以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[写真シール作成装置の外観構成]
図1は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
写真シール作成装置1は撮影画像や編集画像を提供するゲーム機である。画像の提供は、シール紙に印刷した形で行われることもあるし、サーバに送信した画像を利用者の携帯端末上で閲覧可能にする形で行われることもある。写真シール作成装置1はゲームセンタなどの店舗に設置される。利用者は1人であることもあるが、主に、2人や3人等の複数人である。ここでは、利用者が2人である場合について説明する。
写真シール作成装置1で遊ぶ利用者は、自身が被写体となって撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像の中から選択した画像を、手書きの文字やスタンプ画像を合成して編集することにより、撮影画像を彩り豊かな画像にする。利用者は、撮影画像や編集済みの画像である編集画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。
図1に示すように、写真シール作成装置1は、基本的に、撮影ユニット11と編集ユニット12が接した状態で設置されることによって構成される。
撮影ユニット11は、撮影部21と背景部22から構成される。撮影部21と背景部22は所定の距離だけ離れて設置され、撮影部21と背景部22の間に形成される空間が、撮影処理を行う撮影空間となる。
撮影部21は、利用者を被写体とした撮影処理を行う装置である。撮影部21は、撮影空間に入った利用者の正面に位置する。撮影空間に臨む撮影部21の正面には、カメラや各種の操作に用いられるタッチパネルモニタなどが設けられる。撮影空間にいる利用者から見て右側の面を右側面、左側の面を左側面とすると、撮影部21の右側面が側面パネル41Aにより構成され、左側面が側面パネル41B(図3)により構成される。
背景部22は、正面を向いて撮影を行っている利用者の背面側に位置する板状の部材である背面パネル51、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル41Aより横幅の狭い板状の部材である側面パネル52A、および、背面パネル51の左端に取り付けられ、側面パネル41Bより横幅の狭い板状の部材である側面パネル52B(図3)から構成される。
撮影部21の右側面を構成する側面パネル41Aと背景部22の側面パネル52Aは、ほぼ同一平面に設けられる。側面パネル41Aと側面パネル52Aは、上部が板状の部材である連結部23Aによって連結され、下部が、床面に設けた例えば金属製の部材である連結部23A’によって連結される。撮影部21の左側面を構成する側面パネル41Bと背景部22の側面パネル52Bも同様に、ほぼ同一平面に設けられ、上部において連結部23Bによって連結され、下部において、連結部23B’(図14)によって連結される。
撮影部21の側面パネル41A、連結部23A、および背景部22の側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が撮影空間の出入り口となる。また、撮影部21の側面パネル41B、連結部23B、および背景部22の側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口も撮影空間の出入り口となる。
背景部22の上部には、背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52Bに支持される形で背景カーテンユニット25が設けられる。背景カーテンユニット25には、撮影によって得られる撮影画像において利用者の背景に写る所定の色の背景カーテンが収納される。背景カーテンユニット25は、撮影と連動して、適宜、撮影空間内に、例えば緑色のクロマキー用のカーテン(以下、クロマキー用カーテンという)を下ろす。背景カーテンユニット25による背景カーテンの上げ下ろしは、例えば撮影コースに応じて行われる。
なお、クロマキー用のカーテンを予め撮影空間の背面となる背面パネル51に張り付けるようにしてもよい。クロマキー用カーテンを背景として撮影が行われる場合には、合成用の背景画像を複数種類用意し、撮影処理や編集処理においてクロマキー処理を行うことで、利用者が所望する背景画像をカーテンの部分に合成することができるようにする。
撮影空間の上方には、撮影部21の正面、連結部23A、連結部23B、および背景カーテンユニット25に囲まれる開口が形成され、その開口の一部を覆うように天井ストロボユニット24が設けられる。天井ストロボユニット24の一端が連結部23Aに固定され、他端が連結部23Bに固定される。天井ストロボユニット24は、撮影に合わせて撮影空間内に向けて光を照射するストロボを内蔵する。天井ストロボユニット24の内部には、ストロボの他に蛍光灯が設けられており、撮影空間の照明としても機能する。
編集ユニット12は、撮影画像の編集処理を行う装置である。編集ユニット12は、一方の側面が撮影部21の背面に接するように撮影ユニット11に連結して設けられる。
図1に一部が見える編集ユニット12の構成を正面側の構成とすると、2組の利用者が同時に編集を行うことができるように、編集ユニット12の正面側と背面側には編集に用いられる構成がそれぞれ設けられる。
編集ユニット12の正面側は、床面に対して垂直な面であり、撮影部21の側面パネル41Aとほぼ平行な面である面71と、面71の上方に形成された斜面72から構成される。斜面72には、編集作業に用いられる構成が設けられる。斜面72の右側には、照明装置74の一端を支持する柱状の支持部73Aが設けられる。斜面72の左側にも、照明装置74の他端を支持する柱状の支持部73B(図2)が設けられる。支持部73Aの右側には、編集ユニット12の側面を構成する板状のパネル73Cが設けられる。パネル73Cの上面にはカーテンレール26を支持する支持部75が設けられる。
編集ユニット12の上方にはカーテンレール26が取り付けられる。カーテンレール26は、3本のレール26A乃至26Cを、上から見たときの形状がコの字状となるように組み合わせることによって構成される。平行に設けられるレール26Aと26Bの一端は、連結部23Aと連結部23Bにそれぞれ固定され、他端にレール26Cの両端が接合される。
カーテンレール26には、編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間の内部が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。カーテンレール26に取り付けられたカーテンにより囲まれる編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が、利用者が撮影画像の編集を行う編集空間となる。
図2は、写真シール作成装置1の他の斜視図である。
後に詳述するが、編集ユニット12の右側面には、タブレット内蔵モニタや印刷済みのシール紙が排出される排出口などが設けられる。編集ユニット12の側面に設けられるタブレット内蔵モニタは、画像の印刷が終わるのを待っている利用者が事後接客機能を利用するときに用いられる。事後接客機能には、撮影画像や編集画像をサーバに送信する機能、ミニゲームの機能などが含まれる。編集ユニット12の右側面前方の空間が、利用者が事後接客機能を利用する事後接客空間となる。
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について説明する。図3は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
写真シール作成装置1の利用者は、白抜き矢印#1で示すように出入り口G1から、または白抜き矢印#2で示すように出入り口G2から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入り、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなど利用して撮影を行う。出入り口G1は側面パネル41Aと側面パネル52Aの間の開口であり、出入り口G2は側面パネル41Bと側面パネル52Bの間の開口である。
撮影を終えた利用者は、白抜き矢印#3で示すように出入り口G1を使って撮影空間A1から出て編集空間A2−1に移動するか、白抜き矢印#4で示すように出入り口G2を使って撮影空間A1から出て編集空間A2−2に移動する。
編集空間A2−1は、編集ユニット12の正面側の編集空間であり、編集空間A2−2は、編集ユニット12の背面側の編集空間である。編集空間A2−1と編集空間A2−2のいずれの空間に移動するのかが、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方が移動先として案内される。編集空間A2−1または編集空間A2−2に移動した利用者は撮影画像の編集を開始する。編集空間A2−1の利用者と、編集空間A2−2の利用者は同時に編集を行うことができる。
編集が終了した後、撮影画像や編集画像の印刷が開始される。画像の印刷中、編集空間A2−1での編集を終えた利用者は、白抜き矢印#5で示すように編集空間A2−1から事後接客空間A3に移動して事後接客機能を利用する。また、編集空間A2−2での編集を終えた利用者は、白抜き矢印#6で示すように編集空間A2−2から事後接客空間A3に移動して事後接客機能を利用する。
画像の印刷が終了したとき、利用者は、編集ユニット12の右側面に設けられた排出口からシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終えることになる。
次に、各装置の構成について説明する。
[撮影部の構成]
図4は、撮影部21の正面の構成例を示す図である。撮影部21は、側面パネル41A、側面パネル41B、および正面パネル42が、箱状の形状を有するベース部43に取り付けられることによって構成される。
正面パネル42の中央には、上底:下底の比を略1:5とし、下底の長さが正面パネル42の横幅と同じ長さの等脚台形を上下逆様にした面を有する凸部81が形成される。凸部81のほぼ中央にはカメラユニット91が設けられ、カメラユニット91の下にタッチパネルモニタ92が設けられる。カメラユニット91は、カメラ101と正面ストロボ102から構成される。
カメラ101は、例えば一眼レフカメラであり、レンズが露出するようにカメラユニット91の内部に取り付けられる。カメラ101はCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子を有し、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ101により取り込まれた動画像はタッチパネルモニタ92にリアルタイムで表示される。利用者により撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ101により取り込まれた静止画は撮影画像として保存される。
カメラ101の上に設けられた正面ストロボ102は、乳白アクリル板よりなる横長長方形の発光面を有する。正面ストロボ102は、カメラ101による撮影に合わせて発光することで、被写体としての利用者の顔付近を正面から照射する。
なお、正面ストロボ102の発光面として設けられる乳白アクリル板としては、透明度の高いものが用いられる。これにより、正面ストロボ102の発光による光の拡散度合いを、乳白アクリル板として透明度の低いものを用いた場合と比べて抑えることができ、利用者に対してより多くの光を照射することができる。
カメラユニット91の下に設けられたタッチパネルモニタ92は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ92は、カメラ101により取り込まれた動画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUI(Graphical User Interface)を表示し、利用者の選択操作を受け付ける機能を備えている。タッチパネルモニタ92には、カメラ101により取り込まれた動画像(ライブビュー)や撮影画像が表示される。
カメラユニット91の上方には、曲面の発光面を利用者に向けた上ストロボ111が設置される。上ストロボ111は、カメラ101による撮影に合わせて発光することで、上方から利用者を照射する。
ベース部43の中央には利用者の下半身および足元を照射する足元ストロボ112が設けられ、足元ストロボ112の垂直面の右側には、利用者が硬貨を入れる硬貨投入返却口114が設けられる。
ベース部43の上面には、足元ストロボ112の上面を挟んでスペース113A,113Bが左右に形成される。スペース113A,113Bは、撮影を行う利用者が手荷物等を置くための荷物置き場として用いられる。正面パネル42の例えば天井付近には、撮影処理の案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音等の音を出力するスピーカも設けられる。
[背景部の構成]
図5は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。
上述したように、背面パネル51の上方には背景カーテンユニット25が設けられる。
背面パネル51の、出入り口G1側(図中、左側)の上方には、撮影空間A1内で撮影処理を行っている利用者を右後方から照射する背面右ストロボ121が取り付けられる。また、背面パネル51の、出入り口G2側(図中、右側)の上方には、撮影空間A1内で撮影処理を行っている利用者を左後方から照射する背面左ストロボ122が取り付けられる。
さらに、背面パネル51の撮影空間A1側(図中、手前側)の面には、背面カーテン123が張り付けられる。背面カーテン123の色は、ファッション雑誌等のモデルの撮影が行われるスタジオ等と同様に、白色系の色とされる。これにより、撮影によって得られる撮影画像において、被写体の背景に影がつきやすくなり、立体感が強調されるようになる。ここで、白色系の色には、白色はもちろん、白色に近い色(具体的には、白色に近いグレーや、白色に近い青みがかったグレーなどといった色)も含まれるものとする。
本発明の写真シール作成装置1による写真シール作成ゲームにおいては、後述するように、クロマキー処理を施すための撮影と、クロマキー処理を施さない撮影とが行われるので、背面カーテン123の色とクロマキー用カーテンの色とを異なる色にすることで、それぞれの目的にあった撮影を行うことができる。
なお、背面カーテン123の色は、白色系の色に限らず、人物の肌色の補色となる青色や緑色などの寒色系の色であってもよい。特に、背面カーテン123の色を緑色とした場合、クロマキー用カーテンを別途設ける必要がなくなる。
また、図示はしないが、側面パネル52A,52Bそれぞれの撮影空間A1側にも、背面カーテン123と同様の側面カーテンが張り付けられる。この側面カーテンの色は、背面カーテン123の色と同一とする。
背面右ストロボ121および背面左ストロボ122が発光することにより、撮影空間A1においては、その上方ほど明るくなり、下方ほど暗くなる。これにより、背面カーテン123および図示せぬ側面カーテンは、例えば、図6に示されるように、その色が床面に近づくほど明度が低くなるように配色されたように(グラデーションが施されたように)見える。
上述したように、本発明の写真シール作成装置1による写真シール作成ゲームにおいては、クロマキー処理を施すための撮影と、クロマキー処理を施さない撮影とが行われる。そこで、クロマキー処理を施さない撮影が行われても、背面カーテン123および図示せぬ側面カーテンによって、背面パネル51と側面パネル52A,52Bとの接合部分の金具やねじが露出しないようにする。
この場合、背面カーテン123や側面カーテン自体も、背面パネル51や側面パネル52A,52Bに、金具やねじ等で固定されないで取り付ける必要がある。
[背面カーテンの取り付けについて]
図7は、背面カーテン123を背面パネル51に取り付けるための取り付け部材の構成例を示す図である。
この取り付け部材は、コの字型部材124とL字型部材125とから構成される。
コの字型部材124は、その断面が略コの字型に成形されており、延在方向(長手方向)の長さは、背面パネル51の横方向の長さと略等しい。コの字型部材124を構成する面のうち、開口側に対向する面の内側には、ねじ付管筒であるボス124aが、延在方向に所定の間隔で設けられている。
L字型部材125は、その断面がL字型に成形されており、延在方向(長手方向)の長さは、コの字型部材124と等しい。L字型部材125を構成する面のうち、広い方の面の外側には、ボス125aが、延在方向に所定の間隔で設けられている。また、その面には、ねじ孔125bおよび位置合わせ孔125cも、延在方向に所定の間隔で設けられている。
コの字型部材124のボス124aと、L字型部材125のねじ孔125bとは、互いに対応する位置に設けられており、コの字型部材124とL字型部材125とは、その間に背面カーテン123を挟んで接合されて、背面パネル51に取り付けられる。
ここで、図8を参照して、背面カーテン123の取り付け部材の、背面パネル51への取り付けの手順について説明する。図8A,B,Cには、背面カーテン123と、それを取り付けるためのコの字型部材124およびL字型部材125の断面が示されている。
まず、図8Aに示されるように、コの字型部材124とL字型部材125との間に、背面カーテン123が、コの字型部材124のボス124aおよびL字型部材125のねじ孔125bと、それらに対応する位置に設けられた孔123aとが一致するように配置される。ここでは、背面カーテン123の床面側は、図中上方向となる。
次に、図8Bに示されるように、ねじ126が、ねじ孔125bを介してボス124aに螺挿されることで、コの字型部材124とL字型部材125とが、背面カーテン123を挟んで接合される。なお、ここでは、ボス125aの図示は省略する。
そして、図8Cに示されるように、背面パネル51の上端部付近において、ボス125aと対応する位置に設けられた孔と、ボス125aとが嵌合し、背面パネル51の外側からねじ127がボス125aに螺挿されることで、背面カーテン123を挟んだ取り付け部材が、背面パネル51に取り付けられる。このとき、背面カーテン123は、コの字型部材124を包み込むように、撮影空間A1の床面側に向かって垂らされる。
このようにして、撮影空間A1側から見た場合に、金具やねじ等が露出することなく、背面カーテン123を背面パネル51に取り付けることができる。
また、背面カーテン123と同様にして、側面パネル52A,52Bには側面カーテンが取り付けられる。
なお、クロマキー用カーテンは、背景カーテンユニット25によって、背面カーテン123より撮影空間A1側(図8C中、背面カーテン123より左側)に下ろされる。
また、本実施の形態においては、背面カーテン123を背面パネル51に取り付けるようにしたが、背景カーテンユニット25によって、クロマキー用カーテンとは別の、背面カーテン123と同色のカーテンが、背面パネル51より撮影空間A1側に下ろされるようにしてもよい。
なお、クロマキー処理を施さない撮影が行われる場合、後述するように、得られる画像が、ファッション雑誌等のモデルが試着室や部屋の一角で撮影されたような画像となることが好適とされる。そこで、本実施の形態においては、背面カーテン123と側面カーテンとの境界や、背面カーテン123と床面との境界がはっきり見えるようにする。
図9は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す斜視図である。
なお、図9に示されるように、背景パネル51の撮影空間A1側には背景カーテン123が張り付けられ、側面パネル52A,52Bそれぞれの撮影空間A1側には、側面カーテン128A,Bが張り付けられる。なお、図9においては、背景カーテンユニット25、背面右ストロボ121、および背面左ストロボ122の図示は省略されている。
図10は、図9において、矢印R1方向(背景部22の側面)からみた背景部22の断面図を示している。図10Aは、側面からみた背景部22の断面全体を示しており、図10Bは、図10Aにおいて、破線部P1で囲まれている部分の拡大図を示している。
図10において、背面パネル51は、図示せぬ車輪(キャスター)や支持部によって、底部と床面との間に所定の間隙をもって支持されている。また、背面カーテン123および側面カーテン128B(側面カーテン128Aも同様)は、上述した取り付け部材によって、底部と床面との間に所定の間隙d1(10mm≦d1≦20mm)をもつように垂らされている。
図11は、図9において、矢印R2方向(背景部22の上面)からみた背景部22の断面図を示している。図11Aは、上面からみた背景部22の断面全体を示しており、図11Bは、図11Aにおいて、破線部P2で囲まれている部分の拡大図を示している。
図11において、背面カーテン123は、左右の側辺がそれぞれ側面パネル52A,52Bに当接するように、背面パネル51に取り付けられている。また、側面カーテン128A(側面カーテン128Bも同様)は、背面カーテン123側の側辺と背面カーテン123とが所定の間隙d2(10mm≦d2≦20mm)をもつように、側面パネル52A(側面パネル52B)に取り付けられている。
このような構造により、背面カーテン123と床面との間、側面カーテン128A,128Bと床面との間、背面カーテン123と側面カーテン128A,128Bとの間には、それぞれ所定の間隙が設けられる。
仮に、背面カーテン123、側面カーテン128A,128B、および床面それぞれの間に間隙を設けない場合、またはその間隙が小さすぎる場合(d1<10mm,d2<10mm)、これらを背景として撮影して得られる画像は、背面、側面、および床の境界がほとんど見えない画像となってしまう。逆に、その間隙が大きすぎる場合(d1>20mm,d2>20mm)、背面、側面、および床の境界がぼやけてしまい、やはり境界がほとんど見えない画像となってしまう。
そこで、本実施の形態においては、背面カーテン123、側面カーテン128A,128B、および床面それぞれの間に間隙を設けることで、得られる画像において、背面、側面、および床の境界をはっきりと見えるようにする。これにより、クロマキー処理を施さない撮影が行われる場合には、ファッション雑誌等のモデルが試着室や部屋の一角で撮影されたような画像が得られるようになる。
なお、背面カーテン123、側面カーテン128A,128B、および床面それぞれの間に設けられる間隙は、背面カーテン123、側面カーテン128A,128B、および床面の色によって調整されるようにしてもよい。
[編集部の構成]
図12は、編集ユニット12の正面側(編集空間A2−1側)の構成例を示す図である。
斜面72のほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131を挟んで左側にタッチペン132Aが設けられ、右側にタッチペン132Bが設けられる。
タブレット内蔵モニタ131は、タッチペン132Aまたはタッチペン132Bを用いて操作入力が可能なタブレットがLCDなどのモニタに重畳して設けられることによって構成される。タブレット内蔵モニタ131には例えば編集画面が表示される。編集画面は撮影画像の編集に用いられる画面である。2人で同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aはタブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられ、タッチペン132Bはタブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる。
図13、図14は、編集ユニット12の右側面の構成例を示す図である。
編集ユニット12の右側面にはタブレット内蔵モニタ161が設けられる。タブレット内蔵モニタ161には、事後接客機能を利用するときに用いられる画面が表示される。
タブレット内蔵モニタ161の下にはシール紙排出口162が設けられる。編集ユニット12の内部にはプリンタが設けられており、編集空間A2−1の利用者が写る画像、または、編集空間A2−2の利用者が写る画像が所定のレイアウトでシール紙に印刷され、シール紙排出口162から排出される。シール紙排出口162の下には、事後接客機能の案内音声、BGM、効果音等などを出力するスピーカ163が設けられる。
[写真シール作成装置の内部構成]
図15は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
制御部201はCPU(Central Processing Unit)などよりなり、ROM(Read Only Memory)206や記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、撮影部208、編集部209A、編集部209B、および事後接客部210の各構成も接続される。
記憶部202は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体からなり、制御部201から供給された各種の設定情報等を記憶する。記憶部202に記憶されている情報は制御部201により適宜読み出される。
通信部203は、インターネットなどのネットワークのインタフェースであり、制御部201による制御に従って外部の装置と通信を行う。通信部203は、例えば撮影画像や編集画像をサーバに送信する。通信部203から送信された画像は、サーバにおいて所定のURLの記憶領域が割り当てられて保存され、アクセスしてきた携帯端末のディスプレイに表示される。
ドライブ204には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205が適宜装着される。ドライブ204によりリムーバブルメディア205から読み出されたコンピュータプログラムやデータは、制御部201に供給され、記憶部202に記憶されたり、インストールされたりする。
ROM206には、制御部201において実行されるプログラムやデータが記憶されている。RAM207は、制御部201が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
撮影部208は、撮影空間A1にいる利用者を対象とした撮影処理を行う。撮影部208は、硬貨処理部221、背景制御部222、照明装置223、カメラ101、タッチパネルモニタ92、およびスピーカ224から構成される。
硬貨処理部221は、硬貨投入返却口114に対する硬貨の投入を検出する。硬貨処理部221は、例えば400円などの所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、そのことを表す起動信号を制御部201に出力する。
背景制御部222は、制御部201から供給される背景制御信号に従って背景カーテンユニット25による背景カーテン(クロマキー用カーテン)の上げ下ろしを制御する。
照明装置223は、撮影空間A1内の各ストロボであり、制御部201から供給される照明制御信号に従って発光する。撮影空間A1には、天井ストロボユニット24のストロボの他に、撮影部21の正面ストロボ102、上ストロボ111、足元ストロボ112、背景部22の背面右ストロボ121、背面左ストロボ122が設けられる。
カメラ101は、制御部201による制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた画像を制御部201に出力する。
編集部209Aは、編集空間A2−1にいる利用者を対象とした編集処理を行う。編集部209Aは、タブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ231から構成される。編集部209Bは、編集部209Aと同一の構成を有しており、編集空間A2−2にいる利用者を対象とした編集処理を行う。
タブレット内蔵モニタ131は、制御部201による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を検出する。利用者の操作の内容を表す信号は制御部201に供給され、編集対象の撮影画像の編集が行われる。
事後接客部210は、事後接客空間A3にいる利用者を対象とした事後接客処理を行う。事後接客処理は、事後接客機能を利用者に提供する処理である。事後接客部210は、タブレット内蔵モニタ161、スピーカ163、およびプリンタ241から構成される。プリンタ241にはシール紙ユニット242が装着される。
プリンタ241は、制御部201から供給された印刷データに基づいて、撮影画像や編集画像をシール紙ユニット242に収納されているシール紙に印刷し、シール紙排出口162に排出する。
[制御部の構成]
図16は、制御部201の機能構成例を示すブロック図である。図16に示す機能部のうちの少なくとも一部は、制御部201内のCPUにより所定のプログラムが実行されることによって実現される。
制御部201においては、撮影処理部301、編集処理部302、印刷処理部303、および事後接客処理部304が実現される。
撮影処理部301は、撮影部208の各部を制御し、写真シール作成装置1を利用する際に投入される代金に関する処理や撮影処理を行う。編集処理部302は、編集部209A、編集部209Bの各部を制御し、編集処理を行う。印刷処理部303は、事後接客部210のプリンタ241を制御し、印刷処理を行う。事後接客処理部304は、事後接客部210のタブレット内蔵モニタ161を制御するなどして事後接客処理を行う。
[撮影処理部の構成例]
図17は、撮影処理部301の機能構成例を示すブロック図である。
撮影処理部301は、入力受付部311、設定部312、撮影制御部313、照明制御部314、および画像処理部315から構成される。
入力受付部311は、タッチパネルモニタ92に表示される各種のGUIに対して利用者により行われる操作入力を受け付ける。具体的には、入力受付部311は、利用者により行われる操作入力として、撮影に関する条件である撮影条件の入力を受け付ける。撮影条件は、タッチパネルモニタ92に表示されるGUIにおいて、利用者によって直接選択されるものであってもよいし、利用者が選択した内容に応じて間接的に選択されるものであってもよい。
設定部312は、入力された撮影条件に応じて、撮影制御部313が、複数回行う撮影のうちの少なくとも1回の撮影として、撮影画像にクロマキー処理を施すための撮影を行うか否かを設定する。以下においては、撮影画像にクロマキー処理を施すための撮影を、クロマキー撮影という。本実施の形態の写真シール作成装置1においては、クロマキー撮影を行うことで、利用者がかわいくきれいに写り、クロマキー撮影を行わないことで、利用者がよりおしゃれに写るようになる。
撮影制御部313は、設定部312によって設定された内容に応じて、カメラ101および背景制御部222を制御し、利用者を被写体として撮影することで、撮影画像を取得する。
例えば、設定部312によって、複数回の撮影のうちの少なくとも1回の撮影として、クロマキー撮影を行うと設定された場合、撮影制御部313は、背景制御部222を制御することで、背景カーテンユニット25にクロマキー用カーテンを下ろさせて、撮影(クロマキー撮影)を行う。
また、設定部312によって、複数回の撮影のうちの少なくとも1回の撮影として、クロマキー撮影を行わないと設定された場合、撮影制御部313は、背景制御部222を制御することで、背景カーテンユニット25にクロマキー用カーテンを下ろさせず上げた状態のままの、クロマキー処理を施すことを前提としない撮影(以下、通常撮影という)を行う。
照明制御部314は、撮影制御部313によって行われる撮影に応じて、撮影空間A1内の各ストロボ(照明装置223)の発光を制御する。
画像処理部315は、撮影制御部313により取得された撮影画像に対して、所定の画像処理を施す。
[写真シール作成装置の動作]
次に、写真シール作成装置1の動作について説明する。
はじめに、図18のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の処理について説明する。
ステップS1において、写真シール作成装置1の撮影処理部301は、所定の金額分の硬貨が投入されたか否かを硬貨処理部221から供給される信号に基づいて判定し、投入されたと判定するまで待機する。
硬貨が投入されたとステップS1において判定された場合、ステップS2において、撮影処理部301は撮影処理を行う。撮影処理においては、撮影空間A1にいる利用者を被写体として撮影が行われる。撮影処理の詳細については、図19のフローチャートを参照して後述する。
ステップS3において、撮影処理部301は、撮影空間A1にいる利用者に対して、編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動を案内する。編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動の案内は、タッチパネルモニタ92に画面を表示させることによって、または音声をスピーカ224から出力させることによって行われる。
ステップS4において、編集処理部302は、編集空間A2−1と編集空間A2−2のうち、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に対応する編集部209Aまたは編集部209Bを制御して編集処理を行う。編集処理の詳細については、図23のフローチャートを参照して後述する。
ステップS5において、編集処理部302は、編集処理を終えた利用者に対して事後接客空間A3への移動を案内する。事後接客空間A3への移動の案内は、タブレット内蔵モニタ131に画面を表示させることによって、または音声をスピーカ231から出力させることによって行われる。
ステップS6において、印刷処理部303は印刷処理を行う。印刷処理により、撮影画像や編集画像が、利用者により選択されたレイアウトに従ってシール紙に印刷される。
ステップS7において、事後接客処理部304は、印刷が終わるのを待っている利用者に対する事後接客処理を行う。事後接客処理部304は、撮影画像や編集画像を携帯端末に送信する処理などを事後接客処理として行う。
印刷が終了した場合、ステップS8において、事後接客処理部304は、画像が印刷されたシール紙をシール紙排出口162から排出させ、処理を終了する。
[撮影処理の例]
次に、図19のフローチャートを参照して、上述した写真シール作成ゲームの一連の処理におけるステップS2の撮影処理の流れを説明する。
ステップS21において、撮影処理部301は、コース選択画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。コース選択画面には、例えば、撮影コースとして、利用者をかわいくきれいに写すためのbeautyコースを選択する場合に操作されるボタンと、利用者をよりおしゃれに写すためのedgyコースを選択する場合に操作されるボタンが表示される。
ここでは、撮影コースが選択されることによって、撮影処理で行われる撮影に関する撮影条件が入力(選択)される。具体的には、撮影条件として、撮影画像における被写体の写りが選択される。撮影画像における被写体の写りは、例えば、画像処理により撮影画像に対して設定される彩度、明度、シャープネス、コントラストや、撮影空間内の各ストロボによって利用者に照射される光によって決まる。
つまり、beautyコースを選択した場合の撮影と、edgyコースを選択した場合の撮影とでは、撮影画像に施される画像処理の内容、撮影時に照射される光の向きや光量などが異なる。
利用者が、タッチパネルモニタ92の表面に指で触れるなどしていずれの撮影コースで撮影を行うのかを選択すると、ステップS22において、撮影制御部301の入力受付部311は、撮影コースの選択、すなわち、撮影条件としての、撮影画像における被写体の写りの選択を受け付ける。入力受付部311は、受け付けた撮影コースを表すコース情報を、設定部312に供給する。
ステップS23において、設定部312は、入力受付部311からのコース情報に応じて、撮影制御部313が、beautyコースの撮影を行うか、または、edgyコースの撮影を行うかを設定し、設定した撮影コースを表す設定情報を、撮影制御部313に供給する。なお、撮影コースを表す設定情報は、編集処理部302にも供給される。
以降、撮影制御部313は、設定部312からの設定情報で表わされる撮影コースの撮影を行う。
例えば、beautyコースにおいて、撮影制御部313は、5回行われる撮影のうち、全ての撮影としてクロマキー撮影を行う。具体的には、beautyコースにおいては、クロマキー用カーテンを下ろした状態で、1枚目と2枚目の撮影画像の撮影がアップ撮影によって行われ、3枚目、4枚目、5枚目の撮影画像の撮影が斜め撮影によって行われる。利用者の背景をクロマキー用カーテンとすることにより、beautyコースで撮影された撮影画像に対しては、後述する編集処理において、クロマキー処理によって、利用者の背景に背景画像を合成することが可能になる。
また、beautyコースにおいて、照明制御部314は、上ストロボ111の発光を強く、正面ストロボ102および足元ストロボ112の発光を弱くするよう、各ストロボの発光を制御する。
一方、edgyコースにおいて、撮影制御部313は、5回行われる撮影のうち、全ての撮影として通常撮影を行う。具体的には、edgyコースにおいては、クロマキー用カーテンがない状態(クロマキー用カーテンが上げられた状態)で、1枚目の撮影画像の撮影がアップ撮影によって行われ、2枚目、3枚目の撮影画像の撮影が斜め撮影によって行われる。また、4枚目、5枚目の撮影画像の撮影が全身撮影によって行われる。クロマキー用カーテンを上げた状態とすることにより、edgyコースで撮影された撮影画像においては、利用者の背景は、背面カーテン123となる。なお、edgyコースにおいては、撮影制御部313は、カメラ101のカメラパラメータを調整することで、撮影画像における加工感を低減させるようにする。
また、edgyコースにおいて、照明制御部314は、正面ストロボ102の発光を強く、上ストロボ111および足元ストロボ112の発光を弱くするよう、各ストロボの発光を制御する。
図20は、アップ撮影の例を示す図である。
図20Aに示す画像361はカメラ101により撮影された静止画である。縦長の画像である画像361には、2人の利用者の頭の上から腰付近までの範囲が写っている。画像361の内側に示す長方形の枠F1で囲む範囲が、アップ撮影時にトリミングにより切り出される範囲である。枠F1で示す切り出し範囲は、長手方向が画像361の長手方向と平行となり、短手方向が画像361の短手方向と平行になるように設定される。
図20Bに示す画像362は、トリミングによって画像361から切り出された画像である。このように、アップ撮影においては、まっすぐ立っている利用者の顔および上半身がそのまままっすぐ写る画像が撮影される。
図21は、斜め撮影の例を示す図である。
図21Aに示す画像371はカメラ101により撮影された静止画である。画像371には、図20Aの画像361と同様に、2人の利用者の頭の上から腰付近までの範囲が写っている。画像371の内側に示す長方形の枠F2で囲む範囲が、斜め撮影時にトリミングにより切り出される範囲である。枠F2で示す切り出し範囲は、まっすぐな状態の枠を、その中心位置を固定にして時計周りの方向に所定の角度だけ傾けるようにして設定される。
図21Bに示す画像372は、トリミングによって画像371から切り出された画像である。このように、斜め撮影においては、まっすぐ立っている利用者の顔および上半身が左に傾いて写る画像が撮影される。
なお、斜め撮影においては、アップ撮影と同様に、利用者の顔および上半身が撮影されるので、斜め撮影を、アップ撮影の1つとみなすこともできる。
図22は、全身撮影の例を示す図である。
図22に示す画像381はカメラ101により撮影された静止画である。縦長の画像である画像381には、2人の利用者の頭の上から足元付近までの範囲が写っている。画像381には、撮影空間A1の床面や、背面パネル51も利用者の背景として写っている。全身撮影時、カメラ101を若干斜め下に向けて撮影が行われる。
このように、全身撮影においては、まっすぐ立っている利用者の全身が写る画像が撮影される。
なお、ライブビューに用いられる動画像を構成する各フレームに対してもトリミングが適宜施される。例えば、アップ撮影時と斜め撮影時、図20を参照して説明したトリミングと同じトリミングが施される。斜め撮影時であっても、ライブビュー表示される動画像については、まっすぐ立っている利用者の上半身がそのまままっすぐ写る動画像となる。斜め撮影時に図21を参照して説明したトリミングと同じトリミングが動画像を構成する各フレームに対して施され、利用者が斜めに傾いて写る動画がライブビューに用いられるようにしてもよい。
図19のフローチャートに戻り、ステップS22において撮影コースが選択されると、撮影制御部313により動画の撮影が開始され、動画を構成する各フレームに対してトリミングが施される。トリミングにより切り出された画像からなる動画はタッチパネルモニタ92のライブビュー表示に用いられる。利用者は、自分たちの写り方をタッチパネルモニタ92の表示を見て確認することになる。また、撮影コースとしてbeautyコースが選択された場合、撮影制御部313の制御の下、背景制御部222により背景カーテンが下ろされる。
beautyコースが選択され、ライブビューの表示が開始されてから所定の時間が経過した場合、ステップS24において、撮影制御部313は1枚目の静止画の撮影をアップ撮影によって行う。すなわち、撮影制御部313により撮影された静止画を対象として、図20を参照して説明したようにしてトリミングが行われ、利用者の上半身がまっすぐ写っている静止画が得られる。
ステップS25において、撮影制御部313は、1枚目の撮影から所定の時間が経過したとき、2枚目の静止画の撮影をアップ撮影によって行う。
ステップS26において、撮影処理部301は、斜め撮影について紹介する画面をタッチパネルモニタ92に表示するなどして斜め撮影のガイダンスを行う。上述したように、beautyコースにおいては、例えば3枚目、4枚目、5枚目の静止画の撮影が斜め撮影によって行われる。
ステップS27において、撮影制御部313は3枚目の静止画の撮影を斜め撮影によって行う。すなわち、撮影制御部313により撮影された静止画を対象として、図21を参照して説明したようにしてトリミングが行われ、利用者の上半身が斜めに傾いて写る静止画が得られる。
ステップS28において、撮影制御部313は、3枚目の撮影から所定の時間が経過したとき、4枚目の静止画の撮影を斜め撮影によって行う。
ステップS29において、撮影制御部313は、4枚目の撮影から所定の時間が経過したとき、5枚目の静止画の撮影を斜め撮影によって行う。
このように、beautyコースにおいては、アップ撮影によって撮影された2枚の静止画と、斜め撮影によって撮影された3枚の静止画の5枚の静止画が得られる。
特に、beautyコースにおいては、利用者の顔が大きく写るアップ撮影および斜め撮影が行われるので、利用者の顔をより強調した画像を得ることができる。また、beautyコースにおいては、利用者の前方上側からの光が強くなるので、得られる画像において、顔の輪郭がはっきり写るようになり、立体感が出るようになる。
一方、edgyコースが選択され、ライブビューの表示が開始されてから所定の時間が経過した場合、ステップS30において、撮影制御部313は1枚目の静止画の撮影をアップ撮影によって行う。
ステップS31において、撮影処理部301は、斜め撮影について紹介する画面をタッチパネルモニタ92に表示するなどして斜め撮影のガイダンスを行う。edgyコースにおいては、例えば2枚目、3枚目の静止画の撮影が斜め撮影によって行われる。
ステップS32において、撮影制御部313は、2枚目の静止画の撮影を斜め撮影によって行う。
ステップS33において、撮影制御部313は、2枚目の撮影から所定の時間が経過したとき、3枚目の静止画の撮影を斜め撮影によって行う。
ステップS34において、撮影制御部313は、全身撮影について紹介する画面をタッチパネルモニタ92に表示するなどして全身撮影のガイダンスを行う。edgyコースにおいては、例えば4枚目、5枚目の静止画の撮影が全身撮影によって行われる。
ステップS35において、撮影制御部313は4枚目の静止画の撮影を全身撮影によって行う。すなわち、図22を参照して説明したような利用者の全身が写る静止画が得られる。
ステップS36において、撮影制御部313は、4枚目の撮影から所定の時間が経過したとき、5枚目の静止画の撮影を全身撮影によって行う。
このように、edgyコースにおいては、アップ撮影によって撮影された1枚の静止画、斜め撮影によって撮影された2枚の静止画、および全身撮影によって撮影された2枚の静止画の5枚の静止画が得られる。
特に、edgyコースにおいては、アップ撮影および斜め撮影の他に、全身撮影が行われるので、利用者のコーディネートを意識した画像を得ることができる。また、edgyコースにおいては、利用者の正面からの光が強くなるので、得られる画像においては、利用者の服装がより際立つようになる。
ステップS37において、撮影処理部301は、写り調整画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。写り調整画面は、静止画に写る利用者の目の大きさの調整と、静止画の明るさの調整に用いられる画面である。写り調整画面において、静止画の色や利用者の顔の大きさなどの他の調整を行うことができるようにしてもよい。
ステップS38において、画像処理部315は、利用者による操作に応じて静止画の画像処理を行い、利用者の目の大きさと静止画の明るさを調整する。すなわち、画像処理部315は、それぞれの静止画から利用者の目を検出し、検出した目の大きさを、利用者によって選択された大きさになるように調整する。また、画像処理部315は、それぞれの静止画の明るさを、利用者によって選択された明るさになるように調整する。
なお、beautyコースにおいては、特に顔を強調した画像が得られるので、写り選択画面における目の大きさや明るさの選択肢を増やすようにしてもよい。
さらに、beautyコースが選択されたか、またはedgyコースが選択されたか(すなわち、クロマキー処理が実行されるか否か)に応じて、画像処理部315により行われる処理内容を変更させるようにしてもよい。
ステップS39において、画像処理部315は、利用者の目の大きさと静止画の明るさを調整して得られた調整後の静止画それぞれに対して、撮影コースに応じた画像処理を施す。
具体的には、beautyコースが選択された場合、画像処理部315は、5枚の静止画それぞれに対して、被写体の肌の質感がなめらか、かつきめ細やかになるように、彩度、明度、シャープネス、およびコントラストを調整する。さらに、この場合、画像処理部315は、クロマキー処理が施された後にクロマキー合成を自然なものとする画像処理を行うようにしてもよい。
また、edgyコースが選択された場合、画像処理部315は、5枚の静止画それぞれに対して、白い肌色を保ちつつ、被写体の肌の質感がリアルに近いラフな感じになるように、彩度、明度、シャープネス、およびコントラストを調整する。さらに、この場合、画像処理部315は、よりコントラストを強くする画像処理を行うようにしてもよい。
ステップS40において、撮影処理部301は、撮影コースに応じた画像処理が施された5枚の静止画を、撮影画像として記憶部202に記憶させる。その後、図18のステップS2に戻り、それ以降の処理が行われる。
以上の処理によれば、利用者は、写真シール作成ゲームの一連の流れの中で、クロマキー撮影を行うか否かを選択することができるので、クロマキー処理の弊害を解消しつつ、クロマキー処理を行わない場合にも、利用者に対して、利用者が所望する仕上がりの画像を提供することが可能となる。
つまり、クロマキー撮影を行った場合、利用者は、後述する編集処理において、予め用意された背景画像から所望の色やデザインの背景画像を選択することができるので、同じ被写体が撮影されている複数枚の撮影画像それぞれに、異なる背景画像を合成することができ、結果として、様々な仕上がりの画像を、利用者に提供することができる。
また、クロマキー撮影を行わなかった場合、クロマキー処理によって、利用者の衣服の一部が変色したりすることなく、ファッション雑誌等のモデルが撮影されたような、被写体と背景との境界に自然な立体感があり、かつ加工感のない画像を、利用者に提供することができる。
そして、利用者は、クロマキー撮影を行うか否かを選択することができるので、いずれの場合であっても、利用者が所望する仕上がりの画像を提供することが可能となる。
以上においては、選択された撮影コースに応じて、アップ撮影が行われたり、全身撮影が行われたりと、画角の異なる撮影が行われる。すなわち、撮影コースが選択されることによって、入力受付部311は、撮影条件として、撮影画像の画角の選択を受け付け、設定部312は、選択された画角に応じて、クロマキー撮影が行われるか否かを設定するとみなすことができる。また、edgyコースにおいては、アップ撮影と全身撮影とが行われるので、1つの撮影コースにおいて行われる撮影の画角に応じて、利用者の選択を受け付けることなく、クロマキー撮影が行われるか否かが設定されるようにしてもよい。
なお、上述した撮影処理において、照明制御部314は、アップ撮影(斜め撮影も含む)が行われるかまたは全身撮影が行われるかに応じて、撮影空間A1内の各ストロボの発光を制御するようにしてもよい。
具体的には、アップ撮影が行われる場合、背面右ストロボ121および背面左ストロボ122の発光させないようにする一方、全身撮影が行われる場合、正面ストロボ102、上ストロボ111、および足元ストロボ112の発光を強め、かつ、背面右ストロボ121および背面左ストロボ122の発光させるようにしてもよい。
全身撮影が行われる場合、利用者は、カメラ101からより離れた立ち位置で撮影を行う可能性があり、また撮影の範囲(画角)が広くなるため、上述のように各ストロボが発光することで、撮影に必要な発光量を確保するようにする。また、この場合、撮影空間A1の上方ほど明るく、下方ほど暗くなるので、ファッション雑誌等のモデルの撮影現場のような、顔が明るく写り、足元が暗く写る自然な状態を再現することができるようになる。
なお、この場合、図5を参照して説明したように、背面カーテン123および図示せぬ側面カーテンは、その色が床面に近づくほど明度が低くなるように配色されたように見えるが、足元が暗くなり過ぎてしまう恐れがある。
そこで、撮影空間A1における床面の色を、白色系(例えば白色)の色とする。これにより、撮影空間A1の上方ほど明るく、下方ほど暗くなった場合でも、足元が暗くなり過ぎることを防ぐことができる。
なお、以上においては、背面右ストロボ121および背面左ストロボ122の発光により、背面カーテン123および側面カーテンの色が床面に近づくほど明度が低くなるように配色されたように(グラデーションが施されたように)見えるようにしたが、背面カーテン123および側面カーテンの色自体を、そのような配色としてもよい。
また、床面は、背面カーテン123および側面カーテンの色にあわせて、その色を変更するようにしてもよいし、その色を背面カーテン123の色の補色としてもよい。
[編集処理の例]
次に、図23のフローチャートを参照して、図18のステップS4において行われる編集処理について説明する。
ステップS51において、編集処理部302は、おなまえ入力画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。おなまえ入力画面には、利用者それぞれの名前を入力させるためのキーやボタン等が表示される。
ステップS52において、編集処理部302は、プロフ(プロフィール)入力画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。プロフ入力画面には、利用者に対する質問を表す文章(例えば、「今日は誰と一緒?」や「今日はどこに行ったの?」など)や、その質問に対する回答となる選択肢が表示される。
ステップS53において、編集処理部302は、設定部312から供給された、撮影コースを表す設定情報に基づいて、beautyコースによって撮影が行われたか否かを判定する。
ステップS53において、beautyコースによって撮影が行われたと判定された場合、ステップS54において、編集処理部302は、背景選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。背景選択画面には、背景の色の選択を促すメッセージとともに、各種の色や柄の画像が背景画像として複数表示される。
背景画像は、撮影画像に写る利用者の背景として用いられる画像である。上述したように、beautyコースによる撮影はクロマキー用カーテンを下ろした状態で行われる。beautyコースによる撮影処理が行われた後の編集処理においては、クロマキー処理によって利用者の背景に背景画像が合成された撮影画像が編集対象の画像として用いられる。
なお、ここでは、撮影画像の枚数分、すなわち5枚の背景画像が利用者によって選択される。また、背景画像として、所定のテーマに沿った背景画像が5枚セットになったセット画像が表示され、選択されるようにしてもよい。
ステップS55において、編集処理部302は、記憶部202から5枚の撮影画像を読み出し、それぞれの撮影画像と背景画像とを合成する。すなわち、編集処理部302は、撮影画像において、利用者の背景領域を抽出し、抽出した領域に背景画像を合成するクロマキー処理を、各撮影画像を対象として行う。
一方、ステップS53において、beautyコースによって撮影が行われなかった、すなわち、edgyコースによって撮影が行われたと判定された場合、ステップS54,S55の処理はスキップされる。
ステップS56において、編集処理部302は、編集画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。編集画面には、背景画像が合成された撮影画像、または記憶部202から読み出された撮影画像が表示される。
図24は、編集画面の例を示す図である。
編集画面は、基本的に、主な構成が左右対象に設けられることによって構成される。左半分の領域である領域402Lは、タブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられる領域であり、右半分の領域である領域402Rは、タブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる領域である。中央上方の領域401には編集処理の残り時間が表示される。なお、図24の各領域を囲む破線は画面に実際に表示されるものではない。
領域402Lの中央上方のサムネイル画像表示領域411Lは、撮影画像を表すサムネイル画像の表示領域である。利用者(タブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者)は、サムネイル画像表示領域411Lに表示されているサムネイル画像を選択することによって、編集対象とする撮影画像を選択することができる。
図24の例においては、5枚の撮影画像を表すサムネイル画像P1乃至P5が撮影順に並べてサムネイル画像表示領域411Lに表示され、左端のサムネイル画像P1が選択されることによって、1枚目の撮影画像が編集対象とされている。
サムネイル画像表示領域411Lに表示されている5枚のサムネイル画像のうち、サムネイル画像P1乃至P3は利用者の上半身が写っているサムネイル画像であり、サムネイル画像P4,P5は利用者の全身が写っているサムネイル画像である。すなわち、図24の編集画面は、edgyコースによって撮影が行われた後の編集処理時に表示される画面である。
サムネイル画像表示領域411Lに表示されているサムネイル画像P1乃至P5は、編集対象画像生成部331により生成された編集対象の撮影画像を縮小した画像である。
領域402Lの略中央に形成された比較的大きな編集領域412Lは、編集対象として選択された撮影画像の表示領域である。図24の例においては、サムネイル画像表示領域411Lからサムネイル画像P1が選択されることによって、1枚目の撮影画像が表示されている。利用者は、タッチペン132Aを用いて編集ツールを選択し、編集領域412Lに表示された撮影画像の編集を行うことができる。
編集領域412Lの左側のペンツール選択領域413Lは、手書き入力に用いられるペンツールの選択ボタンの表示領域である。ペンツール選択領域413Lには、線の種類、太さ、色の選択に用いられるボタンが複数表示される。ペンツール選択領域413Lの選択ボタンは、編集画面が表示されている間、常時表示される。
編集領域412Lの下の編集用パレット表示領域414Lは、スタンプ画像などの各種の編集ツールの選択に用いられる編集用パレットの表示領域である。編集用パレットに表示される編集ツールは「PROF-select」、「ROUGH-design」、「HIGH-design」のカテゴリ毎に分かれており、それぞれのカテゴリ名が付されたタブを選択することによって、編集用パレット表示領域414Lに表示させる編集ツールを切り替えることができるようになされている。
図24の例においては、「PROF-select」のカテゴリが選択され、「PROF-select」のカテゴリに属する編集ツールの選択ボタンが表示されている。「PROF-select」のカテゴリに属する編集ツールが、編集処理の開始時に入力されたプロフィールに応じて切り替わるようにしてもよい。
編集領域412Lの右側の修正ツール選択領域415Lは、入力した編集を消すときに用いられるツールである消しゴムツールの選択に用いられるボタン、1つ前または1つ後の作業に戻るときに操作されるボタンなどが縦に並べて表示される領域である。
修正ツール選択領域415Lの右側の一括編集ボタン416Lは、予め決められた編集を一括して入力するときに操作されるボタンである。一括編集ボタン416Lの下には、領域402Rに跨る形で、編集時のBGMの設定を行うときに操作されるボタンの表示領域であるBGM設定領域417が形成される。
編集用パレット表示領域414Lの右側には、メイクアップツールを利用するときに操作されるメイクアップツールボタン418Lと、サーバに送信する画像の編集を行うときに操作されるケータイおまけボタン419Lが表示される。縦長長方形のケータイおまけボタン419Lには、「MOBILE ケータイおまけ」の文字と携帯電話機(スマートフォン)の外観の画像が表示されるとともに、スマートフォンの外観の画像に重ねて「PUSH」の文字が表示される。ケータイおまけボタン419Lに外観の画像が表示されているスマートフォンのディスプレイには、利用者が写る撮影画像が嵌め込まれている。
ケータイおまけボタン419Lが操作されると、ケータイおまけ(携帯端末用の待受画像や、メールやブログ等のテキストデータに添付される装飾画像であるオリジナルデコメ)の作成を行うことができる。
図25は、ケータイおまけボタン419Lが操作されたときにタブレット内蔵モニタ131に表示される、ケータイおまけ作成コース選択画面である。
図25のケータイおまけ作成コース選択画面には、ケータイおまけの作成コースとして、撮影画像の色調などを加工した後に編集を施し、ケータイおまけを作成する加工アプリ風コースを選択するための選択ボタン451と、通常の編集を施し、ケータイおまけを作成する通常コースを選択するための選択ボタン452とが表示されている。
また、図25のケータイおまけ作成コース選択画面には、ケータイおまけの作成をやめるときに操作されるやめるボタン453も表示されている。やめるボタン453が操作されると、タブレット内蔵モニタ131の表示は、図24に示される編集画面に戻る。
なお、撮影処理において、撮影コースとしてedgyコースが選択されている場合、編集対象となる画像は、クロマキー処理によって背景画像が合成されない画像となるので、色調などを加工した後に編集を施す加工アプリ風コースのみを選択可能とするように、選択ボタン452を表示させないようにする。
図24の説明に戻り、修正ツール選択領域415Lの上には、編集処理を終了するときに操作される終了ボタン420Lが表示される。
タブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者が使う領域402Rには、以上のような領域402Lの構成と同じ構成が位置を対称にして配置される。図24の例においては、サムネイル画像表示領域411Rからサムネイル画像P4を選択することによって、全身が写る4枚目の撮影画像が編集対象とされている。
なお、ペンツール選択領域413L,Rにおいて選択されるペンツールや、編集用パレット表示領域414L,Rにおいて選択されるスタンプ画像などの各種の編集ツールは、プロフ入力画面において利用者により選択された回答に応じて変更されるようにしてもよい。
これにより、利用者は、その日一緒にいる相手や、その日に行ってきた場所などにあった編集ツールを用いて編集作業を行うことができ、最終的に得られる画像を思い出深いものとすることができる。
さて、図23のフローチャートに戻り、ステップS57において、編集処理部302は、利用者による編集入力に従って撮影画像の編集を行う。
ステップS58において、編集処理部302は、編集終了か否かを判定し、編集終了ではないと判定した場合、ステップS57に戻り、撮影画像の編集を続ける。撮影画像の編集は、終了ボタン420L,420Rが操作されるまで、または制限時間が経過するまで続けられる。
一方、ステップS58において、編集終了であると判定された場合、ステップS59において、編集処理部302は、分割数選択画面をタブレット内蔵モニタ131に表示させる。分割数選択画面には、最終的に出力されるシール紙における、編集済み画像の配置を決定するためのシールレイアウトが表示される。
分割数選択画面から所定のシールレイアウトが選択されると、ステップS60において、編集処理部302は、利用者により選択されたシールレイアウトのシール紙イメージを、記憶部202に記憶させる。その後、図18のステップS4に戻り、それ以降の処理が行われる。
上述した編集処理において、撮影処理においてbeautyコースが選択されたか、または、edgyコースが選択されたかによる違いは、クロマキー処理によって背景画像が合成されるか否かのみである。そこで、例えば、プロフ入力画面において利用者により選択された回答に応じて利用者に提示される編集ツールを、撮影処理において選択された撮影コースに応じて変更させるようにしてもよい。
例えば、beautyコースが選択された場合には、ペンツールの線の種類、太さ、色を増やすようにしたり、edgyコースが選択された場合には、スタンプ画像を全てシンプルなものとする。
また、撮影処理において選択された撮影コース(beautyコースおよびedgyコース)は、利用者をかわいくきれいに写したり、よりおしゃれに写したりと、それぞれ目的が異なるので、その目的にあわせて、編集ツールの色味等が変更されるようにしてもよい。
これにより、撮影コースにあった編集作業を行うことができ、最終的に得られる画像を、その画像の写りにマッチした、より仕上がりのよいものとすることができる。
なお、ペンツールの中には、利用者による描画の方向によって、被写体とペン画像とが重なる部分で、ペン画像の方が上に表示されたり、被写体の方が上に表示される機能がある。撮影処理においてedgyコースが選択された場合には、背景画像が合成されないので、この機能は実現できないが、beautyコースが選択された場合には、背景画像が合成されるので、この機能は実現可能とされる。
また、撮影処理においてedgyコースが選択された場合、編集処理においては、背景画像の選択および合成の処理(ステップS54,S55)はスキップされてしまうため、edgyコースを選択した利用者と、beautyコースを選択した利用者とで、1ゲーム全体のプレイ時間に不公平が生じてしまう。
そこで、本実施の形態の写真シール作成ゲームにおいては、撮影処理においてedgyコースが選択された場合、編集作業の時間を、beautyコースが選択された場合より長く設定する。また、撮影処理においてedgyコースが選択された場合、通常5回行われる撮影を、beautyコースが選択された場合より多い回数、例えば6回行われるようにしてもよい。
以上においては、撮影処理においてbeautyコースが選択された場合、背景画像が選択され、その背景画像が撮影画像に合成されるクロマキー処理が行われるのは、編集処理の中であるものとしたが、撮影処理の中で行われるようにしてもよい。以下においては、beautyコースが選択された場合、撮影処理の中で背景画像が選択され、その背景画像が撮影画像に合成されるクロマキー処理が行われる例について説明する。
[撮影処理部の他の構成例]
図26の撮影処理部301は、入力受付部311、設定部312、撮影制御部313、照明制御部314、画像処理部315、および背景選択部511から構成される。
なお、図26の撮影処理部301において、図17の撮影処理部301と異なるのは、背景選択部511を新たに設けた点である。
背景選択部511は、撮影制御部313がクロマキー撮影を行う場合、クロマキー処理において撮影画像の背景に合成される背景画像の選択を受け付け、選択された背景画像を、利用者の背景領域が抽出された撮影画像に合成する。
[撮影処理について]
次に、図27のフローチャートを参照して、図26の撮影処理部301によって実行される撮影処理について説明する。
なお、図27のフローチャートにおけるステップS81乃至S89,S92乃至S102の処理は、図19のフローチャートにおけるステップS21乃至S40の処理と同様であるので、その説明は省略する。
すなわち、ステップS84乃至S89においてクロマキー撮影が行われた後、ステップS90において、撮影処理部301は、背景選択画面をタッチパネルモニタ92に表示させる。
利用者が、タッチパネルモニタ92の表面に指で触れるなどして、撮影回数分すなわち5枚の背景画像を選択すると、ステップS91において、背景選択部511は、背景画像の選択を受け付け、それぞれの撮影画像と合成する。
以上のように、撮影処理の中で、背景画像が選択され、その背景画像が撮影画像に合成されるクロマキー処理が行われるようになる。
なお、図27の撮影処理においては、ステップS84乃至S89においてクロマキー撮影が行われた後、背景画像が選択されるようにしたが、ステップS84乃至S89においてクロマキー撮影が行われる前、すなわち、beautyコースが選択された直後に、背景画像が選択されるようにしてもよい。
ところで、以上においては、選択された撮影コースに応じて、例えば5回全ての撮影として、クロマキー撮影が行われるか否かが設定されるものとしたが、例えば5回の撮影のうちの少なくとも1回の撮影として、クロマキー撮影が行われるか否かが設定されるようにしてもよい。
例えば、以上においては、撮影処理においてedgyコースが選択された場合には、クロマキー撮影は1回も行われないものとしたが、5回の撮影のうちの1,2,3枚目の撮影画像の撮影(アップ撮影および斜め撮影)をクロマキー撮影として行い、4,5枚目の撮影画像の撮影(全身撮影)を通常撮影として行うようにする。
この場合、全身撮影においてのみ、クロマキー撮影が行われないので、クロマキー処理によって、利用者の衣服の一部が変色したりすることを防ぐことができる。
また、クロマキー処理による利用者の衣服の一部の変色を防ぐために、複数のキー(色)のクロマキー用カーテンを用意するようにしてもよい。この場合、撮影制御部313が、カメラ101により取り込まれた動画像から、利用者の衣服の色を検出し、検出されなかった色のクロマキー用カーテンを用いて、クロマキー撮影を行うようにする。
なお、撮影制御部313が、カメラ101により取り込まれた動画像から、利用者が着用している着用物(衣服、帽子や靴、かばん、かつら等)の色を検出し、検出された色に応じて、撮影制御部313が、少なくとも1回の撮影としてクロマキー撮影を行うか否かが設定されるようにしてもよい。
また、以上においては、クロマキー撮影が行われる場合、クロマキー処理において、撮影画像には背景画像のみが合成されるものとしたが、撮影画像の前景となる前景画像もあわせて合成されるようにしてもよいし、前景画像のみが合成されるようにしてもよい。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図15に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク(MDを含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で管理者に配信される、プログラムが記録されているROM206や、記憶部202に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
以上において、印刷媒体は、シール紙や写真紙に限られるものではなく、例えば、所定のサイズの紙やフィルム、ポスター用の紙、テレホンカードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに印刷するようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
本発明の一側面の撮影装置は、撮影空間において利用者を被写体として複数回の撮影を行い、複数の撮影画像を取得する撮影制御部と、前記利用者により選択された撮影コースに応じて、前記撮影制御部が、前記複数回の撮影のうちの少なくとも1回の撮影に対して、前記撮影画像にクロマキー処理を施すためのクロマキー撮影を行うか否かを設定する設定部とを備え、前記設定部は、前記利用者により第1の撮影コースが選択された場合、前記撮影制御部が少なくとも1回の撮影に対して前記クロマキー撮影を行うことを設定し、前記利用者により第2の撮影コースが選択された場合、前記撮影制御部が全ての撮影に対して前記クロマキー撮影を行わないことを設定する。
本発明の一側面の撮影方法は、利用者を被写体として複数回の撮影を行い、複数の撮影画像を取得する撮影制御部を備える撮影装置の撮影方法であって、前記撮影装置が、前記利用者により選択された撮影コースに応じて、前記撮影制御部が、前記複数回の撮影のうちの少なくとも1回の撮影に対して、前記撮影画像にクロマキー処理を施すためのクロマキー撮影を行うか否かを設定するステップを含み、前記ステップは、前記利用者により第1の撮影コースが選択された場合、前記撮影制御部が少なくとも1回の撮影に対して前記クロマキー撮影を行うことを設定し、前記利用者により第2の撮影コースが選択された場合、前記撮影制御部が全ての撮影に対して前記クロマキー撮影を行わないことを設定する。
本発明の一側面においては、撮影空間において利用者を被写体として複数回の撮影が行われ、複数の撮影画像が取得され、利用者により選択された撮影コースに応じて、複数回の撮影のうちの少なくとも1回の撮影に対して、撮影画像にクロマキー処理を施すためのクロマキー撮影を行うか否かが設定される。利用者により第1の撮影コースが選択された場合、少なくとも1回の撮影に対してクロマキー撮影を行うことが設定され、利用者により第2の撮影コースが選択された場合、全ての撮影に対してクロマキー撮影を行わないことが設定される。