JP3973243B2 - 油圧制御弁 - Google Patents
油圧制御弁 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3973243B2 JP3973243B2 JP30479795A JP30479795A JP3973243B2 JP 3973243 B2 JP3973243 B2 JP 3973243B2 JP 30479795 A JP30479795 A JP 30479795A JP 30479795 A JP30479795 A JP 30479795A JP 3973243 B2 JP3973243 B2 JP 3973243B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- input shaft
- output shaft
- oil
- valve body
- shaft
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Power Steering Mechanism (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車に装備される油圧式の動力舵取装置において、操舵補助用の油圧アクチュエータへの送給油圧を舵輪操作に応じて制御すべく用いられ、同軸上にて生じる入力軸と出力軸との相対角変位に応じて圧油の給排制御を行う回転式の油圧制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧式の動力舵取装置は、自動車の舵取機構中に配した複動式の油圧シリンダ(パワーシリンダ)等の油圧アクチュエータの発生力により舵取りを補助し、舵輪(ステアリングホィール)の操作に要する運転者の労力負担を軽減して、快適な操舵感覚を得ようとするものであり、前記パワーシリンダの両シリンダ室と、エンジンにて駆動される油圧ポンプ、及び作動油を収納する油タンクとの間に、舵輪に加わる操舵トルクの方向及び大きさに応じて圧油の給排制御を行う油圧制御弁を配してなる。
【0003】
前記油圧制御弁としては、舵輪の回転を直接的に利用する回転式の油圧制御弁が広く用いられている。図3は、この種の油圧制御弁の一例を示す縦断面図であり、舵輪に連なる中空の入力軸2の下端と、舵取機構に連なる出力軸3の上端とを、前者の内側に挿通されたトーションバー4を介して同軸的に連結し、筒形をなすハウジングHの内部に同軸回りでの回動自在に支承すると共に、これら両軸の一方(図においては出力軸3)の連結端に前記ハウジングHの内部に保持された筒形のバルブボディー10を結合し、該バルブボディー10の内側に、他方(図においては入力軸2)の連結側外周に一体的に形成されたバルブスプール11を相対回転自在に嵌め合わせて油圧制御弁が構成されている。
【0004】
入力軸2の下端部は、出力軸3の上端部に連設された円筒部30の内側に支持してあり、油圧制御弁のバルブボディー10は、その一端面に形成された切欠き溝12に前記円筒部30の外周に打設されたダウエルピン31を係合させて周方向に拘束され、また、入力軸2の外周に巻着された止め輪32に他端面を当接させて軸方向に拘束されており、バルブスプール11に対する軸方向位置を保ちつつ出力軸3と一体回転するようになしてある。
【0005】
バルブボディー10の内周面とバルブスプール11の外周面とには、軸長方向に延びる各複数の油溝が周方向に略等配をなして並設されており、これらは、嵌合周上にて周方向に千鳥配置されて、相隣する油溝間に前記相対角変位に応じて絞り面積を変える複数の絞り部を形成している。
【0006】
給油源となる油圧ポンプPは、ハウジングHを内外に貫通するポンプポート20とバルブボディー10を貫通する給油孔とを経て前記油溝のいずれか(給油溝)に連通させてあり、該油溝の両側に相隣する油溝(分配溝)は、バルブボディー10を貫通する各別の送油孔、及びハウジングHを内外に貫通する各別のシリンダポート21,22を介して送油先となるパワーシリンダの両シリンダ室SL ,SR に夫々連通させてある。更に、これらの分配溝の他側に相隣する油溝(排油溝)は、入力軸2の中空部を経てバルブボディー10の一側に形成された排油室23に連通され、該排油室23の該当位置にてハウジングHを内外に貫通するタンクポート24を経て排油先となる油タンクTに連通させてある。
【0007】
バルブボディー10とバルブスプール11との嵌合周上に並ぶ複数の絞り部は、トーションバー4に捩れが生じていない状態において互いに等しい絞り面積を有しており、油圧ポンプPからポンプポート20を経て給油溝に供給される圧油は、両側に相隣する分配溝に均等に導入され、更にこれらの他側に相隣する排油溝に導入されて、入力軸2の中空部、排油室23、及びタンクポート24を経て油タンクTに排出される。このとき、前記分配溝に夫々連通されたシリンダ室SL ,SR 間に圧力差は生じず、パワーシリンダは何らの力も発生しない。
【0008】
これに対し、舵輪に舵取りのための回転トルク(操舵トルク)が加えられたときには、入力軸2と出力軸3との間、即ち、バルブスプール11とバルブボディ10との間に、トーションバー4の捩れを伴って前記操舵トルクの方向に相対角変位が生じ、両者の嵌合周上に並ぶ絞り部の絞り面積が変化する。このとき、前記給油溝に供給される圧油は、絞り面積を増した側の絞り部を経て一方の分配溝に主として導入されるようになり、該分配溝にシリンダポート21(又は22)を介して連通された一方のシリンダ室SL (又はSR )と、他方の分配溝にシリンダポート22(又は21)を介して連通された他方のシリンダ室SR (又はSL )との間に圧力差が生じ、パワーシリンダは、この圧力差に応じた油圧力を発生し、この油圧力が操舵補助力として舵取機構に加えられて舵取りが補助される。
【0009】
このとき、他方のシリンダ室SR (又はSL )から作動油が押し出され、対応するシリンダポート22(又は21)を経て他方の分配溝に還流し、該分配溝の一側にて絞り面積を増した絞り部を経て排油溝に導入されて、入力軸2の中空部、排油室23、及びタンクポート24を経て油タンクTに排出される。
【0010】
入力軸2と出力軸3とを連結するトーションバー4は、所望の捩れ特性を得るべく外径及び長さを定めた小径部4cの両側に、これよりもやや大径の連結部4a,4bを連設してなり、入力軸2との連結側となる出力軸3の上端面に穿設された連結孔3aに一方の連結部4aを嵌合し、両者の嵌合周上に形成されたセレーションの噛合により軸回りの回転を拘束する一方、ハウジングH外への突出側にて小径化された入力軸2の中空部に他方の連結部4bを嵌合し、該当位置に打設した止めピン5により軸回りの回転及び軸長方向の移動を拘束して取り付けられている。
【0011】
この連結に際しては、出力軸3と一体回転するバルブボディー10と、入力軸2の一部に形成されたバルブスプール11とを、両者の嵌合周上に並ぶ複数の絞り部が互いに等しい絞り面積を有するように周方向に位置決めするセンタリング工程が必要である。図4は、従来の油圧制御弁におけるセンタリング工程の実施手順の説明図である。
【0012】
図示の如く従来のセンタリング工程は、入力軸2、出力軸3、トーションバー4及びバルブボディー10を、トーションバー4の連結部4bと入力軸2との前記止めピン5による連結を省略した状態にて仮組みし、ハウジングHに対応する試験治具6の内部に支持せしめ、タンクポート24に対応する排油孔64を排油先に接続し、ポンプポート20に対応する導圧孔60を経て前記給油溝に試験用の油圧P0 を導入しつつ、図中に矢符にて示す如く、入力軸2の軸端に回転力を加え、シリンダポート21,22に対応する検圧孔61,62に検出される圧力P1 ,P2 を比較する手順にて行われる。
【0013】
トーションバー4の連結部4bは、入力軸2の軸端から突出する延長部分を有しており、前述した入力軸2への回転力の付与は、前記延長部分の把持により、出力軸3及びバルブボディー10の回転を拘束した状態で行われ、これにより、バルブボディー10の内側にてバルブスプール11が回転し、両者の嵌合周上に並ぶ絞り部の絞り面積が変化し、これらの絞り部が等しい絞り面積を有する状態においては、前述した如く、給油溝の両側の分配溝の内圧は等しくなる。
【0014】
従って、分配溝の内圧に相当する前記圧力P1 ,P2 の差を監視しつつ入力軸2を回転させて、両者の差圧が零となる回転位置を求めることによりセンタリングが完了する。その後、図中に破線により示す如く、前記回転位置を保ったまま入力軸2の軸端部近傍に、その内部に嵌合するトーションバー4の連結部4bと共に貫通する貫通孔5aを穿設し、この貫通孔5aに前記止めピン5を打設して前記連結部4bと入力軸2とを結合することにより、入力軸2と出力軸3との連結が完了し、この連結体をハウジングH内に前述した如くに組み込み、図3に示す如き油圧制御弁を構成する。なおこのとき、前記センタリングにおいて使用したトーションバー4の延長部分は、前記舵輪への入力軸2の連結を阻害しないよう入力軸2からの突出位置にて切断される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、以上の如く構成された従来の油圧制御弁においては、前記センタリング工程を実施するため、入力軸2の軸端部にトーションバー4の連結部4bの一部が突出させてある一方、トーションバー4が挿通される入力軸2の中空部は、前述の如く、排油溝から排油室23への戻り油の通路として使用されていることから、図3及び図4に示す如く、前記連結部4bに巻着されたOリング4dを入力軸2の内周に弾接させて前記戻り油を封止する構成が採用されており、トーションバー4の捩れ特性を決定する小径部4cの外径が、前記Oリング4dの巻着溝の底径よりも小さく設定される結果、入力軸2の内部の限られた寸法範囲内でのトーションバー4の設計の自由度が制限されるという難点があった。
【0016】
また、前記トーションバー4は、ばね鋼等、繰り返し加わる捩れに抗し得る材料からなり、一般的に入力軸2との硬度差が大きいことから、前述したセンタリングを終えた後、止めピン5の打設のための前記貫通孔5aを形成する際に、穿孔用の工具が入力軸2と連結部4bとの界面において位置ずれし、連結完了後のバルブボディー10とバルブスプール11との周方向位置にずれが生じる場合があり、再組立てを必要とする不良品の発生率が高くなるという難点があった。
【0017】
この難点を解消すべく、特開平5-32173号公報には、前記連結部4bの基端側に入力軸2の中空部に対して適宜の締め代を有して圧入部を連設し、前述したセンタリングを終えた後にトーションバー4に引き力を加え、前記圧入部を中空部に圧入せしめることにより、止めピン5による結合を不要とした油圧制御弁が開示されている。
【0018】
ところがこの構成においては、圧入により固定された入力軸2とトーションバー4との連結部に、使用時に繰り返し加えられる回転トルクの作用により位置ずれが生じ、正常な動作が行えなくなる場合があり、この位置ずれが運転中に発生し、操舵感覚の急変により思わぬ事故を引き起こす虞れさえあった。
【0019】
更に、特開平5-32173号公報に開示された構成においては、前記圧入部にOリング4dに相当する封止手段が存在しておらず、該圧入部に入力軸2の中空部からの漏れ出し油が介在し、前記位置ずれの発生が助長される虞れがあり、封止手段を介在させた場合には、トーションバー4の設計の自由度が制限されるという問題が残る。
【0020】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、封止手段を要さずにトーションバーの連結部からの作動油の漏れ出しを防ぎ、トーションバーの設計自由度を高めることができ、また、組立て完了後のバルブボディーとバルブスプールとがセンタリング時の精度を正しく保って位置決めされ、不良品の発生率を低減し得る油圧制御弁を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る油圧制御弁は、回転トルクが加わる入力軸と出力軸とをトーションバーを介して同軸上に連結し、両軸の一方に結合された筒形のバルブボディーの内側に他方の一部を嵌合せしめ、この嵌合周上に並設された絞り部の絞り面積を前記回転トルクの作用による前記トーションバーの捩れに応じて増減させて圧油の給排を制御する油圧制御弁において、前記入力軸及び前記出力軸は、他方との対向面に穿設された有底の連結孔を備え、これらの連結孔に前記トーションバーの両端部を夫々嵌着せしめて連結してあり、両軸の一方に前記バルブボディーを外嵌し、その一部を他方の軸端部に臨ませて軸方向に位置決めし、該バルブボディー、又は前記入力軸及び出力軸を回転させて前記絞り部の絞り面積を加減し、所望の絞り面積が得られた周方向位置にて前記バルブボディーを前記軸端部に結合するセンタリング工程を含む手順にて組み立ててあることを特徴とする。
【0022】
本発明においては、入力軸と出力軸との連結側端面の軸心部に有底の連結孔、即ち、外部に開口を有しない連結孔を夫々穿設し、これらの連結孔にトーションバーの両端部を嵌め込み、例えば、セレーションの噛合により回転を拘束して連結状態を得た後、一方の軸に外嵌されたバルブボディーの一側を他方の軸端に臨ませた状態にて軸方向にのみ位置決めされた状態で仮組みし、該バルブボディー、又はトーションバーを介して連結された入力軸及び出力軸を回転させて、バルブボディーとバルブスプールとの嵌合周上に並ぶ絞り部の絞り面積を加減し、所望の絞り面積が得られた位置にて前記他方の軸端にバルブボディーを結合する手順にて組み立てる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、ラックピニオン式の動力舵取装置に適用された本発明に係る油圧制御弁の構成例を示す縦断面図である。
【0026】
図中2は入力軸、3は出力軸であり、これらは、筒形をなすハウジングHの内部に、夫々の一端部を突き合わせて、同軸回りでの回動自在に支承されている。入力軸2の突き合わせ端部(下端部)は、出力軸3の突き合わせ端部(上端部)に連設された円筒部30に適長内嵌され、相対回転自在に支持させてある。入力軸2の上部は、ハウジングHの外側に適長突出させてあり、この突出端は図示しない舵輪に連結されている。また出力軸3の下半部には、ピニオン33が形成してあり、該ピニオン33は、ハウジングHの下部に出力軸3と交叉する態様に支承されたラック軸34に噛合させてある。
【0027】
出力軸3の軸心部には、従来と同様、入力軸2の下端に突き合わされた上端面に開口を有し、内周にセレーションが形成された有底の連結孔3aが穿設されている。一方入力軸2の軸心部には、出力軸3の上端に突き合わされた下端面から、ハウジングH外に突出する上端部近傍にまで達する有底の挿通孔2aが穿設され、該挿通孔2aの内奥側には、これよりも小径であり、内周にセレーションが形成された連結孔2bが連設されており、入力軸2と出力軸3とは、前記挿通孔2aに挿通されたトーションバー4を介して同軸上での相対回転自在に連結されている。
【0028】
トーションバー4は、従来と同様、所望の捩れ特性を得るべく外径及び長さを定めた小径部4cの両側に、これよりもやや大径化された連結部4a,4bを連設してなる。連結部4a,4bの外周には、前記連結孔3a,2bの内周のセレーションと夫々対応するセレーションが形成されており、入力軸2と出力軸3とは、連結部4aを連結孔3aに、また連結部4bを連結孔3bに嵌合せしめ、各別のセレーションの噛合により軸回りの回転を拘束して連結されており、この連結状態は、入力軸2と出力軸3とをハウジングH内にて軸方向に拘束して支持することにより保たれている。
【0029】
本発明に係る油圧制御弁は、以上の如く連結された入力軸2と出力軸3との一方(図においては出力軸3)の連結端に前記ハウジングHの内部に保持された筒形のバルブボディー10を結合し、該バルブボディー10の内側に、他方(図においては入力軸2)の連結側外周に一体的に形成されたバルブスプール11を相対回転自在に嵌め合わせて構成されている。
【0030】
バルブボディー10は、その一端面に形成された切欠き溝12を、出力軸3の上端に連設された円筒部30の外周に打設されたダウエルピン31に係合させて周方向に拘束され、また、入力軸2の外周に巻着された止め輪32に他端面を当接させて軸方向に拘束されており、バルブスプール11に対する軸方向位置を保ちつつ出力軸3と一体回転するようになしてある。
【0031】
バルブボディー10とバルブスプール11との嵌合周上には、従来と同様、給油源となる油圧ポンプPにポンプポート20を介して連通する給油溝、前記ラック軸33の中途に構成された図示しないパワーシリンダの両シリンダ室SL ,SR に各別のシリンダポート21,22を介して連通する分配溝、及び入力軸2の挿通孔2aを経てバルブボディー10の一側に形成された排油室23に連通し、タンクポート24を介して排油先となる油タンクTに連通する排油溝が並設されており、これらの各油溝は、トーションバー4の捩れを伴って生じる入力軸2と出力軸3との相対角変位、即ち、バルブボディー10とバルブスプール11との相対角変位に応じて絞り面積を変える絞り部を介して連通させてある。
【0032】
各油溝間の絞り部は、トーションバー4に捩れが生じていない中立状態において互いに等しい絞り面積を有しており、油圧ポンプPからポンプポート20を経て給油溝に供給される圧油は、両側に相隣する分配溝に均等に導入され、更にこれらの他側に相隣する排油溝に導入されて、入力軸2の中空部、排油室23、及びタンクポート24を経て油タンクTに排出される。このとき、前記分配溝に夫々連通されたシリンダ室SL ,SR 間に圧力差は生じず、パワーシリンダは何らの力も発生しない。
【0033】
これに対し、図示しない舵輪に舵取りのための回転トルク(操舵トルク)が加えられた場合、この回転トルクが入力軸2に伝わり、更に、トーションバー4を介して出力軸3に伝達されて、下半部のピニオン33と噛合するラック軸34の軸長方向の摺動に変換されて舵取りが行われるが、この摺動は、図示しない操向車輪に作用する路面からの反力に抗して行われるから、入力軸2と出力軸3との間、即ち、バルブスプール10とバルブボディ11との間に、トーションバー4の捩れを伴って舵輪に加わる操舵トルクに応じた相対角変位が生じ、前記絞り部の絞り面積が変化する。
【0034】
このとき、前記給油溝に供給される圧油は、絞り面積を増した側の絞り部を経て一方の分配溝に主として導入されるようになり、該分配溝にシリンダポート21(又は22)を介して連通されたシリンダ室SL (又はSR )と、他方の分配溝にシリンダポート22(又は21)を介して連通されたシリンダ室SR (又はSL )との間に圧力差が生じ、パワーシリンダは、この圧力差に応じた油圧力を発生し、この油圧力がラック軸34に加えられて舵取りが補助される。
【0035】
また、この舵取り補助動作に応じて他方のシリンダ室SR (又はSL )から作動油が押し出され、対応するシリンダポート22(又は21)を経て油圧制御弁に還流するが、この還流油は、対応する分配溝の一側にて絞り面積を増した絞り部を経て排油溝に導入されて、中立状態におけると同様、入力軸2内側の挿通溝2a、排油室23、及びタンクポート24を経て油タンクTに排出される。
【0036】
本発明に係る油圧制御弁において、以上の如き排油の通路となる挿通孔2aが、前述した如く内奥側に連結孔2bを備える有底孔となっており、挿通孔2a中を流れる排油が外部に漏れ出す虞れはなく、トーションバー4に封止手段としてのOリングを巻着する必要がない。従って、該トーションバー4の小径部4cの外径選定に際し、従来の如く、Oリング4dの巻着溝の底径よりも小さくするという制限がなくなり、トーションバー4の設計の自由度を高めることができる。
【0037】
一方、入力軸2とトーションバー4との連結が、出力軸3の側と同様に、一側の連結部4bを有底の連結孔2bに嵌着せしめて行われており、入力軸2の軸端部にトーションバー4の端部が突出していないため、出力軸3と一体回転するバルブボディー10と、入力軸2の一部に形成されたバルブスプール11とを、両者の嵌合周上に並ぶ複数の絞り部が互いに等しい絞り面積を有するように周方向に位置決めするセンタリング工程を、従来の油圧制御弁におけると同様に実施することはできない。
【0038】
図2は、本発明に係る油圧制御弁におけるセンタリング工程の実施手順の説明図である。センタリング工程は、図示の如く、入力軸2、出力軸3、トーションバー4及びバルブボディー10を、出力軸3の円筒部30とバルブボディー10とのダウエルピン31による連結を省略した状態にて仮組みし、従来と同様に、ハウジングHに対応する試験治具6の内部に支持せしめ、タンクポート24に対応する排油孔64を排油先に接続し、ポンプポート20に対応する導圧孔60を経て給油溝に試験用の油圧P0 を導入しつつ、バルブボディー10とバルブスプール11とを相対回転させて両者の嵌合周上に並ぶ絞り部の絞り面積を加減し、シリンダポート21,22に対応する検圧孔61,62に取り出される圧力P1 ,P2 を検出して、両者の差圧が零となる回転位置を定める手順にて行われる。
【0039】
バルブボディー10は、出力軸3の円筒部30に対向する側に、前記試験治具6の外部に突出する延長部を有しており、バルブボディー10とバルブスプール11との相対回転は、例えば、トーションバー4により連結された入力軸2及び出力軸3の回転を、望ましくは、バルブスプール11を一体的に備える入力軸2の側にて拘束し、図中に矢符により示す如く、試験治具6からのバルブボディー10の突出端に回転力を加えることにより行われる。また逆に、バルブボディー10の突出端を把持してこれの回転を拘束し、入力軸2及び出力軸3に回転力を加えて行わせることもできる。
【0040】
このようにして所望の回転位置を定めた後、この回転位置を維持したまま、図中に破線により示す如く、バルブボディー10に形成された前記切欠き溝12の直下において、出力軸3の円筒部30にダウエルピン31の打設のための打設孔 31aを穿設し、この打設孔 31aにダウエルピン31を打ち込み、バルブボディー10を出力軸3に結合してセンタリングが完了し、このように得られた入力軸2と出力軸3との連結体を試験治具6から取り外し、ハウジングH内に前述した如くに組み込むことにより、図1に示す如き油圧制御弁が構成される。
【0041】
以上の如く行われるセンタリング工程においては、バルブボディー10とバルブスプール11とを周方向に位置決めした後、前記円筒部30に対してのみ打設孔 31aを形成すればよく、この形成に際して穿孔用の工具に位置ずれ伴う虞れがない。従って、バルブボディー10とバルブスプール11とは、ダウエルピン31の打ち込みにより、前述した周方向位置を保って高精度に位置決めされ、組立て不良品の発生率を低減することができる。
【0042】
なお、センタリング完了後のバルブボディー10の結合は、ダウエルピン31の打設によるピン結合に限るものではなく、出力軸3の円筒部30にバルブボディー10の端面を溶接する等、他の結合手段を採用してもよい。
【0043】
また以上の実施の形態においては、入力軸2と一体にバルブスプール11を形成し、これに外嵌する筒形のバルブボディー10を出力軸3に結合した場合について述べたが、バルブスプール11を出力軸3とし、バルブボディー10を入力軸2側とした構成も可能であることは言うまでもない。
【0044】
また以上の実施の形態においては、ラック・ピニオン式の動力舵取装置への適用例について述べたが、本発明に係る油圧制御弁の適用範囲はこれに限らず、ボールねじ式等、他の形式の動力舵取装置にも適用可能であり、更には、動力舵取装置以外の油圧制御のための用途への適用も可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係る油圧制御弁においては、入力軸と出力軸との連結側端面の軸心部に有底の連結孔を夫々穿設し、これらにトーションバーの両端部を嵌着して、入力軸と出力軸との連結状態を得ており、トーションバーの配設空間が外部と遮断された状態にあるから、前記配設空間中を流れる油が外部に漏れ出す虞れがなく、漏れ出し防止用の封止手段が不要となり、トーションバーの設計自由度を高めることができる。
【0046】
また、入力軸と出力軸とをトーションバーを介して連結し、一方の軸に外嵌されたバルブボディーを軸方向にのみ位置決めして仮組みし、バルブボディーとバルブスプールとの嵌合周上に並ぶ絞り部の絞り面積を、バルブボディー、又はトーションバーを介して連結された入力軸及び出力軸を回転させて加減し、所望の絞り面積が得られた周方向位置にて他方の軸端にバルブボディーを結合するセンタリング工程を含む手順にて組み立ててあるから、組立て完了後のバルブボディーとバルブスプールとが、高いセンタリング精度を保って位置決めされ、組立て不良品の発生率の低減に寄与し得る等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラックピニオン式の動力舵取装置に適用された本発明に係る油圧制御弁の構成例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の油圧制御弁におけるセンタリング工程の実施手順の説明図である。
【図3】ラックピニオン式の動力舵取装置に適用された従来の油圧制御弁の構成例を示す縦断面図である。
【図4】従来の油圧制御弁におけるセンタリング工程の実施手順の説明図である。
【符号の説明】
2 入力軸
2a 挿通孔
2b 連結孔
3 出力軸
3a 連結孔
4 トーションバー
4a 連結部
4b 連結部
10 バルブボディー
11 バルブスプール
30 円筒部
31 ダウエルピン
Claims (1)
- 回転トルクが加わる入力軸と出力軸とをトーションバーを介して同軸上に連結し、両軸の一方に結合された筒形のバルブボディーの内側に他方の一部を嵌合せしめ、この嵌合周上に並設された絞り部の絞り面積を前記回転トルクの作用による前記トーションバーの捩れに応じて増減させて圧油の給排を制御する油圧制御弁において、前記入力軸及び前記出力軸は、他方との対向面に穿設された有底の連結孔を備え、これらの連結孔に前記トーションバーの両端部を夫々嵌着せしめて連結してあり、両軸の一方に前記バルブボディーを外嵌し、その一部を他方の軸端部に臨ませて軸方向に位置決めし、該バルブボディー、又は前記入力軸及び出力軸を回転させて前記絞り部の絞り面積を加減し、所望の絞り面積が得られた周方向位置にて前記バルブボディーを前記軸端部に結合するセンタリング工程を含む手順にて組み立ててあることを特徴とする油圧制御弁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30479795A JP3973243B2 (ja) | 1995-11-22 | 1995-11-22 | 油圧制御弁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30479795A JP3973243B2 (ja) | 1995-11-22 | 1995-11-22 | 油圧制御弁 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09142321A JPH09142321A (ja) | 1997-06-03 |
JP3973243B2 true JP3973243B2 (ja) | 2007-09-12 |
Family
ID=17937360
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30479795A Expired - Fee Related JP3973243B2 (ja) | 1995-11-22 | 1995-11-22 | 油圧制御弁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3973243B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102006024769A1 (de) * | 2006-05-27 | 2007-12-13 | Zf Lenksysteme Gmbh | Drehschieberventil |
-
1995
- 1995-11-22 JP JP30479795A patent/JP3973243B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09142321A (ja) | 1997-06-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH02225179A (ja) | 動力舵取装置 | |
JPH08159323A (ja) | 可変絞り弁および油圧パワーステアリング装置 | |
JP3973243B2 (ja) | 油圧制御弁 | |
EP0245939B1 (en) | A process for assembling a rotary valve | |
JP3172720B2 (ja) | 動力舵取制御弁の組立方法 | |
JP3739207B2 (ja) | 油圧制御弁 | |
JP3763561B2 (ja) | 動力舵取装置の油圧制御弁 | |
JPH11321679A (ja) | 油圧制御弁 | |
JP4561297B2 (ja) | 油圧パワーステアリング装置 | |
JPH0958489A (ja) | 舵取り装置 | |
JP3807853B2 (ja) | 油圧制御弁 | |
JP3677341B2 (ja) | パワーステアリング装置の組み立て方法 | |
KR100707002B1 (ko) | 차량용 스티어링장치의 유압제어밸브 | |
JP3635363B2 (ja) | 動力舵取装置 | |
JP3186615B2 (ja) | パワーステアリング装置およびその組付方法 | |
JPH09267759A (ja) | 油圧制御弁及びその組立て方法 | |
JP2589451Y2 (ja) | 油圧パワーステアリング装置 | |
JP3557486B2 (ja) | 油圧制御弁 | |
JP3710286B2 (ja) | 油圧制御弁 | |
JP2006111172A (ja) | 油圧パワーステアリング装置 | |
JP3825947B2 (ja) | 舵取り装置のトーションバーと出力軸との固定方法および固定構造 | |
JP3810939B2 (ja) | ラックピニオン式油圧パワーステアリング装置 | |
JPH072355Y2 (ja) | 動力操舵装置 | |
JPH0285063A (ja) | 動力舵取装置 | |
WO2000037915A1 (en) | Joint testing method |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040330 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040420 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040621 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20041109 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070612 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100622 Year of fee payment: 3 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |