コイン処理部35は、コイン投入口に対するコインの投入を検出する。コイン処理部35は、プレイに要する金額分(プレイ料金分)のコインが投入されたことを検出した場合、そのことを表す起動信号を制御部9に出力する。なお、コイン処理部35は、電子マネーやクレジットカードによるプレイ料金の支払を受け付け、当該起動信号を制御部9に出力するようなものとすることもできる。
撮影部1は、撮影空間10における撮影処理を行う構成である照明制御部18、第1カメラ111、第2カメラ112、第1モニタ113、第2モニタ114、及びスピーカ19から構成される。
第1カメラ111及び第2カメラ112は、制御部9による制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた画像を制御部9に出力する。上述したように、第1カメラ112は、被写体を正面から撮影するためものであり、第2カメラ112は、被写体を斜め上方から撮影するためのものである。第1カメラ111は、アップ撮影と正面全身撮影の両方を行うので、制御部9は、アップ撮影を行う場合、第1カメラ111におけるズームレンズの焦点距離を第1の距離(例えば、22mm)とする。一方、正面全身撮影を行う場合、第1カメラ111におけるズースレンズの焦点距離を第1の距離よりも長い第2の距離(例えば、10mm)とする。これにより、アップ撮影は狭い画角で撮影できるので、顔ができるだけ大きく写るアップ画像を取得することができ、正面全身撮影は広い画角で撮影できるので、足先から頭までの全身が写る正面全身画像を取得することができる。また、制御部9は、第1カメラ111で取得した画像から所定の範囲をトリミングしてアップ画像及び正面全身画像を作成する。そのトリミングの範囲は、アップ撮影の場合と正面全身撮影の場合でそれぞれ理想的なものが設定される。
第2カメラ112も同様に、斜め全身撮影に最適な画像を得るために理想的な画角やトリミング範囲などの設定が予め行われている。各カメラ111、112は、リアルタイムに画像を取り込んで当該画像を表す画像信号を出力する。各カメラ111,112から出力された画像信号は制御部9に入力されて、その内部のメモリに一時的に記憶されるとともに、第1モニタ113及び第2モニタ114にそれぞれ送信され、当該画像信号に基づくライブ映像が表示される。このとき、後述するように、各モニタ113,114には、クロマキー処理がなされた被写体の画像と、選択された背景画像とが重ね合わされて表示される。なお、実際には、静止画像として保存される撮影画像データ(以下、単に「撮影画像」ということもある)は高解像度の静止画データであり、ライブ映像表示を行うための撮影動画像(「ライブビュー」とも呼ばれる)は低解像度の動画データである場合が多いが、高解像度の動画データとしてもよい。
照明制御部18は、制御部9より供給される照明制御信号に従って、撮影空間10内の正面ストロボユニット115及び天井照明ユニットから照射されるストロボ光を制御する。また、照明制御部18は、これら照明ユニットの内部に設けられる電灯(蛍光灯など)を制御することで、ユーザによる撮影処理の段階に応じて撮影空間10内の明るさを調整する。スピーカ19は、ユーザによる撮影処理の段階応じた音声を出力する。
編集部2a,2bは、編集空間20a,20bそれぞれで編集処理を行うためのものである。編集部2aおよび編集部2の機能的構成は同じであるので、以下では編集部2aの機能的構成のみを説明し、編集部2bの機能的構成の説明を省略する。
編集部2aは、タブレット内蔵モニタとしての編集用モニタ213、2本のタッチペン214A,214B、およびスピーカ215から構成される。編集用モニタ213は、制御部9による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対するユーザの編集操作等を検出する。すなわち、ユーザにより、編集用モニタ213がタッチペン214A,214Bでタッチされると、その操作およびタッチペン214A,214Bのいずれでタッチされたのかが検出され、操作信号として制御部9に送信される。これにより、編集対象である合成画像(後述)の編集が行われる。具体的には、編集用モニタ213に表示された画像に対し、例えば、文字、模様、図形などのいわゆる落書きを、タッチペン214A,214Bなどの入力デバイスで入力する。これにより、合成画像に、落書きが重ね合わされた出力用画像が生成される。画像の編集については、後述する。こうして生成された出力用画像に基づく画像データは、出力部4へ送信される。
出力部4は、出力空間40における出力処理を行う構成であるタッチパネル式の液晶モニタ411、非接触通信部412、およびスピーカ414から構成される。その他、印刷を行うためのプリンタ44、およびシール紙ユニット45も備えている。プリンタ44は、合成画像、または編集処理によって得られた編集済みの出力用画像を、プリンタ44に装着されたシール紙ユニット45に収納されているシール紙に印刷し、シール紙排出口413に排出する。非接触通信部412は、携帯端末との間のデータの受送信を行うものである。なお、編集部2で作成された画像データは、通信部6によってネットワークを通じて外部の画像蓄積サーバに送信される。
<7.写真撮影遊戯装置における処理手順>
続いて、本実施形態に係る写真撮影遊戯装置のプレイ方法及び画像処理について説明する。上述したように、この写真撮影遊戯装置には、撮影部1、編集部2、プレイ準備部3、及び出力部4が含まれている。プレイ準備部3では撮影前の所定の情報の入力が行われ、撮影部1では撮影処理が行われる。そして、編集部2では後述する編集処理が行われ、出力部4では出力処理が行われる。これらの処理は、記憶部5または外部ドライブ7に記憶されたプログラム、あるいはインストールされたプログラムを制御部9により実行することにより行われる。以下では、まず、プレイの流れとそれに伴うユーザの移動について、図2及び図7に示すフローチャートを参照しつつ説明し、その後、各処理について詳細に説明する。なお、以下では、2人のユーザによりプレイする場合について説明する。
<7−1.プレイの流れ>
以下、図7のフローチャートにしたがい、プレイの流れについて説明する。図2に示すように、まず、ユーザは、矢印Aで示すように枠体100の左側の側壁13に配置されたプレイ準備部3によりプレイ準備処理を行う。プレイ準備筐体31のモニタ32において、デモ画像の表示中にユーザがコイン投入口33にコインを所定の金額を投入すると(ステップS100のYES)、プレイが開始され、プレイ準備処理が始まる(ステップS110)。そして、背景画像の選択などの所定の情報が入力されると、ユーザは、矢印Bで示すように第1出入口101aを使って撮影空間10に移動する。このとき、プレイ準備筐体31のモニタ32によって、撮影空間10への移動を促す表示や通知がなされる(ステップS120)。例えば、撮影空間10が他のユーザによって利用されていないときは、撮影空間10への移動を促す表示などを行う。一方、撮影空間10に他のユーザが存在する場合には、撮影空間10への移動を待つように表示などを行う。
続いて、ユーザは、撮影空間10に入り、撮影部1に設けられたカメラ111,112やモニタ113など利用して撮影処理を行う(ステップS130)。そして、撮影処理を終えたユーザは、矢印Cで示すように第1及び第2出入口101a,101bを使って撮影空間10から装置外部に出た後、いずれかの編集空間20a,20bに移動する。このとき、撮影筐体11のモニタ113およびスピーカ19によって、編集空間20a,20bへの移動を促す表示や通知がなされる(ステップS140)。例えば、いずれの編集空間20a,20bもユーザが利用していないときは、いずれか一方の編集空間への移動を促す表示などを行う。また、いずれか一方の編集空間20a,20bにユーザが存在する場合には、空いている編集空間への移動を促す表示などを行う。そして、いずれの編集空間20a,20bもユーザによって利用されている場合には、編集空間20a,20bへの移動を待つように表示などを行う。
編集空間20a,20bに移動したユーザは編集処理を開始する。各編集空間20a,20bのユーザは、同時に編集処理を行うことができる。ユーザは、プレイ準備処理で選択された背景画像が被写体画像(撮影画像から被写体部分を抽出した画像)の背景として合成された合成画像に対して、編集処理を行う(ステップS150)。そして、編集処理が終了すると、編集済みの合成画像を含む画像の印刷が開始される(ステップS160)。続いて、編集筐体21の編集用モニタ213には出力空間30への移動を促す表示がなされるとともに、スピーカ215によって出力空間40への移動を促す音声が通知される(ステップS170)。これに従って、編集処理を終えたユーザは、いずれかの編集空間20a,20bから、矢印Dで示すように出力空間40に移動して印刷が完了するのを待機させる。なお、出力空間40で他のユーザが出力処理をしている場合には、編集用モニタ213およびスピーカ215によって、出力空間40への移動を待たせる表示や通知がなされる。また、出力空間40への移動を促す通知後に、印刷処理を開始することもできる。
そして、出力空間40では、ユーザに画像の印刷を待たせている間、本プレイによって生成した画像をユーザの携帯端末で取得できるようにするための操作(例えば、メールアドレスの入力)をモニタ411に対して行わせる(ステップS180)。画像の印刷が終了したとき、ユーザは、出力筐体41に設けられたシール紙排出口413からシール紙を受け取り、一連のプレイを終えることになる。以上のようなユーザの移動を促す表示は、制御部9により行われる。
<7−2.プレイ準備処理>
次に、図7のステップS110で示したプレイ準備処理の詳細について、図8〜図11を参照しつつ説明する。図8は、本実施形態におけるプレイ準備処理の処理手順を示すフローチャート、図9は、作成する動画の種類を選択する画面、図10は静止画の背景及びシートのレイアウト等を選択する画面である。
コインが投入され、プレイが開始されると、制御部9は、プレイ準備筐体31のモニタ32に被写体の人数を選択する画面を表示する(ステップS200)。一例として、図示を省略するが、「2人」または3人以上を示す「グループ」のいずれかを選択できるようにする。
こうして、人数の選択が完了すると、モニタ32には、動画のデザインを選択する画面が表示される。例えば、図9の例では、動画の背景等の合成用画像及び被写体に合成される装飾画像のセットを選択できるようになっており、ユーザは、これらのいずれかを選択する(ステップS210)。なお、合成用画像とは、被写体の背景となる背景画像のほかか、被写体の前景となる前景画像などを含む画像であり、基本的に固定された画像である。一方、装飾画像とは、後述するようにライブビューに表される被写体に追従し、被写体を装飾する合成用画像を指す。但し、被写体を装飾するという点では、装飾画像も合成用画像の一態様ということができる。例えば、被写体に追従しない固定された装飾画像を設け、合成用画像の1つとすることもできる。したがって、以下の説明では、装飾画像を合成用画像の一態様として表現することもある。
動画のデザインが選択されると、これに続いて、モニタ32には、図10に示すように、静止画の合成用画像及び被写体に合成される装飾画像の選択画面が表示される。同図に示すように、この画面の上部には、現在選択されている画像のイメージサンプル1001と合成用画像のセット1002とが表示されている。ここでは、ステップS200で被写体の人数として「2人」を選択した場合の例を示している。
合成用画像のセット1002には、矩形状の枠内に示された5種類の合成用画像(番号1〜5)が表示されている。そして、イメージサンプル1001には、2人の被写体のモデル、装飾画像、及び5つの合成用画像のセットが示されている。この例では、装飾画像として、被写体の両側に配置される羽根や尻尾等が示されている。また、5種類の合成用画像のうちの1つの合成用画像(番号1)は、このイメージサンプル1001の背景等として使用され、残りの4つの合成用画像(番号2〜4)は、このイメージサンプル1001の4隅に重ねて表示されている。
また、この画面の下部には、静止画の合成用画像及び装飾画像の候補が示されている。この例では、合成用画像の候補として3つのカテゴリー(「トレンド」、「切れてる」、「グループ」)1003が設定されており、各カテゴリー1003に4つの候補が設定されている。この画面の例では、カテゴリー1003として「トレンド」が選択され、その中の4つの候補1004が表示されている。そして、現在は、4つの候補のうちの二重枠で囲まれた右上の候補が選択され、これがイメージサンプル1001として、実際の印刷サイズとほぼ同じ大きさで画面の上部に示されている。なお、3つのカテゴリー1003のいずれかをタッチすると、カテゴリーの選択を行うことができ、これにより、各カテゴリー毎の4つの候補が表示される。そして、この4つの候補の中から1つをタッチすると、この候補が画面の上部に表示される。その後、選択が終了すると、OKボタン1005を押下する。このとき、所定時間が経過するまで、あるいは、OKボタン1005がタッチされるまでは、何度でも候補画像の選択を行うことができる(ステップS220)。
また、詳細な図示は省略するが、上記4つの候補1004は、シートデザイン(分割レイアウト)が異なっており、合成用画像(装飾画像を含む)、及びシートデザインを同時に選択するようになっている。これにより、シートデザインと背景デザインに統一感を持たせることができ、デザイン性の優れた印刷物等の最終成果物を得ることができる。
こうして、背景等の選択が完了すると、モニタ32には、撮影部1の撮影空間10への移動を促す表示がなされる。
<7−3.撮影処理>
次に、図7のステップS130で示した撮影処理の詳細について、図11〜図15を参照しつつ説明する。図11は、撮影処理のフローチャート、図12、図14、図15は撮影処理において第1モニタ113に示される画面、図13はライブビューの作成の過程を示す図である。
図11に示すように、ユーザが撮影空間10に入ると、アップ画像、全身画像、及び動画の撮影が、この順で行われる。
<7−3−1.アップ撮影>
まず、第1カメラ111により、アップ画像の撮影(上述のアップ撮影)が行われる(ステップS310)。このとき、第1モニタ113には、図12に示すような画面が表示される。ユーザは、この画面の中央に配置された矩形状の撮影画像表示領域1133に表示されるライブビューを見ながら撮影を行う。このとき、撮影画像表示領域1133に表示されるライブビューは、第1カメラ111で撮影された撮影画像と、プレイ準備処理で選択した背景画像とを合成した合成画像である。第1カメラ111で撮影する撮影画像には、撮影筐体11の後壁12の前に立つユーザが含まれる。すなわち、この撮影画像は、クロマキー処理用の後壁12及び撮影空間10の床面(図示省略)を背景として、被写体としてのユーザが写る画像である。したがって、制御部9は、公知のクロマキー処理により、撮影画像から被写体のみが写る被写体画像を抽出し、これを合成用画像と合成した上で、ライブビューとして、第1モニタ113に表示する。
また、制御部9は、ライブビューの表示に先立って、ユーザをアップ撮影に適した撮影位置へ誘導する。具体的には、第1モニタ113に、誘導用の画面を表示させたり、あるいはスピーカから誘導用の音声を出力する。また、撮影位置に加え、影が投影されやすい撮影ポーズを案内することもできる。
以上のようなライブビューが表示されている間に、アップ撮影(静止画の取得)が3回連続して行われる。このとき、撮影する(表示されるライブビューを静止画として固定する)タイミングで、中央上ストロボ115A、中央下ストロボ115B、天井照明ユニットのストロボが発光する。
撮影はタイマー1134を示してカウントダウンを行いながら所定時間ごとにシャッターが切られることで行われる。つまり、制御部9より第1カメラ111に制御信号が送信され撮影が行われる。そして、撮影された矩形状の画像のサムネイルが、画面左側の第1サムネイル表示領域1135に順に表示されていく。なお、このサムネイルは、合成画像のサムネイルである。こうして、3回の撮影を行うが、1回の撮影が終了するごとに、撮影画像表示領域1133に表示されるライブビューにおいては、合成用画像が切り替わる。すなわち、選択された5つの合成用画像のうちの3つをそれぞれ用いて生成された合成画像が、リアルタイム画像として撮影画像表示領域1133に順に表示される。そして、3回の撮影により、3種類の画像に係る撮影画像データが生成され、メモリに格納される。
<7−3−2.全身撮影>
続いて、第1カメラ111又は第2カメラ112によって全身撮影が行われる(ステップS320)。いずれのカメラを使用するかは、図10にて行われた合成用画像の結果に基づいて決定される。第1カメラ111により正面全身撮影が行われる場合、ユーザは、アップ撮影と同様に、第1モニタ113を見ながら撮影プレイを行う。一方、第2カメラ112による斜め全身撮影の場合は、第2モニタ114を見ながら撮影を行うため、第1モニタ113には、ユーザに対し、第2モニタ114を見るように促すための表示がなされる。そして、ユーザは、第2モニタ114を見ながら、斜め全身撮影を行う(ステップS330)。つまり、第1カメラ111(または、第2カメラ112)による全身撮影が行われる場合、第1モニタ113(または、第2モニタ114)には、ライブビューが表示され、ユーザはこれを見ながら全身撮影を行う。このとき、第1モニタ113(または、第2モニタ114)に表示されるライブビューは、アップ画像の撮影と同様の合成画像である。すなわち、選択された5つの合成用画像のうちの全身撮影に対応する2枚の合成用画像のいずれかが合成された合成画像がライブビューとして表示される。ここでも、図示を省略するが、アップ撮影と同様に、カウントダウン後に撮影が行われ、1回の撮影が終了するごとに、合成用画像が切り替わった合成画像がライブビューとして表示される。そして、撮影が行われるごとに生成されるサムネイルは、第1モニタ113の右側の第2サムネイル表示領域1136に順に表示されていく。
但し、全身撮影においては、次の点でアップ撮影と相違する。上記のようにプレイ準備処理では、装飾画像を含む合成用画像が選択されているが、この装飾画像は、全身撮影時にライブビューに合成されて第1モニタ113あるいは第2モニタ114に表示される。すなわち、このライブビューは、上述した被写体画像、装飾画像を含む合成用画像が合成された複数のフレーム画像によって構成されている。装飾画像は、図10にて示した羽根のようなデザインの場合は、合成用画像を構成する背景画像の前景であって被写体画像の背景となるように合成されるが、これに限らない。例えば、帽子のような装飾画像(図9の中段の左から2番目参照)や口からでる吹き出しのような装飾画像(図9の上段の左から2番目参照)の場合は、被写体画像の前景となるように合成される。以下、この処理について、詳細に説明する。
以下では、ライブビューを構成する複数のフレーム画像のそれぞれに装飾画像を合成する処理について、図13及び図14を参照しつつ説明する。
図14に示す例では、装飾画像は、複数のパーツ画像により構成される。左側の被写体K1に合成される羽根がパーツ画像W1であり、右側の被写体K2に合成される羽根がパーツ画像W2である。
図13は、人物検出により検出した顔の特徴点を模式的に示した図である。同図においては、正方形の印が特徴点を示している。まず、既知の顔検出アルゴリズムにより、各フレーム画像の被写体から特徴点を検出し、これら特徴点に基づいて、被写体の眉間の位置X、及び顔幅Hを算出する。続いて、眉間の位置Xから(2*H)下方で、且つ、その位置から左方向に(1.25*H)離れた位置を装飾画像を合成する合成位置Y1(左側)として算出する。また、眉間の位置Xから(2*H)下方で、且つ、その位置から右方向に(1.25*H)離れた位置を装飾画像を合成する合成位置Y2(右側)として算出する。(2*H),(1.25*H)は、正面を向いてまっすぐに立っていると仮定した場合、眉間の位置Xと顔幅Hを基準として人の肩のおおよその位置を算出するための統計的な数値である。なお、この例では、基準となる位置を眉間にしているが、これは一例であり、例えば、顔の中心である鼻を基準位置とすることもできる。
次に、各フレーム画像における被写体の合成位置を算出する。ここでは、図14に示すように、2つの被写体K1,K2において、左側の被写体K1の左側の合成位置Y1、及び右側の被写体K2の右側の合成位置Y2に、それぞれ第1パーツ画像W1及び第2パーツ画像W2を合成する。これらのパーツ画像は向きが決まっており、左側に配置される第1パーツ画像W1は左向きであり、右側に配置される第2パーツ画像W2は右向きである。この処理は種々の方法で行うことができるが、例えば、以下のように処理することができる。
まず、各フレーム画像において、人物検出を行う。このとき、最初に検出した人物(被写体)を0番とし、検出順序に応じて0,1,2番というように異なる人物番号を割り当てる。本例では、各フレーム画像に2名の被写体を含むため、0番と1番の人物番号が割り当てられる。次に、0番の人物が他方の人物に対して左右のどちらに位置するのか、1番の人物が他方の人物に対して左右のどちらに位置するのか、をそれぞれの人物の座標に基づいて判別する。その上で、左側の被写体K1の左側の合成位置Y1に第1パーツ画像W1を合成し、右側の被写体K2の左側の合成位置Y2に第2パーツ画像W2を合成する。
こうして、各フレーム画像にパーツ画像W1,W2を合成し、ライブビューを生成すれば、第1モニタ113あるいは第2モニタ114には、2つの被写体K1,K2の両側にパーツ画像W1,W2が生えたようなライブビューが表示される。そして、このようなライブビューを第1モニタあるいは第2モニタ114で確認しながら、2枚の全身撮影を行う。
<7−3−3.動画撮影>
次に、動画の撮影を第1カメラ111または第2カメラ112で行う。いずれのカメラ111,112を使用するかは、図9にて行われた背景選択の結果に基づいて決定される。このとき、動画の撮影は全身撮影とほぼ同様のカメラ設定(例えば、ズーム、トリミング範囲)で行われる。そして、全身撮影では、静止画を撮影したが、動画撮影では、第1モニタ113あるいは第2モニタ114に表示されるライブビューがそのままメモリに記憶される。より詳細には、図15に示す動画撮影画面の撮影画像表示領域1133に、プレイ準備処理で選択された合成用画像と被写体画像とが合成されたライブビューが表示される。選択された候補の中には、装飾画像が含まれるものもあるが、その場合のライブビューの生成は上述したとおりである。そして、手本となる動画が撮影画像表示領域1133において再生された後、3回の動画撮影が行われる。例えば、図16に示すように、「アクション!」という文字が表示された後、「カット!」(図示省略)という文字が表示されるまで、所定時間の動画撮影が3回行われる。
以上のように、すべての撮影が終了すると、第1モニタ113には、編集部2のいずれか一方の編集空間20a,20bへの移動を促す表示がなされるとともに、スピーカ19によって、編集空間20a,20bへの移動を促す通知がなされる。また、生成された各撮影画像は、編集部2に送信される。なお、上述した例では、合計5回の静止画撮影と3回の動画撮影が行われたが、撮影回数は特には限定されない。
<7−4.編集処理>
以上のように、撮影処理が完了すると、編集空間20a,20bのいずれかにおいて、編集処理が開始される。編集処理は、落書き編集の説明、落書き編集の順に行われる。
<7−4−1.編集画面の詳細>
まず、編集用モニタ213に表示される編集画面について説明する。図16に示すように、この編集画面において、編集用モニタ213は、左右一対の編集スペースに区分けされ、2人のユーザが同時並行して使用できるようになっている。編集用モニタ213の左側の編集スペースにおいては、左側のタッチペン214Aによる入力受け付けが可能となっており、右側の編集スペースにおいては、右側のタッチペン214Bによる入力受け付けが可能となっている。これら左右の編集スペースは、左右対称であるため、以下では、左側の編集スペースについて説明し、右側の編集スペースの説明は、省略する。
各編集スペースの上部中央には、5枚の合成画像(アップ画像、全身画像に係る合成画像)のサムネイル502が表示されており、ここからいずれかかがタッチされることにより選択された1枚の合成画像が、編集対象の画像としてその下方の落書き領域501に表示される。これら5枚のサムネイル502は、左右の編集スペースで同じであるが、例えば、右側の編集スペースで左から2番目のサムネイルに係る合成画像が選択されて落書き領域501に表示されているときには、左側の編集スペースでは、左から2番目のサムネイル502に「右の人が拡大中だよ」との表示がなされ、選択できないようになっている。同様に、左側の編集スペースで右端のサムネイル502に係る合成画像が選択されて落書き領域501に表示されているときには、右側の編集スペースでは、右端のサムネイル502に「左の人が拡大中だよ」との表示がなされ、選択できないようになっている。
落書き領域501の両側部には、編集ボタンが配置されている。左側には、装飾OFFボタン561、装飾調整ボタン562、及び、盛れ感パレットボタン563がこの順で上から下へ配置されている。盛れ感パレットボタン563については後述する。なお、装飾OFFボタン561及び装飾調整ボタン562は、落書き領域501に表示されている合成画像に装飾画像が含まれている場合のみ表示され、当該合成画像に装飾画像が含まれていない場合は表示されない。
装飾OFFボタン561がタッチされると、編集対象の画像として落書き領域501に表示されている合成画像に含まれるすべての装飾画像(例えば、羽根)が消去される。そして、装飾OFFボタン561は、装飾OFFボタン(不図示)に表示が変更される。そして、装飾OFFボタンをタッチすると、落書き領域501に表示されている同じ合成画像に再び装飾画像が合成表示される。
次に、装飾調整ボタン562について説明する。この装飾調整ボタン562がタッチされると落書き領域501に表示されている合成画像に含まれる装飾画像の調整が可能となる。装飾画像は、図17に示すように複数のパーツ画像W1,W2を含み、各パーツ画像W1,W2の周囲に矩形状の装飾画像枠811がそれぞれ表示される。そして、装飾調整ボタン562は、装飾調整終了ボタン(不図示)に表示が変更される。
各装飾画像枠811の四隅には、各パーツ画像の形状等を変更するための機能アイコン812〜815がそれぞれ配置されている。この例では、装飾画像枠811を便宜上、破線で示すが、装飾画像枠811を破線以外の線で構成してもよい。あるいは、装飾画像枠811で囲まれる領域の透明度を下げてパーツ画像W1,W2の背景を半透明にすることにより、装飾画像枠811で囲まれる領域とそれ以外の領域とを視覚上容易に区別できるようにしてもよい。
まず、装飾画像枠811で囲まれた領域の任意の位置をユーザがタッチペン214でタッチしたまま上下左右に動かすと、いわゆるドラッグ操作となり、タッチペン214が画面から離されるまでタッチペン214が移動する方向へ装飾画像枠811で囲まれたパーツ画像が追随して移動する。装飾画像枠811及びパーツ画像W1,W2の移動可能範囲は落書き領域501の外まで及び、装飾画像枠811およびパーツ画像W1,W2が落書き領域501の外側にはみ出ても表示される。但し、装飾画像枠811及びパーツ画像W1,W2の移動可能範囲は、装飾画像枠811の四隅にある各機能アイコン812〜815が落書き領域501の外側にある各種のボタンやアイコンなどと干渉しない範囲までである。そうした干渉を避けるために、落書き領域501からその周囲のボタンやアイコンまでの距離ができる限り広くなるように周囲のボタンやアイコンを配置してもよい。
装飾画像枠811の四隅に表示される機能アイコン812〜815は、右上隅の回転アイコン812、右下隅の拡縮アイコン813、左下隅の反転アイコン814、左上隅の削除アイコン815で構成される。ユーザがタッチペン214で回転アイコン812をタッチしたままパーツ画像W1,W2における所定位置座標(例えば、パーツ画像の中心座標)を中心とする円を描くように時計回りまたは反時計回りにタッチペン214を動かすと、その円運動に追随するようにパーツ画像W1,W2の垂直軸および水平軸の角度が傾き、パーツ画像W1,W2を上記の所定位置座標を中心に回転させることができる。ユーザがタッチペン214で拡縮アイコン813をタッチしたまま所定位置座標から遠ざかる方向(図17の例では、右下の方向)へタッチペン214を動かすと、装飾画像枠811及びパーツ画像W1,W2の大きさが拡大される。一方、所定位置座標に近づく方向(左上の方向)にタッチペン214を動かすと、装飾画像枠811及びパーツ画像W1,W2の大きさが縮小される。
ユーザがタッチペン214で反転アイコン814をタッチしたまま右方向(具体的には、アイコン814,815を結ぶ直線に対して垂直方向)へタッチペン214を動かすと、その動きに追随してパーツ画像W1,W2が奥行き方向へ右回転し、左方向へタッチペン214を動かすと、その動きに追随してパーツ画像W1,W2が奥行き方向へ左回転する。奥行き方向へ右回転または左回転して180度回転すると、パーツ画像W1,W2は左右方向に反転する。また、ユーザが削除アイコン815をタッチすると、その装飾画像枠811及びパーツ画像W1,W2が落書き領域501の編集対象画像から削除される。装飾画像枠811及びパーツ画像W1,W2の一部が落書き領域501からはみ出ても、そのはみ出た部分の隅には機能アイコン812〜815が表示され得る。
装飾調整終了ボタン、あるいは別のツール(サムネイル502や盛れ感パレット563,パレット509等)がタッチされると、装飾画像枠811が消去され、パーツ画像W1、W2の位置が固定される。このとき、装飾調整終了ボタンに代えて装飾調整ボタン562が表示される。この装飾調整ボタン562をタッチすること、再度のパーツ画像の調整が可能となる。
また、図16に示すように、落書き領域501の右側には、上から、終了ボタン540、4種類の消しゴムボタン504、「進む」ボタン505、及び「戻る」ボタン506が配置されている。終了ボタン540は、編集を終了するボタンである。消しゴムボタン507としては、3種類の大きさ消しゴムボタンと、すべての落書きを消すための「全消し」ボタンとがある。例えば、いずれかの大きさ消しゴムボタン507をタッチペン214Aでタッチすると、その大きさ消しゴムが設定され、この状態で落書き領域501をタッチペン214Aでなぞると、なぞった部分の落書きが消去されるようになっている。また、「全消し」ボタンを押下すると、すべての落書きが消去される。
「戻る」ボタン506は、直前に行った落書き処理を取り消して元に戻すためのボタンであり、「進む」ボタン505は、反対に、「戻る」ボタン507を押下する直前の落書き処理を復活させるためのボタンである。
また、編集画面の上部中央には、カウントダウン用のタイマー508が設けられている。このタイマー508は、種々の設定ができるが、例えば、落書き編集を行える基本制限時間(例えば、300秒)を予め設定しておき、落書き編集が開始されると同時にカウントダウンを始め、タイマー508の表示がゼロになったときに落書き編集を強制的に終了させるように構成することができる。あるいは、撮影部1にユーザがいないとき、つまり、編集作業を待つ後続のユーザがいないときには、カウントダウンを行わず、制限なく編集作業を行えるようにしてもよいし、最大制限時間(例えば、20分)を設定しておき、最大制限時間まで編集作業を行えるようにしてもよい。但し、このような状態になったとき、もう一方の編集部2に後続のユーザがいる状態で、新たなユーザによる撮影処理が開始された場合、撮影処理の開始に合わせて、予め設定された時間(例えば、60秒)からのカウントダウンを始めるようにすることが好ましい。このタイマー508は、左右のユーザで共通であり、両ユーザの編集処理時間が1つのタイマー508で管理される。
タイマー508の下方には、印刷用シートのサムネイル555が表示されている。この印刷用シートは、プレイ準備処理で選択したものであり、このシートのサムネイル555内の各領域には、生成された5枚の合成画像が表示されている。なお、このサムネイル555内の合成画像が、左右の各落書き領域501で行われた落書きをリアルタイムで反映して表示されるようにしてもよい。また、サムネイル555内の合成画像をタッチすることで、当該合成画像を落書き領域501に表示させることもできる。
落書き領域501の下方には、絵、模様、図形、文字などを書き込むためのパレット509が配置されている。パレット509は、複数の領域に分けられている。まず、パレット509の上段には、複数のカテゴリーが表示されたカテゴリー領域510が配置されている。ここでは、例として「ペン」、「おすすめ」、「スタンプ」、「イベント」、及び「盛れ感パレット」という5つのカテゴリーが表示されている。
カテゴリー領域510の下方には、詳細ツール領域511が配置されており、上記各カテゴリーに関連した落書き用のツールが表示される。例えば、「スタンプ」というカテゴリーを選択すると、種々の種類のスタンプ(ツール)が表示される。この領域の上段には、4つの種類ボタン(A〜D)512が配置され、その下方には、複数種のスタンプが表示されたツールボタン513が配置されている。また、ツールボタン513の側方には、ツール編集ボタン、及び大きさ調整ボタン518が配置されている。
種類ボタン512は、選択されたカテゴリーをさらに分類するものである。図16には、1つの種類ボタンに対応する複数のスタンプが示されているが、これと同様に、他の種類ボタンを押下すると、同じカテゴリーでさらに種類の異なるスタンプが表示される。例えば、図16のツールが表示された状態で落書き処理を行う場合には、いずれかのツールをタッチペン214A,214Bで押下してツールを選択し、その後、タッチペン214A,214Bで落書き領域501の任意の位置を押下する。これにより、選択されたツールが落書き領域501における押下された位置に表示される。一旦設定されたツールは、他のツールを選択するまで維持される。
ツール編集ボタンは、4種類のボタンを有している。上から、第1回転ボタン514、第2回転ボタン515及び反転ボタン516が配置されている。第1回転ボタン514は、画面に垂直な軸回りに選択されたツールを回転するためのものであり、第2回転ボタン515は、画面に平行で上下に延びる軸回りに選択されたツールを回転する(奥行き方向に回転する)ためのものである。反転ボタン516は、落書き領域に表示されたツールの左右を反転させるものである。なお、これらのボタン514,525,516を操作すると、落書き領域501に表示するツールだけでなく、例えば、パレット上のツールの表示も変更される。また、大きさ調整ボタン518は、落書き領域501に表示するツールの大きさを決定するためのものであり、5種類の大きさが表示されている。例えば、カテゴリーとしてスタンプを選択して、大きさ調整ボタン518を押下した後、いずれかのツールを選択すると、選択した大きさに応じたスタンプが落書き領域501に表示される。
また、いずれかのツールを選択した後、回転ボタン514,515を押下すると、押下した回数に応じて、選択されたツールがパレット509内で回転する。そして、所望の回転角度になったときに、落書き領域501の任意の位置を押下すると、選択されたツールが、所望の回転角度で落書き領域501に表示される。その後、パレット509の他のツールを押下すると、その直前に回転していたツールは、元の角度に戻る。但し、ツールが所望の回転角度になった状態で、消しゴムボタン504を押下したときには、元の角度には戻らないようになっている。消しゴムボタン504を利用するということは、そのツールを書き直す可能性があり、特に回転角度を変更したい場合もあるので、直前の回転角度を認識させるために、角度の変更は行わないようになっている。
<7−4−2.盛れ感パレット>
次に、盛れ感パレットについて説明する。盛れ感パレットは、被写体の顔画像に対して施すメイク処理(例えば、化粧画像を、合成画像における被写体の顔画像の所定箇所に合成する処理)を選択するための複数の選択ボタンが配置されるパレットである。この盛れ感パレットは、パレット509に表示される。カテゴリー領域510に含まれる盛れ感パレットタブあるいは盛れ感パレットボタン563がタッチされると、落書き領域501の下方のパレット509に、図18に示すパレットが表示される。盛れ感パレットボタン563を、パレット509以外に配置することで、ユーザの目に止まりやすく、盛れ感パレットのユーザの使用率を向上させることができる。
図18に示すように、この盛れ感パレットには、メイクを行う被写体の選択を促す表示と、メイクパレットの選択のための表示が配置されている。この表示がなされている際、落書き領域501に表示された合成画像におけるすべての顔画像には、顔位置を示す枠が表示される。この表示にしたがい、ユーザは、顔位置を示す枠内をタッチし、メイク処理の対象を選択する。すると、タッチされた枠に対応する顔画像が、メイク処理の対象の対象顔画像として選択される。
続いて、メイクパレットとして、お手軽メイク、またはポイントメイクのいずれか一方を選択する。お手軽メイクを選択すると、パレット509の表示が、図19に示すパレットに遷移する。このパレットには、予め複数のメイクの画像サンプル901が示されている。例えば、眉、目の色、ノーズシャドウ、リップ、チークなどが適宜施された複数のモデルの画像サンプル901が示されている。ユーザが、この中からいずれかの画像サンプル901をタッチすると、対象顔画像に対して、選択した画像サンプル901に対応するメイク処理が施される。
一方、図18のパレットにおいて、ポイントメイクを選択すると、図20に示すパレットに遷移する。このパレットでは、4つの部位に対して個別にメイク処理を行うことを可能としている。それぞれの部位に対応する4つのボタン、つまり「眉、目の濃さ」911、「鼻筋、肌つや」912、「リップ」913、「チーク」914が配置されており、これらの部位に個々にメイク用の画像処理を施すことができる。図20のパレットでは、「眉、目の濃さ」911の選択されており、4つの「眉」の色のサンプル921と、3つの「目の濃さ」の色のサンプル922が表示されている。ユーザが、この中のいずれかをタッチすると、落書き領域501の中の選択した被写体に対し、眉の色、目の濃さの色を変化させるメイク処理が施される。
ここで、眉の色を変化させるメイク処理の一例について説明する。まず、上述した顔検出技術により、対象顔画像から眉領域を検出するが、例えば、図21に示すように、対象顔画像の眉の一部が髪の毛に隠れている場合がある。このときの眉領域の検出の結果は、に示すように、髪の毛領域を含むことになる。髪の毛領域も眉毛の一部として色を変えてしまうので、見た目が不自然になってしまう。以下では、これを解決するための方法を説明する。
まず、眉領域の検出に続いて、対象顔画像の髪の毛領域を特定する。具体的には、髪の毛の色やエッジを検出することで特定できる。そして、図21の拡大図に示すように、眉領域から髪の毛領域に重なる部分を覗いた領域を、真の眉領域(真眉領域)として特定する。この真眉領域が、眉の色を変化させるメイク処理の対象となる。なお、対象顔画像において眉のすべてが髪の毛に隠れている場合には、真眉領域がないと検出されるので、眉の色の変更は行わない。
続いて、対象顔画像の本来の眉の色を真眉領域から検出し、その色に基づいて、選択されたサンプル921の眉の色に近くなるように画像処理を行う。具体的には、真眉領域に対して、当該真眉領域の色を利用して色を変更する処理を行う。これは、被写体の本来の眉の色と全く異なる色に変化させると、違和感が生じるからである。なお、眉の色は、準備された色のみならず、例えば、ユーザの髪の色と同じにするような画像処理を選択できるようにしてもよい。髪の毛の色と眉の色を同じにできるので、違和感のない顔画像とすることができる。
次に、図20のパレットから、「鼻筋、肌つや」912を選択すると、図22のパレットに遷移する。このパレットでは、ノーズシャドウの濃さ931と肌のつや感932を選択することができる。ノーズシャドウを施すには、選択された被写体の顔から、顔検出技術により、鼻を検出し、ここからノーズシャドウを施すべき鼻筋の部分を特定し、選択された色に着色する画像処理を行う。肌のつやについては、選択された被写体の顔の色から肌の部分を検出し、選択されたつやとなるように画像処理を行う。
図22のパレットから「リップ」913、または「チーク」914を選択すると、図23または図24のパレットに遷移する。これらのパレットでも同様に、リップの範囲、チークを施すべき範囲を顔検出技術により検出し、選択された色に着色する画像処理を行う。
以上の画面構成は、左右の編集スペースで同じである。ユーザは、適宜、編集すべき編集対象画像をサムネイル502から選択し、落書き領域501に表示させる。そして、表示された編集対象画像に対して、編集作業を行う。
こうして、ユーザは、タイマー508の残り時間が0になる(またはユーザが終了させる操作を行う)まで、落書きを行う。そして、タイマー508の残り時間が0になるか、あるいはユーザが終了ボタン540をタッチして自発的に落書きを終了させると、図示を省略するが、編集用モニタ213に「落書き終了」との表示が表れる。そして、その時点において、編集画面で編集されている合成画像が編集済画像(出力用画像)とされ、この編集済画像に係る編集済画像データがメモリに保存され、編集処理が終了する。ここで、生成された編集済画像は、プレイ準備処理で選択した印刷シートと合成され、後述する出力処理により印刷シートあるいはデータとして出力される。そして、編集用モニタ213には、出力部4の出力空間40への移動を促す表示がなされる。
<7−5.出力処理>
次に、出力空間40における出力処理について説明する。上記のように生成された編集済画像データは、出力部4に送信される。
また、編集済みデータをユーザに送信することができる。送信に当たっては、複数の方法がある。まず、電子メールを入力させ、その電子メールに画像データを送信したり、あるいは画像データを取得できるインターネット上のサイトのURLを送信することもできる。このとき、図5に示す出力筐体41のモニタ411には、2人のユーザに対して、それぞれメールアドレスの入力を促す画面が表示される。なお、編集済画像データ等の画像データまたはURLは、写真撮影遊戯装置から直接ユーザの電子メールアカウントに送信することもできるし、写真撮影遊戯装置から外部のサーバを介して送信することもできる。
また、出力部4の非接触通信部412から、編集済画像データ等の画像データを携帯端末へ送信することもできる。さらに、モニタ411にQRコード(登録商標)を表示させ、このQRコード(登録商標)を読み取ることで、上述したURLを取得することもできる。
また、出力部4は、印刷シートの選択処理で選択された印刷シートに基づいて、複数の編集済み合成画像を印刷媒体に印刷する。そして、その印刷媒体がシール紙排出口413から排出される。
<8.特徴>
以上のように、本実施形態によれば、撮影時に、各フレーム画像の被写体にパーツ画像W1,W2を合成したライブビューを生成することができる。例えば、2つの被写体K1,K2の両側に羽根が生えたような動画を楽しむことができる。したがって、撮影時においても、遊戯性を高めることができる。
このライブビューにおいては、被写体を挟むように一対のパーツ画像W1,W2を合成している。そのため、これを見ながら撮影位置を決めようとするユーザは、パーツ画像W1,W2を含めて撮影を行うことが予測されるため、ユーザを撮影範囲の中央付近に移動させることができる。これにより、被写体を適切に撮影することができる。例えば、被写体が撮影範囲の端部付近に位置すると、カメラのレンズの歪みの影響を受ける可能性があるが、被写体が撮影範囲の中央付近に位置すると、そのような影響を受けず、適切な画像を撮影することができる。
<9.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は、適宜組み合わせが可能である。
<9−1>
上記実施形態では、複数の被写体が撮影されたときに、両側に位置する被写体にパーツ画像W1,W2をそれぞれ配置しているが、パーツ画像の配置は種々の方法が可能である。例えば、被写体が3人以上の場合には、最も左側の人物,及び最も右側の人物を特定した上で、上記のように、第1パーツ画像W1及び第2パーツ画像W2を合成すればよい。また、パーツ画像の数、パーツ画像の合成位置も特には限定されない。また、必ずしも両側の被写体に装飾画像を合成する必要はなく、任意の被写体に装飾画像を合成することができる。
ここで、図9を参照しつつ、装飾画像の合成方法の具体例について説明する。例えば、図9の左下の画像では、2つの被写体それぞれに同じ装飾画像が合成されている。この例では、猫型の耳と、猫型の鼻を模した装飾画像がそれぞれ合成されている。このような装飾画像は、被写体の数が増えても同様にすべての被写体に合成することができる。また、被写体の大きさや傾きに応じて、各装飾画像を変化させることもできる。
また、図9の左下の画像、及び上段中央の画像のような吹き出しを模した装飾画像を合成する場合には、左側の被写体の左側、及び右側の被写体の右側に、それぞれ、合成することができる。例えば、被写体が3人以上の場合には、左右の端の被写体に対しては上記のように装飾画像を合成し、左右の端以外の被写体に対しては、被写体の口の下に吹き出しが配置されるように合成することができる。あるいは、左右の端以外の被写体に対しては吹き出しを合成しないようにすることもできる。これにより、吹き出しが重ならないようにすることができ、装飾画像によってデザインが損なわれるのを防止することができる。
上記実施形態で説明した羽根に係る装飾画像と同様に、尻尾の装飾画像を合成する場合にも、被写体が3人以上になっても、左右の端の被写体にのみ合成することができる。
<9−2>
フレーム画像に複数の被写体が含まれているとき、複数の被写体の上下方向の位置が大きくずれている場合には、パーツ画像の配置のバランスが悪くなる場合がある。例えば、図25に示すように、左側の被写体K1がフレーム画像の下に位置し、右側の被写体K4が上に位置している場合には、パーツ画像W1,W2が上下に離れて配置されるためバランスが悪い。これを解決するため、例えば、図26に示すように、フレーム画像の所定の位置Lよりも低い位置にある被写体K1は左右の端部に配置されていたとしても、パーツ画像を付さないようにすることができる。これにより、一対のパーツ画像W1,W2の位置が上下方向に大きくずれるのを防止することができる。
<9−3>
被写体が1つの場合には、その両側にパーツ画像を配置することができる。あるいは、被写体の位置によっては、装飾画像に含まれるパーツ画像を一つにすることもできる。例えば、図27に示すように、被写体Kの位置がフレーム画像の左右の中心Sよりもずれている場合、被写体Kとフレーム画像の各側縁との距離のうち、長い方の側にパーツ画像Wを配置することができる。パーツ画像W1,W2のいずれを表示するかは、被写体Kの左右どちら側に合成するかに応じて決定される。図27のように、被写体Kの右側に合成する場合は、パーツ画像W2が合成される。一方、被写体Kの左側に合成する場合は、パーツ画像W1が合成される。
<9−4>
各パーツ画像の大きさや形状は、検出された被写体の大きさ(例えば、被写体の顔の大きさ)に応じて適宜変更することができる。また、被写体の体の形状や向きなどの状態に合わせて回転して表示させることもできる。さらに、左右のパーツ画像を異ならせることもできる。
<9−5>
装飾画像をフレーム画像毎にアニメーションさせ、例えば羽根が羽ばたくようにフレーム画像毎に動的に表示することもできる。
<9−6>
上記実施形態では、装飾画像として羽根を表示しているが、羽根に限定されるものではなく、被写体を装飾するものであれば、特には限定されない。例えば、尻尾、耳、角、道具など種々の画像を用いることができる。そして、上記実施形態では、羽根を装飾画像としていたため、被写体の肩付近に羽根を表示していたが、他の装飾画像であれば、その画像の種類に基づいて、表示する被写体内の位置を適宜決定することができる。例えば、尻尾であれば、腰から延びるように表示させることができる。
<9−7>
上記実施形態では、全身撮影のときにのみ装飾画像として羽根を表示していたが、アップ画像に対しても装飾画像を表示することができる。但し、同じ装飾画像であっても、アップ画像と全身画像とで異なる位置に表示させることもできる。
<9−8>
上記実施形態では、被写体を検出するために顔検出技術を採用しているが、これ以外の部位を検出することもできる。例えば、人体の骨格モデルによる人物検出技術を用いて推定される関節などの特徴点の位置に基づいて装飾画像の配置態様を決定してもよい。例えば、被写体の人物の関節位置を推定することで、所定の関節位置に基づいて上述した肩の位置に装飾画像を合成することができる。また、顔検出技術と骨格モデルによる人物検出技術の少なくとも一方を用い、被写体の姿勢、向きを適宜検出し、装飾画像を被写体の動きに追随させるように表示することもできる。例えば、被写体が後ろ向きから前向きに体の向きを変えるとき、これに追随して羽根を表示させることもできる。
<9−9>
撮影部1において撮影を行うときには、できるだけ被写体が撮影範囲の中心付近に位置することが好ましい。これは、撮影範囲の端部付近であると、カメラのレンズの歪みの影響により被写体を適切に撮影できないおそれがあることによる。そこで、以下のようにユーザを適切な撮影位置に誘導することができる。
例えば、アップ画像を撮影する場合、図28に示すように、撮影範囲内の中央付近に推奨されるユーザの顔の配置領域を設定する。この領域を推奨領域1140と称することとする。そして、被写体の顔検出を行ったとき、被写体の顔が、この推奨範囲に重なっている割合をライブビューの一フレーム画像毎に算出する。例えば、重なり度を以下の式により算出することができる。
重なり度(%)=(推奨範囲の中で被写体の顔が占める面積÷推奨領域の面積)×100
そして、この重なり度に応じて、図28に示すように、第1モニタ113に表示される画面において、撮影画像表示領域1133の近傍に指標(適性度)1138を示すことができる。この指標1138は、重なり度に応じて増減してもよいし、重なり度の累積値を示すこともできる。指標1138の数値は、常に増加しており、撮影条件に応じて、増加速度を増減させるようにすることもできる。そして、ユーザがライブビューにおいて撮影範囲の中央付近に近づくと、指標1138がリアルタイムで上昇することを視認できるため、ユーザが推奨領域1140により近づこうとするモチベーションに繋がる。したがって、被写体を、より適切な撮影位置で撮影することができる。
なお、指標1138は、重なり度を直接示す以外にも種々の方法がある。例えば、以下のように、重なり度が高いほど、指標1138の増加量を大きくすることができる。
重なり度が80%以上であれば、2加算
重なり度が60%以上であれば、1加算
重なり度が40%以上であれば、0.3加算
重なり度が20%以上であれば、0.1加算
この規定によれば、例えば、重なり度が85%であれば、3.4の加算があるため、指標の増加量が多くなり、ユーザが中央付近に移動しようとするモチベーションになり得る。
また、推奨領域1140を複数に区分し、中央に近い領域ほど、指標1138が大きくなるようにすることもできる。例えば、図29に示すように、推奨領域1140の中に、特に重み付けの大きい領域1141を形成し、この中に顔が入ると、指標1138がより大きくなるように設定することもできる。
また、指標1138は、数字だけでなく、例えば、図30に示すようなインジケータなどの図形であってもよい。また、この指標1138を配置する位置は特には限定されず、撮影画像表示領域1133の下方のみならず、上方などであってもよい。特に、上方に配置すると、ユーザが指標に注目したときに、上側に配置されているカメラを向かせるのに寄与する。
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上記実施形態で示した撮影部1、編集部2、出力部4、及びプレイ準備部3の構成のほか、編集画面の構成、プレイ準備方法、撮影方法、編集方法補、出力方法は、一例であり、写真撮影遊戯装置としては、適宜変更可能である。