JP3972643B2 - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents
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- B62D5/0466—Controlling the motor for returning the steering wheel to neutral position
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車のステアリング系等に適用され、運転者によりハンドルに加えられた操舵トルクをモータトルクによりアシストする電動パワーステアリング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ハンドルの手放し制御(ハンドル戻し特性制御)を導入した電動パワーステアリング制御装置としては、例えば、特開平6−8837号公報や特開平5−208684号公報に記載の装置が知られている。
【0003】
前者の公報には、操舵系の操舵あるいは手放し時のそれぞれの状態に応じた最適なアシスト制御を行い、操舵時の手応え感と、手放し時のハンドル戻り特性及び収斂性を両立することを目的とし、モータ角速度と操舵トルク微分の波形から運転者が操舵状態か手放し状態かを判定し、手放し状態と判定されたときには、アシストトルクを減少させる装置が記載されている。
【0004】
後者の公報には、ハンドルの戻り性能を向上することを目的とし、操舵状態検出手段によりステアリング戻り状態が検出されると、微分補正演算手段によりステアリングの戻り状態に応じた操舵トルクの微分補正値を演算し、ハンドルの戻り時に微分ゲインを大きくして、戻りをよくする技術が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来技術にあっては、車両停止状態等でハンドルを切り込み、切り込んだ位置でハンドルから手を放し、サスペンションのセルフアライニングトルクが発生せず、ハンドルが戻らない状況では、以下に述べるように、何れの技術でもハンドルを自動的に戻すことができない。
【0006】
つまり、前者の公報に開示された技術は、切り込む方向のアシストトルクを小さくする技術であり、ハンドルを戻す技術ではない。また、後者の公報に開示された技術は、操舵トルクが発生しないため、ハンドルを戻すことはできない。
【0007】
よって、車庫入れ等で、運転者に対してハンドル戻し時の操舵力の負荷が大きくなるという問題があった。また、何回かのハンドル切り換え操作により、ハンドルの中立位置が判らなくなり、運転者の操舵操作を混乱させるという問題もあった。
【0008】
本発明は、上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、車両停止状態等でハンドルを切り込み、切り込んだ位置でハンドルから手を放したとき、自動的にハンドルを戻すことができる電動式パワーステアリング制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明では、
操舵系に連結され、操舵補助トルクを発生するモータと、
運転者の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
車速を検出する車速検出手段と、
操舵トルク検出値と車速検出値を含む入力情報によってモータ又はハンドルの回転方向と同一方向にモータのトルクを発生させるアシスト電流を決め、前記モータに出力する操舵アシスト制御手段と、
を備えた電動パワーステアリング制御装置において、
手放し停止操舵時かどうかを判定する手放し停止操舵判定手段と、
手放し停止操舵時と判定されたとき、ハンドル戻し方向の復元制御電流を印加する指令を前記モータに対して出力する自動ハンドル戻し制御手段と、
を設けたことを特徴とする。
【0010】
ここで、手放し停止操舵判定手段とは、停車状態や極低速状態においてハンドルを切り込んだ運転者がハンドルから手を放したことを判定する手段をいい、例えば、車速がセルフアライニングトルクを発生しない領域の停車や極低速で、且つ、操舵トルクがアシスト電流を発生させない不感帯領域の操舵トルクで、且つ、ハンドル角度が直進領域を超えるハンドル角度である場合、手放し停止操舵時であると判定する。
【0011】
また、自動ハンドル戻し制御手段は、ハンドル角度を監視し、ハンドルを戻し方向にハンドル中立位置まで自動的に戻す制御を行うようにしても良い。
【0012】
さらに、自動ハンドル戻し制御手段は、ハンドル戻し速度が一定速度となるように、ハンドル戻し方向の復元制御電流を制御するようにしても良い。
【0013】
【発明の作用および効果】
請求項1記載の発明にあっては、通常時、操舵アシスト制御手段において、操舵トルク検出手段からの操舵トルク検出値と車速検出手段からの車速検出値を含む入力情報によってモータ又はハンドルの回転方向と同一方向にモータのトルクを発生させるアシスト電流が決められ、モータに出力される。
【0014】
一方、手放し停止操舵判定手段において、手放し停止操舵時と判定されたとき、自動ハンドル戻し制御手段において、ハンドル戻し方向の復元制御電流を印加する指令がモータに対して出力される。
【0015】
よって、車両停止状態等でハンドルを切り込み、切り込んだ位置でハンドルから手を放したとき、ハンドル戻し制御により自動的にハンドルが戻るため、運転者の操舵負荷が大幅に削減される。一方、運転者がハンドルを操舵したら、手放しであるという条件が不成立となり、自動ハンドル戻し制御から通常の操舵アシスト制御に戻るため、運転者に違和感を与えない。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の電動パワーステアリング制御装置を実現する実施の形態を、請求項1に係る発明に対応する第1実施例に基づいて説明する。
【0017】
(第1実施例)
まず、構成を説明する。
【0018】
(第1実施例)
図1は第1実施例の電動パワーステアリング制御装置を示す全体システム図であり、図1において、1はステアリングハンドル、2はステアリングシャフト、3はステアリングギヤ部、4,4は前輪、5は舵角センサ(ハンドル角度検出手段)、6は車速センサ(車速検出手段)、7は操舵トルクセンサ(操舵トルク検出手段)、8は舵角速度演算部(回転速度検出手段)、9はバッテリ、10は制御コントローラ、11はアシストモータ(モータ)、12は減速ギヤである。
【0019】
前記舵角センサ5は、ハンドル角度θを検出し、舵角速度演算部8と制御コントローラ10に検出信号を出力する。
【0020】
前記車速センサ6は、車速Vを検出し、制御コントローラ10に検出信号を出力する。
【0021】
前記操舵トルクセンサ7は、操舵トルクTを検出し、制御コントローラ10に検出信号を出力する。
【0022】
前記舵角速度演算部8は、ハンドル角度θの微分演算処理によりステアリング回転速度ωを算出し、制御コントローラ10に算出結果を出力する。
【0023】
前記制御コントローラ10には、舵角センサ5と車速センサ6と操舵トルクセンサ7と舵角速度演算部8から信号が送られる。これらの信号に基づいてモータ電流が演算され、アシストモータ11に対してモータ電流を出力することでアシストモータ11が駆動される。このモータ駆動力は、減速ギヤ12を介してステアリングギヤ部3に伝えられ、運転者のステアリングハンドル1に対する操舵トルクをアシストするように構成されている。
【0024】
次に作用を説明する。
【0025】
[自動ハンドル戻し制御処理]
図2は第1実施例の制御コントローラ10で行われる自動自動ハンドル戻し制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0026】
ステップ50では、車速センサ6から車速信号(V)、舵角センサ5からハンドル角度信号(θ)、舵角速度演算部8からステアリング回転速度信号(ω)を読み込む。
【0027】
ステップ51では、車速Vが設定車速A以下かどうか、つまり、車両が停止状態か極低速状態かを判断する。ここで、設定車速Aとは、前輪サスペンションがセルフアライニングトルクを発生しない領域の車速(例えば、5km/h)である。そして、YESの場合はステップ52へ進み、NOの場合はステップ54(通常制御)へ進む。
【0028】
ステップ52では、操舵トルク絶対値|T|が不感帯トルクT。より小さいかどうか、つまり、運転者がハンドル手放しかどうかを判断する。そして、YESの場合はステップ53へ進み、NOの場合はステップ54(通常制御)へ進む。
【0029】
ステップ53では、ハンドル角度絶対値|θ|が設定ハンドル角度Bを超えているかどうか、つまり、ステアリングハンドル1を切っているかどうかを判断する。ここで、設定ハンドル角度Bは、直進付近の舵角(例えば、±5deg)に設定される。そして、YESの場合はステップ52へ進み、NOの場合はステップ54(通常制御)へ進む。
【0030】
なお、ステップ51,ステップ52,ステップ53は、請求項1の手放し停止操舵判定手段に相当する。
【0031】
ステップ54では、後述する図3及び図4に従って、通常の操舵アシスト制御が実行される(操舵アシスト制御手段)。
【0032】
ステップ55では、舵角速度演算部8からステアリング回転速度信号(ω)の最新値ω2を読み込む。。
【0033】
ステップ56では、ステップ50で読み込まれたステアリング回転速度値ω1と、ステップ55で読み込まれた最新値ω2とのステアリング回転速度平均値Cを算出する(請求項1の回転速度平均値算出手段に相当)。
【0034】
ステップ57では、初回の処理時は予め決められている電流初期値によるハンドル戻し方向の復元制御電流Iをアシストモータ11に出力し、その後、ステップ60やステップ61にて電流値が補正された場合には補正値による復元制御電流Iをアシストモータ11に出力する。
【0035】
ステップ58では、その時のステアリング回転速度ωがステアリング回転速度平均値Cと一致しているかどうかを判断し、ω≠Cと判断された場合はステップ59へ進み、ω=Cと判断された場合はステップ62へ進む。
【0036】
ステップ59では、ステアリング回転速度ωがステアリング回転速度平均値Cを超えているかどうかを判断し、ω>Cと判断された場合はステップ60へ進み、ω<Cと判断された場合はステップ61へ進む。
【0037】
ステップ60では、その時の復元制御電流Iから微小復元制御電流iを差し引いた値を新たな復元制御電流Iとする。
【0038】
ステップ61では、その時の復元制御電流Iから微小復元制御電流iを加えた値を新たな復元制御電流Iとする。
【0039】
ステップ62では、ハンドル角度絶対値|θ|が設定ハンドル角度B未満かどうかを判断する。そして、|θ|≧Bの場合はステップ57へ戻り、|θ|<Bの場合はステアリングハンドル1がハンドル中立位置まで戻ったと判断してステップ63へ進む。
【0040】
ステップ63では、復元制御電流Iを、I=0として自動ハンドル戻し制御を停止する。
【0041】
なお、ステップ55〜ステップ63の処理は、請求項1の自動ハンドル戻し制御手段に相当する。
【0042】
[通常の操舵アシスト制御処理]
図3は図2のステップ54で実行される通常の操舵アシスト制御処理(通常制御)を示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0043】
ステップ101では、操舵トルクT、ステアリング回転速度ω、車速Vを読み込む。
【0044】
ステップ102では、各センサ信号に基づき、図4の微分演算回路20〜加減算器26において電流指令値0(操舵アシスト分)を算出する。
【0045】
ステップ103では、操舵トルク絶対値|T|が不感帯トルクT。より小さいかどうかを判定し、YESであればステップ104へ進み、NOであればステップ107へ進む。
【0046】
ステップ104では、読み込まれたステアリング回転速度ωに基づいて回転速度対応のゲインKω1を算出する。
【0047】
ステップ105では、車速Vに基づいて回転速度復元制御電流iωFを算出する。
【0048】
ステップ106では、復元制御電流iFを以下の式により算出する。
iF=Kω1×iωF
ステップ107では、復元制御電流iFを、iF=0とする。
【0049】
ステップ108では、電流指令1が、電流指令1=電流指令0+iFの式を用いて算出し、電流指令1に基づいてアシストモータ11へ電流を印加する。
【0050】
この通常の操舵アシスト制御の内容を制御ブロックにより表したものが図4であり、この図4において、20は微分演算回路、21は乗算器、22はゲイン演算回路、23はトルク対応電流演算回路、24はゲイン演算回路、25は乗算器、26は加減算器、27はゲイン演算回路、28は乗算器、29は復元制御電流演算回路、30は比較器、31は開閉器、32は加算器である。
【0051】
前記乗算器21では、微分演算回路20により演算された操舵トルク微分値T'と、ゲイン演算回路22により演算された車速対応のゲインKT 'とを乗算することでトルク微分値対応電流iT 'を求める。このトルク微分値対応電流iTは、加減算器26にプラスの信号として出力する。
【0052】
前記トルク対応電流演算回路23では、操舵トルクTと車速Vを読み込み、操舵トルクTが不感帯トルクT。以上である場合、車速V及び操舵トルクTに応じたトルク対応電流iTを演算する。このトルク対応電流iTは、加減算器26にプラスの信号として出力する。
【0053】
前記乗算器25では、ゲイン演算回路24により演算された車速対応のゲインKωと、ステアリング回転速度ωとを乗算することで回転速度対応電流iωを求める。この回転速度対応電流iωは、加減算器26にマイナスの信号として出力する。
【0054】
前記加減算器26では、操舵アシスト分の電流指令0を、0=iT '+iT−iωの式により算出し、加算器32に出力する。
【0055】
前記乗算器28では、ゲイン演算回路27により演算された回転速度対応のゲインKω1と、復元制御電流演算回路29により演算された車速対応の回転速度復元制御電流iωFとを乗算することで復元制御電流iFを演算する。この復元制御電流iFは、開閉器31に出力する。なお、ゲイン演算回路27では、ステアリング回転速度ωが−ω1<ω<ω1の時、すなわち、回転速度不感領域は0を、ω≧ω1の時は1を、ω≦−ω1の時は−1を乗算器28に出力する。
【0056】
前記比較器30では、操舵トルクTの絶対値|T|と不感帯トルクT。とを比較し、|T|<T。のときは、開閉器31を閉じ、復元制御電流iFを加算器32に出力し、|T|≧T。のときは、開閉器31を開き、復元制御電流iFの加算器32への出力を遮断する。
【0057】
前記加算器32では、操舵アシスト制御での電流指令0と復元制御電流iFを加算し電流指令1を求める。この電流指令1は、アシストモータ11に対し出力する。
【0058】
[通常の操舵アシスト制御作用]
図2のフローチャートにおいて、ステップ51の車速条件、ステップ52の操舵トルク条件、ステップ53のハンドル角度条件の何れか1つの条件でも成立しないときには、ステップ54へ進み、通常の操舵アシスト制御が行われる。
【0059】
よって、ハンドル切り込み操舵時には、検出される操舵トルクTが不感帯トルクT。よりも大きくなり、図3のフローチャートにおいて、ステップ101→ステップ102→ステップ103→ステップ107→ステップ108へと進む流れとなり、操舵トルクTや車速Vによりハンドル切り込み方向と同一方向にモータトルクを発生させる電流指令0がアシストモータ11に与えられ、運転者のハンドル切り込み操舵負担がモータアシストにより軽減される。
【0060】
運転者がステアリングハンドル1を握ってのハンドル戻し操舵時には、ハンドル切り込み操舵時と同様に、検出される操舵トルクTが不感帯トルクT。よりも大きくなり、図3のフローチャートにおいて、ステップ101→ステップ102→ステップ103→ステップ107→ステップ108へと進む流れとなり、操舵トルクTや車速Vによりハンドル戻し方向と同一方向にモータトルクを発生させる電流指令0がアシストモータ11に与えられ、運転者のハンドル戻し操舵負担がモータアシストにより軽減される。つまり、運転者が操舵力を使ってハンドルを中立位置に戻すときは、復元制御は働かずアシスト制御による電流指令0のみがアシストモータ11に印加されることで、操舵の途中で復元制御電流iFが加わることによる操舵違和感(抜け感)の発生を防止することができる。
【0061】
一方、走行中の手放し戻し操舵時には、ステアリングシャフト2に入力される操舵トルクTが極めて小さいものとなる。このため、検出される操舵トルクTが不感帯トルクT。よりも小さくなり、図3のフローチャートで、ステップ101→ステップ102→ステップ103→ステップ104→ステップ105→ステップ106→ステップ108へと進む流れとなる。よって、アシスト電流である電流指令0は、操舵トルクTが不感帯トルクT。よりも小さいためにほぼゼロであるが、復元制御電流iFがステアリング回転速度ωと車速Vにより与えられる。つまり、走行中の手放し戻し操舵時には、アシスト力を増大させる復元制御が働くことでハンドル戻り性能が向上する。
【0062】
[自動ハンドル戻し制御作用]
図2のフローチャートにおいて、ステップ51の車速条件、ステップ52の操舵トルク条件、ステップ53のハンドル角度条件、の全てが同時に成立するときには、ステップ55以降の処理へ進み、自動ハンドル戻し制御が行われる。
【0063】
すなわち、車両停止状態等でハンドルを切り込み、切り込んだ位置でハンドルから手を放したときには、ステップ57において、ハンドル戻し方向の復元制御電流Iを印加する指令がアシストモータ11に対して出力され、その復元制御電流Iの出力は、ステップ62において、ステアリングハンドル1がハンドル中立位置になるまで続けられるため、自動的にステアリングハンドル1がハンドル中立位置まで戻されることになる。
【0064】
この結果、据え切り時や車庫入れ等で、運転者に対してハンドル戻し時の操舵負荷が大幅に削減されることになるし、また、車庫入れ等で何回かのハンドル切り換え操作により、ステアリングハンドル1の中立位置が判らなくなるような場合も、ハンドル中立位置まで戻されることで、運転者の操舵操作を混乱させることも解消される。
【0065】
さらに、この自動ハンドル戻し制御においては、ステアリング回転速度平均値Cを算出し、ステップ58〜ステップ61において、実際のステアリング回転速度ωがこの平均値Cに一致するように復元制御電流Iを増減補正するようにしているため、運転者にとって違和感のないハンドル戻し速度により自動的にステアリングハンドル1が中立位置まで戻されることになる。
【0066】
次に、効果を説明する。
【0067】
(1) 電動パワーステアリング制御装置において、ステップ51,ステップ52,ステップ53において、手放し停止操舵時と判定されたとき、ステップ57において、ハンドル戻し方向の復元制御電流Iを印加する指令をアシストモータ11に対して出力する自動ハンドル戻し制御を行うようにしたため、車両停止状態等でステアリングハンドル1を切り込み、切り込んだ位置でステアリングハンドル1から手を放したとき、自動的にステアリングハンドル1が戻され、運転者の操舵負荷を大幅に削減することができる。
【0068】
(2) 車速センサ6により検出された車速Vがセルフアライニングトルクを発生しない領域の車速(V≦A)で、且つ、操舵トルクセンサ7により検出された操舵トルクTがアシスト電流を発生させない不感帯領域の操舵トルク(|T|<T。)で、且つ、舵角センサ5により検出されたハンドル角度θが直進領域を超えるハンドル角度(|θ|>B)である場合、手放し停止操舵であると判定するようにしたため、自動ハンドル戻し制御を実行する手放し停止操舵を精度良く判定することができる。
【0069】
(3) 自動ハンドル戻し制御中、ステップ62において、ハンドル角度絶対値|θ|が、直進付近の舵角である設定ハンドル角度B未満になると、復元制御電流Iの出力を止めるようにしたため、ステアリングハンドル1がハンドル中立位置まで戻されることになり、車庫入れ等で何回かのハンドル切り換え操作により、ステアリングハンドル1の中立位置が判らなくなるような場合も、運転者の操舵操作を混乱させることを解消することができる。
【0070】
(4) 自動ハンドル戻し制御中、ハンドル戻し速度が一定速度となるようにハンドル戻し方向の復元制御電Iを補正制御するようにしたため、運転者にとって違和感のない一定速度によりステアリングハンドル1をハンドル中立位置まで戻すことができる。
【0071】
(5) 自動ハンドル戻し制御において、ステアリング回転速度平均値Cを算出し、実際のステアリング回転速度ωがこの平均値Cに一致するように復元制御電流Iを増減補正するようにしているため、運転者の操舵個性に合わせたハンドル戻し速度により自動的にステアリングハンドル1を中立位置まで戻すことができる。
【0072】
(他の実施例)
以上、本発明の電動パワーステアリング制御装置を第1実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この第1実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0073】
例えば、第1実施例では、走行中の手放し戻し操舵時においてハンドルの戻り性能を向上させる復元制御を含む通常の操舵アシスト制御を行う例を示したが、通常制御においては単にアシスト制御を行うだけで復元制御を行わないものであっても良い。
【0074】
第1実施例では、通常の操舵アシスト制御の復元制御において、回転速度対応のゲインKω1を、ステアリング回転速度ωが−ω1<ω<ω1の時は0とし、ω≧ω1の時は1とし、ω≦−ω1の時は−1とする例を示したが、この例に限られるものではない。
【0075】
例えば、走行中に突起乗り上げをした場合等においてハンドルの収束性の向上を図るため、図5に示すように、回転速度対応のゲインKω1を、ステアリング回転速度ωが−ω1<ω<ω1の時は0とし、ω1≦ω≦ω2の時は1とし、−ω2≦ω≦−ω1の時は−1とし、ω>ω2あるいはω<−ω2の時は0とするようにしても良い。
【0076】
また、ハンドルの収束性を確保しながら、ハンドルの不自然な動きを防止するため、図6に示すように、回転速度対応のゲインKω1を、ステアリング回転速度ωが−ω1<ω<ω1の時は0とし、ω1≦ω≦ω2の時は1とし、−ω2≦ω≦−ω1の時は−1とし、ω>ω2あるいはω<−ω2の時は徐々に0に収束する値とする例としても良い。
【0077】
第1実施例では、ステアリング回転速度ω(ハンドル回転速度)を用いた制御例を示したが、ステアリング回転速度に代えてモータ回転速度を用いるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の電動パワーステアリング制御装置を示す全体システム図である。
【図2】第1実施例の制御コントローラ10で行われる自動自動ハンドル戻し制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】第1実施例の制御コントローラ10で行われる通常の操舵アシスト制御処理(通常制御)を示すフローチャートである。
【図4】第1実施例の通常の操舵アシスト制御内容を表す制御ブロック図である。
【図5】回転速度対応のゲイン設定における第1の他例を示す特性図である。
【図6】回転速度対応のゲイン設定における第2の他例を示す特性図である。
【符号の説明】
1 ステアリングハンドル
2 ステアリングシャフト
3 ステアリングギヤ部
4,4 前輪
5 舵角センサ(ハンドル角度検出手段)
6 車速センサ(車速検出手段)
7 操舵トルクセンサ(操舵トルク検出手段)
8 舵角速度演算部(回転速度検出手段)
9 バッテリ
10 制御コントローラ
11 アシストモータ(モータ)
12 減速ギヤ
Claims (1)
- 操舵系に連結され、操舵補助トルクを発生するモータと、
運転者の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、
車速を検出する車速検出手段と、
操舵トルク検出値と車速検出値を含む入力情報によってモータ又はハンドルの回転方向と同一方向にモータのトルクを発生させるアシスト電流を決め、前記モータに出力する操舵アシスト制御手段と、
を備えた電動パワーステアリング制御装置において、
手放し停止操舵時かどうかを判定する手放し停止操舵判定手段と、
手放し停止操舵時と判定されたとき、ハンドル戻し方向の復元制御電流を印加する指令を前記モータに対して出力する自動ハンドル戻し制御手段と、
ハンドル角度を検出するハンドル角度検出手段を設け、
前記手放し停止操舵判定手段は、車速検出手段により検出された車速がセルフアライニングトルクを発生しない領域の車速で、且つ、操舵トルク検出手段により検出された操舵トルクがアシスト電流を発生させない不感帯領域の操舵トルクで、且つ、ハンドル角度検出手段により検出されたハンドル角度が直進領域を超えるハンドル角度である場合、手放し停止操舵時を判定する手段であって、
前記自動ハンドル戻し制御手段は、ハンドル角度を監視し、ハンドルを戻し方向にハンドル中立位置まで戻す制御を行う手段であって、
モータ又はハンドルの回転速度を検出する回転速度検出手段を設け、
前記自動ハンドル戻し制御手段は、手放し停止操舵判定時にハンドル戻し速度が一定速度となるようにハンドル戻し方向の復元制御電流を制御する手段であって、
手放し停止操舵判定前の回転速度の値と、手放し停止操舵時と判定されたとき回転速度の最新値を読み込み、両値の回転速度平均値を算出する回転速度平均値算出手段を設け、
前記自動ハンドル戻し制御手段は、手放し停止操舵判定時にハンドル戻し速度が回転速度平均値と一致する速度となるようにハンドル戻し方向の復元制御電流を補正する手段としたこと
を特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
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