JP3971678B2 - ボタン穴かがりミシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボタン穴かがりミシンに関し、詳細には該ミシンに設けられる操作スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
ボタン穴かがりミシンには、作業性の向上のために、作業者が指で操作できる位置に操作スイッチが設けられていることが多い。従来の操作スイッチを図8〜図11に示す。
操作スイッチ3は、図9及び図10に示すように、取付板5、スイッチボックス6、レバー7、8などから構成され、支持部材4によって全体が支持されている。支持部材4は、ミシンフレームの支柱1aに対して、上下に長く形成された縦穴4a、4aを介してネジ止めされている。支持部材4の前部には、横に長く形成された横穴4b、4bが形成され、該横穴4b、4bに対して、取付板5の側板5aがネジ止めされている。側板5aの上部から水平に上板5bが延出しており、この上板5bの下面側にスイッチボックス6がネジ止めされている。
スイッチボックス6の両側面には、レバー7,8が回動可能に取り付けられている。レバー7は起動用のスイッチで、レバー8は布押え11、12の上下動を操作するスイッチである。布押え11、12は、送り台10に固定されており、送り台10と共に前後に移動する。なお、図9で示す送り台10の位置は最も後方の原点位置であって、このとき布押え11、12の間の下方には、ボタン穴を形成する布切りメス2が設置され、この位置が布切り位置でもある。
【0003】
作業者は、縫製の際に、まず布押え11、12が上がった状態で、布地を送り台10上に載置し位置決めし、布地がずれないように手で押えた状態のままレバー8を操作し、布押え11、12を下げ、続けてレバー7を操作しミシン1を起動し縫製を開始する。
なお、設定によりレバー7、8のいずれか一方のレバーを2段階押し下げることで、まず布押え11、12の下降させ、続いてミシンを起動させるワンタッチタイプの使い方も知られている。位置決めを重視する場合には2つのレバー7、8の両方を使い、生産性を重視する場合にはワンタッチ操作を選択するといったように使い分けできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、布地をセットする際、図11(a)に示すように、作業者に近付けるように、送り台10を前方に移動させることがある。
このとき、操作スイッチ3についても、布地を押えたまま作業者の指が届くように、支持板4の横穴4b、4bに沿って取付板5を前方に移動させた方が操作性の点で都合がよい。しかしながら、仮に、この状態で布地をセット後、指でレバー8、レバー7を操作しミシンを起動すると、送り台10は、布切り位置などに移動すべく、後方に高速で移動していき(図11(b))、布地を支えていた手が操作スイッチ3にぶつかりそうになる。
特に、ワンタッチタイプの場合には、布押え11、12の下降からミシンの起動まで連続して操作しなければならず、このような事態になる可能性が高い。
【0005】
上記点を鑑み、送り台10を図11(a)のように手前に移動させても、実際には、操作スイッチ3を図9のように後方の位置のままとすることが多かった。しかし、これでは、レバー7,8から遠く操作性や作業効率が悪かったり、あるいは布地を押えていた手を離してからレバー7,8を操作することで布地がずれてセット性が悪かったりという問題があった。
改善策として、送り台10が図11(a)の位置にある状態で布地をセットするときは操作スイッチ3も前方に移動させ、ミシン起動後の後方への移動速度を下げることも考えられるが、これでは生産性が下がる。
以上のように、操作スイッチは、本来であれば作業者の手の近くにあって便利なものであるが、従来は十分に活用することができなかった。
【0006】
本発明の課題は、ボタン穴かがりミシンに設けられている操作スイッチについて、セット性や生産性を犠牲にすることなく、有効に活用し高い操作性を実現することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図7に示すように、
ベッド部(31)と、ベッド部から起立する縦胴部(32)と、縦胴部から前方に向かってベッド部に平行するように延出するアーム部(33)と、アーム部の前部の下端に装着され主軸モータ(55)の回転により上下動する針(ミシン針34)と、アーム部に対向するようにベッド部上面に設けられ、送りモータ(56)により駆動されて載置された被縫製物を水平面内において移動させる送り台(35)と、前記送り台に設けられ、電気的な駆動手段(布押えシリンダ58)により駆動されて上下動し前記送り台上に位置決めされた被縫製物を押圧保持する布押え(37,38)とを有し、前記主軸モータと前記送りモータとの動作により前記針と前記送り台を相対的に移動させて前記被縫製物にボタン穴かがり縫目を形成するボタン穴かがりミシン(30)において、
操作レバー(起動スイッチレバー41、布押えスイッチレバー42)を含むミシン操作スイッチ(操作スイッチ部40)が前記送り台の縦胴部側の角部に支持され、
前記操作レバーは、布押えの近傍にあって布押えに向かって進退するように位置調節可能に構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、ミシン操作スイッチは送り台に支持されているので、送り台及び送り台上の被縫製物と共に移動する。従って、例えば操作レバーがミシンの起動を指示する起動スイッチレバーであれば、手で被縫製物を押えた状態で操作レバーを操作した直後に送り台が動き始めても、レバーも共に移動するので、手がレバーにぶつかりそうになることはない。従って、縫製開始時に送り台がどのような位置であってもミシン操作スイッチを有効に利用することができる。
逆に言えば、ぶつからないように予めミシン操作スイッチを手から離れた位置に取り付ける必要もなく、常に被縫製物を押えた状態のまますぐに操作することができる位置に設置できるので、操作性も良好であるし、送り台の移動速度を遅くするといった配慮も不要であるので生産性を犠牲にすることはない。
また、操作レバーは、布押えの近傍にあって布押えに向かって進退するように位置調整可能である。作業者は縫製開始時には布押え近辺で被縫製物を手で押えることになるので、結局のところ、作業者の手との距離や好みなどに応じて調整することができ、使いやすくなる。特に、操作レバーが布押えを上下動する布押えスイッチレバーであれば、布押えが上昇した状態で被縫製物をセットし手で押えた状態のまま確実に布押えスイッチレバーを操作できるようになるので、生地がずれることなくセット性が向上する。
【0009】
ここで、操作レバーだけが布押えに向かって進退調節可能に構成されていてもよいし、操作レバーを含むミシン操作スイッチ全体が進退調節可能に構成されていてもよい。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のボタン穴かがりミシンにおいて、
前記ミシン操作スイッチは、前記操作レバーとして、
前記布押えの上下動を指示する布押えスイッチレバー(42)、又はボタン穴かがり縫目の縫製を開始させる起動スイッチレバー(41)の少なくとも一方を備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のボタン穴かがりミシンにおいて、
前記ミシン操作スイッチは、前記操作レバーとして、
操作ストローク位置に応じて、前記布押えの上下動と、ボタン穴かがり縫目の縫製の開始とを段階的に指示する二段階スイッチレバー(100)を備えていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、操作レバーは、前記布押えの上下動と、ボタン穴かがり縫目の縫製開始を段階的に指示する二段階スイッチレバーであることから、被縫製物を確実に押えた状態で、操作し布押えを下げて被縫製物を保持し、そのまま連続して操作することでミシンを起動させることができ、セット性と生産性の向上を両方を図ることができる。
二段階スイッチレバーであると、被縫製物を押えた後続けて起動操作する必要があって手を逃がす余裕がないが、本発明であれば、操作レバーは送り台とともに移動していくので、ぶつかることはない。このように本発明は二段階スイッチレバーであれば特に有用である。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のボタン穴かがりミシンにおいて、前記操作レバーは、水平面内において回動することで位置調整可能に構成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、水平面内において回動することで位置調整可能に構成されているので、作業者は自分の操作しやすい角度に調整でき使い勝手が良い。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のボタン穴かがりミシンにおいて、前記操作レバーは、上下方向に位置調整可能に構成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、操作レバーは上下方向に位置調整可能であるので、例えば被縫製物が厚いときには上側に調整し薄物であるときには下げるといったように調整することで、縫製状況に合わせて操作レバーのストロークを十分に確保することができる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のボタン穴かがりミシンにおいて、
前記送り台が最も前記縦胴部に接近したとき、前記ミシン操作スイッチは、前記進退方向においてどの位置にあっても前記縦胴部から離れていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、送り台が縦胴部に最接近したときでも、ミシン操作スイッチは縦胴部から離れていて、位置調整によりぶつかってしまうことはない。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1には、本発明の一例としてのボタン穴かがりミシン30を示し、図2にはその制御回路50を示した。ボタン穴かがりミシン30は、ボタン穴を形成しながらその周囲にかがり縫いを形成するもので、ベッド部31と、ベッド部31の後部から起立する縦胴部32と、縦胴部32からベッド部31に沿ってほぼ平行に延出するアーム部33と、アーム部33の前部から下方に突出するミシン針34と、ベッド部31上にアーム部33と対向するように配置された送り台35などから構成される。
【0016】
縦胴部32は、図1に示すように、ベッド部31後部の一方に偏った位置から起立するように設けられ、アーム部33を支える縦胴部32の前後方向の中心線と、ベッド部31の前後方向の中心線の位置がずれている、いわゆる「オフセット構造」になっている。この構造を採ることによって、ベッド部31の縦胴部32が設けられていない側に広いベッド面31aが確保されている。このようにミシン針34の後方にベッド面31aが広がっていることで、シャツの前立てのような長さのある被縫製物に連続してボタン穴かがり縫いを形成する場合に、使い勝手が良い。
【0017】
ミシン針34は、主軸モータ55(図2)の回転により上下動する図示しない針棒の下端部に固定されている。
また、送り台35の中央部の下方には、図3に示すように、ボタン穴を形成するための布切りメス36が取り付けられている。アーム部33には、布切りメス36と対向する位置にメス受け台(図示せず)が固定され、該メス受け台が布切りモータ57によって下降することで、布切りメス36とメス受け台との間に載置された布地にボタン穴を形成するようになっている。
送り台35は、送りモータ56によって、水平面内の所定方向に移動可能に構成され、ここでは、少なくとも前後方向(図3参照)に移動する。送り台35のほぼ中央には、これと共に移動可能であるように、布押え37、38が設けられている。布押え37、38は、布押えシリンダ58によって上下に駆動され、下降した際に送り台35との間で被縫製物を押さえて保持する。
【0018】
図2で示すように、制御回路50は、ROM51、RAM52、EEPROM53、CPU54、インターフェイス60a〜60e、主軸モータ駆動回路55a等の駆動回路等から概略構成されている。この制御装置50に主軸モータ55等の各種モータ、操作パネル59、後述する布押えスイッチレバー42及び起動スイッチレバー41により操作されるスイッチ回路40a等が接続される。なお、スイッチ回路40aには、布押えスイッチレバー42及び起動スイッチレバー41にそれぞれ対応して布押えスイッチ42aと起動スイッチ41aが設けられている。
ROM51には、ボタン穴及び穴かがり縫い目を形成する際に必要となる制御プログラムや制御データが書き込まれている。
RAM52は、ボタン穴かがり縫いを形成するための各パラメータからなるパターンデータを複数組記憶するとともに、縫製中の各種処理の際に一時的に使用されるメモリエリアとしても機能する。
EEPROM53は、縫製に関する設定データであるメモリスイッチデータを記憶する。また、メモリスイッチデータの値が変更された場合には変更後の値等も記憶する。
【0019】
CPU54は、インターフェイス60eを介して操作パネル59に接続され、操作パネル59上の表示を制御するとともに、操作パネル59を介して入力される入力信号を受けて各種設定の選択・変更などを行うようになっている。
さらに、CPU54は、インターフェイス60aを介して、主軸モータ駆動回路55aに接続され、主軸モータ55の回転を駆動制御する。主軸モータ55は、前記針棒を上下に駆動する上軸や、ミシン針と協働して縫い目を形成するルーパー機構(図示せず)を駆動する。
また、CPU54は、インターフェイス60bを介して送りモータ駆動回路56aに接続され、送りモータ56を駆動し、送り台35を所定の方向に移動させる。
CPU54は、インターフェース60cを介して布押え駆動回路58aに接続され、かつ、スイッチ回路40aに接続されており、布押えスイッチレバー42が操作され布押えスイッチ42aから所定の信号が入力すると、布押え駆動回路58aを介して布押えシリンダ58を駆動し、これにより布押え37、38を上下動させる。
CPU54は、インターフェイス60dを介して、布切りモータ駆動回路57aに接続され、布切りモータ57を制御駆動し、布切りメス36及び前記メス受け台によってボタン穴を形成させる。
【0020】
CPU54は、インターフェイス60eを介してスイッチ回路40aに接続され、ROM51の制御プログラムや制御データにしたがって、ボタン穴かがり縫いに関する一連の処理を制御する。すなわち、起動スイッチレバー41が操作され起動スイッチ41aから起動信号が入力すると、主軸モータ55等を所定のタイミングで駆動し、ボタン穴かがり縫い及び布切り処理を行わせる。
【0021】
次に、図3〜図5に基づいて操作スイッチ部40について説明する。操作スイッチ部40は、主に、起動スイッチレバー41、布押えスイッチレバー42、スライド板43、取付板44、スイッチボックス45から構成される。
スライド板43には、図4に示すように、ミシンの前後方向に対して斜め(矢印B方向)に長孔43a、43aが形成されており、これら長孔43a、43aを挿通する止めネジ48、48によって送り台35の左面35a上に固定されている。スライド板43を止めネジ48、48に対して矢印B方向にスライド移動させることで、布押え38に対して進退させながら位置調節できる。図4は中間位置の状態である。
【0022】
スライド板43の一端側には上方に向かって支持板43bが立設されている。この支持板43bには、3個のネジ穴(符号は43c、43dのみ)が形成されている。該ネジ穴を介してその内側に断面形状L字型の取付板44の側板44aがネジ49a、49b、49cによって固定されている。
取付板44の上部からは水平に上板44bが延出し、この上板44bの下面に箱体のスイッチボックス45が前記B方向にほぼ平行するようにネジ47、47で固定されている。上板44bに形成された2つのネジ穴のうち一方のネジ穴44cは円弧状に形成され、矢印D方向に位置調節した状態でスイッチボックス45を固定することができる。
スイッチボックス45の両側面には、起動スイッチ41aの起動スイッチレバー41、布押え37,38の上下動を操作する布押えスイッチレバー42が、それぞれの中央よりやや後方の軸を中心に回動可能に取り付けられている。
起動スイッチレバー41及び布押えスイッチレバー42は、前側が上がるようにバネ46で付勢され、それぞれを下方に押えるように操作することで、スイッチボックス45内の配線から前記制御回路50に所定の信号が出力されるようになっている。
【0023】
ネジ穴43c、43dは、ネジ49aを中心とする円弧に沿うように長穴に形成されている。これにより、ネジ49aを中心に、取付板44の側板43bに対する取付位置を回動させることができ、スイッチボックス45及び起動スイッチレバー41、布押えスイッチレバー42の上下方向の高さをネジ49aを中心に調節できる。布押え37,38で押圧された被縫製物は、起動スイッチレバー41、布押えスイッチレバー42の真下であってスイッチボックス45近くにまで達する。厚い生地でスイッチ操作に差し支えるような場合には、スイッチボックス45等を上方に位置調節すればよい。
布押えスイッチレバー42を1回操作するごとに布押え37、38の上昇・下降を指示する信号が布押えスイッチ42aから交互に出力される。
【0024】
ボタン穴かがりミシン30では、縫製前に、まず、被縫製物の形状や被縫製物のどの位置に縫いを形成するのかといったことや、作業者の好みなどの状況に応じて、作業者の手との距離を調節すべく、スライド板43の位置をB方向に沿って調節したり、D方向におけるスイッチボックス45の向きを調節しておく。
次いで、通常は送り台35を最も手前位置まで前進させ、その状態で被縫製物を送り台35上にセットする。そして、作業者は手で布地を押えながら布押えスイッチレバー42を操作して布押え37、38を下げて被縫製物を固定し、続いて起動スイッチレバー41を操作する。ミシン3が起動し、送り台35が後方に移動し始める。このとき作業者は被縫製物を押えたままでも、操作スイッチ部40は送り台35と共に移動するので、作業者の手が操作スイッチ部40と干渉する可能性はない。
【0025】
以上のボタン穴かがりミシン30によれば、操作スイッチ部40は送り台35に設けられているので、送り台35及び送り台25上の被縫製物と共に移動する。縫製開始する際には、送り台35上に布地をセットし、手で被縫製物を押えたままの状態で、指で布押えスイッチレバー42を操作して布押え37、38を下げて、そのままの状態で起動スイッチレバー41を操作する。この直後に送り台35が動き始めても、操作スイッチ部40も共に移動するので、手で被縫製物を押えたままであってもレバー41、42などにぶつかることはない。
【0026】
逆に言えば、ぶつからないように予め操作スイッチ部40を手から離れた位置に取り付ける必要もなく、常に被縫製物を押えた状態のまますぐに操作することができるので、操作性も良好であるし、送り台の移動速度を遅くするといった配慮も不要であるので生産性を犠牲にすることはない。
また、操作スイッチ部40の起動スイッチレバー41、布押えスイッチレバー42は、スライド板43のB方向における固定位置によって、スイッチボックス45ごと布押え37、38に向かって進退するように位置調整可能である。
よって、作業者の手との距離や好みなどに応じて調整することができ、使いやすくなる。特に、被縫製物を手で押えた状態のまま布押えスイッチレバー42を操作できるように調整でき、セット性が向上する。
【0027】
また、起動スイッチレバー41、布押えスイッチレバー42はスイッチボックス45ごと、水平面内において矢印D方向に回動可能に構成されているので、作業者は自分の操作しやすい角度に調整でき使い勝手が良い。
さらに、起動スイッチレバー41、布押えスイッチレバー42はスイッチボックス45及び取付板44ごと、上下方向に位置調整可能であるので、例えば被縫製物が厚いときには上側に調整し薄物であるときには下げるといったように調整することで、縫製状況に合わせて操作レバーのストロークを十分に確保することができる。
【0028】
さらに、操作スイッチ部40は、前後方向に対して斜めに(図4の矢印B方向)に位置調節できるようになっていることで、送り台35が縦胴部32に最接近し、かつ、操作スイッチ部40が最も後退するときにも縦胴部32から逃げる方向に後退する。よって、図1のボタン穴かがりミシン30のようにオフセット型のミシンであって、縦胴部32に近接して操作スイッチ部40が設けられていても、位置調整によりぶつかることはない。
【0029】
<変形例>
図6及び図7に上記実施の形態の変形例を示した。図6、図7は、図1〜図5で示したボタン穴かがりミシン30とほぼ同じミシンについて、図3同様に送り台35付近のみを示した図であり、図3と同じ部材については同符号を付して説明は省略し、以下異なる点のみ説明する。
図6、図7の操作スイッチ100は、操作スイッチ部40とは異なり、レバーが1本である。ここでのレバーは、布押え及び起動の両方を段階的に指示する二段階スイッチレバーである。この二段階スイッチレバー101は、図7に示すように、P1位置まで一段階下げると布押え37、38が下がり、さらにP2位置まで二段階下げるとミシンが起動する。なお、P1位置まで一段階下げて布押え37、38が下降した後、手を離すとバネ46の付勢力でレバー101は上昇し元の位置に戻り、布押え37、38も上昇する。
【0030】
このような布押えの上下動と、縫製動作の開始を段階的に指示する二段階スイッチレバー100を備えたボタン穴かがりミシンでは、被縫製物を押えた状態のまま、レバー100を一段階操作し布押え37、38を下げて、さらに一段階押し下げてミシンを起動させる。よって、布地を確実に押えたまま間髪いれずに起動するので、セット性と生産性の向上の両方を図ることができる。また、二段階スイッチレバー100であると、被縫製物を押えた後続けて起動操作するので手を逃がす余裕がないが、レバー100は送り台35とともに移動していくので、ぶつかることはない。このように本発明は二段階レバーに特に有用である。
【0031】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、1本のスイッチレバーで起動及び布押えを指示する場合、図6及び図7に示すようにスイッチレバーが1本だけでなくてもよい。図3に示すように、起動用と布押え用としてそれぞれスイッチレバーが設けられており、メモリスイッチなどにおける設定を変更することにより、一方のスイッチレバーに図6の二段階レバー100のような両方の機能を持たせるように構成してもよい。この場合、他方のレバーについては、無効としてもよいし、布押え又は起動の機能を維持していてもよい。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、ミシン操作スイッチは送り台に設けられているので、送り台及び送り台上の被縫製物と共に移動する。従って、例えば操作レバーがミシンの起動を指示する起動スイッチレバーであれば、手で被縫製物を押えた状態で操作レバーを操作した直後に送り台が動き始めても、レバーも共に移動するので、手がレバーにぶつかりそうになることはない。従って、縫製開始時に送り台がどのような位置であってもミシン操作スイッチを有効に利用することができる。
逆に言えば、ぶつからないように予めミシン操作スイッチを手から離れた位置に取り付ける必要もなく、常に被縫製物を押えた状態のまますぐに操作することができる位置に設置できるので、操作性も良好であるし、送り台の移動速度を遅くするといった配慮も不要であるので生産性を犠牲にすることはない。
また、操作レバーは、布押えの近傍にあって布押えに向かって進退するように位置調整可能である。作業者は縫製開始時には布押え近辺で被縫製物を手で押えることになるので、結局のところ、作業者の手との距離や好みなどに応じて調整することができ、使いやすくなる。特に、操作レバーが布押えを上下動する布押えスイッチレバーであれば、布押えが上昇した状態で被縫製物をセットし手で押えた状態のまま確実に布押えスイッチレバーを操作できるようになるので、生地がずれることなくセット性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るボタン穴かがりミシンの一例の概略を示す斜視図である。
【図2】図1のボタン穴かがりミシンの制御回路を示すブロック図である。
【図3】図1のボタン穴かがりミシンの送り台及び操作スイッチ部を示す一部平面図である。
【図4】図3の操作スイッチ部のスライド板43を示す平面図である。
【図5】図3の操作スイッチ部を示す側面図である。
【図6】本発明のボタン穴かがりミシンに設けられる操作スイッチ部の他の例を示す一部平面図である。
【図7】図6の操作スイッチ部を示す側面図である。
【図8】従来のボタン穴かがりミシンの概略を示す斜視図である。
【図9】図8のボタン穴かがりミシンの送り台及び操作スイッチ部を示す一部平面図である。
【図10】図9の操作スイッチ部を示す側面図である。
【図11】(a)及び(b)は、図8のボタン穴かがりミシンの縫製開始時の送り台の動作を説明するための平面図である。
【符号の説明】
30 ボタン穴かがりミシン
31 ベッド部
32 縦胴部
33 アーム部
34 ミシン針
35 送り台
37,38 布押え
40 操作スイッチ部
41 起動スイッチレバー
42 布押えスイッチレバー
55 主軸モータ
56 送りモータ
100 二段階スイッチレバー
Claims (6)
- ベッド部と、ベッド部から起立する縦胴部と、縦胴部から前方に向かってベッド部に平行するように延出するアーム部と、アーム部の前部の下端に装着され主軸モータの回転により上下動する針と、アーム部に対向するようにベッド部上面に設けられ、送りモータにより駆動されて載置された被縫製物を水平面内において移動させる送り台と、前記送り台に設けられ、電気的な駆動手段により駆動されて上下動し前記送り台上に位置決めされた被縫製物を押圧保持する布押えとを有し、前記主軸モータと前記送りモータとの動作により前記針と前記送り台を相対的に移動させて前記被縫製物にボタン穴かがり縫目を形成するボタン穴かがりミシンにおいて、
操作レバーを含むミシン操作スイッチが前記送り台の縦胴部側の角部に支持され、
前記操作レバーは、布押えの近傍にあって布押えに向かって進退するように位置調節可能に構成されていることを特徴とするボタン穴かがりミシン。 - 前記ミシン操作スイッチは、前記操作レバーとして、
前記布押えの上下動を指示する布押えスイッチレバー又はボタン穴かがり縫目の縫製を開始させる起動スイッチレバーの少なくとも一方を備えていることを特徴とする請求項1に記載のボタン穴かがりミシン。 - 前記ミシン操作スイッチは、前記操作レバーとして、
操作ストローク位置に応じて、前記布押えの上下動と、ボタン穴かがり縫目の縫製の開始とを段階的に指示する二段階スイッチレバーを備えていることを特徴とする請求項1に記載のボタン穴かがりミシン。 - 前記操作レバーは、水平面内において回動することで位置調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のボタン穴かがりミシン。
- 前記操作レバーは、上下方向に位置調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のボタン穴かがりミシン。
- 前記送り台が最も前記縦胴部に接近したとき、前記ミシン操作スイッチは、前記進退方向においてどの位置にあっても前記縦胴部から離れていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のボタン穴かがりミシン。
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