JP3457390B2 - 円筒ころ軸受におけるリテーナの加締め方法及びその装置 - Google Patents

円筒ころ軸受におけるリテーナの加締め方法及びその装置

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JP3457390B2
JP3457390B2 JP17856294A JP17856294A JP3457390B2 JP 3457390 B2 JP3457390 B2 JP 3457390B2 JP 17856294 A JP17856294 A JP 17856294A JP 17856294 A JP17856294 A JP 17856294A JP 3457390 B2 JP3457390 B2 JP 3457390B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、円筒ころ軸受に使用
される鉄板製のリテーナにおいて、リテーナのポケット
孔の側辺を加締めるための方法とその装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】円筒ころ軸受において、図16及び図1
7に示すように、リテーナ2を薄肉の鉄板を環状に成形
して形成し、そのリテーナ2の周面に形成した複数のポ
ケット孔5に、円筒ころ3を収納するようにしたものが
ある。
【0003】この鉄板製のリテーナ2は、ころ3と共に
軸受の外輪4に組込んだ状態で、各ポケット孔5の両側
辺6、6をころ3表面に沿って加締めることにより、こ
ろの保持と案内を行なうようになっている。
【0004】従来、上記のようなリテーナの加締め作業
は、図18及び図19に示すように、外輪4の内側にリ
テーナ2ところ3を嵌め込んだワーク1を位置決め治具
71の上にセットし、その各ころ3の内側に上方から加
締め治具72を挿入することにより加締める方法が採ら
れている。
【0005】上記加締め治具72は、先端に、コレット
状の拡径可能な複数の加締め爪73を備え、その各加締
め爪73を、内側のテーパコーン74の作動により拡径
させることで、各ポケット孔5の両側辺6、6を押圧す
るようになっている。
【0006】また、位置決め治具71は、図19に示す
ように、加締め時の圧力によるリテーナの変形を防止す
るために、リテーナ2と外輪4の間に入り込む複数の変
形防止壁76を基台75上面に設け、その変形防止壁7
6の内側に、ころ受け部77を同心円状に配列した構造
をもっており、加締め時に加締め爪73からリテーナ2
に加えられる圧力を変形防止壁76で受けるようになっ
ている。
【0007】従来の位置決め治具においては、リテーナ
2が、その背面側に挿入された変形防止壁76だけで受
けられて位置決めされるようになっており、通常、この
変形防止壁76の高さをリテーナ2の高さ寸法の8割程
度の大きさに設定し、リテーナ2のほぼ全体を変形防止
壁76で受けてリテーナ2の安定した位置決めと変形防
止を図っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来のリテーナの加締め作業は、作業者が手作業でワ
ークを位置決め治具71にセットし、同じく手動操作で
加締め治具72をワークの内側に挿入する方法で行われ
ている。
【0009】このように作業者の手作業に限定される大
きな理由は、位置決め治具71に設けた変形防止壁76
の高さに起因している。
【0010】すなわち、変形防止壁76の高さをリテー
ナ2のほぼ全長にわたるように設定してあるために、ワ
ークを干渉させずに位置決め治具71にセットすること
が難しく、機械によるワークの自動挿入が難しい問題が
ある。
【0011】また、変形防止壁76の長さが大きいと、
加締めの繰返しと共に防止壁76に変形が起きやすく、
先端が外側に開いていく傾向があるために、加締め治具
72の挿入に次第に大きな抵抗が生じるようになり、場
合によっては、変形防止壁76の破損事故等を生じるこ
とがある。このため、加締め作業の途中で、時々変形し
た変形防止壁76を修正する加工が必要になり、それが
作業の自動化を妨げる要因になっている。
【0012】また、上記の問題に加えて、ワークを位置
決め治具71にセットする場合、位置決め治具71の変
形防止壁76の位置とリテーナ2に組込んだ各ころ3の
位置とを合わせてワークを挿入する必要があるが、この
ような複数のころ3の位置を正確に割り出す作業は、自
動化が難しく、作業者の手作業による方法以外に考えら
れていなかった。
【0013】この発明は、上記の問題を解決するために
なされたものであり、円筒ころ軸受の外輪に組込んだリ
テーナを各種の治具に対して確実に挿入着脱ができ、自
動的に加締めることができる方法とその装置を提供する
ことを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明の加締め方法は、環状板の円周に複数のポ
ケット孔を設けたリテーナを、軸受の外輪の内側に嵌め
込み、このリテーナの各ポケット孔に円筒ころを収納し
た状態で、外輪の下側からリテーナと外輪の間に入り込
む変形防止壁を備える位置決め治具を挿入し、外輪の外
径面を基準にリテーナの内径面を芯出しした状態で、外
輪の上側から挿入した加締め治具により各ポケット孔の
両側辺を各ころの表面に沿って加締める方法を採用した
のである。
【0015】また、この発明の第2の方法は、上記の加
締め方法において、位置決め治具を挿入する前に、各こ
ろを割出し治具に設けたころ案内溝に落し込んでころ位
置の割出しを行なうようにしたのである。
【0016】さらに、第3の方法は、上記リテーナ内径
面の芯出しの後に、各ころを外輪の転走面と当接する位
置まで幅寄せするようにしたのである。
【0017】一方、この発明の加締め装置は、複数のポ
ケット孔に円筒ころを収納したリテーナを外輪の内側に
嵌め込んで組立てたワークを位置決め治具の上に挿入
し、そのワークのリテーナと外輪の間に位置決め治具の
変形防止壁を挿入する位置決め機構と;昇降軸に取付け
た加締め治具を上側から各ころの内側に挿入して、リテ
ーナのポケット孔の両側辺を各ころの表面に沿って加締
めする加締め機構と;ワークを装着した位置決め治具を
位置決め機構と加締め機構の加締め位置の間で移動させ
る搬送機構と;を備え、上記加締め機構に、位置決め治
具に装着したワークに対して外輪の外径面とリテーナの
内径面間に嵌合する芯出し治具を着脱させる芯出し手段
を設けた構造としたのである。
【0018】なお、上記の構造において、位置決め機構
の前側に、ワークの各ころが落し込まれる複数のころ案
内溝を設けた割出し治具と、その割出し治具の上でワー
クを水平方向に揺動させる手段とを備えるころ割出し機
構を配置することができる。
【0019】また、上記加締め機構に、円筒状の内径確
保部材を回転させた状態でワークの各ころの内側に挿入
するころ幅寄せ手段を設けるようにしてもよい。
【0020】
【作用】上記のような加締め方法及び装置においては、
リテーナの上下端部を、位置決め治具の変形防止壁と芯
出し治具により位置決めして保持するため、変形防止壁
だけによるリテーナの保持構造に比べて、保持力を相対
的に大きく設定することができ、変形防止壁の高さを小
さく設定することが可能となる。このため、位置決め治
具に対するワークの挿入を容易にでき、変形防止壁の強
度向上を図ることができる。
【0021】また、上記第2の手段のように、外輪を水
平方向に揺動させて各ころを割出し治具のころ案内溝に
落し込むようにすると、機械的な手段で各ころの位置を
変形防止壁に対応する位置に正確に割出すことができ、
位置決め治具に対するワーク挿入の自動化を図ることが
できる。
【0022】一方、第3の手段のように、加締め治具の
挿入前にワークの各ころを外輪の転走面側に幅寄せする
ことにより、加締め治具を挿入するための各ころの内径
寸法を確保でき、加締め治具ところの干渉や抵抗力の増
大を防止することができる。
【0023】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付の図1乃至図
15に基づいて説明する。図1乃至図3において、A
は、ワーク1に組込んだ円筒ころを所定の位置に割出す
ためのころ割出し機構、Bは、ワーク1を位置決め治具
30にセットするための位置決め機構、Cは、ワーク1
のリテーナを加締めるための加締め機構であり、この3
つの機構A、B、Cはほぼ同じ高さの平面上に設けら
れ、位置決め機構Bに対してころ割出し機構Aと加締め
機構Cが互に直交する方向に向くように配置されてい
る。
【0024】また、11は、ころ割出し機構Aにワーク
1を供給するための供給コンベヤであり、加締め装置の
上方には、割出されたワークをころ割出し機構Aと位置
決め機構Bの間で、また加締めが終了した完成ワークを
位置決め機構Bと排出コンベヤ12の間で搬送するため
のローダ13が設けられている。
【0025】さらに、位置決め機構Bと加締め機構Cの
間には、位置決めしたワークを位置決め治具30と共に
加締め位置に搬送する搬送機構Dが設けられている。
【0026】以下、上述した各機構や各種コンベヤの構
造について、順次説明をする。供給コンベヤ11は、図
4及び図5に示すように回動するベルトコンベヤ14の
両側にワークガイド15、15を設けて成り、一方の端
部に、図17のように円筒ころ3とリテーナ2を外輪4
の内部に組込んだワーク1が連続して供給されるように
なっている。
【0027】ころ割出し機構Aは、供給コンベヤ11に
連なる受台16に、割出し治具18が上下できる貫通孔
17を設け、その貫通孔17の下方に割出し治具18を
設けて形成されている。この割出し治具18は、固定台
上に回動可能に設けた昇降シリンダ19の上部に取付け
られ、その昇降シリンダ19の下端部に、シリンダ19
と割出し治具18を30°の角度範囲で反転させるため
の揺動シリンダ20が連結されている。
【0028】上記割出し治具18は、図4乃至図6に示
すように、上端部の中央に、ワーク1の各ころ3の内側
に嵌まり込む円筒ガイド21を設け、その円筒ガイド2
1の周囲に複数のころ案内溝22を配置して形成されて
いる。ころ案内溝22は、円筒ガイド21の両側に所定
の角度範囲で、かつ円筒ガイド21と同心円状に配列さ
れており、各案内溝22の溝幅は、ワーク1の円筒ころ
3が上下に嵌まり込む大きさに設定されている。また、
各案内溝22の間に突出する突起23は、上面の両側が
下向きの傾斜面となった山形形状をしており、その傾斜
面の案内によりワーク1の円筒ころ3がスムーズに各案
内溝22に落し込まれるようになっている。
【0029】上記のころ割出し機構Aでは、供給コンベ
ヤ11で送られたワーク1が貫通孔17の位置にくる
と、昇降シリンダ19により割出し治具18が上昇して
ワーク1を受け、円筒ガイド21が各ころ3の内側に嵌
まり込む。この状態で、揺動シリンダ20により割出し
治具18を水平方向に揺動させると、各案内溝22にワ
ーク1内のころ3が押し込まれ、各ころ3の円周方向の
位置が一定の配置関係をもって割出される。このように
割出した各ころの位置は、図5のように各案内溝22が
ワーク搬送方向に向き合った状態で、次の位置決め機構
Bに設置された位置決め治具30の変形防止壁33やこ
ろ受け34の配置位置と一致するように設定されてい
る。
【0030】加締め装置の上方に設けられるローダ13
は、図1及び図2に示すように、位置決め機構Bところ
割出し機構Aの上方にかけ渡された水平なガイド24に
往復動可能に取付けられており、ローダ13の前後の端
部に、それぞれ昇降可能なチャック25、26が取付け
られている。
【0031】この場合、前側のチャック25は、内張り
用の内径チャックであり、上記割出し治具18の上で割
出されたワーク1の内側に入り込み、ころ3を内張りし
た状態でワーク1を上方に引き上げ、位置決め機構Bに
設置した位置決め治具30の上に搬送する。
【0032】一方、後側のチャック26は、外径チャッ
クであり、加締めを終了したワーク1の外周面を把持
し、ワーク1を位置決め治具30から引き上げて排出コ
ンベヤ12へ搬送する。
【0033】この2つのチャック25、26による割出
しワークと完成ワークの搬送は、ローダ13の1回の往
復動で同時に行われる。
【0034】一方、位置決め機構Bは、図3及び図7に
示すように、作業テーブル27の上に設置した2本のレ
ール28、28の上に搬送台29をスライド可能に設
け、その搬送台29の上面中央に位置決め治具30を取
付けている。
【0035】上記位置決め治具30は、図8及び図9に
示すように、基台31の中央部に円形孔32を設け、そ
の円形孔32の周囲に、基台31上面に突出する複数の
変形防止壁33ところ受け34を同心円上に配列して成
っている。
【0036】この各変形防止壁33ところ受け34は、
ワーク1の各ころ3の割出し位置に対応させて交互にピ
ッチをずらして配列されており、ワーク1を上側から挿
入した場合、変形防止壁33がリテーナ2と外輪4の間
に入り込み、ころ受け34の上に各ころ3が載置するよ
うになっている。
【0037】また、各変形防止壁33の高さHは、ころ
3の全長Lに対して1/3〜1/4の大きさに設定され
ており、ころ受け34の高さ寸法とほぼ同じ大きさに形
成されている。
【0038】上記の位置決め機構Bでは、ころ割出し機
構Aでころ位置が割出されたワーク1が、ローダ13に
よって位置決め治具30の真上移動まで搬送されて下降
すると、図9に示すように変形防止壁33がワーク1の
リテーナ2と外輪4の間に入り込み、リテーナ2の下端
部の位置を保持する。
【0039】上記作業テーブル27の上面には、図3に
示すように、レール28、28に沿って平行に伸縮する
搬送シリンダ35が設置され、その搬送シリンダ35の
ピストン杆が搬送台29に連結されている。この搬送シ
リンダ35は、搬送台29やレール28、28と共に、
位置決め治具30の搬送機構Dを構成しており、シリン
ダ35の伸縮により、位置決め治具30が搬送台29と
一体で位置決め機構Bと加締め機構Cの間を往復動す
る。
【0040】上記加締め機構Cは、図3及び図10に示
すように、作業テーブル27に設けた加締め位置aの上
方に、昇降するラム軸36を設け、そのラム軸36の下
端部に加締め治具37を取付けて形成されている。
【0041】また、加締め位置aの作業テーブル27表
面には、図13に示すように、円形の凹所38を有する
円筒部品が取付けられており、その凹所38の底面に、
後述する加締め治具37のピストン43と衝合するスト
ッパ39を設けている。
【0042】上記加締め治具37は、図13乃至図15
に示すように、円筒部材40の下端部に、コレット状に
分割された複数の加締め爪41を設け、その加締め爪4
1の内径側に形成したテーパ面42にテーパピストン4
3を嵌合させて形成されている。この加締め治具37で
は、ラム軸36を下降させて、図13のようにテーパピ
ストン43の底部をストッパ39に衝合させると、テー
パ面42が押し拡げられて各加締め爪41が拡径する。
また、テーパピストン43をストッパ39から引離す
と、内部に組込んだコイルバネ44の弾性によりテーパ
ピストン43が押し出され、各加締め爪41の変形が戻
る。
【0043】上記加締め爪41の数は、図14に示すよ
うに、ワーク1の各ころ3の数に対応させて設けられ、
各加締め爪41の外周面には、隣接する爪の間で、ころ
3の表面形状にほぼ沿うように変形する円弧面45が形
成されている。この加締め治具37では、ワーク1の内
側に加締め治具37を挿入した状態で各加締め爪41を
拡径させると、各加締め爪の円弧面45がリテーナ2の
ポケット孔5の両側辺6、6を押圧し、ころ3の表面に
沿って加締める。
【0044】また、図3及び図10に示すように加締め
位置aにおいて、作業テーブル27とラム軸36の間に
は、位置決め治具30にセットしたワーク1のリテーナ
2を芯出しするための芯出し手段46が設けられてい
る。
【0045】この芯出し手段46は、芯出し治具47の
支持板48を上下シリンダ49により昇降自在に支持
し、芯出し治具47の下面に、図9に示すように、ワー
ク1における外輪4の外径面とリテーナ2の内径面との
間に嵌まり込む環状溝50を形成して成っている。ま
た、芯出し治具47の中央には、加締め治具37が挿通
可能な貫通孔51が形成されている。
【0046】上記芯出し手段46では、ワーク1が搬送
台29と共に加締め位置aに移動した状態で、シリンダ
49の作動により芯出し治具47が下降すると、環状溝
50がワーク1の外輪4とリテーナ2の上端部に嵌まり
込み、外輪4の外径面を基準にしてリテーナ2を芯出し
する。
【0047】一方、上記加締め位置aの側方には、図1
及び図10に示すように、ワーク1の各ころ3を外輪4
側に幅寄せして内径寸法を確保するためのころ幅寄せ手
段52が設けられている。
【0048】このころ幅寄せ手段52は、昇降シリンダ
53に連結した昇降ガイド54の上端に、加締め位置に
向かって延びる水平ガイド55を設け、その水平ガイド
55に横方向シリンダ56によってスライド部材57を
移動可能に取付け、そのスライド部材57の先端に、内
径確保部材58を回転可能に取付けており、この内径確
保部材58をベルト59を介してスライド部材57後端
のモータ60により回転駆動している。
【0049】上記内径確保部材58は、図12に示すよ
うに、先端にテーパ面をもった円筒部61を備え、この
円筒部61の径寸法が、ワーク1の内側に挿入した状態
で各ころ3を外輪4の転走面に当接する位置まで幅寄せ
する大きさに形成されている。このように各ころ3を幅
寄せした状態では、各ころ3の内側に加締め治具37が
自由に挿通できる内部空間が形成される。
【0050】この実施例の加締め装置は上記のような構
造であり、次に、上記の装置を用いて行なう加締め作業
について説明する。
【0051】作業前には、予め、位置決め機構Bの搬送
台29の上に位置決め治具30を設置し、加締め機構C
においては、加締め位置aに合わせてラム軸36の先端
に加締め治具37が装着される。
【0052】いま、供給コンベヤ11によりワーク1が
割出し機構Aの位置まで搬送されてくると、昇降シリン
ダ19の作動により割出し治具18が上昇してワーク1
を受け、揺動シリンダ20の作動により割出し治具18
とワーク1を揺動させる。これにより、ワーク1の各こ
ろ3が割出し治具18のころ案内溝22に落し込まれ、
所定の間隔をもって割出される。
【0053】上記割出しが終了すると、ローダ13の前
側チャック25によりワーク1が位置決め機構Bまで搬
送され、位置決め治具30の上にセットされる。
【0054】この位置決め治具30に対するセットでは
図9のようにワーク1のリテーナ2と外輪4の間に変形
防止壁33が入り込み、ころ受け34の上に各ころ3が
載るが、この場合、変形防止壁33の高さがころ3全長
の1/3以下と小さく、また割出し機構Aにより各ころ
3が予め所定の位置に割出されているために、変形防止
壁33はリテーナ2やころ3と干渉することなくスムー
ズにリテーナ2の背面側に入り込み、リテーナ2の下端
部を位置決めする。
【0055】上記のようにワーク1をセットした位置決
め治具30は、次に、搬送機構Dにより加締め位置aま
で搬送され、作業テーブル27の上に設けられた円筒部
品の凹所38の上に位置決めされる。
【0056】この状態から、先ず、芯出し手段46のシ
リンダ49が作動し、図9のように芯出し治具47をワ
ーク1の上端部まで下降させ、芯出し治具47の環状溝
50を外輪4とリテーナ2の上端部に嵌合させる。これ
により、リテーナ2の内径面の上端が外輪4の外径面を
基準に位置決めされ、その芯出し治具47の嵌合と、リ
テーナ2の下端部背面に挿入された変形防止壁33の嵌
合により、リテーナ2は上下の両端部で位置決めされる
ことになり、固定状態で保持される。
【0057】このようにワーク1が芯出しされると、次
に、ころ幅寄せ手段52の内径確保部材58がワーク1
の真上位置まで移動し、回転した状態でころ3の内側に
挿入される。この内径確保部材58の挿入により、ワー
ク1の各ころ3が外向きに幅寄せされ、ころの内側に加
締め治具37が自由に挿通する内径寸法を確保する。内
径確保部材58は、ころ3の幅寄せを行なうと、上昇
し、再び加締め治具37に干渉しない待機位置へ復帰す
る。
【0058】上記のようなころの幅寄せが終了すると、
ラム軸36が下降し、加締め治具37が芯出し治具47
の貫通孔51を通ってワーク1のころ3の内側に挿入さ
れる。そして、加締め治具37のテーパピストン43が
凹所38のストッパ39に衝合した時点で、図13及び
図14のように加締め爪41が拡径し、リテーナ2の各
ポケット孔5の両側辺6、6をころ3の表面に沿って加
締める。
【0059】この場合、リテーナ2が芯出し治具47と
位置決め治具30によって上下で位置決めされ、動きが
固定された状態にあるため、加締め治具37とリテーナ
2の干渉がなくなると共に、リテーナ2は確実に保持さ
れた状態で加締められることになり、加締めによるリテ
ーナ2の変形が防止される。
【0060】また、リテーナ2の背面に挿入される位置
決め治具30の変形防止壁33は、高さ寸法が小さく、
強度が大きいために、加締め作業を繰り返しても変形を
生じることがなく、作業途中での加工修正を不要にする
ことができる。
【0061】上記加締め治具37によるリテーナの加締
めが終了すると、ワーク1と位置決め治具30は搬送台
29と共に位置決め機構Bまで戻され、ローダ13の後
側チャック26によりワーク1が排出コンベヤ12まで
搬送される。そして、上述した作動を繰り返し、リテー
ナの加締め作業を連続して行なう。
【0062】
【効果】以上のように、この発明は、位置決め治具と芯
出しによりリテーナの上下端部を位置決めして固定する
ため、リテーナの背面に挿入される変形防止壁を高さの
低い強度の大きなものとすることができ、位置決めの治
具に対するリテーナの挿入を容易にすると共に、変形防
止壁の加工修正を不要にすることができる。
【0063】また、割出し手段やころ幅寄せ手段によっ
て各ころ間の位置割出しと内径の確保を行なうことによ
り、位置決め治具や加締め治具の挿入時のリテーナの干
渉を防ぐことができ、作業をスムーズに行わせることが
できる。
【0064】したがって、この発明の方法及び装置を採
用することにより、円筒ころ軸受のリテーナの加締め作
業を全て機械的に行なうことができ、自動化による作業
能率の大幅な向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の加締め装置全体を示す縦断面図
【図2】同上の縦断面図
【図3】同上の位置決め機構と加締め機構を示す平面図
【図4】同上の供給コンベヤと割出し機構を示す縦断面
【図5】図4の平面図
【図6】(a)は割出し治具の縦断面図、(b)はその
側面図
【図7】位置決めの機構を示す正面図
【図8】位置決め治具を示す斜視図
【図9】ワークと位置決め治具の嵌合状態を示す縦断面
【図10】加締め機構を示す正面図
【図11】芯出し手段の作動状態を示す縦断面図
【図12】ころ幅寄せ手段の作動状態を示す縦断面図
【図13】リテーナの加締め状態を示す縦断面図
【図14】図13のXIV −XIV 線の断面図
【図15】(a)は加締め治具の正面図、(b)はその
底面図
【図16】リテーナを示す縦断面図
【図17】軸受の外輪にリテーナところを組込んだ状態
を示す横断面図
【図18】従来の加締め方法を示す縦断面図
【図19】(a)は従来の位置決め治具とワークの嵌合
状態を示す縦断面図、(b)は同上の横断面図
【符号の説明】
1 ワーク 2 リテーナ 3 円筒ころ 4 外輪 5 ポケット孔 6 側辺 11 供給コンベヤ 12 排出コンベヤ 13 ローダ 18 割出し治具 20 揺動シリンダ 22 ころ案内溝 27 作業テーブル 29 搬送台 30 位置決め治具 33 変形防止壁 34 ころ受け 36 ラム軸 37 加締め治具 41 加締め爪 43 テーパピストン 46 芯出し手段 47 芯出し治具 50 環状溝 52 ころ幅寄せ手段 58 内径確保部材 A ころ割出し機構 B 位置決め機構 C 加締め機構 D 搬送機構 a 加締め位置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 33/46 F16C 43/04 - 43/08 B23P 21/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状板の円周に複数のポケット孔を設け
    たリテーナを、軸受の外輪の内側に嵌め込み、このリテ
    ーナの各ポケット孔に円筒ころを収納した状態で、外輪
    の下側からリテーナと外輪の間に入り込む変形防止壁を
    備える位置決め治具を挿入し、上記外輪の外径面を基準
    にリテーナの内径面を芯出しした状態で、外輪の上側か
    ら挿入した加締め治具により各ポケット孔の両側辺を各
    ころの表面に沿って加締めることを特徴とする円筒ころ
    軸受におけるリテーナの加締め方法。
  2. 【請求項2】 上記位置決め治具の変形防止壁の高さ
    を、円筒ころの長さの1/3以下に設定し、この変形防
    止壁と内径面の芯出しによりリテーナの動きを固定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の円筒ころ軸受におけ
    るリテーナの加締め方法。
  3. 【請求項3】 上記位置決め治具を挿入する前に、各こ
    ろを割出し治具に設けたころ案内溝に落し込んでころ位
    置の割出しを行なうことを特徴とする請求項1又は2に
    記載の円筒ころ軸受におけるリテーナの加締め方法。
  4. 【請求項4】 上記リテーナ内径面の芯出しの後に、各
    ころを外輪の転走面と当接する位置まで幅寄せすること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の円筒こ
    ろ軸受におけるリテーナの加締め方法。
  5. 【請求項5】 複数のポケット孔に円筒ころを収納した
    リテーナを外輪の内側に嵌め込んで組立てたワークを位
    置決め治具の上に挿入し、そのワークのリテーナと外輪
    の間に位置決め治具の変形防止壁を挿入する位置決め機
    構と;昇降軸に取付けた加締め治具を上側から各ころの
    内側に挿入して、リテーナのポケット孔の両側辺を各こ
    ろの表面に沿って加締めする加締め機構と;ワークを装
    着した位置決め治具を位置決め機構と加締め機構の加締
    め位置の間で移動させる搬送機構と;を備え、上記加締
    め機構に、位置決め治具に装着したワークに対して外輪
    の外径面とリテーナの内径面間に嵌合する芯出し治具を
    着脱させる芯出し手段を設けたことを特徴とする円筒こ
    ろ軸受におけるリテーナの加締め装置。
  6. 【請求項6】 上記位置決め機構の前側に、ワークの各
    ころが落し込まれる複数のころ案内溝を設けた割出し治
    具と、その割出し治具の上でワークを水平方向に揺動さ
    せる手段とを備えるころ割出し機構を配置したことを特
    徴とする請求項5に記載の円筒ころ軸受におけるリテー
    ナの加締め装置。
  7. 【請求項7】 上記加締め機構に、円筒状の内径確保部
    材を回転させた状態でワークの各ころの内側に挿入する
    ころ幅寄せ手段を設けたことを特徴とする請求項5又は
    6に記載の円筒ころ軸受におけるリテーナの加締め装
    置。
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