JP3710286B2 - 油圧制御弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、油圧式の動力舵取装置において、操舵補助用の油圧アクチュエータへの圧油の給排を舵輪操作に応じて制御すべく用いられる回転式の油圧制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧式の動力舵取装置は、自動車の舵取機構中に配した複動式の油圧シリンダ(パワーシリンダ)等の油圧アクチュエータの発生力により舵取りを補助し、舵輪(ステアリングホイール)の操作に要する運転者の労力負担を軽減して、快適な操舵感覚を得ようとするものであり、前記パワーシリンダの両シリンダ室と、油圧源としての油圧ポンプ、及び排油先としての油タンクとの間に、舵輪に加わる操舵トルクの方向及び大きさに応じて圧油の給排制御を行う油圧制御弁を配して構成されている。
【0003】
図4は、動力舵取装置に適用された従来の油圧制御弁の構成例を示す縦断面図である。この油圧制御弁は、トーションバー4を介して同軸上に連結され、ハウジングHの内部に回転自在に支持された入力軸2と出力軸3との間に、バルブボディー10とバルブスプール11とを備えて構成されている。入力軸2は、ハウジングHの上部への突出端を介して図示しない舵輪に連結されている。また出力軸3は、その下半部に形成されたピニオン30をラック軸Rに噛合させ、ラックピニオン式の舵取機構を構成している。
【0004】
バルブボディー10は、ハウジングHの内部に回転自在に嵌め合わせた円筒形の部材であり、その一側端面に形成された係合溝2bを、出力軸3の連結側端部の外周に打設された係合ピン3bに係合させて、該出力軸3と一体回転可能に連結されている。バルブスプール11は、入力軸2の連結側端部近傍に一体的に形成され、前記バルブボディー10の内側に相対回転可能に遊嵌されている。
【0005】
以上の構成により舵取りのための操舵トルクが舵輪に加えられたとき、舵輪と連動回転する入力軸2と、ラック軸Rに噛合するピニオン30を介して路面抵抗が作用する出力軸3とが、これらを連結するトーションバー4の捩れを伴って相対回転し、バルブスプール11とバルブボディー10との間に、前記操舵トルクの方向及び大きさに応じた相対角変位が生じる。
【0006】
バルブボディー10の内周面とバルブスプール11の外周面とには、軸長方向に延びる各複数の油溝が周方向に略等配をなして並設されており、これらは、周方向に千鳥配置されて、相隣する油溝間に前記相対角変位に応じて絞り面積を変える複数の絞り部が形成されている。
【0007】
バルブボディー10側、又はバルブスプール11側の油溝の内、1つ置きに位置する半数は、油圧源たる油圧ポンプPから圧油が供給される給油溝とし、残りの半数は、排油先となる油タンクTに連通された排油溝としてある。また、バルブスプール11側又はバルブボディー10側の油溝は、油圧の送給先となるパワーシリンダのシリンダ室SL ,SR に夫々連通する送油溝としてあり、各油溝間にて前述の如く絞り面積を変える絞り部が、前記シリンダ室SL ,SR と、油圧ポンプP及び油タンクTとの間に夫々介在する構成としてある。
【0008】
前記絞り部は、バルブボディー10とバルブスプール11との間に相対角変位が生じていない中立状態において互いに等しい絞り面積を有しており、油圧ポンプPから給油溝に供給される圧油は、両側に相隣する分配溝に均等に導入され、更にこれらの他側に相隣する排油溝に導入されて油タンクTに排出される。このとき前記分配溝に夫々連通されたシリンダ室SL ,SR 間に圧力差は生じず、パワーシリンダは何らの力も発生しない。なお、前記油タンクTは、バルブボディー10の上位置においてハウジングHの内部に形成された排油室6に、タンクポート20を介して接続されており、前記排油溝からの排油は、入力軸2の中空部を経て前記排油室6に導入され、タンクポート20を経て油タンクTに排出されるようになっている。
【0009】
一方、舵取りのための操舵トルクが舵輪に加えられ、入力軸2と出力軸3との間にトーションバー4の捩れを伴って相対角変位が生じた場合、バルブスプール11とバルブボディー10との嵌合周上に並ぶ各油溝間の絞り面積が変化し、前記給油溝に供給される圧油は、絞り面積を増した絞り部を経て一方の分配溝に主として導入されるようになり、該分配溝に連通するシリンダ室SL (又はSR )と、他方の分配溝に連通されたシリンダ室SR (又はSL )との間に圧力差が生じ、パワーシリンダは、この圧力差に応じた油圧力を発生し、この油圧力が操舵補助力として舵取機構に加えられて舵取りが補助される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
さて、以上の如く構成された油圧制御弁においては、バルブボディー10と出力軸3との連結が、前述の如く、出力軸3の周面に打設された係合ピン3bをバルブボディー10の端面に形成された係合溝2bに係合せしめてなされている。
【0011】
図5は、バルブボディー10と出力軸3との一般的な係合部の構成を示す平面図である。本図において係合溝2bは、バルブボディー10の一側(下側)端面に所定幅の開口を有する短寸の矩形溝として形成されており、出力軸3に打設された係合ピン3bは、前記開口の側から係合溝2bに嵌入せしめられ、該係合溝2bの両側壁に当接することによりバルブボディー10と出力軸3との相対回転を拘束する構成となっている。なお、バルブボディー10を入力軸2に係合せしめた構成とすることもできる。
【0012】
ところがこのような係合構造を採用した場合、出力軸3(又は入力軸2)の回転に伴って回転するバルブボディー10が、係合ピン3bと係合溝2bとの間の嵌合隙間の範囲内にて振動することが避けられず、更にこの繰り返しにより、円形断面を有する係合ピン3bと係合溝2bの両側面との当接部に打痕が生じ、これが成長して嵌合隙間が壮大し、バルブボディー10の振動が助長されて、バルブスプール11との間に形成された絞り部の絞り面積が大きく変動し、前述した圧油の給排動作が正常に行われなくなり、シリンダ室SL ,SR への送給油圧が変動して舵輪操作時に不規則な振動として体感されるという難点があった。
【0013】
このような難点を解消するため、実開平6-22155号公報には、バルブボディー10と出力軸3との係合部が、図6(a)に示す如く構成された油圧制御弁が開示されている。この油圧制御弁は、バルブボディー10の一側(下側)端面に開口を有して形成された係合溝2cを、他側に向けてテーパ状に縮幅するテーパ溝とする一方、バルブボディー10の外周にサークリップ12を巻着し、前記係合溝2cに係合する係合ピン3cに下側から弾接させて、該係合ピン3cを前記係合溝2cの縮幅側に向けて付勢した構成となっている。
【0014】
この構成によれば、出力軸3に打設された係合ピン3cが、サークリップ12の弾性により係合溝2cの縮幅側に押し付けられ、該係合溝2cと係合ピン3cとが隙間なく当接し、前述した打痕の発生及び成長を緩和することができ、バルブボディー10の振動の発生が抑制されて、圧油の給排動作を長期に亘って良好に行わせることができる。
【0015】
また実開平2-99069号公報等には、バルブボディー10と出力軸3との係合部が、図6(b)に示す如く構成された油圧制御弁が開示されている。この油圧制御弁は、バルブボディー10の一側端面にテーパ溝として形成された係合溝2dを備えると共に、バルブボディー10の他側端面を、これに弾接する付勢ばね13により係合溝2dの拡幅側に向けて付勢した構成となっている。この構成においても、付勢ばね13のばね力により、テーパ溝として形成された係合溝2dが出力軸3に打設された係合ピン3dに押し付けられ、両者が隙間なく当接する結果、前述した難点を解消することができる。
【0016】
ところが、このようなバルブボディー10と出力軸3との係合構造においては、サークリップ12、付勢ばね13等、油圧制御弁の本来の動作に係わらない部品の追加が必要となる上、これらの部品の装着のための加工及び組立が必要となり、加工及び組立工数の増加を招くという問題があった。
【0017】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、出力軸又は入力軸とバルブボディーとを振動を伴うことなく強固に係合し得る係合構造を、このための部品の追加を必要とせず、また加工及び組立工数の増加を招くことなく実現し、圧油の給排動作を長期に亘って安定して行わせ得る油圧制御弁を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る油圧制御弁は、一側端面から他側に向けてテーパ状に縮幅する係合溝を有する筒形のバルブボディーを、トーションバーを介して同軸上に連結された入力軸及び出力軸の一方に形成されたバルブスプールに外嵌すると共に、他方の周面に打設された係合ピンに前記係合溝を係合させ、前記バルブボディーとバルブスプールとの嵌合周上に前記トーションバーの捩れに伴って絞り面積を変える絞り部を構成してなり、油圧源から供給される圧油を、前記絞り面積の変化に応じて送油先と排油先とに振り分ける油圧制御弁において、前記バルブボディーの一側端面に臨ませて形成され、前記絞り部を経て前記排油先に排出される排油の通路の一部をなす排油室と、前記バルブボディーの他側端面に臨ませて形成され、前記排油室よりも上流側の前記通路の中途部に連通する圧油室とを備え、該圧油室と前記排油室との間に、前記通路内の排油の流れによって生じる圧力差により、前記バルブボディーを、前記係合溝の拡幅側に向けて付勢する構成としてあることを特徴とする。
【0019】
本発明においては、一側端面から他側に向けてテーパ状に縮幅する係合溝を有する筒形のバルブボディーを用いる一方、該バルブボディーの一側端面に臨ませて排油先への排油の通路の一部をなす排油室を、また他側端面に臨ませて排油室の上流側の前記通路の中途部に連通する圧油室を夫々形成し、バルブボディーとバルブスプールとの間の絞り部から排油室を含む前記通路を経て排油先に排出される排油の流れによって前記排油室と圧油室との間に圧力差を生ぜしめ、この圧力差により、圧油室から排油室に向けて、即ち、前記係合溝の拡幅側に向けてバルブボディーを付勢し、該係合溝を、出力軸又は入力軸に打設された係合ピンに押し付け、両者を密に当接させてバルブボディーの振動の発生を抑制する。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、動力舵取装置に適用された本発明に係る油圧制御弁の構成例を示す縦断面図である。
【0021】
本発明に係る油圧制御弁は、舵輪に連なる中空の入力軸2と、舵取機構に連なる出力軸3とを、入力軸2の中空部に挿通されたトーションバー4を介して同軸上に連結し、これらを筒形をなすハウジングHの内部に同軸回りでの回動自在に支承すると共に、出力軸3の連結側端部に、前記ハウジングHの内部に軸回りでの回動自在に保持された筒形のバルブボディー10を一体回転可能に取り付け、該バルブボディー10を、入力軸2の連結側外周に一体的に形成されたバルブスプール11の外側に相対回転自在に嵌め合わせて構成されている。
【0022】
入力軸2の上部は、ハウジングHの外部に突出させてあり、この突出端は、図示しない舵輪に連結されている。出力軸3の下半部には、ピニオン30が形成されており、該ピニオン30は、ハウジングHの下部においてこれと交叉する方向に延設されたラック軸Rに噛合せしめられ、出力軸3の回転を、ピニオン30と噛合する前記ラック軸Rの軸長方向に変換して舵取りを行わせるラックピニオン式の舵取機構を構成している。
【0023】
図2は、油圧制御弁の構成部分の拡大図である。バルブボディー10は、ハウジングHの内部に回転自在に保持された円筒形の部材であり、その一側(下側)端面に形成された係合溝2aを、出力軸3の連結側端部の外周に打設された係合ピン3aに係合せしめて周方向に拘束され、内側のバルブスプール11に対する同軸性を保ちつつ出力軸3と一体回転可能に連結されている。
【0024】
図3は、本発明の油圧制御弁におけるバルブボディー10と出力軸3との係合部近傍の平面図である。図示の如く係合溝2aは、バルブボディー10の一側端面に開口を有し、バルブボディー10の他側に向けてテーパ状に縮幅するテーパ溝として形成されている。係合ピン3aは、前記係合溝2aの開口側の幅よりも小さく、底部側の幅よりも大きい直径を有する円形断面のピン材であり、図示の如く係合溝2aの内部に嵌め込まれたとき、開口側と底部側との間の適宜位置において係合溝2aの両側面に当接し得るようになしてある。
【0025】
以上の構成により舵取りのための操舵トルクが舵輪に加えられたとき、舵輪と連動回転する入力軸2と、ラック軸Rに噛合するピニオン30を介して路面抵抗が作用する出力軸3とが、これらを連結するトーションバー4の捩れを伴って相対回転し、バルブスプール11とバルブボディー10との間に、前記操舵トルクの方向及び大きさに応じた相対角変位が生じる。
【0026】
バルブボディー10とバルブスプール11との嵌合周面、即ち、前者の内周面と後者の外周面とには、軸長方向に延びる各複数の油溝が周方向に略等配をなして並設されており、これらは、嵌合周上にて周方向に千鳥配置されて、相隣する油溝間に前記相対角変位に応じて絞り面積を変える複数の絞り部を形成している。
【0027】
給油源となる油圧ポンプPは、ハウジングHを内外に貫通するポンプポート21と、バルブボディー10の該当位置を貫通する給油孔 10aとにより前記油溝のいずれか(給油溝)に連通させてあり、油圧ポンプPから送給される圧油は、ポンプポート21及び給油孔 10aを経て各給油溝に供給されるようになしてある。これらの給油溝の両側に相隣する油溝(分配溝)は、バルブボディー10の該当位置を貫通する各別の送油孔 10b,10c、及びハウジングHを内外に貫通する各別のシリンダポート22,23を介して送油先となるパワーシリンダの両シリンダ室SL ,SR に夫々連通させてあり、給油溝を経て各送油溝内に導入される圧油が、各別の送油孔 10b,10c、及びシリンダポート22,23を経てシリンダ室SL ,SR に送給されるようになしてある。
【0028】
更に、これらの分配溝の他側に相隣する油溝(排油溝)は、バルブスプール11の該当位置を貫通する排油孔 11aを介して入力軸2の中空部に連通させてあり、各排油溝に夫々に相隣する分配溝から排出される排油は、前記排油孔 11aを経て入力軸2の中空部内に排出されるようになしてある。
【0029】
また入力軸2には、これの外側における前記バルブボディー10の嵌合部を上下に外した位置に、周壁を貫通する連通孔 11b,11cが形成されている。上部の連通孔 11bは、バルブボディー10の上側端面に臨ませてハウジングHの内部を液密に封止して形成された圧油室5内に開口しており、入力軸2内側の中空部は、前記連通孔 11bを介して前記圧油室5に連通されている。
【0030】
一方下部の連通孔 11cは、出力軸3の連結側端部に設けられた円筒部31の内側に開口している。この円筒部31には、出力軸3の外周側に開口する連通孔 31aが形成してあり、該連通孔 31aの開口位置には、バルブボディー10の下側端面に臨ませてハウジングHの内部を液密に封止して排油室6が形成されている。即ち、入力軸2内側の中空部は、前記連通孔 11c及び連通孔 31aを介して前記排油室6に連通されている。
【0031】
図1に示す如く排油室6は、ハウジングHの該当位置を内外に貫通するタンクポート20により、排油先となる油タンクTに接続されており、前記排油孔 11aを経て入力軸2の中空部に排出される排油は、前記連通孔 11c及び連通孔 31aを介して、バルブボディー10の下側端面に臨ませた排油室6に導入され、更にタンクポート20を経て油タンクTに排出されるようになしてある。なおこのとき、バルブボディー10の上側端面に臨ませた圧油室5には、前記連通孔 11bを経て入力軸2の中空部内の油圧が導入される。
【0032】
バルブボディー10とバルブスプール11との嵌合周上に前述の如く形成された絞り部は、バルブボディー10とバルブスプール11との間に相対角変位が生じていない中立状態において互いに等しい絞り面積を有しており、前述の如く油圧ポンプPから各給油溝に供給される圧油は、両側に相隣する分配溝に均等に導入され、更にこれらの他側に相隣する排油溝に導入され、排油室6を経て油タンクTに排出される。このとき前記分配溝に夫々連通されたシリンダ室SL ,SR 間に圧力差は生じず、パワーシリンダは何らの力も発生しない。
【0033】
一方、舵取りのための操舵トルクが舵輪に加えられ、入力軸2と出力軸3との間にトーションバー4の捩れを伴って相対角変位が生じた場合、バルブスプール11とバルブボディー10との嵌合周上に並ぶ各油溝間の絞り面積が変化し、前記給油溝に供給される圧油は、絞り面積を増した絞り部を経て一方の分配溝に主として導入されるようになり、該分配溝に連通するシリンダ室SL (又はSR )と、他方の分配溝に連通されたシリンダ室SR (又はSL )との間に圧力差が生じ、パワーシリンダは、この圧力差に応じた油圧力を発生し、この油圧力が操舵補助力として舵取機構に加えられて舵取りが補助される。
【0034】
なおこのとき、低圧状態にあるシリンダ室SR (又はSL )内部の作動油は、パワーシリンダの動作により押し出されて前記他方の分配溝に還流せしめられ、この分配溝の一側にて絞り面積を増した絞り部を経て排油溝に流入し、該排油溝に開口する排油孔 11a を経て入力軸 2 の中空部に導入され、該中空部、前記連通孔 11c 、連通孔 31a 及び排油室6をこの順に辿る通路を流れ、該排油室6を経て油タンクTに排出される。
【0035】
以上の如く行われる本発明に係る油圧制御弁の動作中、バルブボディー10の上側端面には、同側に臨ませて形成された圧油室5の内圧P1 が、またバルブボディー10に下側端面には、同側に臨ませて形成された排油室6の内圧P2 が夫々作用しており、前記圧油室5の内圧P1 は、前記連通孔 11bにより連通された入力軸2の中空部の内圧と等しい。
【0036】
一方、前述の如く行われる油圧制御弁の動作中、排油室6を経て油タンクTに排出される排油の流れは常に生じており、この排油は、前述した通路内を流れ、排油孔 11aを経て入力軸2の中空部に導入され、連通孔 11c及び 31aを経て排油室6に導入されるから、排油室6の内圧P2 は、これよりも排油の流れ通路の上流側となる入力軸2の中空部に連通された圧油室5の内圧P1 よりも排油の流れによる圧力降下分だけ低い。従って前記バルブボディー10は、圧油室5と排油室6との間の圧力差(=P1 −P2 )の作用により、圧油室5から排油室6の側に向けて、即ち、下向きに付勢される。
【0037】
一方バルブボディー10は、図3に示す如く、その下側端面に開口を有し、上方に向けて縮幅する係合溝2aを備えており、前記圧力差による付勢は、該係合溝2aの拡幅側に向けて行われることなり、この付勢により該係合溝2aは、出力軸3に打設された係合ピン3aに押し付けられる。このように本発明に係る油圧制御弁においては、前述の如き排油の流れに応じて圧油室5と排油室6との間に定常的に発生する圧力差(=P1 −P2 )が、図6に示す従来の油圧制御弁におけるサークリップ12及び付勢ばね13と同様の作用をなし、係合溝2cと係合ピン3cとが隙間なく当接せしめられる結果、前記サークリップ12、付勢ばね13等の専用の部品を用いることなくバルブボディー10の振動の発生を有効に抑制することができ、圧油の給排動作を長期に亘って良好に行わせることができる。
【0038】
なお以上の実施の形態においては、出力軸3にバルブボディー10を係合せしめた構成としてあるが、入力軸2にバルブボディー10を係合せしめた構成とすることも可能であり、この場合、圧油室5と排油室6の配置を逆にすればよい。
【0039】
また以上の実施の形態においては、ラックピニオン式の動力舵取装置への適用例について述べたが、ボールねじ式等、他の形式の動力舵取装置への適用も可能であり、更に、動力舵取装置用の油圧制御弁に限らず、圧油の給排制御のための回転式の油圧制御弁全般への適用が可能であることは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係る油圧制御弁においては、バルブボディーに一側端面から他側に向けてテーパ状に縮幅する係合溝を形成し、出力軸又は入力軸に打設された係合ピンに係合させる一方、前記バルブボディーの一側端面に臨ませて排油先への排油の流れ通路の一部をなす排油室を形成し、また他側端面に臨ませて、前記排油室よりも上流側の流れ通路の中途部に連通する圧油室を形成したから、これら両室間に、排油先に向けて流れ通路内に生じる排油の流れによ圧力差が発生し、この圧力差の作用によりバルブボディーが、圧油室から排油室に向けて、即ち、係合溝の拡幅側に向けて付勢されて前記係合ピンに押し付けられ、該係合ピンと係合溝とが密に当接せしめられるようになり、専用部品の追加、並びにこれの装着のための加工及び組立工数の増加を招来することなくバルブボディーの振動の発生を有効に抑制することができ、圧油の給排動作を長期に亘って安定して行わせることが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】動力舵取装置に適用された本発明に係る油圧制御弁の構成例を示す縦断面図である。
【図2】油圧制御弁の構成部分の拡大図である。
【図3】本発明に係る油圧制御弁におけるバルブボディーと出力軸との係合部近傍の平面図である。
【図4】動力舵取装置に適用された従来の油圧制御弁の構成例を示す縦断面図である。
【図5】従来の油圧制御弁におけるバルブボディーと出力軸との一般的な係合部の構成を示す平面図である。
【図6】バルブボディーの振動の抑制を図った従来のバルブボディーと出力軸との係合部の構成を平面図である。
【符号の説明】
2 入力軸
2a 係合溝
3 出力軸
3a 係合ピン
4 トーションバー
5 圧油室
6 排油室
10 バルブボディー
11 バルブスプール
P 油圧ポンプ
T 油タンク

Claims (1)

  1. 一側端面から他側に向けてテーパ状に縮幅する係合溝を有する筒形のバルブボディーを、トーションバーを介して同軸上に連結された入力軸及び出力軸の一方に形成されたバルブスプールに外嵌すると共に、他方の周面に打設された係合ピンに前記係合溝を係合させ、前記バルブボディーとバルブスプールとの嵌合周上に前記トーションバーの捩れに伴って絞り面積を変える絞り部を構成してなり、油圧源から供給される圧油を、前記絞り面積の変化に応じて送油先と排油先とに振り分ける油圧制御弁において、前記バルブボディーの一側端面に臨ませて形成され、前記絞り部を経て前記排油先に排出される排油の通路の一部をなす排油室と、前記バルブボディーの他側端面に臨ませて形成され、前記排油室よりも上流側の前記通路の中途部に連通する圧油室とを備え、該圧油室と前記排油室との間に、前記通路内の排油の流れによって生じる圧力差により、前記バルブボディーを、前記係合溝の拡幅側に向けて付勢する構成としてあることを特徴とする油圧制御弁。
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