JP3973410B2 - 光学ガラスおよび光学部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学ガラスおよび光学部品に関する。さらに詳しくは、本発明は、異常部分分散特性を有する低比重の光学ガラス、およびこの光学ガラスを用いてなるレンズなどの光学部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
低屈折率、低分散の領域にあって、異常部分分散性を示す光学ガラスは、カメラ用レンズを始めとする様々な光学部品に使用されている。このような光学ガラスとしては、例えば屈折率(nd)が1.54〜1.60、アッベ数(νd)が68〜75の光学恒数と、部分分散比が0.537以上の異常部分分散性を有するフツリン酸塩光学ガラスが開示されている(特開平2−124740号公報)。
【0003】
異常部分分散ガラスから作られるレンズは、色収差補正に有効である。特に色収差がより問題になる望遠レンズは、元来、多数枚のレンズから構成されており、個々のレンズが重いと総重量が重くなり操作性が悪くなる。また、望遠レンズでF値の小さいものを作る場合、口径の大きなレンズが必要になり、レンズの大型化によっても総重量が重くなってしまう。望遠レンズでは、異常部分分散ガラスからなるレンズを、前群に使用するケースが多い。そのため、異常部分分散ガラスからなるレンズは大口径になることが多く、レンズ1枚の重量も重くなってしまう。このような望遠レンズでは、総重量の問題に加えて、レンズ先端部が重くなってバランスがよくない上、オートフォーカス機構のものでは、フォーカス速度が遅くなったり、大きなトルクが必要になり、カメラの電池消耗が著しくなるといったことも問題になる。このような問題を克服するためには、低比重の異常部分分散ガラスが必要となる。
【0004】
しかしながら、一般にガラスには、屈折率が高くなると比重が重くなるという傾向がある。これは、屈折率を高めるために、分子量の大きい高原子価成分を使用するためである。したがって、アッベ数を一定範囲に保ちつつ、屈折率を大きくしようとすると、ガラスの比重も大きくなってしまい、低比重の異常部分分散ガラスを得ることは容易でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、レンズなどの光学部品に好適な異常部分分散特性を有する低比重の光学ガラス、およびこの光学ガラスを用いてなる低比重のレンズなどの光学部品を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、異常部分分散特性を有する低比重の光学ガラスを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のカチオニック成分とアニオニック成分を有し、かつ特定の光学恒数および比重を有する光学ガラス、あるいは特定組成のカチオニック成分とアニオニック成分を有するバッチ組成から得られた特定の光学恒数をもつ光学ガラスにより、前記目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(1)カチオニック成分として、P、AlおよびBaを、アニオニック成分として酸素およびフッ素を含み、かつ屈折率(nd)が1.54以上1.60未満、アッベ数(νd)が70〜80および比重が4.1未満であることを特徴とする光学ガラス(以下、光学ガラス1と称す。)、
(2)カチオニック成分として、Sr、Ca、YおよびLaの中から選ばれる少なくとも1種を含む上記(1)項に記載の光学ガラス、
【0008】
(3)カチオニック成分として、カチオニック%表示で、Pを20〜60%、Alを10〜30%、Baを10〜50%、Srを0〜25%、Caを0〜20%、Yを0〜15%およびLaを0〜15%含むと共に、アニオニック成分として、酸素およびフッ素を含むガラスであって、屈折率(nd)が1.54以上1.60未満で、アッベ数(νd)が70〜80であることを特徴とする光学ガラス(以下、光学ガラス2と称す。)、
【0009】
(4)モル%表示で、Pを5〜20%、Alを1〜15%、Baを1〜18%、Srを0〜10%、Caを0〜10%、Yを0〜5%、Laを0〜5%、Oを20〜55%およびFを18〜48%含むガラスであって、屈折率(nd)が1.54以上1.60未満で、アッベ数(νd)が70〜80であることを特徴とする光学ガラス(以下、光学ガラス3と称す。)、
(5)比重が4.1未満である上記(3)または(4)項に記載の光学ガラス、および
(6)上記(1)ないし(5)項のいずれか1項に記載の光学ガラスからなる光学部品、
を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明を完成させるに当たり、屈折率に対する比重の増加率を組成系によってある程度予測した。その増加率はフツリン酸塩系ガラス、シリケート系ガラス(ただし、Pbを含有)、リン酸塩系ガラス、シリケート系ガラス(ただし、Pbを含まない)の順に小さくなる。低屈折率かつ異常部分分散性を持つガラスの組成系はフツリン酸塩系ガラスであり、屈折率に対して比重が高い組成系である。
【0011】
これに対し、本発明者は、P−Al−Ba系のフツリン酸塩ガラスにおいて、本発明の目的を達成し得ると共に、P、Al、Ba、OおよびFの各成分の含有割合を特定の範囲に規定することにより、低比重、低屈折率、異常部分分散特性、耐失透性を同時に実現する光学ガラスが得られることを見出したものである。本発明の光学ガラスには、3つの態様、すなわち光学ガラス1、光学ガラス2および光学ガラス3があり、以下に各光学ガラスについて説明する。
【0012】
まず、本発明の光学ガラス1は、カチオニック成分として、P、AlおよびBaを、アニオニック成分として酸素およびフッ素を含み、かつ屈折率(nd)が1.54以上1.60未満、アッベ数(νd)が70〜80および比重が4.1未満の光学ガラスである。また、所望により、カチオニック成分として、Sr、Ca、YおよびLaの中から選ばれる少なくとも1種を含むことができ、さらに任意のカチオニック成分として、Mg、Zn、Li、Na、K、Gdなどを含むことができる。なお、環境への配慮からPb、As、Teなどの毒性のある成分を排除することが好ましく、また、Snも排除することが好ましい。
【0013】
この光学ガラス1は、屈折率(nd)およびアッベ数(νd)が上記の範囲にある光学恒数を有し、このような低屈折率、低分散領域において、異常部分分散特性を示すガラスであって、しかも比重が4.1未満と低い特性を有している。各成分の作用については、以下に示す光学ガラス2および光学ガラス3において説明する。
【0014】
次に本発明の光学ガラス2は、カチオニック成分として、カチオニック%表示で、Pを20〜60%、Alを10〜30%、Baを10〜50%、Srを0〜25%、Caを0〜20%、Yを0〜15%およびLaを0〜15%含むと共に、アニオニック成分として、酸素およびフッ素を含むガラスであって、屈折率(nd)が1.54以上1.60未満、アッベ数(νd)が70〜80の光学ガラスであり、一方、光学ガラス3は、モル%表示で、Pを5〜20%、Alを1〜15%、Baを1〜18%、Srを0〜10%、Caを0〜10%、Yを0〜5%、Laを0〜5%、Oを20〜55%およびFを18〜48%含むガラスであって、屈折率(nd)が1.54以上1.60未満で、アッベ数(νd)が70〜80の光学ガラスである。
【0015】
この光学ガラス2および3における各成分の含有量を限定した理由について説明する。
P(リン)イオンはガラス形成酸化物として働き、ガラス構造の安定化、すなわち失透に対する安定性を増すための必須成分である。Pイオンが上記含有量の下限より少ないとガラスの失透に対する安定性が悪くなり、上記含有量の上限を越えると分散が大きくなるので、Pイオンの含有量は上記範囲とする。好ましいPイオンの含有量は、光学ガラス2において、カチオニック%で30〜55%、より好ましくは40〜50%であり、光学ガラス3において、モル%で10〜16%、より好ましくは12〜15%である。
【0016】
Al(アルミニウム)イオンはガラスの失透に対する安定性および低屈折・低分散の光学特性を付与するための必須成分であり、ガラスの硬度を上げ、加工性を向上させる作用がある。Alイオンが上記含有量の下限より少ないとガラスの失透に対する安定性が悪くなり、上限を超えると屈折率が低くなってしまうため、Alイオンの含有量は上記範囲とする。好ましいAlイオンの含有量は、光学ガラス2において、カチオニック%で13〜28%、より好ましくは15〜25%であり、光学ガラス3において、モル%で3〜10%、より好ましくは4〜8%である。
【0017】
Ba(バリウム)イオンはガラスの失透性に対する安定性と屈折率を向上させるための必須成分であるが、添加しすぎると分散が大きくなる。そこでBaイオンの含有量を上記範囲とする。好ましいBaイオンの含有量は、光学ガラス2において、カチオニック%で15〜42%、より好ましくは25〜35%、さらに好ましくは27〜33%であり、光学ガラス3において、モル%で5〜12%、より好ましくは8〜12%である。
【0018】
Ca(カルシウム)イオンとSr(ストロンチウム)イオンは、Baイオンへの比重への影響を軽減する任意成分であり、添加しすぎると所望の光学恒数が得られにくくなる。したがって、SrイオンおよびCaイオンの含有量は、それぞれ上記範囲とする。好ましいSrイオンの含有量は、光学ガラス2において、カチオニック%で0〜15%、より好ましくは0〜3%であり、光学ガラス3において、モル%で0〜6%、より好ましくは0〜2%である。好ましいCaイオンの含有量は、光学ガラス2において、カチオニック%で0〜10%、より好ましくは0〜2%、光学ガラス3において、モル%で0〜3%、より好ましくは0〜1%である。
【0019】
Y(イットリウム)イオンおよびLa(ランタン)イオンは、ガラスの失透に対する安定性、屈折率および化学的耐久性ならびにガラス硬度の向上に寄与する任意成分であるが、添加しすぎると比重が高くなってしまう。したがって、YイオンおよびLaイオンの含有量は、それぞれ上記範囲とする。好ましいYイオンおよびLaイオンの含有量は、光学ガラス2において、カチオニック%でYイオンが0〜8%、Laイオンが0〜2%、より好ましくはYイオンが0〜5%、Laイオンが0〜1%であり、光学ガラス3において、モル%でYイオンが0〜3%、Laイオンが0〜2%、より好ましくはYイオンが0〜2%、Laイオンが0〜1%である。
【0020】
F(フッ素)イオンは、異常部分分散特性を示すガラスを与える必須成分であり、光学ガラス3において、Fイオンが上記含有量の下限より少ないと十分な異常部分分散特性が発揮されず、上記含有量を超えると失透性に対する安定性が悪くなる。したがって、Fイオンの含有量は上記範囲とする。好ましいFイオンの含有量は、光学ガラス3において、モル%で20〜40%、より好ましくは22〜38%、さらに好ましくは25〜30%である。光学ガラス2においても、上記の理由により、Fイオンの含有量を、アニオニック%で25〜60%にすることが好ましく、30〜55%にすることがより好ましく、32〜40%にすることがさらに好ましい。
【0021】
O(酸素)イオンは、カチオニック成分が酸化物を形成するための必須成分であり、その含有量は、カチオニック成分の組成およびFイオンの量により、上記含有量の範囲内で自動的に決まる。光学ガラス2において好ましいOイオンの含有量は、アニオニック%で37〜78%、より好ましくは45〜70%、さらに好ましくは55〜68%である。好ましいOイオンの含有量は、光学ガラス3において、モル%で30〜48%、より好ましくは38〜48%、さらに好ましくは40〜48%である。
【0022】
本発明の光学ガラス2において、好ましい組成は、カチオニック成分として、カチオニック%表示で、P 30〜55%、Al 13〜28%、Ba 15〜42%、Sr 0〜15%、Ca 0〜10%、Y 0〜8%およびLa 0〜2%を含み、アニオニック成分として酸素およびフッ素を含む組成のものであり、さらに好ましい組成は、カチオニック成分として、カチオニック%表示で、P40〜50%、Al 15〜25%、Ba 25〜35%、Sr 0〜3%、Ca 0〜2%、Y 0〜5%およびLa 0〜1%を含み、アニオニック成分として酸素およびフッ素を含む組成のものである。中でもBa 27〜33%を含むものがいっそう好ましい。
【0023】
一方、本発明の光学ガラス3において、好ましい組成は、モル%表示で、P 10〜16%、Al 3〜10%、Ba 5〜12%、Sr 0〜6%、Ca 0〜3%、Y 0〜3%、La 0〜2%、O 30〜48%およびF 20〜40%であり、さらに好ましい組成は、P 12〜15%、Al 4〜8%、Ba 8〜12%、Sr 0〜2%、Ca 0〜1%、Y 0〜2%、La 0〜1%、O 38〜48%およびF 22〜38%である。中でもO 40〜48%、F 25〜30%を含むものがいっそう好ましい。
【0024】
前記光学ガラス2および3においては、任意成分として、Mg、Zn、Li、Na、K、La、Gdなどを含むことができる。ただしGdは、ガラスの比重を増加させてしまう成分なので、1.5モル%未満におさえることが好ましい。なお、環境への配慮からPb、As、Teなどの毒性のある成分を排除することが好ましく、また、Snも排除することが好ましい。
【0025】
この本発明の光学ガラス2および3は、それぞれ比重を4.1未満と低比重にすることができ、また、屈折率(nd)およびアッベ数(νd)が前記の範囲にある光学恒数を有し、このような低屈折率、低分散領域において、異常部分分散特性を示す。光学ガラス1〜3において特に好ましいガラスは、P、Al、Ba、Sr、Ca、Y、La、O、Fよりなるものである。
【0026】
本発明の光学ガラス(光学ガラス1〜3)は、いずれも可視域での透過率が高く、透明である。この本発明の光学ガラスは異常部分分散性を示すとともに、比重が小さく、硬度も大きく、加工性(研削加工性、研磨加工性など)が優れているので、軽量の光学部品、例えば、色収差補正用レンズの材料などとして好適である。
【0027】
なお、本発明の光学ガラスが異常部分分散特性を有することは、以下のようにして確認することができる。
波長 435.84nmにおける屈折率ng、波長 486.13nmにおける屈折率nF、波長 656.27nmにおける屈折率ncを測定し、短波長側の部分分散比PgF =(ng−nF)/(nF−nc)を求める。X軸にアッベ数νd、Y軸にPgF(両軸ともリニアスケール)をとったグラフにガラスのνdとPgFをプロットする。また、νd=60.49,PgF=0.5393の点とνd=36.30,PgF=0.5829の点を通る直線から前記プロットが外れていれば、異常部分分散特性を有していることになる。
【0028】
光学ガラス1〜3において、低比重かつ耐失透性に優れたガラスを得るには、部分分散比PgFを0.53〜0.56にすることが望ましく、0.535〜0.555にすることがさらに望ましい。
【0029】
次に、本発明の光学ガラスの成形方法について説明する。
成形方法としては、溶融ガラスを鋳型に流し込み、冷却したのち、冷却されたガラスに切断、研削、研磨などの加工を施すことで所望の形状、所望の表面に仕上げる方法を用いることができる。中でも、流出パイプから連続して排出される溶融ガラスを一端が開放された鋳型に流し込み、冷却させながら鋳型の開放端から引出し、一定幅、一定厚を有する長尺のガラス板を成形する方法に適している。この方法で作製されたガラス板を縦横に切断してカットピースと呼ばれるガラス片を作製し、これらカットピースをバレル研磨して一定重量のガラス塊を得ることもできる。これらのガラス塊をプレス成形用ガラス素材とすることができる。このプレス成形用ガラス素材を再加熱により軟化し、プレス成形型を用いてプレス成形し、レンズブランク(レンズを得るための中間製品)などのプレス成形品を作製する。このプレス成形品に研削、研磨加工を施してレンズなどの光学部品を作成することができる。なお、光学部品には、必要に応じて反射防止膜などの光学薄膜を形成してもよい。
【0030】
このようにして得られた本発明の光学部品は、低比重の異常部分分散特性を示すガラスからなるものであって、軽量な色収差補正用光学部品、例えば軽量な色収差補正用レンズなどを提供することができる。
【0031】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1〜14および比較例1
ガラス組成が、表1に示すカチオニック%で、かつ表2に示すモル%になるように、各ガラス原料成分を調合したのち、溶解、清澄、攪拌し、鋳型に鋳込んで、光学ガラスを作製した。このガラスの比重、屈折率(nd)、アッベ数(νd)および異常部分分散特性を下記に示す方法に従って測定した。その結果を表3に示す。
(1)比重
蒸留水を用い、アルキメデス法により測定した。
(2)屈折率(nd)およびアッベ数(νd)
徐冷降温速度を−30℃/hにして得られた光学ガラスについて測定した。
(3)異常部分分散特性
上記(2)の光学の屈折率ng、nF、ncからPgFを求め、PgF−νdグラフ上に、PgFとνdの値をプロットして確認した。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
表3で示すように、実施例で得られた光学ガラスは、いずれもndが1.54以上1.60未満、νdが70〜80、比重が4.1未満であり、かつ異常部分分散特性を有している。なお、実施例1〜14の各ガラスの部分分散比(PgF)とアッベ数(νd)をプロットした結果を図1に示す(図中の数字は実施例No.である)。各実施例のガラスのプロットととも直線の上側になっており、異常部分分散ガラスであることがよくわかる。
【0036】
実施例15
実施例1〜14のガラス組成を有する調合原料から溶融ガラスを作製し、一端が開放されている鋳型に連続して鋳込み、冷却しながら、一定幅、一定厚のガラス板を一定スピードで鋳型の開放端から引出すとともに、引き出されたガラス板をアニールした。アニール後、室温まで冷却されたガラス板を一定のサイズで切断し、直方体状のカットピースを作製した。これらのカットピースはバレル研磨によりエッジを落とし、一定重量のプレス成形用ガラス素材とした。このプレス成形用ガラス素材を、大気中にて再加熱により軟化し、上型と下型を備えたプレス成形型でプレス成形し、レンズブランクを作製した。これらのレンズブランクをアニールして歪みを除去した後、研削、研磨加工を施してレンズに仕上げた。これらのレンズの表面には必要に応じて反射防止膜を形成することができる。これらのレンズは色収差補正用レンズとして使用することができる。
このように、前記実施例1〜14の光学ガラスを用いることにより、従来のガラスを用いた場合に比べ、10%の軽量化が可能になった。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、屈折率(nd)が1.54以上1.60未満、アッベ数(νd)が70〜80の光学恒数を有すると共に、異常部分分散特性を示す低比重の光学ガラスを得ることができる。
本発明の光学ガラスを用いることにより、光学部品の軽量化が可能になるので、この部品を組込んだ光学機器、例えば、カメラ用レンズ、特に望遠レンズの総重量を軽くすることができ、光学機器の携帯性、操作性などの諸性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1〜14の各ガラスの部分分散比(PgF)とアッベ数(νd)をプロットした結果を示す図である。
Claims (6)
- カチオニック成分として、カチオニック%表示で、Pを20〜60%、Alを15〜30%、Baを18.49〜50%、Srを0〜25%、Caを0〜20%、Yを0〜15%およびLaを0〜2%含むと共に、アニオニック成分として、酸素およびフッ素を含むガラスであって、屈折率(nd)が1.54以上1.60未満で、アッベ数(νd)が70〜80、比重が4.1未満であることを特徴とする光学ガラス。
- モル%表示で、Pを5〜20%、Alを5.12〜15%、Baを5.91〜18%、Srを0〜10%、Caを0〜10%、Yを0〜5%、Laを0〜1%、Oを20〜55%およびFを18〜48%含むガラスであって、屈折率(nd)が1.54以上1.60未満で、アッベ数(νd)が70〜80、比重が4.1未満であることを特徴とする光学ガラス。
- カチオニック成分として、カチオニック%表示で、Pを20〜60%、Alを15〜30%、Baを18.49〜50%、Srを0〜25%、Caを0〜20%、Yを0〜15%およびLaを0〜2%含むと共に、Snを含まず、アニオニック成分として、酸素およびフッ素を含むガラスであって、屈折率(nd)が1.54以上1.60未満で、アッベ数(νd)が70〜80、比重が4.1未満であることを特徴とする光学ガラス。
- モル%表示で、Pを5〜20%、Alを5.12〜15%、Baを5.91〜18%、Srを0〜10%、Caを0〜10%、Yを0〜5%、Laを0〜1%、Oを20〜55%およびFを18〜48%含み、Snを含まないガラスであって、屈折率(nd)が1.54以上1.60未満で、アッベ数(νd)が70〜80、比重が4.1未満であることを特徴とする光学ガラス。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学ガラスからなる光学部品。
- 望遠レンズの色収差補正用レンズである請求項5に記載の光学部品。
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