JP3971596B2 - 車両用内装装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用内装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用内装装置が、たとえば車両用灰皿装置である場合を例にとって説明する。
図8に示すように、車両用灰皿装置1は、リテーナ2と、ボックス3と、スナッファ4とを、有する。
ボックス3は、リテーナ2に着脱可能である。ボックス3は、リテーナ2に取り付けられているとき、リテーナ2に対して、開位置と閉位置との間で回動可能である。
スナッファ4は、片持ちはり形状である。スナッファ4は、ボックス3に取り付けられる。スナッファ4は、ボックス3の開口部の一部を覆っている。スナッファ4は、灰皿装置1のもみ消し部と、ボックス3開時のストッパーとを、兼ねている。
ボックス3をリテーナ2から取り外す時には、スナッファ4を指で押さえ撓ませた状態でボックス3をリテーナ2から取り外す。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の車両用内装装置は、つぎの問題点(課題)がある。
▲1▼スナッファ4は、灰皿装置1のもみ消し部であるため、ボックス3をリテーナ2から取り外す時にスナッファ4を指で押さえると手が汚れる。
▲2▼スナッファ4はボックス3の開口部の一部を覆っているため、ボックス3の開口部が狭い。
本発明の目的は、スナッファをボックスの開口部から廃した車両用内装装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) 車両の内装部材に固定して取り付けられるリテーナと、
前記リテーナに着脱可能であり、リテーナに出し入れ可能に支持されるボックスと、
を有する車両用内装装置であって、
前記リテーナと前記ボックスの一方の側壁に弾性変形可能な弾性部が設けられ、前記リテーナと前記ボックスの他方の側壁に前記ボックス開時に前記弾性部と当接する弾性受け部が設けられており、
前記リテーナと前記ボックスに、前記ボックスが前記リテーナから操作者の意思に反して外れることを防止するための、係合突起受け部と、該係合突起受け部と係合可能な係合突起が設けられており、
前記リテーナはガイド受け部を備え、前記ボックスは前記ガイド受け部上を摺動するガイドを備えており、
前記係合突起受け部と前記係合突起は、前記ガイド受け部および前記ガイドと異なる断面上に設けられており、
前記ボックスは、前記弾性部が前記弾性受け部に当接している状態であって前記ボックスを押して前記係合突起受け部が前記係合突起の軌跡から外れるまで前記弾性部を変形させた状態で、前記ボックスを前記弾性部と前記弾性受け部との接触部まわりに回動させることで、前記リテーナから取り外し可能となる、
車両用内装装置。
(2) 内装装置は灰皿装置であり、前記ボックスにはもみ消し部が一体に形成されている、(1)記載の車両用内装装置。
【0005】
上記(1)の車両用内装装置では、リテーナとボックスの一方に弾性部が設けられ、リテーナとボックスの他方に弾性受け部が設けられているので、ボックスをリテーナに対して開動させたときに弾性部を弾性受け部に当接させることで、ボックスの開位置を定めることができる。そのため、従来のスナッファは不要である。したがって、ボックスの開口部を広く使える。
上記(2)の車両用内装装置では、内装装置が灰皿装置であり、ボックスにはもみ消し部が一体に形成されているので、従来のスナッファは不要である。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1〜図5は、本発明実施例1の車両用内装装置を示しており、図6は、本発明実施例2の車両用内装装置を示しており、図7は、本発明実施例3の車両用内装装置を示している。
以下、本発明実施例1から本発明実施例3にわたって共通する部分には、本発明実施例1から本発明実施例3にわたって同じ符号を付してある。
まず、本発明実施例1から本発明実施例3にわたって共通する部分を、たとえば、図1〜図5を参照して、説明する。
【0007】
本発明実施例の車両用内装装置10は、たとえば、車両用灰皿装置、車両用小物入れ、車両用カップホルダである。以下、本発明実施例および図示例では、車両用内装装置10が車両用灰皿装置である場合を例にとって説明する。
本発明実施例の車両用内装装置10は、図1に示すように、リテーナ20と、ボックス30と、弾性部40と、弾性受け部50とを、有する。車両用内装装置10は、さらに、荷重出し部60を有する。
【0008】
リテーナ20は、たとえば、車両の内装部材であるコンソールボックスの車両後側面に埋設されている。ただし、リテーナ20の配設場所はコンソールボックスの後面に限定されるものではなく、たとえば、車両の内装部材であるインスツルメントパネルやコンソールボックスの前面であってもよい。以下、本発明実施例では、リテーナ20がコンソールボックスの車両後側面に埋設される場合を例にとって説明する。
リテーナ20は、樹脂製であり、望ましくは弾性変形可能な樹脂(たとえば、ポリアセタール、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂)からなる。
リテーナ20は、リテーナ収容部21と、ガイド受け部22とを、有する。
【0009】
リテーナ収容部21は、車室内(車両後方)に開口する。リテーナ収容部21には、ボックス30が出入りする。
ガイド受け部22は、リテーナ20の底壁20aに形成されている。ガイド受け部22の表面形状は、円弧状または直線状となっている。ガイド受け部22が円弧状である場合、ボックス30はリテーナ20に対して回動可能とされ、直線状である場合、ボックス30はリテーナ20に対して直線動可能とされる。
【0010】
ボックス30は、樹脂製である。ボックス30は、アウターボックス31のみからなっていてもよく(本発明実施例1と本発明実施例2)、アウターボックス31とインナーボックス32とからなっていてもよい(本発明実施例3)。ボックス30は、リテーナ20に着脱可能とされている。ボックス30は、リテーナ20に取り付けられているとき、リテーナ20に、出し入れ方向に、開位置と閉位置との間で回動可能または直線動可能とされている。ボックス30には、ドア70が一体または別体に設けられている。
【0011】
ボックス30は、ボックス収容部33と、ガイド34とを、有する。
ボックス収容部33は、上方に開口している。ボックス収容部33内には、もみ消し部33aが形成されている。もみ消し部33aは、ボックス30と一体に形成されている。
【0012】
ガイド34は、ボックス底壁に形成されている。ガイド34は、リテーナ20のガイド受け部22が円弧状である場合には円弧状であり、リテーナ20のガイド受け部22が直線状である場合には、直線状である。ガイド34は、ボックス30をリテーナ20に対して開閉するとき、リテーナ20のガイド受け部22上を摺動する。
【0013】
弾性部40は、弾性変形可能な樹脂からなる。弾性部40は、リテーナ20とボックス30の一方の側壁に、設けられる。弾性部40は、リテーナ20またはボックス30に、一体に形成されるか、または、別体に形成されて固定して取り付けられる。
弾性部40は、上下方向に弾性変形可能である。弾性部40は、ボックス30がリテーナ20に取り付けられているとき、リテーナ20とボックス30の他方に設けられる荷重出し部60に接触し、弾性変形した状態にある。弾性部40が弾性変形しているとき、弾性部40には、復元力がはたらく。ただし、この復元力は、弾性部40自身の復元力のみであってもよく、弾性部40の復元力と図示略のバネ材の付勢力との和であってもよい。
【0014】
弾性受け部50は、リテーナ20とボックス30の他方の側壁に設けられる。弾性受け部50は、リテーナ20またはボックス30に、一体に形成されるか、または、別体に形成されて固定して取付けられる。
弾性受け部50は、図3に示すように、ボックス30が開位置に位置するときに弾性部40と当接する。弾性受け部50がボックス開位置で弾性部40と当接するので、ボックス30がそれ以上開方向に移動することを防止できる。
【0015】
荷重出し部60は、リテーナ20とボックス30の他方の側壁に設けられる。荷重出し部60は、弾性受け部50と一体に形成される。荷重出し部60は、ボックス30がリテーナ20に対して回動する場合には、ボックス30の回動軸Pを中心とする円弧状に延びており、ボックス30がリテーナ20に対して直線動する場合には、直線状に延びている。
荷重出し部60は、ボックス30がリテーナ20に取り付けられているとき、弾性部40が摺動可能であり、弾性部40を弾性変形させる。荷重出し部60が弾性部40を弾性変形させ、弾性部40には復元力が働くので、ボックス30をリテーナ20に対して出し入れするときに、適度な操作フィーリングを得ることができる。
【0016】
荷重出し部60のうち弾性部40が摺動する面(以下、摺動面61という)には、凹み部62が形成されている。凹み部62は、ボックス30が閉位置にあるときに弾性部40が接触する部位に、形成されている(図2参照)。凹み部62が形成されているので、ボックス30を閉位置まで閉めたときに節度が得ることができる。その結果、操作する人が閉位置を認識でき、確実にボックス30を閉位置まで閉めたことを認識できる。
【0017】
つぎに、ボックス30を閉位置から開位置に移動させる作動を説明する。ボックス30を開位置から閉位置に移動させる作動は、ボックス30を閉位置から開位置に移動させる作動と反対となるため、省略する。
ボックス30が閉位置にあるとき、図2に示すように、弾性部40は、荷重出し部60の凹み部62に位置する。弾性部40は、荷重出し部60により弾性変形している。
ボックス30を閉位置から開位置に移動させるとき、弾性部40は、凹み部62から出て荷重出し部60の摺動面61上を弾性変形しながら摺動する。弾性部40が弾性変形しながら摺動面61上を摺動するため、弾性部40と荷重出し部60とにより適度な操作荷重を得ることができる。
ボックス30を開位置まで移動させたとき、図3に示すように、弾性部40は、荷重出し部60の摺動面61により弾性変形しながら、弾性受け部50に当接する。弾性部40が弾性受け部50に当接するので、それ以上にボックス30がリテーナ20に対して開方向に移動することを防止できる。
【0018】
ここで、ボックス30が開位置に位置するとき、ボックス30が、使用者の意思に反して、弾性部40と弾性受け部50とが接触する部位(以下、接触部という)まわりに回動した場合(図3のA方向に回動した場合)を、説明する。
ボックス30が使用者の意思に反して接触部まわりに回動した場合、図3に示すように、リテーナ20のガイド受け部22の一部がボックス30のガイド34の回動軌跡B内に入り込んでいるので、ボックス30がリテーナ20から操作者の意思に反して外れることを防止できる。ただし、操作者の意思に反してさらにボックス30を外れにくくするために、ガイド受け部22およびガイド34とは異なる断面上に、図4、図5に示すように、係合突起受け部23と係合突起35とを、設けてもよい。係合突起受け部23と係合突起35とが設けられる場合、係合突起受け部23はリテーナ20に一体に形成され、係合突起35はボックス30に一体に形成される。
【0019】
つぎに、開位置にあるボックス30をリテーナ20から取り外す作動を、図3を参照して、説明する。ボックス30をリテーナ20に取り付ける作動は、ボックス30をリテーナ20から取り外す作動と反対となるため、省略する。
弾性部40が弾性受け部50に当接している状態で、荷重受け部60がさらに弾性部40を変形させる方向(図3のC方向)にボックス30を押す。ガイド受け部22がガイド34の回動軌跡Bから外れるまで(係合突起受け部23と係合突起35が設けられている場合には、係合突起受け部23が係合突起35の回動軌跡から外れるまで)ボックス30を押した状態で、ボックス30を接触部まわりにA方向に回動させ、ボックス30をリテーナ20から外す。
【0020】
つぎに、本発明実施例1から本発明実施例3にわたって共通する部分の作用を説明する。
リテーナ20とボックス30の一方に弾性部40が設けられ、リテーナ20とボックス30の他方に弾性受け部50が設けられているので、ボックス30をリテーナ20に対して開動させたときに弾性部40を弾性受け部50に当接させることで、ボックス30の開位置を定めることができる。その構造には、スナッファは用いられていない。スナッファが用いられていないので、ボックスの開口部を広く使える。
また、内装装置10が灰皿装置であり、ボックス30にはもみ消し部33aが一体に形成されているので、従来のスナッファは不要である。
【0021】
つぎに、本発明各実施例に特有な部分を説明する。
本発明実施例1では、図1〜図5に示すように、リテーナ20のガイド受け部22の表面形状は円弧状であり、ボックス30のガイド34も円弧状である。ボックス30は、アウターボックス31のみからなる。弾性部40はリテーナ20の両側壁20aに設けられる。弾性受け部50は、ボックス30のアウターボックス31の両側壁31aに一体に設けられる。
弾性受け部50は、荷重出し部60の摺動面61の車両前方側端部から上方に突出して設けられている。
【0022】
本発明実施例2では、図6に示すように、リテーナ20のガイド受け部22の表面形状は直線状であり、ボックス30のガイド34も直線状である。ボックス30は、アウターボックス31のみからなる。弾性部40はリテーナ20の両側壁20aに一体に設けられる。弾性受け部50は、ボックス30のアウターボックス31の両側壁31aに一体に設けられる。
弾性受け部50は、荷重出し部60の摺動面61の車両前方側端部から上方に突出して設けられている。
【0023】
本発明実施例3では、図7に示すように、リテーナ20のガイド受け部22の表面形状は円弧状であり、ボックス30のガイド34も円弧状である。ボックス30は、アウターボックス31とインナーボックス32とからなる。弾性部40は、アウターボックス31の両側壁31aに一体に設けられる。弾性受け部50は、リテーナ20の両側壁20aに一体に設けられる。
弾性受け部50は、荷重出し部60の摺動面61の車両後方側端部から下方に突出して設けられている。
【0024】
【発明の効果】
請求項1記載の車両用内装装置によれば、リテーナとボックスの一方に弾性部が設けられ、リテーナとボックスの他方に弾性受け部が設けられているので、ボックスをリテーナに対して開動させたときに弾性部を弾性受け部に当接させることで、ボックスの開位置を定めることができる。そのため、従来のスナッファは不要である。したがって、ボックスの開口部を広く使える。
請求項2記載の車両用内装装置によれば、内装装置が灰皿装置であり、ボックスにはもみ消し部が一体に形成されているので、従来のスナッファは不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1の車両用内装装置の分解斜視図である。
【図2】本発明実施例1の車両用内装装置の、ボックス閉位置における、弾性部と弾性受け部が設けられている部位における断面図である。
【図3】本発明実施例1の車両用内装装置の、ボックス開位置における、弾性部と弾性受け部が設けられている部位における断面図である。
【図4】本発明実施例1の車両用内装装置の、ボックス閉位置における、係合突起と係合突起受け部が設けられている部位における断面図である。
【図5】本発明実施例1の車両用内装装置の、ボックス開位置における、係合突起と係合突起受け部が設けられている部位における断面図である。
【図6】本発明実施例2の車両用内装装置の、ボックス開位置における、弾性部と弾性受け部が設けられている部位における断面図である。
【図7】本発明実施例3の車両用内装装置の、分解斜視図である。
【図8】従来の車両用内装装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 車両用内装装置
20 リテーナ
22 ガイド受け部
30 ボックス
34 ガイド
40 弾性部
50 弾性受け部
60 荷重出し部
62 凹み部
70 ドア
Claims (2)
- 車両の内装部材に固定して取り付けられるリテーナと、
前記リテーナに着脱可能であり、リテーナに出し入れ可能に支持されるボックスと、
を有する車両用内装装置であって、
前記リテーナと前記ボックスの一方の側壁に弾性変形可能な弾性部が設けられ、前記リテーナと前記ボックスの他方の側壁に前記ボックス開時に前記弾性部と当接する弾性受け部が設けられており、
前記リテーナと前記ボックスに、前記ボックスが前記リテーナから操作者の意思に反して外れることを防止するための、係合突起受け部と、該係合突起受け部と係合可能な係合突起が設けられており、
前記リテーナはガイド受け部を備え、前記ボックスは前記ガイド受け部上を摺動するガイドを備えており、
前記係合突起受け部と前記係合突起は、前記ガイド受け部および前記ガイドと異なる断面上に設けられており、
前記ボックスは、前記弾性部が前記弾性受け部に当接している状態であって前記ボックスを押して前記係合突起受け部が前記係合突起の軌跡から外れるまで前記弾性部を変形させた状態で、前記ボックスを前記弾性部と前記弾性受け部との接触部まわりに回動させることで、前記リテーナから取り外し可能となる、
車両用内装装置。 - 内装装置は灰皿装置であり、前記ボックスにはもみ消し部が一体に形成されている、請求項1記載の車両用内装装置。
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