JP3912721B2 - 搬送装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボア孔の形状やピッチの異なる複数種類のシリンダブロックを加工する加工ラインの工程間を搬送する搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両のエンジンを構成するシリンダブロック等のワークは、複雑な形状を有すると共に、多種多用な加工を施すことにより製作されている。このようなシリンダブロックを製造する製造工程においては、加工等のためにシリンダブロックを複数回に渡って搬送し、移載する必要がある。また、所定の場合にはシリンダブロックの移載時にシリンダブロックの位置決めを行う必要がある。従って、シリンダブロックを効率良く搬送するために、シリンダブロックを確実に、かつ、すばやく保持する搬送装置が開発されている。
ここで、このような搬送装置の従来技術としては、実用新案登録番号第2509105号公報や、実用新案登録番号第2544073号公報に記載された考案があげられる。
まず、実用新案登録番号第2544073号公報に記載の搬送装置は、二本の中央ピンと、この中央ピンを挟むように配置された一対の側ピンを有している。各中央ピンは二つの移動ピン部分から構成されており、各移動ピンは前記の側ピンと直交する方向にスライド可能に構成されている。さらに、一対の側ピンは、リンク機構により中央ピンの方向に向けて移動可能に構成されている。このような搬送装置でワークであるシリンダブロックを搬送する際には、まず、中央ピンおよび側ピンをワークであるシリンダブロックの4つのボア孔にそれぞれ挿入する。次に、リンク機構を駆動して、側ピンでシリンダブロックの長手方向の内壁を押圧し、把持する。さらに、側ピンの移動ピン部分をスライドさせて、シリンダブロックの幅方向の内壁を押圧する。これにより、搬送装置は、シリンダブロックの長手方向、および、幅方向の位置修正を独立に行いつつシリンダヘッドを保持することができる。
また、実用新案登録番号第2509105号公報に記載の搬送装置は、シリンダブロックの位置決め用の拡開可能なアームと、このアームが拡開する方向と直交する方向に、シリンダブロックを保持する保持機構部を備える構成を有している。このような搬送装置は、まず、シリンダブロックのボア孔内でアームを拡開させて、アームでシリンダブロックの幅方向を押圧し、シリンダブロックの位置決めを行う。次に、保持機構部をシリンダブロックの長手方向に摺動させて、保持部材をシリンダブロックのボア孔の内壁に形成されている円形孔に挿入することでシリンダヘッドを保持する。また、シリンダブロックを保持する際の位置決めの精度を高めるために位置決めピンを併用する形態も示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような搬送装置は、複数種類のシリンダブロックが混在する加工ラインや、新機種が導入された場合など、ボア孔の形状やピッチの異なる複数種類のシリンダブロックを搬送する必要があるときは、シリンダブロックの種類に合わせて複数の搬送装置を用意したり、シリンダブロックの種類に合わせて中央ピンや側ピン、アーム等の位置調整を行う機構を付加する必要があった。
ここで、搬送装置を複数保有すると、設備コストが増大し、シリンダブロックの種類毎に搬送装置を交換するのでは、搬送装置の交換作業に手間がかかるという問題がある。
一方、シリンダブロックの種類に合わせて中央ピンや側ピン、アーム等の位置調整を行うには、直交する方向に独立に設けられた機構のそれぞれに位置調整機構を新たに設ける必要があるため、搬送装置の構成が複雑になり、搬送装置が大型化する原因となる。搬送装置の複雑化、大型化は、搬送装置の操作にかかる手間を増大させるので、作業効率が低下してしまうという問題も含んでいる。
また、作業効率の観点からは、シリンダブロックの長手方向、幅方向の位置決めを独立に行ったり、位置決めと保持を独立の機構で行うと、搬送装置とシリンダブロックの位置がずれていた場合は、位置決め作業を最初からやり直さなければならないことがある。このような場合は、作業効率が著しく低下するという問題があった。
従って、本発明の解決しようとする課題は、ワークを搬送するにあたって、簡単な構成で、確実にワークを保持することであり、特に、形状等の異なるワーク(シリンダブロック)であっても一台の搬送装置で確実に保持し、搬送装置とワークの位置がずれていても簡単に位置の修正ができる搬送装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、ボア孔の形状やピッチの異なる複数種類のシリンダブロックを加工する加工ラインにおいて、この加工ラインの工程間を保持手段により前記シリンダブロックを保持して搬送する搬送装置であって、前記保持手段は、第一の保持手段と、第二の保持手段とからなり、前記第一の保持手段を前記第二の保持手段に対して相対的に移動させ、前記第一の保持手段と前記第二の保持手段間の間隔をボア孔間のピッチに調整する移動手段を備え、また前記保持手段は、流体の供給により膨張して、前記シリンダブロックを押圧する膨張部材と、この膨張部材の少なくとも一部が固定される固定部材と、前記流体を前記膨張部材に供給するための供給手段と、を備え、前記膨張部材は、前記シリンダブロックを押圧する面の全面に渡って弾性部材よりなる補強部材を備え、この補強部材には、前記シリンダブロックを押圧する方向に複数の貫通孔を有することを特徴とする。
このように構成した搬送装置は、流体の供給により膨張した膨張部材でシリンダブロック(ワーク)を押圧することでワークを保持する。ここで、膨張部材がワークの形状に従って変形することで、膨張した膨張部材とワークとの接触面積を充分に確保できる。また、搬送装置とワークとの位置ずれがあっても、膨張部材の膨張時の変形や、膨張量の制御によりこの位置ずれを吸収することができる。従って、このような搬送装置は、簡単な構成でありながら、ワークの形状によらずに、確実に、かつ、迅速にワークを保持できる。
【0005】
またこのような搬送装置は、第一の保持手段と第二の保持手段のそれぞれの膨張部材を膨張させて、ワークを押圧することでワークを確実に保持できる。また、移動手段により第一の保持手段を第二の保持手段に対して相対的に移動させることにより、大きさや形状が大きく異なるワークであっても、簡単に保持できる。
【0006】
さらにこのような搬送装置は、補強部材がワークを押圧するので、ワークに比較的鋭い凹凸があったり、ワークと膨張部材の間に切削切粉等の異物が混入していたとしても、膨張部材の破損を防止できる。従って、ワークの状態に関らずに、ワークを保持することができる。
【0007】
そして、このような搬送装置における補強部材は、前記したように膨張部材の破損を防止できると共に、貫通孔がワークと補強部材がずれることを防止する。従って、搬送装置は、鏡面加工等が施されたワークであっても確実に保持できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本実施の形態における搬送装置の正面図、図2は搬送装置の平面図、図3(a)、(b)は搬送装置がワークに挿入された状態を示す正面図である。
図1および図2に示すように、搬送装置1は、基台2を中心として構成され、基台2の上面の中央部分にはシリンダ3が支持枠4により固定されている。このシリンダ3には、基台2に平行にシリンダロッド5が挿入されており、シリンダロッド5の先端には摺動ブロック6が固定されている。この摺動ブロック6は、その下端部6aが基台2に開設された開口部7に収まるように配置されており、シリンダロッド5の駆動によりガイド部材8に沿って図1の左右方向に摺動可能である。さらに摺動ブロック6の下端部6aには、後に詳細を説明する第一の保持手段9が固定されている。このシリンダ3、シリンダロッド5、摺動ブロック6、ならびに、ガイド部材8が特許請求の範囲に記載した移動手段を構成する。また、基台2の第一の保持手段9と反対側の位置には、第二の保持手段10が固定されている。さらに、図1に示すように、この搬送装置1は、基台2の上面に鉤型支持部材11が固定されており、この鉤型支持部材11の上部には、支持アーム12が設けられている。この支持アーム12は、図示しないコンベア等に接続されている。
【0010】
ここで、本実施の形態におけるワークについて説明する。
本実施の形態におけるワークは、自動車等のエンジンを構成するシリンダブロックWであり、図1に示すように4つのボア孔W1,W2,W3,W4が直列に形成されている。また、シリンダブロックWは、床面FLに配設されたノックピン13と、シリンダブロックWの下部に形成されたノック孔14とを嵌合させることで位置決めされている。なお、本実施の形態の搬送装置1で保持し、搬送できるワークは、シリンダブロックWに限定されずに、凹部または貫通穴を有する形状であれば任意の形状のワークとすることが可能である。
【0011】
次に、第一の保持手段9と第二の保持手段10について図1から図4を用いて説明する。なお、図4は、第一の保持手段9、第二の保持手段10の分解斜視図である。また、以下の説明においては、第一の保持手段9として説明するが、第二の保持手段10も同様な構成を有している。
第一の保持手段9は、ワークであるシリンダブロックWのボア孔W1に挿入されるセンタープラグ21を有し、センタープラグ21の上端には、センタープラグ21の上部21aを支持する支持部材22を備えている。また、図3(b)および図4に示すように、センタープラグ21には、エアーの供給により膨張可能なゴムチューブ23が外装される。このゴムチューブ23の上端は、加締リング24で固定され、ゴムチューブ23の下端はガイド部材25で固定される。なお、ゴムチューブ23が特許請求の範囲に記載の膨張部材に相当し、ゴムチューブ23が固定されるセンタープラグ21が特許請求の範囲に記載の固定部材に相当する。さらに、ゴムチューブ23には補強部材であるチューブスリーブ27が外装されている。
【0012】
以下に、第一の保持手段9の各構成要素について順番に説明する。
図4に示すように、センタープラグ21は、縦長の回転対称形状を有しており、上部段差部28と、下部段差部29を有している。また、センタープラグ21の上部21aには、支持部材22および摺動ブロック6に固定するためのねじ穴39と、エアーを供給するためのエアー供給孔30が形成されている。このエアー供給孔30は、センタープラグ21の中央部分において下向きに形成された縦孔31に連通している。この縦孔31は、センタープラグ21の下部段差部29の形成位置付近まで形成されており、ここにおいて、センタープラグ21の下部段差部29を貫通する横孔32と連通している。従って、エアー供給孔30からエアーを供給すると、エアーは縦孔31を通って、下部段差部29の横孔32から噴き出す。このエアー供給孔30、縦孔31、ならびに、横孔32は特許請求の範囲に記載の供給手段を構成する。なお、縦孔31の上端は図示しないプラグ等により閉塞されているので、ここからエアーが漏れることはない。
【0013】
図1および図4に示すように支持部材22は、下端にフランジ33を有すると共に、センタープラグ21の上部21aが嵌合する凹部を有している。この凹部は、側面に前記のセンタープラグ21のエアー供給孔30にエアーを供給するための連絡孔34を有している。また、支持部材22は、図1に図示するように摺動ブロック6にセンタープラグ21を固定するボルト35を螺入するねじ穴36が二つ形成されている。従って、第一の保持手段9は、このねじ穴36およびセンタープラグ21のねじ穴39を用いて、摺動ブロック6の下端部6aに固定される。一方、第二の保持手段10は、このねじ穴36およびセンタープラグ21のねじ穴39を用いて、基台2に固定される。
【0014】
図4に示すように、ゴムチューブ23は、有底円筒形状のチューブであり、底面の中央部分にはボルト38を挿通するための挿通孔23aを有している。このゴムチューブ23は、公知の弾性素材等から製作され、センタープラグ21に下側から外装された後に上端が加締リング24で締め付けられ、底面の挿通孔23aの周縁部がセンタープラグ21の下面とガイド部材25で共締めされることでセンタープラグ21に固定される。従って、センタープラグ21と、加締リング24ならびにガイド部材25による締め付けで、ゴムチューブ23の気密が保たれるため、第一の保持手段9および/または第二の保持手段10にエアーが供給されると、ゴムチューブ23は、エアーの供給量に応じて膨張する。
チューブスリーブ27は、公知の弾性素材から製作された円筒形状のチューブであり、ゴムチューブ23に外装される。このチューブスリーブ27は、ゴムチューブ23の気密には影響を与えないので、シリンダブロックWのボア孔W1,W4の内壁を押圧した際にチューブスリーブ27が傷付いても、搬送装置1の性能に悪影響は及ぼさない。また、チューブスリーブ27は、その内周面と外周面を貫通する貫通孔であるパンチ孔26が多数開設されている。このパンチ孔26は、ゴムチューブ23およびチューブスリーブ27が膨張して、シリンダブロックWのボア孔W1,W4に当接した際に、第一の保持手段9および/または第二の保持手段10とシリンダブロックWの間の滑り止めの役割を有している。なお、パンチ孔26の大きさ、数、配置は、任意に決定することができる。また、パンチ孔26の替わりに、チューブスリーブ27に突起を設けても同様の効果を奏することができる。
【0015】
加締リング24は、センタープラグ21にゴムチューブ23を外装した後に、ゴムチューブ23の上端を覆うように装着され、公知の方法によりゴムチューブ23を締め付けるものである。加締リング24は、上面がセンタープラグ21の上部段差部28の下側の段差に当接するように装着される。従って、ゴムチューブ23の膨張時に加締リング24が押し上げられることはないので、確実にゴムチューブ23の気密を保つことができる。
ガイド部材25は、下面が球面形状を有する先端部分37を有し、図4に示すボルト38でセンタープラグ21の下端に螺着される。
なお、加締リング24およびガイド部材25は、ゴムチューブ23のみならずチューブスリーブ27の上端および下端を固定しても良い。また、加締リング24の上面と上部段差部28の下側の段差でゴムチューブ23を挟み込むことで気密を保つ構成にすることもできる。
【0016】
次に、この搬送装置1を用いてシリンダブロックWを搬送する手順について図1から図3を用いて説明する。
まず、ノックピン13により位置決めされた状態で、ボア孔W1〜W4のホーニング加工等が行われたシリンダブロックWの上方に搬送装置1を移動させる。このとき、搬送装置1は、シリンダブロックWのボア孔W1〜W4の間隔(ピッチ)に合せて、第一の保持手段9を図1の左右方向に移動させる。第一の保持手段9の移動は、シリンダ3およびシリンダロッド5を駆動し、シリンダロッド5に連結された摺動ブロック6を所定距離だけ摺動させることにより行われる。これにより、第一の保持手段9が第二の保持手段10に対して相対的に移動し、第一の保持手段9の軸心(回転中心軸)とボア孔W1との軸心(回転中心軸)、および、第二の保持手段10の軸心(回転中心軸)とボア孔W4との軸心(回転中心軸)をほぼ一致させることができる。
【0017】
第一の保持手段9を移動させて、第一の保持手段9の位置を調整したら、支持部材22のフランジ33がシリンダブロックWの上面WU(デッキ面)に当接するまで、搬送装置1が下降し、第一の保持手段9および第二の保持手段10が図3(a)に示すようにボア孔W1,W4にそれぞれ挿入される。なお、搬送装置1の下降量を数値制御して、支持部材22のフランジ33がシリンダブロックWの上面WUに当接する前に停止させても良い。
なお、第一の保持手段9の軸心の位置とボア孔W1の軸心の位置とがずれていて、第一の保持手段9がボア孔W1の縁部分にぶつかっても、第一の保持手段9の先端部分37が球面形状をしているため、第一の保持手段9はボア孔W1に倣うように挿入される。また、この場合において、先端部分37が球面形状であるためシリンダブロックWの上面WUに打痕がついたり、ボア孔W1の内壁が傷付くことはない。そして、本実施の形態のシリンダ3ヘッドのボア孔W1〜W4は底面を有していないが、ボア孔W1〜W4が底面を有している場合に、支持部材22のフランジ33がシリンダブロックWの上面WUに当接する前にガイド部材25の先端部分37が凹部の底面に当接しても、先端部分37が球面形状であるため、凹部の底面を傷付けることはない。
【0018】
第一の保持手段9および第二の保持手段10が、それぞれボア孔W1およびボア孔W4に挿入されたら、図示しないエアー供給源からエアーが、それぞれのセンタープラグ21のエアー供給孔30から供給される。
このエアーは、エアー供給孔30から縦孔31を経て、横孔32の両端から噴出し、上端および下端が固定されたゴムチューブ23の内側にたまるので、エアーの供給量を増加するにつれて、ゴムチューブ23がセンタープラグ21に対して径が増大するように膨張する。また、パンチ孔26を有するチューブスリーブ27も、ゴムチューブ23の膨張に倣って膨張する。
【0019】
ここで、エアーの供給によりゴムチューブ23およびチューブスリーブ27がシリンダブロックWのボア孔W1,W4の内部で膨張すると、チューブスリーブ27は、ボア孔W1,W4の形状に倣いながら、図3(b)に示すように、その内壁に押し付けられる。言い換えると、チューブスリーブ27がボア孔W1,W4の内壁を全周に渡って押圧し、これによりシリンダブロックWが保持される。チューブスリーブ27は、ボア孔W1,W4の内壁に対して充分な接触面積を確保すると共に、パンチ孔26によりボア孔W1,W4の内壁との間に充分な摩擦力を有するので、この状態で搬送装置1を上昇させると、シリンダブロックWを持ち上げることができる。なお、チューブスリーブ27は、シリンダブロックWよりも軟らかいので、チューブスリーブ27がボア孔W1,W4の内壁を押圧しても、シリンダブロックWのボア孔W1,W4の内壁は傷付かない。
【0020】
この状態で、搬送装置1が図示しないレール等に沿って移動し、第一の保持手段9および第二の保持手段10のゴムチューブ23ならびにチューブスリーブ27の膨張により保持したシリンダブロックWを次工程の所定位置まで搬送する。この間、第一の保持手段9および第二の保持手段10によるシリンダブロックWの保持を維持するために、エアーの供給や、ゴムチューブ23内の内圧の維持等の制御が行われる。
そして、シリンダブロックWを次工程の所定位置に移動させたら、ゴムチューブ23ならびにチューブスリーブ27を膨張させているエアーを、センタープラグ21の横孔32、縦孔31、エアー供給孔30を通じて排出する。これにより、ゴムチューブ23ならびにチューブスリーブ27は収縮し、チューブスリーブ27とシリンダブロックWのボア孔W1,W4の内壁との接触状態、つまり、保持状態が解消される。従って、搬送装置1を上昇させると、シリンダブロックWのみが所定位置に残り、シリンダブロックWの搬送作業が終了する。
【0021】
このような搬送装置1は、搬送装置1の第一の保持手段9および第二の保持手段10と、シリンダブロックWとの接触面積を大きくとれるため、確実にシリンダブロックWを保持することができる。また、シリンダブロックWの保持にエアーで膨張させたゴムチューブ23およびチューブスリーブ27を用いているので、シリンダブロックWを傷付けない。さらに、搬送装置1とシリンダブロックWとの間に少量の位置ずれがあっても、ゴムチューブ23およびチューブスリーブ27の膨張時の変形により、この位置ずれを吸収することができるので、搬送装置1とシリンダブロックWの位置合わせの作業効率を向上できる。
【0022】
また、このような搬送装置1は、異なる形状を有するシリンダブロックWの搬送も可能である。例えば、摺動ブロック6を摺動させて、第一の保持手段9と第二の保持手段10の間隔を調整することで、ボア孔W1〜W4の配列の間隔(ピッチ)が異なるシリンダブロックWを搬送することが可能である。また、エアーの供給量を制御することによりボア孔W1,W4の大きさや、形状の異なるシリンダブロックWも搬送することができる。特に、第一の保持手段9と第二の保持手段10のそれぞれのゴムチューブ23の膨張量を独立に制御すると、ボア孔W1の大きさとボア孔W4の大きさが異なる場合であっても確実に保持することができる。
【0023】
なお、本発明の参考例として、以下のような実施が可能である。例えば、ワークの形状によっては、第一の保持手段9のみを有する搬送装置1とすることもできるし、保持手段9,10を3つ以上有する構成にすることもできる。
また、ワークがボア孔W1〜W4や凹部を有していない場合は、第一の保持手段9および第二の保持手段10をワークを中心として対向する位置に配置し、ワークの外周面を膨張させたチューブスリーブ27で押圧することでワークを保持することもできる。ここで、ワークの外周面を保持する場合の保持手段は、ワークの外周面を取り囲むようなリング状の固定部材と、固定部材からワークの外周面に向けて膨張可能な膨張部材とから構成することもできる。このような保持手段を有する搬送装置は、ワークの外周面を複数箇所において押圧することにより、凹部を持たないワークであっても確実に保持し、搬送することができる。
【0024】
また、膨張部材を膨張させる流体としては、エアーの他に公知の気体および液体を用いることができる。供給手段は、センタープラグ21内に形成された、エアー供給孔30等から構成する替わりに、膨張部材に直接取り付けた配管チューブ等から構成することも可能である。簡単な構成で確実に膨張部材にエアーを供給して膨張させることができる。
さらに、膨張部材は、ゴム製等の収縮自在な弾性部材の他に、非収縮性の布等からなる袋体であっても良い。
また、補強部材は、膨張部材のうち、ワークを押圧する部分のみに設けることもできる。この場合において、補強部材は膨張部材に公知の接合手段で接合することが望ましい。
そして、搬送装置1は、搬送レールに沿って移動することでワークを搬送する構成にする替わりに、人手によるマニピュレータ操作が可能な構成にしたり、ロボットアームに連結することで、所定の位置にワークを搬送する構成にすることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は、膨張部材に流体を供給して膨張させ、膨張した膨張部材でワークを押圧することでワークを保持しながら搬送する搬送装置としたので、ワークの形状によらずに、簡単な構成で、確実にワークを保持し、搬送することができる。特に、ワークと保持手段との間に少量の位置ずれがあっても、膨張部材の膨張がこのような位置ずれを吸収するので、位置合わせの効率を向上することができる。従って、一台の搬送装置で複数種類のワークを搬送することができるので、設備コストを低減でき、その操作も簡単であるため作業効率を向上できる。
また、膨張部材を備えた第一の保持手段と第二の保持手段とを有し、第一の保持手段を第二の保持手段に対して移動可能な構成にしたので、大きさや形状の異なるワークであっても確実に保持し、搬送することが可能である。
さらに、膨張部材のワークを押圧する面に補強部材を備えることで、膨張部材の破損を防止したので、メンテナンスの手間を省略することができる。従って、作業効率が向上し、ランニングコストを削減できる。
そして、補強部材に複数の貫通穴を設けたので、鏡面加工等の特殊加工が施されたワークであっても確実に保持し、搬送することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の搬送装置を示す正面図である。
【図2】搬送装置およびワークの平面図である。
【図3】(a)搬送装置の保持手段がワークの凹部に挿入された状態、(b)保持手段の膨張部材を膨張させた状態を示す正面図である。
【図4】第一、第二の保持手段の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 搬送装置
2 基台
3 シリンダ
4 シリンダロッド
6 摺動ブロック
7 開口部
8 ガイド部材
9 第一の保持手段 (保持手段)
10 第二の保持手段 (保持手段)
21 センタープラグ (固定部材)
23 ゴムチューブ (膨張部材)
25 ガイド部材
26 パンチ孔
27 チューブスリーブ (補強部材)
37 先端部分
W シリンダブロック (ワーク)
W1,W2,W3,W4 ボア孔

Claims (1)

  1. ボア孔の形状やピッチの異なる複数種類のシリンダブロックを加工する加工ラインにおいて、この加工ラインの工程間を保持手段により前記シリンダブロックを保持して搬送する搬送装置であって、
    前記保持手段は第一の保持手段と、第二の保持手段とからなり、前記第一の保持手段を前記第二の保持手段に対して相対的に移動させ、前記第一の保持手段と前記第二の保持手段間の間隔をボア孔間のピッチに調整する移動手段を備え、また前記保持手段は、流体の供給により膨張して、前記シリンダブロックを押圧する膨張部材と、この膨張部材の少なくとも一部が固定される固定部材と、前記流体を前記膨張部材に供給するための供給手段と、を備え、
    前記膨張部材は、前記シリンダブロックを押圧する面の全面に渡って弾性部材よりなる補強部材を備え、
    この補強部材には、前記シリンダブロックを押圧する方向に複数の貫通孔を有することを特徴とする搬送装置。
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