以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<写真シール作成装置の外観構成>
図1は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
写真シール作成装置1は、撮影画像や編集済みの画像を提供するゲーム機である。写真シール作成装置1は、画像をシール紙に印刷したり、利用者の携帯端末上で画像を閲覧可能にするためにその画像をサーバに送信したりすることで、利用者に画像を提供する。
写真シール作成装置1は、アミューズメント施設や店舗に設置される。写真シール作成装置1の利用者は、主に女子高校生や女子大学生などの若い女性が中心とされる。写真シール作成装置1において、1組あたり主に2人や3人などの複数人の利用者がゲームを楽しむことができる。もちろん、1人の利用者がゲームを楽しむこともできる。
写真シール作成装置1において、利用者は、自身が被写体となって撮影作業を行う。利用者は、編集作業を行うことによって、撮影によって得られた撮影画像に対して、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を合成させる。これにより、撮影画像が彩り豊かな画像に編集される。利用者は、編集済みの画像である編集画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。
写真シール作成装置1は、撮影ユニット11と編集ユニット12が接した状態で設置されることによって構成される。撮影ユニット11と編集ユニット12は電気的に接続される。撮影ユニット11は、人が中に入ることができる程度の大きさを有する箱形状の筐体を有する。
撮影ユニット11は、撮影部21と背景部22から構成される。撮影部21と背景部22は離して設置される。撮影部21と背景部22の間に設けられる空間が、利用者が撮影作業を行う撮影空間となる。
撮影部21は、利用者を被写体として撮影する装置である。撮影空間に臨む撮影部21の正面にはカメラなどが設けられる。撮影部21の、編集ユニット12と接する面には正面パネル41が設けられる。撮影空間にいる利用者から見て右側の面を右側面、左側の面を左側面とすると、撮影部21の右側面が側面パネル42Aにより構成され、左側面が側面パネル42B(図2)により構成される。
背景部22は、それぞれ板状の部材である背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52B(図2)から構成される。背面パネル51は、正面を向いている利用者の背面側に位置する。側面パネル52Aは、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル52Bは、背面パネル51の左端に取り付けられる。
側面パネル42Aと側面パネル52Aは、所定の間隔をあけてほぼ同一平面に設けられる。側面パネル42Aと側面パネル52Aの上部は、板状の部材である連結部31Aによって連結される。また、側面パネル42Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けられた例えば金属製の部材である連結部34によって連結される。
側面パネル42Bと側面パネル52Bも同様にほぼ同一平面に設けられる。側面パネル42Bと側面パネル52Bの上部は連結部31Bによって連結される。側面パネル42Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けた金属製の部材(図示せず)によって連結される。
側面パネル42A、連結部31A、および側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が、撮影空間の出入り口となる。また、側面パネル42B、連結部31B、および側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口も、撮影空間の出入り口となる。
撮影空間の上方には、撮影部21の正面パネル41、連結部31A、連結部31B、および背景部22の背面パネル51に囲まれる開口が形成される。その開口の一部を覆うように天井照明ユニット32が設けられる。天井照明ユニット32の一端は連結部31Aに固定され、他端は連結部31Bに固定される。
天井照明ユニット32の内部には蛍光灯が設けられる。天井照明ユニット32は、撮影空間の照明として機能するとともに、撮影を行っている利用者に対してストロボ光を照射する。
編集ユニット12は、撮影画像に編集を施すための装置である。編集ユニット12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル41に接するようにして、撮影ユニット11に連結している。
図1に示される編集ユニット12の構成を正面側の構成とすると、編集ユニット12の正面側と背面側のそれぞれに、編集作業で用いられる構成が設けられる。この構成により、2組の利用者が同時に編集を行うことができる。
編集ユニット12の正面側は、床面に対して垂直な面である面12Aと、面12Aの上方に形成された斜面12Bから構成される。斜面12Bには、編集作業に用いられる構成として、タブレット内蔵モニタやタッチペンが設けられる。
斜面12Bの上方右側には、照明装置73の一端を支持する柱状の支持部71A(図6)が設けられる。斜面12Bの左側には、照明装置73の他端を支持する柱状の支持部71Bが設けられる。支持部71Aの右側には板状のパネル72が設けられる。パネル72の上面にはカーテンレール75を支持する支持部74が設けられる。
編集ユニット12の上方にはカーテンレール75が取り付けられる。カーテンレール75は、3本のレール75A乃至75Cが組み合わされて構成される。3本のレール75A乃至75Cは、上から見たときの形状がコの字状となるように組み合わされる。平行に設けられるレール75Aとレール75Bの一端は、連結部31Aと連結部31Bにそれぞれ固定され、レール75Aとレール75Bの他端は、レール75Cの両端にそれぞれ接合される。
カーテンレール75には、編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。そのカーテンにより囲まれる編集ユニット12の正面前方の空間と背面後方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
後述するように、編集ユニット12の右側面には、印刷済みのシール紙が排出される排出口が設けられる。編集ユニット12の右側面前方の空間が、印刷が終了するのを利用者が待つ印刷待ち空間となる。
<利用者の移動について>
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について説明する。
図2は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
まず、利用者は、白抜き矢印#1で示されるように出入り口G1から、または白抜き矢印#2で示されるように出入り口G2から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入る。出入り口G1は側面パネル42Aと側面パネル52Aの間の開口であり、出入り口G2は側面パネル42Bと側面パネル52Bの間の開口である。利用者は、撮影空間A1において、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなどを利用して撮影作業を行う。
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#3で示されるように出入り口G1から撮影空間A1を出て編集空間A2−1に移動するか、白抜き矢印#4で示されるように出入り口G2から撮影空間A1を出て編集空間A2−2に移動する。
編集空間A2−1は、編集ユニット12の正面側の編集空間である。一方、編集空間A2−2は、編集ユニット12の背面側の編集空間である。利用者が編集空間A2−1と編集空間A2−2のいずれの空間に移動するのかは、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方が移動先として案内される。
編集空間A2−1または編集空間A2−2に移動した利用者は、編集作業を開始する。編集空間A2−1の利用者と編集空間A2−2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。
編集作業が終了した後、編集画像の印刷が開始される。印刷が開始されると、編集空間A2−1での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#5で示されるように編集空間A2−1から印刷待ち空間A3に移動する。また、編集空間A2−2での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#6で示されるように編集空間A2−2から印刷待ち空間A3に移動する。印刷待ち空間A3に移動した利用者は、印刷が終了するのを待つ。
印刷が終了すると、利用者は、編集ユニット12の右側面に設けられた排出口から排出されたシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終える。
次に、各部の構成について説明する。
<撮影部の構成>
図3は、撮影部21の構成例を示す斜視図であり、図4は、撮影部21の構成例を示す正面図である。
撮影部21の外枠は、複数のキャスターが取り付けられたベース部43に、正面パネル41、側面パネル42A、および側面パネル42Bが立設して構成される。
正面パネル41の略中央には、略箱形状の撮影・表示ユニット101が設けられる。撮影・表示ユニット101の正面側には、上から順に、前下がりの斜面101A、垂直に対して僅かに前傾した斜面101B、および、斜面101Aより急な斜面101Cが形成される。
斜面101Bの略中央には円形の開口部が形成され、開口部には、撮影空間A1にいる利用者を撮影するカメラ111のレンズが設けられる。撮影・表示ユニット101の内部には、例えば一眼レフカメラであるカメラ111がチルト可能に取り付けられている。
斜面101Cにはタッチパネルモニタ112が設けられる。タッチパネルモニタ112は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。
タッチパネルモニタ112は、カメラ111により取り込まれた動画像(以下、ライブビュー画像ともいう)を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUI(Graphical User Interface)を表示して利用者の操作を受け付ける機能とを備える。タッチパネルモニタ112には、カメラ111により取り込まれたライブビュー画像や撮影画像が表示される。撮影画像は、所定のタイミングでカメラ111により取り込まれた静止画像である。
後に詳述するように、利用者は、自身の全身が写る画像である全身画像と、顔部分を中心として、自身の略胸から上の範囲が大きく写る画像であるアップ画像を撮影することができる。
正面パネル41には、撮影・表示ユニット101を挟んで対称に発光部102Lと発光部102Rが形成される。発光部102Lと発光部102Rは、例えば正面パネル41に形成された細幅の溝に、透光性を有するカバーが嵌め込まれることによって構成される。正面パネル41に形成された細幅の溝にはLEDなどの発光体が設けられる。
図4に示すように、撮影・表示ユニット101の左側の発光部102Lは、細幅の直線状部102L−1乃至102L−3から構成される。直線状部102L−2は、その長さを撮影・表示ユニット101の縦方向の長さと略同じ長さにするように垂直方向に形成される。直線状部102L−1は、直線状部102L−2の上端から右斜め上方に向けて形成され、直線状部102L−3は、直線状部102L−1の下端から右斜め下方に向けて形成される。
一方、撮影・表示ユニット101の右側の発光部102Rは、細幅の直線状部102R−1乃至102R−3から構成される。直線状部102R−2は、その長さを撮影・表示ユニット101の縦方向の長さと略同じ長さにするように垂直方向に形成される。直線状部102R−1は、直線状部102R−2の上端から左斜め上方に向けて形成され、直線状部102R−3は、直線状部102R−2の下端から左斜め下方に向けて形成される。
図4に示されるように、発光部102Lと発光部102Rを合わせた形状は略六角形になる。発光部102Lと発光部102Rが発光することにより、撮影空間A1の印象としてシャープな印象を演出することができる。
撮影・表示ユニット101の上方には、曲面のカバーを利用者に向けた上ストロボユニット103が設置される。上ストロボユニット103は、所定の取り付け部材を用いて、正面パネル41などに固定される。上ストロボユニット103は、正面上方から、利用者の顔の付近にストロボ光を照射する。
また、上ストロボユニット103は、発光量を大きく設定することで、利用者を照射するメインの照明として利用することができる。また、上ストロボユニット103は、ストロボ光によって利用者に影やハイライトが発生しないように、利用者から一定距離を設けた位置に配置することが好ましい。また、上ストロボユニット103は、利用者が背景側の立ち位置となった場合でも立体感が生じるようにストロボ光を照射することができる角度で固定される。
なお、利用者がアップ撮影を行う立ち位置に立ったときに、上ストロボユニット103によるストロボ光が届かずに利用者の髪の上部が暗くなる領域が発生することを回避するために、図2の天井照明ユニット32から照射されるストロボ光により利用者の髪の上部を明るくすることができる。また、利用者が全身撮影を行う立ち位置に立ったときに、上ストロボユニット103では表現することができない立体感を得るために、天井照明ユニット32からのストロボ光を補助光として明るさを補うことができる。
撮影・表示ユニット101の下方には、カメラ111による撮影に合わせて利用者の下半身にストロボ光を照射する足元ストロボユニット104が設けられる。足元ストロボユニット104の正面は垂直面を形成する板状部材121により構成され、上面は緩やかな斜面を形成する板状部材122により構成される。板状部材121と板状部材122は、乳白色のアクリル板などの透光性を有する板状部材である。
例えば、板状部材122を介して利用者に照射される足元ストロボユニット104のストロボ光は、利用者の顔の顎部分や首部分に影が発生することを防止する。また、板状部材121を介して利用者に照射される足元ストロボユニット104のストロボ光は、全身撮影時において利用者の足元を照射し、足元が暗くなることを防止して、利用者の足元まで光を届けることができる。さらに、板状部材122を介して利用者に照射される足元ストロボユニット104のストロボ光は、例えば、利用者が背景側の立ち位置となった場合に、利用者の顔の顎部分や首部分に影が発生することを防止する。
足元ストロボユニット104の板状部材121の左右には、垂直面を構成する板状部材123Lと板状部材123Rがそれぞれ設けられる。板状部材123Rには、利用者が硬貨を投入する硬貨投入口が設けられる。
足元ストロボユニット104の板状部材122の左右には、板状部材122と同様の緩やかな斜面を形成する板状部材124Lと板状部材124Rがそれぞれ設けられる。板状部材124Lと板状部材124Rにより形成される斜面は、利用者が手荷物を置くためなどに用いられる。
図示はしないが、正面パネル41の例えば天井付近にはスピーカが設けられる。そのスピーカは、撮影作業に関する案内音声、BGM、効果音などを出力する。
<背景部の構成>
図5は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。
背面パネル51の上方中央には背面上ストロボ131が設けられる。また、背面パネル51の上方右側(図中、左側)には背面右ストロボ132が設けられ、背面パネル51の上方左側(図中、右側)には背面左ストロボ133が設けられる。
背面上ストロボ131は、後方上側から利用者にストロボ光を照射する。背面右ストロボ132は、後方右側から利用者にストロボ光を照射する。背面左ストロボ133は、後方左側から利用者にストロボ光を照射する。また、背面上ストロボ131は、髪を染めた利用者の頭頂部の生え際において髪の黒い部分を、より明るくすることができる。また、背面右ストロボ132および背面左ストロボ133は、利用者の両側の髪をより明るくすることができる。
背面パネル51の撮影空間A1側(図中、手前側)の面は例えば緑色の面となる。また、図示はしないが、側面パネル52A,52Bそれぞれの撮影空間A1側の面も例えば緑色の面である。
これらの面の緑色は、クロマキ処理によって利用者の領域を抽出するための色である。これにより、撮影画像に対してクロマキ処理を施し、利用者が所望する背景画像を、撮影画像の背景部分に合成することができる。なお、これらの面の色は、クロマキ処理を行うことができる色であればよく、青色などの他の色であってもよい。
または、背面パネル51の撮影空間A1側(図中、手前側)の面を例えば白色の面とし、撮影と連動して、適宜、撮影空間内に、例えば緑色のクロマキ用のカーテンを昇降させる背景カーテンユニットを設けてもよい。また、撮影空間における背景部22側の床面に、クロマキ用のカーテンと同様例えば緑色のクロマキ用のシートが敷かれている。そして、例えば、緑色のクロマキ用のカーテンを降下させた状態でアップ撮影を行い、緑色のクロマキ用のカーテンを上昇させた状態の白色の背景で全身撮影を行う。これにより、全身撮影において撮影画像に写り込む床面に対してクロマキ処理を施すことで、利用者が所望する合成用画像を床面に合成することができる。
なお、例えば、背景カーテンユニットが機械的に故障してクロマキ用のカーテンを降下させることができない場合には、その故障が復旧するまで、全身撮影を行わずに、アップ撮影のみを行うようにしてもよい。その後、例えば、メンテナンスを行って背景カーテンユニットが正常な状態になると、アップ撮影と全身撮影とを選択することができるようになる。
<編集ユニットの構成>
図6は、編集ユニット12の正面側(編集空間A2−1側)の構成例を示す図である。
斜面12Bのほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ141が設けられる。タブレット内蔵モニタ141の左右にはタッチペン142Aとタッチペン142Bが設けられる。
タブレット内蔵モニタ141は、タッチペン142A,142Bを用いた操作入力を受け付ける。タブレット内蔵モニタ141には、編集作業に用いられる編集画面などが表示される。例えば、タッチペン142Aはタブレット内蔵モニタ141に向かって左側に立つ利用者により用いられ、タッチペン142Bはタブレット内蔵モニタ141に向かって右側に立つ利用者により用いられる。以下、適宜、タッチペン142Aとタッチペン142Bを区別する必要がない場合、タッチペン142という。
図7は、編集ユニット12の右側面の構成例を示す図である。
編集ユニット12の右側面の下部にはシール紙排出口151が設けられる。編集ユニット12の内部にはプリンタが設けられる。そのプリンタにより、編集空間A2−1の利用者が編集を行った画像、または、編集空間A2−2の利用者が編集を行った画像が所定のレイアウトでシール紙に印刷され、シール紙排出口151から排出される。
<写真シール作成装置の内部構成>
図8は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)などにより構成される。制御部201は、ROM(Read Only Memory)206や記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、撮影部208の各構成、編集部209A,209Bの各構成、およびプリンタ241も接続される。
記憶部202は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶部202は、制御部201から供給された各種の設定情報などを記憶する。記憶部202に記憶されている情報は制御部201により適宜読み出される。
通信部203は、インターネットなどのネットワークのインタフェースである。通信部203は、制御部201による制御に従って外部の装置と通信を行う。通信部203は、例えば、利用者により選択された撮影画像をサーバに送信する。通信部203から送信された画像は、サーバにおいて所定の記憶領域が割り当てられて保存され、サーバにアクセスしてきた携帯端末に表示されたり、ダウンロードされたりする。
ドライブ204には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205が適宜装着される。ドライブ204によりリムーバブルメディア205から読み出されたプログラムやデータは、制御部201に供給され、記憶部202に記憶されたり、インストールされたりする。
ROM206は、制御部201において実行されるプログラムやデータを記憶する。RAM207は、制御部201が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
撮影部208は、撮影空間A1にいる利用者を対象とした撮影処理を実現する。撮影部208は、硬貨処理部221、照明装置222、カメラ111、タッチパネルモニタ112、およびスピーカ223から構成される。
硬貨処理部221は、硬貨投入口への硬貨の投入を検出する。硬貨処理部221は、例えば400円などの所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、ゲームの開始を指示する起動信号を制御部201に出力する。
照明装置222は、上ストロボユニット103、足元ストロボユニット104などの、撮影空間A1内に設けられる各照明装置である。照明装置222のそれぞれは、制御部201から供給される照明制御信号に従って発光する。
カメラ111は、制御部201によるシャッタ制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像のデータを制御部201に出力する。
ここで、カメラ111は、焦点距離を変更してズームインまたはズームアウトを行うことができるズーム機構を備えており、所望の撮影範囲でトリミングした撮影を行うことができる。このようなカメラ111によって、利用者の立ち位置を変更することなく、利用者の顔部分を中心として略胸から上の範囲が大きく写る画像であるアップ画像を撮影するアップ撮影と、利用者の全身が写る画像である全身画像を撮影する全身撮影とを行うことができる。
例えば、写真シール作成装置1では、撮影画像を5枚撮影する場合、1枚目から3枚目までアップ撮影を行い、4枚目および5枚目については、アップ撮影と全身撮影とのいずれかを利用者の選択に従って行うことができる。なお、全身撮影を行う際に、カメラ111のチルト角を調節可能としたり画像処理を施したりすることによって、利用者の全身を利用者の正面前方から撮影する正面全身撮影、または、利用者の全身を利用者の斜め上前方から撮影する上から全身撮影を行うことができる。
編集部209Aは、編集空間A2−1にいる利用者を対象とした編集処理を実現する。編集部209Aは、タブレット内蔵モニタ141、タッチペン142A,142B、およびスピーカ231から構成される。編集部209Bは、編集部209Aと同一の構成を有し、編集空間A2−2にいる利用者を対象とした編集処理を実現する。
タブレット内蔵モニタ141は、制御部201による制御に従って各種の画面を表示し、表示した画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給される。
プリンタ241は、制御部201から供給された印刷データに基づいて、シール紙ユニット242に収納されているシール紙に編集画像を印刷する。プリンタ241は、編集画像を所定のレイアウトで印刷したシール紙をシール紙排出口151に排出する。
<制御部の構成>
図9は、制御部201の機能構成例を示すブロック図である。図9に示す機能部のうちの少なくとも一部は、制御部201内のCPUにより所定のプログラムが実行されることによって実現される。
制御部201は、撮影処理部301、編集処理部302、および印刷処理部303から構成される。
撮影処理部301は、撮影部208の各部を制御して撮影処理を行う。編集処理部302は、編集部209A,209Bの各部を制御して編集処理を行う。印刷処理部303は、プリンタ241を制御して編集画像をシール紙に印刷する。
図10は、撮影処理部301の構成例を示すブロック図である。
撮影処理部301は、表示制御部311、入力受付部312、撮影制御部313、ガイダンス出力制御部314、および画像処理部315から構成される。
表示制御部311は、タッチパネルモニタ112の表示を制御する。例えば、表示制御部311は、タッチパネルモニタ112に、カメラ111に取り込まれた動画像をライブビュー表示させたり、撮影結果である撮影画像を表示させたりする。
入力受付部312は、タッチパネルモニタ112に対する、利用者による操作入力を受け付ける。
撮影制御部313は、カメラ111を制御し、利用者を被写体として撮影を行い、撮影画像を取得する。
ガイダンス出力制御部314は、撮影の進め方などを説明するガイダンスの出力を制御する。ガイダンス出力制御部314は、表示制御部311を制御し、撮影の進め方などを説明する画面を表示させたり、音声をスピーカ223から出力させたりする。
画像処理部315は、カメラ111に取り込まれた動画像や撮影画像に所定の画像処理を施す。
<写真シール作成装置の動作>
ここで、図11のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の動作について説明する。図11の処理は、所定の金額分の硬貨が硬貨投入口に投入されたときに開始される。
ステップS1において、撮影処理部301は、撮影部208を制御して撮影処理を行う。撮影処理では、例えば、人数や撮影コースを選択する処理や、利用者を個別識別するための処理、撮影する際の立ち位置などをガイダンスする処理などの各種の処理が行われた後に、利用者を被写体とした撮影が行われる。
また、撮影処理では、撮影コースに応じて、異なる写りの撮影画像が生成される。被写体の写りは、撮影画像に施す画像処理の種類などによって変わる。例えば、被写体の写りは、撮影画像における人物領域の彩度、明度、シャープネス、コントラストなどの少なくともいずれかを調整することで決定される。撮影画像に対しては、彩度、明度、シャープネス、コントラストなどの各種のパラメータを調整する画像処理が施される。被写体の写りを、撮影空間A1内の各ストロボの発光量や発光タイミングなどを制御することで変えるようにしてもよい。
そして、人数や撮影コースが選択されたとき、撮影処理部301は、カメラ111を制御して動画像の取り込みを開始する。撮影処理部301は、取り込まれた動画像をライブビュー画像としてタッチパネルモニタ112に表示させる。利用者は、ライブビュー画像を見ることで自分たちの写り方を確認することができる。なお、編集処理の詳細については図12のフローチャートを参照して後述する。
ステップS2において、編集処理部302は編集処理を行い、編集画像を生成する。編集処理においては、編集画面がタブレット内蔵モニタ141に表示され、撮影画像の編集が行われる。編集画面が表示されるタブレット内蔵モニタ141は、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に設けられているモニタである。
例えば、編集処理では、背景画像の選択に用いられる複数のボタンが並ぶ背景選択領域を、サムネイル画像や編集対象の撮影画像などと同時に、撮影画像の編集に用いられる編集画面に表示させて、背景画像の選択を行わせることができる。また同様に、前景画像も選択を行わせることができる。そして、背景画像および前景画像を撮影画像に合成するような編集を行うことができる。
編集画面を用いた撮影画像の編集は、予め設定された制限時間が経過するか、編集画面に表示された終了ボタンが操作されたときに終了される。撮影画像の編集が終了したとき、レイアウトの選択、携帯専用画像の選択などが行われ、その後、印刷待ち空間A3への移動が案内される。
ステップS3において、印刷処理部303は、プリンタ241を制御し、編集処理によって得られた編集画像をシール紙に印刷する。なお、撮影処理により得られた撮影画像に対して編集が施されていない場合、撮影画像がそのままシール紙に印刷される。
ステップS4において、プリンタ241は、編集画像が印刷されたシール紙をシール紙排出口151に排出し、処理を終了させる。
<撮影処理>
次に、図12のフローチャートを参照して、図11のステップS1において行われる撮影処理について説明する。
ステップS11において、利用者を対象とした撮影を行う前の初期処理として、例えば、撮影処理部301は、人数や撮影コースを選択する処理や、利用者を個別識別するための処理、撮影する際の立ち位置などをガイダンスする処理などの各種の処理を行う。そして、それらの処理が終了した後、表示制御部311は、複数枚の撮影画像の撮影を案内する撮影案内画面をタッチパネルモニタ112に表示する。このとき、後述の図13に示すように、1枚目の撮影画像を撮影する際に利用者が見本とするポーズのモデルが写されたモデル画像が中央に表示された撮影案内画面がタッチパネルモニタ112に表示される。そして、モデル画像が所定の時間表示されると処理はステップS12に進む。
ステップS12において、表示制御部311は、タッチパネルモニタ112に表示されているモデル画像から切り替えて、後述の図14に示すように、カメラ111により撮影中の動画像であるライブビュー画像が中央に表示された撮影案内画面を表示する。そして、ライブビュー画像が所定の時間表示された後、表示制御部311は、タッチパネルモニタ112に撮影前のカウントダウンを表示し、撮影のタイミングになると処理はステップS13に進む。
ステップS13において、撮影制御部313は、カメラ111により利用者を被写体として撮影を行って撮影画像を取得し、ステップS14において、表示制御部311は、その撮影画像をタッチパネルモニタ112に表示して、撮影結果を利用者に確認させる。
ステップS15において、撮影処理部301は、ステップS13でのカメラ111による撮影が所定回数繰り返して行われて、例えば、撮影が5回数繰り返して行われて、5枚の撮影画像が取得されたか否かを判定する。
ステップS15において、撮影処理部301が、5枚の撮影画像が取得されていないと判定した場合、処理はステップS16に進む。
ステップS16において、表示制御部311は、後述の図15に示すように、タッチパネルモニタ112の中央に表示されていた撮影画像をタッチパネルモニタ112の両側に移行して表示させ、次のモデル画像が中央に表示された撮影案内画面を表示する。
ステップS16の処理後、処理はステップS12に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。そして、以下の処理では、1回前のステップS13で撮影において取得された撮影画像が、タッチパネルモニタ112の両側に表示された状態で、ステップS12乃至S14の処理が行われる。
ここで、例えば5回の撮影のうち1回目から3回目までの撮影でアップ画像が取得され、4回目と5回目の撮影で全身画像が取得される。そして、撮影処理部301は、それぞれの撮影画像の種類に応じて、カメラ111の画角を調整する等の処理を行う。
例えば、全身画像として、利用者の膝から上の全身が写るように撮影が行われ、斜め上から見た利用者の全身が写る画像と、正面から見た利用者の全身が写る画像が生成されるようにしてもよい。前者の全身画像は、撮影・表示ユニット101の位置を高い位置にして、利用者を上から見下ろすようにして撮影することによって得られた静止画に基づいて生成される。また、後者の全身画像は、撮影・表示ユニット101の位置を前者の全身画像の撮影時の位置より低い位置にして、利用者を正面から撮影することによって得られた静止画に基づいて生成される。この場合、例えば、撮影・表示ユニット101の高さとカメラ111の角度を調整することが可能とされる。利用者は、アングル(撮影方向)が異なる全身画像を撮影することができる。
一方、ステップS15において、撮影処理部301が、5枚の撮影画像が取得されたと判定した場合、処理はステップS17に進む。
ステップS17において、表示制御部311は、後述の図17を参照して説明するように、5枚の撮影画像の中から、撮り直しの対象とする撮影画像である撮り直し対象画像を選択する撮り直し対象選択画面をタッチパネルモニタ112に表示する。そして、入力受付部312は、その撮り直し対象選択画面に対する利用者の操作入力に従って、撮り直し対象画像の選択を受け付け、その選択の決定を受け付ける。
ステップS18において、撮影処理部301は、入力受付部312が受け付けた利用者の操作入力に従って撮影画像の撮り直しを行うか否かを判定し、撮影画像の撮り直しを行うと判定した場合、処理はステップS19に進む。
ステップS19において、表示制御部311は、後述の図20に示すように、撮り直し対象画像が両側に表示され、その撮り直し対象画像として選択された撮影画像を撮影した際に表示されていたのと同一のモデル画像が中央に表示された撮影案内画面を表示する。
ステップS20において、表示制御部311は、タッチパネルモニタ112に表示されているモデル画像から切り替えて、後述の図21に示すように、カメラ111により撮影中の動画像であるライブビュー画像が中央に表示された撮影案内画面を表示する。そして、ライブビュー画像が所定の時間表示された後、表示制御部311は、タッチパネルモニタ112に撮影前のカウントダウンを表示し、撮影のタイミングになると処理はステップS21に進む。
ステップS21において、撮影制御部313は、カメラ111により利用者を被写体として撮影を行って撮影画像を取得し、ステップS22において、表示制御部311は、その撮影画像をタッチパネルモニタ112に表示して、撮影結果を利用者に確認させる。
ステップS23において、表示制御部311は、後述の図22に示すように、ステップS17で選択された撮り直し対象画像、および、ステップS21の撮影で取得された撮影画像のいずれか一方を選択させる撮り直し後選択画面をタッチパネルモニタ112に表示する。そして、入力受付部312は、その撮り直し後選択画面に対する利用者の操作入力を受け付ける。
ステップS23の処理後、または、ステップS18において撮影処理部301が撮影画像の撮り直しを行わないと判定した場合、処理は終了される。
その後、撮影処理部301のガイダンス出力制御部314は、撮影を終えた利用者に対して、編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動を案内する。編集空間への移動の案内は、タッチパネルモニタ112に案内画面を表示させることによって、または音声をスピーカ223から出力させることによって行われる。
なお、ステップS15において、5枚の撮影画像が取得されたと判定される他、例えば、5枚以下の撮影画像しか取得されていなくても、処理を開始してから所定時間が経過したと判定された場合に、処理がステップS17に進むようにしてもよい。例えば、利用者が1枚目のコインを投入してから、最後(4枚目)のコインを投入せずに所定時間が経過した場合、写真シール作成装置1が稼働状況ではないため、接客数が減少する結果、収益性が悪化することが想定される。
そのため、例えば、利用者が4回しか撮影していなくても、所定時間が経過した利用者に対しては、撮影回数を1回減らすようにすることができる。この場合、撮影回数を減らした枚数だけ、撮影済みの画像と同一の画像を写真シール作成装置1において生成することができる。このように同一の画像を生成したとき、写真シール作成装置1は、その同一の画像が撮り直し対象として選択されると、上述のステップS23において、その撮り直し対象画像と、撮り直しを行った後の画像とを撮り直し後選択画面に表示させ、利用者に選択させることができる。
<撮影案内画面の表示例>
図13乃至図16を参照して、撮影処理部301による撮影処理においてタッチパネルモニタ112に表示される撮影案内画面について説明する。
図13は、図12のステップS11においてタッチパネルモニタ112に表示される撮影案内画面の一例を示す図である。
撮影案内画面の略中央には中央画像表示領域401が設けられ、中央画像表示領域401には、撮影の際に利用者が見本とするポーズのモデルが写されたモデル画像が表示される。また、中央画像表示領域401の下方には、ナレーション「カメラ目線でポーズ!」が表示される。
撮影案内画面の下側には、5つのサムネイル画像表示領域402乃至406が横方向に並んで表示され、これから撮影を行う予定の5枚のモデル画像がそれぞれ表示される。サムネイル画像表示領域402乃至406に表示される5枚のモデル画像のうち、画像表示領域402乃至404に表示される3枚のモデル画像がアップ画像とされ、画像表示領域405および406に表示される2枚のモデル画像が全身画像とされる。また、サムネイル画像表示領域402乃至406のうち、これから行われる撮影に対応するモデル画像が表示されているサムネイル画像表示領域は、選択枠407で強調表示される。
図13の例では、1枚目の撮影画像の撮影の際に利用者が見本とするモデル画像が中央画像表示領域401に表示され、そのモデル画像が表示されているサムネイル画像表示領域402が選択枠407で強調表示される。
図14は、図12の1回目のステップS12においてタッチパネルモニタ112に表示される撮影案内画面の一例を示す図である。
撮影案内画面の中央画像表示領域401には、カメラ111により撮影中の動画像であるライブビュー画像が表示される。つまり、中央画像表示領域401の表示が、図13のモデル画像から、ライブビュー画像に切り替えられる。なお、サムネイル画像表示領域402乃至406には、図13と同様に、5枚のモデル画像が表示されるとともに、1枚目のモデル画像が表示されているサムネイル画像表示領域402が選択枠407で強調表示されている。
その後、図12のステップS13で撮影が行われ1枚目の撮影画像が取得されると、ステップS14において、その撮影画像が中央画像表示領域401に表示される。
図15は、図12のステップS16においてタッチパネルモニタ112に表示される撮影案内画面の一例を示す図である。
撮影案内画面では、中央画像表示領域401の左側に配置される左側画像表示領域408、および、中央画像表示領域401の右側に配置される右側画像表示領域409に、直前まで中央画像表示領域401に表示されていた1枚目の撮影画像が表示される。そして、中央画像表示領域401には、2枚目の撮影画像の撮影の際に利用者が見本とするモデル画像が表示される。
また、左側画像表示領域408および右側画像表示領域409の下方には、それぞれナレーション「こんな風にとれたよ」が表示される。さらに、サムネイル画像表示領域402では1枚目の撮影画像に表示が変更され、2枚目のモデル画像が表示されているサムネイル画像表示領域403が選択枠407で強調表示される。
図16は、図12の2回目のステップS12においてタッチパネルモニタ112に表示される撮影案内画面の一例を示す図である。
撮影案内画面の左側画像表示領域408および右側画像表示領域409には、図15と同様に、1枚目の撮影画像が表示される。そして、中央画像表示領域401の表示は、図15のモデル画像から、カメラ111により撮影中の動画像であるライブビュー画像に切り替えられる。なお、サムネイル画像表示領域402乃至406には、図15と同様に、1枚目の撮影画像がサムネイル画像表示領域402に表示されるとともに、2枚目から5枚目のモデル画像がサムネイル画像表示領域403乃至406に表示され、サムネイル画像表示領域403が選択枠407で強調表示される。
このように、撮影処理部301は、1回前のステップS13で撮影された撮影画像が、左側画像表示領域408および右側画像表示領域409に表示された状態で、2回目以降のステップS12乃至S14の処理を行う。従って、2人の利用者が左右に並んで撮影を行う場合には、左側の利用者は左側画像表示領域408に表示された撮影画像を確認し、右側の利用者は右側画像表示領域409に表示された撮影画像を確認することができる。
<取り直し対象選択画面の表示例>
図17は、図12のステップS17においてタッチパネルモニタ112に表示される取り直し対象選択画面の一例を示す図である。
取り直し対象選択画面の上方には、ナレーション「撮りなおしたい画像を1枚まで選んでね!」が表示され、その下に、撮り直しの対象として選択可能な5枚の撮影画像411乃至415と、撮り直しを行わないときに操作されるボタン416とが表示される。また、取り直し対象選択画面の右下隅には、選択した撮り直し対象画像を決定するときに操作されるボタン417が表示される。
例えば、図17の上側に示すような取り直し対象選択画面が表示され、利用者が撮影画像411を選択する操作入力(例えば、撮影画像411のタッチ)を行うと、図17の下側に示すように、撮影画像411が選択枠418で強調表示される。その後、利用者が、ボタン417に対する操作入力を行うと、撮影画像411を撮り直し対象画像とする選択が決定される。一方、利用者が、ボタン416に対する操作入力を行うと、撮影画像の撮り直しを行わないことが決定される。
このように、取り直し対象選択画面には、撮影した全ての画像が表示されるため、この例では5枚の撮影画像の全てが表示されるため、利用者が撮り直しをしたい撮影画像を迅速に見つけて選択することができる。例えば、撮影画像を1枚ずつ表示させて撮り直し対象画像として選択させるような方法よりも、より短時間で撮り直し対象画像を選択することができる。これにより、ゲームの回転数が低下するようなことを回避することができる。
なお、例えば、取り直し対象選択画面としては、図17に示す例の他、例えば、プリンタ241によりシール紙に印刷されるシールレイアウトの状態で撮影画像が表示されるようにしてもよい。このように、シールレイアウトの状態で撮影画像が表示されることで、利用者は、どのような状態でシール紙が印刷されるのかを把握することができる。
図18には、取り直し対象選択画面の第1の変形例が示されている。
撮り直し対象画像を選択する前にシールレイアウトの分割数を選択する処理を行い、その処理で選択された分割数に従ったシールレイアウトで、利用者が写された撮影画像411乃至415が合成されたシールレイアウト画像421がタッチパネルモニタ112に表示される。従って、利用者は、プリンタ241によりシール紙に印刷されるシールレイアウトで撮影画像411乃至415が配置されたシールレイアウト画像421を確認しながら、撮り直し対象画像を選択することができる。
図19には、取り直し対象選択画面の第2の変形例が示されている。
図19に示すように、よりデザイン性の高いシールレイアウトで、利用者が写された撮影画像411乃至415が合成されたシールレイアウト画像422がタッチパネルモニタ112に表示される。従って、利用者は、プリンタ241によりシール紙に印刷されるデザイン性の高いシールレイアウトで撮影画像411乃至415が配置されたシールレイアウト画像422を確認しながら、撮り直し対象画像を選択することができる。
例えば、図18のシールレイアウト画像421では、撮影時と同一の画角の撮影画像411乃至415が表示されていたのに対し、図19のシールレイアウト画像422では、デザイン性を高めるために撮影時とは異なる画角となるようにトリミングされた撮影画像411乃至415が配置される。シールレイアウト画像422では、例えば、撮影時に1:1.2の縦横比の画像を、1:1.1の縦横比でトリミングしたり、真円形状でトリミングしたりすることで生成された撮影画像が配置される。なお、撮影画像414および415は、切り出し位置が自動的に抽出されており、例えば、顔情報に基づいて顔部分で切り出したり、人物情報に基づいて足や腰などの部分的に切り出したりすることができる。
<撮り直し撮影時の撮影案内画面の表示例>
図20は、図12のステップS19においてタッチパネルモニタ112に表示される撮影案内画面の一例を示す図である。
例えば、取り直し対象選択画面(図17)において撮影画像411が撮り直し対象画像として選択された場合、撮影案内画面の中央画像表示領域401には、撮り直し対象画像として選択された撮影画像を撮影した際に表示されていたとの同一のモデル画像が表示される。また、サムネイル画像表示領域402には、撮り直し対象画像として選択された撮影画像に替えてモデル画像が表示され、サムネイル画像表示領域402が選択枠407で強調表示される。そして、左側画像表示領域408および右側画像表示領域409には撮り直し対象画像が表示され、その下方には、ナレーション「撮りなおし前の画像だよ」がそれぞれ表示される。また、サムネイル画像表示領域403乃至406において、撮り直し対象画像以外の撮影画像が半透明で表示される。
このように、モデル画像が表示されるサムネイル画像表示領域402が選択枠407で強調表示されるとともに、撮り直し対象画像以外の撮影画像が半透明で表示されることにより、利用者は、どの撮影画像が撮り直しの対象となっているかを確実に認識することができる。
図21は、図12のステップS20においてタッチパネルモニタ112に表示される撮影案内画面の一例を示す図である。
撮影案内画面の中央画像表示領域401には、カメラ111により撮影中の動画像であるライブビュー画像が表示される。つまり、中央画像表示領域401の表示が、図20のモデル画像から、ライブビュー画像に切り替えられる。また、左側画像表示領域408および右側画像表示領域409には、図20と同様に、撮り直し対象画像が表示される。さらに、図20と同様に、サムネイル画像表示領域402にはモデル画像が表示されて選択枠407で強調表示され、サムネイル画像表示領域403乃至406では、撮り直し対象画像以外の撮影画像が半透明で表示される。
そして、図21に示すように中央画像表示領域401にライブビュー画像が表示され、撮り直し撮影を行って撮影画像が取得される(図12のステップS21)と、その撮影画像が中央画像表示領域401に表示される。
このように、撮り直し撮影においては、左側画像表示領域408および右側画像表示領域409に撮り直し対象画像が表示される。これにより、2人の利用者が左右に並んで撮影を行う場合には、左側の利用者は左側画像表示領域408に表示された撮影画像を確認し、右側の利用者は右側画像表示領域409に表示された撮影画像を確認することができる。従って、利用者それぞれの近くに表示される撮影画像によって容易に確認することができる。
このように、中央画像表示領域401にライブビュー画像の表示中に撮り直し撮影を行うことで、利用者は、撮り直し対象画像を確認しながら、撮影中のポーズや表情を作れるため、気に入らない撮影画像が撮影されることを回避することができる。特に、中央画像表示領域401にライブビュー画像が表示されているときに、撮り直し対象画像が左側画像表示領域408および右側画像表示領域409が並んで表示されるので、撮り直し撮影における失敗を回避することができ、撮影の失敗率を低減させることができる。例えば、利用者は、このポーズだから可愛く撮影できなかったということや、この立ち位置だから顔が小さく写ったということなどを認識しながら撮り直し撮影を行うことができる。
さらに、このような撮り直しを行うことを利用者に認識させることができることより、利用者は、1枚は失敗してもよいという気持ちで撮影に臨むことができ、より満足度の高い撮影画像を撮影することができる。
また、写真シール作成装置1は、撮り直し撮影を行うことで、利用者は、これまでの撮影画像を確認して、どのような表情等で撮影したら、自身を可愛く写すことができるかを参考しながら、撮影を行う事ができる。このため、写真シール作成装置1は、従来行われていたような、撮影画像の中から、印刷対象および編集対象としたい撮影画像を選択するキープ画像選択を行わなくてもよくなる。
つまり、従来、7枚の撮影画像の中から、印刷対象および編集対象としたい5枚の撮影画像を選択するキープ画像選択が行われていた。このようなキープ画像選択は、過去に撮影した撮影画像に対して、最も気にいった画像から順番に選択するのみであるため、気にいらない撮影画像があっても、選択しなければならないということがあった。さらに、キープ画像選択を行った場合には、アップ画像が3枚であり、かつ、全身画像が2枚である画像枚数だからこそ成立するデザイン性の高いレイアウトが、それらの枚数が異なって配置されることによって、デザイン性が低下することがあった。
これに対し、写真シール作成装置1では、撮り直し撮影を行うことで、キープ画像選択を行う必要がなくなるため、このような気にいらない撮影画像の選択や、デザイン性の低下などが発生することを回避することができる。つまり、写真シール作成装置1では、キープ画像を選択する処理を行わなくても、全ての撮像画像を利用者の気にいったものとすることができる。
なお、図20の例では、撮影案内画面の中央画像表示領域401には、撮り直し対象画像として選択された撮影画像を撮影した際に表示されていたのと同一のモデル画像が表示されているが、異なるモデル画像を表示してもよい。
例えば、中央画像表示領域401に表示されるモデル画像として、撮り直し対象画像として選択された撮影画像を撮影した際に表示されていたのと同一のモデル画像を表示する場合、利用者は、同一のポーズで、より見栄えが良くなるように考えながら撮影を行うことができる。
一方、中央画像表示領域401に表示されるモデル画像として、撮り直し対象画像として選択された撮影画像を撮影した際に表示されていたのと異なるモデル画像を表示する場合、利用者は、撮り直したいと思ったポーズではなく、新たなポーズで撮影を行うことができる。
<撮り直し後選択画面の表示例>
図22は、図12のステップS23においてタッチパネルモニタ112に表示される撮り直し後選択画面の一例を示す図である。
図22に示すように、撮り直し後選択画面の上方には、ナレーション「どちらの画像にする?」が表示され、その下に、撮り直し対象画像として選択された撮影画像431と、撮り直し撮影で取得された撮影画像432とが左右に並んで表示される。また、撮り直し後選択画面の右下隅には、撮影画像の選択を決定するときに操作されるボタン433が表示される。
例えば、利用者は、撮影画像431および撮影画像432のうちいずれか一方を選択する操作入力を行うと、選択された方が強調表示され、その後、ボタン433に対する操作入力を行うと、その選択が決定される。
なお、1枚の撮影画像の撮り直し撮影を行う他、複数枚の撮影画像の撮り直し撮影を行ってもよい。
例えば、図23を参照して、2枚の撮影画像を撮り直すときの撮影案内画面について説明する。
図23に示すように、撮影案内画面では、1枚目の撮り直し対象画像が左側画像表示領域408に表示されるとともに、2枚目の撮り直し対象画像が右側画像表示領域409に表示され、モデル画像が中央画像表示領域401に表示される。
また、図24および図25を参照して、3枚以上の撮影画像を撮り直すときの撮影案内画面の例について説明する。
図24には、1枚目の撮り直し撮影が行われた後、2枚目の撮り直し撮影を行うときの撮影案内画面が表示されている。撮影案内画面の左側画像表示領域408には、1枚目の撮り直し撮影の際に中央画像表示領域401に表示された撮影画像が移行して表示される。そして、中央画像表示領域401には、2枚目の撮り直し撮影を行うためのライブビュー画像が表示されるとともに、右側画像表示領域409には、2枚目のモデル画像が表示される。そして、2枚目の撮り直し撮影が行われて、中央画像表示領域401に撮影画像が表示される。このように、モデル画像を表示しながら撮り直し撮影を行うことで、利用者は、モデル画像のポーズを見ながら真似ることができるので、撮影が失敗すること(利用者が気に入らないポーズで撮影されること)を防止することができる。
続いて、図25に示すように、撮影案内画面の左側画像表示領域408には、2枚目の撮り直し撮影の際に中央画像表示領域401に表示された撮影画像が移行して表示される。そして、中央画像表示領域401には、3枚目の撮り直し撮影を行うためのライブビュー画像が表示されるとともに、右側画像表示領域409には、3枚目のモデル画像が表示される。
このように、撮り直し撮影により取得された撮影画像が、中央画像表示領域401から左側画像表示領域408に流れるように表示され、次に撮り直しを行うライブビュー画像およびモデル画像が、中央画像表示領域401および右側画像表示領域409に新たに表示される表示方法を採用することができる。
そして、撮り直し撮影を行う撮影画像の枚数が増加するほど、利用者は、多くの撮影回数を経験するため、撮影に慣れることができるので、ポーズの撮り方や表情の作り方などが上手くなることによって満足度が向上する。
以上のように、写真シール作成装置1は、撮影案内画面の左側画像表示領域408および右側画像表示領域409に撮影画像を表示することにより、利用者が撮影画像を確認するために立ち位置を移動させるようなことを回避させることができ、より短時間で効率良く撮影を行うことができる。また、利用者が、次の撮影のポーズを事前に確認することができるので、よりスムーズに撮影を行うことができる。
例えば、撮影案内画面の中央にのみ撮影画像を表示する構成では、利用者が撮影画像を確認するために、撮影画像に近づくように立ち位置を前に移動することがあった。このため、同じアップ画像および全身画像であったとしても、利用者の顔の大きさが変わったりしているため、シール紙の状態で確認したときに、バランスが悪くなっていた。
これに対し、写真シール作成装置1では、そのように利用者が立ち位置を移動することがないためバランスの良いアップ画像および全身画像を撮影することができる。さらに、撮り直し撮影時にライブビュー画像が中央画像表示領域401に表示されているときに、その両側に撮り直し対象画像が表示されているため、利用者は、ポーズや表情を確認しながら所望の撮影を行うことができる。なお、例えば、1回目の撮り直しの際には、中央画像表示領域401の両側に撮り直し対象画像を表示し、2回目以降の撮り直しの際には、撮り直し対象画像と、現在の撮り直し分とを表示してもよい。
また、従来、利用者が撮影画像を気に入らなかった場合には、編集処理において、スタンプなどで顔を隠すような編集を行う利用者が多く見られた。例えば、6枚の撮影画像のうち5枚の撮影画像に対してこのような編集が行われることもあり、そのような撮影画像が印刷されたシール紙の完成度が著しく低下することになっていた。
これに対し、写真シール作成装置1は、撮り直し撮影を行うことで、利用者の満足度の高い撮影画像を撮影することができるので、上述のような編集が行われるようなこと回避することができ、より完成度の高いシール紙を提供することができる。
また、写真シール作成装置1は、アップ画像だけでなく全身画像を撮影することで、利用者の洋服に関する記録を残すような撮影を行うことができる。さらに、写真シール作成装置1は、複数人の利用者を被写体として撮影することを想定した撮影画角が設定されており、例えば、画角の端に位置する利用者が途切れて写されるようなことを回避して、より完成度の高い撮影画像を取得することができる。
なお、写真シール作成装置1は、撮影時に、中央画像表示領域401にライブビュー画像を表示して、左側画像表示領域408および右側画像表示領域409にモデル画像を表示してもよい。
また、写真シール作成装置1は、顔認識処理を行うことによって、顔が認識されない場合や、顔の一部が画角の外にある場合、顔のサイズが小さ過ぎる場合、顔が傾いている場合、顔が所定領域よりも下側にある場合などに、そのような撮影画像を撮り直し対象画像として選択してもよい。即ち、このような場合、利用者による撮り直し対象画像の選択が行われることなく、顔認識処理の結果に基づいて自動的に、撮り直し対象画像が選択される。例えば、顔が傾き過ぎる場合には、利用者の顔ではなく服装などに印刷されている顔である可能性が高いと判断することができ、そのような印刷の顔を、実際の利用者の顔として誤認識して画像処理が行われることを防止することができる。
なお、写真シール作成装置1は、利用者が、インターネットを介して撮影画像を取得する画像取得サイトの会員であるか否かや、会員である場合には有料会員または無料会員のいずれであるかを判定することができる。
例えば、写真シール作成装置1は、この判定結果に基づいて、利用者が有料会員である場合のみ、上述したような撮り直し撮影を行ってもよい。または、撮り直し対象画像の選択枚数に差異を設けて、有料会員に対しては最大2枚の撮影画像を撮る直すことができ、無料会員に対しては最大1枚の撮影画像を撮り直すことができるようにしてもよい。さらに、写真シール作成装置1は、この判定結果に基づいて、利用者が会員である場合のみ、上述したような撮り直し撮影を行ってもよい。例えば、利用者により事前に会員ID(Identification)を入力する画面を表示したり、利用者の会員IDが紐付けられた携帯電話機から赤外線通信などを利用して会員IDを取得したりすることができる。
さらには、写真シール作成装置1は、撮り直し機能を選択した利用者に対して、追加でプレイ料金を徴収したり、撮り直し撮影を行わない利用者に対して、プレイ料金を返金したりすることもできる。
なお、写真シール作成装置1では、撮影画像を印刷したシール紙を作成して利用者に提供する他、例えば、利用者の携帯電話機に撮影画像を送信して提供することができる。
<撮影画像の立体的な仕上がりについて>
図26乃至図31を参照して、撮影画像の立体的な仕上がりについて説明する。
例えば、写真シール作成装置1において撮影画像をシール紙に印刷して出力する場合、一眼レフカメラにより撮影したような遠近感を有する撮影画像を印刷したシール紙を提供するニーズがある。一般的に、写真シール作成装置1では、人物と背景との距離が短いため、立体感のある撮影画像を撮影することは困難であり、平面的で変化が乏しい仕上がりとなっていた。
そこで、図26の上側に示すように、写真シール作成装置1は、例えば、編集処理において前景画像としてスタンプ画像を合成した場合には、そのスタンプが、スタンプの柄のシールをシール紙に貼り付けたように見える立体的な印刷で仕上げることができる。これにより、スタンプ画像が人物の手前に表示されていることが、より立体的に表現される。
また、図26の下側に示すように、写真シール作成装置1は、例えば、編集処理において前景画像として手書きのペン画像を合成した場合には、そのペン画像が、シール紙に実際にペンで描いたように疑似的に立体に見えるような立体的な印刷で仕上げることができる。これにより、ペン画像が人物の手前に表示されていることが、より立体的に表現される。
このように、写真シール作成装置1では、スタンプ画像がシール紙の紙面に対してシールを貼り付けたように見える撮影画像や、ペン画像がシール紙の紙面に対してペンで描いたように見える撮影画像を提供することができる。
撮影画像の立体的な仕上がりは、スタンプ画像やペン画像などの所定のコンテンツに対して設定される。そして、スタンプ画像やペン画像が利用された場合、シール紙を見たときに、より立体的にスタンプ画像およびペン画像が盛り上がったように感じる仕上がり(以下、ぷっくり感と称する)を有するように印刷が行われる。
このようなぷっくり感を有する印刷は、シール紙の印刷面に、保護フィルムとして構成されたオーバーコート層を熱転写する際の熱量を変更して、オーバーコート層による光沢度を変化させることにより行われる。即ち、写真シール作成装置1では、シール紙の印刷面の光沢度(ツヤ/マット具合)を変化させることで、疑似的に立体に見えるようにすることができる。
例えば、撮影画像の印刷は、図27に示すように、イエロー、マゼンタ、およびシアンの3色(または、ブラックを含む4色)のインク層の各昇華染料と、透明なオーバーコート(OP)層とが、基材フィルムの送り方向に沿って塗布されたインクフィルムが用いられる。そして、画像データに基づいて、インクフィルムの各昇華染料が印刷用紙に熱転写されて撮影画像の印刷が終了した後に、オーバーコート層を熱転写する際に、スタンプ画像やペン画像が印刷された領域における熱量が階層に応じて変更される。
具体的には、スタンプ画像およびペン画像に対して、8ビットで階層(最小値0〜最大値255の数値)が設定され、この設定された階層に応じて、画素単位でオーバーコート層内の熱転写量を変更することで、ぷっくり感を有する印刷を行うことができる。
特に、ぷっくり感を演出する仕上がりとするためには、スタンプ画像およびペン画像における縁部分の熱量を最大にするように熱転写ヘッドの熱量を高く設定し、中央部分の熱量を最小にするように熱転写ヘッドの熱量を低く設定する。このように、スタンプ画像およびペン画像における縁部分の熱量を最大にすることで、スタンプ画像およびペン画像と外側との境界を明確にすることができ、利用者が、ぷっくり感に気づき易くすることができる。
例えば、図28は、図26に示したスタンプ画像501を印刷するときのオーバーコート層を熱転写する際の熱量の平面的なイメージを表している。同様に、図29において、縦軸は、オーバーコート層を熱転写する際の熱量を示し、横軸は画素を示している。
図28および図29に示すように、スタンプ画像501の例では、オーバーコート層を熱転写する際の熱量が4段階で設定されている。例えば、最も輪郭側の領域(図28の最も薄いハッチングの領域)は160階層に設定され、輪郭から1つ内側の領域(図28の2番目に薄いハッチングの領域)は120階層に設定され、輪郭から1つ内側の領域(図28の3番目に薄いハッチングの領域)は80階層に設定され、最も内側の領域が、(図28の最も濃いハッチングの領域)は40階層に設定される。
このように設定した場合、階層が高いほど、熱転写ヘッドの熱量が高く設定される。つまり、熱転写ヘッドの熱量が高くなればなる程、シール紙における受容層の焦げ量(焦がし量)が増えるため、よりシール紙として見た時に立体感が生成される。
なお、オーバーコート層を熱転写する際の熱量の階層は、上述したように8ビット(0〜255)の数値によって設定される。このとき、階層の最小値を122以上に設定した場合には、階調数が減少するものの、熱量の低い部分(122未満)がなくなることで、シール紙として見た際に、よりぷっくり感を生じさせることができる。一方、階層の最大値を122以下に設定した場合には、熱量が高くなることを回避することができるので、紙詰まりの発生を抑制することができる。
また、オーバーコート層を熱転写する際の熱量の階層は、図30Aに示すように、多段の階段形状に設定したり、図30Bに示すような曲線的な形状に設定したり、図30Cに示すような直線的な形状に設定してもよい。例えば、多段の階段形状にすることで、階層の段数(たとえば、4段階であろうが、5段階であろうが)に関わらず、ある一定の領域は同じ階層であるため、その領域が大きければ大きいほど、よりぷっくり感があるように仕上げることができる。
また、図30Dに示すように、多段の階段形状の縁部分における領域の幅を広く設定することで、さらにぷっくり感があるように仕上げることができる。
また、図31Aに示すように、階段形状の段数を少なくすると、各階層の差が大きくなるため、より段差が明確に認識されるようなオーバーコート層を形成することができる。一方、図31Bに示すように、階段形状の段数を多くすると、各階層の差が小さくなり、曲線や直線に近くなるため、段差が緩やかに変化するようなオーバーコート層を形成することができる。
例えば、ペン画像のペン幅に応じて、オーバーコート層を熱転写する際の熱量の階層の段数が異なるものとなるようにしてもよい。例えば、ペン幅が広いペン画像に対して段数を5に設定し、ペン幅が狭いペン画像に対して段数を3に設定し、それらの中間のペン幅のペン画像に対して段数を4に設定することができる。
次に、ぷっくり感を有するシール紙の印刷を行う処理手順について説明する。
例えば、写真シール作成装置1で生成される撮影画像(編集処理を施した落書き済画像を含む)の画像データは、色相を表現するデータであるRGBデータにより表示される。そして、印刷を行う場合には、RGBデータがCMYデータへ演算により変換され、印刷用データとして変換(生成)される。このCMYデータは、各昇華染料により、熱転写ヘッドにより熱転写される。
また、インクフィルムは、図27に示したように、基材フィルムの表面に、イエロー、マゼンタ、およびシアンの3色の各昇華染料が塗布された領域があり、シール紙に印刷を行う場合、熱転写ヘッドとプラテンローラの間に、シール紙の受容層と各昇華染料が対向するように配置される。
そして、シール紙とインクフィルムを同じ速度でロールから送り、熱転写ヘッドで熱量を変更することで、シール紙の受容層に階層として熱転写される。
その後、各昇華染料により撮影画像が印刷された後、シール紙の撮影画像が印刷された領域に、オーバーコート層としての保護フィルムが熱転写される。
これにより、ぷっくり感を有するシール紙が印刷される。
また、全てのコンテンツに対して、ぷっくり感のある設定を行うのではなく、例えば、単一色で構成された所定のコンテンツとして、スタンプ画像およびペン画像のみに、ぷっくり感のある設定を行うことができる。例えば、全てのコンテンツに対してぷっくり感のある設定を行うと、ぷっくり感を嫌う利用者は、コンテンツを全く利用しなくなる恐れがある。一方、ぷっくり感を好む利用者は、コンテンツを必要以上に利用することが想定され、その場合、シール紙がごちゃごちゃとした仕上がりになってしまう。
また、例えば、スタンプ画像は、シール紙として、流通しているデザインである所定のコンテンツに対してぷっくり感のある設定を行うことで、シール紙の上にシール紙を貼ったイメージとして見える仕上がりにすることができる。同様に、例えば、ペン画像は、実際に油性ペン等で記載したようなデザインである所定のコンテンツに対してぷっくり感のある設定を行う設定することで、シール紙の上に実際のペンで書いたイメージとして見える仕上がりにすることができる。
さらに、写真シール作成装置1において定量的に使用されているコンテンツであって、実際にはシールとして製造されていないようなコンテンツに対しては、ぷっくり感のある設定を行わない。
また、オーバーコート層に設けたデータとしての持ち方については、サイズ別に複数種類のコンテンツを予め記憶し、適切なサイズのコンテンツを選択した後、サイズ別にマスク画像を準備しておき、適切なサイズのマスク画像を使用して、コンテンツをその都度加工することができる。なお、コンテンツは表示される画面サイズまたは出力サイズに応じて、画素サイズや解像度が異なるため、階層の段階や階層の幅は、合せて構成できる。
さらに、例えば、写真シール作成装置1は、ぷっくり感を有する印刷を行うために、2つの熱転写ヘッドを備えた構成とすることができる。例えば、1つ目の熱転写ヘッドによって、イエロー、マゼンタ、およびシアンの各昇華染料における熱転写量を変更し、2つ目の熱転写ヘッドによって、オーバーコート層の熱転写量における熱転写量を変更することができる。これにより、昇華染料とオーバーコート層の熱量が大きく異なる場合であっても、2つの熱転写ヘッドそれぞれで適切な熱量を設定して印刷を行うことができる。
また、例えば、写真シール作成装置1は、ぷっくり感を有する印刷を行うために、3つの熱転写ヘッドを備えた構成とすることができる。この構成では、3つめの熱転写ヘッドを、ラメやホログラム、イエローなどの特殊インクを印刷するのに使用することができる。ここで、特殊インクには、有機顔料および無機顔料が含まれ、有機顔料としては、レーキ顔料やトナー顔料などがあり、無期顔料としては、クロム酸や炭酸塩、珪酸塩などがある。これにより、特殊な装飾色でシール紙に対して印刷を施す事ができ、よりデザイン性が高いシール紙を生成する事ができる。
さらに、写真シール作成装置1は、編集処理において、ぷっくり感のある設定を行ったコンテンツを用いた編集を行っているときに、ぷっくり感が分かり易いような表示を行うことができる。例えば、図6の編集ユニット12のタブレット内蔵モニタ141上で、ぷっくり感のある設定を行ったコンテンツについては、アニメーションにより動的な表示を行うことで、利用者は、ぷっくり感のある設定を行ったコンテンツを認識することができる。なお、このコンテンツについては、利用者が選択して押下した際も、押下した後についても、所定周期で動的に表示する。また、ラメやホログラム、イエローなどの特殊インクを使用するコンテンツと同様の効果のある表示を行ってもよい。
なお、本実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。