JP3852585B2 - 写真シール自動販売方法とその装置 - Google Patents

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浩二 前川
幸郎 有元
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば被写体を照明装置で照明してデジタルカメラで撮像し、該撮像した撮像画像に対してタッチパネルによる落書き等の編集を許容し、該編集された編集画像を印刷して販売するような写真シール自動販売に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述のような写真シール自動販売を行う装置として、落書き編集の際に様々な太さや模様のペンと様々な絵柄のスタンプを利用して落書きできる写真シール自動販売装置が存在しており、近年では、被写体の背景部分に画像を合成するクロマキー合成を、編集の際に行うことができる写真シール自動販売装置が提供され始めている。
【0003】
ここでクロマキー合成とは、撮像画像のうち例えば青色や白色などの特定色の部分をデジタル処理で透明部分に変換し、該透明部分に背景用に用意した画像を合成する処理をいう。
【0004】
一般に写真シール自動販売装置では、最終出力である写真シールシートの美しさと、プレイすること自体に対するアミューズメント性が求められており、前記クロマキー合成は、背景を美しい画像に容易に変更可能にすることで、短時間で美しく画像編集を行うことを主な目的としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記クロマキー合成は、従来から存在していた落書き編集を、効率よく短時間で満足のいく仕上がりにするために提案されたものであり、新しい遊び感覚を提供するものではなかった。
【0006】
従って、ライフサイクルが短く利用者に飽きられやすい写真シール自動販売装置の特性上、便利ではあるものの斬新さに欠けていた。
また、近年は次々と新しい写真シール自動販売装置が提供されているが、撮像した被写体の美しさや編集画像の美しさを追及したものが多く、撮像に関してはデジタルカメラの位置を変更する程度であり、撮像自体に対するアミューズメント性という点で革新的な変化はなかった。
【0007】
この発明は、撮像自体に対するアミューズメント性を高めた斬新な写真シール自動販売装置を提案し、利用者を楽しませてプレイしたこと自体に対する満足度を向上すると共に、その革新的な撮像感覚による集客力の向上で、写真シール自動販売装置を設置する施設の収益倍増を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、撮像空間内の1以上の被写体を撮像手段で撮像して撮像画像を作成する撮像処理を許容し、編集対象の画像に対して編集手段で編集して編集画像を作成する編集処理を許容し、所定の画像を出力手段で出力する写真シール自動販売方法またはその装置であって、前記被写体の前景となる幕体により前記被写体の体の一部を隠し、前記被写体の後方に備えた前記幕体と異なる色のカーテンを被写体の背景とし、前記撮像手段により前記被写体を前記幕体及び前記カーテンと共に撮像した撮像画像のうち前記幕体が写っている部分に前景合成用画像を合成する写真シール自動販売方法またはその装置であることを特徴とする。
【0009】
これにより、利用者は例えば足や手を隠した状態、体を隠して顔だけを出した状態、又は体を星型に刳り貫いたような状態など様々な状態で撮像することができ、隠した部分を含めた周景にクロマキー合成を行うことが可能になる。また、編集処理で利用するペンやスタンプ等の落書き用アイテムや、撮像画像に対して合成する合成用画像(周景画像)などを、工夫して選択・利用して編集処理を行う事により、バリエーション豊かな編集画像を作成することができるため、アミューズメント性が飛躍的に向上する。
【0010】
前記撮像手段は、デジタルカメラ、又はデジタルビデオカメラであることを含む。
前記画像は、前記撮像画像のほか、通信手段又は記憶媒体読取手段等のデータ取込手段で取得する画像、すなわち個人用デジタルカメラでの撮像やパソコンでのグラフィック制作等によるデジタル画像や、写真や絵画等の実画像をスキャナでスキャニングしたスキャニング画像を含む。
【0011】
前記所定の画像は、前記撮像画像、前記デジタル画像、前記スキャニング画像、及び/又はこれらの画像を編集手段で編集した編集画像であることを含む。
前記出力手段は、画像を印刷する印刷手段、画像データを送信する通信手段、又は画像データを記憶媒体に書き込む記憶媒体リーダ/ライタであることを含む。
【0012】
前記幕体は、透明、半透明、及び/又は不透明の布材又は樹脂材等の部材で形成したカーテン等の幕体であることを含む。
前記前景合成用画像は、撮像時にデジタル合成して仮想的(バーチャル)に特定部分で被写体を隠して表示しないようにするハートマークや着物等の絵柄を表示する前景合成用画像であることを含む。
【0013】
好ましい実施の形態として、前記前景合成用画像を複数の中から選択許容することができる。
【0014】
前記選択は、複数存在する前景合成用画像のうちいずれを利用するかの選択を含み、選択して利用できる前景合成用画像は、1のみであること、又は複数を同時に利用できることを含む。
【0015】
前記構成により、利用できる合成用画像のバリエーションを増加させることもでき、利用者によって異なる様々な要求にも応えることができて利用者の満足度がより向上する。
【0016】
ましい実施の形態として、前記幕体が複数備えられて撮像に用いる幕体を選択許容することができる。
【0017】
前記選択は、複数存在する幕体のうちいずれを利用するかの選択を含み、選択して利用できる幕体は、1のみであること、又は複数を同時に利用できることを含む。
【0018】
前記選択可能な形成は、幕体をロールスクリーンで形成して巻上げ巻き下ろし可能にする、あるいは幕体を複数のカーテンで形成してカーテンレールをそれぞれ移動させることで利用するカーテンを選択可能にすることを含む。
【0019】
また好ましい実施の形態として、前記幕体に、前記被写体の体の一部を出すことができる切り込み部を複数備えることができる。
【0020】
前記切り込み部は、スリット状の縦方向又は横方向の切り込み、ハート型や星型等の形に刳り貫いて形成した切り込み、短冊状の細長い布を幅方向に複数並べて前記幕体を形成した際に発生する各布間の分かれ目であることを含む。
【0021】
前記構成により、例えば横方向に切り込みが複数入っている幕体を利用し、前記切り込みから顔と足だけを撮像手段側に出して撮像するといったことができ、どのようにして撮像するか工夫することで撮像自体のアミューズメント性を向上することができる。また、バーチャル(仮想)で被写体の一部を隠して演出するのではなく、現実に幕体を利用することによって、デジタルゲームに慣れ親しんだ現代の若者に、リアリティ溢れる遊びを提供することができる
【0022】
【発明の効果】
この発明により、利用者はポーズや位置や撮像する部分などに対して様々な工夫をして撮像を行うことができ、撮像に対する新しい遊びを発見することとなり、アミューズメント性を格段に向上して利用者に更なる楽しさを提供することができる。また、カラクリ撮像という新しいコンセプトを追加することとなるため、子供連れファミリーも楽しめる写真シール自動販売装置となり、ユーザ層の拡大による売上拡大を見込むことができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
まず、図1に示す写真シール自動販売機1の外観斜視図、図2に示す筐体2の外観斜視図(一部断面図)、及び図3に示す筐体2の内部一部拡大図(一部断面図)と共に、写真シール自動販売機1の構成について説明する。
【0024】
写真シール自動販売機1は枠3でボックス状に囲繞し、中央に撮像空間4を有してその奥側(背面側)に筐体2を備え、前記撮像空間4の手前側(正面側)に特殊カーテン18で囲繞した隠蔽空間5を備える。
【0025】
前記枠3の上辺からは、左右部及び正面部に内面が白色のカーテン(図示省略)を吊下げており、前記撮像空間4及び特殊カーテン18が外部から見えないように囲繞している。
【0026】
前記構成のうちまず筐体2について説明すると、該筐体2は、正面上部に正面視四角形の縦長のスクリーン16pを備えており、その中央少し上方に被写体を撮像するデジタルカメラ14を備えている。
【0027】
前記スクリーン16pの周囲には、上部に上照明ボックス15a、左部に左照明ボックス15b、右部に右照明ボックス15c、下部に下照明ボックス15dをそれぞれ備えており、各照明ボックスで撮像空間4内の被写体を略均一に照明する。
【0028】
前記各照明ボックスは、図2の筐体2の斜視図に示すように、ストロボ発光するストロボ照明装置24(24a,24b,24c,24d)、半透明部材で形成して透過する光を拡散する拡散板25(25a,25b,25c,25d)、及び、白色塗装によって光を反射する反射板26(26a,26b,26c,26d)で構成する。
【0029】
上照明ボックス15aは、ストロボ照明装置24aの照明方向を正面側斜め上方に備え付け、該ストロボ照明装置24aの背面側、左右側面側、及び天井面側に反射板26aを備える。該ストロボ照明装置24aの正面側には、下方に傾斜させて拡散板25aを備え、前記ストロボ照明装置24aからの照明光を前記反射板26aで反射した反射光を、該拡散板25aで拡散して被写体を奥側斜め上から照明する。
【0030】
左照明ボックス15bは、ストロボ照明装置24bの照明方向を背面側斜め側方(斜め左方向)に備え付け、該ストロボ照明装置24bの背面側、左右側面側、天井面側、及び床面側に反射板26bを備える。該ストロボ照明装置24bの正面側には、内側(右側)に傾斜させて拡散板25bを備え、前記ストロボ照明装置24bからの照明光を前記反射板26bで反射した反射光を、該拡散板25bで拡散して被写体を奥側の側方から斜め内側へ向かって(左側から斜め中央に向かって)照明する。なお、前記ストロボ照明装置24bの正面側に隣接して蛍光灯照明装置12bを備え、該蛍光灯照明装置12bで撮像処理の間前述した撮像空間4(図1)を照明する。
【0031】
右照明ボックス16cは、前記左照明ボックス15bと左右対称に構成し、その詳細な説明を省略する。
【0032】
下照明ボックス15dは、ストロボ照明装置24dの照明方向を背面側斜め下方に備え付け、該ストロボ照明装置24dの背面側、左右側面側、天井面側、及び床面側に反射板26dを備える。該ストロボ照明装置24dの正面側には、正面視四角形の拡散板25dを備え、前記ストロボ照明装置24dからの照明光を前記反射板26dで反射した反射光を、該拡散板25dで拡散して被写体を中央からわずかに下方へ向かって照明する。
【0033】
図1に示したように、筐体2の上部左側、すなわち左照明ボックス15bの上部には、無線通信によってデータ転送を行うPHSユニット11を備え、筐体2の左側面には、図1に仮想線で示すようにカーテンで上部を囲繞した編集空間6を備える。
【0034】
該編集空間の天井部に該当する前記筐体2の側面上部には、編集空間6を照明する蛍光灯照明装置12fを備え、その下方位置には、編集用の撮像画像及び編集アイテムを表示すると共に利用者による編集作業の入力を許容する編集用タッチモニタ13fを備える。
【0035】
筐体2の下部正面の右側には硬貨を投入する硬貨投入口22qを備え、筐体2の下部側面には写真シールシート31o(図3)を排出する写真シール排出口20lを備える。
【0036】
該写真シール排出口20lの内部は、図3の部分拡大図(一部断面図)に示すように、下部にパソコンで構成した制御装置10、その上にプリンタ20を備え付ける。
【0037】
該プリンタ20には、シール紙ユニット31をセットしており、該シール紙ユニット31はロール状に巻いたシール紙31mと正規品か否かを識別させる識別データ等のデータを記憶させたIDタグ31nで構成する。
前記プリンタ20の背部には、前記IDタグ31nに記憶の前記データを読取るIDタグリーダ/ライタ21を備え付ける。
【0038】
次に、図1に示した撮像空間4について説明すると、該撮像空間4の天井面左側部には、蛍光灯照明装置12gを備えて撮像空間4を撮像処理の間照明している。
【0039】
撮像空間4の天井面正面側には、映像を投射するプロジェクタ16を備えており、該プロジェクタ16は、筐体2に備えたスクリーン16pに撮像前のプレビュー表示や撮像画像を投影し、利用者が大画面で撮像画像等を細部まで確認できるように構成している。
【0040】
撮像空間4の右側面には、画像を表示すると共にタッチペンによるペンタッチ入力が可能な撮像用タッチモニタ13gを備え、利用者に対して撮像時にアップ撮像と全身撮像の切り替え操作や、シャッタのカウントダウン開始といった入力を可能にしている。
【0041】
次に、隠蔽空間5について説明すると、該隠蔽空間5の上部には平面視略四角形で角を丸めた形状のカーテンレール17を備え、該カーテンレール17に前記隠蔽空間5を囲繞するループ状の特殊カーテン18を吊下げる。
【0042】
該特殊カーテン18は、前記カーテンレール17に沿って回転移動可能であり、幅方向に連結した4枚のカーテンで形成する4つの面、すなわち通常面18h,縦スリット面18i,透明一部模様面18j,横スリット面18kで構成する。
【0043】
前記通常面18hは、白色の不透明なカーテンで形成し、上部に穴19を複数並列して設ける。
前記縦スリット面18iは、白色の不透明なカーテンで形成し、縦方向の切れ目を幅方向に複数設けると共に、上部に穴19を複数並列して設ける。
【0044】
前記透明一部模様面18jは、透明なカーテンで形成し、星型の白色不透明部分を3箇所設ける。
前記横スリット面18kは、白色の不透明なカーテンで形成し、幅方向の切れ目を上下方向に複数設けると共に、上部に穴19を複数並列して設ける。
【0045】
前記隠蔽空間5天井部には、平面視四角形で側面視三角形の天井照明ボックス15eを備える。
該天井照明ボックス15eは、底面を下方斜め奥側(背面側)へ傾斜させた拡散板25e(図示省略)で形成し、他の面である天井面、両側面、及び正面を反射板26eで形成し、その内部に照明方向を奥側斜め上(背面側斜め上)に向けたストロボ照明装置24eを備える。
【0046】
これにより、天井照明ボックス15eは特殊カーテン18の穴19又は透明部分を介して被写体を正面側斜め上方から照明し、被写体の頭髪の質感を明瞭に撮像できるようにしている。また、照明ボックス15(15a,15b,15c,15d,15e)の照明により、撮像時に被写体を略均一に照明して撮像画像に不要な影が発生することを防止し、後述する撮像画像と合成用画像との合成の際に違和感が発生しないようにしている。
なお、前記プロジェクタ16及び天井照明ボックス15eは、枠3の天井部に備えたガイド(図示省略)にネジ止めにて固着している。
【0047】
以上の構成により、利用者は照明ボックス15の照明を受けてデジタルカメラ14で撮像することができ、撮像時に特殊カーテン18を回転移動させることにより、利用者は周景として利用する面を選択することができる。
【0048】
このときの特殊カーテン18の利用方法として、隠蔽空間5内に居て縦スリット面18i又は横スリット面18kの切れ目から顔や手など体の一部を出して撮像する、隠蔽空間5内に居て透明一部模様面18jの星型の不透明部分で体の一部を隠して撮像する、あるいは、撮像空間4に居て通常面18hで普通に全身又は上半身を撮像するといったことができ、利用者は従来存在しなかった斬新な遊び感覚での撮像を行うことができる。
【0049】
次に、図4に示す回路ブロック図と共に、写真シール自動販売機1の構造について説明する。
写真シール自動販売機1は、CPU,ROM,RAMを備えて各装置の制御動作を実行する制御装置10と、該制御装置10に接続した以下に説明する各装置を備えている。なお、前記制御装置10は、被写体の周景として合成するための合成用画像と、後述のデジタルカメラ14で撮影している撮像前の動画影像をリアルタイムにクロマキー合成して合成画像データを作成する処理も実行する。このときのクロマキー合成は、撮影している撮影画像に対して一定レベル以上の明るさ(明度)の部分を合成用画像に置き換える処理を指し、これによって特殊カーテン18等で形成される被写体以外の白色部分(周景)のみに対して合成用画像を合成する処理が容易に行える。
【0050】
PHSユニット11は、インターネット(公衆回線)を介する無線通信を可能にしており、制御装置10の通信信号に従って、インターネット上に設けたWWWサーバ(図示省略)に編集画像及び/又は撮像画像を送信する。なお、前記WWWサーバは受信した編集画像をホームページ上に自動公開し、利用者は該WWWサーバのホームページに携帯電話やパソコンでアクセスして、自己の編集画像及び/又は撮像画像を閲覧及びダウンロードすることができる。
【0051】
蛍光灯照明装置12は、制御装置10からの照明制御信号に従って、プレイ開始から編集処理を開始するまでの間連続照明を実行し、その間撮像空間4を明るく照明する。
【0052】
編集用タッチモニタ13fは、前記制御装置10よりRGB信号を受信し、該信号に従って落書き編集画像等の画像を表示する。また、利用者によってタッチペンでタッチされた座標を、入力信号として制御装置10に送信する。これにより、撮像画像に対して利用者が落書き編集することを許容している。
【0053】
撮像用タッチモニタ13gは、前記制御装置10よりRGB信号を受信し、該RGB信号に従って前記デジタルカメラ14で撮影している撮像前の動画像(プレビュー表示)や撮像した静止画像(撮像画像)を表示する。また、利用者によってタッチペンでタッチされた座標を、入力信号として制御装置10に送信する。これにより、全身撮像とアップ撮像の切り替えや、シャッタのカウントダウン開始等の利用者の操作を許容している。
【0054】
デジタルカメラ14は、前記制御装置10より受取るシャッタ信号で撮像を実行し、撮像前のポーズ考え中の撮像動画データや、撮像した撮像静止画データといった画像データを、制御装置10に送信する。また、ズームの倍率を変更することで、全身撮像とアップ撮像を切替えて撮像することができるように構成している。
プロジェクタ16は、制御装置10からのRGB信号に従って動画映像又は静止画影像をスクリーン16p(図1)に投射し、利用者に対して撮像前のポーズ確認と撮像した撮像画像の確認を許容している。なお、前述したように制御装置10からリアルタイムに合成した合成動画データを受信したときには、その合成画像の動画映像又は静止画影像を投射し、利用者が合成後のイメージを確認しつつポーズを決定すること、及び撮像結果の合成画像を確認することを可能にする。
【0055】
プリンタ20は、前記制御装置10よりプリント画像データを受信し、受信したプリント画像をシール紙ユニット31(図3)のシール紙31mに印刷し、作成した写真シールシート31oを排出する。
【0056】
IDタグリーダ/ライタ21は、シール紙ユニット31に備えたIDタグ31nに記憶されているデータを読出信号で読取り、更新信号で前記データの更新を実行する。これによって、シール紙ユニット31が正規のものであるか否かを判定し、必要に応じて印刷回数であるカウント数を上書きする等の更新処理を実行する。
【0057】
貨幣処理装置22は、前述の硬貨投入口22qの内部に設けられ、投入された硬貨の真偽判別、金種判別を行い、投入硬貨の枚数を枚数情報として前記制御装置10に送信する。なお、この硬貨投入は、プレイ(販売処理)の開始信号にもなる。
【0058】
スピーカ23は、制御装置10から受取る音声信号に従って、利用者に対して撮像時のカウントダウンや編集するための移動等のアナウンスを行う。
ストロボ照明装置24は、制御装置10からの照明制御信号に従って撮像時にストロボ発光を実行する。
【0059】
記憶装置27は、写真シール自動販売機1のプレイに必要な硬貨の枚数やプレイ時間等の設定と共に、被写体の周景にクロマキー合成する合成用画像をデータとして記憶しており、制御装置10の制御に従って該データの読書きを実行する。前記合成用画像は、例えば顔及び手を排除した着物姿、空に浮かんでいる雲、荒れ狂う波など様々な画像を記憶させておく。
【0060】
以上の構造により、利用者は合成用画像に対して特殊カーテン18(図1)を利用した効果を確認しつつポーズを決定することができ、完成度の高い合成画像を作成することができる。
【0061】
次に、図5、図6、図7に示す制御装置10の動作の処理フロー図と共に、図8の撮像方法説明図、及び、図9の編集画面イメージ図を参照して、写真シール自動販売機1の動作について説明する。
【0062】
まず、図5に示すプレイ(販売処理)全体の処理フロー図について説明する。
利用者によって硬貨投入口22q(図1)に硬貨が投入されると(ステップn1)、制御装置10(図4)は撮像処理を実行する(ステップn2)。
【0063】
前記撮像処理が終了すると、制御装置10はスピーカ23(図4)で利用者に編集空間6(図1)で落書き編集が行える旨をアナウンスし、編集処理を実行する(ステップn3)。
【0064】
前記編集処理が終了すると、制御装置10はプリンタ20(図4)で編集画像及び/又は撮像画像を印刷し(ステップn4)、該印刷によって作成した写真シールシート31o(図3)を写真シール排出口20l(図1)から排出して処理を終了する(ステップn5)。
【0065】
次に、前記ステップn2の撮像処理について、図6に示す撮像処理の処理フロー図と共に説明する。
制御装置10は、プロジェクタ16(図4)にRGB信号を送信し、スクリーン16p(図1)に被写体を映し出してモニタ表示を開始する(ステップp1)。このとき、撮像用タッチモニタ13g(図4)にも同様にモニタ表示を行う。
【0066】
制御装置10は、前記プロジェクタ16及び撮像用タッチモニタ13gにRGB信号を送信し、前記被写体と共に周景となる合成用画像を表示すると共に、スピーカ23(図4)に音声信号を送信して前記合成用画像を選択するようにアナウンスする(ステップp3)。
【0067】
制御装置10は、制限時間となるまで利用者による合成用画像の選択を待ち(ステップp4)、合成用画像が選択された時点でスクリーン16p及び撮像用タッチモニタ13gに被写体と前記合成用画像を合成した表示を行う(ステップp6)。ここで、利用者が隠蔽空間5に入っているとすると、図8の撮像方法説明図の(A)に示すように、スクリーン16pに合成用画像(例えば着物の画像)を投影し、利用者が特殊カーテン18の縦スリット面18i(図1)を利用して、(B)に示すように顔と手を出したとすると、(C)に示すように特殊カーテン18の部分に合成用画像である着物の画像を合成した合成画像を投影する。これにより、利用者は合成用画像である着物との位置関係を確認して顔と手の位置を決定し、精度の高い合成用画像を作成することができる。
【0068】
なお、前記ステップp4で制限時間内に合成用画像が選択されなかった場合には、合成用画像なしの状態でステップp6に進む。
【0069】
制御装置10は、スピーカ23で音声による撮像モードの選択案内をし、撮像用タッチモニタ13gにアップ撮像又は全身撮像を選択させる選択ボタン(図示省略)を表示する(ステップp7)。
【0070】
制御装置10は、制限時間になるまで前記撮像モードの選択を待ち(ステップp8)、選択されなかった場合にはデフォルトの撮像モード(例えば全身撮像)に設定し(ステップp9)、選択された場合にはその撮像モードに設定して次のステップp10に進む。
【0071】
制御装置10は、撮像用タッチモニタ13gにシャッタボタン(図示省略)を表示すると共に、スピーカ23で前記シャッタボタンをタッチすればカウントダウンを開始する旨をアナウンスする(ステップp10)。
【0072】
利用者によって前記シャッタボタンがタッチされるか(ステップp11)、制限時間が経過すると(ステップp12)、スピーカ23で音声によるカウントダウンを実行し(ステップp13)、デジタルカメラ14による撮像を行う(ステップp14)。
【0073】
制御装置10は、プロジェクタ16及び撮像用タッチモニタ13gにRGB信号を送信して撮像画像を前記合成用画像と合成した状態でモニタ表示し(ステップn15)、制限時間内であれば(ステップn16)、スピーカ23で音声によって次の撮像を案内してステップp2にリターンし(ステップn17)、制限時間が経過していれば撮像処理を終了する。
【0074】
なお、前記ステップn15で撮像画像と合成用画像を合成した状態でモニタ表示しているが、撮像画像は制御装置10のRAMに一時記憶し、合成用画像は予め記憶装置27に記憶しているものを利用するようにして、別個の状態で記憶しておいて後に合成用画像のみを他の合成用画像に変更することを可能にしている。
【0075】
次に、前記ステップn3の編集処理について、図7に示す編集処理の処理フロー図と共に説明する。
該編集処理開始と共に、図9の編集画面イメージ図に示すように、制御装置10は編集用タッチモニタ13fに編集画面を表示する(ステップq1)。
【0076】
利用者によって画像切り替えボタン13sがタッチされて、編集対象の画像(撮像画像又は該撮像画像に落書きした編集画像)が選択されると、制御装置10は次のステップへ処理を進め(ステップq2)、選択された画像を画像編集枠13tに表示する(ステップq3)。
【0077】
前記ステップq2で編集対象の画像が選択されない場合は、制御装置10は制限時間まで待ち(ステップq4)、制限時間が経過するとデフォルトの選択画像(例えば1番最初に撮像した撮像画像)が選択されたと設定する(ステップq5)。
【0078】
利用者によって合成用画像選択ボタン13uがタッチされて選択され、画像変更ボタン13vがタッチされると(ステップq6)、制御装置10は、撮像画像はそのままで合成用画像を一括して変更する(ステップq7)。なお、このときペン13yやスタンプ13y等による落書きがあれば、その落書きもそのまま残した状態で合成用画像のみを一括して変更する。
前記ステップq6で合成用画像が選択されないまま制限時間が経過すると、そのままステップq9に処理を進める(ステップq8)。
【0079】
合成用画像の変更が終了すると、制御装置10は、完成した編集画像及び/又は編集されなかった撮像画像を、どのサイズで何枚配置して印刷するか選択させるため、分割数を選択させる画面(図示省略)を編集用タッチモニタ13fに表示する(ステップq9)。
【0080】
利用者によって分割数が選択された場合はその分割数を確定し(ステップq10)、制限時間が経過しても分割数が選択されなかった場合は(ステップq11)、デフォルトとして設定されている分割数に確定して(ステップq12)、該分割数に撮像画像及び/又は編集画像を配置した分割イメージを編集用タッチモニタ13fに表示して(ステップq13)、編集処理を終了する。
【0081】
以上の動作により、利用者は合成用画像を撮像後に容易に変更することが可能であり、編集処理でも特殊カーテン18を利用した撮像の効果を楽しむことができる。これにより、最近特に女性の間で流行しているコスチューム撮像を行う際にも、施設に用意されている衣装に着替える必要がなくなり、施設側の投資や利用者の不便を回避できると共に、利用者は撮像後にどの衣装を選択するか容易に変更することができて楽しさが倍増し、図10の写真シールシート31oのイメージ図に示すように遊び心あふれる写真シールシート31oを取得することができる。
【0082】
なお、図9に示した画像編集枠13tでわずかに合成用画像と撮像画像が合っていない部分、すなわち撮像用画像で不要な部分は、図11の編集画面イメージ図に示すように、合成用画像表示ブラシ13wをタッチペン13zでタッチして画像編集枠13t内をタッチすることで、その部分の合成用画像を表示して撮像画像の不要な部分を削除することができる。これにより、合成用画像に適合させて撮像画像を手直しすることができる。
【0083】
また、図12の合成処理説明図の(D)に示すように、合成用画像を撮像画像の前景になる前景合成用画像32と背景になる背景合成用画像34の2枚準備しておき、前記背景合成用画像34の上に撮像画像33を重ねて表示し、さらにその上に前景合成用画像32を重ねて表示するようにして、図中の(E)に示すように合成画像35を作成しても良い。これによれば、前述のような手直しをする必要なく容易に違和感のない合成画像を作成することができる。また、特殊カーテン18がなくとも、前景合成用画像32及び背景合成用画像34の表示部分(透明部分以外の部分)を工夫することで、例えば顔だけ撮像画像を利用するなどして同様の効果を得ることはできるが、特殊カーテン18を併用することで、例えば冬場で厚着をしている場合でも、前景合成用画像32から不要部分がはみ出すことなく、細身の衣装を着ているような撮像を容易に行うことができ、高度な合成画像を作成できる。
【0084】
また、特殊カーテン18は白色に限らずクロマキー合成に適した青色や緑色等他の色で構成しても良いし、例えば透明一部模様面18jの不透明部分である星マークは青色で構成して通常面18hは白色で構成し、2色による2パターンのクロマキー合成を行えるように構成しても良い。この2パターンのクロマキー合成によれば、例えば透明一部模様面18jの星マーク(青色部分)を前景とし、通常面18hを含む前記透明一部模様面18jと被写体以外の部分(白色部分)を背景として、前景である星マークと背景である白色部分に対して別々に合成用画像を表示し、2つの合成用画像を別々に変更することでバリエーションを豊富にすることができる。
【0085】
また、特殊カーテン18は、1色のカーテンに限らず、星マークや虹模様など柄物のカーテンで形成しても良く、さらには、表面と裏面とで異なる色又は/及び絵柄を施しても良い。
【0086】
例えば、通常面18hの表面(外側面)は通常の白色で形成し、裏面(内側面)は青地に雲を描いた空模様に形成することができる。この場合、透明一部模様面18jを使用する際に、隠蔽空間5内の被写体の背景を前記空模様で構成し、被写体の前景を透明一部模様面18jの星マークで構成することができる。
【0087】
これにより、星マーク部分にクロマキー合成をし、背景部分は合成せずとも空模様が得られ、単純操作で演出効果の高い撮像画像及び編集画像を取得することができる。
【0088】
また、特殊カーテン18は、撮像空間4と隠蔽空間5の間に1枚のカーテンを備えて形成しても良い。この場合は、図13の特殊カーテン説明図に示すように、特殊カーテン18の両面に異なるデザインを施すと良い。
【0089】
例えば、特殊カーテン18の表面を、(F)に示すように青一色の表面181にデザインし、裏面を、(G)に示すように青地に雲の絵の裏面182にデザインして形成する。
【0090】
特殊カーテン18の表面181を使用するときは、図14の撮像状態説明図の(H)に示すように、特殊カーテン18をカーテンレール17の手前側(図示下側)に移動させ、被写体は撮像空間4で青一色を背景にして撮像する。
【0091】
特殊カーテン18の裏面182を使用するときは、(J)に示すように、特殊カーテン18をカーテンレール17に沿って回転させて奥側(図示上側)に移動させ、被写体は隠蔽空間5(若しくは撮像空間4)で雲のある空を背景にして撮像する。
【0092】
このように特殊カーテン18の両面に異なるデザインを施すことで、1枚の特殊カーテン18で2種類のデザインが利用でき、コストパフォーマンスが向上する。またこれにより、利用者の選択できる特殊カーテン18のデザインが増加し、アミューズメント性が向上する。
【0093】
なお、この両面にデザインを施した特殊カーテン18は、スリット状の切れ目を入れる等により、撮像範囲から被写体の一部を遮断可能にしても良く、また、切れ目等のない通常のカーテンで構成し、カーテンレール17を移動して利用者による選択を許容する選択カーテンとしても良い。
【0094】
また、カーテンレール17には、図15の説明図の(K)に示す平面図のように、前記特殊カーテン18,18を左右に2枚備えても良い。この場合は、いずれか一方の特殊カーテン18をカーテンレール17の手前側又は奥側に位置させて、(L),(M),(N),(P)に示すようにその表面181又は裏面182を使用する。このため、特殊カーテン18,18の表面181,181及び裏面182,182の各4面は、全て異なるデザインを施すと良い。
【0095】
この場合は、例えば特殊カーテン18,18の一方には、縦方向のスリット状の複数の切れ目を横方向に等間隔に形成し、他方は切れ目等のない通常のカーテンで形成しても良い。これにより、通常の撮像と、撮像範囲から被写体の一部の遮断を許容した撮像が可能になり、撮像のバリエーションが増加する。
また、特殊カーテン18が(K)の位置にあるときは、前記撮像空間4及び特殊カーテン18を囲繞する白色のカーテン(図示省略)が背景となるが、ここにデザインを施して5つのデザイン面を選択可能に形成しても良い。
【0096】
また、カーテンレール17を2重又は3重にする等、複数のレールを形成し、該レールに対応して多数の特殊カーテン18を備え、選択可能なデザインを増加させても良い。このようにして特殊カーテン18のバリエーションを増加し、顧客満足度をより向上することができる。
また、この両面にデザインを施した特殊カーテン18の上部にも、穴19(図8参照)を複数並列して備えても良い。
【0097】
また、撮像空間4の正面側に1枚のカーテンで形成した特殊カーテン18を備えてその正面側には隠蔽空間5を設けず、該隠蔽空間5に替えて例えば通路等を利用するように構成しても良い。
【0098】
また、下照明ボックス15dの照明方向を斜め上方に向け、被写体のあごの下など影が発生しやすい部分を照明するように構成しても良い。
【0099】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の写真シール自動販売装置は、実施形態の写真シール自動販売機1に対応し、
以下同様に、
撮像空間は、撮像空間4に対応し、
出力手段は、PHSユニット11及びプリンタ20に対応し、
編集手段は、編集用タッチモニタ13fに対応し、
撮像手段は、デジタルカメラ14に対応し、
幕体は、特殊カーテン18に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】写真シール自動販売機の外観を示す斜視図。
【図2】筐体の外観を示す斜視図(一部断面図)。
【図3】筐体の内部を示す一部拡大図(一部断面図)。
【図4】写真シール自動販売機の制御回路を示すブロック図。
【図5】写真シール自動販売機の制御装置の動作を示す処理フロー図。
【図6】撮像処理の動作を示す処理フロー図。
【図7】編集処理の動作を示す処理フロー図。
【図8】特殊カーテンを利用した撮像方法の説明図。
【図9】撮像画像に画像編集する編集画面のイメージ図。
【図10】写真シールシートのイメージ図。
【図11】撮像画像に画像編集する編集画面のイメージ図。
【図12】他の実施形態における合成処理の説明図。
【図13】他の実施形態における特殊カーテンの説明図。
【図14】他の実施形態における特殊カーテンの使用状態説明図。
【図15】他の実施形態における特殊カーテンの使用状態説明図。
【符号の説明】
1…写真シール自動販売機
4…撮像空間
10…制御装置
11…PHSユニット
20…プリンタ
13f…編集用タッチモニタ
13g…撮像用タッチモニタ
14…デジタルカメラ
18…特殊カーテン
32…前景合成用画像

Claims (6)

  1. 撮像空間内の1以上の被写体を撮像手段で撮像して撮像画像を作成する撮像処理を許容し、
    編集対象の画像に対して編集手段で編集して編集画像を作成する編集処理を許容し、
    所定の画像を出力手段で出力する写真シール自動販売方法であって、
    前記被写体の前景となる幕体により前記被写体の体の一部を隠し、
    前記被写体の後方に備えた前記幕体と異なる色のカーテンを被写体の背景とし、
    前記撮像手段により前記被写体を前記幕体及び前記カーテンと共に撮像した撮像画像のうち前記幕体が写っている部分に前景合成用画像を合成する
    写真シール自動販売方法。
  2. 前記前景合成用画像を複数の中から選択許容する
    請求項1記載の写真シール自動販売方法。
  3. 前記幕体が複数備えられて撮像に用いる幕体を選択許容する
    請求項1または2記載の写真シール自動販売方法。
  4. 撮像空間内の1以上の被写体を撮像手段で撮像して撮像画像を作成する撮像処理を許容し、
    編集対象の画像に対して編集手段で編集して編集画像を作成する編集処理を許容し、
    所定の画像を出力手段で出力する写真シール自動販売装置であって、
    前記被写体の体の一部を隠して該被写体の前景となる幕体と、
    前記幕体と異なる色で前記被写体の背景となる前記被写体の後方のカーテンと、
    前記撮像手段により前記被写体を前記幕体及び前記カーテンと共に撮像した撮像画像のうち前記幕体が写っている部分に前景合成用画像を合成する手段とを備えた
    写真シール自動販売装置。
  5. 前記前景合成用画像を複数の中から選択許容する手段を備えた
    請求項記載の写真シール自動販売装置。
  6. 前記幕体が複数備えられて撮像に用いる幕体が選択可能になっている
    請求項4または5記載の写真シール自動販売装置。
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