以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<写真シール作成装置の外観構成>
図1および図2は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
写真シール作成装置1は、撮影作業や編集作業を利用者にゲームとして行わせ、画像を提供するゲーム機である。画像の提供は、シール紙に印刷する形で行われるだけでなく、サーバに送信した画像を利用者の携帯端末上で閲覧可能にする形で行われることもある。写真シール作成装置1はゲームセンターなどのアミューズメント施設に設置される。
写真シール作成装置1で遊ぶ利用者は、自身が被写体となって撮影作業を行う。利用者は、編集作業により、撮影によって得られた撮影画像に手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を合成させるなどする。これにより、撮影画像が彩り豊かな画像に編集される。利用者は、編集済みの撮影画像である編集画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。写真シール作成装置1の利用者は、主に、2人、3人等の複数人からなる利用者のグループである。しかしながら、利用者は1人であってもよい。
写真シール作成装置1は、撮影ユニット11と編集ユニット12が接した状態で設置されることによって構成される。撮影ユニット11と編集ユニット12は電気的に接続される。撮影ユニット11は、人が中に入ることができる程度の大きさを有する箱形状の筐体を有する。
撮影ユニット11は、撮影部21と背景部22から構成される。撮影部21と背景部22は離れて設置される。撮影部21と背景部22の間に設けられる空間が、利用者が撮影作業を行う撮影空間となる。
撮影部21は、利用者を被写体として撮影する装置である。撮影空間に臨む撮影部21の正面にはカメラなどが設けられる。撮影部21の、編集ユニット12と接する面には正面パネル41が設けられる(図2)。撮影空間にいる利用者から見て右側の面を右側面、左側の面を左側面とすると、撮影部21の右側面が側面パネル42Aにより構成され、左側面が側面パネル42B(図3)により構成される。
背景部22は、それぞれ板状の部材である背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52B(図3)から構成される。背面パネル51は、正面を向いて撮影を行っている利用者の背面側に位置する。側面パネル52Aと側面パネル52Bは、それぞれ、背面パネル51の右端と左端に取り付けられる。
撮影部21の右側面を構成する側面パネル42Aと背景部22の側面パネル52Aは、所定の間隔をあけてほぼ同一平面に設けられる。側面パネル42Aと側面パネル52Aの上部は、板状の部材である連結部31Aによって連結される。また、側面パネル42Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けられた例えば金属製の部材である連結部34によって連結される。
撮影部21の左側面を構成する側面パネル42Bと背景部22の側面パネル52Bも同様にほぼ同一平面に設けられる。側面パネル42Bと側面パネル52Bの上部は連結部31Bによって連結される。側面パネル42Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けた金属製の部材(図示せず)によって連結される。
側面パネル42A、連結部31A、および背景部22の側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が、撮影空間の出入り口となる。また、側面パネル42B、連結部31B、および背景部22の側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口もまた、撮影空間の出入り口となる。
背景部22の上部には、背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52Bに支持される形で背景カーテンユニット33が設けられる。背景カーテンユニット33には、撮影画像に利用者の背景として写る背景カーテンが収納される。背景カーテンユニット33は、撮影と連動し、例えば緑色のクロマキー用のカーテンを下ろす。背景カーテンユニット33による背景カーテンの昇降は、撮影コースなどに応じて行われる。
撮影空間の上方には、撮影部21の正面パネル41、連結部31A、連結部31B、および背景カーテンユニット33に囲まれる開口が形成される。その開口には、その開口の一部を覆うように天井ストロボユニット32が設けられる。天井ストロボユニット32の一端が連結部31Aに固定され、他端が連結部31Bに固定される。
天井ストロボユニット32は、撮影空間内に向けて光を照射するストロボを内蔵する。天井ストロボユニット32の内部には、ストロボの他に蛍光灯が設けられており、撮影空間の照明としても機能する。
編集ユニット12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル41に接するように撮影ユニット11に連結して設けられる。編集ユニット12は、撮影画像を編集する装置である。編集ユニット12には、編集時に利用者により用いられるタブレット内蔵モニタなどの構成が設けられる。
図2に示される編集ユニット12の構成を正面側の構成とすると、編集ユニット12の正面側と背面側それぞれに、編集作業に用いられる構成が設けられる。この構成により、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。
図2に示すように、編集ユニット12の正面側は、面12Aと、面12Aの上方に形成された斜面12Bから構成される。面12Aは、床面に対して垂直であり、撮影部21の側面パネル42Aとほぼ平行な面である。斜面12Bには、編集作業に用いられる構成が設けられる。
斜面12Bの上方右側には、照明装置73の一端を支持する柱状の支持部71Aが設けられる。斜面12Bの左側には、照明装置73の他端を支持する柱状の支持部71B(図2)が設けられる。支持部71Aの右側には板状のパネル72が設けられる。パネル72の上面にはカーテンレール75を支持する支持部74が設けられる。
編集ユニット12の上方にはカーテンレール75が取り付けられる。カーテンレール75は、3本のレール75A乃至75Cを、上から見たときの形状がコの字状となるように組み合わせることによって構成される。平行に設けられるレール75Aとレール75Bの一端は、連結部31Aと連結部31Bにそれぞれ固定され、他端にレール75Cの両端が接合される。
カーテンレール75には、編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。カーテンレール75に取り付けられたカーテンにより囲まれる編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
編集ユニット12の側面の下方には、印刷済みのシール紙が排出されるシール紙排出口142が設けられる。側面の前方の空間が、印刷が終了するのを利用者が待つ印刷待ち空間となる。
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について説明する。
図3は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
写真シール作成装置1の利用者は、白抜き矢印#1で示されるように出入り口G1から、または白抜き矢印#2で示されるように出入り口G2から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入る。利用者は、撮影空間A1において、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなどを利用して撮影作業を行う。出入り口G1は側面パネル42Aと側面パネル52Aの間の開口であり、出入り口G2は側面パネル42Bと側面パネル52Bの間の開口である。
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#3で示されるように出入り口G1から撮影空間A1を出て編集空間A2−1に移動するか、白抜き矢印#4で示されるように出入り口G2から撮影空間A1を出て編集空間A2−2に移動する。
編集空間A2−1は、編集ユニット12の正面側の編集空間である。一方、編集空間A2−2は、編集ユニット12の背面側の編集空間である。利用者が編集空間A2−1と編集空間A2−2のいずれの空間に移動するのかは、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方が移動先として案内される。
編集空間A2−1または編集空間A2−2に移動した利用者は、編集作業を開始する。編集空間A2−1の利用者と、編集空間A2−2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。
編集作業が終了した後、編集画像の印刷が開始される。画像の印刷中、編集空間A2−1での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#5で示されるように編集空間A2−1から印刷待ち空間A3に移動して事後選択を行う。また、編集空間A2−2での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#6で示されるように編集空間A2−2から印刷待ち空間A3に移動して事後選択を行う。事後選択には、サーバに送信する画像の選択、利用者が持つ携帯端末のメールアドレスの入力が含まれる。
画像の印刷が終了した後、利用者は、シール紙排出口142からシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終える。
<各部の構成>
次に、各部の構成について説明する。
図4は、撮影部21の正面の構成例を示す図である。撮影部21は、複数のキャスターが取り付けられた板部材44に正面パネル41、側面パネル42A、および側面パネル42Bが取り付けられることによって構成される。
正面パネル41の中央には凸部81が形成される。凸部81は、上底:下底の比を略1:5とし、下底の長さが正面パネル41の横幅と同じ長さの等脚台形を上下逆様にした面を有する。
凸部81のほぼ中央にはカメラユニット91が設けられる。カメラユニット91の正面には、内部に設けられるカメラ101が、そのレンズが露出して設けられる。カメラ101のレンズの上には正面ストロボ102が設けられる。
カメラ101は例えば一眼レフカメラである。カメラ101はCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を有し、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ101により取り込まれた動画像(ライブビュー画像)はタッチパネルモニタ92にリアルタイムで表示される。利用者により撮影が指示されたときなどの所定のタイミングで、カメラ101により取り込まれた静止画像は撮影画像として保存される。
正面ストロボ102は、乳白アクリル板よりなる横長の長方形の発光面を有する。正面ストロボ102は、カメラ101による撮影に合わせて発光することで、被写体としての利用者の顔付近を正面から照射する。
カメラユニット91の下には、タッチパネルモニタ92が設けられる。タッチパネルモニタ92は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層された入力装置により構成される。タッチパネルモニタ92は、カメラ101により取り込まれた動画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUI(Graphical User Interface)を表示して利用者の操作を受け付ける機能を備える。タッチパネルモニタ92には、カメラ101により取り込まれたライブビュー画像や撮影画像が表示される。
カメラユニット91の上方には、曲面の発光面を利用者に向けた上ストロボ111が設置される。上ストロボ111は、カメラ101による撮影に合わせて発光することで、上方から利用者を照射する。
凸部81の下には、上面が緩やかな斜面となる箱形状の足元ストロボ112が設けられる。足元ストロボ112は、利用者の下半身および足元を照射する。
足元ストロボ112の右側には箱形状のベース部113−1が設けられる。ベース部113−1の垂直面には、利用者が硬貨を入れる硬貨投入口114が設けられる。足元ストロボ112の左側には箱形状のベース部113−2が設けられる。
ベース部113−1の上面113−1Aとベース部113−2の上面113−2Aはそれぞれ、利用者が手荷物等を置くための荷物置き場として用いられる。正面パネル41の例えば天井付近には、撮影に関する案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音等の音を出力するスピーカも設けられる。
図5は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。
背面パネル51の上方には背景カーテンユニット33が設けられる。また、背面パネル51の上方の出入り口G1側(図中、左側)には背面右ストロボ121が取り付けられ、出入り口G2側(図中、右側)には背面左ストロボ122が取り付けられる。背面右ストロボ121は、撮影空間A1内の利用者を右後方から照射する。背面左ストロボ122は、撮影空間A1内の利用者を左後方から照射する。
さらに、背面パネル51の撮影空間A1側(図中、手前側)の面には、背面カーテン123が貼り付けられる。背面カーテン123の色は、ファッション雑誌等のモデルの撮影が行われるスタジオ等と同様に、白色系の色とされる。これにより、撮影によって得られる撮影画像において、被写体(利用者)の背景に影がつきやすくなり、立体感が強調されるようになる。ここで、白色系の色には、白色はもちろん、白色に近い色(具体的には、白色に近いグレーや、白色に近い青みがかったグレーなどといった色)も含まれるものとする。
なお、側面パネル52A,52Bそれぞれの撮影空間A1側にも、背面カーテン123と同様の側面カーテンが貼り付けられる。この側面カーテンの色は、背面カーテン123の色と同一とする。
本技術の写真シール作成装置1による写真シール作成ゲームにおいては、後述するように、クロマキー処理を施すための撮影と、クロマキー処理を施さない撮影とが行われる、そこで、背面カーテン123の色とクロマキー用カーテンの色とを異なる色にすることで、それぞれの目的にあった撮影を行うことができる。
クロマキー処理を施さない撮影が行われる場合、後述するように、得られる画像が、ファッション雑誌等のモデルが試着室や部屋の一角で撮影されたような画像となることが好適とされる。そこで、本実施の形態においては、背面カーテン123と側面カーテンとの境界や、背面カーテン123と床面との境界がはっきり見えるようにする。
図6は、背景部22を他の角度からみた斜視図である。
図6に示されるように、背面パネル51の撮影空間A1側には背景カーテン123が貼り付けられ、側面パネル52A,52Bそれぞれの撮影空間A1側には、側面カーテン124A,Bがそれぞれ貼り付けられる。なお、図6においては、背景カーテンユニット33、背面右ストロボ121、および背面左ストロボ122の図示は省略されている。
図7は、図6において、矢印R1方向(背景部22の側面)からみた背景部22の断面図を示している。図7Aは、側面からみた背景部22の断面全体を示しており、図7Bは、図7Aにおいて、円形の破線P1で囲まれている部分の拡大図を示している。
図7において、背面パネル51は、図示せぬキャスターや支持部によって、底部と床面との間に所定の間隙をもって支持されている。また、背面カーテン123および側面カーテン124B(側面カーテン124Aも同様)は、背面パネル51および側面パネル52B(52A)の上端から垂らされている。背面カーテン123および側面カーテン124B(側面カーテン124A)の底部と床面との間には、所定の間隙d1(10mm≦d1≦20mm)が設けられる。
図8は、図7において、矢印R2方向(背景部22の上面)からみた背景部22の断面図を示している。図8Aは、上面からみた背景部22の断面全体を示しており、図8Bは、図8Aにおいて、円形の破線P2で囲まれている部分の拡大図を示している。
図8において、背面カーテン123は、左右の側辺がそれぞれ側面パネル52A,52Bに当接するように、背面パネル51に取り付けられている。また、側面カーテン124A(側面カーテン124Bも同様)は、側面パネル52A(側面パネル52B)に取り付けられている。背面カーテン123側の側辺と背面カーテン123との間には、所定の間隙d2(10mm≦d2≦20mm)が設けられる。
このような構造により、背面カーテン123と床面との間、側面カーテン124A,124Bと床面との間、背面カーテン123と側面カーテン124A,124Bとの間には、それぞれ所定の間隙が設けられる。
仮に、背面カーテン123、側面カーテン124A,124B、および床面それぞれの間に間隙を設けない場合、またはその間隙が小さすぎる場合(d1<10mm,d2<10mm)、これらを背景として撮影して得られる画像は、背面、側面、および床の境界がほとんど見えない画像となってしまう。逆に、その間隙が大きすぎる場合(d1>20mm,d2>20mm)、背面、側面、および床の境界がぼやけてしまい、やはり境界がほとんど見えない画像となってしまう。
そこで、本実施の形態においては、背面カーテン123、側面カーテン124A,124B、および床面それぞれの間に適度な間隙を設けることで、得られる画像において、背面、側面、および床の境界をはっきりと見えるようにする。これにより、クロマキー処理を施さない撮影が行われる場合には、ファッション雑誌等のモデルが試着室や部屋の一角で撮影されたような画像が得られるようになる。
なお、背面カーテン123、側面カーテン124A,124B、および床面それぞれの間に設けられる間隙は、背面カーテン123、側面カーテン124A,124B、および床面の色によって調整されるようにしてもよい。
図9は、編集ユニット12の正面側(編集空間A2−1側)の構成例を示す図である。
斜面12Bのほぼ中央にはタブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131を挟んで左側にタッチペン132Aが設けられ、右側にタッチペン132Bが設けられる。
タブレット内蔵モニタ131は、タッチペン132Aまたはタッチペン132Bを用いて操作入力が可能なタブレットがLCDなどのモニタに重畳して設けられることによって構成される。
タブレット内蔵モニタ131には編集画面などの各種の画面が表示される。編集画面は編集作業に用いられる画面である。2人で同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aはタブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられ、タッチペン132Bはタブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる。
図10および図11は、編集ユニット12の右側面の構成例を示す図である。
編集ユニット12の側面の一部を構成するパネル72にはタブレット内蔵モニタ141が設けられる。タブレット内蔵モニタ141には、事後選択に用いられる画面が表示される。
タブレット内蔵モニタ141の下にはシール紙排出口142が設けられる。編集ユニット12の内部にはプリンタが設けられている。編集が施された撮影画像が所定のレイアウトでシール紙に印刷され、シール紙排出口142から排出される。シール紙排出口142の下には、事後選択に関する案内音声、BGM、効果音等などを出力するスピーカ143が設けられる。
<写真シール作成装置の内部構成>
図12は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
制御部201はCPU(Central Processing Unit)などにより構成される。制御部201は、ROM(Read Only Memory)206や記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、撮影部208、編集部209A、編集部209B、および事後選択部210の各構成も接続される。
記憶部202は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶部202は、制御部201から供給された各種の設定情報等を記憶する。記憶部202に記憶されている情報は制御部201により適宜読み出される。
通信部203は、インターネットなどのネットワークのインタフェースである。通信部203は、制御部201による制御に従って外部の装置と通信を行う。通信部203は、例えば編集時に利用者により作成された携帯送信用の画像をサーバに送信する。通信部203から送信された画像は、サーバにおいて所定のURLの記憶領域が割り当てられて保存され、アクセスしてきた携帯端末のディスプレイに表示される。
ドライブ204には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205が適宜装着される。リムーバブルメディア205からドライブ204により読み出されたコンピュータプログラムやデータは、制御部201に供給され、記憶部202に記憶されたり、インストールされたりする。
ROM206には、制御部201において実行されるプログラムやデータが記憶されている。RAM207は、制御部201が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
撮影部208は、撮影空間A1にいる利用者を対象とした撮影処理を行うための構成を有する。撮影部208は、硬貨処理部221、背景制御部222、照明装置223、カメラ101、タッチパネルモニタ92、およびスピーカ224から構成される。
硬貨処理部221は、硬貨投入口114への硬貨の投入を検出する。硬貨処理部221は、例えば400円などの所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、ゲームの開始を指示する起動信号を制御部201に出力する。
背景制御部222は、制御部201から供給される背景制御信号に従って、背景カーテンユニット33による背景カーテン(クロマキー用カーテン)の昇降を制御する。
照明装置223は、撮影空間A1内の各ストロボであり、制御部201から供給される照明制御信号に従って発光する。撮影空間A1には、天井ストロボユニット32のストロボの他に、撮影部21の正面ストロボ102、上ストロボ111、足元ストロボ112、背景部22の背面右ストロボ121、背面左ストロボ122が設けられる。
カメラ101は、制御部201による制御に従って利用者を撮影し、撮影によって得られた撮影画像を制御部201に出力する。
編集部209Aは、編集空間A2−1にいる利用者を対象とした編集処理を行うための構成を有する。編集部209Aは、タブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ231から構成される。編集部209Bは、編集部209Aと同一の構成を有しており、編集空間A2−2にいる利用者を対象とした編集処理を行うための構成を有する。
タブレット内蔵モニタ131は、制御部201による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を検出する。利用者の操作の内容を表す信号は制御部201に供給され、編集対象の撮影画像が編集される。
事後選択部210は、印刷待ち空間A3にいる利用者を対象とした事後選択処理を行うための構成を有する。事後選択処理は、事後選択を利用者に行わせるための処理である。事後選択部210は、タブレット内蔵モニタ141、スピーカ143、およびプリンタ241から構成される。プリンタ241にはシール紙ユニット242が装着される。
プリンタ241は、制御部201から供給された印刷データに基づいて、シール紙ユニット242に収納されているシール紙に編集画像を印刷する。プリンタ241は、編集画像を所定のレイアウトで印刷したシール紙を、シール紙排出口142に排出する。
<制御部の構成>
図13は、制御部201の機能構成例を示すブロック図である。図13に示される機能ブロックのうちの少なくとも一部は、制御部201内のCPUにより所定のプログラムが実行されることによって実現される。これにより、写真シール作成装置1は、画像生成装置として機能する。
制御部201においては、撮影処理部301、編集処理部302、印刷処理部303、および事後選択処理部304が実現される。
撮影処理部301は、撮影部208の各部を制御し、撮影処理を行う。編集処理部302は、編集部209A、編集部209Bの各部を制御し、編集処理を行う。印刷処理部303は、事後選択部210のプリンタ241を制御し、印刷処理を行う。事後選択処理部304は、事後選択部210のタブレット内蔵モニタ141を制御するなどして事後選択処理を行う。
<編集処理部の構成例>
図14は、編集処理部302の機能構成例を示すブロック図である。
編集処理部302は、表示制御部321、合成部322、およびマスク画像生成部323から構成される。
表示制御部321は、タブレット内蔵モニタ131の表示を制御する。例えば、表示制御部321は、タブレット内蔵モニタ131に、撮影画像に対する編集作業を利用者に行わせるための編集画面を表示させる。
合成部322は、編集画面において利用者によって選択された合成用画像や背景画像を、編集対象画像に合成する。編集対象画像は、複数の撮影画像の中から、編集対象として利用者により選択された画像である。
合成用画像には、ペン画像、スタンプ画像、およびフレーム画像が含まれる。ペン画像は、利用者による描画入力の描画軌跡に対応して合成される線からなる画像である。スタンプ画像は、撮影画像の任意の位置に合成される図形や文字等の画像である。フレーム画像は、撮影画像の予め定められた位置に合成される図柄や模様等の画像である。
また、背景画像は、撮影画像における人物領域以外の領域(背景領域)に合成される、文字や図柄、模様等を有する画像である。
マスク画像生成部323は、撮影画像における人物領域をマスクするマスク画像を生成する。そして、合成部322は、利用者により選択された背景画像を、撮影画像においてマスク画像でマスクされる人物領域を除いた領域、すなわち背景領域に合成する。
<写真シール作成装置の動作>
次に、写真シール作成装置1の動作について説明する。
まず、図15のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の一連の処理について説明する。図15の処理は、所定の金額分の硬貨が硬貨投入口114に投入されたときに開始される。
ステップS1において、撮影処理部301は、撮影処理を行う。撮影処理においては、利用者が被写体として撮影される。撮影処理については図16のフローチャートを参照して後述する。
ステップS2において、編集処理部302は編集処理を行う。編集処理においては、利用者の操作に基づいて、撮影画像が編集される。編集処理については図20のフローチャートを参照して後述する。
ステップS3において、印刷処理部303は印刷処理を開始する。具体的には、印刷処理部303は、利用者により選択されたレイアウトに従って編集画像を配置することによって印刷データを生成する。そして、印刷処理部303は、印刷データをプリンタ241に供給し、編集画像をシール紙に印刷させる。
ステップS4において、事後選択処理部304は、事後選択処理を行う。具体的には、事後選択処理部304は、印刷が終わるのを待っている利用者に事後選択を行わせ、選択された撮影画像や編集画像を利用者の携帯端末に送信するために、その画像をサーバに送信する。
印刷が終了したとき、ステップS5において、編集画像が印刷されたシール紙がシール紙排出口142に排出される。利用者は、シール紙をシール紙排出口142から取り出して一連のゲームを終える。
<撮影処理の流れ>
次に、図16のフローチャートを参照して、図15のステップS1において行われる撮影処理について説明する。
ステップS21において、撮影処理部301は、コース選択画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。コース選択画面には、撮影コースとして、beautyコースを選択する場合に操作されるボタンと、edgyコースを選択する場合に操作されるボタンが表示される。beautyコースは、利用者をかわいくきれいに写すための撮影コースであり、edgyコースは、利用者をよりおしゃれに写すための撮影コースである。
利用者は、タッチパネルモニタ92の表面を指で触れるなどしていずれの撮影コースで撮影を行うのかを選択する。以降、撮影処理部301は、選択された撮影コースでの撮影を行う。
例えば、beautyコースにおいて、撮影処理部301は、5回行われる撮影のうちの全ての撮影として、クロマキー処理を施すための撮影(以下、クロマキー撮影という)を行う。具体的には、beautyコースにおいては、クロマキー用カーテンを下ろした状態で、1枚目と2枚目の撮影画像の撮影としてアップ撮影が行われ、3枚目、4枚目、5枚目の撮影画像の撮影として斜め撮影が行われる。利用者の背景をクロマキー用カーテンとすることにより、beautyコースで撮影された撮影画像に対しては、後述する編集処理において、利用者の背景に背景画像をクロマキー合成することが可能になる。
一方、edgyコースにおいて、撮影処理部301は、5回行われる撮影のうちの全ての撮影として、クロマキー処理を施すことを前提としない撮影(以下、通常撮影という)を行う。具体的には、edgyコースにおいては、クロマキー用カーテンがない状態(クロマキー用カーテンが上げられた状態)で、1枚目の撮影画像の撮影としてアップ撮影が行われ、2枚目、3枚目の撮影画像の撮影として斜め撮影が行われる。また、4枚目、5枚目の撮影画像の撮影として全身撮影が行われる。クロマキー用カーテンを上げた状態とすることにより、edgyコースで撮影された撮影画像において、利用者の背景は、背面カーテン123および側面カーテン124A,124Bとなる。
図17は、アップ撮影の例を示す図である。
図17Aに示される画像361はカメラ101により撮影された静止画像である。縦長の画像である画像361には、2人の利用者の頭の上から腰付近までの範囲が写っている。画像361上に示される長方形の枠F1で囲まれる範囲が、アップ撮影時にトリミングされる範囲である。枠F1は、長手方向が画像361の長手方向と平行となり、短手方向が画像361の短手方向と平行になるように設定される。
図17Bに示される画像362は、枠F1により画像361からトリミングされた画像である。このように、アップ撮影においては、まっすぐ立っている利用者の顔および上半身がそのまままっすぐ写る画像が得られる。
図18は、斜め撮影の例を示す図である。
図18Aに示される画像371はカメラ101により撮影された静止画像である。画像371には、図18Aの画像361と同様に、2人の利用者の頭の上から腰付近までの範囲が写っている。画像371上に示される長方形の枠F2で囲まれる範囲が、斜め撮影時にトリミングされる範囲である。枠F2は、まっすぐな状態の枠を、その中心点を固定して時計回りに所定の角度だけ傾けるようにして設定される。
図18Bに示される画像372は、枠F2により画像371からトリミングされた画像である。このように、斜め撮影においては、まっすぐ立っている利用者の顔および上半身が左に傾いて写る画像が得られる。
なお、斜め撮影においては、アップ撮影と同様に、利用者の顔および上半身が撮影されるので、斜め撮影を、アップ撮影の1つとみなすこともできる。
図19は、全身撮影の例を示す図である。
図19に示される画像381はカメラ101により撮影された静止画像である。画像381には、2人の利用者の頭の上から足元付近までの範囲が写っている。画像381には、撮影空間A1の床面や、背面パネル51および側面パネル52A,52Bも背景として写っている。全身撮影時、カメラ101は若干斜め下に向けられて撮影が行われる。
なお、図19に示される画像381もまた、所定のトリミング枠によりトリミングされた画像である。
このように、全身撮影においては、まっすぐ立っている利用者の全身が写る画像が得られる。
なお、ライブビュー画像を構成する各フレームに対してもトリミングが適宜施される。例えば、アップ撮影時と斜め撮影時には、図17を参照して説明したトリミングと同じトリミングが施される。斜め撮影時であっても、ライブビュー画像は、まっすぐ立っている利用者の上半身がそのまままっすぐ写る動画像となる。もちろん、斜め撮影時に、図18を参照して説明したトリミングと同じトリミングがライブビュー画像を構成する各フレームに対して施され、利用者が斜めに傾いて写る動画像が表示されるようにしてもよい。
さて、図16のフローチャートに戻り、ステップS21において撮影コースが選択されると、撮影処理部301により動画像の撮影が開始され、動画像を構成する各フレームに対してトリミングが施される。トリミングされた動画像はタッチパネルモニタ92に表示される。利用者は、自分たちの写り方をタッチパネルモニタ92の表示を見て確認することができる。また、撮影コースとしてbeautyコースが選択された場合、撮影処理部301の制御の下、背景制御部222により背景カーテンが下ろされる。
beautyコースが選択され、ライブビュー画像の表示が開始されてから所定の時間が経過した場合、ステップS22において、撮影処理部301は1枚目の静止画像の撮影としてアップ撮影を行う。すなわち、撮影処理部301により撮影された静止画像を対象として、図17を参照して説明したトリミングが行われ、利用者の上半身がまっすぐ写っている静止画像が得られる。
ステップS23において、撮影処理部301は、1枚目の撮影から所定の時間が経過したとき、2枚目の静止画像の撮影としてアップ撮影を行う。
ステップS24において、撮影処理部301は、斜め撮影について紹介する画面をタッチパネルモニタ92に表示するなどして斜め撮影のガイダンスを行う。上述したように、beautyコースにおいては、3枚目、4枚目、5枚目の静止画像の撮影として斜め撮影が行われる。
ステップS25において、撮影処理部301は3枚目の静止画像の撮影として斜め撮影を行う。すなわち、撮影処理部301により撮影された静止画像を対象として、図18を参照して説明したトリミングが行われ、利用者の上半身が斜めに傾いて写る静止画像が得られる。
ステップS26において、撮影処理部301は、3枚目の撮影から所定の時間が経過したとき、4枚目の静止画像の撮影として斜め撮影を行う。
ステップS27において、撮影処理部301は、4枚目の撮影から所定の時間が経過したとき、5枚目の静止画像の撮影として斜め撮影を行う。
このように、beautyコースにおいては、アップ撮影によって2枚、斜め撮影によって3枚、合計5枚の静止画像が得られる。
特に、beautyコースにおいては、利用者の顔が大きく写るアップ撮影および斜め撮影が行われるので、利用者の顔をより強調した画像を得ることができる。
一方、edgyコースが選択され、ライブビュー表示が開始されてから所定の時間が経過した場合、ステップS28において、撮影処理部301は1枚目の静止画像の撮影としてアップ撮影を行う。
ステップS29において、撮影処理部301は、斜め撮影について紹介する画面をタッチパネルモニタ92に表示するなどして斜め撮影のガイダンスを行う。edgyコースにおいては、2枚目、3枚目の静止画像の撮影として斜め撮影が行われる。
ステップS30において、撮影処理部301は、2枚目の静止画像の撮影として斜め撮影を行う。
ステップS31において、撮影処理部301は、2枚目の撮影から所定の時間が経過したとき、3枚目の静止画像の撮影として斜め撮影を行う。
ステップS32において、撮影処理部301は、全身撮影について紹介する画面をタッチパネルモニタ92に表示するなどして全身撮影のガイダンスを行う。edgyコースにおいては、4枚目、5枚目の静止画像の撮影として全身撮影が行われる。
ステップS33において、撮影処理部301は4枚目の静止画像の撮影として全身撮影を行う。すなわち、図19を参照して説明した利用者の全身が写る静止画像が得られる。
ステップS34において、撮影処理部301は、4枚目の撮影から所定の時間が経過したとき、5枚目の静止画像の撮影として全身撮影を行う。
このように、edgyコースにおいては、アップ撮影によって1枚、斜め撮影によって2枚、および全身撮影によって2枚、合計5枚の静止画像が得られる。
特に、edgyコースにおいては、アップ撮影および斜め撮影の他に、全身撮影が行われるので、利用者のコーディネートを意識した画像を得ることができる。
ステップS35において、撮影処理部301は、目・明るさ選択画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。目・明るさ選択画面は、静止画像に写る利用者の目の大きさと、肌の明るさの選択に用いられる画面である。
ステップS36において、撮影処理部301は、利用者による目・明るさ選択画面に対する操作に応じて、静止画像に対して画像処理を施すことで、利用者の目の大きさと肌の明るさを調整する。
ステップS37において、撮影処理部301は、利用者の目の大きさと肌の明るさを調整して得られた静止画像それぞれに対して、撮影コースに応じた画像処理を施す。
具体的には、beautyコースが選択された場合、撮影処理部301は、5枚の静止画像それぞれに対して、被写体の肌の質感がなめらかできめ細やかになるように、彩度、明度、シャープネス、およびコントラスト(輝度)を調整する。この場合、撮影処理部301は、クロマキー処理が施された後にクロマキー合成を自然なものとする画像処理を行うようにしてもよい。
また、edgyコースが選択された場合、撮影処理部301は、5枚の静止画像それぞれに対して、白い肌色を保ちつつ被写体の肌の質感がリアルに近いラフな感じになるように、彩度、明度、シャープネス、およびコントラスト(輝度)を調整する。この場合、撮影処理部301は、よりコントラストを強くする画像処理を行うようにしてもよい。
なお、目の大きさと肌の明るさを調整する処理や、撮影コースに応じた画像処理は、画像の写りを調整する写り調整処理の1つとして行われる。これらの処理は、例えば、後述する編集処理において行われるようにしてもよい。
ステップS38において、撮影処理部301は、撮影コースに応じた画像処理が施された5枚の静止画像を、撮影画像として記憶部202に記憶させる。
ステップS39において、撮影処理部301は、撮影空間A1にいる利用者に対して、編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動を案内する。編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動の案内は、撮影部208のタッチパネルモニタ92に案内画面を表示させることによって、または音声をスピーカ224から出力させることによって行われる。その後、処理は図15のステップS1に戻り、それ以降の処理が行われる。
以上の処理によれば、利用者は、写真シール作成ゲームの一連の流れの中で、クロマキー撮影を行うか否かを選択することができるので、クロマキー処理の弊害を解消しつつ、クロマキー処理を行わない場合にも、利用者に対して、利用者が所望する仕上がりの画像を提供することが可能となる。
つまり、クロマキー撮影を行った場合、利用者は、後述する編集処理において、予め用意された背景画像から所望の色やデザインの背景画像を選択することができるので、同じ被写体が撮影されている複数枚の撮影画像それぞれに、異なる背景画像を合成することができ、結果として、様々な仕上がりの画像を、利用者に提供することができる。
また、クロマキー撮影を行わなかった場合、クロマキー処理によって、利用者の衣服の一部が変色したりすることなく、ファッション雑誌等のモデルが撮影されたような、被写体と背景との境界に自然な立体感があり、かつ加工感のない画像を、利用者に提供することができる。
そして、利用者は、クロマキー撮影を行うか否かを選択することができるので、いずれの場合であっても、利用者が所望する仕上がりの画像を提供することが可能となる。
<編集処理の流れ>
次に、図20のフローチャートを参照して、図15のステップS2において行われる編集処理について説明する。
ステップS51において、表示制御部321は、おなまえ入力画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。おなまえ入力画面には、利用者に、自分の名前を入力させるためのキーやボタン等が表示される。
ステップS52において、表示制御部321は、プロフ(プロフィール)入力画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。プロフ入力画面には、利用者に対する質問を表す文章(例えば、「今日は誰と一緒?」や「今日はどこに行ったの?」など)や、その質問に対する回答の候補となる選択肢が表示される。
ステップS53において、表示制御部321は、撮影処理において、beautyコースによって撮影が行われたか否かを判定する。
ステップS53において、beautyコースによって撮影が行われたと判定された場合、ステップS54において、表示制御部321は、背景選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。背景選択画面には、各種の色や図柄、模様を有する背景画像が複数表示される。
背景画像は、撮影画像に写る利用者の背景として用いられる画像である。上述したように、beautyコースによる撮影はクロマキー用カーテンを下ろした状態で行われる。beautyコースによる撮影処理が行われた後の編集処理においては、利用者の背景に背景画像がクロマキー合成された撮影画像が編集対象の画像として用いられる。
なお、ここでは、撮影画像の枚数分、すなわち5枚の背景画像が利用者によって選択される。また、背景画像として、所定のテーマに沿った背景画像が5枚セットになった背景画像セットが表示され、選択されるようにしてもよい。
ステップS55において、合成部322は、記憶部202から5枚の撮影画像を読み出し、それぞれの撮影画像と背景画像とを合成する。具体的には、マスク画像生成部323が、撮影画像における人物領域をマスクするマスク画像を生成する。そして、合成部322が、利用者により選択された背景画像を、撮影画像における背景領域に合成する。
一方、ステップS53において、beautyコースによって撮影が行われなかった、すなわち、edgyコースによって撮影が行われたと判定された場合、ステップS54,S55の処理はスキップされる。
ステップS56において、表示制御部321は、編集画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。
図21は、編集画面の例を示す図である。
編集画面は、基本的に、主な構成が左右対称に設けられることによって構成される。左半分の領域は、タブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられる領域であり、右半分の領域は、タブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる領域である。中央上方の領域には編集処理の残り時間が表示される。
編集画面の左半分の領域の中央上方には、サムネイル画像表示領域411Lが設けられる。
サムネイル画像表示領域411Lは、5枚の撮影画像それぞれを表すサムネイル画像の表示領域である。利用者は、サムネイル画像表示領域411Lに表示されているサムネイル画像を選択することによって、編集対象とする撮影画像を選択することができる。
編集画面の左半分の領域のほぼ中央には、編集領域412Lが形成される。
編集領域412Lは、編集対象として選択された撮影画像(編集対象画像)の表示領域である。利用者は、タッチペン132Aを用いて合成用画像を選択し、編集領域412Lに表示された撮影画像上の任意の位置を指定する。これにより、撮影画像の編集が行われる。
編集領域412Lの左側には、ペンパレット表示領域413Lが設けられる。
ペンパレット表示領域413Lは、手書き入力に用いられる合成用画像であるペン画像の選択に用いられるペンパレットの表示領域である。ペンパレット表示領域413Lには、ペン画像の線の種類、太さ、色の選択に用いられるボタンが複数表示される。ペンパレット表示領域413Lのペンパレットは、編集画面が表示されている間、常時表示される。
編集領域412Lの下方には、編集パレット表示領域414Lが設けられる。
編集パレット表示領域414Lは、スタンプ画像を主とした合成用画像の選択に用いられる編集パレットの表示領域である。編集パレットに表示される合成用画像はカテゴリ毎に分かれており、それぞれのカテゴリ名が付されたタブが選択されることによって、編集パレット表示領域414Lに表示させる合成用画像が切り替わる。
具体的には、図21の例では、スタンプ画像は、"PROF-select","STAMP","MESSAGE","MAKE"、および"PATTERN"の5つのカテゴリに分かれており、そのうちの"PROF-select"のカテゴリ名が付されたタブが選択されている。
編集画面の中央には、一発落書きボタン415が設けられる。一発落書きボタン415は、一発落書きを行うときに操作されるボタンである。一発落書きは、あらかじめ設定された内容の編集作業を、1回の操作で行わせる機能である。一発落書きボタン415が操作されることにより、あらかじめ決められた複数の合成用画像が一括して撮影画像に合成されるようになる。これにより、編集作業に慣れていない利用者でも、編集作業を簡単に済ませることができる。
編集パレット表示領域414Lの右側には、携帯おまけボタン416Lが設けられる。携帯おまけボタン416Lが操作されると、携帯おまけの作成を行うことができる。上述したように、携帯おまけは、携帯端末の待受画像や、メールやブログ等に添付される装飾画像として用いられる画像である。
編集画面の右半分の領域には、以上のような左半分の領域の構成と同じ構成が位置を対称にして配置される。
このような編集画面においては、主に2人の利用者が同時に編集作業を行うことができる。
さて、図20のフローチャートに戻り、ステップS57において、合成部322は、利用者による操作に従って撮影画像に合成用画像を合成することで、撮影画像の編集を行う。
ステップS58において、編集処理部302は、編集終了か否かを判定し、編集終了ではないと判定した場合、ステップS57に戻り、撮影画像の編集を続ける。撮影画像の編集は、所定の終了ボタンが操作されるまで、または制限時間が経過するまで続けられる。
一方、ステップS58において、編集終了であると判定された場合、ステップS59において、表示制御部321は、レイアウト選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。レイアウト選択画面には、最終的に出力されるシール紙における編集画像の配置を決定するためのシールレイアウトが表示される。
レイアウト選択画面から所定のシールレイアウトが選択されると、ステップS60において、編集処理部302は、利用者により選択されたシールレイアウトのシール紙イメージを、記憶部202に記憶させる。
ステップS61において、編集処理部302は、編集作業を終えた利用者に対して、印刷待ち空間A3への移動を案内する。印刷待ち空間A3への移動の案内は、編集部209Aまたは編集部209Bのタブレット内蔵モニタ131に案内画面を表示させることによって、または音声をスピーカ231から出力させることによって行われる。その後、処理は図15のステップS2に戻り、それ以降の処理が行われる。
以上においては、撮影処理においてedgyコースが選択された場合、背景画像は選択されないものとした。
しかしながら、撮影処理においてedgyコースが選択された場合であっても、編集パレットにおいて"PATTERN"のカテゴリ名が付されたタブが選択されることで、背景画像が選択可能となるようにしてもよい。
<編集パレットの例>
図22は、edgyコースが選択された場合であっても、背景画像が選択可能な編集パレットの例を示している。
図22の例では、"PATTERN"のカテゴリに分類されている背景画像は、「オススメ」、「てがき」、「かっちり」、および「オーラ」の4つの小カテゴリにさらに分かれており、そのうちの「オススメ」の小カテゴリ名が付されたボタンが選択されている。
図22に示される編集パレットには、背景画像を選択させるための選択領域451が設けられる。選択領域451には、透明なレイヤに所定の文字や図柄が配置されてなる背景画像のサムネイル画像が複数表示される。
選択領域451の左側には、編集対象として利用者により選択された撮影画像が表示される表示領域452が設けられる。表示領域452には、編集画面の編集領域412L(412R)に表示されている撮影画像と同一の画像が表示される。
従来、透明なレイヤに所定の文字や図柄が配置されてなる背景画像が、edgyコースでの撮影により得られた全身画像に合成された場合、図23に示されるような画像が得られる。
図23に示される画像においては、全身画像に写る撮影空間を構成する面それぞれの上に、背景画像の文字や図柄が、それぞれの面の広がる方向に関係なく配置される。さらに、撮影空間を構成する面同士の境界の上には、背景画像に配置されている文字や図柄が重畳される。
その結果、得られる画像は、奥行き感のないものとなってしまう。
一方、本実施の形態においては、図24に示されるような画像が得られる。
図24に示される画像においては、全身画像に写る撮影空間を構成する面のうちの床面の上には、背景画像の文字や図柄が、床面の広がる方向に応じた向きで、遠近法に従った形で配置される。さらに、撮影空間を構成する面同士の境界には、背景画像に配置されている文字や図柄が重畳されない。特に、床面と背面の境界および床面と側面の境界では、文字や図柄が途切れるようになされる。
このように、実際の撮影空間を構成する面同士の境界が、文字や図柄で隠れず、また、撮影空間を構成する面には、その面の広がる方向に応じた遠近法に従った文字や図柄が配置された画像が得られる。
また、上述した背景画像が撮影画像に合成された後、図22に示される編集パレットにおいて、タッチペンにより、消しゴムボタン453が選択され、編集領域412L(412R)において背景画像の一部分がなぞられると、その部分の文字や図柄が消去される。この機能により、後述する合成処理においてマスク画像が適切に生成されない等して、撮影画像の人物領域や面同士の境界に背景画像の文字や図柄の一部が重畳されてしまった場合でも、これらを消去することができる。
さらに、図22に示される編集パレットにおいて、タッチペンにより、背景ON/OFFボタン454が操作されると、撮影画像に合成されている背景画像が消去される。また、この状態で、背景ON/OFFボタン454がもう一度操作されると、消去された背景画像が、再び撮影画像に合成される。この機能により、背景画像が合成される前の撮影画像と、背景画像が合成された後の撮影画像とを簡単に見比べることができる。
なお、図22に示される編集パレットに、例えば、撮影空間を構成する面同士の境界に文字や図柄が配置されてしまった場合に、これらを一括で消去するための消去ボタンが設けられるようにしてもよい。
また、編集領域412L(412R)において、背景画像の一部分がタッチペンで選択されドラッグされることで、選択された領域に配置されている文字や図柄が移動するようにしてもよい。選択された領域は、タッチペンで囲われた領域であってもよいし、背面、側面、および床面のうちの、タッチペンで選択された面に対応する領域であってもよい。この機能により、後述する合成処理において、マスク画像が適切に生成されない等して、撮影画像の人物領域や境界に背景画像の文字や図柄の一部が重畳されてしまった場合でも、これらを移動することができる。
<背景画像の合成処理について>
ここで、図25のフローチャートを参照して、上述した背景画像合成処理について説明する。図25の処理は、図22の編集パレットにおいて、利用者により、選択領域451からいずれかの背景画像のサムネイル画像が選択されると開始される。
ステップS81において、マスク画像生成部323は、編集対象として選択されている撮影画像を取得する。
ステップS82において、マスク画像生成部323は、取得した撮影画像に基づいて、図26に示されるような、撮影画像における人物領域(被写体の領域)をマスクするマスク画像461を生成する。
ステップS83において、合成部322は、生成されたマスク画像を用いて、背景画像を、撮影画像においてマスク画像でマスクされる領域を除いた領域(背景領域)に合成する。
図27は、撮影画像に合成される背景画像について説明する図である。
図27に示される背景画像471は、撮影により得られる撮影画像に写る撮影空間を構成する背面、左右の両側面、および床面のそれぞれに対応する面領域f1乃至f4を有している。また、背景画像471は、撮影空間を構成する床面と背面の境界、背面と右側面の境界、背面と左側面の境界、床面と右側面の境界、および床面と左側面の境界それぞれに対応する境界部b1乃至b5を有している。
背景画像471において、面同士の境界に対応する境界部b1乃至b5は、所定の幅を有し、撮影画像を透過するように所定の透過度を有している。なお、境界部b1乃至b5は、面同士の境界と一致する線分であってもよい。
また、背景画像471において、図中グレーに色付けされている面領域f1乃至f4それぞれは、所定のパターンを有する領域である。ここでいうパターンには、所定の文字や図柄、模様、および色のグラデーションが含まれる。なお、色のグラデーションには、複数の色が連続的に変化するものに加え、色の透過度が連続的に変化するものや、明度・彩度が連続的に変化するものも含まれる。
例えば、背景画像471において、面領域f1乃至f4には、利用者により選択領域451から選択されたサムネイル画像に対応した文字や図柄が配置される。また、これらの文字や図柄は、面領域f1乃至f4において、それぞれに対応する面の広がる方向に応じた向きや形となって配置される。逆に、背景画像471において、境界部b1乃至b5には、パターンとしての文字や図柄が配置されない。
ここで、面の広がる方向は、例えば、床面であれば、カメラ101から見て手前から奥(または奥から手前)に向かう方向、背面であれば、床面から天井(または天井から床面)に向かう方向とされる。また、側面の場合、手前から奥(または奥から手前)に向かう方向であってもよいし、床面から天井(または天井から床面)に向かう方向であってもよい。
なお、詳細は後述するが、背景画像の境界部は、複数の写真シール作成装置1の撮影結果における、撮影空間において隣接する面同士の境界の位置の統計に基づいて決定される。
さらに、合成部322は、背景画像を撮影画像に合成する際、撮影画像から、撮影空間を構成する面同士の境界線を抽出する。そして、合成部322は、撮影画像に写る撮影空間を構成する面同士の境界の位置と、背景画像における境界部の位置とが合致するように、背景画像を撮影画像に合成する。これにより、より正確に、背景画像を撮影画像に合成することができる。
このようにして、図24に示されるような画像が生成される。
さて、図25のフローチャートに戻り、ステップS84において、表示制御部321は、編集画面の編集領域412L(412R)および編集パレットの表示領域452に、背景画像が合成された撮影画像を表示させる。
以上の処理によれば、実際の撮影空間を構成する面同士の境界が、文字や図柄で隠れることなく、また、撮影空間を構成する面には、その面の広がる方向に対応したパターン(例えば文字や図柄)が配置されるようになる。その結果、より確実に、自然で奥行き感のある画像を提供することが可能となる。
<背景画像のバリエーション>
ここで、背景画像のバリエーションの例について説明する。以下においては、図面を参照して背景画像の例について説明するが、本実施の形態における背景画像は、これらに限られるものではない。
図28に示される背景画像481においては、面領域f1乃至f4のうちの面領域f1,f4に、それぞれの面の広がる方向に応じた向きで、かつ、遠近法に従った文字列が配置されている。具体的には、撮影空間の背面に対応する面領域f1には、背面について遠近法に従うよう下から上に向かって大きくなるようになされた文字列が配置され、撮影空間の床面に対応する面領域f4には、床面について遠近法に従うよう奥から手前に向かって大きくなるようになされた文字列が配置される。
図29に示される背景画像482においては、面領域f1乃至f4のうちの面領域f1,f4に、それぞれの面の広がる方向に応じた向きで、かつ、遠近法に従った文字列が配置されている。具体的には、撮影空間の背面に対応する面領域f1には、背面について遠近法に従うよう下から上に向かって大きくなるようになされた文字列が配置され、撮影空間の床面に対応する面領域f4には、床面について遠近法に従うよう奥から手前に向かって大きくなるようになされた文字列が配置される。さらに、背景画像482においては、境界部b1乃至b5を除いた面領域f1乃至f4それぞれは、所定の色の透過色に色付けされている。
なお、合成後の撮影画像において、撮影空間の境界が視認できる程度の透過度であれば、境界部b1乃至b5も所定の色の透過色に色付けされるようにしてもよい。
図30に示される背景画像483においては、面領域f1乃至f4のうちの面領域f1,f4に、それぞれの面の広がる方向に応じた向きで、かつ、遠近法に従った十字型の図柄が配置されている。具体的には、撮影空間の背面に対応する面領域f1には、背面について遠近法に従うよう下から上に向かって向きを揃えて、かつ大きくなるようになされた図柄が配置され、撮影空間の床面に対応する面領域f4には、床面について遠近法に従うよう奥から手前に向かって向きを揃えて、かつ大きくなるようになされた図柄が配置される。
なお、図示はしないが、背景画像においてそれぞれの面領域毎に、それぞれ異なる文字や図柄が配置されるようにしてもよい。
図31に示される背景画像484においては、面領域f1乃至f4のうちの面領域f1,f4に、それぞれの面の広がる方向に応じて色が変化するグラデーションが施されている。具体的には、撮影空間の背面に対応する面領域f1には、下から上に向かって色が変化するように複数の色のグラデーションが施され、撮影空間の床面に対応する面領域f4には、奥から手前に向かって色が変化するように複数の色のグラデーションが施される。
図32に示される背景画像485においては、面領域f1乃至f4のうちの面領域f1,f4に、それぞれの面の広がる方向に応じて色が変化する、それぞれ異なるグラデーションが施されている。具体的には、撮影空間の背面に対応する面領域f1には、下から上に向かって透過度が高くなるように所定の色のグラデーションが施され、撮影空間の床面に対応する面領域f4には、面領域f1との境界の中心から放射状に透過度が低くなるように所定の色のグラデーションが施される。
図33に示される背景画像486においては、面領域f1乃至f4のうちの面領域f1,f4に、それぞれの面の広がる方向に応じて色が変化するグラデーションが施されている。具体的には、撮影空間の背面に対応する面領域f1には、面領域f4との境界部に向かって透過度が高くなるようにグラデーションが施され、撮影空間の床面に対応する面領域f4には、面領域f1との境界部に向かって透過度が高くなるようにグラデーションが施される。
なお、合成後の撮影画像において、撮影空間の境界が視認できる程度の透過度であれば、境界部b1乃至b5も所定の色のグラデーションが施されるようにしてもよい。
また、図28乃至図33に示される背景画像において、面領域f1乃至f4のうち、背面に対応する面領域f1と、床面に対応する面領域f4とに、所定のパターンが描画または配置されるものとした。しかしながら、本実施の形態の背景画像においては、面領域f1乃至f4のうち、左右両方の側面に対応する面領域f2,f3にも、それぞれの面の広がる方向に応じて、文字や図柄が配置されたり、所定の色のグラデーションが施されるようにしてもよい。
以上においては、境界部b1乃至b5が透過度を有するようになされている背景画像が、全身撮影により得られた撮影画像に合成される例について説明した。しかしながら、撮影空間の境界が写る撮影画像であれば、上述した背景画像が、アップ撮影により得られた撮影画像に合成されるようにしてもよい。この場合、アップ撮影の際に撮影画像に写る撮影空間に対応する背景画像が、あらかじめ用意されるようにする。
また、上述したように、撮影画像は、撮影により得られた静止画像(原画像)がトリミングされた画像である。したがって、トリミング前の撮影画像と同じサイズの背景画像を用意し、撮影画像に合成した後、トリミングされるようにしてもよいし、トリミング後の撮影画像と同じサイズの背景画像を用意し、撮影画像に合成するようにしてもよい。
以上においては、利用者により選択された背景画像には、あらかじめ決められた文字や図柄が配置されるようにした。そこで、さらに、利用者に選択されたスタンプ画像が、背景画像の面領域に、対応する面の広がる方向に応じて配置(合成)されるようにしてもよい。
例えば、図34に示される編集パレットにおいて、タッチペンにより、選択領域511に表示されている文字列や図柄のスタンプ画像が選択され、編集領域412L(412R)に表示されている撮影画像の背景領域の所定の位置が選択されたとする。この場合、撮影画像の背景領域において選択された位置に、選択領域511から選択されたスタンプ画像が、撮影空間における面の広がる方向に応じた向きや形で配置される。なお、スタンプ画像が配置される位置として、撮影画像に写る撮影空間の境界近傍が選択された場合、スタンプ画像は、その部分を避けるように配置される。
また、選択領域511から選択されたスタンプ画像が、撮影画像における人物領域に対応した位置に配置されるようにしてもよい。例えば、撮影画像の背景領域において、人物領域の輪郭を囲うように、選択領域511から選択された図柄のスタンプ画像が複数配置されるようにする。なお、この場合も、スタンプ画像は、境界近傍を避けるように配置されるものとする。
なお、スタンプ画像として、おなまえ入力画面において入力された利用者自身の名前(文字列)を含むスタンプ画像が、選択領域511に表示されるようにしてもよい。
さらに、利用者により選択された背景領域のみに、上述した背景画像が合成されるようにしてもよい。
例えば、図35に示される編集パレットにおいて、タッチペンにより、背景領域選択ボタン521が選択され、編集領域412L(412R)に表示されている撮影画像における床面の一部分が選択された後、選択領域451から所定の背景画像のサムネイル画像が選択されたとする。
このとき、合成部322は、図36に示されるように、撮影画像に写る撮影空間を構成する面のうちの、選択された床面に対応する面領域のみを有する背景画像531を、撮影画像に合成する。この機能により、撮影空間を構成する面毎に、異なる文字や図柄が配置された背景画像を合成することができる。なお、同様に、撮影空間を構成する面毎に、異なるグラデーションが施された背景画像を合成することも可能である。
なお、以上においては、撮影空間を構成する面として、背面、側面、および床面が撮影画像に写るものとしたが、天井面がさらに写るようにしてもよい。この場合、天井面に対応する面領域を有する背景画像が用意されるものとする。
<本技術の背景画像と撮影空間の構成>
ところで、上述したように、本実施の形態において、撮影空間を構成する背面、側面、および床面の色は、ファッション雑誌等のモデルの撮影が行われるスタジオ等と同様に、白色系の色とされる。これにより、撮影によって得られる撮影画像において、被写体の背景に影がつきやすくなり、立体感が強調されるようになる。ここで、白色系の色には、白色はもちろん、白色に近い色(具体的には、白色に近いグレーや、白色に近い青みがかったグレーなどといった色)も含まれるものとする。
また、本実施の形態においては、背面、側面、および床面それぞれの間に間隙を設けることで、得られる画像において、背面、側面、および床の境界をはっきりと見えるようになされている。これにより、ファッション雑誌等のモデルが試着室や部屋の一角で撮影されたような画像が得られる。
さらに、本実施の形態においては、このようにして得られる画像に背景画像が合成された場合でも、実際の撮影空間を構成する面同士の境界が、文字や図柄で隠れることなく、また、撮影空間を構成する面には、その面の広がる方向に応じた文字や図柄が配置されるようになる。
すなわち、本実施の形態によれば、ファッション雑誌等のモデルが試着室や部屋の一角で撮影された雰囲気を持ちつつ、自然で奥行き感のある、装飾的な画像を提供することが可能となる。
<シール紙の仕上がり>
図37は、上述した処理により得られた撮影画像が印刷されたシール紙の例を示している。
図37に示されるシール紙には、5枚の撮影画像581乃至585が配置され印刷されている。
5枚の撮影画像のうち、撮影画像581,583,584は、アップ撮影により得られた撮影画像であり、撮影画像582,585は、全身撮影により得られた撮影画像である。
図37に示されるように、撮影画像582,585には、本技術の背景画像が合成されている。
すなわち、自然で奥行き感のある画像が印刷されたシール紙を提供することが可能となる。
<境界部の決定の仕方>
ところで、上述したように、背景画像の境界部は、複数の他の写真シール作成装置1の撮影結果における、撮影空間において隣接する面同士の境界の位置の統計に基づいて決定される。
そこで、以下においては、境界部の決定の仕方について、詳細に説明する。
パターン1:実際の撮影空間において写るべき撮影範囲と、撮影画像のトリミング範囲とのずれを用いる例
(1−1)まず、複数の写真シール作成装置1(以下、単に装置という)について、実際の撮影空間において写るべき撮影範囲と、撮影画像のトリミング範囲とのずれを求める。
例えば、1台目の装置により得られた撮影画像上の所定の点P(例えば境界上の1点)の座標を(x,y)=(a,b)とし、2台目の装置により得られた撮影画像上の所定の点P'(例えば境界上の1点)の座標を(x,y)=(a',b')とする。なお、点Pと点P'は、実際の撮影空間において同一の点を示すものとする。
まず、点P−P'間の距離√{(a'-a)2+(b'-b)2}を、複数の点P(点P')について求める。そして、この最大値をずれとする。
これとは別に、点P−P'間のx方向の距離a'-aと、y方向の距離b'-bとを、複数の点P(点P')について求める。そして、それぞれの最大値をずれとしてもよい。
以降、このずれを、境界のずれとして扱う。
(1−2)次に、複数の装置について求められたずれのばらつきを求める。例えば、複数の装置のうちの1つについて求められたずれを基準として、他の装置について求められたずれのばらつきを求めるようにしてもよい。また、あらかじめ設定しておいた値を基準として、複数の装置について求められたずれのばらつきを求めるようにしてもよい。もちろん、統計処理において一般的に用いられる手法により設定した基準に基づいて、これらのばらつきを求めるようにしてもよい。
(1−3)そして、求められたずれのばらつきに基づいて境界部の幅を決定する。例えば、ずれのばらつきにおける最小値と最大値の範囲を、境界部の幅とする。また、ずれのばらつきにおける平均値をμ、標準偏差をσとした場合、μ±σの範囲や、μ±σ×n(nは自然数)の範囲を境界部の幅としてもよい。さらに、ずれのばらつきにおける平均値からの差の最大値をDmaxとした場合、μ±Dmaxを境界部の幅としてもよい。もちろん、統計処理において一般的に用いられる手法により設定した値の範囲に基づいて、境界部の幅を求めるようにしてもよい。
(1−4)最後に、背景画像における境界部の位置を決定する。例えば、複数の装置のうちの1つについて求められた境界の位置を基準として、背景画像における境界部の位置を決定するようにしてもよい。また、あらかじめ設定しておいた値を基準として、背景画像における境界部の位置を決定するようにしてもよい。もちろん、統計処理において一般的に用いられる手法により設定した基準に基づいて、背景画像における境界部の位置を決定するようにしてもよい。
なお、上述した境界部の決定の仕方は、全身撮影とアップ撮影とで撮影範囲(画角)が異なるような場合、その画角毎に、トリミング範囲が設定されるようにしてもよい。
パターン2:実際の撮影空間において写るべき撮影範囲内の境界と、撮影画像のトリミング範囲内に写る境界とのずれを用いる例
(2−1)まず、複数の装置について、実際の撮影空間において写るべき撮影範囲内の境界と、撮影画像のトリミング範囲内に写る境界とのずれを求める。
以降の手順は、パターン1の(1−2)乃至(1−4)と同様の手順となる。
パターン3:撮影画像に対してエッジ検出を施す例
(3−1)まず、複数の装置について、得られた撮影画像に対してエッジ検出を施すことで、それぞれの装置の撮影空間における境界の位置を求める。
(3−2)次に、複数の装置について求められた境界の位置のばらつきを求める。ここでも、統計処理において一般的に用いられる手法により設定した基準に基づいて、これらのばらつきを求める。
(3−3)そして、求められた境界の位置のばらつきに基づいて境界部の幅を決定する。ここでも、統計処理において一般的に用いられる手法により設定した値の範囲に基づいて、境界部の幅を求める。
(3−4)最後に、背景画像における境界部の位置を決定する。ここでも、統計処理において一般的に用いられる手法により設定した基準に基づいて、背景画像における境界部の位置を決定する。
パターン4:撮影画像における境界を実測する例
(4−1)まず、複数の装置について、得られた撮影画像における境界を実測することで、それぞれの装置の撮影空間における境界の位置を求める。
以降の手順は、パターン3の(3−2)乃至(3−4)と同様の手順となる。
以上のようにして、境界部を決定することができる。
なお、上述した境界部の決定は、人の手によって行われるものとするが、複数の装置について求められた境界のずれや位置に基づいて、写真シール作成装置1によって行われるようにしてもよい。
ゲームのプレイ中に、得られた撮影画像に対してリアルタイムにエッジ検出を施すことで境界を求めて、その境界に基づいて背景画像の境界部を決定することも可能である。しかしながら、撮影条件によって、エッジが適切に検出されない場合には、背景画像の境界部も適切に決定されない。その結果、そのような背景画像が合成された撮影画像は、不自然なものとなる可能性がある。
一方、上述した境界部の決定の仕方によれば、より確実に、実空間の境界を利用して、背景画像の境界部を適切に決定することができる。したがって、背景画像が合成された撮影画像を、より確実に奥行き感のあるものとすることができる。
また、実空間の境界に相当する境界部を統計的に求めた背景画像を用いることにより、合成後の撮影画像において、実空間の境界が背景画像の境界部から透過された状態となるため、より自然な仕上がりの画像が得られるようになる。
また、以上においては、背景画像は、あらかじめ用意されているものとした。しかしながら、写真シール作成装置1が、上述した手法により決定された境界部の情報を用いて、リアルタイムに(例えば、編集パレットにおいて背景画像のサムネイル画像が選択される度に)背景画像を生成するようにしてもよい。
なお、写真シール作成装置1においては、カメラ101の取り付け角度等が経時変化する場合がある。このような場合、写真シール作成装置1が、所定時間毎に撮影空間を撮影することで得た画像に基づいて、撮影画像のトリミング範囲を調整するようにしてもよい。これにより、永続的に、撮影画像に写る撮影空間を構成する面同士の境界の位置と、背景画像における境界部の位置とを合致させることができる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図12に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク(MO)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で管理者に配信される、プログラムが記録されているROM206や、記憶部202に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
以上において、印刷媒体は、シール紙や写真紙に限られるものではなく、例えば、所定のサイズの紙やフィルム、ポスター用の紙、テレホンカードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに印刷するようにしてもよい。
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。