JP3689752B2 - 逆止弁及びこれを用いた動力舵取装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の操舵に使用される動力舵取装置及びそれに用いられる逆止弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両用の舵取装置として、油圧によって操舵力を補助する動力舵取装置が多用されている。この動力舵取装置は、油圧ポンプから吐出される圧油を油圧シリンダ等に供給することにより、操舵補助力を出力する。上記油圧ポンプと油圧シリンダとの間には、操舵方向及び操舵抵抗に応じて油圧シリンダへの圧油の供給を制御する油圧コントロールバルブが設けられている。油圧ポンプから油圧コントロールバルブへの入力ポート部分には逆止弁が内蔵されており、油圧コントロールバルブから油圧ポンプへの逆流が防止されている。
上記のような動力舵取装置において、車が悪路を走行している場合や、縁石に車輪が乗り上げた場合には、車輪に加わる衝撃により、油圧シリンダに供給された圧油が油圧ポンプ側に逆流しようとするが、逆止弁がこれを阻止する。こうして、圧油の逆流によりハンドルを取られるいわゆるキックバック現象の発生を防止している。
【0003】
図4は、上記逆止弁の構造を示す断面図である。矢印Aは油圧ポンプからの圧油の供給方向、矢印Bは油圧コントロールバルブへの圧油の吐出方向を示す。
図において、逆止弁50は、軸方向の両端が開口した筒体51と、この筒体51の内部に軸方向へ移動可能に挿入された可動栓52と、筒体51の一端部に嵌合された側板53と、上記可動栓52を側板53側へ付勢するコイルばね54とによって構成されている。上記可動栓52は、側板53に密着可能な略椀形の部材であり、その外周と筒体51の内周との間には、圧油の流通を許容する空間が形成されている。また、可動栓52の椀底中央部にはオリフィス(孔)52aが形成されている。上記側板53には、油圧ポンプから圧油の供給を受ける供給口53aが形成されている。コイルばね54に付勢された可動栓52が側板53に密着した状態では、可動栓52の受圧部52bにより、開口部53aが実質的に閉鎖されている。
【0004】
油圧ポンプから矢印Aの方向に圧油が供給されると、上記受圧部52bに油圧が印加されて、可動栓52はコイルばね54に抗して図の左方に移動する。これにより可動栓52と側板53との間に隙間ができる。圧油はこの隙間を通って筒体51から矢印B方向に吐出される。逆に、車輪に加わる衝撃により、油圧シリンダから油圧コントロールバルブを介して油圧が矢印Cに示す方向に印加された場合は、可動栓52が図の右側に移動して前記隙間が消滅する。従って、圧油は逆流せず、キックバック現象は起こらない。但し、完全に逆流を阻止するかというとそうではなく、オリフィス52aから少量の圧油が油圧ポンプ側にリークする。このリークにより、油圧シリンダの内圧が過度に上昇するのを防止して、油圧シリンダと車輪との間に設けられているボールジョイント等への悪影響を未然に防いでいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の動力舵取装置に用いられている逆止弁においては、オリフィス52aを形成することに伴う以下のような問題点があった。
第1の問題点は、オリフィス52aの形成により可動栓52の機械的強度が低下するため、高い油圧の印加により可動栓52が変形することである。この結果、リーク量が増加し、逆止弁としての本来の機能が損なわれるため、キックバック現象の防止効果が低下する。
第2の問題点は、可動栓52全体としてのプレス成形後、パンチによる孔あけを行ってオリフィス52aが形成されるため、孔あけ工程が別途必要となって生産性が悪いことである。
第3の問題点は、上記の孔あけにより、オリフィス52aの縁辺部にバリや返りが残ることがあり、これが原因となって車の操舵時にキャビテーションや異音が発生するということである。
【0006】
すなわち、オリフィスを形成した可動栓を含む従来の逆止弁及びこれを用いた動力舵取装置では、機能の信頼性が十分でなく、生産性の悪さを排除できず、しかも製造上の品質安定性が良くない、という問題点があった。
上記のような従来の問題点に鑑み、本発明は、機能の信頼性、生産性、品質安定性のいずれにも優れた逆止弁及びこれを用いて同様な利点を有する動力舵取装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の逆止弁は、流体の供給口と吐出口とを有する弁ハウジングと、この弁ハウジングに設けられた弁座と、この弁座に接離可能な可動栓と、この可動栓を付勢して前記弁座に密着させる弾性部材とを備え、前記可動栓を前記弁座に密着させた状態で前記吐出口側から前記供給口側への流体の逆流を阻止する逆止弁であって、前記弁座と前記可動栓との密着面に沿って、前記弁座及び前記可動栓の少なくとも一方に、前記弁座と前記可動栓との密着状態において逆流方向への流体のリークを許容するリーク通路を形成したことを特徴とするものである(請求項1)。
このように構成された逆止弁は、閉弁時の弁座と可動栓との密着面に沿ってリーク通路が形成されているので、逆流方向へ圧力を逃がすことができるとともに、可動栓にはオリフィスを設ける必要がない。従って孔あけ工程を要しないことのみならず、孔あけを行うことによる機械的強度の低下及びバリや返りの発生を排除することができる。
【0008】
また、本発明は、流体の供給口と吐出口とを有する弁ハウジングと、この弁ハウジングに設けられた弁座と、この弁座に接離可能な可動栓と、この可動栓を付勢して前記弁座に密着させる弾性部材とを備え、前記可動栓を前記弁座に密着させた状態で前記吐出口側から前記供給口側への流体の逆流を阻止する逆止弁であって、前記弁座と前記可動栓との密着面に沿って、前記弁座及び前記可動栓の少なくとも一方に、逆流方向への流体のリークを許容するリーク通路が形成され、当該リーク通路は、前記密着面に対して所定の深さで形成された複数の溝であることを特徴とするものである(請求項2)。
このように構成された逆止弁は、閉弁時の弁座と可動栓との密着面に沿ってリーク通路が形成されているので、逆流方向へ圧力を逃がすことができるとともに、可動栓にはオリフィスを設ける必要がない。従って孔あけ工程を要しないことのみならず、孔あけを行うことによる機械的強度の低下及びバリや返りの発生を排除することができる。また、溝の深さと溝の数によってほぼリーク流量が決まり、これらの要素(深さと数)は管理しやすい。従って、一定のリーク流量という点において品質の安定した逆止弁を提供できる。
【0009】
上記逆止弁(請求項2)において、リーク通路は、可動栓の成形時に同時に形成されるものであってもよい(請求項3)。
この場合、リーク通路を形成するための工程を別途設ける必要がない。
【0010】
また、本発明は、油圧ポンプと、この油圧ポンプから供給される圧油によって操舵補助力を出力する油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプと前記油圧アクチュエータとの間に設けられ、操舵に応じて前記油圧アクチュエータに対する圧油の給排をコントロールする油圧コントロールバルブと、前記油圧アクチュエータから前記油圧ポンプ側へ圧油が逆流するのを阻止する逆止弁とを備える動力舵取装置において、前記逆止弁が、油圧の供給口と吐出口とを有する弁ハウジングと、この弁ハウジングに設けられた弁座と、この弁座に接離可能な可動栓と、この可動栓を付勢して前記弁座に密着させる弾性部材とを備え、前記弁座と前記可動栓との密着面に沿って、前記弁座及び前記可動栓の少なくとも一方に、前記弁座と前記可動栓との密着状態において逆流方向への流体のリークを許容するリーク通路が形成されていることを特徴とするものである(請求項4)。
このように構成された動力舵取装置においては、逆止弁によってキックバック現象の発生を防止するとともに、油圧アクチュエータの内圧が大きくなった場合にはリーク通路によってその圧力を逃がすことができるので、ボールジョイント等の損傷を防ぐことができる。リーク通路は、閉弁時の逆止弁の弁座と可動栓との密着面に沿って形成されているので、可動栓にはオリフィスを設ける必要がない。従って可動栓に孔あけ工程を要しないことのみならず、孔あけを行うことによる機械的強度の低下及びバリや返りの発生を排除することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明の一実施形態による逆止弁及びその構成要素を示す図であり、図3は、この逆止弁を内蔵した動力舵取装置の一実施形態を示す概略図である。まず、動力舵取装置の全体構成から説明する。
図3において、動力舵取装置1は、図示しない操舵ハンドルに連結される入力軸2と、この入力軸2の回転に伴って回転するピニオン3と、このピニオン3に噛み合うラック4と、このラック4を覆うハウジング5と、このハウジング5の内部に設けられた油圧アクチュエータとしての油圧シリンダ6と、この油圧シリンダ6に圧油を供給する油圧ポンプ7と、上記操舵ハンドルに連動して油圧シリンダ6に対する圧油の給排を制御する油圧コントロールバルブ8とを備えている。
【0012】
上記ラック4の両端部は、ハウジング5の両端の開口部5a及び5bから突出しており、その突出端にはボールジョイント10及び11が一体化されている。各ボールジョイント10及び11には、それぞれタイロッド12及び13が取り付けられており、このタイロッド12及び13を介してラック4の両端部が操舵輪に連結されている。従って、上記操作ハンドルの回転操作により、入力軸2を介してピニオン3を回転させ、ラック4を軸方向(車幅方向)へ移動させて、車両の操舵を行うことができる。
【0013】
上記油圧シリンダ6は、ハウジング5によって構成されたシリンダチューブ6aと、ラック4と一体化されたピストンロッド6bと、ピストンロッド6bに一体化されたピストン6cとからなり、このピストン6cで仕切られる両側空間が第1油室6d及び第2油室6eとして構成されている。
油圧コントロールバルブ8は、ロータリバルブによって構成されており、そのバルブハウジング8aには、入力ポート8b、リターンポート8c、第1出力ポート8d及び第2出力ポート8eがそれぞれ突出形成されている。上記入力ポート8bは、油圧ポンプ7の出力ポート7aに接続されており、当該入力ポート8b内には後述する逆止弁が内蔵されている。一方、リターンポート8cは、リザーブタンクTに接続されている。また、第1出力ポート8dは、油圧配管P1を介して油圧シリンダ6の第1油室6dに接続されており、第2出力ポート8eは、油圧配管P2を介して油圧シリンダ6の第2油室6eに接続されている。
この油圧コントロールバルブ8は、操舵方向と操舵抵抗とに応じて、各油室6d及び6eのいずれか一方に操舵力補助用の圧油を供給すると同時に、他方の油室から作動油をリザーブタンクTに環流させる。
【0014】
次に、上記入力ポート8bに内蔵されている逆止弁について詳細に説明する。図1の(a)は、当該逆止弁20の断面図である。図において、矢印Aは油圧ポンプ7(図3)からの圧油の供給方向、矢印Bは油圧コントロールバルブ8(図3)への圧油の吐出方向を示す。
図において、逆止弁20は、軸方向の両端が開口した筒体21と、この筒体21の内部に軸方向(図の左右方向)へ移動可能に挿入された可動栓22と、筒体21の一端部に嵌合された側板23と、可動栓22を側板23側へ付勢するコイルばね24とによって構成されている。上記側板23の中心部には、油圧ポンプ7(図3)側から圧油の供給を受けるための供給口23aが形成されている。また、前記筒体21の左端側開口は、圧油を吐出する吐出口21aとなっている。なお、上記筒体21と側板23とによって弁ハウジングが構成されている。また、側板23は、可動栓22に対する弁座である。
【0015】
上記可動栓22は、円筒状の側面部22aと、側面部22aの軸方向端部から側板23の形状に合わせて傾斜させた円錐面状のテーパ部22bと、円形平板状の受圧部22cとからなる全体として略椀形の部材である。側面部22aの外周と筒体21の内周との間には、圧油の流通を許容する空間Sが形成されている。可動栓22のテーパ部22bは、弁座としての側板23に密着可能である。また、コイルばね24に付勢された可動栓22が側板23に密着した状態では、受圧部22cにより、供給口23aが閉塞される。
【0016】
図1の(b)は単体としての可動栓22を示す斜視図であり、受圧部22cを上に向けた載置状態で示している。また、図2の(a)は図1の(b)に示す可動栓22を受圧部22c側から見た平面図、図2の(b)は、同(a)のX−X線断面を局部的に示した図である。図1の(b)及び図2の(a)に示すように、テーパ部22bの円錐面母線方向の全長にわたって、かつ、周方向に所定の間隔(例えば90度間隔)で、複数箇所(例えば4箇所)にリーク通路22dが設けられている。図2の(b)において、テーパ部22bに形成されているリーク通路22d(1箇所分)の実体は、テーパ部22bの表面(すなわち側板23と密着する密着面)から所定の深さdで形成されている複数(本例では2個)の溝22d1である。
【0017】
上記可動栓22は、例えば油圧プレス加工により成形される。このとき、溝22d1も同時に形成される。従って、可動栓22を1工程で製造することもできる。可動栓22には、従来のようなオリフィスを設ける必要がないので、孔あけ工程が別途必要とされることもない。従って、孔あけに伴うバリや返りの発生もない。この結果、キャビテーションや異音の発生をもたらす原因が除去される。また、オリフィスを設けた場合のように、可動栓22全体としての機械的強度が低下するという事態も生じない。むしろ、溝22d1の形成により、テーパ部22bの耐荷重性が高まり、機械的強度が増す。
【0018】
上記のように構成された逆止弁20において、油圧ポンプ7(図3)から矢印A(図1)の方向に圧油が供給されると、受圧部22cに油圧が印加されて、可動栓22はコイルばね24に抗して図の左方に移動する。これにより可動栓22のテーパ部22bと側板23との間に隙間ができる。圧油はこの隙間及び前記空間Sを通って筒体21から矢印B方向に吐出される。
逆に、車輪に加わる衝撃により、油圧シリンダ6(図3)から油圧コントロールバルブ8(図3)を介して油圧が矢印Cに示す方向に印加された場合は、可動栓22が図の右方に移動して前記隙間が消滅する。従って、圧油は逆流せず、キックバック現象は起こらない。但し、完全に逆流を阻止するかというとそうではなく、リーク通路22dを通じて少量の圧油が吐出口21a側から供給口23a側にリークする。このリークにより、油圧シリンダ6の内圧が過度に上昇するのを防止して、油圧シリンダ6と車輪との間に設けられているボールジョイント10及び11等への悪影響を未然に防ぐ。
【0019】
上記リーク時のリーク流量はリーク通路22dの数と、リーク通路1個当たりの流通量により決まる。当該流通量は溝22d1の個数と形状(特に深さd)とにより決まる。従って、溝22d1の総数と、溝の深さdとを管理することにより、一定のリーク流量を有する逆止弁20を製造することができる。溝22d1の総数と溝の深さdとを管理することは容易であるので、一定のリーク流量という点に関して品質を安定させることができる。
【0020】
なお、上記実施形態においては、リーク通路22dを可動栓22のテーパ部22bに形成したが、リーク通路22dを設ける場所は当該箇所に限られない。例えば、テーパ部22bにはリーク通路を設けずに、テーパ部22bと密着する側板23にリーク通路を形成することによっても同様の効果を得ることができる。また、テーパ部22bと側板23の双方に設けることもできる。要するに、閉弁時の可動栓22とその相手方の弁座(側板23)との密着面に沿ってリーク通路を形成すればよい。
また、上記実施形態においては円錐面状のテーパ部22bの母線方向に直線状のリーク通路22dを設けたが、リーク通路の形状や配置は種々の変更が可能である。例えば、非直線状のリーク通路や、母線と交差するリーク通路を設けてもよいし、さらには螺旋状のリーク通路を設けることも可能である。
【0021】
また、上記実施形態においては、2本の溝22d1からなるリーク通路22dをテーパ部22bの周方向に90度間隔で配置した例を示したが、必要とするリーク量に応じて適宜溝の本数や配置を変えることができる。但し、どのような場合でも、安定したリーク流量を得るためには、全体としてバランスのとれた配置にすることが必要である。
【0022】
また、上記実施形態においては、逆止弁20を油圧コントロールバルブ8の入力ポート8bに内蔵するものとしたが、油圧ポンプ7と入力ポート8bとを接続する油圧配管の途中に管継手を設け、その中に内蔵させてもよい。この場合は、油圧コントロールバルブ8のバルブハウジングが逆止弁20の内蔵によって大型化する不都合を回避できるとともに、既存車両の動力舵取装置に新たに逆止弁を設けることが容易になる利点がある。
【0023】
また、逆止弁20内のコイルばね54は、他のばねや他の弾性部材であってもよいことはいうまでもない。
【0024】
【発明の効果】
以上のように構成された本発明は以下の効果を奏する。
請求項1の逆止弁によれば、閉弁時の弁座と可動栓との密着面に沿ってリーク通路が形成されているので、逆流方向へ圧力を逃がすことができるとともに、可動栓にはオリフィスを設ける必要がない。従って孔あけ工程を要しないことにより生産性が良くなり、コストダウンにも寄与する。また、孔あけを行うことによる機械的強度の低下及びバリや返りの発生を排除することができるので、機能の信頼性が向上し、品質も安定する。
【0025】
請求項2の逆止弁によれば、閉弁時の弁座と可動栓との密着面に沿ってリーク通路が形成されているので、逆流方向へ圧力を逃がすことができるとともに、可動栓にはオリフィスを設ける必要がない。従って孔あけ工程を要しないことにより生産性が良くなり、コストダウンにも寄与する。また、孔あけを行うことによる機械的強度の低下及びバリや返りの発生を排除することができるので、機能の信頼性が向上し、品質も安定する。さらに、溝の深さと溝の数によってほぼリーク流量が決まり、これらの要素(深さと数)は管理しやすいので、一定のリーク流量という点において品質の安定した逆止弁を提供できる。また、溝を形成することにより耐荷重性が向上し、機械的強度が増す。
【0026】
請求項3の逆止弁によれば、リーク通路を形成する工程を別途設ける必要がないので、生産性に優れる。
【0027】
請求項4の動力舵取装置によれば、逆止弁によってキックバック現象の発生を防止するとともに、油圧アクチュエータの内圧が大きくなった場合にはリーク通路によってその圧力を逃がすことができるので、ボールジョイントの部分における損傷等を防ぐことができる。リーク通路は、閉弁時の逆止弁の弁座と可動栓との密着面に沿って形成されているので、可動栓にはオリフィスを設ける必要がない。従って孔あけ工程を要しないことにより生産性が良くなる。また、孔あけを行うことによる機械的強度の低下及びバリや返りの発生を排除することができるので、機能の信頼性が向上し、品質も安定する。かかる逆止弁の生産性向上、信頼性向上及び品質の安定は、そのまま動力舵取装置の生産性向上、信頼性向上及び品質の安定につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による逆止弁及びその構成要素を示す図であり、(a)は逆止弁の断面図、(b)は可動栓の斜視図である。
【図2】(a)は上記可動栓の平面図、(b)は(a)におけるX−X線断面を局部的に示す図である。
【図3】動力舵取装置の構成を示す概略図である。
【図4】従来の逆止弁の断面図である。
【符号の説明】
1 動力舵取装置
6 油圧シリンダ
7 油圧ポンプ
8 油圧コントロールバルブ
20 逆止弁
21 筒体
21a 吐出口
22 可動栓
22d リーク通路
22d1 溝
23 側板
23a 供給口
24 コイルばね

Claims (4)

  1. 流体の供給口と吐出口とを有する弁ハウジングと、この弁ハウジングに設けられた弁座と、この弁座に接離可能な可動栓と、この可動栓を付勢して前記弁座に密着させる弾性部材とを備え、前記可動栓を前記弁座に密着させた状態で前記吐出口側から前記供給口側への流体の逆流を阻止する逆止弁であって、
    前記弁座と前記可動栓との密着面に沿って、前記弁座及び前記可動栓の少なくとも一方に、前記弁座と前記可動栓との密着状態において逆流方向への流体のリークを許容するリーク通路を形成したことを特徴とする逆止弁。
  2. 流体の供給口と吐出口とを有する弁ハウジングと、この弁ハウジングに設けられた弁座と、この弁座に接離可能な可動栓と、この可動栓を付勢して前記弁座に密着させる弾性部材とを備え、前記可動栓を前記弁座に密着させた状態で前記吐出口側から前記供給口側への流体の逆流を阻止する逆止弁であって、
    前記弁座と前記可動栓との密着面に沿って、前記弁座及び前記可動栓の少なくとも一方に、逆流方向への流体のリークを許容するリーク通路が形成され、当該リーク通路は、前記密着面に対して所定の深さで形成された複数の溝であることを特徴とする逆止弁。
  3. 前記リーク通路は、前記可動栓の成形時に同時に形成されることを特徴とする請求項2記載の逆止弁。
  4. 油圧ポンプと、この油圧ポンプから供給される圧油によって操舵補助力を出力する油圧アクチュエータと、前記油圧ポンプと前記油圧アクチュエータとの間に設けられ、操舵に応じて前記油圧アクチュエータに対する圧油の給排をコントロールする油圧コントロールバルブと、前記油圧アクチュエータから前記油圧ポンプ側へ圧油が逆流するのを阻止する逆止弁とを備える動力舵取装置において、前記逆止弁は、
    油圧の供給口と吐出口とを有する弁ハウジングと、この弁ハウジングに設けられた弁座と、この弁座に接離可能な可動栓と、この可動栓を付勢して前記弁座に密着させる弾性部材とを備え、
    前記弁座と前記可動栓との密着面に沿って、前記弁座及び前記可動栓の少なくとも一方に、前記弁座と前記可動栓との密着状態において逆流方向への流体のリークを許容するリーク通路が形成されていることを特徴とする動力舵取装置。
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