JP3739207B2 - 油圧制御弁 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車に装備される油圧式の動力舵取装置において、操舵補助用の油圧アクチュエータへの送給油圧を舵輪操作に応じて制御すべく用いられ、同軸上にて生じる入力軸と出力軸との相対角変位を利用して圧油の給排制御を行う回転式の油圧制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧式の動力舵取装置は、自動車の舵取機構中に配した複動式の油圧シリンダ(パワーシリンダ)等の油圧アクチュエータの発生力により舵取りを補助し、舵輪(ステアリングホィール)の操作に要する運転者の労力負担を軽減して、快適な操舵感覚を得ようとするものであり、前記パワーシリンダの両シリンダ室と、油圧源としての油圧ポンプ、及び排油先としての油タンクとの間に、舵輪に加わる操舵トルクの方向及び大きさに応じて圧油の給排制御を行う油圧制御弁を配して構成されている。
【0003】
動力舵取装置用の油圧制御弁としては、舵輪の回転を直接的に利用する回転式の油圧制御弁が広く用いられている。この油圧制御弁は、舵輪に連なる入力軸と舵取機構に連なる出力軸とをトーションバーを介して同軸的に連結し、これら両軸の一方の連結端に係合された円筒形のバルブボディーを他方の連結側外周に一体的に形成されたバルブスプールを相対回転自在に嵌め合わせてなり、舵取りのための回転トルクが舵輪に加えられたとき、前記トーションバーの捩れに伴って入力軸と出力軸との間、即ち、バルブスプールとバルブボディーとの間に、前記回転トルクに応じた相対角変位を生ぜしめる構成となっている。
【0004】
バルブボディーとバルブスプールとの嵌合周上には、前記相対角変位に応じて相異なる向きに絞り面積を変える各複数の絞り部が形成され、パワーシリンダの両シリンダ室と前記油圧源及び排油先との間に夫々介在させてある。前記絞り部は、前記相対角変位が生じていない中立位置において互いに等しい絞り面積を有しており、このときパワーシリンダの両シリンダ室間に圧力差は生じず、パワーシリンダは何らの力も発生しない。
【0005】
これに対し、舵取りのための回転トルク(操舵トルク)が舵輪に加えられ、入力軸と出力軸との間、即ち、バルブスプールとバルブボディとの間に相対角変位が生じた場合、両者の嵌合周上に並ぶ絞り部の絞り面積が変化する。このとき、油圧源から供給される圧油は、絞り面積を増した絞り部を経てパワーシリンダの一方のシリンダ室に導入されるようになり、他方のシリンダ室との間に圧力差が生じ、パワーシリンダはこの圧力差に応じた油圧力を発生し、この油圧力が操舵補助力として舵取機構に加えられて舵取りが補助される。
【0006】
以上の動作を行う油圧制御弁においては、バルブボディーとバルブスプールとの嵌合周上に並ぶ複数の絞り部の夫々が、前記中立位置において正確に等しい絞り面積を有していることが重要であり、このために、バルブボディーとバルブスプールとの組み立てに際し、両者の周方向位置を調整して中立位置を確定するためのセンタリング工程が以下に示す如く行なわれている。
【0007】
図6は、従来一般的に行われているセンタリング工程の実施手順の説明図である。図示の如くセンタリング工程は、入力軸2、出力軸3、トーションバー4及びバルブボディー10を、入力軸2とトーションバー4との連結を省略した状態で仮組みし、これらを、ハウジングに対応する試験治具6の内部に支持せしめ、油圧源からの給油孔に相当する導圧孔60を経て試験用の油圧P0 を導入し、油圧シリンダの両シリンダ室への送油孔に夫々相当する検圧孔61,62に検出される圧力P1 ,P2 を比較しつつ、これらが等しくなるように、図中に矢符により示す如く試験治具6の一側に突出する入力軸2の軸端に回転力を加え、入力軸2と出力軸3との周方向位置を調節する手順にて行なわれる。なお64は、排油先への連通のための排油孔である。
【0008】
前記仮組み状態においてバルブボディー10は、入力軸2の一部に形成されたバルブスプール11の外側に嵌め合わせ、出力軸3側の端面に形成された切欠き溝12を出力軸3の端部に連設された円筒部30に打設したダウエルピン31に係合せしめて周方向に拘束され、また、入力軸2の外周に巻着された止め輪32に他端面を当接させて軸方向に拘束されており、バルブスプール11に対する軸方向位置を保ちつつ出力軸3と一体回転するようになしてある。
【0009】
入力軸2と出力軸3とを連結するトーションバー4は、その両端を大径化してなる大径部4a,4bを有しており、図示の仮組み状態において一側の大径部4aは、その外周に形成されたセレーションを出力軸3の軸心部に穿設された嵌合孔3aに圧入され、該出力軸3に軸回りの回転を拘束してある。入力軸2は、全長に亘って中空の中空軸としてあり、トーションバー4の他側の大径部4bは、入力軸2の中空部に挿通され、他側端部に形成された略同径の嵌合孔2aに内嵌されて、入力軸2の軸端部から適長突出させてある。
【0010】
入力軸2への回転力の付与は、前記大径部4bの突出部を把持して出力軸3及びバルブボディー10の回転を拘束した状態で行われる。これにより、バルブボディー10の内側にてバルブスプール11が回転せしめられ、両者の嵌合周上に並ぶ絞り部の絞り面積が変化することとなり、これらの絞り部が等しい絞り面積を有する周方向位置(中立位置)が得られたとき、検圧孔61,62に検出される圧力P1 ,P2 が等しくなる。
【0011】
従来のセンタリング工程は、前記圧力P1 ,P2 の差を監視しつつ入力軸2の周方向位置を調節して中立位置を定めた後、この位置を保ったまま入力軸2の軸端部近傍に、これの内側に嵌合するトーションバー4の大径部4bと共に貫通する貫通孔7aを図中に破線により示す如く穿設し、この貫通孔7aにノックピン7を打ち込み、前記大径部4bと入力軸2とを結合せしめ、前記中立位置を確定して完了する。なお入力軸2の軸端からの前記大径部4bの突出部分は、該入力軸2と前記舵輪との連結を阻害しないよう、前記ノックピン7の打設後に切断される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、入力軸2と出力軸3とを連結するトーションバー4は、繰り返し加わる捩れに抗すべく、ばね鋼等の強靱な材料からなり、入力軸2との硬度差が一般的に大きく、またトーションバー4の大径部4bの外径公差と入力軸2の嵌合孔2aの内径公差との関係により、両者間に嵌合隙間が存在することから、以上の如く実施される従来のセンタリング工程において、ノックピン7の打設のための前記貫通孔7aの穿設に際し、穿孔用の工具がトーションバー4の大径部4bと入力軸2との界面において位置ずれし易く、ノックピン7による結合を終えたバルブボディー10とバルブスプール11との間に周方向の位置ずれが生じ、再組立てを必要とする不良品の発生率が高くなるという問題があった。
【0013】
また前記貫通孔7aの穿孔に伴って発生する切粉が、入力軸2の外周面に広範囲に亘って付着し、トーションバー4により連結された入力軸2と出力軸3とを図示しないハウジング内に組み込んで製品化された油圧制御弁において、バルブボディー10とバルブスプール11との嵌合部に前記切粉が介入して正常な油圧制御動作が阻害される虞れがあり、また前記ハウジングの内外を封止すべく用いられる封止部材と入力軸2との摺接部に前記切粉が介入して、この封止が損なわれる虞れがあった。
【0014】
このような事情により、中立位置決定後の入力軸2とトーションバー4との連結を、前述したノックピン7によることなく行なわせる構成とした動力舵取装置用の油圧制御弁が、国際公開公報第WO96/16859(PCT)号に開示されている。この油圧制御弁は、前述した如き手順により中立位置を定めた後、入力軸2の嵌合孔2aに嵌合するトーションバー4の大径部4bを接着剤を用いて接着し、入力軸2とトーションバー4とを連結したものである。
【0015】
この構成においては、前記ノックピン7の打ち込みのための貫通孔7aの穿孔が不要であり、この穿孔に伴う前述した不都合を解消することができる反面、接着剤の経時的な劣化等に起因して入力軸2とトーションバー4との連結が絶たれた場合、入力軸2と出力軸3、即ち、舵輪と舵取機構との連繋が失われて操舵不能に陥るという不都合があり、安全上の観点から実機への採用が見送られているのが実状である。
【0016】
また、中立位置設定後の入力軸2とトーションバー4との連結を、前記接着に代えて、ハンダ付け、溶接等、より強固な接合手段により行なわせることも可能であるが、この場合においても、使用中に入力軸2と出力軸3との連繋が失われる虞れを完全に解消することはできず、更には、接合時の入熱及びその後の冷却により入力軸2及びトーションバー4が伸縮して、接合前に定められた中立位置に対する位置ずれが生じる虞れがあり、また図6に示す如く、トーションバー4側の大径部4bと入力軸2の嵌合孔2aとの間に内外を封止すべく介装されたOリング40が前記入熱により劣化し、排油先への油路として利用されている入力軸2内側の中空部からの油漏れが生じる等の新たな不都合が発生する。
【0017】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、入力軸とトーションバーとを、機械加工によらずに、センタリング工程において調節された中立位置を精度良く保って連結することができ、この連結が絶たれた場合おいても入力軸と出力軸との連繋が維持され、動力舵取装置用として安全に使用し得る油圧制御弁を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る油圧制御弁は、回転トルクが加わる入力軸と出力軸とをトーションバーを介して同軸上に連結し、これら両軸間に、前記回転トルクの作用による前記トーションバーの捩れを伴って生じる相対角変位を利用して圧油の給排を制御する油圧制御弁において、前記入力軸とトーションバーとは、回転方向に隙間を有して嵌合する異形断面の嵌合部を有しており、前記隙間に注入されて固化した樹脂材により前記嵌合部を略全周に亘って充填し、相対回転を拘束して連結してあり、前記出力軸とトーションバーとは、該トーションバーの端部を前記出力軸の軸心位置に設けた嵌合孔に圧入し、該嵌合孔に前記端部の外周に形成されたセレーションを噛み込ませて連結してあることを特徴とする。
【0019】
本発明においては、トーションバーの一端部と出力軸とをセレーションの作用により回転不可に拘束して連結しておき、小判形、矩形、楕円形等の異形断面を有するトーションバーの他端部を、入力軸の該当位置に同様の異形断面を有して形成された連結孔に隙間を有して嵌め合わせ、これらの嵌合部の隙間の範囲内にて入力軸の回転位置を調節して中立位置を得た後、このとき生じている隙間に樹脂材を注入して固化させ、前記嵌合部の略全周を密に充填して入力軸とトーションバーとを、相対回転を拘束して確実に連結する。連結後の入力軸とトーションバーとは、高い圧縮強度を有する樹脂材により隙間を埋められた異形断面の嵌合部により、前記中立位置を保って回転不能に拘束され、入力軸は、トーションバーを介して連結された出力軸に対し、前記トーションバーの捩れを伴って相対角変位する。一方、充填材の抜け落ち等により入力軸とトーションバーとの連結が絶たれた場合においても、入力軸が前記隙間の範囲内にて回転したとき、共に異形断面を有する入力軸の連結孔とトーションバーの連結部とが回転方向に接触し、トーションバーを介した入力軸と出力軸との連繋が確保され、例えば、動力舵取装置用としての使用下において操舵不能に陥ることがない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、動力舵取装置に適用された本発明に係る油圧制御弁の構成例を示す縦断面図である。
【0023】
本発明に係る油圧制御弁は、舵輪に連なる中空の入力軸2の下端部と、舵取機構に連なる出力軸3の上端部とを、前者の内側に挿通されたトーションバー4を介して同軸的に連結し、筒形をなすハウジングHの内部に同軸回りでの回動自在に支承すると共に、前記ハウジングHの内部に軸回りでの回動自在に保持された筒形のバルブボディー10を出力軸3の連結側端部に一体回転可能に取り付け、該バルブボディー10の内側に、入力軸2の連結側外周に一体的に形成されたバルブスプール11を相対回転自在に嵌め合わせて構成されている。
【0024】
入力軸2の下端部は、出力軸3の上端部に同軸的に連設された円筒部30の内側に、これとの同軸性を保ってブッシュを介して支持されている。また前記バルブボディー10は、その一側端面に形成された切欠き溝12を前記円筒部30の外周に打設したダウエルピン31に係合せしめて周方向に拘束し、また、入力軸2の外周に巻着された止め輪32に他側端面を当接させて軸方向に拘束して、前記バルブスプール11に対する同軸性及び軸方向位置を保ちつつ出力軸3と一体回転するようになしてある。
【0025】
入力軸2と出力軸3とを連結するトーションバー4は、所望の捩れ特性を得るべく外径及び長さを定めた本体部の両側に、これよりも大径とした大径部4a,4bを連設してなり、一方の大径部4bの先端側には、異形断面を有する連結部4cが同軸的に連設されている。
【0026】
トーションバー4の一側の大径部4aは、その外周面に全周に亘って形成されたセレーションを有しており、出力軸3の上端面の軸心位置に穿設された嵌合孔3aに前記セレーションを噛み込ませつつ圧入され、該セレーションの作用により軸回りの回転を拘束して同軸的に連結されている。
【0027】
またトーションバー4の他側の大径部4bは、ハウジングH外への突出側にて入力軸2の中空部を小径化して構成された嵌合孔2aの内側に、その中途に巻装されたOリング40により液密を保って同軸的に嵌め込まれている。前記嵌合孔2aの入力軸2の端部側には、トーションバー4の連結部4cと対応する異形断面を有する連結孔2bが連設されており、トーションバー4の大径部4bを入力軸2の嵌合孔2aに嵌め込んだとき、前記連結部4cが前記連結孔2bの内側に同軸的に嵌合するようになしてあり、本発明に係る油圧制御弁においては、共に異形断面を有する連結部4cと連結孔2bとの嵌合部にてトーションバー4と入力軸2との連結がなされている。
【0028】
図2は、連結部4cと連結孔2bとの嵌合部を拡大して示す図1のII−II線による横断面図である。図示の連結部4c及び連結孔2bは、円形断面を半径方向に対向する2か所にて平坦化してなる小判形の横断面形状を有している。入力軸2側の連結孔2bは、トーションバー4側の連結部4cよりも大きく、該連結部4cを前記連結孔2bに同軸的に嵌め合わせたとき、両者間には、図示の如く周方向に略一定幅の隙間が生じるようになしてあり、連結部4cと連結孔2bとは、前記隙間に充填材5を密に充填して相対回転不能に拘束されている。
【0029】
前記充填材5としては、樹脂材を用いるのが望ましい。この場合、図2に示す如く、連結孔2bの断面平坦部の略中央を入力軸2の外周側に連通する小径の注入孔50を設けておき、前記連結孔2bにトーションバー4の連結部4cを嵌め合わせた後、両者間に形成された隙間に入力軸2の外側から前記注入孔50を経て液状化した樹脂を注入し、この樹脂を固化せしめる手順により、前記隙間への充填材5の充填を、容易に、しかも確実に実現することができる。またこのように樹脂を固化せしめて得られる充填材5は高い圧縮強度を有するから、連結部4cと連結孔2bとの間、即ち、トーションバー4と入力軸2との間に生じようとする相対回転を確実に拘束することができる。
【0030】
なお連結部4cの外面には、図1に示す如く、その全周に亘って半円形断面を有する環状溝51が周設され、該環状溝51の内部にも充填材5が充填されており、この充填材5、及び前記注入孔50の内部に棒状をなして残る充填材5のせん断抵抗により、トーションバー4が軸長方向に拘束されるようになしてある。
【0031】
以上の如くトーションバー4を介して連結された入力軸2と出力軸3とは、舵輪の操作により入力軸2に加わる回転トルクに応じて前記トーションバー4の捩れを伴って相対角変位することができる。入力軸2に一体形成されたバルブスプール11と、出力軸3と係合されたバルブボディー10との嵌合周面、即ち、前者の外周面と後者の内周面とには、軸長方向に延びる各複数の油溝が周方向に略等配をなして並設されており、これらは、嵌合周上にて周方向に千鳥配置されて、相隣する油溝間に前記相対角変位に応じて絞り面積を変える複数の絞り部を形成している。
【0032】
給油源となる油圧ポンプPは、ハウジングHを内外に貫通するポンプポート20とバルブボディー10を貫通する給油孔とを経て前記油溝のいずれか(給油溝)に連通させてあり、該油溝の両側に相隣する油溝(分配溝)は、バルブボディー10を貫通する各別の送油孔、及びハウジングHを内外に貫通する各別のシリンダポート21,22を介して送油先となるパワーシリンダの両シリンダ室SL ,SR に夫々連通させてある。更に、これらの分配溝の他側に相隣する油溝(排油溝)は、入力軸2の中空部を経てバルブボディー10の一側に形成された排油室23に連通され、該排油室23の該当位置にてハウジングHを内外に貫通するタンクポート24を経て排油先となる油タンクTに連通させてある。
【0033】
バルブボディー10とバルブスプール11との嵌合周上に並ぶ複数の絞り部は、組み立てに際して後述の如く行われるセンタリング工程により、トーションバー4に捩れが生じていない中立状態において互いに等しい絞り面積を有するように調整してある。従って、入力軸2に回転トルクが加えられていない場合、油圧ポンプPからポンプポート20を経て給油溝に供給される圧油は、両側に相隣する分配溝に均等に導入されて、更にこれらの他側に相隣する排油溝に導入されて、入力軸2の中空部、排油室23、及びタンクポート24を経て油タンクTに排出される。このとき、前記分配溝に夫々連通されたシリンダ室SL ,SR 間に圧力差は生じず、パワーシリンダは何らの力も発生しない。
【0034】
これに対し、舵輪に舵取りのための回転トルク(操舵トルク)が加えられたときには、入力軸2と出力軸3との間、即ち、バルブスプール11とバルブボディ10との間に、トーションバー4の捩れを伴って前記操舵トルクの方向に相対角変位が生じ、両者の嵌合周上に並ぶ絞り部の絞り面積が変化する。このとき、前記給油溝に供給される圧油は、絞り面積を増した側の絞り部を経て一方の分配溝に主として導入されるようになり、該分配溝にシリンダポート21(又は22)を介して連通された一方のシリンダ室SL (又はSR )と、他方の分配溝にシリンダポート22(又は21)を介して連通された他方のシリンダ室SR (又はSL )との間に圧力差が生じ、パワーシリンダは、この圧力差に応じた油圧力を発生し、この油圧力が操舵補助力として舵取機構に加えられて舵取りが補助される。
【0035】
このとき、他方のシリンダ室SR (又はSL )から作動油が押し出され、対応するシリンダポート22(又は21)を経て他方の分配溝に還流し、該分配溝の一側にて絞り面積を増した絞り部を経て排油溝に導入されて、入力軸2の中空部、排油室23、及びタンクポート24を経て油タンクTに排出される。なお、以上の動作中、油タンクTへの排油の通路となる入力軸2の中空部は、トーションバー4の大径部4bに巻装されたOリング40により液密に封止されており、前記排油が外部に漏れ出す虞れはない。
【0036】
以上の如き油圧制御弁の動作を安定して行わせるためには、トーションバー4に捩れが生じていない中立状態において、バルブボディー10とバルブスプール11との嵌合周上に並ぶ複数の絞り部が互いに等しい絞り面積を有するように、両者の周方向位置を調整するセンタリングが必要である。
【0037】
本発明に係る油圧制御弁においては、入力軸2とトーションバー4とが連結前であり、前者の連結孔2bと後者の連結部4cとの間の隙間に充填材5が充填されていない状態においては、入力軸2と、トーションバー4の他端が連結された出力軸3とを、前記隙間の範囲内において周方向に位置調整することができ、このことを利用して、以下に示す手順にて前記センタリングが行なわれている。
【0038】
図3は、本発明に係る油圧制御弁におけるセンタリング工程の実施手順の説明図である。このセンタリング工程は、図6に示す従来のセンタリング工程におけると同様に、入力軸2、出力軸3、トーションバー4及びバルブボディー10を、入力軸2とトーションバー4とが連結されていない状態に仮組みし、ハウジングHに対応する試験治具6の内部に支持せしめて、タンクポート24に対応する排油孔64を排油先に接続し、ポンプポート20に対応する導圧孔60を経て給油溝に試験用の油圧P0 を導入しつつ、バルブボディー10とバルブスプール11とを相対回転させて両者の嵌合周上に並ぶ絞り部の絞り面積を加減し、シリンダポート21,22に対応する検圧孔61,62に取り出される圧力P1 ,P2 を検出して、これらの差圧が零となる回転位置を定める手順にて行われる。
【0039】
入力軸2との連結のためにトーションバー4の端部に設けた連結部4cは、図示の仮組み状態において、入力軸2の軸端部から適長突出させてあり、バルブボディー10とバルブスプール11との相対回転は、前記連結部4cの突出端を把持して出力軸3及びバルブボディー10の回転を拘束しておき、この状態で図中に矢符にて示す如く入力軸2に適宜の方向の回転力を加える操作により、トーションバー4の連結部4cと、入力軸2の連結孔2bとの間の嵌合隙間の範囲内にて実現可能である。
【0040】
本発明の油圧制御弁のセンタリング工程は、以上の如き入力軸2の回転操作を前記検圧孔61,62に取り出される圧力P1 ,P2 を監視しつつ行い、これらの差圧が零となる周方向位置(中立位置)を定めた後、この状態で前記連結部4cと連結孔2bとの間に生じている嵌合隙間に前記注入孔50を経て樹脂を注入し、この樹脂を固化せしめ、前記中立位置を確定して完了する。次いで、このようにして得られた入力軸2と出力軸3との連結体を試験治具6から取り外し、ハウジングH内に前述した如くに組み込むことにより、図1に示す如き油圧制御弁が構成される。なお入力軸2の軸端からの前記連結部4cの突出部分は、該入力軸2と図示しない舵輪との連結を阻害しないよう、センタリング工程の完了後に切断する。
【0041】
このようなセンタリング工程を実施した場合、トーションバー4の連結部4cと入力軸2の連結孔2bとは、前記図2に示す状態とは異なり、一般的には、図4に示す如く周方向に位置ずれした状態で拘束されるが、このような状態においても樹脂の注入固化による充填材5の充填は問題なく行なえ、確実な拘束状態が得られる結果、組み立て後の油圧制御弁の動作に支障を来す虞れはない。
【0042】
また組み立て後の使用中において、例えば、充填材5の経時的な抜け落ちが生じた場合においても、前記連結孔2bと連結部4cとは、前述した異形断面を有することから、これらは、図5に示す如く、嵌合隙間の範囲で相対回転した位置にて直接的に接触し、入力軸2とトーションバー4との連結が完全に絶たれることがない。従って、トーションバー4を介した入力軸2と出力軸3との連繋が確保され、例えば、動力舵取装置用としての使用下において操舵不能に陥る虞れがなくなり、安全性が確保される。
【0043】
以上の如く本発明の油圧制御弁においては、センタリング工程において中立位置を定めた後の入力軸2とトーションバー4との連結が、前記嵌合隙間に充填材5を充填することにより、機械加工を伴わずに達成されるから、加工時に発生する切粉の作用による種々の不都合を回避することができる。
【0044】
また充填材5として樹脂を用いた場合、前記嵌合隙間への充填は、液状化した樹脂を嵌合隙間に注入した後に固化せしめることにより、入力軸2とトーションバー4とに殆ど外力を加えることなく実現されるから、この充填により先に定めた中立位置のずれが生じることがなく、バルブボディー10とバルブスプール11とは、所望のセンタリング位置を保って高精度に位置決めされる。なお入力軸2とトーションバー4との同心性は、前者の嵌合孔2aへの後者の大径部4bの嵌合により確保されるから、充填材5の充填に際して同心性が損なわれることがなく、組み立て後の油圧制御弁の動作に支障を来す虞れもない。
【0046】
なお入力軸2とトーションバー4との連結のための嵌合部、即ち、連結孔2b及び連結部4cの横断面形状は、図2に示す小判形に限らず、矩形、楕円形、三角形等、他の異形形状を有するものであってもよい。また以上の実施の形態においては、動力舵取装置への適用例について述べたが、本発明の適用範囲はこれに限らず、圧油の給排制御のための回転式の油圧制御弁の全般への適用が可能であることは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係る油圧制御弁においては、入力軸とトーションバーとを、回転方向に隙間を有して嵌合する異形断面の嵌合部に樹脂材を充填して連結したから、前記隙間の範囲内にて入力軸の回転位置を調節してバルブボディーとバルブスプールとの中立位置を得た後に前記嵌合部に樹脂材を注入して固化せしめることにより、機械加工を伴うことなく高精度に中立位置を保った連結が良好に実現され、中立位置不良の発生率を大幅に低減して製品歩留りの向上が図ることができると共に、機械加工により発生する切粉の影響を排除できる。また、入力軸とトーションバーとの連結が絶たれた場合においても、異形断面の嵌合部の直接的な接触により入力軸と出力軸との連繋が維持されるから、動力舵取装置用としての使用下において操舵不能に陥ることがなく安全性が確保される等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】動力舵取装置に適用された本発明に係る油圧制御弁の構成例を示す縦断面図である。
【図2】図1のII−II線による横断面図である。
【図3】本発明の油圧制御弁におけるセンタリング工程の実施手順の説明図である。
【図4】入力軸とトーションバーとの連結部の一般的な状態を示す横断面図である。
【図5】充填材が抜け落ちた場合の入力軸とトーションバーとの連結部の状態を示す横断面図である。
【図6】従来の油圧制御弁におけるセンタリング工程の実施手順の説明図である。
【符号の説明】
2 入力軸
2b 連結孔
3 出力軸
4 トーションバー
4c 連結部
5 充填材
10 バルブボディー
11 バルブスプール

Claims (1)

  1. 回転トルクが加わる入力軸と出力軸とをトーションバーを介して同軸上に連結し、これら両軸間に、前記回転トルクの作用による前記トーションバーの捩れを伴って生じる相対角変位を利用して圧油の給排を制御する油圧制御弁において、前記入力軸とトーションバーとは、回転方向に隙間を有して嵌合する異形断面の嵌合部を有しており、前記隙間に注入されて固化した樹脂材により前記嵌合部を略全周に亘って充填し、相対回転を拘束して連結してあり、前記出力軸とトーションバーとは、該トーションバーの端部を前記出力軸の軸心位置に設けた嵌合孔に圧入し、該嵌合孔に前記端部の外周に形成されたセレーションを噛み込ませて連結してあることを特徴とする油圧制御弁。
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