JP3972010B2 - 補強装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄筋コンクリート構造や鉄骨構造、木構造などの建築物、あるいは土木構造物などをブレースにより補強する補強装置に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、ビルや住宅などの建築構造体において、地震力や風圧力などによる建物の変形を防ぐための補強としてブレースを備えた補強装置がある。ブレースは、柱や梁などで構成された略長方形の構面の対角線に設けられた斜材である。この補強装置は、建築構造体に地震力や風圧力によって構面が変形しようとする外力が加わった場合、この構面の変形に対してブレースの引張り応力および圧縮応力によって抵抗する。
【0003】
この補強装置は、例えば木造家屋などの柱梁が軸組みされた在来構法の建築構造体に利用される場合、木製のブレースを直接柱や梁に釘打ちにより固定したり、柱や梁に取り付け固定した金具に金属棒状のブレースの両端部を引っ掛け、あるいはブレースの両端部をナット止めするなどして配設している。また、例えば鉄筋コンクリート構造の建築構造体に補強装置を利用する場合には、柱・梁を構成する鉄筋とともにブレースを同時に配筋してコンクリートを打設したり、コンクリートに埋設させたブレース取付用の金具にブレースを取り付けるなどにより補強装置を配設する。さらに、例えば鉄骨構造の建築構造体に補強装置を利用する場合には、柱や梁に直接溶接したブレース取付用の金具にブレースを取り付けるなどして補強装置を配設している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述の補強装置では、柱や梁にブレースに対して外部からの応力が伝達できるように、ブレース取付用の金具を柱や梁に取り付けたり、ブレースを取り付けるための孔を直接柱や梁に設けるなど、作業が煩雑となる問題がある。
そのため、前述の問題を解決するとともに、柱や梁自体の補強も併せて行える補強装置が従来より望まれている。
【0005】
本発明の目的は、互いに対向する骨組み部材の補強と骨組み部材自体の補強とを簡単な構造で行える補強装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は一対の骨組み部材にそれぞれ設けられる保持具に骨組み部材の角部を補強する角補強部を取り付けて前記目的を達成しようとするものである。
【0007】
具体的には、本発明の補強装置は、構造体の構面を構成する一対の略平行な断面多角形状骨組み部材に、前記構面の対角線上で前記骨組み部材の相対向する側と反対側に位置して配設されるとともに保持具を有する一対の台座部と、これら台座部に軸方向の両端部が保持されて前記台座部間の距離が広がる方向への応力に対して引張り力を作用させる長手状のブレースとを備え、前記骨組み部材は、それぞれ相対向する骨組み部材の反対側の外側面に前記保持具が当接する当接面が形成され、前記保持具に前記当接面と隣り合う前記骨組み部材の隣接面に当接する角補強部が設けられたことを特徴とする。
【0008】
この構成の発明では、構面を構成する一対の略平行な断面多角形の骨組み部材に、前記構面の対角線上で前記骨組み部材の相対向する側と反対側に位置して一対の台座部を設け、これら台座部に長手状のブレースの軸方向の両端部を保持させて、前記台座部間の距離が広がる方向への応力に対して引張り力を作用させる。このことより、地震力や風圧力等の外力によって前記構面が変形するような圧力がかかり前記台座部間の距離が広がる方向への応力が生じた際、前記ブレースに引張り力が作用するので、前記台座部はこのブレースの引張り力のため外側から前記骨組み部材に押し付けられて位置ずれすることがない。したがって、前記台座部に強固に骨組み部材に取り付けるための構成は不要で、前記台座部を接着する等の仮止め程度の構成があれば配設可能であるので、配設作業が向上する。
さらに、角補強部が、隣接面に当接した状態で保持具に設けられているので、前記ブレースによって生じる力が保持具と角補強部とで分散することになり、そのため、前記骨組み部材の角部に圧力が集中して破損等する不都合を回避するとともに、保持具自体の薄型化を促進する。また、前記保持具および前記角補強部によって前記骨組み部材に圧縮力を受動的に加えることができ、これの拘束効果により、骨組み部材のひび等の発生を防止し、骨組み部材が補強される。
【0009】
本発明では、前記角補強部は前記保持具に取り付けられ前記隣接面に当接するコーナピースであることが好ましい。
この構成の発明では、コーナピースの一辺と保持具の一辺とで骨組み部材の角部を当接するためコーナピースや保持具の構成が簡単になる。
【0010】
本発明では、前記角補強部は平面略三角形に形成されていることが好ましい。
この構成の発明では、前記角補強部が平面略三角形をしており、前記当接面と前記隣接面とが角補強部の三角形の2辺と当接するので、これらの2辺の一方の辺に加わる圧力を他方に伝達するため、どのような方向から圧力が加わっても圧力が均等に分散され、一部に圧力が集中することがなく、前記骨組み部材がより一層補強される。
【0011】
本発明では、前記保持具は線状に形成され、前記角補強部は前記保持具の端部に結合され前記当接面と前記隣接面との双方に当接するL型金物であることが好ましい。
この構成の発明では、前記保持具を線状としたので、この保持具を手で持つことができ、取り付け作業が容易になる。
【0012】
本発明では、前記保持具は前記当接面に当接する板状部材と、この板状部材を挟んで前記骨組み部材に対向配置される線状部材とを備え、前記角補強部は、前記線状部材に連結され前記隣接面と当接するブロックであることが好ましい。
この構成の発明では、前記板状部材を前記当接面に当接させることで、前記線状部材からの圧力を当接面に均等に拡散でき、一部に過度の圧力が加わらないので耐久性が向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】
〔第一実施形態〕
本発明の第一実施形態を図1から図5に基づいて説明する。
図1は第一実施形態の補強装置における建築構造体の構面に補強装置を配置した状態を示す正面図、図2はこの補強装置の平面断面図、図3は相対向する骨組み部材の反対側の外側面に当接される台座部の側面図、図4は相対向する骨組み部材の側面に当接される台座部の側面図、図5は台座部近傍の正面断面図を示している。
図1から図5において、補強装置1は、ビル等の建築物の柱2および梁3等の骨組み部材から構成される略矩形状の構面4に2セット設けられ、構面4に対して対角線上に設けられるブレース10と、柱2の端部に設けられブレース10を固定する台座部20を備えている。
なお、図2において互いに略平行となる柱2の寸法が違うが、このような寸法の違う柱2においてもあるいは寸法が同じ柱2においても本実施形態の補強装置が適用できることを示している。
【0014】
ブレース10は、例えば鉄鋼製の細長丸棒状に形成されている。このブレース10の長手方向の両端部には、図5に示すように、雄ねじ12が螺刻形成されている。この雄ねじ12には、この雄ねじ12に螺合することにより張設手段として機能する鍔部としてのナット15が螺着される。このナット15には、軸方向の雄ねじ12に螺着する側の端面である座面に球面凸状の球面凸部16が設けられている。
【0015】
台座部20は、図1から図5に示すように、相対向する柱2の反対側の外側面である当接面2Aに当接される略薄板状の保持具21と、保持具21とは柱2を介して反対側の側面に当接される取付具22と、これらの保持具21と取付具22とを連結する連結具23と、保持具21に設けられ柱2と当接する角補強部25とを備えている。
【0016】
取付具22は、図1から図5に示すように、例えば鋼鉄製の四角柱状に形成されている。この取付具22は、長手方向の寸法が構面4に対して垂直方向における柱2の幅寸法より長く形成されている。また、取付具22の長手方向の両端部には、連結具23を嵌挿可能な図示しない貫通孔が設けられている。
【0017】
連結具23は、図1から図5に示すように、保持具21と取付具22とを柱2を介して連結している。連結具23は、例えば鋼鉄製の細長丸棒状に形成されている。この連結具23は、長手方向の寸法が、例えば構面4に対して略平行となる骨組み部材である柱2の幅寸法より長く形成されている。さらに、連結具23の両端部には、図5に示すように、雄ねじ24が螺刻形成されている。
【0018】
保持具21の両端部には平面略三角形の角補強部25がねじ止め等によってそれぞれ設けられている。図2に示すように、この角補強部25の一辺は、保持具21が柱2の当接面2Aに当接する面に連結され、この一辺と略垂直に形成されている一辺は、柱2の当接面2Aと隣り合う側面の隣接面2Bに当接し、保持具21と隣接面2Bとの挟角に設けられるコーナピースとなっている。角補強部25は鉄鋼等の強度が強い金属等で形成されている。また、保持具21と取付具22とを連結する連結具23およびブレース10を配置するスペースが必要であるため、角補強部25は図5に示すように保持具21の上下端に設けられている。なお、保持具21は断面丸や多角形の棒状に形成されるものを含む。
【0019】
この台座部20は次のようにして柱2に取り付けられる。
まず、建築構造体の柱2および梁3などの骨組み部材に、保持具21の取付雌ねじ28が設けられた側面を、柱2の梁3側に位置する状態、すなわち柱2の端部の当接面2Aに当接させ、角補強部25を柱2の隣接面2Bに当接させる。さらに、取付具22を長手方向が保持具21の長手方向と略平行となるように柱2を介して対向する状態に位置させる。
【0020】
そして、取付具22の貫通孔に一対の連結具23をそれぞれ嵌挿し、連結具23の嵌挿した側の一端の雄ねじ24を保持具の取付雌ねじ28にそれぞれ螺着する。
なお、あらかじめ保持具21の取付雌ねじ28に連結具23の雄ねじ24を螺合して平面視でコ字状に一対の連結具23を螺着した構成としておき、この保持具21を連結具23間に柱2が位置する状態で柱2の端部の側面に当接させる。そして、連結具23をそれぞれ取付具22の貫通孔に嵌挿しつつ取付具22を保持具21に対向する状態で柱2に当接させる手順とするなどしてもできる。
【0021】
そして、取付具22の貫通孔を貫通する連結具23の取付具22から突出する各雄ねじ24にそれぞれ取付ナット33を螺着し、柱2に保持具21および取付具22が挟み込む状態で台座部20を配設する。このようにして、図に示すように、台座部20を構面4を構成する一対の柱2の両端部にそれぞれ配置する。
【0022】
この後、構面の対角線上に位置する台座部20の保持具の同一構面4側の挿通孔29にブレース10の端部をそれぞれ嵌挿し、ブレース10の雄ねじ12に取付孔30からナット15を球面凸部16側から螺着する。また、挿通孔29がブレース10よりも径大となっており、ブレース10の軸方向と挿通孔29の軸方向が同一軸上にない場合でも多少ブレース10が挿通孔29に傾く状態となってブレース10を挿通孔29に嵌挿できる。また、この時雄ねじ12の球面凸部16が、挿通孔29とブレース10との僅かな隙間に食い込むように雄ねじ12が螺着され確実に締め付けることができる。
【0023】
このような補強装置1では、ブレースの引張り力によって保持具21の両端側が撓み保持具21の両端部に設けられる角補強部25が柱Aの隣接面に圧力をかける。この圧力に対して柱2は押し戻そうとする応力が働き、この応力によって柱2が曲げ応力等によってひび割れなどの損傷を受けないようにしている。
【0024】
また、この補強装置1が配設された建築構造体に地震力や風圧力などにて構面4が変形するような外力が作用した場合、図5に示すように、ブレース10に引張り応力Tyが掛かる。この応力Tyにより、台座部20には、保持具21を柱2の側面に押し付ける水平力Phと、保持具21を柱2の側面に沿って移動させる鉛直力Pvとが作用することとなる。
【0025】
ここで、Ph×μ≧Pvであれば、台座部20が柱2の側面に沿って移動して外れることはない。このように、保持具21と柱2との摩擦力を加味して、Ph×μ≧Pvとなるようにブレース10を水平方向に対して交差する状態に配設すればよいことになる。
【0026】
以上のような第一実施形態では次のような効果が得られる。
(1)一対の略平行な柱2に、構面4の対角線上で柱2の相対向する側と反対側に位置して一対の台座部20が設けられ、これらの台座部20にブレース10の軸方向の両端部を固定させて、台座部20間の距離が広がる方向への応力に対して引張り力を作用させている。これにより、地震力や風圧力等の外圧によって構面4に力が加わり台座部20間の距離が広がる方向への応力が生じた際に、ブレース10に引張り力が作用するので、台座部20を外側から柱2に押し付けることにより台座部20の位置ずれを防止できる。したがって、台座部20を柱2に強固に取り付けるための構成は不要で、台座部20は簡単な仮止め程度の構成があれば配設できるので、配設作業の効率を向上できる。
さらに、角補強部25が、隣接面2Bに当接した状態で保持具21に設けらているので、前記ブレース10によって生じる力が保持具21と角補強部25とで分散されることになり、そのため、柱2の角部に圧力が集中して破損等の不都合を回避できるとともに、保持具21自体の薄型化を促進できる。また、保持具21および角補強部25によって柱2に圧縮力を受動的に加えることができ、これの拘束効果により、柱2のひび等の発生を防止でき、柱2を補強できる。
【0027】
(2)角補強部25の隣接面に当接する面と保持具21の一辺とで柱2の角部を当接するため、角補強部25や保持具21は簡単な構成をとることができる。
【0028】
(3)角補強部25が平面略三角形をしており、当接面2Aと隣接面2Bとが角補強部25の三角形の2辺と当接するので、これらの2辺の一方の辺に加わる圧力を他方に伝達できるため、どのような方向から圧力が加わっても圧力が均等に分散され、一部に圧力が集中することがなく、前記骨組み部材をより一層補強できる。
【0029】
〔第二実施形態〕
次に本発明の第二実施形態について図6から図8に基づいて説明する。なお、第一実施形態と同一および類似した構成要件については同符号で示し、ここでの説明を省略する。以下後述する第三実施形態以降についても同様である。
図6は第二実施形態の補強装置における建築構造体の構面に補強装置を配置した状態を示す正面図、図7はこの補強装置の平面断面図、図8は相対向する骨組み部材の反対側の外側面に当接される台座部の側面図を示している。
【0030】
図6から図8において、第二実施形態の補強装置の台座部20Bは、断面円形で線状の保持具21Bと、この保持具21Bの両端部に連結されている平面L字型の一対の角補強部25Bと、柱2を介して保持具21Bと反対側の柱2に当接される取付具22とを備えている。保持具21Bは線状であれば棒状部材から構成されてもよく、あるいはワイヤやロープ等から構成されるものでもよい。
【0031】
角補強部25Bは平面L字形とされ、その内側2面はそれぞれ柱2の当接面2Aと隣接面2Bに当接し、柱2の角部を覆っている。また、角補強部25Bの当接面2Aと略垂直となる一端部には図示しない雌ねじが設けられ、保持具21Bの両端部に形成される図示しない雄ねじを螺合させることによって一対の角補強部25Bが連結されている。また角補強部25Bの隣接面2Bと略垂直となる他端部には、連結具23の雄ねじ24が螺合される取付雌ねじ28とブレース10が挿通する挿通孔29とが設けられている。
【0032】
この台座部20Bは、取付具22の貫通孔に連結具23を嵌挿させ、連結具23の雄ねじ24を角補強部25Bの雌ねじに螺合することで台座部20Bが柱2に取り付けられる。そして、角補強部25Bの挿通孔29にブレース10を嵌挿し、挿通孔29が設けられた面の反対面側からナット15をブレース10に取り付けている。
【0033】
このような構成の第二実施形態では第一実施形態の(1)から(3)の効果に加えて次のような効果が得られる。
(4)保持具21Bは線状部材であり、この保持具21Bの両端部に角補強部25Bを設け、柱2の当接面2Aおよび隣接面2Bの双方に当接させるようにしたので、保持具21が線状のため持ちやすく、設置作業が容易に行える。
【0034】
〔第三実施形態〕
次に本発明の第三実施形態について図9に基づいて説明する。
図9は第三実施形態の補強装置における建築構造体の構面に補強装置を配置した状態を示す平面断面図を示している。
図9において、第三実施形態の台座部20Cは、略直方体のブロック状で柱2の隣接面2Bと当接する一対の角補強部25Cと、柱2の当接面2Aに当接する板状部材26および角補強部25Cを連結する断面円形の線状部材27を備えた保持具21Cと、取付具22と連結具23とから構成されている。
【0035】
柱2を挟んで設けられる一対の角補強部25Cの基端側は線状部材27によって連結されていて、角補強部25Cの先端側は柱2の隣接面2Bに当接している。線状部材27は棒状部材から構成されてもよく、あるいはワイヤやロープ等から構成されるものであればよい。柱2の当接面には板状部材26が当接されていて、線状部材27から受ける圧力を受け止めている。角補強部25Cの先端部の隣接面2Bと略垂直となる面には図示しない雌ねじおよびブレース10が挿通される挿通孔が設けられている。
連結具23で取付具22と角補強部25Cとを連結し、構面4の対角線上に設けられるブレース10を角補強部25Cに固定することで台座部20Cが柱2に固定される。
【0036】
このような構成の第三実施形態では第一実施形態の(1)から(3)の効果に加えて次の効果が得られる。
(5)柱2の当接面に板状部材26を当接させた保持具21Cを設けているので、線状部材27から受ける圧力は板状部材26で分散させることができ、柱2の当接面の一部に過度の圧力がかかることがなく、柱2の耐久性を高めることができる。また線状部材27で角補強部25Cを連結させているので手で持ちやすく、設置作業が簡単である。
【0037】
〔第四実施形態〕
次に本発明の第四実施形態について図10および図11に基づいて説明する。図10は第四実施形態の補強装置における建築構造体の構面に補強装置を配置した状態を示す正面図、図11はこの補強装置の平面断面図を示している。
第四実施形態に示される補強装置は従来利用されている補強装置の保持具21の両端部に角補強部25Dが着脱可能に取り付けられているものである。角補強部25Dは平面L字型の形状のアングル材であり、例えば鋼鉄等の金属で形成されている。角補強部25Dは、保持具21にねじ止め等で取り付けられている。
【0038】
このような構成の第四実施形態では第一実施形態の(1)から(3)の効果に加えて次の効果が得られる。
(6)角補強部25Dは着脱可能だから、既存の補強装置にもねじ止め等で簡単に取り付けることが可能である。
【0039】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、第一実施形態では、平面略三角形の角補強部25を用いるとしたが、これに限らない。例えば平面L字型の形状の角補強部であってもよく、この場合設置の際に保持具21にねじ止め等で簡単に取り付けることができるので、組み立て性が良くなるという効果がある。つまり、角補強部25は保持具に設けられ隣接面2Bに当接するものであって、当接面2Aと保持具との挟角に設置されるコーナピースであればよい。
また、同様に第四実施形態では、角補強部25Dに平面L字型形状のものを用いたが、これに限らない。例えば、第一実施形態のような平面略三角形の形状の部材を用いても構わない。
【0040】
また第一実施形態では、角補強部25は保持具21の上下端部に設けられるとしたが、これに限らない。例えば、保持具21の上下端に隙間を開けずに角補強部25を設置しても構わない。但し、この場合、連結具23の雄ねじ24を螺合する雌ねじおよびブレース10を挿通する挿通孔を角補強部25に別途設ける必要がある。
【0041】
第二実施形態において、保持具21Bは線状部材であり、当接面2Aと隣接面2Bとの双方に当接する角補強部25Bを連結するものであるが、この線状の保持具21Bと当接面2Aとの間に板状部材を介在させても構わない。この場合、板状部材が線状部材から受ける圧力を分散するため柱2の当接面2Aの一部に過度な圧力がかかることを防止できる。
また線状の保持具21Bと当接面2Aとの間に隙間が生じていても構わない。角補強部25Bは当接面2Aおよび隣接面2Bの双方に当接しているのでどちらの面をも保持することができる。従って必ずしも線状の保持具21Bが当接面2Aに当接する必要はなく、保持具21Bと当接面2Aとの間に隙間があれば、台座部20Bの設置作業がさらに容易となる。
【0042】
第三実施形態において、角補強部25Cは略直方体のブロック状としたが、これに限らない。例えば、角補強部25Cの形状が柱2の当接面2Aと隣接面2Bの双方に当接する平面L字型形状でもよい。すなわち、保持具21Cの線状部材27で連結された一対の角補強部25Cが隣接面2Bに当接した状態であり、柱2の当接面2Aと線状部材27との間に板状部材が設けられている構造であればよい。
【0043】
第二、第三実施形態において、一対の角補強部25B、25Cを連結する保持具21Bまたは線状部材27は、その形状を断面円形としたが、これに限らない。すなわち、保持具21Bまたは線状部材27は角補強部25B、25Cを連結し、かつ柱2の当接面2Aまたは板状部材26に当接している形状であればよい。例えば保持具21Bまたは線状部材27は断面略四角形をしていて角補強部25B、25Cと溶接によって連結されるものでもよい。この場合、保持具21Bまたは線状部材27の一側面が柱2の当接面2Aと平行になるように溶接することによって、柱2の当接面2Aや板状部材26への圧力を低減させることができる。
【0044】
本発明では、ブレース10は鉄鋼等の細長丸棒状に形成されているものに限らず、例えば、炭素繊維、合成繊維等の繊維から形成されるロープ部材や、ワイヤ、くさり、チェーン等から形成されていてもよい。さらに、ブレース10は一本の棒状部材に限定されるものではなく、略リング状に形成され閉鎖型のものを用いてもよい。
また、本発明では、連結具23や取付具22に代えて柱2の周囲をブロックで囲い、これらのブロックをボルトやワイヤ等で結合するものを用いてもよく、あるいは、鋼板で柱2の周囲を囲うものでもよい。
【0045】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、構面を構成する一対の略平行な断面多角形の骨組み部材に、構面の対角線上で骨組み部材の相対向する側と反対側に位置して一対の台座部を設け、これら台座部に長手状のブレースの軸方向の両端部を保持させて、台座部間の距離が広がる方向への応力に対して引張り力を作用させる。このことより、地震力や風圧力等の外力によって構面が変形するような圧力がかかり台座部間の距離が広がる方向への応力が生じた際、ブレースに引張り力が作用するので、台座部はこのブレースの引張り力のため外側から骨組み部材に押し付けられて位置ずれすることがない。したがって、台座部に強固に骨組み部材に取り付けるための構成は不要で、台座部を接着する等の仮止め程度の構成があれば設置可能であるので、設置作業の効率が向上する。
さらに、角補強部が、隣接面に当接した状態で保持具に設けられているので、ブレースによって生じる力が保持具と角補強部とで分散することになり、そのため、骨組み部材の角部に圧力が集中して破損等する不都合を回避できるとともに、保持具自体の薄型化を促進できる。また、保持具および角補強部によって骨組み部材で圧縮力を受動的に加えることができ、これの拘束効果により、骨組み部材のひび等の発生を防止でき、骨組み部材を補強できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態の補強装置の正面図。
【図2】第一実施形態の補強装置の平面断面図。
【図3】第一実施形態の補強装置の相対向する骨組み部材の反対側の外側面に当接される台座部の側面図。
【図4】第一実施形態の補強装置の相対向する骨組み部材の内側の側面に当接される台座部の側面図。
【図5】第一実施形態の補強装置における台座部近傍の正面断面図。
【図6】第ニ実施形態の補強装置の正面図。
【図7】第二実施形態の補強装置の平面断面図。
【図8】第二実施形態の相対向する骨組み部材の反対側の外側面に当接される台座部の側面図。
【図9】第三実施形態の補強装置の平面断面図。
【図10】第四実施形態の補強装置の正面図。
【図11】第四実施形態の補強装置の平面断面図。
【符号の説明】
10 ブレース
2,3 骨組み部材
20 台座部
21 保持具
25 角補強部
26 板状部材
27 線状部材
2A 当接面
2B 隣接面
4 構面
Claims (5)
- 構造体の構面を構成する一対の略平行な断面多角形状骨組み部材に、前記構面の対角線上で前記骨組み部材の相対向する側と反対側に位置して配設されるとともに保持具を有する一対の台座部と、これら台座部に軸方向の両端部が保持されて前記台座部間の距離が広がる方向への応力に対して引張り力を作用させる長手状のブレースとを備え、
前記骨組み部材は、それぞれ相対向する骨組み部材の反対側の外側面に前記保持具が当接する当接面が形成され、前記保持具に前記当接面と隣り合う前記骨組み部材の隣接面に当接する角補強部が設けられたことを特徴とする補強装置。 - 請求項1に記載の補強装置において、
前記角補強部は前記保持具に取り付けられ前記隣接面に当接するコーナピースであることを特徴とする補強装置。 - 請求項2に記載の補強装置において、
前記角補強部は平面略三角形に形成されていることを特徴とする補強装置。 - 請求項1に記載の補強装置において、
前記保持具は線状に形成され、前記角補強部は前記保持具の端部に結合され前記当接面と前記隣接面との双方に当接するL型金物であることを特徴とする補強装置。 - 請求項1に記載の補強装置において、
前記保持具は前記当接面に当接する板状部材と、この板状部材を挟んで前記骨組み部材に対向配置される線状部材とを備え、前記角補強部は、前記線状部材に連結され前記隣接面と当接するブロックであることを特徴とする補強装置。
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