JP3557486B2 - 油圧制御弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、同軸上にて生じるバルブボディーとバルブスプールとの相対角変位に応じて油圧の制御動作をなす回転式の油圧制御弁に関し、特に、自動車に装備される油圧式の動力舵取装置において、操舵補助用の油圧アクチュエータへの送給油圧を舵輪操作に応じて制御すべく用いられる油圧制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧式の動力舵取装置は、自動車の舵取機構中に配した複動式の油圧シリンダ(パワーシリンダ)等の油圧アクチュエータの発生力により舵取りを補助し、舵輪(ステアリングホィール)の操作に要する運転者の労力負担を軽減して、快適な操舵感覚を得ようとするものであり、前記パワーシリンダの両シリンダ室(送油先)と、エンジンにて駆動される油圧ポンプ(油圧源)及び作動油を収納する油タンク(排油先)との間に、舵輪に加わる操舵トルクの方向及び大きさに応じて油圧の給排制御を行う油圧制御弁を配してなる。
【0003】
前記油圧制御弁としては、舵輪の回転を直接的に利用する回転式の油圧制御弁が広く用いられている。これは、舵輪に連なる入力軸と舵取機構に連なる出力軸とを細径のトーションバーを介して同軸的に連結し、一方の連結端に係合された筒形のバルブボディーの内側に、他方の連結端に一体的に形成したバルブスプールを同軸上での相対回転自在に嵌め合わせた構成となっている。
【0004】
バルブボディーの内周面とバルブスプールの外周面とには、軸長方向に延びる各複数の油溝が周方向に略等配をなして並設されており、これらは、嵌合周上にて周方向に千鳥配置されて、相隣する油溝間に前記相対角変位に応じて絞り面積を変える複数の絞り部を形成している。油圧ポンプからの作動油圧の供給は、前記油溝のいずれか(給油溝)に対してなされ、該油溝の両側に相隣する油溝(分配溝)は、前記パワーシリンダの両油室に夫々連通させてあり、更に、これらの分配溝の他側に相隣する油溝(排出溝)は、排油先となる油タンクに連通させてある。
【0005】
而して、舵輪に操舵トルクが加えられたとき、入力軸と出力軸との間、即ち、バルブボディーとバルブスプールとの間に前記トーションバーの捩れを伴って相対角変位が生じ、前記絞り部の絞り面積が変化する。その結果、前記油圧ポンプから給油溝に供給される油圧は、絞り面積を増した側の絞り部を経て同側に相隣する分配溝に導入され、該分配溝に連通する前記パワーシリンダの一方の油室に送給される。これによりパワーシリンダは、他方の油室との間に生じる圧力差に応じた油圧力を発生し、この油圧力が操舵補助力として舵取機構に加えられて舵取りが補助される。一方このとき、パワーシリンダの他方の油室から作動油が押し出されて油圧制御弁の他方の分配溝に戻り、この戻り油は、該分配溝の一側にて絞り面積を増した絞り部を経て排出溝に受け入れられ、排油先となる油タンクに排出される。
【0006】
前記排出溝に受け入れた戻り油の油タンクへの排出は、一般的には、前記トーションバー挿通のためにバルブスプールの内側に形成された中空部を利用し、バルブボディーの軸方向一側に形成された排油室を経て行われている。即ち、前記排出溝は、夫々に対応する周方向位置にてバルブスプールを貫通する第1の通油孔により、また前記排油室は、バルブボディーとの嵌合域を外れた位置にてバルブスプールを貫通する第2の通油孔により、前記中空部に夫々連通させてあり、排出溝に受け入れられた戻り油は、第1の通油孔を経てバルブスプール内側の中空部に集められ、更に、第2の通油孔を経て排油室に導入されて、該排油室に連結された排油管を経て油タンクに排出されるようになしてある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
さて、以上の如き油圧制御弁において、送油先からの戻り油を受け入れる前記排出溝は、バルブボディーとバルブスプールとの嵌合周上に形成されており、この戻り油の排油のための前記排油室は、バルブボディーの一側にバルブスプールとの嵌合部分を外れて形成されており、これらは、バルブスプールの外側にて軸方向に並んだ状態にあることから、両者の連通は、バルブボディーとバルブスプールとの嵌合周上にて行われるのが合理的である。
【0008】
このことに着目し、例えば、特公平2−41470号公報、特開平4−266571号公報等には、バルブスプール側又はバルブボディー側に形成された前記排出溝を、他方との嵌合部を超えて軸方向に延長して前記排油室の内部に連通させ、排出溝に受け入れた戻り油が、該排出溝の延長部を経て前記排油室に直接的に導入されるようになした油圧制御弁が開示されている。この構成によれば、内側中空部との連通のためにバルブスプールの周壁を貫通する前記通油孔の形成が不要であり、加工工数の削減が図れる上、前記排油室に至る排油の流れが単純化されて、油圧制御弁の安定した動作が可能となる利点が得られる。
【0009】
また一方、前述した如き油圧制御弁の動作中、油圧ポンプから給油溝に供給される作動油の脈動、出力軸に加わる負荷の変動等に起因して、バルブボディーとバルブスプールとの間に軸心回りの捩れ振動が発生し、前記油溝間の絞り部の絞り面積が変動して油圧の制御動作に有害な影響を及ぼし、送油先への送給油圧が不安定な挙動を示すという問題があり、この問題が、例えば、前述した動力舵取装置に用いられた油圧制御弁において発生した場合、送油先となるパワーシリンダの振動が舵輪に伝播し、該舵輪を把持するドライバに不快感をもたらすこととなる。
【0010】
このような捩れ振動の発生は、本願出願人による特公平1−21029号公報、実公平1−43977号公報等に開示されている如く、バルブボディーとバルブスプールとの嵌合周上に弾性材料製の制振部材を介装する構成により有効に回避し得る。該制振部材は、例えば、バルブスプールの外周に巻着され、バルブボディーの内周に弾接するゴム製のOリングであり、給油溝に導入される油圧を一側に受圧して変形し、バルブボディーの内周面に全周に亘って押し付けられ、前述した捩れ振動を吸収するダンパとして機能するようになしてある。
【0011】
ところが、前記特公平2−41470号公報、特開平4−266571号公報等に開示された油圧制御弁においては、送油先からの戻り油を受け入れる排出溝が軸方向に延長されているために、バルブボディーとバルブスプールとの間に、制振部材としての前記Oリングの介装がなされておらず、前述した捩れ振動の発生を回避し難いという不都合がある。なお前記制振部材は、周方向に不連続な部材であってもよいが、相対角変位をなすバルブボディーとバルブスプールとの間に双方に弾接する不連続な制振部材を安定して介装することは困難であり、この介装が良好になされたとしても、十分な制振効果を得ることは難しい。
【0012】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、送油先からの戻り油の流れを単純化し、これに伴って加工工数を削減する目的と、バルブボディーとバルブスプールとの間の捩れ振動の発生を効果的に回避する目的とを合わせて実現する油圧制御弁を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る油圧制御弁は、筒形をなすバルブボディーの内側に、同軸上での相対角変位可能にバルブスプールを嵌め合わせ、両者の嵌合周上に並ぶ各複数の油溝を千鳥配置して、周方向に相隣する油溝間に前記相対角変位に応じて絞り面積を変える絞り部を構成する一方、バルブボディー側又はバルブスプール側の油溝の一部を軸方向に延長して、バルブボディーの一側に形成された排油室に連通する排出溝となし、油圧源からの給油を前記絞り面積の変化に応じて相異なる送油先の一方に選択的に送給し、他方からの戻り油を前記排出溝に受け入れ、前記排油室を経て排出するようになした油圧制御弁において、前記バルブボディーと前記バルブスプールとの内、前記排出溝を備える側の周面に、該排出溝と前記排油室との連通を保って嵌着され、他方の周面に相対回転自在に嵌合するスリーブと、該スリーブと前記他方の周面との間に介装され、該周面の前記油溝の非形成部位に弾接する制振部材とを具備することを特徴とする。
【0014】
【作用】
本発明においては、同軸上に嵌合されたバルブボディーの内周面とバルブスプールの外周面との内、排出溝を備える側の一方の周面に、各排出溝とバルブボディーの一側の排油室との連通を阻害しないようにスリーブを嵌着し、排出溝に受け入れた送油先からの戻り油を、スリーブの嵌着部位を超える排出溝の延長部を経て排油室に直接的に導入する。また、前記スリーブと他方の周面との間に、該周面における油溝の非形成部位、即ち、周方向の連続面を有する部位に弾接する態様に制振部材を安定して介装し、バルブボディーとバルブスプールとの間に生じる捩れ振動に対して十分な制振効果を得る。
【0015】
【実施例】
以下本発明をその実施例を示す図面に基づいて詳述する。図1は、ラック・ピニオン式の動力舵取装置の全体構成を示す模式図である。
【0016】
ラック・ピニオン式の舵取機構は、舵輪1の下側に同軸的に連設された舵輪軸10の下端にピニオン11を固設し、該ピニオン11を車体の前部に左右方向に延設されたラック軸12の中途部に噛合せしめ、舵取りのための舵輪1の回転をラック軸12の軸方向の摺動に変換し、該ラック軸12の両端に各別のナックルアームを介して連結された左右一対の操向車輪(一般的には前輪)13,13の向きを変え、舵取りを行わせる構成となっている。
【0017】
以上の如きラック・ピニオン式の舵取機構の舵取り動作を油圧により補助する動力舵取装置は、ラック軸12の中途に構成された操舵補助用のパワーシリンダSと、油圧源となる油圧ポンプPと、排油先となる油タンクTと、舵輪軸10の下端部に構成された本発明に係る油圧制御弁4とを備え、これらを結んで図示の如き循環油路を構成してなり、舵輪1の操作に応じた油圧制御弁4の後述する動作により、油圧ポンプPの発生油圧をパワーシリンダSに送給する一方、該パワーシリンダSからの戻り油を油タンクTに排出する作動油の循環を生ぜしめ、前記送給油圧によりパワーシリンダSが発生する油圧力(操舵補助力)をラック軸12に加え、該ラック軸12の摺動を補助する構成となっている。
【0018】
図2は、以上の如く構成された動力舵取装置の要部の縦断面図である。図中2は、中空の入力軸、同じく3は、ピニオン軸(出力軸)であり、これらは、筒形をなすバルブハウジング20の内部に、夫々の一端部を突き合わせて、同軸回りでの回動自在に支承されている。入力軸2の突き合わせ端部(下端部)は、ピニオン軸3の突き合わせ端部(上端部)に連設された円筒部3aに適長内嵌され、相対回転自在に支持させてあり、これらは、入力軸2の中空部に内挿されて上端部にピン結合された細径のトーションバー5をピニオン軸3の上端部にスプライン結合することにより相互に連結されている。
【0019】
入力軸2の上半部は、バルブハウジング20の上部に適長突出させてあり、この突出端は、舵輪1の下側に連設された前記舵輪軸10に連結されている。またピニオン軸3の下半部には、前記ピニオン11が形成してあり、該ピニオン11は、バルブハウジング20の下部に交叉するラックハウジング21内に支承された前記ラック軸12に噛合させてある。
【0020】
而して、舵輪1が回動操作された場合、これに伴う舵輪軸10の回転が入力軸2に加わり、更に、トーションバー5を介してピニオン軸3に伝達され、これの下半部のピニオン11と噛合するラック軸12の軸長方向の摺動に変換されて舵取りが行われるが、このときのラック軸12の摺動は、操向車輪13,13(図1参照)が接地する路面からの反力に抗して行われるから、入力軸2とピニオン軸3との間には、トーションバー5の捩れを伴って舵輪1に加わる操舵トルクに応じた相対角変位が生じる。
【0021】
本発明に係る油圧制御弁4は、このように生じる相対角変位を利用して前記パワーシリンダSへの送給油圧を制御する動作をなすものであり、前記バルブハウジング20の内部に同軸回動自在に保持された円筒形のバルブボディー40と、これの内側のバルブスプール41とを、該バルブスプール41の外周に一体的に嵌着されたスリーブ 42a,42bを介して嵌め合わせた構成となっている。
【0022】
図3は、油圧制御弁4の要部の拡大断面図である。前記バルブボディー40は、図示の如く、ピニオン軸3上端の円筒部3aに打設されたダウエルピン30に下縁部を係合させ、該ピニオン軸3と一体回転するようになしてあり、バルブスプール41は、バルブボディー40の内側に嵌挿された入力軸2の中途部に、バルブボディー40への嵌挿長さを超えない範囲の大径部2aを中心として一体的に構成されている。前記スリーブ 42a,42bは、前記大径部2aの外径と略等しい外径を有する短寸円環状の部材であり、入力軸2の外側に両側から圧入され、前記大径部2aを両側から挾持する位置に一体的に固定されており、バルブスプール41と共にバルブボディー40の内側に嵌挿されている。これにより、バルブボディー40と、バルブスプール41及びこれと一体化されたスリーブ 42a,42bとの間には、舵輪1の操作に伴って入力軸2とピニオン軸3との間に生じる相対角変位、即ち、舵輪1に加わる操舵トルクの方向及び大きさに応じた相対角変位が生じる。
【0023】
以上の如きバルブボディー40とバルブスプール41との嵌合周面、即ち、前者の内周面と後者の外周面とには、周方向に等配をなして各複数の油溝が形成してある。図4及び図5は、バルブスプール41の外周面における油溝の形成態様を示す斜視図である。バルブスプール41の外周には、図4に示す如く、前記大径部2aの全長に亘り、該大径部2aの半径方向厚さを超えない深さを有する4つの油溝A,A…が周方向に等配をなして形成してあり、またこれらの油溝A,A…間には、大径部2aの半径方向厚さを超える深さを有して該大径部2aの両側に延長された長寸の4つの油溝B,B…が、周方向に等配をなして形成されている。
【0024】
以上の如きバルブスプール41の外周に嵌着されるスリーブ 42a,42bの外周面には、長さ方向の略中央に環状溝43,44が夫々周設されており、これらは、スリーブ 42a,42bの外周面に形成された各別の凹溝45,46により、一側の端面に連通させてある。このように構成されたスリーブ 42a,42bは、図4に示す如く、前記凹溝45,46の連通側の端面を先とし、これらの連通位置を前記油溝A,A…のいずれかの周方向位置に整合させてバルブボディー41に圧入され、図5に示す如く、前記端面を大径部2aの両端面に当接させ、該大径部2aを両側から密に挾持する位置に固定されている。
【0025】
このようなスリーブ 42a,42bの嵌着により、バルブスプール41の外周面に形成された長寸の油溝B,B…は、バルブスプール41の外周側に、大径部2aの長さ範囲内のみにて開口することになり、この開口長さは、短寸の油溝A,A…と略等長に制限される一方、前記油溝B,B…は、大径部2aの両側にスリーブ 42a,42bの長さを超えて延長されており、各油溝B,B…の両端部は、スリーブ 42a,42bの嵌着部位の両側に開口した状態となる。またこのとき、スリーブ 42a,42bの外周面に周設された環状溝43,44は、各別の凹溝45,46を介して短寸の油溝A,A…に連通された状態となる。
【0026】
以上の如くスリーブ 42a,42bを一体化させてなるバルブスプール41は、図3に示す如く、スリーブ 42a,42bの嵌着位置がバルブボディー40の長さ範囲に含まれるように嵌挿され、該バルブボディー40と共に油圧制御弁4を構成している。バルブボディー40の内周面には、バルブスプール41の外周面における油溝A,A…及び油溝B,B…と同数の8つの油溝が、周方向に等配をなして形成されており、バルブボディー40とバルブスプール41とは、夫々の油溝が周方向に千鳥配置され、相隣する油溝間に前記相対角変位に応じて絞り面積を変える複数の絞り部を形成するように位置決めされている。このとき、バルブスプール41外周の長寸の油溝B,B…は、スリーブ 42a,42b両側の開口を介してバルブボディー40の両側に連通する。
【0027】
スリーブ 42a,42bの一方、図においてはスリーブ 42aの外周に形成された環状溝43には、制振部材としてのゴム製のOリング6が巻着されており、該Oリング6は、バルブボディー40の内側への嵌挿により、該バルブボディー40の内周面に前記油溝の形成域を外れた位置に弾接させてある。
【0028】
以上の如き油圧制御弁4には、前記油圧ポンプPからの供給油圧が、バルブハウジング20の外側に開口するポンプポート22を経て供給されており、この供給油圧は、バルブボディー40の対応位置を貫通する各別の導油孔により、バルブスプール41外周の短寸の油溝A,A…に夫々導入されるようになしてある。またこれらの油溝A,A…の両側に前記絞り部を介して連通するバルブボディー40側の油溝は、バルブボディー40の対応位置を貫通する導油孔により、バルブハウジング20の外側に開口する一対のシリンダポート23,24に連通され、これらに接続された送油管により前記パワーシリンダSの両油室に各別に連通されている。
【0029】
更に、バルブハウジング20内側のバルブボディー40の上部には、バルブハウジング20の外側に開口するタンクポート26を経て前記油タンクTに接続された排油室25が形成してある。バルブスプール41外周の長寸の油溝B,B…は、前述の如く、スリーブ 42a,42bの両側に延長されており、スリーブ 42a側への延長部を介して前記排油室25に連通した状態となっている。
【0030】
而して、油圧ポンプPから油圧制御弁4に供給される油圧は、バルブスプール41外周の短寸の油溝A,A…(給油溝)に導入され、これらの両側の絞り部に前述の如く生じる絞り面積の変化に応じて両側に相隣するバルブボディー40側の油溝(分配溝)の一方に振り分けられ、シリンダポート23又は24を経て前記パワーシリンダSの両油室のいずれかに送給される。この油圧送給に伴いパワーシリンダSは、他方の油室との間に生じる圧力差に応じた油圧力を発生し、前述した如く、この油圧力が操舵補助力としてラック軸12に加えられる。
【0031】
一方、この動作によりパワーシリンダSの他方の油室から押し出される作動油は、シリンダポート24又は23を経てバルブボディー40側の他方の分配溝に戻る。この分配溝の他側には、バルブスプール41外周の長寸の油溝B,B…が、大径部2aの長さ範囲内にて絞り部を介して連通しており、分配溝に還流する戻り油は、前記絞り部を経て油溝B,B…に受け入れられる。これらの油溝B,B…は、前述した如く、スリーブ 42aの嵌着部位を超え、バルブボディー40一側の前記排油室25に連通させてあり、各油溝B,B…に受け入れられた戻り油は、図3中に矢符により示す如く、夫々の延長部を経て排油室25に導入され、前記タンクポート26を経て油タンクTに排出される。
【0032】
なお前記油溝B,B…は、他方のスリーブ 42b側にも延長され、バルブボディー40の下側空間に連通しており、油溝B,B…に受け入れられた戻り油の一部は前記下側空間に漏れ出し、入力軸2先端の支承部におけるわずかな隙間を通って該入力軸2の中空部に導入されて、該当する軸方向位置にて入力軸2の周壁を貫通する通油孔27を経て前記排油室25に導入されるが、この経路を辿る戻り油はわずかであり、パワーシリンダSからの戻り油の大部分は、バルブスプール41外周の長寸の油溝B,B…を経て、スリーブ 42aの嵌着部位を超えて排油室25に直接的に排出される経路を辿ることになり、このような排出経路の単純化により、戻り油の排油が良好に行われる結果、バルブボディー40とバルブスプール41との相対角変位に伴う油圧制御動作が安定して行われる。
【0033】
一方、このような油圧制御弁4の動作は、スリーブ 42a外周の環状溝43に巻着された前記Oリング6がバルブボディー40の内周面に弾接した状態で行われる。該Oリング6は、前述した如く、バルブボディー40側の油溝の形成部位を外した連続面に弾接しており、また、Oリング6が巻着される環状溝43は、バルブスプール41外周の油溝A,A…(給油溝)に連通され、油圧ポンプPからの供給油圧が導入されるため、該Oリング6は、この導入油圧を一側に受圧して、環状溝43内にて排油室25側の壁面に押し付けられる態様に変形し、バルブボディー40の内周面に強く押し付けられる。
【0034】
これにより、油圧ポンプPからの供給油圧の変動、操向車輪13,13を介してピニオン軸3に加わる負荷の変動等の外乱に起因して、油圧制御弁4の動作中にバルブボディー40とバルブスプール41との間に発生する軸心回りの捩れ振動に対して十分な制振効果が得られ、油圧制御弁4の安定した動作が可能となる。
【0035】
またこのとき、他方のスリーブ 42b外周の環状溝44内にも、同側の凹溝46を介して油圧ポンプPからの供給油圧が導入されている。該環状溝44に導入される油圧は、バルブボディー40の内面に平均的に作用し、該バルブボディー40の半径方向の変形を周方向に一様化して、バルブボディー40との嵌合隙間からの圧油の漏れ出しを防ぐ圧力バランス溝としての作用をなす。この作用は、Oリング6が巻着された前記環状溝43においても同様に行われる。このような圧力バルブ溝としての作用は、バルブスプール41の外側にスリーブ 42a,42bを嵌着し、バルブボディー40との間に周方向に連続する嵌合面が形成されることにより可能となるものである。
【0036】
なお本実施例においては、バルブスプール41側の油溝B,B…を戻り油の受け入れのための排油溝となし、これらを軸方向に延長して、バルブボディー40の一側に構成された排油室25に連通させてあるが、バルブボディー40側の油溝を排油溝として同様の構成が可能であり、この場合、スリーブ 42a,42bがバルブボディー40側に嵌着され、該スリーブ 42a,42bとバルブスプール41との間に制振用のOリング6が介装されることとなる。
【0037】
また本実施例においては、ラック・ピニオン式の動力舵取装置への適用例について述べたが、本発明に係る油圧制御弁の適用範囲はこれに限らず、ボールねじ式等、他の形式の動力舵取装置にも適用可能であり、更には、油圧制御のための種々の用途に用い得ることは言うまでもない。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係る油圧制御弁においては、同軸上に嵌合されたバルブボディーの内周面とバルブスプールの外周面との内、バルブボディーの一側の排油室に連通する排出溝を備える側の一方の周面に、前記連通を阻害しないようにスリーブを嵌着したから、排出溝に受け入れた送油先からの戻り油がスリーブの嵌着部位を超える前記排出溝を経て排油室に直接的に導入され、戻り油の排出経路が単純化されて、油圧の制御動作が安定する上、前記スリーブと他方の周面との間に、該周面における油溝の非形成部位に弾接する態様に制振部材を介装したから、周方向の連続面に弾接するこの制振部材により、バルブボディーとバルブスプールとの間に生じる捩れ振動を効果的に制振でき、この捩れ振動に起因する不安定動作を未然に回避できる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ラック・ピニオン式の動力舵取装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】本発明に係る油圧制御弁を備えた動力舵取装置の要部の縦断面図である。
【図3】本発明に係る油圧制御弁の要部拡大断面図である。
【図4】バルブスプールの外周面における油溝の形成態様を示す斜視図である。
【図5】バルブスプールの外周面における油溝の形成態様を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 舵輪
2 入力軸
2a 大径部
3 ピニオン軸
4 油圧制御弁
5 トーションバー
6 Oリング
25 排油室
40 バルブボディー
41 バルブスプール
42a スリーブ
42b スリーブ
A 油溝
B 油溝
P 油圧ポンプ
S パワーシリンダ
T 油タンク

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  1. 筒形をなすバルブボディーの内側に、同軸上での相対角変位可能にバルブスプールを嵌め合わせ、両者の嵌合周上に並ぶ各複数の油溝を千鳥配置して、周方向に相隣する油溝間に前記相対角変位に応じて絞り面積を変える絞り部を構成する一方、バルブボディー側又はバルブスプール側の油溝の一部を軸方向に延長して、バルブボディーの一側に形成された排油室に連通する排出溝となし、油圧源からの給油を前記絞り面積の変化に応じて相異なる送油先の一方に選択的に送給し、他方からの戻り油を前記排出溝に受け入れ、前記排油室を経て排出するようになした油圧制御弁において、前記バルブボディーと前記バルブスプールとの内、前記排出溝を備える側の周面に、該排出溝と前記排油室との連通を保って嵌着され、他方の周面に相対回転自在に嵌合するスリーブと、該スリーブと前記他方の周面との間に介装され、該周面の前記油溝の非形成部位に弾接する制振部材とを具備することを特徴とする油圧制御弁。
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