JP3973022B2 - ドラム缶のプラグ装着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドラム缶の天板に設けられた口金にプラグを締め付けて装着するドラム缶のプラグ装着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼製ドラム缶は、製造工程において円筒形状に形成された胴体の上下両端に天板と地板とを取り付けられた後、天板に設けられた液体注入口及び空気排出口に設けられた口金に夫々プラグが仮締装着される。口金の内周面には雌ねじが刻設され、プラグの外周面には雄ねじが刻設されており、プラグは、口金にパッキンを介して液密に着脱自在に螺着される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ドラム缶のプラグは、口金に螺合されるために天板が水平面に対して僅かに傾斜して口金がプラグに対して僅かに傾斜したり、或いは口金の中心がプラグの中心に対して僅かに位置ずれ(芯ずれ)すると、口金にプラグを正確に締め付けることができず、密栓不良となってしまう。このため、ドラム缶の製造工程において天板の口金にプラグを仮締装着する行程の自動化が困難であった。また、自動機によりドラム缶に液体等を注入した後プラグを締付装着する作業工程においても同様である。特に、ドラム缶を再利用する場合には、天板が傾斜していることが多く、プラグの自動装着が困難である。
【0004】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたもので、ドラム缶の口金にプラグを自動的に装着するドラム缶のプラグ装着装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明では、ドラム缶の口金にプラグを締め付けて装着するドラム缶のプラグ装着装置であって、前記口金の上方に昇降自在に配置されたハウジングと、前記ハウジングに収納され、垂直に配列された上部回転軸と下部回転軸とこれらを連結する自在継手とから成り、前記上部回転軸が前記ハウジングに回転自在に軸支され、前記下部回転軸が前記上部回転軸に対して首振り及び水平方向に変位自在とされ先端に前記プラグを吸着保持して前記口金に締め付ける駆動軸と、前記下部回転軸を収納して回転自在に軸支すると共に、下部がばね力により軸方向に伸縮可能な筒体と、前記筒体の上部を前記ハウジングに対して首振り及び水平方向に変位自在に支持する支持機構と、前記筒体の下端に設けられ開口端面がテーパ状に拡径し、前記口金の開口方向に倣って前記筒体を変位させて前記口金の中心に前記下部回転軸の中心を合致させるプラグガイドと、前記駆動軸を回転駆動する駆動手段と、前記ハウジングを昇降自在に支持し、前記口金に対して前記駆動軸の先端に保持されたプラグの芯出し及び平行度を確保した後前記プラグを前記口金に当接させる昇降手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に係わる発明では、前記駆動軸の上部回転軸と下部回転軸との対向する端面間には前記自在継手を同心的に遊貫させて垂直に保持する第2コイルバネが縮設されていることを特徴とする
【0007】
請求項に係わる発明では、前記下部回転軸には前記プラグの締付方向にフリーで緩め方向にロックするワンウェイクラッチが設けられ、前記下部回転軸と筒体の下部との間には前記プラグの締付異常を検出する検出手段が設けられ、前記駆動手段は、前記プラグの締付異常が検出されたときには前記プラグを緩めた後再び締め付けることを特徴とする。
【0008】
請求項に係わる発明では、請求項1乃至3に係わるドラム缶のプラグ装着装置において、搬送手段により搬送されてくる前記プラグを第1の位置において受け取り第2の位置に搬送するプラグ受取部と、前記第2の位置において前記プラグ受取部からプラグを受け取り前記駆動軸の先端まで搬送して吸着保持させるプラグ供給部とから成るプラグ供給装置を更に備えたことを特徴とする。
【0009】
プラグ装着装置は、下部回転軸の先端にプラグを吸着保持した状態で昇降手段によりハウジングを下降させ、プラグガイドのテーパ状に拡開する開口端面をドラム缶の口金に当接させる。ドラム缶の天板が水平状態にあり、口金の中心とプラグの中心とが一致している正常な位置関係にある場合には、プラグガイドの下降に伴い口金がプラグガイド内に真っ直ぐに挿入され、プラグの真下に位置する。この状態で駆動手段により駆動軸が回転駆動されると、下部回転軸が回転しながらプラグを口金の開口端に押し付けて螺合する。これにより、プラグが口金に正確に締め付けられて装着される。
【0010】
プラグが口金に正確に締め付けられて装着されると、検出手段から信号が出力され、昇降手段が作動してハウジングを上昇させて次のドラム缶にプラグを締付装着すべく待機する。即ち、プラグが口金に正確に締め付けられずに途中で止まってしまったプラグの締付異常時には、駆動手段がプラグを緩めた後再びプラグを口金に締め付ける。このようにして、ドラム缶の口金にプラグを自動で締め付けて装着する。
【0011】
ドラム缶又は天板が傾斜している場合にはこれに応じて口金が傾斜しており、プラグガイドが固定されている筒体が支持機構によりハウジングに首振り自在に、水平方向に変位(移動)及び傾斜可能に支持されていることで、プラグガイドの下降に伴いテーパ状に拡径する開口端面が口金の開口端に倣って傾斜(変位)しながら当該口金を導入する。
【0012】
これにより、筒体が口金の傾斜に応じて傾斜し、下部回転軸の中心が口金の中心上に位置してプラグの中心が口金の中心と一致し、且つ口金の開口端とプラグとが平行となり螺合可能となる。自在継手は、下部回転軸の前記傾斜に応じて屈曲し、下部回転軸は、自在継手により上部回転軸から回転力が円滑に伝達されてプラグを口金に締付装着する。プラグの口金への装着が完了し、ハウジングがドラム缶から離隔すると、これに伴いコイルバネがばね力により自在継手を前記屈曲した状態から垂直状態に復帰させる。また、筒体及び下部回転軸は、芯出機構により元の中心位置に復帰される。
【0013】
口金の中心が下部回転軸の中心から横ずれ(位置ずれ)している場合には、プラグガイドの下降に伴いテーパ状に拡径する開口端面が口金の開口端に倣って横方向に変位して当該口金を導入する。これにより、筒体が口金の位置ずれに応じて変位し、下部回転軸の中心が口金の中心上に位置し且つ口金の開口端とプラグとが平行となり、螺合可能となる。
【0014】
プラグ受取部は、第1の位置において搬送手段により搬送されてきたプラグを係止して受け取り、第2の位置に搬送し、プラグ供給部に渡す。プラグ供給部は、プラグを受け取った後、プラグ装着装置の駆動軸の真下に搬送し、当該駆動軸の先端の中心位置に供給する。次いで、プラグ装着装置が受け取ったプラグをドラム缶の口金に螺合装着する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を図面により詳細に説明する。
図1は、本発明に係るドラム缶のプラグ装着装置の正面図を示す。プラグ装着装置10は、ドラム缶1の製造ライン5のプラグ装着位置にドラム缶1を搬送する搬送機構6を架橋して設けられたフレーム7に配設されている。ドラム缶1は、搬送機構6により紙面に垂直に手前から奥に向かって搬送され、不図示の位置決め装置によりプラグ装着位置において停止され、天板1aに設けられた口金2が搬送機構6の中心線上に位置するように位置決めされる。プラグ装着位置10は、ハウジング11が搬送機構6の真上に配設され、ドラム缶1の口金2にプラグ3(図8)を締め付ける駆動軸12が口金2の真上に垂直に配置されている。
【0016】
図2に示すようにプラグ装着装置10は、ハウジング11と、ハウジング11に収納され、その中心に垂直に配列され上部回転軸13と下部回転軸14及びこれらを連結する自在継手15から成る駆動軸12と、下部回転軸14を回転自在に収納する筒体としての円筒状のスライドケース16と、スライドケース16の上部を首振り自在に支持する第1の支持機構17と、ハウジング11内に当該ハウジング11に対して支持機構17を水平面内で移動自在に且つ僅かに首振り(傾斜)自在に支持する第2の支持機構18と、スライドケース16の下端に固定されてドラム缶1の口金2の開口方向に倣うガイド部材としてのプラグガイド19、及び図1に示すハウジング11を垂直に固定する支持部材21、支持部材21に固定されて駆動軸12を駆動する駆動手段としてのプーリ22、23、及びタイミングベルト24を介して回転駆動する駆動用モータ25、支持部材21をフレーム26に対して垂直に昇降させる昇降手段としての左右のLMガイド27及びエアシリンダ28等により構成されている。
【0017】
図2に示すようにハウジング11は、駆動軸12の上部回転軸13の軸受部材としてのリング31と、各上端がリング31の外周面に周方向に等配されてボルトで固定された4本のステー32と、各上端が各ステー32の下端にボルトで固定された4本のステー33と、各ステー32の下端に内嵌されてリング31と平行とされ各ステー33と共締め固定されるストッパリング34と、リング状をなし外周面に各ステー33の下端がボルトで固定された受皿部材35等から成る。上部回転軸13の下端はベアリング36を介してリング31に回転自在に軸支され、軸心にエア通路(孔)13aが設けられている。
【0018】
図3に示すように下部回転軸14は、複数の回転軸により構成されている。回転軸40は、中心にエア通路40aが設けられ、下端にスプライン回転軸41の上端が相対回転不能に嵌合固定されている。スプライン回転軸41は、外周面にスプライン41aが設けられ、軸心にエア通路41bが設けられている。回転軸42は、円筒形状をなしスプライン回転軸41のスプライン41aに外嵌されて内周面に設けられたスプライン42aを介して噛合し、相対回転不能且つ軸方向に摺動自在とされている。回転軸42の下端にはワンウェイクラッチ43が同心的に内嵌固定されており、該ワンウェイクラッチ43には円筒状をなし上端にフランジ44aが設けられたハウジング44が内嵌固定されている。
【0019】
ワンウェイクラッチ43は、図6に示すように回転軸42が矢印Cで示すプラグの締付方向(時計方向)に正回転するときにはフリーの状態となり、回転軸42に対してハウジング44が自由となり、回転軸42が矢印CCで示すプラグの緩め方向(反時計方向)に逆回転するときにはロックしてハウジング44を回転軸42と一体に回転駆動させる。
【0020】
回転軸45は、上端にフランジ45aが設けられており、ハウジング44に相対回転不能且つ軸方向に摺動自在に収納され、軸心にエア通路45bが設けられ、係止用の爪部としての下端45cの外形がプラグ3の上面3aに設けられた角形の凹部3b(図12)と係合可能な角形とされている。これにより、後述するようにプラグ3の締付不良時に回転軸42が回転軸45に駆動力を伝達してプラグ3を緩めることができる。
【0021】
回転軸42のスプライン42aの上端にはカラー46、パッキン47を介してパッキン押さえリング48が固定されており、スプライン44aの下端とハウジング44のフランジ44aとの間にはカラー49が介在され、スプライン回転軸41の下端と回転軸45のフランジ45aとの間にはコイルバネ50が縮設されている。パッキン押さえリング48と回転軸40の略中央位置に装着されたばね座51との間にコイルバネ52が縮設されている。また、回転軸42の下端面には弾性部材例えば、ウレタンゴムから成りプラグ3の上面3aに密着する密着リング53が固定されている。回転軸40の上部はベアリング54を介してスライドケース16の上部に回転自在に軸支されている。上記構成の下部回転軸14は、スライドケース16の中心に配列されている。
【0022】
図3に示すようにスライドケース16の下部には円筒状のスプリングケース55が摺動可能に内嵌されている。スプリングケース55の下部にはスリット55aが軸方向に沿い、周方向に例えば、3箇所等配されて設けられており、スライドケース16の下端に固定されたボルト56により軸方向に摺動可能に且つ相対回転不能に支持されている。これらのスライドケース16とスプリングケース55との間にはコイルバネ57が縮設されている。
【0023】
スプリングケース55の下端にはリング状のプラグガイド19が固定されている。このプラグガイド19は、孔19aをプラグ3が僅かな間隙を存して挿通可能とされ、孔19aの下端の開口端面19bがテーパ状に拡径(拡開)する傾斜面とされている。この開口端面19bは、スライドケース16即ち、下側回転軸14をドラム缶の口金に倣わせるためのものである。プラグガイド19の下面には、リング状の弾性部材例えば、ウレタンゴム20が設けられており、後述するプラグ装着時にドラム缶1の天板1aに当接可能とされている。
【0024】
また、スライドケース16の下端にはプラグ3の装着の良否を検出する異常検出手段としての近接スイッチ60が設けられており、回転軸42の下部所定位置に位置検出手段としてのリング状のドグ61がねじ62により高さ調整可能に固定されている。尚、図7に示すようにスプリングケース55の下端には両側に円弧状の切欠55bが設けられており、ドグ61の高さ位置を調節可能とされている。
【0025】
図2及び図4に示すようにスライドケース16の上部を水平面内で首振り自在に支持する第1の支持機構17は、スライドケース16に同心的に配置された内外2つのリング63と64から成り、内側のリング63は、図中上下方向の直径上の両側に螺合された2本のボルト66、66によりスライドケース16の上部をこれらのボルト66、66を通る直線に対して矢印のように揺動自在に水平に支持している。この内側のリング63は、外側のリング64のボルト66、66を通る直線と直交する直径上の両側に螺合された2本のボルト67、67の各先端67a、67aによりこれらのボルト67、67を通る直線に対して矢印のように揺動自在に水平に支持されている。これにより、スライドケース16の上部は、外側のリング64に首振り自在に支持される。
【0026】
外側のリング64には、ボルト67、67の中間位置にボルト68、68が螺合されており、これらの4本のボルト67、67、68、68にはリング64の外周面との間に夫々カラー69が外嵌され、ナット70により固定されている。カラー69は、ゴム或いはスポンジ等の弾性部材により構成されており変形可能とされている。これらの4本のボルト67、68の各カラー69は、4本のステー33の上部に設けられた孔33aに挿通支持される。図4及び図5に示すように孔33aは、リング64の周方向に沿う長孔とされており、リング64は、水平面内で全方向に変位可能とされると共に、カラー69が変形可能とされていることで水平面に対して首振り可能とされる。
【0027】
これらの4本のボルト67、67、68、68、各カラー69、及び4本のステー33の長孔33aにより、ハウジング11に対して支持機構17を水平面内で全方向に変位自在に且つ首振り自在に支持する第2の支持機構18が構成されている(図2)。これにより、スライドケース16即ち、下部回転軸14は、ハウジング11に対して首振り自在に、且つ水平方向に全方向に変位自在に支持される。また、外側のリング64は、上方に水平に配置されているストッパリング34(図2)により上方への変位が規制される。尚、外側のリング64は、左右の2本のボルト67、67によりハウジング11に支持するようにしてもよい。
【0028】
図2に示すようにスライドケース16の下部は、芯出機構を構成する受皿部材35の孔35aを遊貫しており、中央近傍にリング状の芯出ブロック72が外嵌固定されている。受皿部材35の孔35aの上部開口端35bは、テーパ状に拡径され、芯出ブロック72の下部外周面72aは、孔35aの開口端35bに当接可能なテーパ状に縮径されている。スライドケース16には芯出ブロック72の上方にストッパリング73が外嵌固定されており、外周面にスプリング係止用のボルト74が周方向に例えば、4本等配されて螺着されている。
【0029】
受皿部材35の上面周縁部には各ボルト74と対応してスプリング係止用のボルト75が螺着されている。そして、これらの対応するボルト74と75との間に引っ張りコイルバネ76が張設されている。引っ張りコイルバネ76は、受皿部材35のテーパ状に拡径する開口端35bに芯出ブロック72のテーパ状に縮径する外周面下部72aを圧接させてスライドケース16即ち、回転軸14の中心を孔35の中心に合致させて芯出を行う。これにより、回転軸14が首振り、或いは水平方向に変位してプラグを締付装着終了後、元の中心位置に復帰される。このようにして、芯出機構が構成されている。
【0030】
図2に示すように上部回転軸13の下端と下部回転軸軸14の上端とが自在継手15により連結されており、下部回転軸14がハウジング11に対して前述したように変位しても上部回転軸13からの駆動力が伝達可能とされる。また、上部回転軸13の下端と下部回転軸14の上端との間に自在継手15を同心的に遊貫させるように圧縮コイルバネ80が縮設されており、自在継手15を垂直に保持するようになっている。これにより、下部回転軸14が変位しても元の位置(垂直状態)に復帰可能とされている。上部回転軸13のエア通路13aの下端部と下部回転軸14のエア通路14aの上端部とは継手76、77及びホース78により接続されている。そして、上部回転軸13のエア通路13aの上端には図1に示すようにロータリ管継手79が取り付けられ、ホースを介して真空ポンプ(何れも図示せず)に接続されて、これらのエア通路内の空気が排出されて真空引きされるようになっている。これにより、駆動軸12の先端の密着リング53にプラグ3の上面3a(図12)を吸着保持可能とされる。
【0031】
図1及び図8に示すようにフレーム5にはプラグ装着装置10と並んでプラグ供給装置101が配設されている。このプラグ供給装置101は、図8に2点鎖線で示すコンベア100に載置されて矢印で示すように搬送されてくるプラグ3を受け取るプラグ受取部105と、プラグ受取部105からプラグ3を受け取り、プラグ装着装置10のスライドケース16内に収納されている下部回転軸14の先端に供給するプラグ供給部106とにより構成されている。
【0032】
図8、図9及び図10に示すようにプラグ受取部105は、門形のフレーム111がフレーム5上にベルトコンベア100を架橋して垂設されており、このフレーム111に駆動手段としてのマグネット式ロットレスシリダ(以下単に「ロッドレスシリンダ」という)112が図中左右方向に水平に移動可能に設けられている。支持板113は、側面視L形をなし、垂直部がロッドレスシリンダ112に固定され、水平部がベルトコンベア100の上方に位置し、且つ搬送方向に向かって前方に延出されている(図10)。
【0033】
エアシリンダ114は、支持板113の水平部に垂設されてロッド114aが下方に垂直に伸縮可能とされ、先端にプラグ吸着盤115が固定されている。このプラグ吸着盤115は、図9に示すように逆カップ形状をなし、開口端面にパッキン116が取り付けられ、不図示のホースを介して前記真空ポンプに接続されて内部が真空とされ、真空引きにより2点鎖線で示すようにプラグ3の上面3aを吸着して保持する。
【0034】
図10に示すようにストッパプレート117は、側面視L形をなし、上端がフレーム111に固定され、下端が前方に、且つベルトコンベア101から僅かに上方に離隔して前方に向かって延出され、図8に示すように先端に略V形に開口された係止部117aが設けられており、搬送されてくるプラグ3を係止する。プラグ吸着盤115は、エアシリンダ114が伸長してストッパプレート117により停止されたプラグ3の上面3aを吸着して保持する。このようにして、プラグ受取部105は、図8及び図9に示す右端位置(第1の位置)においてベルトコンベア100により搬送されてくるプラグ3を受け取り、左端位置(第2の位置)に搬送する。
【0035】
図8、図9及び図11に示すようにプラグ供給部106は、フレーム3上にプラグ受取部105の左端(第2の位置)側に配置されており、エアシリンダ121がフレーム111の後方に位置して、ロッド121aがプラグ装着装置10の下部回転軸14の中心線と直交するように水平に配設されている。L形の支持部材122は、垂直部がロッド121aの先端に固定され(図11)、水平部がフレーム5の下面との間に左右両側に設けられたLMガイド124により前方に水平に摺動し、図9に2点差線で示すプラグ受取部105の第2の位置におけるプラグ吸着盤115の下方、及び図11に2点差線で示すプラグ装着装置10のプラグガイド19の下方に位置するように延出されている。
【0036】
エアシリンダ123は、支持部材122の水平部に垂設され、ロッド123aが垂直に下方に伸縮可能とされ、当該ロッド123aの先端に支持板125の基端が水平に固定されている。ガイドロッド126は、支持板125の先端に垂設され、カラー127を介して支持部材122の先端の孔を摺動可能に貫通され、先端にカップ状のプラグ受部128が固定されている。
【0037】
図11に示すようにプラグ受部128は、エアシリンダ121のロッド121aが短縮した状態において2点鎖線で示すプラグ受取部105の第2の位置におけるプラグ吸着盤115の真下に位置し、ロッド121aが伸長したときにプラグ装着装置10のプラグガイド19の真下に位置するようになっている。また、プラグ受部128は、プラグガイド19の真下の位置においてエアシリンダ123のロッド123aが短縮すると上昇してプラグ3をプラグ装着装置10のプラグガイド19の孔19aを通して下部回転軸14の先端に供給する。
【0038】
図1に示すプラグ装着装置10の駆動手段としての駆動用モータ25、昇降手段としてのエアシリンダ28、図8に示すプラグ供給装置101のプラグ受取部105のロッドレスシリンダ112、エアシリンダ114及びプラグ供給部106のエアシリンダ121、123等は、不図示の制御装置により所定のタイミングでシーケンス制御される。
【0039】
以下に作用を説明する。
図1に示すようにドラム缶1は、搬送機構6により紙面に垂直に手前から奥に向かって搬送され、天板1aに設けられた口金2がプラグ装着装置10のプラグガイド19の真下に位置するように位置決め停止される。プラグ装着装置10は、エアシリンダ28が短縮して、ハウジング11が上方に位置しており、駆動用モータ25が停止若しくは回転している。
【0040】
図8及び図9に示すようにプラグ受取部105は、ベルトコンベア100の上方に位置(第1の位置)しており、ストッパプレート117がベルトコンベア100に載置されて矢印方向に搬送されてきたプラグ3を係止する。次いで、エアシリンダ114のロッド114aが伸長し、プラグ吸着盤115のパッキン116の下面がプラグ3の上面3aに密着し、真空引きにより当該プラグ3を吸着保持した後2点鎖線で示すように短縮し、ベルトコンベア100からプラグ3を受け取る。
【0041】
次いで、ロッドレスシリンダ112が図9に2点鎖線で示す左端位置まで移動して第2の位置に移動した後、エアシリンダ114のロッド114aが伸長して図9及び図11に示すように真下に位置するプラグ供給部106のプラグ受部128にプラグ3を嵌挿して(渡して)吸着力を解除する。次いで、エアシリンダ114のロッド114aが短縮してプラグ吸着盤115が上昇し、ロッドレスシリンダ112が図9の実線で示す第1の位置まで移動する。そして、プラグ受取部105が次のプラグを受け取るべく待機する。このようにして、プラグ受取部105からプラグ供給部106にプラグ3が受け渡される。
【0042】
図11に示すようにプラグ供給部106は、プラグ3を受け取った後、エアシリンダ121のロッド121aが伸長してプラグ3を2点鎖線で示すプラグ装着装置10のプラグガイド19の真下に搬送する。次いで、エアシリンダ123のロッド123aが短縮して、図12に示すようにプラグ受部128がプラグガイド19の孔19aを挿通してプラグ3の上面3aを回転軸45の先端中央位置に供給され、密着リング53に当接させる。このとき駆動軸12(図2)は、図6に矢印Cで示す時計方向即ち、プラグ3のねじの締め込み方向に回転しており、ワンウェイクラッチ43は、フリーな状態であり、且つ駆動軸12内の空気が前記真空ポンプにより吸引されている。
【0043】
図12に示すようにプラグ3は、回転軸45の先端45cをコイルバネ50のばね力に抗して押し上げられながら上面3aが密着リング53に密着され、真空引きにより吸着保持される。回転軸45が図6の矢印C方向に回転しているときにはワンウェイクラッチ43はフリーな状態にあり、回転軸45は、先端45cがプラグ3の凹部3bと合致したときにコイルバネ50のばね力により押し出されて係合する。尚、先端45cは、プラグ3の凹部3bに必ずしも係合しなくてもよく、従って、このときにはコイルバネ50は、縮んだままの状態でもよい。次いで、図11に示すエアシリンダ123のロッド123aが伸長し、プラグ受部128が下降してプラグガイド19の下方に移動し、エアシリンダ121のロッド121aが短縮して実線で示す位置に移動し、次のプラグを受け取るべく待機する。このようにして、プラグ供給部106によりプラグ装着装置10にプラグ3が供給される。
【0044】
次いで、図1に示すプラグ装着装置10のエアシリンダ28のロッドが伸長してハウジング11を下降させる。図13(a)に示すようにドラム缶1の天板1aが水平状態にあり、口金2の中心とプラグ3の中心とが一致している正常な位置関係にある場合には、プラグガイド19の下降に伴い口金2がプラグガイド19の孔19a内に真っ直ぐに挿入され、プラグ3の真下に位置する。プラグガイド19は、孔19aの内周面に口金2のカール部2bの外周面に係止され、下面のリング状のウレタンゴム20が天板1aに弾性的に当接し、開口端面19bが天板1aの口金2が装着された外周部1bから僅かに離隔する。これにより、プラグガイド19が天板1a及び口金2が装着された外周部1bに塗布されている塗装(外装)に傷つけることを防止する。この状態で図3に示す下部回転軸14のスプライン回転軸41にスプライン嵌合している回転軸42が、回転しながらプラグ3を口金2の開口端に押し付けて螺合する。
【0045】
プラグ3が口金2に正確に締め付けられて装着されると、図3に示す近接スイッチ60がドグ61を検出して信号を出力する。前記制御装置は、この信号を受けて駆動用モータ25を停止させて駆動軸12の回転を停止させ、エアシリンダ28を短縮させてハウジング11を上昇させて次のドラム缶にプラグを締付装着すべく待機する。
【0046】
プラグの締付異常が発生した時例えば、プラグ3が所定時間内に口金2に正確に締め付けられずに途中で止まってしまったときには、近接スイッチ60は、ドグ61を検出することができず、信号が出力されない。前記制御装置は、近接スイッチ60から信号が入力されないときには、プラグの締付異常と判断して、駆動軸12を図6の矢印CCで示す反時計方向に回転させる。駆動軸12が反時計方向に回転すると、ワンウェイクラッチ43がロックして回転軸45がプラグ3を緩める。プラグ3が締め付けられるときに回転軸45の先端45cがプラグ3の凹部3bと係合しているときには回転軸45の回転と同時にプラグ3を緩め、先端45cがプラグ3の凹部3bと係合していないときには、回転軸45が回転して先端45cが前記凹部3bと合致したときにスプリング50のばね力により押されて当該凹部3bと係合してプラグ3を緩める。次いで、前記制御装置が再び駆動軸12を図6の矢印C方向に回転させて再度プラグ3を口金2に締め付ける。即ち、プラグ3の締め付け動作をやり直す。このようにして、ドラム缶1の口金2にプラグ3を自動で締め付けて装着する。
【0047】
尚、前記制御装置は、プラグの締付異常を検出したときに警報ランプやブザー等の警報器を作動させて作業者に知らせるようにしてもよい。更に、図1に示すドラム缶製造ライン5のドラム缶搬送機構6にリジェクト機構を設け、前記制御装置がプラグの締付異常を検出したときに前記リジェクト機構を作動させてプラグの締付異常が発生したドラム缶をライン外に撥ね除けるようにしてもよい。
【0048】
ところで、図13(b)に示すように天板1aが水平面に対して僅かに角度θをなして傾斜している場合にはこれに応じて口金2が傾斜している。即ち、上部回転軸13の垂直をなす中心線に対して口金2の中心線が角度θをなしている。尚、図において口金2の傾斜は、誇張して描いてある。プラグガイド19の開口端面19bは、テーパ状に拡径しており、当該プラグガイド19が固定されているスライドケース16が、支持機構17、18によりハウジング11に首振り自在に、水平面内で全方向に変位及び傾斜可能に支持されていることで、プラグガイド19の下降に伴いテーパ状の開口端面19bが口金2の開口端2aに倣って傾斜しながら孔19a内に口金2を導入する。そして、孔19aが口金2のカール部2bの外周面に係止され、下面のリング状のウレタンゴム20が天板1aに弾性的に当接し、開口端面19bが天板1aの口金2が装着された外周部1bから僅かに離隔する。
【0049】
これにより、スライドケース16が口金2の傾斜に応じて傾斜し、下部回転軸14の中心が口金2の中心上に位置し、プラグ3の中心が口金2の中心と一致し、且つ口金2の開口端2aとプラグ3の下面3cとが平行となり螺合可能となる。自在継手15は、下部回転軸14の前記傾斜に応じて屈曲する。自在継手15は、前記屈曲に伴いその垂直方向の長さが短くなり、これに応じて図2に示す支持機構18がコイルバネ80のばね力に抗して上方に押し上げられる。この支持機構18は、所定量引き上げられるとストッパリング34に係止されて上動(上昇)が規制される。これにより、下部回転軸14は、前記傾斜が規制され、円滑な回転が確保される。
【0050】
下部回転軸14は、自在継手15により上部回転軸13から回転力が円滑に伝達されてプラグ3を口金2に締付装着する。プラグ3の口金2への装着が完了し、ハウジング11がドラム缶1から離隔すると、これに伴いコイルバネ80がばね力により自在継手15を前記屈曲した状態から垂直状態に復帰させる。
また、図13(c)に示すように口金2の中心が下部回転軸14の中心から僅かに距離dだけ横ずれしている場合には、プラグガイド19の下降に伴いテーパ状に拡径する開口端面19bが口金2の開口端2aに倣って横方向に変位して孔19a内に口金2を導入する。尚、図において口金2の横ずれは、誇張して描いてある。そして、前述したように孔19aが口金2のカール部2bの外周面に係止され、下面のリング状のウレタンゴム20が天板1aに弾性的に当接し、開口端面19bが天板1aの口金2が装着された外周部1bから僅かに離隔する。これにより、スライドケース16が口金2の位置ずれに応じて変位し、下部回転軸14の中心が口金2の中心上に位置する。
【0051】
これにより、プラグ3の中心が口金2の中心と一致し且つ口金2の開口端2aとプラグ3の下面3cとが平行となり、螺合可能となる。自在継手15は、下部回転軸14の前記位置ずれに応じて屈曲する。自在継手15は、前記屈曲に伴いその垂直方向の長さが短くなり、これに応じて図2に示す支持機構18がコイルバネ80のばね力に抗して上方に引き上げられる。この支持機構18は、所定量引き上げられるとストッパリング34に係止されて上動が規制される。これにより、下部回転軸14は、前記位置ずれが規制され、円滑な回転が確保される。
【0052】
下部回転軸14は、自在継手15により上部回転軸13から回転力が円滑に伝達されてプラグ3を口金2に締付装着する。プラグ3の口金2への装着が完了し、ハウジング11がドラム缶1から離隔すると、これに伴いコイルバネ80と引っ張りコイルバネ76のばね力により自在継手15を前記屈曲した状態から垂直状態に復帰させる。このようにして、プラグ装着装置10は、ドラム缶1の口金2が傾斜している場合や、位置ずれしている場合でもプラグ3を締付装着することが可能となる。
【0053】
尚、上記実施の形態においてはプラグ装着装置をドラム缶の製造工程に設置してプラグを仮締する場合について記述したが、これに限るものではなく、ドラム缶に液体等を注入する作業工程において、注入後にプラグを締付て装着する作業行程に適用しても良い。
更に、上記実施の形態においては口金にプラグを装着する場合について記述したがこれに限るものではなく、口金からプラグを取り外す作業工程に適用しても良い。また、ドラム缶の口金にプラグを装着し、又は取り外す場合に限るものではなく、他の容器に栓を装着し、又は取り外す装置に適用し得ることは勿論である。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のプラグ装着装置によれば、ドラム缶の天板が傾斜して口金が傾斜している場合や、位置ずれをしている場合でもプラグを締付装着することが可能となり、ドラム缶の製造工程や、ドラム缶に液体等を注入後にプラグを締付て装着する作業行程において、プラグ締付の自動化を図ることができ、作業性の向上が図られる。
【0055】
また、プラグ装着装置において、更にプラグ供給装置を備えることで、ドラム缶の製造ラインや、ドラム缶に液体等を注入後にプラグを締め付ける作業ライン等においてプラグ装着の全自動化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドラム缶のプラグ装着装置を備えたドラム缶の製造ラインの一例を示す正面図である。
【図2】図1に示すドラム缶のプラグ装着装置の拡大断面図である。
【図3】図2に示すドラム缶のプラグ装着装置の要部拡大図である。
【図4】図2に示すドラム缶のプラグ装着装置の矢線IV―IVに沿う断面図である
【図5】図2に示すドラム缶のプラグ装着装置のスライドケースを支持する支持部の説明図である。
【図6】図2に示すドラム缶のプラグ装着装置の矢線VI―VIに沿う断面図である
【図7】図2に示すドラム缶のプラグ装着装置の下端部の説明図である。
【図8】図1に示すドラム缶のプラグ装着装置にプラグを供給するプラグ供給装置の平面図である。
【図9】図8に示すプラグ供給装置の一部を断面で表した正面図である。
【図10】図8に示すプラグ供給装置のプラグ受取部の側面図である。
【図11】図8に示すプラグ供給装置のプラグ供給部の一部を断面で表した側面図である。
【図12】図11に示すプラグ供給部によりプラグ装着装置にプラグを供給する場合の動作説明図である。
【図13】図2に示すドラム缶のプラグ装着装置によりドラム缶の口金にプラグを締付装着する場合の説明図である。
【符号の説明】
1 ドラム缶
2 口金
3 プラグ
5 フレーム
6 搬送機構
10 ドラム缶のプラグ装着装置
11 ハウジング
12 駆動軸
13 上部回転軸
14 下部回転軸
15 自在継手
16 スライドケース(筒体)
17、18 支持機構
19 プラグガイド
25 駆動用モータ
28 エアシリンダ
41 スプライン回転軸
42、45 回転軸
43 ワンウェイクラッチ
44 ハウジング
100 ベルトコンベア
101 プラグ供給装置
105 プラグ受取部
106 プラグ供給部

Claims (4)

  1. ドラム缶の口金にプラグを締め付けて装着するドラム缶のプラグ装着装置であって、
    前記口金の上方に昇降自在に配置されたハウジングと、
    前記ハウジングに収納され、垂直に配列された上部回転軸と下部回転軸とこれらを連結する自在継手とから成り、前記上部回転軸が前記ハウジングに回転自在に軸支され、前記下部回転軸が前記上部回転軸に対して首振り及び水平方向に変位自在とされ先端に前記プラグを吸着保持して前記口金に締め付ける駆動軸と、
    前記下部回転軸を収納して回転自在に軸支すると共に、下部がばね力により軸方向に伸縮可能な筒体と、
    前記筒体と前記ハウジングとの間に設けられ、筒体の外周面に固設された芯出ブロック、ハウジングに固設され、前記芯出ブロックに関して筒体の下端側に位置して芯出ブロックを受容する受皿部材、及び前記ハウジングと筒体間に張設され、前記芯出ブロックを受皿部材に圧接させる第1コイルバネからなり、前記下部回転軸の芯出をする芯出機構と、
    前記筒体の上部を前記ハウジングに対して首振り及び水平方向に変位自在に支持する支持機構と、
    前記筒体の下端に設けられ開口端面がテーパ状に拡径し、前記口金の開口方向に倣って前記筒体を変位させて前記口金の中心に前記下部回転軸の中心を合致させるプラグガイドと、
    前記駆動軸を回転駆動する駆動手段と、
    前記ハウジングを昇降自在に支持し、前記口金に対して前記駆動軸の先端に保持されたプラグの芯出し及び平行度を確保した後前記プラグを前記口金に当接させる昇降手段と
    を備えたことを特徴とするドラム缶のプラグ装着装置。
  2. 前記駆動軸の上部回転軸と下部回転軸との対向する端面間には前記自在継手を同心的に遊貫させて垂直に保持・復帰させる第2コイルバネが縮設されていることを特徴とする請求項1に記載のドラム缶のプラグ装着装置。
  3. 前記下部回転軸には前記プラグの締付方向にフリーで緩め方向にロックするワンウェイクラッチが設けられ、
    前記下部回転軸と筒体の下部との間には前記プラグの締付異常を検出する検出手段が設けられ、
    前記駆動手段は、前記プラグの締付異常が検出されたときには前記プラグを緩めた後再び締め付けることを特徴とする請求項1又は2に記載のドラム缶のプラグ装着装置。
  4. 請求項1乃至に記載のドラム缶のプラグ装着装置において、
    搬送手段により搬送されてくる前記プラグを第1の位置において受け取り第2の位置に搬送するプラグ受取部と、前記第2の位置において前記プラグ受取部からプラグを受け取り前記駆動軸の先端中央位置まで搬送して吸着保持させるプラグ供給部とから成るプラグ供給装置を更に備えたことを特徴とするドラム缶のプラグ装着装置。
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