JPH11321678A - 油圧制御弁 - Google Patents

油圧制御弁

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JPH11321678A
JPH11321678A JP13404998A JP13404998A JPH11321678A JP H11321678 A JPH11321678 A JP H11321678A JP 13404998 A JP13404998 A JP 13404998A JP 13404998 A JP13404998 A JP 13404998A JP H11321678 A JPH11321678 A JP H11321678A
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torsion bar
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control valve
hydraulic control
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Tetsuya Murakami
哲也 村上
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力軸とトーションバーとを、機械加工によ
らずに、センタリング工程において調節された中立位置
を保って精度良く連結し、この連結が絶たれた場合おい
ても入力軸と出力軸との連繋が維持されるようにする。 【解決手段】 入力軸2の軸心部に形成された異形断面
の連結孔2bに、トーションバー4の端部に設けた異形断
面の連結部4cを、回転方向に隙間を有して嵌め合わせ、
この隙間に充填材5を充填して、入力軸2とトーション
バー4とを回転不能に連結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動車に
装備される油圧式の動力舵取装置において、操舵補助用
の油圧アクチュエータへの送給油圧を舵輪操作に応じて
制御すべく用いられ、同軸上にて生じる入力軸と出力軸
との相対角変位を利用して圧油の給排制御を行う回転式
の油圧制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】油圧式の動力舵取装置は、自動車の舵取
機構中に配した複動式の油圧シリンダ(パワーシリン
ダ)等の油圧アクチュエータの発生力により舵取りを補
助し、舵輪(ステアリングホィール)の操作に要する運
転者の労力負担を軽減して、快適な操舵感覚を得ようと
するものであり、前記パワーシリンダの両シリンダ室
と、油圧源としての油圧ポンプ、及び排油先としての油
タンクとの間に、舵輪に加わる操舵トルクの方向及び大
きさに応じて圧油の給排制御を行う油圧制御弁を配して
構成されている。
【0003】動力舵取装置用の油圧制御弁としては、舵
輪の回転を直接的に利用する回転式の油圧制御弁が広く
用いられている。この油圧制御弁は、舵輪に連なる入力
軸と舵取機構に連なる出力軸とをトーションバーを介し
て同軸的に連結し、これら両軸の一方の連結端に係合さ
れた円筒形のバルブボディーを他方の連結側外周に一体
的に形成されたバルブスプールを相対回転自在に嵌め合
わせてなり、舵取りのための回転トルクが舵輪に加えら
れたとき、前記トーションバーの捩れに伴って入力軸と
出力軸との間、即ち、バルブスプールとバルブボディー
との間に、前記回転トルクに応じた相対角変位を生ぜし
める構成となっている。
【0004】バルブボディーとバルブスプールとの嵌合
周上には、前記相対角変位に応じて相異なる向きに絞り
面積を変える各複数の絞り部が形成され、パワーシリン
ダの両シリンダ室と前記油圧源及び排油先との間に夫々
介在させてある。前記絞り部は、前記相対角変位が生じ
ていない中立位置において互いに等しい絞り面積を有し
ており、このときパワーシリンダの両シリンダ室間に圧
力差は生じず、パワーシリンダは何らの力も発生しな
い。
【0005】これに対し、舵取りのための回転トルク
(操舵トルク)が舵輪に加えられ、入力軸と出力軸との
間、即ち、バルブスプールとバルブボディとの間に相対
角変位が生じた場合、両者の嵌合周上に並ぶ絞り部の絞
り面積が変化する。このとき、油圧源から供給される圧
油は、絞り面積を増した絞り部を経てパワーシリンダの
一方のシリンダ室に導入されるようになり、他方のシリ
ンダ室との間に圧力差が生じ、パワーシリンダはこの圧
力差に応じた油圧力を発生し、この油圧力が操舵補助力
として舵取機構に加えられて舵取りが補助される。
【0006】以上の動作を行う油圧制御弁においては、
バルブボディーとバルブスプールとの嵌合周上に並ぶ複
数の絞り部の夫々が、前記中立位置において正確に等し
い絞り面積を有していることが重要であり、このため
に、バルブボディーとバルブスプールとの組み立てに際
し、両者の周方向位置を調整して中立位置を確定するた
めのセンタリング工程が以下に示す如く行なわれてい
る。
【0007】図6は、従来一般的に行われているセンタ
リング工程の実施手順の説明図である。図示の如くセン
タリング工程は、入力軸2、出力軸3、トーションバー
4及びバルブボディー10を、入力軸2とトーションバー
4との連結を省略した状態で仮組みし、これらを、ハウ
ジングに対応する試験治具6の内部に支持せしめ、油圧
源からの給油孔に相当する導圧孔60を経て試験用の油圧
0 を導入し、油圧シリンダの両シリンダ室への送油孔
に夫々相当する検圧孔61,62に検出される圧力P1 ,P
2 を比較しつつ、これらが等しくなるように、図中に矢
符により示す如く試験治具6の一側に突出する入力軸2
の軸端に回転力を加え、入力軸2と出力軸3との周方向
位置を調節する手順にて行なわれる。なお64は、排油先
への連通のための排油孔である。
【0008】前記仮組み状態においてバルブボディー10
は、入力軸2の一部に形成されたバルブスプール11の外
側に嵌め合わせ、出力軸3側の端面に形成された切欠き
溝12を出力軸3の端部に連設された円筒部30に打設した
ダウエルピン31に係合せしめて周方向に拘束され、ま
た、入力軸2の外周に巻着された止め輪32に他端面を当
接させて軸方向に拘束されており、バルブスプール11に
対する軸方向位置を保ちつつ出力軸3と一体回転するよ
うになしてある。
【0009】入力軸2と出力軸3とを連結するトーショ
ンバー4は、その両端を大径化してなる大径部4a,4bを
有しており、図示の仮組み状態において一側の大径部4a
は、その外周に形成されたセレーションを出力軸3の軸
心部に穿設された嵌合孔3aに圧入され、該出力軸3に軸
回りの回転を拘束してある。入力軸2は、全長に亘って
中空の中空軸としてあり、トーションバー4の他側の大
径部4bは、入力軸2の中空部に挿通され、他側端部に形
成された略同径の嵌合孔2aに内嵌されて、入力軸2の軸
端部から適長突出させてある。
【0010】入力軸2への回転力の付与は、前記大径部
4bの突出部を把持して出力軸3及びバルブボディー10の
回転を拘束した状態で行われる。これにより、バルブボ
ディー10の内側にてバルブスプール11が回転せしめら
れ、両者の嵌合周上に並ぶ絞り部の絞り面積が変化する
こととなり、これらの絞り部が等しい絞り面積を有する
周方向位置(中立位置)が得られたとき、検圧孔61,62
に検出される圧力P1 ,P2 が等しくなる。
【0011】従来のセンタリング工程は、前記圧力
1 ,P2 の差を監視しつつ入力軸2の周方向位置を調
節して中立位置を定めた後、この位置を保ったまま入力
軸2の軸端部近傍に、これの内側に嵌合するトーション
バー4の大径部4bと共に貫通する貫通孔7aを図中に破線
により示す如く穿設し、この貫通孔7aにノックピン7を
打ち込み、前記大径部4bと入力軸2とを結合せしめ、前
記中立位置を確定して完了する。なお入力軸2の軸端か
らの前記大径部4bの突出部分は、該入力軸2と前記舵輪
との連結を阻害しないよう、前記ノックピン7の打設後
に切断される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、入力軸2と
出力軸3とを連結するトーションバー4は、繰り返し加
わる捩れに抗すべく、ばね鋼等の強靱な材料からなり、
入力軸2との硬度差が一般的に大きく、またトーション
バー4の大径部4bの外径公差と入力軸2の嵌合孔2aの内
径公差との関係により、両者間に嵌合隙間が存在するこ
とから、以上の如く実施される従来のセンタリング工程
において、ノックピン7の打設のための前記貫通孔7aの
穿設に際し、穿孔用の工具がトーションバー4の大径部
4bと入力軸2との界面において位置ずれし易く、ノック
ピン7による結合を終えたバルブボディー10とバルブス
プール11との間に周方向の位置ずれが生じ、再組立てを
必要とする不良品の発生率が高くなるという問題があっ
た。
【0013】また前記貫通孔7aの穿孔に伴って発生する
切粉が、入力軸2の外周面に広範囲に亘って付着し、ト
ーションバー4により連結された入力軸2と出力軸3と
を図示しないハウジング内に組み込んで製品化された油
圧制御弁において、バルブボディー10とバルブスプール
11との嵌合部に前記切粉が介入して正常な油圧制御動作
が阻害される虞れがあり、また前記ハウジングの内外を
封止すべく用いられる封止部材と入力軸2との摺接部に
前記切粉が介入して、この封止が損なわれる虞れがあっ
た。
【0014】このような事情により、中立位置決定後の
入力軸2とトーションバー4との連結を、前述したノッ
クピン7によることなく行なわせる構成とした動力舵取
装置用の油圧制御弁が、国際公開公報第WO96/16
859(PCT)号に開示されている。この油圧制御弁
は、前述した如き手順により中立位置を定めた後、入力
軸2の嵌合孔2aに嵌合するトーションバー4の大径部4b
を接着剤を用いて接着し、入力軸2とトーションバー4
とを連結したものである。
【0015】この構成においては、前記ノックピン7の
打ち込みのための貫通孔7aの穿孔が不要であり、この穿
孔に伴う前述した不都合を解消することができる反面、
接着剤の経時的な劣化等に起因して入力軸2とトーショ
ンバー4との連結が絶たれた場合、入力軸2と出力軸
3、即ち、舵輪と舵取機構との連繋が失われて操舵不能
に陥るという不都合があり、安全上の観点から実機への
採用が見送られているのが実状である。
【0016】また、中立位置設定後の入力軸2とトーシ
ョンバー4との連結を、前記接着に代えて、ハンダ付
け、溶接等、より強固な接合手段により行なわせること
も可能であるが、この場合においても、使用中に入力軸
2と出力軸3との連繋が失われる虞れを完全に解消する
ことはできず、更には、接合時の入熱及びその後の冷却
により入力軸2及びトーションバー4が伸縮して、接合
前に定められた中立位置に対する位置ずれが生じる虞れ
があり、また図6に示す如く、トーションバー4側の大
径部4bと入力軸2の嵌合孔2aとの間に内外を封止すべく
介装されたOリング40が前記入熱により劣化し、排油先
への油路として利用されている入力軸2内側の中空部か
らの油漏れが生じる等の新たな不都合が発生する。
【0017】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、入力軸とトーションバーとを、機械加工によら
ずに、センタリング工程において調節された中立位置を
精度良く保って連結することができ、この連結が絶たれ
た場合おいても入力軸と出力軸との連繋が維持され、動
力舵取装置用として安全に使用し得る油圧制御弁を提供
することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係る油圧制御弁
は、回転トルクが加わる入力軸と出力軸とをトーション
バーを介して同軸上に連結し、これら両軸間に、前記回
転トルクの作用による前記トーションバーの捩れを伴っ
て生じる相対角変位を利用して圧油の給排を制御する油
圧制御弁において、前記入力軸とトーションバーとは、
回転方向に隙間を有して嵌合する異形断面の嵌合部に、
その略全周に亘って充填材を充填して連結してあること
を特徴とする。
【0019】本発明においては、小判形、矩形、楕円形
等の異形断面を有するトーションバーの連結部を入力軸
の該当位置に同様の異形断面を有して形成された連結孔
に隙間を有して嵌め合わせ、これらの嵌合部の隙間の範
囲内にて入力軸の回転位置を調節して中立位置を得た
後、このとき生じている隙間に充填材を充填して入力軸
とトーションバーとを連結する。連結後の入力軸とトー
ションバーとは、充填材により隙間を埋められた異形断
面の嵌合部により、前記中立位置を保って回転不能に拘
束され、入力軸は、トーションバーを介して連結された
出力軸に対し、前記トーションバーの捩れを伴って相対
角変位する。一方、充填材の抜け落ち等により入力軸と
トーションバーとの連結が絶たれた場合においても、入
力軸が前記隙間の範囲内にて回転したとき、共に異形断
面を有する入力軸の連結孔とトーションバーの連結部と
が回転方向に接触し、トーションバーを介した入力軸と
出力軸との連繋が確保され、例えば、動力舵取装置用と
しての使用下において操舵不能に陥ることがない。
【0020】更に加えて、前記充填材は、前記嵌合部の
隙間に注入されて固化した樹脂材であることを特徴とす
る。
【0021】この発明においては、入力軸とトーション
バーとの間の嵌合部の隙間に樹脂を注入し、固化せしめ
ることにより、前記隙間を密に充填して確実な連結状態
を得ると共に、連結後に入力軸に加わる回転トルクを、
高い圧縮強度を有する樹脂材により負担してトーション
バーに確実に伝達する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、動力舵取装置に適
用された本発明に係る油圧制御弁の構成例を示す縦断面
図である。
【0023】本発明に係る油圧制御弁は、舵輪に連なる
中空の入力軸2の下端部と、舵取機構に連なる出力軸3
の上端部とを、前者の内側に挿通されたトーションバー
4を介して同軸的に連結し、筒形をなすハウジングHの
内部に同軸回りでの回動自在に支承すると共に、前記ハ
ウジングHの内部に軸回りでの回動自在に保持された筒
形のバルブボディー10を出力軸3の連結側端部に一体回
転可能に取り付け、該バルブボディー10の内側に、入力
軸2の連結側外周に一体的に形成されたバルブスプール
11を相対回転自在に嵌め合わせて構成されている。
【0024】入力軸2の下端部は、出力軸3の上端部に
同軸的に連設された円筒部30の内側に、これとの同軸性
を保ってブッシュを介して支持されている。また前記バ
ルブボディー10は、その一側端面に形成された切欠き溝
12を前記円筒部30の外周に打設したダウエルピン31に係
合せしめて周方向に拘束し、また、入力軸2の外周に巻
着された止め輪32に他側端面を当接させて軸方向に拘束
して、前記バルブスプール11に対する同軸性及び軸方向
位置を保ちつつ出力軸3と一体回転するようになしてあ
る。
【0025】入力軸2と出力軸3とを連結するトーショ
ンバー4は、所望の捩れ特性を得るべく外径及び長さを
定めた本体部の両側に、これよりも大径とした大径部4
a,4bを連設してなり、一方の大径部4bの先端側には、
異形断面を有する連結部4cが同軸的に連設されている。
【0026】トーションバー4の一側の大径部4aは、そ
の外周面に全周に亘って形成されたセレーションを有し
ており、出力軸3の上端面の軸心位置に穿設された嵌合
孔3aに前記セレーションを噛み込ませつつ圧入され、該
セレーションの作用により軸回りの回転を拘束して同軸
的に連結されている。
【0027】またトーションバー4の他側の大径部4b
は、ハウジングH外への突出側にて入力軸2の中空部を
小径化して構成された嵌合孔2aの内側に、その中途に巻
装されたOリング40により液密を保って同軸的に嵌め込
まれている。前記嵌合孔2aの入力軸2の端部側には、ト
ーションバー4の連結部4cと対応する異形断面を有する
連結孔2bが連設されており、トーションバー4の大径部
4bを入力軸2の嵌合孔2aに嵌め込んだとき、前記連結部
4cが前記連結孔2bの内側に同軸的に嵌合するようになし
てあり、本発明に係る油圧制御弁においては、共に異形
断面を有する連結部4cと連結孔2bとの嵌合部にてトーシ
ョンバー4と入力軸2との連結がなされている。
【0028】図2は、連結部4cと連結孔2bとの嵌合部を
拡大して示す図1のII−II線による横断面図である。図
示の連結部4c及び連結孔2bは、円形断面を半径方向に対
向する2か所にて平坦化してなる小判形の横断面形状を
有している。入力軸2側の連結孔2bは、トーションバー
4側の連結部4cよりも大きく、該連結部4cを前記連結孔
2bに同軸的に嵌め合わせたとき、両者間には、図示の如
く周方向に略一定幅の隙間が生じるようになしてあり、
連結部4cと連結孔2bとは、前記隙間に充填材5を密に充
填して相対回転不能に拘束されている。
【0029】前記充填材5としては、樹脂材を用いるの
が望ましい。この場合、図2に示す如く、連結孔2bの断
面平坦部の略中央を入力軸2の外周側に連通する小径の
注入孔50を設けておき、前記連結孔2bにトーションバー
4の連結部4cを嵌め合わせた後、両者間に形成された隙
間に入力軸2の外側から前記注入孔50を経て液状化した
樹脂を注入し、この樹脂を固化せしめる手順により、前
記隙間への充填材5の充填を、容易に、しかも確実に実
現することができる。またこのように樹脂を固化せしめ
て得られる充填材5は高い圧縮強度を有するから、連結
部4cと連結孔2bとの間、即ち、トーションバー4と入力
軸2との間に生じようとする相対回転を確実に拘束する
ことができる。
【0030】なお連結部4cの外面には、図1に示す如
く、その全周に亘って半円形断面を有する環状溝51が周
設され、該環状溝51の内部にも充填材5が充填されてお
り、この充填材5、及び前記注入孔50の内部に棒状をな
して残る充填材5のせん断抵抗により、トーションバー
4が軸長方向に拘束されるようになしてある。
【0031】以上の如くトーションバー4を介して連結
された入力軸2と出力軸3とは、舵輪の操作により入力
軸2に加わる回転トルクに応じて前記トーションバー4
の捩れを伴って相対角変位することができる。入力軸2
に一体形成されたバルブスプール11と、出力軸3と係合
されたバルブボディー10との嵌合周面、即ち、前者の外
周面と後者の内周面とには、軸長方向に延びる各複数の
油溝が周方向に略等配をなして並設されており、これら
は、嵌合周上にて周方向に千鳥配置されて、相隣する油
溝間に前記相対角変位に応じて絞り面積を変える複数の
絞り部を形成している。
【0032】給油源となる油圧ポンプPは、ハウジング
Hを内外に貫通するポンプポート20とバルブボディー10
を貫通する給油孔とを経て前記油溝のいずれか(給油
溝)に連通させてあり、該油溝の両側に相隣する油溝
(分配溝)は、バルブボディー10を貫通する各別の送油
孔、及びハウジングHを内外に貫通する各別のシリンダ
ポート21,22を介して送油先となるパワーシリンダの両
シリンダ室SL ,SR に夫々連通させてある。更に、こ
れらの分配溝の他側に相隣する油溝(排油溝)は、入力
軸2の中空部を経てバルブボディー10の一側に形成され
た排油室23に連通され、該排油室23の該当位置にてハウ
ジングHを内外に貫通するタンクポート24を経て排油先
となる油タンクTに連通させてある。
【0033】バルブボディー10とバルブスプール11との
嵌合周上に並ぶ複数の絞り部は、組み立てに際して後述
の如く行われるセンタリング工程により、トーションバ
ー4に捩れが生じていない中立状態において互いに等し
い絞り面積を有するように調整してある。従って、入力
軸2に回転トルクが加えられていない場合、油圧ポンプ
Pからポンプポート20を経て給油溝に供給される圧油
は、両側に相隣する分配溝に均等に導入されて、更にこ
れらの他側に相隣する排油溝に導入されて、入力軸2の
中空部、排油室23、及びタンクポート24を経て油タンク
Tに排出される。このとき、前記分配溝に夫々連通され
たシリンダ室SL ,SR 間に圧力差は生じず、パワーシ
リンダは何らの力も発生しない。
【0034】これに対し、舵輪に舵取りのための回転ト
ルク(操舵トルク)が加えられたときには、入力軸2と
出力軸3との間、即ち、バルブスプール11とバルブボデ
ィ10との間に、トーションバー4の捩れを伴って前記操
舵トルクの方向に相対角変位が生じ、両者の嵌合周上に
並ぶ絞り部の絞り面積が変化する。このとき、前記給油
溝に供給される圧油は、絞り面積を増した側の絞り部を
経て一方の分配溝に主として導入されるようになり、該
分配溝にシリンダポート21(又は22)を介して連通され
た一方のシリンダ室SL (又はSR )と、他方の分配溝
にシリンダポート22(又は21)を介して連通された他方
のシリンダ室SR (又はSL )との間に圧力差が生じ、
パワーシリンダは、この圧力差に応じた油圧力を発生
し、この油圧力が操舵補助力として舵取機構に加えられ
て舵取りが補助される。
【0035】このとき、他方のシリンダ室SR (又はS
L )から作動油が押し出され、対応するシリンダポート
22(又は21)を経て他方の分配溝に還流し、該分配溝の
一側にて絞り面積を増した絞り部を経て排油溝に導入さ
れて、入力軸2の中空部、排油室23、及びタンクポート
24を経て油タンクTに排出される。なお、以上の動作
中、油タンクTへの排油の通路となる入力軸2の中空部
は、トーションバー4の大径部4bに巻装されたOリング
40により液密に封止されており、前記排油が外部に漏れ
出す虞れはない。
【0036】以上の如き油圧制御弁の動作を安定して行
わせるためには、トーションバー4に捩れが生じていな
い中立状態において、バルブボディー10とバルブスプー
ル11との嵌合周上に並ぶ複数の絞り部が互いに等しい絞
り面積を有するように、両者の周方向位置を調整するセ
ンタリングが必要である。
【0037】本発明に係る油圧制御弁においては、入力
軸2とトーションバー4とが連結前であり、前者の連結
孔2bと後者の連結部4cとの間の隙間に充填材5が充填さ
れていない状態においては、入力軸2と、トーションバ
ー4の他端が連結された出力軸3とを、前記隙間の範囲
内において周方向に位置調整することができ、このこと
を利用して、以下に示す手順にて前記センタリングが行
なわれている。
【0038】図3は、本発明に係る油圧制御弁における
センタリング工程の実施手順の説明図である。このセン
タリング工程は、図6に示す従来のセンタリング工程に
おけると同様に、入力軸2、出力軸3、トーションバー
4及びバルブボディー10を、入力軸2とトーションバー
4とが連結されていない状態に仮組みし、ハウジングH
に対応する試験治具6の内部に支持せしめて、タンクポ
ート24に対応する排油孔64を排油先に接続し、ポンプポ
ート20に対応する導圧孔60を経て給油溝に試験用の油圧
0 を導入しつつ、バルブボディー10とバルブスプール
11とを相対回転させて両者の嵌合周上に並ぶ絞り部の絞
り面積を加減し、シリンダポート21,22に対応する検圧
孔61,62に取り出される圧力P1 ,P2 を検出して、こ
れらの差圧が零となる回転位置を定める手順にて行われ
る。
【0039】入力軸2との連結のためにトーションバー
4の端部に設けた連結部4cは、図示の仮組み状態におい
て、入力軸2の軸端部から適長突出させてあり、バルブ
ボディー10とバルブスプール11との相対回転は、前記連
結部4cの突出端を把持して出力軸3及びバルブボディー
10の回転を拘束しておき、この状態で図中に矢符にて示
す如く入力軸2に適宜の方向の回転力を加える操作によ
り、トーションバー4の連結部4cと、入力軸2の連結孔
2bとの間の嵌合隙間の範囲内にて実現可能である。
【0040】本発明の油圧制御弁のセンタリング工程
は、以上の如き入力軸2の回転操作を前記検圧孔61,62
に取り出される圧力P1 ,P2 を監視しつつ行い、これ
らの差圧が零となる周方向位置(中立位置)を定めた
後、この状態で前記連結部4cと連結孔2bとの間に生じて
いる嵌合隙間に前記注入孔50を経て樹脂を注入し、この
樹脂を固化せしめ、前記中立位置を確定して完了する。
次いで、このようにして得られた入力軸2と出力軸3と
の連結体を試験治具6から取り外し、ハウジングH内に
前述した如くに組み込むことにより、図1に示す如き油
圧制御弁が構成される。なお入力軸2の軸端からの前記
連結部4cの突出部分は、該入力軸2と図示しない舵輪と
の連結を阻害しないよう、センタリング工程の完了後に
切断する。
【0041】このようなセンタリング工程を実施した場
合、トーションバー4の連結部4cと入力軸2の連結孔2b
とは、前記図2に示す状態とは異なり、一般的には、図
4に示す如く周方向に位置ずれした状態で拘束される
が、このような状態においても樹脂の注入固化による充
填材5の充填は問題なく行なえ、確実な拘束状態が得ら
れる結果、組み立て後の油圧制御弁の動作に支障を来す
虞れはない。
【0042】また組み立て後の使用中において、例え
ば、充填材5の経時的な抜け落ちが生じた場合において
も、前記連結孔2bと連結部4cとは、前述した異形断面を
有することから、これらは、図5に示す如く、嵌合隙間
の範囲で相対回転した位置にて直接的に接触し、入力軸
2とトーションバー4との連結が完全に絶たれることが
ない。従って、トーションバー4を介した入力軸2と出
力軸3との連繋が確保され、例えば、動力舵取装置用と
しての使用下において操舵不能に陥る虞れがなくなり、
安全性が確保される。
【0043】以上の如く本発明の油圧制御弁において
は、センタリング工程において中立位置を定めた後の入
力軸2とトーションバー4との連結が、前記嵌合隙間に
充填材5を充填することにより、機械加工を伴わずに達
成されるから、加工時に発生する切粉の作用による種々
の不都合を回避することができる。
【0044】また充填材5として樹脂を用いた場合、前
記嵌合隙間への充填は、液状化した樹脂を嵌合隙間に注
入した後に固化せしめることにより、入力軸2とトーシ
ョンバー4とに殆ど外力を加えることなく実現されるか
ら、この充填により先に定めた中立位置のずれが生じる
ことがなく、バルブボディー10とバルブスプール11と
は、所望のセンタリング位置を保って高精度に位置決め
される。なお入力軸2とトーションバー4との同心性
は、前者の嵌合孔2aへの後者の大径部4bの嵌合により確
保されるから、充填材5の充填に際して同心性が損なわ
れることがなく、組み立て後の油圧制御弁の動作に支障
を来す虞れもない。
【0045】充填材5としては、前述した樹脂材に限ら
ず、ハンダ等の低融点の金属材を用い、この金属材を液
状化して前記環状隙間に注入し、固化せしめて充填材5
とすることができる。但しこの場合、液状化した金属材
と接触する入力軸2及びトーションバー4が加熱され、
入力軸2の中空部を封止する作用をなす前記Oリング40
が高温となり、前記封止が損なわれる虞れがある。
【0046】なお入力軸2とトーションバー4との連結
のための嵌合部、即ち、連結孔2b及び連結部4cの横断面
形状は、図2に示す小判形に限らず、矩形、楕円形、三
角形等、他の異形形状を有するものであってもよい。ま
た以上の実施の形態においては、動力舵取装置への適用
例について述べたが、本発明の適用範囲はこれに限ら
ず、圧油の給排制御のための回転式の油圧制御弁の全般
への適用が可能であることは言うまでもない。
【0047】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係る油圧制御
弁においては、入力軸とトーションバーとを、回転方向
に隙間を有して嵌合する異形断面の嵌合部に充填材を充
填して連結したから、前記隙間の範囲内にて入力軸の回
転位置を調節してバルブボディーとバルブスプールとの
中立位置を得た後に充填材を充填することにより、機械
加工を伴うことなく高精度に中立位置を保った連結がな
され、中立位置不良の発生率を大幅に低減でき、製品歩
留りの向上が図れると共に、機械加工により発生する切
粉の影響を排除できる。また、入力軸とトーションバー
との連結が絶たれた場合においても、異形断面の嵌合部
の直接的な接触により入力軸と出力軸との連繋が維持さ
れるから、動力舵取装置用としての使用下において操舵
不能に陥ることがなく安全性が確保される。
【0048】更に加えて、入力軸とトーションバーとの
嵌合部に樹脂を注入し、固化せしめて充填材としたか
ら、嵌合部の隙間が密に充填されて良好な連結状態が得
られ、連結後に入力軸に加わる回転トルクをトーション
バーに確実に伝達することができ、油圧制御動作が良好
に行なわれるようになる等、本発明は優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】動力舵取装置に適用された本発明に係る油圧制
御弁の構成例を示す縦断面図である。
【図2】図1のII−II線による横断面図である。
【図3】本発明の油圧制御弁におけるセンタリング工程
の実施手順の説明図である。
【図4】入力軸とトーションバーとの連結部の一般的な
状態を示す横断面図である。
【図5】充填材が抜け落ちた場合の入力軸とトーション
バーとの連結部の状態を示す横断面図である。
【図6】従来の油圧制御弁におけるセンタリング工程の
実施手順の説明図である。
【符号の説明】
2 入力軸 2b 連結孔 3 出力軸 4 トーションバー 4c 連結部 5 充填材 10 バルブボディー 11 バルブスプール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転トルクが加わる入力軸と出力軸とを
    トーションバーを介して同軸上に連結し、これら両軸間
    に、前記回転トルクの作用による前記トーションバーの
    捩れを伴って生じる相対角変位を利用して圧油の給排を
    制御する油圧制御弁において、前記入力軸とトーション
    バーとは、回転方向に隙間を有して嵌合する異形断面の
    嵌合部に、その略全周に亘って充填材を充填して連結し
    てあることを特徴とする油圧制御弁。
  2. 【請求項2】 前記充填材は、前記嵌合部の隙間に注入
    されて固化した樹脂材である請求項1記載の油圧制御
    弁。
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